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所長 コラム 旧年中は何かと有難うございました 本年も

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所長 コラム 旧年中は何かと有難うございました 本年も
Vol.185
所長
コラム
2012 / 1 月号
旧年中は何かと有難うございました
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
『会計も租税もすべて正義であるべき』
当事務所が加盟しているTKC全国会、その創始者であり、初代会長を務められた飯塚毅(公認会計
士・税理士)先生は、その生涯を「租税正義」の為に捧げられたと言っても過言ではありません。
「租税正義」とは、国民は等しく国の定める法律(税法)に則って、一円たりとも多くなく、少なくな
く税金を納めるべしというものであります。
そして税法を適用する前段階の会計制度が先ず正確なものが求められますが、その会計制度において
さえ、最近のオリンパス問題(長期にわたる巨額損失隠し)が発覚して大問題化しています。
会計も税務も拠り所とすべき基準があり、これを恣意的に歪めたり税額を少なくしようとすると粉飾
や脱税問題が発生します。但し税法に則った合法的な節税は許されるにしても、常に節税志向があると
限度を超すことになりかねず、そこに監査法人とか税理士が介入し、専門家の立場で合規性の判断をし、
アドバイスを行っていますが、人間性の問題があり、誘惑に負けて目をつぶったりすると、誰がどの様
な監査を行ったかが問題となり、信頼を損ねるどころか挙句の果てには資格まで失うことにつながり
かねないことになります。従って単に言った言わないでなく書面でもって毅然と指摘し、改めて頂く
勇気を兼ね備えていなければならないという職業的責任が必要となります。
飯塚先生は指導に従わないお客様は顧問契約を解約されていましたし、逆に税務署の調査や解釈に
違法性がある場合は毅然と異議申立や裁判に及び、常に勝訴に持ち込まれていましたが、国税に楯つき、
「飯塚憎し」で一斉に顧問先の税務調査を敢行(俗に飯塚事件と呼ばれ、のちに「不撓不屈」として
映画化)され、脱税指導(実際は節税指導)で起訴されたものの、6年余りの裁判の末無罪を勝ち取っ
て国家損害賠償請求もしなかった武勇伝の持主でありました。
何れにしても粉飾にしろケチな脱税にしてもその場はうまくごまかせたようでも結局長い眼で見れ
ば大勢に影響はなく、その知恵を本来の経営努力に置き換えた方が得策ということになりそうです。
その意味では国税当局が「優良申告法人」として選定する基準が参考になりますので紹介しておきま
す。法人税、消費税や源泉所得税等の期限後の申告や納付が一切なく、法人税の申告所得金額が同じ
管内の法人の平均所得金額以上であり、調査をしても不正計算がなく、誤りがあったとしても申告漏れ
割合が10%以下であること、その他実地調査においての基準も10数項目にわたって経理上の責任
体制が確立されて不正計算や使途不明金がないこと、調査と資料収集に協力的であることなどです。
地域における模範的な企業が「優良申告法人」として税務署から表敬を受けることができ、その数は
全法人の 1%前後だと言われています。皆さん挑戦して見られませんか。
Vol.185
改正
2012 / 1 月号
消費税仕入税額控除の
「95%ルール」の適用要件が見直されます!
事業者が消費税を国に納める際、お客様からお預かりした消費税から自分たちが負担した消費税を
控除して計算します。これを「仕入税額控除」と呼びますが、現在この控除を計算する際に課税売上
割合(受取利息や土地の譲渡などの非課税の売上と課税売上を合算した金額のうち、課税売上が占める
割合)が95%以上であれば全額控除されます。これが「95%ルール」です。不動産業、医療法人
などを除き、多くの企業がこのルールにより仮払消費税を控除しています。
そんな中、平成23年度税制改正により、消費税仕入税額控除における95%ルールの適用要件が
見直されることになりました。
具体的には、課税期間の課税売上高が5億円を超える事業者は、課税売上割合が95%以上であって
も、改正前のように仕入税額の全額控除を受けられなくなります。該当する事業者は、
「個別対応方式」
「一括比例配分方式」のいずれかを選択して仕入税額控除を適用することになります。
一般的には「個別対応方式」のほうが税額が少なくなる傾向にあるため、売上高が5億円を超える、
もしくは超える可能性のある企業にとっては、今後どのように「個別対応方式」に対応していくのかが
重要な課題となります。なお「一括比例配分方式」を選択した場合には、2年間以上継続適用すること
とされています。
○ 適用開始時期
・・・平成24年4月1日以後開始する課税期間より適用
○「個別対応方式」の考え方・・・課税仕入高を3つに区分
① 課税売上高にのみ対応する課税仕入高 → 全額仕入控除対象
② 課税売上高・非課税売上高に共通して対応する課税仕入高 → 課税売上割合相当分を控除
③ 非課税売上高にのみ対応する課税仕入高 → 控除できない
売上高が5億円超を見込まれる場合には、期中において消費税区分を正しく区分する必要があります。
以上についてのお問い合わせなどは監査担当者までご連絡ください。
システム
(記事担当:西田)
リモートディスプレイサービス開始しました!
「リモートディスプレイサービス」とはインターネット経由で、会計事務所からお客様の利用中の
パソコン画面を閲覧し、的確な質問回答や間違いのない操作説明ができるサービスです。
TKC戦略経営者メニュー21が入ったパソコンがブロードバンド環境にあり、OS は Windows
XP の Service Pack3以上の環境であればご利用可能です。初回のみインストール、コンピューター
の再起動が必要ですのでご利用希望の方は監査担当者までお申し出ください。
Vol.185
改正
2012 / 1 月号
生命保険料控除が変わります!
平成24年1月1日以降の契約分から所得税等の生命保険料控除が変わります。従来の一般生命保険
料控除(所得税額控除:従来上限5万円→改正後4万円)、個人年金保険料控除(5万円→4万円)に
加えて介護保険料控除(上限4万円)が新設されました。平成24年1月1日より、契約日(更新日・
特約付加日)を基準として、
「旧制度」
「新制度」の2つの制度が並存します。
旧制度
新制度
<新制度の適用限度額>
<現行制度の適用限度額>
一般生命保険料控除
所得税
5万円
住民税 3.5万円
定期保険
など
総合医療
保険・
総合医療
特約など
一般生命保険料控除
災害割増
特約など
所得税
4万円
住民税 2.8万円
定期保険
など
合計適用限度額
個人年金保険料控除
所得税
5万円
住民税 3.5万円
合計適用限度額
個人年金
保険
所得税10万円
住民税
7万円
総合医療
介護医療保険料控除 総合医療
所得税
4万円
住民税 2.8万円
保険・
保険・
総合医療
特約など
特約など
所得税12万円
住民税
7万円
※住民税の控除額
は7万円が上限と
なります。
個人年金保険料控除
所得税
4万円
住民税 2.8万円
個人年金
保険
<生命保険料控除の対象外となる契約>
無配当災害割増特約・無配当傷害特約等
災害割増
特約など
旧制度の対象は、平成23年12月31日以前にご加入の保険契約、新制度の対象は平成24年1月
1日以降にご加入の保険契約が対象です。
旧制度と新制度の対象商品の双方に加入している場合は、「一般生命保険料控除」「個人年金保険料
控除」は、それぞれの控除ごとに申告方法を選択することができ、①旧制度の控除額 ②新制度の控除
額 ③①と②の合計控除額のいずれかになります(③の場合、新制度の適用限度額が上限となります)
新設の「介護医療保険料」は入院・通院にともなう給付部分にかかる保険料が対象となり、大同生命
取扱いの保険商品では、無配当重大疾病保障保険「J タイプ」がこの介護保険料控除の対象になります。
重大疾病に備えることができ、かつ所得税も軽減できるまたとない機会です。ぜひご検討ください。
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