...

改正障害者雇用促進法

by user

on
Category: Documents
20

views

Report

Comments

Transcript

改正障害者雇用促進法
象
平成22年7月から障害者雇用に関する制度が変わりました。
改正障害者雇用促進法により、常時雇用労働者数が201人以上(従来は301人以上)
の事業所においても、法定障害者雇用率に満たない場合には、障害者雇用納付金の納付が
必要となります。
今回の改正内容は次のとおりです。
以下に当てはまる事業所はご注意ください。
※常用雇用している労働者数が200人を超え300人以下の事業所(労働者数は事業
所全体でカウントする)
雇用納付金制度の対象となります。
※パートタイマー等短時間労働者を多く雇用している事業所
短時間労働者(週の所定労働時間が20時間以上30時間未満)が障害者雇用率
制度の対象となりました。
※除外率が適用されている事業所
除外率が一律 10%ポイント引き下げられました。
1、 障害者雇用納付金制度の対象事業所の拡大
*障害者雇用納付金制度とは
事業主間の経済的負担を調整する観点から、雇用障害者数が法定雇用率(1.8%)
に満たない事業主から、雇用する障害者が1人不足するごとに1月当たり5万円を
徴収し、それを原資として、法定雇用率を超えて障害者を雇用する事業主に対し、
障害者雇用調整金を(超過1人につき1月当たり2万7千円)や助成金を支給する
仕組みです。
この障害者雇用納付金の徴収は、従来常用雇用労働者301人以上雇用する事業主
のみを対象としてきました。
*今回平成 22 年 7 月から、常用雇用労働者が200人以上を超え300人以下の事業所
又、平成27年4月から、常用雇用労働者が100人以上を超え200人以下の事業所
に、障害者雇用納付金制度の対象が拡大されることになりました。
なお、この制度の適用から5年間は、納付金の減額特例が適用されます。
常用雇用労働者が200人を超え300人以下の事業所
平成22年7月から平成27年6月まで 5万円⇒4万円
常用雇用労働者が 100人を超え 200人以下の事業所
平成27年4月から平成32年3月まで 5万円⇒4万円
2、 短時間労働者を労働者数及び雇用障害者数に算入
従来は、短時間労働者はゼロカウントでしたが、改正により、常用雇用労働者のうち
短時間労働者も労働者に加えて、法定障害者数を出し、障害者雇用納付金の申告等を行
うことになりました。
なお、労働者数へ算入する一方で、雇用障害者数にも算入することが出来るようにな
りました。
* 常用雇用労働者とは・・・・・
① 無期雇用契約で雇用されている労働者
② 有期雇用契約であって、その契約を反復更新し雇い入れの時から引き
続き1年を超えて雇用されると見込まれる労働者、又は過去1年間を
越えて引き続き雇用されている労働者
* 常用雇用労働者のうち、短時間労働者とは、・・・・
常用雇用労働者のうち、次のいずれにも該当する労働者
① 週所定労働時間が、同一の事業所の通常の労働者の 1 週間の所定労働
時間より短い労働者
② 週所定労働時間が、20時間以上30時間未満の労働者
* 今回の法改正による改正点
障害者雇用率制度において、実雇用率や法定雇用障害者数(障害者の雇用義務
数)の算定の基礎となる常用雇用労働者の総数に、短時間労働者(週所定労働時
間20時間以上30時間未満)をカウントすることになりました。その際、短時
間労働者は0.5カウントとして計算し、これを基に、実雇用率や法定雇用障害
者数を計算します。
例
雇用障害者数に算入するケース1人の障害者を雇用した場合の算定方法
週所定労働時間
身体・知的障害者
(重度の者)
精神障害者
30時間以上
20時間以上30時間未満
1人として算定
0.5人として算定
(2人として算入)
(1人として算入)
1人として算定
0.5人として算定
実雇用率等の計算式は次のようになります。
障害者である短時間以外の労働者の数+障害者である短時間労働者の数×0.5
実雇用率=
短時間以外の労働者の数+短時間労働者の数×0.5
法定雇用障害者数(障害者の雇用義務数)
=(短時間以外の労働者の数+短時間労働者の数×0.5)×1.8%(少数点以下切捨
て)
※ 事業所として常用労働者数に増加がなくても、今回の改正により雇用すべき法定雇用障
害者数が増え、法定数に満たない場合には、障害者雇用納付金の納付が必要となります。
3、 除外率の10%ポイント引き下げ
障害者が就業することが困難であると認められる職種が相当の割合を占める業種の
障害者雇用率制度及び障害者雇用納付金の申告において、当分の間、法定雇用障害者数
の算定に当たり、本来の常用雇用労働者数から、業種ごとに一定割合の人数を除外する
制度で、これを除外率といいます。
例)建設業 30%⇒20%
倉庫業 15%⇒5% 電気業 10%⇒0%
具体的には、次のとおりになります。
例)常用雇用労働者数が500人で、除外率が 40%から 30%に引き下げられるケース
引き下げ前⇒500人×(1―0.4)×1.8%=5人
引き下げ後⇒500人×(1―0.3)×1.8%=6人
※ 事業所として常用雇用労働者数や業種の変更がなくても、雇用すべき法定雇用障
害者数が増加する。また、法定数に達しない場合には、障害者雇用納付金の納付
が必要となります。
4、 障害者雇用における主な助成金
障害者雇用促進支援として、特定求職者雇用開発助成金や特例子会社等設立促進助成
金等の助成金・奨励金が創設されています。
その中でも、原則として障害者雇用の経験のない中小企業(56人から300人規模
の事業所)において、ハローワーク等の紹介により、身体障害者・知的障害者・精神障
害者を初めて継続して雇用する事業主に100万円を支給する「障害者雇用ファース
ト・ステップ奨励金」は利用し易い奨励金です。
(雇用失業情勢が改善するまでの時限
措置)
なお、今回の改正に対応し、平成22年7月からは、身体障害者又は知的障害者であ
る短時間労働者も助成の対象となります。
(但し、重度でない場合は、2人以上の雇い
入れが必要)
以上
Fly UP