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大震災《トイレの水は流せない》その時あなたはどうする??
大震災《トイレの水は流せない》その時あなたはどうする?? 講演者 川崎市男女共同参画センター 女性の視点でつくる かわさき防災プロジェクト 11 月 9 日(土)14:00~16:00 鷹番住区センター レクホールにて 主 催 鷹番 1・2 丁目町会 共 催 目黒区鷹番住区住民会議 防災部 協 力 三谷北町会 中央町1丁目町会 碑文谷6丁目自治会 参 加 88 名(子ども2名) :事前申込み 74 名、当日受付 14 名 総合司会 震災対策部会 山本:今日は川崎市男女共同参画センター主催「女性の視点でつくるかわさき防災プロジェ クト」のメンバー(以下プロジェクトメンバー)の方をお呼びし、女性の視点から、実験を交えなが ら講演をしていただくことにしました。 鏑木震災対策部長:講演会は二回目。今回は住民会議と他町会の協力を得て、開催できました。去年の 暮れ、震度 6 強の東京湾北部直下型地震が来るおそれがあると、気象庁が公表しました。3.11 では東 京は震度 5 強でした。震度 6 強とは、固定していない家具は移動し、補強していないブロック塀は倒 壊する。都の公表資料被害想定では目黒区では三千名強が怪我をし、三百人強が死亡、10 軒のうち 3 軒が停電し、水道、電気がひと月位止まると予想されています。その時重要なのは、自分のことは自 分で守るということ。今日、実験も含めながら、そのことを勉強していく機会になればと思います。 <第1部> 司会進行を、プロジェクトメンバーの加藤さんにバトンタッチして進めていきます。 川崎市男女共同参画センター三橋館長より挨拶:センターは川崎の溝の口にあります。愛称「すくらむ 21」と呼ばれています。3.11 東日本大震災で避難されていらした方たちとの係わりにより、特に女性 と子どものためのサロンの開催を通じて、女性の視点から防災対策を取り組む必要性を感じ、進めて まいりました。昨年 9 月に、女性の視点でつくるかわさき防災プロジェクトを立ち上げ、市内に住む 女性市民がメンバーとなり、活動はじめ、今年 3 月に災害時のトイレ事情について取り上げ、講座を 開きました。そちらに参加した山本さんから、自分の町会でも講座をという話があり、今回対応する ことにしました。 ◆大震災直後のトイレ事情 プロジェクトメンバー三村:私は 18 年前、阪神淡路大震災を経験しました。兵庫区にあった築 30 年 2 階建て我が家は倒壊し、1階に寝ていた母を亡くしました。周りの家は全壊でした。被災当日に使え る近隣のトイレは汚物で一杯になりました。汚くそして暗い公園のトイレに行くとき、怖くて父につ いて行ってもらいました。我慢していると膀胱炎になります。水や食料は次の日にも届きます。しか しトイレは汚いままです。目黒区では、4 割は断水、3 割はトイレの汚物は流せないとホームページに ありました。マンションでは汚物は階下に流れます。建物は壊れなくともトイレや下水の問題は深刻 になります。トイレだけでなくお風呂、台所などの水を流せない状態になります。そこで私たちは、 主婦目線で流さないトイレに行きつきました。 ◆比べてみよう流さないトイレ プロジェクトメンバー坂本:配布した「災害に備えるトイレ対策編」※をもとに説明していきます。 ※素敵な冊子です。ご入用の方は、鷹番 1・2 丁目町会 震災対策部会までご連絡ください。メール アドレス [email protected] 先ず、 「流さないトイレ」を中心に説明します。排水管がこわれて、通常のトイレを使わない方法とし て(1)レジ袋の中に新聞紙を入れる方法、(2)紙箱にレジ袋をかぶせ、下に新聞紙を敷く方法、(3)段ボー ルトイレ法の三通りがあります。段ボールトイレの作り方は後ほどご覧に入れます。使用時は個室無 ければ、黒いポンチョを被って、トイレの用をたすことも女性にとって重要かもしれません。 次に仮設トイレについて説明します。 「マンホールトイレ」がありますが、羨ましいことに、目黒区で は避難所全てに設置されていると聞きます。「組み立て式のトイレ」、イベント等に使う「ワンボック ストイレ」もあります。いずれも和式タイプのトイレが多くなりますので子どもは慣れていない、高 齢者はしゃがむ姿勢がつらいなど不便を感じることが多くなります。手近なところに、洋式トイレを 用意しておくことが必要です。 配布資料の 3 ページ、自宅のトイレを利用する方法として 45 リットルのビニールのポリ袋を二枚用意 して、トイレにかぶせます。便器の汚れや水不足で配水管を詰まらせないために便器内の水、貯水タ ンクの水はあとでバケツなどに移します。(生活用水として使用可)*排水管を汚物で詰まらせると、 復旧しても使用できない状態になることあり。 写真 1 実験の説明 さて、実験です。会場から 5 名の方、前に出て、手伝って下さい。小水一度の量として 200cc の水を かけて、どれが、一番吸水性が高いかを実験します。 写真 2 5人の参加者による実験 実験結果は次の通りでした。 1 杯目 2 杯目 3 杯目 4 杯目 5 杯目 6 杯目 7 杯目 1 凝固剤トイレ袋法(10g) ○ ○ ○ ○ ○ ○ × 2 ちぎった新聞紙(6 枚) × 3 猫砂法 (3 カップ) ○ ○ × 4 犬のトイレシート法 ○ ○ ○ 5 畳んだ新聞紙(6 枚) △ × 凝固剤では、1 リットル以上吸収できます。センターでの実験では、ちぎった新聞紙よりも、畳んだ新 聞紙の方が吸水性は高いようです。 いろいろな方法を知っておくことが大切です。45 リットルのポリ袋、新聞紙、トイレットペーパーは いつも用意しておくこと、他に介護用・幼児用おむつも吸収材になります。犬用トレイシートは吸収 が良く安価(1 枚 12 円程度) 。45 リットルの黒ポリ袋はホームセンターにあります。猫砂は(3 カップ で 34 円ほど) 凝固剤付きトイレ袋は高価(約 150 円程)だが、備蓄にはかさばらず、効果は大きい。外出時、携帯用ト イレを一枚用意しておくとよいです。渋滞時にも使用できます。 便器にポリ袋をかぶせるときにダンボールなどでふた(中ぶた)をすると便が下にまで落ちないのと シートなども広がる。 新聞紙コップ法は、便器に新聞紙を十字に広げてつやのある広告紙を載せて便と尿を別々に分けて使 用する。尿は紙コップでバケツなどに入れる(下水道などに流す) 便・汚物を拭いた紙は一緒に新聞紙に包み袋に入れ口をしばり、トイレ用と明記したポリ袋にまとめて おく。 (清掃車が回収する) ~ 休憩 10 分 ~ その間に、質問票の提出を受け付け 休憩後 梁嶋町会長より挨拶:鷹番住区全体で協力して、この会を開催することができました。話だけでなく、 今日のように実験していただくと分かりやすい。鷹番 1・2 丁目町会では、災害対策部会を設置して、 防災や講座に取り組んでいます。絆というだけでなく、実際の声かけも重要です。大勢の方が参加し て、これだけにぎやかな講演会になったことは、皆さんのおかげです。今日来ていただいている中央 町 1 丁目、碑文谷 6 丁目、清水町、五本木の各町会長さん、三谷北の婦人部長さんを紹介します。有 難うございました。 写真 3 梁嶋町会長の挨拶 <第2部> 給水・排水設備の防災・減災対策 プロジェクトメンバー坂本:特に断水の際、衛生面で問題を生じます。配布資料 11 ページに除菌スプレ ー、消毒薬の作り方をのせています。参考にしてください。 なお下水道に流してよいかどうか、震度 6 以上では使用不可になる公共下水道の破損について、行政 の情報を得ておく必要があります。 排水施設で汚水マスやその周りの点検も必要です。震災後の点検では、床下に対して、外に流れてい ないか、水漏れをチェックします。蛇口など閉めたあとでメーターのチェックをする。きれいな水を 少量流してチェックするなど、震災前に、ユニットバスの点検口などから、自宅の床下の配管を調べ ておくと、チェックがしやすいです。マンションの場合、水漏れすると階下への影響が生じるので要 注意です。自宅やマンションの修繕のときに、給排水設備を耐震化することも必要です。 資料 10 ページに排水管が詰まらないように流す方法をのせています。小水の場合は水を流さずにその ままにしておきます。排水設備が壊れていない場合、便を詰まらせないためには多めの水(5 リットル 以上)で一気に流すようにします。 東日本大震災では、周囲に穴を掘って対応しました。周辺に土がない都市部では、トイレ問題は深刻 になり、水分や食事の量を控えたりして、脱水、膀胱炎、エコノミー症候群になり、脳梗塞、心筋梗 塞などをひきおこすことにもなります。 しっかり食べ、飲み、そしてトイレに行くことが被災後に重要です。 ◆段ボールトイレの作り方の実演(洋式で使いやすい) (別途配布資料 女性防災クラブ 平塚パワーズによる「段ボールトイレづくり」) 写真 4 段ボールトイレの出来上がり ◆質疑・応答 質問1:特に集合住宅の場合、全世帯が利用制限した例はあるか? 応答:仙台市のマンションで、震災用のマニュアルがありその中に排水禁止の項目もあり、成功した例 もあるようです。利用制限のためには、PR、周知の徹底が必要です。 質問 2:尿を流すのは雨水溝と説明されていたが、尿は下水道に流してよいのか? 応答:尿には菌がなく、衛生上問題はない。臭いが気になりますが水を流せば消えます。 質問 3:穴を掘って用をたすことはどうか。小さいが庭があるので? 応答:敷地内に穴を掘ってトイレをつくることはよいことです。できれば石灰、もみ殻灰をかけていく と無臭化します。ただし深く掘って埋めることが重要です。 質問 4:何か良い消臭剤はあるか? 応答:側溝では水を流して臭いを消す。粉石鹸も効果があります。他に石灰、重曹など 質問 5:新聞紙の使い方は。1 枚ずつクシャクシャにする?まとめて畳む? 応答:畳んだ新聞紙の方が吸い取ります。 質問 6:黒いポンチョはどこで手に入れることができるか? 応答:モバイルポンチョを、私は町田の東急ハンズで 250 円で買いました。 質問 7:生理中のナプキンの代用品について? 応答:配布した「女性のための防災BOOK」の 10 ページ防災グッズに載せています。布ナプキンが安 心できます。他にお尻を拭く紙の代用品として赤ちゃん用のお尻拭きも用意しておくこと、おりもの シートなど、簡易ビデもあると良いです。 質問 8:地域でのPR、啓蒙の方法としてどのようなものが有効か? 応答:日頃の防災訓練で、いろいろなニーズを加えて対応する。例えば炊き出しの訓練に訓練内容に性 役割が固定されないようにする、対象者や参加者が固定化しないように親子連れや高齢者にあうレシ ピを紹介するとか、避難所のトイレ組み立て紹介にとどまらず、災害時のトイレ対策を加えて人を呼 ぶとか、間仕切りや防災グッズの紹介などで人を集め、理解を深めるなど、世代をつなぐような訓練 メニューのアレンジ、工夫も面白いと思います。 *ツヤのある広告紙で、水が漏れないためのコップを全員でつくり、終わりになりました。 終わりに 鷹番住区住民会議防災部長徳升:大勢の方が来ていただいて、一所懸命やってきた甲斐がありました。 明日、住区の会議室で、AEDの講習会があります。11 月 16 日は、午後 2 時から防犯部会がありま す。鷹番 1・2 丁目町会では、スタンドパイプを買いました。実演を 23 日、土曜日 10 時より行います。 皆さん参加してください。 総合司会山本:沢山の方に来ていただいてありがとうございました。今日ご指導いただいた川崎市男女 共同参画センターの方に感謝します。