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有人宇宙技術をはじめとする 技術修得の現状と今後
添付資料 利用部会(平成16年第1回)配布資料 有人宇宙技術をはじめとする 技術修得の現状と今後 1. 有人宇宙技術の構成、変遷 2. 我が国の有人宇宙技術開発の歩み 3. シャトルミッション等を通じて修得した技術 4. 開発を通じて修得中の技術 5. 運用を通じて修得する技術 6. JEM及びHTVの利用により修得可能な新技術 7. ISS計画を通じた今後10年の技術修得 8. 我が国の有人宇宙技術修得の現状 9. 有人宇宙活動からの波及 10.修得する技術の反映・波及 1.有人宇宙技術の構成、変遷 ②宇宙での滞在・活動を実現する技術 世界の有人宇宙活動の推移 第Ⅲ期 快適性、作業の機能性の向上 第Ⅱ期 健康状態の維持 第Ⅰ期 (パーフォーマンス・クライテリア) (ヘルス・クライテリア) 最低限の生命維持 (サバイバル・クライテリア) z宇宙での生活空間・作業空間・装備を確保 ¾宇宙滞在:1週間∼数カ月(∼10数カ月) ¾シャトル、ミール、ISS z宇宙で作業実施、生活環境不十分 ¾宇宙滞在:数日∼数週間 ¾アポロ等 z小型宇宙船での打上げ・地球周回・帰還 ¾宇宙滞在:数時間∼数日 ¾米国・ソ連の初期 有人宇宙技術とは ①宇宙への輸送の技術 ①人間が宇宙空間に行き、 ②宇宙空間で滞在・活動し、 ③地上に帰還すること を実現する技術。 ③地上への帰還の技術 2.我が国の有人宇宙技術開発の歩み 宇宙滞在・活動の技術修得から開始 zNASAの安全基準・要求・知識ベースを理解・活用して、知見を蓄積 ¾日本、欧州、カナダ:宇宙滞在・活動の技術から開始 ¾米国、ソ連(ロシア)、中国:有人輸送から開始 「8.我が国の有人宇宙技術 修得の現状」 前頁 第Ⅲ期 「9.有人宇宙活動からの波及」 シャトルミッションを通じた技術蓄積 zロケット・衛星の開発・運用等で培った技術を基盤に開始 z短期ミッション(1∼2週間) ¾生命科学、材料科学、放射線計測等の実験 ¾JEMロボットアーム部分モデルの技術実証 z日本人宇宙飛行士搭乗、宇宙活動 ¾4人、計7回、滞在延べ82日 ¾船内実験、ロボットアーム操作、船外活動等 ISS計画を通じた技術蓄積 zシャトルミッションで培った技術を応用 z有人宇宙施設の開発、運用(JEM) z日本人宇宙飛行士のISS組立て、長期宇宙滞在(数ヶ月∼半年) z物資補給機の開発、打上げ、運用(HTV) z高度な技術要求の宇宙施設開発(セントリフュージ) zJEM・HTVの利用(技術開発目的) 「10.修得する技術の反映・波及」 「3.シャトルミッション等を 通じて修得した技術」 「7.ISS計画を通じた今後10年の 技術修得」 「4.開発を通じて修得中の技術」 「5.運用を通じて修得する技術」 「6.JEM及びHTVの利用により 修得可能な新技術」 3.シャトルミッション等を通じて修得した技術 有人宇宙活動基盤構築 第1次材料実験計画(FMPT、毛利) 国際微小重力実験室(IML-2、向井) 利用技術の発展と経験の蓄積 STS-95( 98、向井) 微小重力科学実験室( 97) ニューロラブ( 98) シャトル・ミール実験( 97-98)、ミール実験( 97-98) ISS早期利用( 00-) 利用技術の高度化・発展 ミッション運用(遠隔運用、経験蓄積) 射場作業(経験蓄積) 有人システム開発管理 有人仕様実験装置技術 科学実験装置開発 有人宇宙技術の修得 ミッション運用 射場作業 搭乗科学技術者養成 選抜 実験訓練 健康管理 STS-72/SFU* STS-85 JEM曝露部部分 JEMロボットアーム モデル技術実証 技術実証 ロボットアーム操作(若田) *:宇宙実験・観測フリーフライヤー 搭乗員関連技術へ反映 STS-87 船外活動(土井) STS-92 ロボットアーム操作 (ISS組立、若田) STS-99 立体地図作成のための地表 データ計測ミッション(毛利) 4.開発を通じて修得中の技術 開発管理・システム統合技術 有人安全技術 z安全評価・管理技術 ¾システムに潜在する危険要因の識別、除去/制御 ¾有人安全審査による独立評価 z開発管理技術 z大規模システム統合技術 z有人システム設計要求・基準 z有人システム検証技術 z信頼性管理技術 ¾ソフトウェア独立検証及び有効性確認 ¾設計・製造の高信頼性化 JEM全体システム試験 z有人システム設計、試験、検証 ¾安全性、操作性、快適性、保全性 ¾与圧構造、通信・制御、電力、排熱 (無重量模擬試験) (JEM実機の 気密確認試験) HTV開発 ほぼ開発済 JEM開発 ¾環境制御・生命維持技術 (JEM実機を用いた 船内空気流速測定) (操作性試験) 開発中 zH-ⅡA打上げ、自立飛行 z国際連携での運用管制 z補給機での有人システム設計 zランデブー、結合 z制御された再突入 (ISSへの自立飛行) (ISSとのランデブー、結合) (大気圏への再突入) 部品点数比較 ・JEM: 200万 ・H-ⅡA: 27万 ・みどりⅡ: 26万 z活動支援技術 ¾ロボットアーム ¾軌道上結合・組立 ¾エアロック (ロボットアーム) (結合機構) (エアロック) セントリフュージ開発 z大型回転構造 z与圧実験室設計 ¾米国実験棟設計対応 物の安全な制御 ¾大型構造気密技術 (重力発生装置搭載モジュール) zバイオハザード 隔離技術 z搭乗員の 操作性 (重力発生装置: (生命科学グローブボックス: エンジニアリングモデル) エンジニアリングモデル) 5.運用を通じて修得する技術 JEM及びHTVの運用を通じた技術修得 z安全・確実な実時間運用 ¾計画・手順設定、訓練、運用実施、危機管理 ¾国際間の連携運用(ISS搭乗員、地上要員) ¾緊急時対応手法(危険回避、トラブル措置・回復) z長期運用でのJEM機能維持・向上 (JEM及びHTVの実時間運用: 筑波・運用管制センター) ¾保全・修理、補給 ¾開発結果の確認 ⇒知見の修正 ⇒開発技術への反映 (宇宙飛行士訓練、 操作手順確認: 筑波・試験設備) z日本人宇宙飛行士の長期宇宙滞在、健康管理 ¾訓練、宇宙活動 ¾健康管理、医学運用 ¾宇宙医学データ蓄積 (船外活動) (長期宇宙滞在) 国際協力プロジェクトの利点を活かした技術修得 z米国・ロシアが行うISS運用からの知見獲得 ¾危機管理、トラブル措置・回復等の手法 z有人輸送機への搭乗、国外訓練を通じた技術修得 ¾シャトル、ソユーズへの搭乗、訓練 ¾各国ISS構成要素を用いた訓練 (シャトル訓練) (ソユーズ訓練) 6.JEM及びHTVの利用により修得可能な新技術 z民生部品、先端機器等 の宇宙実証 z宇宙ロボット技術 ¾検査、組立、修理 ¾燃料補給 (民生部品、先端機器等の宇宙実証) JEM利用 z大容量・超高速データ 中継(通信)技術 z未修得の有人滞在技術 ¾生命維持技術、居住技術 ¾船外活動技術 (宇宙ロボットによる作業) z大型構造物組立技術 ¾宇宙望遠鏡技術 ¾太陽発電衛星技術 (居住設備) (大型構造物組立) HTVの将来発展可能な分野 zHTVへの機能付加 ¾ISSからの物資回収 ¾生物試料の補給・回収 (HTVによる回収) z宇宙輸送技術の発展 z宇宙活動の発展 ¾フリーフライヤへの応用 (フリーフライヤ) (軌道間輸送機) ¾軌道間輸送機への応用 (宇宙ロボットと軌道間輸送機 技術による軌道上組立) 7.ISS計画を通じた今後10年の技術修得 技 術 修 得 目 標 zHTV開発、運用、機能向上 zJEM開発 ¾ 確実な開発、技術実証飛行 ¾ 打上げまでの最終確認 ¾ 国際連携運用、定期的物資補給 ¾ 軌道上での組立、機能検証 ¾ 機能向上(回収機能付加等) zJEM運用 ¾ 有人運用技術修得(国際連携、緊急時対応) zセントリフュージ開発 ¾ より高度な有人技術修得 ¾ 日本人宇宙飛行士の長期宇宙滞在 zJEM及びHTV利用(次期計画への準備) ¾ 宇宙飛行士の健康管理、宇宙医学 ¾ 基盤技術・先端技術の開発、宇宙実証 zJEM機能向上 具 体 的 方 策 z我が国宇宙活動の主体性・独自性の確保に 必要な重要技術を選択 例: ・軌道間輸送、回収 ・生命維持(空気再生、水再生)、居住 ・宇宙インフラ基盤(大容量通信、 大型造物組立・修理、大電力・排熱) z産業界との連携を強化 展 開 例: ・自動化、ロボティクス ・映像機器、映像処理 ・通信、電子機器 z民生機器・技術を宇宙使用 z参加業種・企業を拡大(有人の関連産業は多様) z他の宇宙分野、地上技術*に応用 *例: z我が国産業の得意技術を活用 高信頼性技術、安全技術、システム技術、予防医学 z次期宇宙計画に応用、発展 8.我が国の有人宇宙技術修得の現状 宇宙滞在・活動技術 有人安全技術 有人運用管制技術 ○開発管理・ システム統合技術 複雑・高度なシステムを開 発するための設計統合技 術、マネージメント技術 ○安全評価・管理技術 設計から運用まで、安全 性をより厳密に管理・評 価する技術 ○システム維持機能技術 有人システム構築に必要 な基盤的な技術(構造、 電力、通信、熱制御など) ○信頼性管理技術 安全性を高めるため、宇 宙機の信頼性をより厳密 に管理する技術(部品・工 程管理、検証方法など) ○生命維持技術 宇宙空間で搭乗員の生命 JEM開発で未修得 を維持するための技術 •JEM開発では、船内の空気温 の技術: 室度制御技術、空気循環技術 空気再生技術、水 などを修得 再生技術など ○活動支援技術 宇宙空間での搭乗員の活 JEM開発で未修 得の技術: 動を支援する技術 •JEM開発ではロボット技術、エ 宇宙服技術など アロック技術などを修得 備考: 修得中の技術 ○実時間運用管制技術 宇宙機を地上から常時監 視運用し、トラブル対応す る技術。 搭乗員の安全性維持のた め、より高い即時性と確実 性が求められる。 ○運用サポート技術 軌道上システムを長期間 維持するための技術(保全、 補給計画など) 搭乗員関連技術 有人輸送技術 ○選抜・訓練技術 搭乗員の活動能力を高め るための技術 ○打上技術 有人宇宙機を宇宙に輸送 する技術。より高い信頼性 が必要。 ○健康管理技術 搭乗員が宇宙及び地上の 活動を良好な心身の状態 で実施できるよう、健康を 維持する技術 ○回収技術 有人宇宙機を地上に帰還 させる技術 輸送関連技術 ○居住技術 宇宙空間で搭乗員が快 適に生活するための技術 (トイレ、食事供給、シャ ワー、衛生管理など) (有人対応軌道間輸送機) ○自立飛行技術 ○ランデブー技術 実運用を通じた • 開発技術の確認、知識ベースの修正 • 運用技術の修得 今後更に修得を進める技術 未修得の技術 ○制御された再突入技術 9.有人宇宙活動からの波及 長期宇宙滞在の 長期ベッドレストによる検証 生理対策技術 骨量減少対策、 筋萎縮対策 長期閉鎖実験による検証 長期宇宙滞在の 精神心理支援 人間行動学 心理リスクマネージメント 軌道上の 遠隔医療技術 HDTVの活用 ポータブル診断装置 宇宙食 日本食宇宙食 の開発 高齢化社会における 予防医学の実践 健康増進への活用 予防医学の啓発 精神心理的健康の 維持と予防 作業環境の円滑化 (対人関係や士気の維持) 地上の遠隔医療 遠隔医療システム(日常 検診・緊急医療)の普及 在宅医療、僻地医療 NASA有人宇宙活 動からの波及例 z 非侵襲性の診断装置 ¾ 赤外線式体温計 ¾ 錠剤型体温計 ¾ CTスキャン ¾ サーモグラフィー ¾ 歩行分析システム z 小型治療法 ¾ 動脈硬化治療用 レーザー ¾ 双方向テレメトリ ¾ ペースメーカー z 軽量/小型/携帯装置 ¾ パーソナルコンピューター ¾ 軽量車椅子 ¾ 血液分析装置 ¾ 冷却スーツ z その他 病院食への応用 病院食や災害時の非常 食、ごみの少ない容器 ¾ 食品加工管理 (HACCP) ¾ 空気/排水浄化 システム ¾ コードレス製品 産業機器の 設備、住宅、家電等の 部品・材料評価プロセス 安全設計 製造工場の 衛星・ 福祉用具 専門部署を設置し 労働安全設計 ロケットの 開発 衛星のIV&Vを 安全解析・審査 衛星の部品・材料 実施 射場安全基準 災害・事故 評価プロセス 防止対策 コンピュータに の厳密化 人工心臓 よる安全制御の ○安全評価・管理技術 ○信頼性管理技術 部品・材料の (ポンプ) ・ソフトウエア独立検証、 コンセプト 衛星・ロケット ・有人安全技術要求 真空、放射線 有効性評価(IV&V)技術 開発での部品・ 被曝データ 熱防御材 ・安全設計と評価活動の連携 ・電子部品評価プロセス、 材料データの活用 (安全審査手法) 承認部品データ 大気・水汚染 ・安全解析評価技術 宇宙機器 ○活動 防止装置 (ハザードレポート式) ・可燃性、オフガス、臭気試験・評価 開発・運用での 支援技術 ・軌道上 ・部品・材料データベース ・不具合データ ・人間機械系データ 部品・材料 軌道上劣化 航空機の ・電子・電気部品 次世代 ・船外活動設計検証手法 ベース 劣化データ データの活用 開発 要求管理 宇宙システム ・ロボット技術 の開発 有人安全技術 ・部品、材料・工程管理 ○システム維持機能技術 部品管理 ○生命維持技術 衛星運用技術 宇宙滞在・ システム 有人運用 ○実時間運用管制技術 (連携運用、 ・隕石デブリ防御設計 活動技術 管制技術 ○運用サポート技術 緊急時対応 試験データ ・運用管制・訓練手法 搭乗員 大規模 等) 関連技術 ・保全・補給技術 ○開発管理・システム統合技術 ソフト 次世代 ・ヒューマンファクター分析 ・有人システム設計要求・基準 ウェア 衛星・ 宇宙システム 手法とエラー防止対策 ・大規模システムのプロジェクト の開発 ロケット の運用 マネージメント技術 ○搭乗員選抜・訓練技術 列車・ の開発 ○搭乗員健康管理技術 ・計算機ネットワーク技術 航空機・ 一般工業分野の ・放射線被曝管理技術 船舶の管制 大規模化(高度化、 ・製造プロセス ・軌道上医療技術 高機能化、複雑化) 遠隔医療 技術 への対応 技術 蓄積した有人技術 国際組織での ストレスマネージメント 共同技術開発 教材(教育・訓練) 10.修得する 技術の 反映・波及 (注)「地上技術への波及」 における点線下線は、 NASAの例 宇宙の他分野への反映 宇宙以外の分野・ 地上技術への波及 平衡機能 評価機器 病院食 非常食 高齢化社会の 予防医学 放射線 計測機器