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Title ミー・プラズモンのランダウ減衰(原子核とマイクロクラ スターの類似
Title Author(s) Citation Issue Date URL ミー・プラズモンのランダウ減衰(原子核とマイクロクラ スターの類似性と異質性) 倉沢, 治樹; 鈴木, 敏男 物性研究 (1997), 68(2): 190-193 1997-05-20 http://hdl.handle.net/2433/96034 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 研究会報告 ミ一 ・プラズモンのランダウ減衰 倉沢 治樹 263 千葉 市稲 毛区弥生町 1-33千葉大学理学部物理学科 鈴木 敏男 910福井市文京 3-9- 1福井大学工学部応用物理学科 351-01埼 玉県和光市広沢 2- 1理化学研 究所サイ クロ トロン研 究室 マイ ク ロクラスターにお ける電子群 とイオンとの間の双極子振動状態は Mi ePl a B mO n と呼 nnda uDa mpi ngWi dt h を定性的に理解 しよ ばれ 、古 くか ら知 られ ているが、特にその La うとす る試み は驚 くほ ど多 くの人々によってな され ている 【 1 ,2,3 】 。それ らの研 究の殆 どは川 端一久保理論 l 4 】に基づ くもので、結果は 、r r A ; ( 1) である。 ここで、Aはそれぞれ の仮定に依 る定数、vFは電子のフェル ミ速度 、Rはクラスター の半径 である。上式が実験 を再現す るか どうかは未だ明確 ではないが 【 2 J ,上式 と同 じ & 依存性 を示すデー タも報告 されてい る 【 5 ] 。 また、詳細な RP A計算は上の傾向を示 してい る 【 5 】 。 さて 、e q. ( 1 )を導 く全 ての模型 に共通す る本質的な仮定は 1 .電子 を無限の深 さをもつ ポテ ンシャルに閉 じ込 める、 2.La nda uDampi ngの原 因 となる Mi ePl a s mo n と他 の内部状態 との結合ハ ミル トニアンを そのポテンシャルの微分 で与 える、 ことである。 この考 えの もとになっているものは恐 らく、電子 とイオン との引力が電子 と電子 の斥力 によって遮蔽 され るため電子は-様 な引力を感 じ、双極子振動 を している電子がェネル ギーを失 うのはクラスターの表面に於いてだけであるとい う半古典的なイ メージに基づ くもの であろ う。 我々は上述のよ うな仮定 を しないで La nda uDa mpi ngWi dt hを定性的に理解す ることを試 み る。 それ は集団運動 に関す る朝永理論 【 6 】が可能にす る。朝永理論では l E , 7 T ]-i ( 2 ) を満足す る集団運動 を記述す るための c a noni c a lv a r i a bl e si, 7 Tで、ハ ミル トニアンを展開す る. 二次まで書 けば 1 H2 f q E 打+H2 q E q E ) H -H.+Hf E・HT q+呈 ( H 2 fE2+H2 q q 2 )+2( ( 3 ) Hf - i l 7 T , H]+E l 7 T , l q, H] ] 一打l E, [ 7 T , H] ] , HT - i l E, H]+可E,l E, H] ]-f l 7 , , f E, H] 1 , H2 E - -( , , , l q, H] ] , H 2 q- lE,(E,H]], H 2 8 打+ H 2 q-2【 E , [ 7 T , H] ] . E -1 9 0- ー ) ー ) ) 4 ( 5 ( 6 ( 7 t 8 ( である.係数 Hiは定義によ り E,1 Tを含 まないか ら、次のよ うに、H,i,7 Tの交換関係 で与 え られ る、 「 原子核 とマイクロクラスターの類似性 と異質性」 もし、 Hf-HI D-H2 e q-H2 q i-0, H2 f-const. , H2 N-COnSt. , ( 9 ) であるならば、i,7 Tで記述 され る集団運動状態は他 の状態 と結合す るこ とはな く、幅のない調 和振動状態 となる。 しか し、一般的には Hiは他 の 自由度 に依存す るか ら、その集 団運動状態 E ,H, qが定数でない とき、集団運動状 態のエネル は他 の状態 と結合 し減衰す ることになる。 H2 ギー U はそれ らの基底状態での期待値 を とって決 める、 ( oI H2 f l O )-Bw 2 , ( oJ H2 r f O )-B十 ( 1 0 ) Ni個の Z一 価 のイオ ン と Ne個の電子 ( Ne-ZNi) か らなるクラスターを考 える. この と き、双極子運動 を記述す る集団座標 は E -志 賀z i , 冗- 志賀p z i (l) l と書 くことが出来 る。 これ は朝永理論の要求す る関係 e q. ( 1 )を満足す る。 クラスターのハ ミル トニアンは 1盟 ze 2 H諸 t. l r t -Ra f +豆 享 悪 一差 a 董 e 2 +H( i o ns ) ( 1 2 ) r.≡ ,, であるO ここで、イオ ンに対す るハ ミル トニアン H( i o n s )は我 々には関係 がない。 また、電子 間のポテ ンシャルは E,7 Tと交換す るか ら集団座標 を含んでいない。 この ことか ら、 まず 柚 , H] ]-0 , -一 三 , HIM-0 【 E , l E , H] ] ( 1 3 ) が求ま り,上のハ ミル トニアンを H -HoIHf E+ 去 2 +芸( ol H2 f p) E 汀 ( 1 4) 2 と書 くことが出来 る。双極子運動は上の第 2項によって減衰す るこ とになる。 e l l i um mode lt 2】に よって良 く理解 マイ クロクラスター はイオ ンに一様 な分布 を仮定す る j され ている、 pi ( r )- 蒜 o( E rr ) ・ ( 1 5 ) ここで、R はその半径 である.従 って、ハ ミル トニアン e q. ( 1 2 )の第 2項 は Ne V -∑ Ⅴ( γ ` ) , F ! : i l ( 1 6 ) R-rト V( r)ニー誓 (3- 蛋 )o( で置 き換 え られ る。 この とき、交換関係 は 警 e( r-R) 義 墓ziO(R-ri,-iNe 志 賀; a(ri-A,, n , n _ _ 、 _ 2単 頚 +y t ? -2z t ? 2∑ el [ 汀, l q, H] ]一 義 呂 o( R r i ト e. r . ? 0(ri-R) ・ W,H, -i 筈 e2 e2 菖 一1 9 1- ( 1 7 ) ( 1 8 ) ( 1 9) 研究会報告 となる。従 って,最後の式か ら 一 芸N e 打 , ( o " W, l q, H] ] I O ) ( 20) ・e f-4汀l R p e ( r ) r 2dr≦Ne , ( 21 ) が求まる。 ここで電子の密度分布 p e ( γ)は球形 とした。 この式 と e q s . ( 1 0) ,( 1 3)か ら、結局 Mi e pl a s monの振動数 として、 ( 2 2) が得 られ る。 この状態が光励起強度 に対す る和則値 ( TRK s um r ul e )を尽 くす集団運動状態 7 】 。また、電子の密度分布がイオンの分布か らはみ出 していなけれ であることは容易に示せ る 【 e振動数 に一致す る 【 1 ,2 上 ば、上式は古典電磁気学で知 られ ている Mi ( 2 3) このよ うに量子効果が少 し Mi e振動数 を減少 させ る 【 1 ,2 ] 。 Mi eplas monの I , ndaudampi a ngを与える結合ハ ミル トニアンは e q s . ( 4) ,( 1 8) ,( 1 9)で与え られ る, Hf - 害 鳥 墓z i O ( R-r i , ・Ne C 2 志 賀;o(ri-Rト - 2 E・ ( 2 4, 上式は Hf- E i K -T , W2 轟一 壷) o( r i R) ( 憲 一- 2 )E・Ne完 差i ( 吉 品 e2 z ( 25 ) と書き直す と分か り易い。前に も述べた よ うに、電子間相互作用は集団運動座標 を含 まないの で、結合ハ ミル トニアンには寄与 しない。 我々は e q. ( 25)による減衰幅を二乗偏差 を使 って議論する 【 1,7 h q-妄 J ( -l Hf E I w)l2 -定 吉l ( -l Hf l O ) ( 26) l 2・ ここで I m)は集団運動状態 I L J )に直交す る状態である.Eq. ( 2 6)の最後の式では、 ■状態 t m)の fは集団運動状 中に集団運動状態 と結合 している状態は含 まれていないとしたO ところで、 H u)を励起出来ないか ら、 I m)についての和を L U)を含む t n)についての和に置き換 え られ 態I q. ( 25)か ら、 る。す る と、e q -慧 ;I ( n 虐待 Ne- Nc f l \2 -;) o( r i-R, ・ 0 , I 2-誓 ( Ne f r ( 27 ) が得 られ る。上式は今までの La nda uda mpi ngの理解 と全 く違 う結果を与 えている。即 ち、幅 の原因は電子密度がイオン分布 か らはみ出す ことによる量子効果である。 はみ出しがなければ q. ( 1 7)は調和振動子のポテン 減衰は起 きず 、q-0である。実はこれ は当然で、r<R,では e シャルに他 な らないか らである。 以上のよ うに、我々は朝永理論 を使 えば、先に述べた二つの仮定をせずに Mi epl a S monの Landauda mpi ngを議論す ることが出来 る。結果は仮定 1と異な り、幅は電子密度 のイオ ン密 度表面か らの しみだ Lによるものである.更に、c onns i s t e ntに求めた Mi epl a s mo n と他 の状 q. ( 27 )を具体的に計算 し、詳細な 態 との結合ハ ミル トニアンは仮定 2と全 く異なる。現在 、e RP A計算 【 5 】との比較 を行 なっているが、上述の結果は R P Aの計算結果 を非常に良 く説明す る【 8 】 。 ー - -1 9 2 「 原子核 とマイクロクラス ターの類似性 と異質性」 Ref er ences H G.F.Be r t s c ha ndR.A・Br og l i a,Os c i l l a t i o nsi nFi ni t eQuant um Sys t e m ( Cambr i dgeUni v.Pr e s s ,Cambr i dge ,1 9 9 4) . [ 2 ]M.Br a c k,Re v.Mod・Phys ・65( 1 993)677,r e f e r e nc e st he r e i n. [ 3 ]C・Ya nnoul e ' a sa ndR・ A・Br og li a,Ann・Ph ys ・217( 1 9 9 2)1 0 5,r e f e r e nc e st he r e i n. [ 4]A.Ka wa ba t aa ndR.Kubo,I.Phys .So c.Ja pan21( 1 96 6)1 7 6 5. a s ,E.Vi ge z z ia nd氏. A.Br o g l i a,Phys .Re v.B47( 1 99 3)9 8 49. 【 5 1C.Ya nnoul e 【 6 】S. Ⅰ .Tbmon喝a,Pr og. The or .Ph ys .13( 1 9 5 5)467,4 82; T.Suz uki ,J.dePhys .45( 1 9 8 4)C4 2 51. [ 7 ]H.Kur a s a waa n dT.Su zuki , Nuc l .Phys .A597( 1 9 96)37 4. [ 8 ]H.Kur a s a wa,K.Ya ba n aa ndT.Suz uki ,t obepubl i s he d. - 193 -