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事務効率化への一考察 ~若手教職員のためのパンフレット作成をとおして

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事務効率化への一考察 ~若手教職員のためのパンフレット作成をとおして
事務効率化への一考察
~若手教職員のためのパンフレット作成をとおして~
佐賀県公立高等学校事務職員協会唐松地区研究委員会
発表者
佐賀県立唐津工業高等学校
佐賀県立唐津西高等学校
佐賀県立唐津東高等学校
1.はじめに
そこで、アンケートを実施することにしました。アンケ
現在、私たち学校事務においても OA 化が進み、事務
ートは、経験年数の少ない職員の方が学校生活において
処理の効率化が図られる一方、事務職員の仕事は、教職
疑問が多いと思われるため、経験年数10年以下を対象
員の給料、手当、服務などの事務処理はもちろんのこと、
としました。アンケート結果は、設問に対して「わから
その他においても内容が広範囲、多岐にわたり、繁雑に
ない」という回答率を表しています。
なっています。また、佐賀県においては、行政改革によ
り事務職員の定員数が削減され、事務職員一人あたりの
調査対象校
唐松地区県立学校9校
所掌事務が、内容・量ともに更に増えつつあるのが現状
調査対象者
経験年数10年以下の職員148名
(複数回答可)
です。これほど事務職員一人あたりの仕事が繁雑になっ
ているときに、もし、職員をはじめ、新採の方が事務手
続等でわからないことや間違っていることがあると、そ
問1 出張及び旅費についてわからないことがあります
か
の度に提出書類の説明や処理をしなくてはならず、その
対応に時間がかかることになり、私たち自身が一層多忙
a どういうものが出張に該当しますか
になってしまいます。
b 出張の流れについて
日ごろ私たちが仕事をしていても、比較的若い職員か
c 旅費の内訳について
ら、
事務手続について似通った質問が多く寄せられます。
d 赴任旅費について
教員は、実際に私たちのような事務的研修を受ける時間
e 県外出張について
や機会が十分確保できていないのが現状です。
f その他
私たちの仕事を少しでも円滑に運ぶ為にはどうすれば
いいのか、そこから私たち研究委員会の今回の研究が始
問2 服務についてわからないことがありますか
a 勤務時間と休憩時間について
まりました。
まず、少しでも職員の疑問(わからないこと)をなく
b 年次休暇について
し、事務手続を理解してもらおう。そうすることで、職
c 夏季休暇について
員の知識が向上し、事務の効率化につながるのではない
d 病気休暇について
かと考えました。
e 産前・産後休暇について
f
出産補助休暇について
g
慶弔休暇について
h
介護休暇について
i
職務専念義務免除について
2.パンフレットの作成過程について
j
育児休業について
(1)アンケートの実施
k
その他
そこで私たちは、事務室から職員へ向けたパンフレッ
ト『事務の窓口
~あなたの疑問答えます~』を作成す
ることにしました。
パンフレットを作成するにあたり、まず職員の疑問を
私たち事務職員が知ることから始めようと考えました。
問3 給与についてわからないことがありますか
a 給与明細の見方について
3.給与について
b
期末・勤勉手当について
c
年末調整について
d
扶養・住居・通勤手当について
e
教員特殊業務手当について
f
児童手当について
g
昇給について
h
その他
20%
給与明細の見方
23%
期末・勤勉手当
39%
年末調整
24%
住居・通勤・扶養手当
a
備品と消耗品の区別について
b
購入の仕方について
c
保管と処分の仕方について
d
その他
36%
教員特殊業務手当
問4 物品についてわからないことがありますか
28%
児童手当
50%
昇給・昇格
1%
その他
1.出張及び旅費
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
27%
どういうものが出張か
14%
出張の流れ
4.物品について
53%
旅費の内訳
40%
赴任旅費
31%
県外出張
32%
備品と消耗品の区別
35%
購入の仕方
1%
その他
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
53%
保管・処分方法
2%
その他
2.服務について
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
17%
勤務時間と休憩時間
11%
年次休暇
(2) パンフレット掲載項目の検討
14%
夏季休暇
以上のアンケート調査の集約結果から、何を『事務の
28%
病気休暇
窓口』に掲載するか検討をはじめました。
30%
産前・産後休暇
基本的には、内容が「わからない」と答えた上位の項目
36%
出産補助休暇
を中心にして、構成を計画しました。
26%
慶弔休暇
なかには、小問でみると「わからないと」答えた割合
39%
介護休暇
が少ない設問であっても、パンフレット作成上、まとめ
てひとつの項目として掲載を決定したものもありました。
52%
職務専念義務免除
28%
育児休業
(3)パンフレットスタイルの検討
2%
その他
次にパンフレットのレイアウト等スタイルの検討に
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
はいりました。まず、若手教職員対象を前提としている
ので、興味をもたせて、気軽に見てもらえるようなパン
フレットになるよう下記の点に留意しました。
なことと思われます。
① 文字ばかり羅列した、堅苦しいものにならないよ
う、字数を少なくし、視覚に訴えることによって、理
解しやすいものにする。
② デザインやイラストなどを工夫し、ソフトなイメ
ージを持たせる。
(2)
『事務の窓口』の改善について
今後、条例・規則改正などにより『事務の窓口』で掲
載した内容、金額、必要書類等の変更が生じ、事務手続
上そぐわなくなることが考えられます。その際、すぐに
それに伴い、使用するソフトは、表、グラフ及びイラ
改訂できないと、その間、間違った知識を職員に教えて
ストなど視覚に訴える文書を作成する機能をもつ
しまい、余計に私たち事務職員に手間がかかることにも
「Word」に決定しました。
なりかねません。そうならないためにもすぐ改訂できる
研究委員会には、「Word」に不慣れなメンバーもいま
したが、県が開催するパソコン研修会に参加するなど各
自がパンフレット作成のための準備を進めていきました。
さらに、苦心したのが「いかにして若い職員にも理解
しやすい内容にするか」という点でした。
体制を整える必要があります。
今回の『事務の窓口』は、服務や給料、手当関係が主
になっています。今後は、日頃から職員が身近に困った
ことや疑問点について事務職員自身が関心を持ちながら、
職員の要求に対応できるものにしていきたいと考えます。
そのため、条例、規則や事務職員用の手引書に載って
また、『事務の窓口』の作成にあたり、専門(行政)
いるような専門(行政)用語をなるべく避けて、平易な
用語ではなくわかりやすい一般用語を使用しました。文
ことばを使用するよう心がけ、かつ学校生活を送るにあ
書全体は職員にとって読みやすくしているつもりですが、
たり必要な内容が理解できるようバランスを考慮しまし
それでもなお、用語の意味がわからないために内容が理
た。
解できないことも考えられます。そこで、『事務の窓口』
これらを踏まえ、私たちは分担してパンフレット原案
を作成し、地区内県立学校事務室や研究委員会で数回の
の各項目から理解できない用語がある箇所については、
説明を加えていきたいと思います。
校正を重ねました。
(3)事務室側の対応
3.今後の課題と展望
(1)有効に活用するために
『事務の窓口』に対する質問や意見等で職員が来られ
た際に、業務に追われ不十分な応対にならないよう心が
今後はこの『事務の窓口』の効果的な活用を図ること
ける必要があります。例えば、身近なことについて質問
がいちばんの課題となります。単に職員にパンフレット
がある場合は、丁寧にわかりやすい言葉で説明が出来る
を配布しただけでは活用の効果があるとは限りません。
事務職員でありたいものです。
常に自由に閲覧できるようにすることが重要です。毎日
このことが職員の理解を深めていくものと考えます。
押印する出勤簿と一緒に設置することで、職員の目にふ
また事務職員自身の資質向上にもつながり仕事も円滑に
れやすくすることもひとつの方法でしょう。また、年度
進むと考えます。
初めの新任・転任者のオリエンテーションの機会に、担
当者がパンフレットの紹介と説明をしていくことも良い
4.おわりに
方法だと思います。他に、どういう機会をつくれば職員
今回、職員の疑問をなくすことが事務の効率化につな
が興味を持ち『事務の窓口』を見てもらえるのか、理解
がるのでは、と『事務の窓口~あなたの疑問答えます~』
してもらえるのか、今後検討を続けたいと思います。
を作成したわけですが、職員の知識の向上はもちろんの
また、デジタル化時代を反映して「CD-R 等のメディ
アとして配布する」
あるいは校内LANを利用し、
「デー
こと、これを機に事務室の仕事に対する関心・理解も深
めてもらえるのではないかと思います。
タを各学校のサーバーに保存し、より多くの人に自由に
今回の研究によって、本来の事務分掌で服務や給料、
閲覧できるようにする」なども考えています。特にデー
手当等に携わっていなかったメンバーも、こうして自分
タを各学校のサーバーに保存していれば、必要な箇所の
で担当ページを作成したり、委員会で校正を重ねていく
みプリントアウトができペーパーレス化を進めることが
うちに、必要最低限の受け答えはできるようになりまし
可能です。これは環境保全、省資源の観点からも有意義
た。
また、事務手続についての理解が深くない職員に対し
て、丁寧にわかりやすく説明することの重要性を今回改
めて再認識させられました。
研究委員会に参加できたことは、私たちにとっても学
ぶことが多く、大変有意義なものだったと思います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
佐賀県公立高等学校事務職員協会唐松地区研究委員会
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佐賀県立唐津商業高等学校
佐賀県立北部養護学校
佐賀県立唐津北高等学校
佐賀県立唐津南高等学校
佐賀県立東松浦高等学校
佐賀県立唐津工業高等学校
佐賀県立唐津東高等学校
佐賀県立唐津西高等学校
佐賀県立唐津商業高等学校
佐賀県立厳木高等学校
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