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一般社団法人 環境技術普及機構

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一般社団法人 環境技術普及機構
事
業
報
第
4
告
書
期
(平成25年10月1日~平成26年9月30日)
一般社団法人 環境技術普及機構
一般社団法人環境技術普及機構
事業報告書
第4期
(テスラ)
(平成 25 年 10 月1日~平成 26 年 9 月 30 日)
前々年度の事業報告では、原子力発電の廃止方向と太陽光エネルギーの拡充について主に触れ、前年
度では、電気自動車について触れている。今年度は COP19 以降について触れる。
【概
要】
薄氷の合意 COP19
2013 年 11 月 11 日からワルシャワで開催されていた地球温暖化防止に関する条約加盟国の年次総会
(COP19)が会期を一日延ばし、難航の末に合意がなされた。
まさに薄氷の合意と言えるだろう。
とは言っても、地球温暖化対策については 92 年 6 月の「地球サミット」で国連気候変動枠条約が採択
されたときから、ずっと薄氷を積み重ねた上での前進である。
今回の場合は、11 月 8 日にレイテ島を襲ったスーパー台風のあまりに激甚な被害を目の当たりにし、
フィリピンの代表が涙ながらに同会議で訴えたことが、かろうじて合意に達する圧力となったのかもし
れない。
私は、1990 年の IPCC の第一次レポート公表以来、この問題を見てきた。温暖化の恐るべき脅威を科
学が一枚一枚ベールをはぐように明らかにしていく一方で、経済開発を優先する国内政治の圧力は、先
進国においても途上国においても極めて大きい。その狭間で、常に温暖化への対応を困難にしてきた。
今回のワルシャワでは、
既に合意されていた 2015 年の COP21 で京都議定書に代わる枠組みを構築し、
それを 2020 年に発効させるというスケジュールは、再確認された。京都議定書に代わる枠組みは、条約
参加国が自主的に決めた削減目標をそれが適切かどうかを全体で評価し合って、対策を進めていく方式
になる見込みである。
今年の COP20 は、ペルーのリマで 12 月に開催され、そして 15 年 11 月には COP21 がパリで開かれ
るというスケジュールも確認された。これからまた薄氷を踏みながら、人類社会が気候変動問題という
巨大な問題にどう向き合いどう戦っていくかがこれから試されるが、その具体的な中身はまだ見えてい
1
ない。
15 年のパリ会議に向けて、これからどれほどの薄氷を踏むことになるのか、踏み違えてしまえば、年
ごとに脆弱になっている北極海の氷の上に生きてきたシロクマと同様の運命を人類社会が経験すること
になるかもしれない。その意味でも、地球温暖化対策をどう構築していけるかは、国内的にも国際的に
も存続をかけた重大な課題であり続ける。
ペルー
リマ/国際会議「COP20」開催に伴う影響(12 月)
2014 年 12 月 01~12 日の期間、世界の国々が集まり地球温暖化の問題について話し合う国際会議
「国連気候変動枠組条約第 20 回締約国会議」(COP20)が、ペルーのリマにて開催されます。
2
佐賀バルーンフェスタ
環境問題
1
CO2 削減
2 地球温暖化防止
3 水問題
4 森林保護問題
5 ゴミ削減問題
かけがえのない地球の環境を守るため、化石燃料の消費削減も重要であるが、環境に負荷をかける
要素を除去(減少)するための技術開発も重要である。
コラム(環境文明21の共同代表の主張より)
残念なのはサッカーだけではない
ブラジルで開催されているワールドカップは、まだ道半ばではあるが、日本にとっては終わった
も同然である。言うまでもなく、日本代表選手が、一次リーグCグループの最終戦でコロンビアに
1-4で敗れ、同組最下位が決定し、16 強以上となる決勝トーナメントへの進出は叶わなかったか
らである。
ここ数年というもの、特に今年に入って、ワールドカップのことが毎日のように話題になり、そ
して、日本のサムライたちは、前回以上に大活躍するだろうと、ほとんどの人が期待していた。
選抜された選手の中には、8強入りどころか、優勝すらしてみせて世界を驚かせてやるという主
旨の強気の発言も飛び交っていたが、残念な結果となってしまった。本田選手は、今までの過去を
全部否定して、もう一度ゼロからやり直す覚悟でいかなければ、再建は無理だという主旨の発言を
していたが、実際、ブラジルをはじめとする他国の選手たちの神業としか言えないような活躍ぶり
を見せつけられ、やはり世界はすごいな、上には上がいるものだと感心させられると同時に、これ
が世界なら、8位以内に入り込むことがいかに難しいことかを実感させられた。
しかしながら、このようなことは何もサッカーだけの話ではない。日本の省エネ技術や環境技術
についても、今回のサッカーと同じような残念な動きをしていると見ており、いろいろな場でその
危険性を表明している。確かに、1970 年代の厳しい産業公害、そして、二度にわたる厳しいエネル
ギー危機に見舞われた日本は、必死になって技術を開発し、そして困難に立ち向かった。中央政府
も地方政府も非常に厳しい規制を課し、当時の日本企業はそれに真正面から向き合い、がむしゃら
に技術開発をし、気付いたら、世界のトップクラスに立っていたというのが 70 年代から 80 年代初
3
めにかけての日本の動きである。
今、気候変動などの厳しい環境問題が迫っているが、今の日本は、追加的な対策は何もしていな
いと言っていい状況である。いつも言うように日本には CO2 等の排出に対する規制値はまるでない
し、話題にもなっていない。明確な削減目標は事実上何もない。そして、あるのは、日本は省エネ
大国、環境技術大国、日本の省エネは、乾いたぞうきんを絞るように、もう絞るものは何もないと
言った幻想だけである。日本国内でしか通用しないその思い込みに対して、世界の専門家はそれが
幻想であることを厳しく指摘しているが、能天気にもそのようなことは誰も気にも留めていない。
こうなれば、結果はどうなるか。
サッカーと同じように、世界の競争の中で敗れていくのだ。現実に、最先端の技術開発において、
日本は相当な遅れをとりつつある。しかしながら、昔の成功体験の幻影に縋りついて、いまだに何
もしようとしていない。
つい最近、安倍内閣がまとめた新しい「骨太の方針」なるものを見ても、日本の環境技術、省エ
ネ技術を鍛え上げ、練り上げて、日本の企業の競争力を高め、日本を元気にして、世界に貢献しよ
うなどという施策はまるでない。
このことは、もし気候変動対策のワールドカップがあるとすると、日本は予選落ちという事態に
なるのではないか。気候変動無策の結果、日本企業の技術力、競争力が目に見えて低下することは、
三年先、五年先には普通の人でもすぐに分かるようになるであろうが、誠に残念としか言いようが
ない。
温暖化は避けられない“運命”になる前に
過日、加藤共同代表が、あまりに低い目標設定について述べたが、その続編である。
案の定、COP19 では、日本政府が提示した「05 年比 3.8%減」に対して、痛烈な批判が各国から
寄せられている。またその批判をかわす狙いで提案した「途上国への1兆 6000 億円の資金支援」に
ついても、新聞報道によると、
“途上国に説明したが全く反応はなかった”とのことである。
各国ともに厳しい政治・経済・社会状況の中にあっても、猛烈化する台風・ハリケーン・竜巻、
そして異常気象を生んだ日本が、この体たらくでは、どうしようもない。交渉を邪魔した国に贈ら
れる「特別化石賞」は当然の受賞である。
日本政府は、エネルギー政策の進展を踏まえて目標を見直すとしているが、そもそも、その考え
方の順序が間違っており、発想を転換すべきである。
確かに、エネルギーは人間が生きていく上で不可欠な“手段・道具”である。
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しかし、そんなことより一番大切なことは、将来、人間が生きていけるかどうかである。IPCC や
環境の専門家が警告しているのは、気候変動に伴う異常気象がこのまま激化すれば、人間生活や経
済活動の基盤が失われ、ひいては人類の存続が危ぶまれるということである。
そうならないように、そのことを大前提に、なんとか、削減目標を設定し、それに向けて頑張ろ
うというのが COP の目的である。
各国でどのようなエネルギー政策をとるかは、その次の話である。
それに、既に国立環境研究所はじめ様々な研究機関や NPO が、原発がなくても温暖化を防ぎつつ
健全な社会・経済活動を持続させる手立て、エネルギー政策を提案している。
(日本政府は原発を動
かしたい為に、あえて言えば、一部の利益のために、そうした提案を全く無視しているだけのこと
である。
)
COP19 も 2013 年 11 月 19 日から閣僚会議に入り、政治的な駆け引きが激しくなるだろう。
日本政府のみならず、各国政府も国益のために動くことは十分予想される。
しかし、そんな、人間のちっぽけな争いと関係なく、温暖化は既に人類の手が及ばないところま
で近づきつつある。
日本政府の後ろ向きな姿勢は決して許されないことを示し、温暖化による甚大な被害が避けられ
ない“運命”となる前に、人類社会存続のための英知を示す COP19 であってほしいと、願うばかり
である。
注
COP
Conference of Parties
第 1 回ベルリンにて 1995 年開催
1997 年に第 3 回 COP が京都で開催
IPCC
Intergovernmental Panel on Climate Charge
気候変動に関する政府間パネル
1988 年設立
5
一般社団法人環境技術普及機構の沿革と現状並びに展望
平成 22 年 10 月 22 日
設立(大阪西区)
平成 23 年 01 月 24 日
収益事業開始
(公益活動を行うための財源確保等)
平成 23 年
3 月 11 日
東日本大震災発生(震災と大津波)
東京電力福島原子力発電所大事故
平成 23 年 5 月
京都大学エネルギー理工学研究所
特任教授
吉川
暹氏(工学博士)と連携模索(寄付100万円)
平成 23 年 7 月~10 月
環境技術普及機構の活動方針検討
平成 23 年 11 月 25 日(金)
第 1 回理事会
理事3名、監事1名の全員出席
電気自動車、電動バイク、太陽光発電、カイロ廃材、佐賀県で
の事業の活用等について、今後について検討と決算書類の承認
(ヤマハ製)
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平成 24 年 1 月以降
収益事業の収益低下、今後の活動方針の再検討
平成 24 年 3 月~4 月
原子力発電の廃止の方向を打ち出す
平成 24 年 5 月
太陽光発電の普及に注力する方針
(補助金制度の創設)
7
平成 24 年 8 月~9 月
平成 25 年 2 月~26 年春
関西地区で太陽光発電の普及のための講演会の開催
24.8.25
堺商工会議所
シャープ担当者
24.8.27
なら100年会館
シャープ執行役員
村松 哲郎
24.9. 8
大阪科学技術センター
京セラソーラーコーポレーション
藤田 和哉
ATC
大阪市エコフェア
25.2. 11
生駒セイセイビル
市民と共に環境を考える
コンサート
生駒市長 山下真
ピアノ、チェロ、ヴァイオ
リンによるコンサート
(トリオ・アマービレ)
25.春
交流見学ツアー
伊万里、玄海町、風力発電
25 .9
ピリカ
26.春
市民エネルギー生駒
講演会等実績
25.2.1
平成 24 年 10 月 22 日
ごみ拾いサポート
太陽光発電事業に参画
メガソーラー事業の検討会
出席者
阪本理事長、武野理事、松山監事、深井営業担当、
花沢営業担当、深井管理担当、田宮管理担当、井戸営業担当
事業提案者 株式会社TMT(大阪府池田市)
代表取締役 武村徳瑞
(1M ワット以上の太陽光発電事業が基本であるが、50 万~300 万 kw
の設備も可能)
8
平成 24 年 11 月 16 日
第2回定例理事会
理事3名、監事1名の全員出席
今後の事業展開についての検討及び決算書類の承認
平成 24 年 11 月
グリーン購入ネットワーク加入
エコデザインネットワーク会費支払
平成 25 年夏
小泉元総理による脱原発発言
使用済核燃料の廃棄不能につき、このような事業は廃止し、新エネルギ
ーを開発すべしと強調し、新技術は政治がその方向さえ示せば、研究開
発は必ず促進される。
平成 25 年 9 月
平成 25 年 10 月
「ごみ拾い」をサポートする ㈱ピリカ(東京都目黒区中目黒 5-26-3-206)
へ 10 万円の会費の支払
(事業系)
① ㈱共同産業の現場支援:東京のプリンス系ホテルのオペレーション業務
(客室清掃等)の受託の交渉
② カンファ水の製造販売に関する業務情報提供
平成 25 年 10 月 18 日
メガソーラー事業の検討会
出席者
阪本理事長、武野理事、松山監事、深井営業担当、
花沢営業担当、
㈱ 鈴鹿電工 乙部代表取締役、梶原顧問、丸島管理部長
赤穂地区でのメガソーラー事業の打ち合わせ
平成 25 年 11 月 21 日
第3回定例理事会
理事2名出席(橋本理事欠席)、監事1名出席
審議
1.電気自動車の現状と展望
2.第 3 期決算、事業報告の承認
環境保全装置カンファ水(安心・安全な屋内除菌・除ウィルス・消臭水)
の販売開始
平成 26 年春~
平成 26 年 8 月
一般社団法人
市民エネルギー生駒へ 20 万円の寄付
平成 26 年 8 月
代表者変更( 阪本宗久 → 西村政一、阪本は理事へ )
平成 26 年 10 月 29 日
~11 月 4 日
平成 26 年 11 月
佐賀インターナショナル
平成 26 年 11 月 21 日
第4回定例理事会(全員出席)
バルーンフェスタ開催(橋本理事参加)
看護ステーション事業企画開始
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主な再生可能エネルギー
海
特
課
徴
題
洋
波や潮の流れで
年中発電可能
防水技術やコスト
太陽光
風
設置や運用が容易
日が当たらない夜間
などは発電しない
力
地
時間を問わず
高温の蒸気や熱水が
発電可能
あれば年中発電可能
低周波の音が発生す
自然保護が必要な国
る。環境評価に時間
立・国定公園などに
がかかる
多い
発電コスト
40 円以下を
33.4 円~38.3 円
9.9 円~17.3 円
(1キロワット時)
目指す
(住宅用)
(陸上)
設置場所
防波堤や海中
空き地やビルの屋上
など
熱
山岳や平原など
9.2~11.6 円
山岳や温泉地区
(注)発電コストは、政府の「エネルギー・環境会議」の資料を基に作成
〈 特 報 〉
事業用太陽光発電事業は電力会社
(九電など)の買取り中断に伴い、
危機に陥っています。
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