Comments
Description
Transcript
平成21年度 廃棄自転車の処理調査補助事業報告書
ま え が き この報告書は、平成 21 年度廃棄自転車の処理調査補助事業として、1.品目別廃棄物処理・ リサイクルガイドラインの見直し、2.資源有効利用促進法及び個別リサイクル法により実施 している各業界の現状及び課題についての検討をテーマに調査したものであります。 本事業により、自転車業界の循環型社会における処理体制を検討する上で、お役に立てれば 甚だ幸いとするところであります。 おわりに、本調査に深いご理解とご協力をいただいた各位ならびにご指導賜りました委員の 方々に厚く感謝の意を表します。 平成 22 年3月 (社) 自 転 車 協 会 理事長 島 野 喜 三 目 第1章 次 事業の概要 1.本専門委員会の取組みテーマ ----------------------------------------------- 1 2.事業の実施経過 ----------------------------------------------------------- 1 (1)専門委員会の開催 ----------------------------------------------------- 1 (2)平成 21 年度廃棄自転車の処理調査専門委員会名簿 ------------------------ 2 第2章 廃棄物処理・リサイクルガイドラインについて 1.ガイドラインの要旨 ------------------------------------------------------- 3 2.ガイドライン制定の経緯 --------------------------------------------------- 3 3.品目別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの設定品目(35 品目) ------------ 4 4.業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの設定業種(18 業種) ------------ 4 5.廃棄物処理・リサイクルガイドライン品目別ガイドライン(自転車) ----------- 5 第3章 資源有効利用促進法及び個別リサイクル法により実施している 各業界の現状と課題について 1.家庭用パソコン回収システム ----------------------------------------------- 7 2.小形二次電池回収システム ------------------------------------------------- 11 3.容器包装回収システム ----------------------------------------------------- 14 4.家電回収システム --------------------------------------------------------- 18 5.自動車回収システム ------------------------------------------------------- 24 6.二輪車回収システム ------------------------------------------------------- 27 第4章 まとめ 1.各業界における現状と課題について ----------------------------------------- 31 2.自転車「品目別廃棄物処理・リサイクルガイドライン」の見直し(案) --------- 34 3.自転車「品目別廃棄物処理・リサイクルガイドライン」の比較表(抜粋) ------- 36 第5章 資料編 循環型社会の形成の推進のための法制度等 --------------------------------------- 37 第1章 事 業 の 概 要 第1章 事業の概要 1.本専門委員会の取組みテーマ (1)自転車「品目別廃棄物処理・リサイクルガイドライン」の見直しについて (2)資源有効利用促進法及び個別リサイクル法により実施している各業種の現状及び課題 についてヒヤリング調査を行い、今後検討する上で参考にする。 2.事業の実施経過 (1)専門委員会の開催 ① 第1回廃棄自転車の処理調査専門委員会(平成21年11月11日開催) 本年度取組みテーマについて検討した結果、次のテーマが了承された。1)自転車 「品目別廃棄物処理・リサイクルガイドライン」の見直し、2)資源有効利用促進法 及び個別リサイクル法により実施している各業種の現状及び課題についてヒヤリング 調査を行い、今後検討する上で参考にする。 ② 第2回廃棄自転車の処理調査専門委員会(平成22年3月16日開催) 1)一般社団法人JBRC事務局の市場氏と亀田氏より小形二次電池の現状について 説明があった。 2)資源有効利用促進法「パソコン」、 「小形二次電池」、個別リサイクル法の「容器包 装」、 「家電」 、「自動車」及び自主取組をしている「二輪車」についてヒヤリング調 査について報告を行った。 3)品目別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの見直し(案)を説明し、再度確認 を行った。 -1- (2)平成21年度廃棄自転車の処理調査専門委員会名簿 (敬称略、順不同) 区分 氏 名 委員長 吉田 捷二 学識経験者 委 乾 克己 三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 家電事業部 技術二部 担当部長 員 所 属 ・ 役 職 パナソニックサイクルテック株式会社 商品開発部 技術管理チーム チームリーダー 〃 河波 理 〃 小﨑 恵三 株式会社 コザキトレイディング 〃 遠藤 秀幸 財団法人 自転車産業振興協会 〃 佐藤 貞男 東京自転車製造卸協同組合 〃 佐藤 成美 日本自転車軽自動車商協同組合連合会 〃 渡部 裕雄 ブリヂストンサイクル株式会社 〃 辻野 英昭 大阪府自転車軽自動車商業協同組合 〃 西山 吉信 宮田工業株式会社 〃 早川寿三夫 ホダカ株式会社 〃 山田 株式会社 中央貿易 豊彦 名 代表取締役社長 技術研究所 総務部 事務局長 事務局長 経営企画担当部長 品質センター 理事長 お客様相談担当部長 ASQA グループ シニアマネージャー 代表取締役社長 -2- 主査 第2章 廃棄物処理・リサイクルガイドラインについて 第2章 「廃棄物処理・リサイクルガイドライン」について 「廃棄物処理・リサイクルガイドライン」とは 1.ガイドラインの要旨 品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインは、事業者の自主的な取組を促進す ることを目的として、事業者が廃棄物処理・リサイクルとして取り組むべき事項を整理した ものであり、平成2年に初めて策定された。 その後、本ガイドラインは8度の改訂を経る中で対象品目・業種の拡大を図るほか、品目 別・業種別の取組み内容の充実を図ってきている。 2.ガイドライン制定の経緯 我が国は廃棄物の最終処分場の逼迫、資源の将来的な枯渇の可能性等の環境制約、資源制 約に直面しており、大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会を転換し、循環型社会を形 成することが急務と成っている。 このような状況の中、平成2年8月、通商産業大臣より産業構造審議会に対して「廃棄物 処理・再資源化対策のあり方」について諮問を行い、これを受け同審議会に廃棄物処理・再 資源化部会が設置され、審議を行った。 この結果、平成2年 12 月に「今後の廃棄物処理・再資源化対策のあり方」として答申が取 りまとめられた。その中で、事業者が遵守すべき事項を提示することにより、事業者の自主 的な取り組みを促進することを目的として、15 品目別リサイクルガイドライン及び 10 業種 別リサイクルガイドラインが策定された。その際、原則毎年フォローアップすることを併せ て提言している。 その後リサイクルガイドラインは、内容の充実、強化を図るために累次改定が行なわれ、 資源有効利用促進法が平成 13 年4月から施行されたことを踏まえ、平成 13 年7月には産業 構造審議会 廃棄物・リサイクル委員会にて6度目の改訂が行われ、35 品目別リサイクルガ イドライン及び 18 業種別リサイクルガイドラインが策定された。 また、これらの品目別・業種別リサイクルガイドラインは、定期的に進捗状況の確認がさ れてきているが、直近では、平成 18 年 10 月の産業構造審議会において、進捗状況、今後講 じる予定の措置が報告されている。 -3- 3.品目別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの設定品目(35 品目) 紙 プラスチック 自 転 車 カーペット 自転車用鉛蓄電池 及び二輪車用鉛蓄電池 消 火 器 ガラスびん スチール缶 アルミ缶 自 オートバイ タ 動 車 家電製品 布 スプリングマットレス 団 乾 電 池 カセットボンベ エアゾール缶 ぱちんこ遊技機等 パーソナルコンピュータ 及びその周辺機器 ガス・石油機器 繊維製品 潤 滑 油 建設資材 浴槽及び浴室ユニット システムキッチン 蛍光管等 自動販売機 レンズ付フィルム イ ヤ オフィス家具 小形二次電池等 小形ガスボンベ 複 写 電 機 線 携帯電話・PHS 4.業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの設定業種(18 業種) 鉄 紙・パルプ製造業 化学工業 板ガラス製造業 繊維工業 非鉄金属製造業 電気事業 自動車製造業 自動車部品製造業 電子・電気機器製造業 石油精製業 リース業 セメント製造業 ゴム製品製造業 ガ 鋼 ス 業 業 工場生産住宅製造業 -4- 流 通 業 石炭鉱業 5.廃棄物処理・リサイクルガイドライン 品目別ガイドライン 品目名 9.自転車 平成 18 年 10 月ガイドライン 進捗状況(現在まで講じてきた主要措置) 今後講じる予定の措置 1.リデュース・リユース・リサイクルへの設計・製造段階での配慮 自転車にアセスメントマニュアルの改訂および資源有効利用促進法の指定も 視野に入れつつ、リデュース・リユース・リサイクル配慮設計の推進を図ると ともに、長寿命化設計された部品の利用に努める。 1.リデュース・リユース・リサイクルへの設計・製造段階での配慮 ① 環境配慮型製品に関する技術研究開発を推進し、自転車企業(延べ6社) により、電動アシスト自転車用電子部品の鉛フリー化など、6件の技術研究 開発を実施した。(平成 14 年~15 年度) ② 自転車の環境配慮設計を推進するために、自転車製品に係る要管理物質及 び環境負荷の大きい物質等の使用状況及び今後の削減に向けた取組に関する 調査を実施し、鉛、六価クロム、カドミウム、塩化ビニール、包装材等の使 用状況及び今後の取組について実施把握し、基礎資料を得た。(平成 15 年度) ③ 平成 17 年に自転車用バンドブレーキのライニングへのアスベスト使用問題 が発生し、社会問題化したことを受け、国内環境諸法令あるいはEUのRo HS指令などで使用禁止等の規制が行われている水銀、鉛、カドミウム、六 価クロム等の有害物質または環境負荷物質の自転車製品への使用状況などを 調査し、平成 14 年3月に策定した「自転車製品アセスメント・マニュアルガ イドライン」にこうした環境負荷物質の使用に関する配慮事項等の指針を追 記するなどの改定を行った。(平成 17 年度) 1.リデュース・リユース・リサイクルへの設計・製造段階での配慮 ① 資源有効利用促進法の指定も視野に入れつつ、3R配慮設計に基づく長寿 命化設計された部品の利用を拡大し、自転車のロングライフ化を推進する。 また、環境配慮型製品に関する技術研究開発を推進する。 ② 電動アシス自転車に使用する二次電池の取り外し容易化を図る。 電動アシスト自転車に使用する二次電池の取り外し容易化を図るため、専 門員会を設置し検討する。 電動アシスト自転車について、資源有効利用促進法の指定再利用促進製品に 位置づけられたことを踏まえ、二次電池の取り外しが容易である構造の採用及 び製品が二次電池を使用していること等の表示を行うとともに、設計・製造で の取組状況及び効果を公表する方策について検討する。また、製品全体のリデ ュース・リユース・リサイクル配慮設計についても検討する。 ③ 電動アシスト自転車を含む自転車の3Rの設計・製造での取り組み状況及 び効果についてホームページ等を活用してPRを行うとともに、当該事業者 においては、製品カタログ等を活用して一般消費者向けに環境配慮型製品で ある旨を明示・訴求する。 2.リサイクルの推進 リサイクルの推進を図るため、平成 13 年度に設定したリサイクル可能率の目標 値 67%の達成を図る。 2.リサイクルの推進 2.リサイクルの推進 製品全体の重量のうち、再資源化可能重量比をリサイクル可能率として設定 リサイクル可能率の目標値 67%については、現状達成されているので、リサ した目標値 67%を達成するため、リサイクル可能率を設定した当時(平成 14 年) イクルの推進については、新たな観点で内容を検討する。 と現在(平成 18 年)とを比較し、車種別に自転車を構成している材料の重量、 自転車廃棄処理施設及び処理方法の変化について調査を行い、リサイクル可能 率達成に対し検討を行った。なお、電動アシスト自転車の小形二次電池の「指 定再資源化製品」指定を受け、電動アシスト自転車主要メーカー(8社)は、 JBRCの「小形二次電池再資源化推進センター」に加入して回収・再資源化 に取り組んでいる。(平成 13 年度~) 3.自転車販売店・地方公共団体等と連携した使用済自転車回収の推進及び放 置自転車処理への協力 自転車販売店における廃棄希望自転車の引取りを継続推進するとともに、共 同回収処理事業の実施地域の拡大を図る一方、放置自転車処理の推進を図るた めに地方公共団体への協力を行う。 更に、回収された廃棄自転車のリユースを推進する取組について検討する。 3.自転車販売店・地方公共団体等と連携した使用済み自転車回収の推進及び 放置自転車処理への協力 ① 不要自転車の回収・処理等の実態を把握するために、自転車販売店及び地 方自治体(自転車対策部署、清掃部署)別に調査を行い、各ルート別の廃棄 自転車の推計台数及び回収・処理状況をもとに、平成 10 年度の調査データと の時系列変化を検証した。他方、製造事業者及び自転車利用者に対しては、 不要自転車の回収・処理に関する今後の取組課題及び方向性を検討するため の基礎資料を得た。(平成 15 年度) ② 東京都、神奈川県の各自転車商組合では組合傘下の自転車小売店の協力の もと、使用済み自転車を小売店で引き取る集団拠点・店頭巡回回収事業を実 施(平成 17 年度 約 29,000 台) ③ 堺自転車製造卸協同組合では堺市と連携協力して使用済み自転車の回収事 業を実施。(平成 17 年度 約 700 台) 4.放置自転車の未然防止のための広報、啓発活動の推進 駅周辺における放置自転車の未然防止のための各種キャンペーンを推進す る。 4.放置自転車の未然防止のための広報、啓発活動の推進 4.放置自転車の未然防止のための広報、啓発活動の推進 ① 駅周辺における放置自転車の未然防止のための広報・啓発活動を実施(平 引き続き推進。 成 17 年度 41 ヵ所) ② 放置自転車対策として駐輪場を設置(昭和 47 年度~平成 17 年度 392 ヵ所) 5.長期使用の啓発・普及 学校、駅等で安全点検事業を推進する(販売店)。 5.長期使用の啓発・普及 全国の自転車小売店が学校及び自治体の公共施設等で自転車安全整備事業を 実施。(昭和 42 年度~平成 17 年度 304,512 会場、約 6,800 万台) 3.自転車販売店・地方公共団体等と連携した使用済み自転車回収の推進及び 放置自転車処理への協力 引き続き推進。 5.長期使用の啓発・普及 引き続き推進。 -5- 第3章 資源有効利用促進法及び個別リサイクル法に より実施している各業界の現状及び課題に ついて 第3章 資源有効利用促進法及び個別リサイクル法により実施している各 業界の現状及び課題について 1.家庭用パソコン回収システム 一般社団法人 パソコン3R推進協会 資源有効利用促進法 指定再資源化製品:パソコン 回収開始日 事業系:平成 13 年(2001)4月 家庭系:平成 15 年(2003)10 月 訪問場所 東京都千代田区神田小川町3丁目 ヒヤリング応対者 専務理事 海野 隆 (1)指定再資源化製品パソコンの経緯 ・平成 12(2000)年 産業構造審議会に於いて決定 ・平成 13(2001)年4月 企業から排出されるものを取組む ・平成 13(2001)年4月 事業系パソコンの回収実施 ・平成 15(2003)年5月 家庭用パソコンの回収ルートがまとまる (本体とモニターが別のメーカーがあり、その方法を検討) ・平成 15(2003)年 10 月 家庭用パソコンの回収開始 (役所指導型で開始した) ・平成 16(2004)年5月 パソコン3R推進センター設立(有限責任中間法人) 7月メーカー不明のパソコンについても回収 (2)何のためにパソコンをリサイクルするか パソコンに使われている材料は、例えばプラスチックは石油から、鉄や銅やアルミニ ムなどは鉱物(岩石など)からといったように、地球の限りある資源が数多く利用されて いる。これまでのように、使わなくなったパソコンをゴミとして捨てるのはもったいな いことである。さらには、未来の地球環境を壊してしまうことにもなる。 そこで今、積極的に取り組まなければならないのが、パソコンに使われている部品や 材料を再利用して、地球の資源、地球の環境を守ること。そのためにパソコンのリサイ クルが必要である。 私達にとってかけがえのない地球のためにも、パソコンのリサイクルに対する皆さん の理解と、協力が必要である。 -7- (3)パソコンリサイクルシステムについて ・家庭系パソコンと廃家電4品目との違い 家庭系パソコン 廃家電4品目 適用法規 資源有効利用促進法 廃棄物処理法 家電リサイクル法 回収義務 メーカー (お客様から引き取り義務) 販売店(設置工事がある) (お客様から引き取り義務) リサイクル義務 メーカー メーカー 自治体の処理基準 ゴミとして処理可能 メーカー 自治体 多くの自治体が収集を継続 多くの自治体が収集を停止 (4)パソコンリサイクルに基づく関係部門の義務と役割 1)メーカーは、パソコンの回収、再資源化の義務あり メーカーとは、パソコンを製造する事業者、輸入したパソコンの販売事業者、仕入 れた部品でパソコンを組み立てて販売する事業者。 2)販売店の役割 パソコン回収の実効性を上げるために消費者に対して、パソコンの回収・再資源化 について広報活動等周知を図る。 3)自治体の役割 回収・再資源化の仕組が実効性に機能するよう、不法投棄をせず適正に排出するこ とを含め、住民に対する広報活動等周知を図る。 ・自治体の回収状況 H15年10月 35%はゴミとして回収しない自治体がある。 H21年 80%はゴミとして回収しない自治体がある H21年 堺市も回収しない方向付けがなされた。 (注)ごく一部のところ(離島或いは日本の端の地域)は自治体が回収を行っている。 4)消費者の役割 使用済みパソコンの適正な排出、メーカー等への引渡し、費用の支払いにより、回 収・再資源化が進むよう協力する。 なお、パソコンのリサイクルは、廃家電4品目(回収義務は販売店)と比べ、回収義 務が 100%メーカーにあること。パソコンリサイクルシステム施行以降に於いても、 自治体がゴミとして処理が可能であり、継続して収集してもらうことができるシステ ムとなっている。 (5)リサイクル費用 一般のパソコン 3,150 円 -8- CRTタイプ 4,200 円 今は、パソコンにリサイクル費用が上乗せされている従って有償回収は少し減ってい る。 無償回収 約 25% 有償回収 約 75% (6)希少金属の再資源化 パソコンに使用している金属 ・金:0.1g:電子部品等 ・パラジウム:プリント配線基盤、電極に使用 ・プラチナ:電池の接点に使用 現状は、金属の価値以上に再資源化にコストがかかる。 (7)実施済み対策及び課題 ・パソコン市場:1 千2~3百万台/年間(ネットブックが増えている) ・JEITA 加盟:46 社、この仕組で回収している。 ・メーカーが責任を持つのは、自社製品のみである。 ・不法投棄品は、メーカーの責任ではない。 ・この回収システムが始まってから自治体の回収が停止したところは 80%。継続して回 収してくれているところは 20%以下になった。 ・重量がlkg 未満のものは法律的にはこのシステムから除いている。しかし内部的には lkg 未満のものでも受け入れている。 ・パソコンの使用年数 1995 年(8年前) 13.8 年 (押入れ等にあるものを除<と) 2009 年(現在) 8.9 年 3~4年但し、 (新製品が出た時、新しいパソコンをメイ ンで使い古いものをサブで使っている消費者が多い) 以上 -9- 家庭系パソコン回収システム パソコンが家庭で不要になったら、メーカー等に回収を申し込む。 その際、PCリサイクルマークのない製品は、消費者が回収・リサイクル料金を負担。 消 ゆうパック 持込 エコゆう パック伝票 費 者 メーカー A メーカー B メーカー C メーカー D 郵便局 集荷指示 集配郵便局 コールセンター(山九) ゆうパック ゆうパック 集配郵便局 集配郵便局 集配郵便局 集配郵便局 山九 山九 山九 山九 トラック トラック トラック トラック A 社 B 社 C 社 各メーカーの再資源化拠点 情報の流れ 製品の流れ 山九とは、山口県、九州地方を中心に配送業をしている会社 -10- D 社 2.小形二次電池回収システム 一般社団法人JBRC 資源有効利用促進法 指定再資源化製品、指定表示製品 施行日 平成 13(2001)年4月 ヒヤリング場所 於:日本自転車会館 ヒヤリング応対者 業務グループ長/大阪事務所長 会議室 市場 正夫 (1)小形二次電池の回収・再資源化の仕組み 平成 13(2OO1)年施行の「資源有効利用促進法」にて、電池メーカー電池使用機器メーカー、 輸入事業者などに小形二次電池の回収、再資源化などが義務付けられ、JBRCが発足。 277 社の企業がJBRCの会員となり、全国的に小形二次電池のリサイクル活動を推進。 (2)回収・再資源化が義務づけ 資源有効利用促進法により、密閉形蓄電池のうちニカド電池、ニッケル水素電池、リ チウムイオン電池および小形制御弁式(シール)鉛蓄電池の4品目の小形二次電池の回 収・再資源化が義務付けられている。 (3)使用後は販売店の回収ボックスヘ 主に家庭用機器に使用されている小形二次電池 (ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、小形制御弁式鉛蓄電池)につ いては電池製造事業者、機器製造事業者によってリサイクルが行なわれている。 小形二次電池は、どれもリサイクルマークがついていて、他の電池と見分けることが できる。 (4)自転車用回収拠点と電池の送付方法 登録された販売店回収拠点:2,460 店 1回につき 20kg が貯まったら送付 (5)資源化率実績(%) 電 池 名 法定目標値 実 績 値 2O04年度 20O5年度 2006年度 2007年度 ニカド電池 60 74 73 73 73 ニッケル水素電池 55 77 77 77 77 リチウムイオン電池 30 61 58 58 56 小形シール鉛蓄電池 50 51 51 51 51 注)算出式 再資源化率=再資源化量/処理量×(再資源化量=再資源化物質×金属元素含有量) -11- (6)電動アシスト自転車用電池の回収 自転車用電池の回収(2008 年度) 1)回収登録拠点店舗数 2,46O 店 2)電池引き取り稼働拠点店舗数 754 店 3)電池の種類 ・ニカド電池 ・ニッケル水素電池 ・リチウムイオン(コバルト系)電池 ・リチウムイオン(マンガン系)電池 (7)自治体は、電池を付けた電動アシスト自転車は粗大ゴミとして回収できない 大阪府八尾市の例 自治体では、電池付き電動アシスト自転車は回収しない。電池をはずして販売店に持 っていくか、専門の業者に引き取ってもらうことになる。自転車のみであれば粗大ゴミ として引き取るとの返事であった。 →埼玉県春日部市の例 バッテリー付きのままで粗大ゴミで回収 (8)回収状況及び課題 ・電動アシスト自転車用の電池回収(2008 年度実績) 販売店回収 42.1 トン 事業者回収 77.4 トン ※販売店によるバッテリーの回収比率が低い。 →1回の回収につき 20kg が必要である。 →電動アシスト自転車の取引事業者が販売店に納品した際に回収する。 ・電動アシスト自転車のバッテリーの販売店回収拠点の 2,460 店のうち、実際に回収し た拠点数は 754 店であり、約 30%である。 ・リチウムイオン電池の回収が、2007 年度 6.3 トン、2008 年度 7.9 トン、2009 年度(4 月~1月)12.4 トンと徐々に増加している。 ・電動アシスト自転車には、マンガン系とコバルト系のリチウムイオン電池が使用され、 マンガン系電池が増加(コバルト系電池に比ベマンガン系電池はイニシアルコストが 安い、)ただし、マンガン系電池は、リサイクルができず廃棄するのみであるが、コバ ルト系はコバルトの再生利用が可能である。 -12- 小形二次電池回収システム 資源有効利用促進法施行に伴い、小形二次電池が「指定再資源化製品」の指定を受け、電動ア シスト自転車製造・輸入事業者に、電動アシスト自転車用電池の回収・再資源化が義務付けら れることとなった。電動アシスト自転車主要メーカーは、「一般社団法人JBRC」へ加入して 対応している。 リサイクル協力店 リサイクル協力事業者 (電器店、スーパー、ホーム (会員会社・サービスセンター、 センター、自転車店等) 工事ビルメンテナンス事業者等) リサイクル協力自治体 登録回収拠点(約 30,000 拠点) 回収要請 公表 回収量・再資源化率 一般社団法人JBRC 会員 無料回収 電池メーカー・電池使用機器メーカー 及びそれらの輸入事業者等で構成 (会員企業 277 社) 回収手配 運賃請求 運賃支払い 処理費請求 運搬業者 処理費支払い JBRCが委託する運搬業者が、各回収拠点から回収 運 再資源化報告 搬 リサイクラー JBRCが委託するリサイクラーで、小形充電式電池を再資源化 廃棄物処理法・産業廃棄物広域認定の範囲 -13- 3.容器包装回収システム (財)日本容器包装リサイクル協会 個別リサイクル法 容器包装リサイクル法 施行日 平成 12 年(2000)4月 訪問場所 東京都港区虎ノ門1丁目 ヒヤリング応対者 総務課長 丸山 範久 (1)日本容器包装リサイクル協会設立の経緯 ・平成7(1995)年6月 16 日 容器包装リサイクル法公布 ・平成8(1996)年9月 25 日 主務5省(環境、経済産業、財務、厚生労働、農林水産)から財団法人設立許可 ・同年(1996)年 10 月 31 日 主務5省から指定法人として指定を受ける ・平成9(1997)年4月1日 容器包装リサイクル法本格施行に伴い、全事業者(小規模事業者を除く)対象として、 ガラスびん、PETボトルに加え、紙、プラスチック製容器包装の再商品化事業を開 始 ・平成 18(2006)年4月1日 容器包装リサイクル法が改正される (2)日本容器包装リサイクル協会の組織(指定法人) (理事長以下 35 名) 理事長―副理事長―専務理事―事務局長 総務部 広報部 企画調査部 ガラスびん事業部 3人 PETボトル事業部 4人 紙容器事業部 3人 プラスチック容器事業部 8人(増加) ・人員 35 名(全てが民間人)男 23 名、女 12 名(派遣社員 2 名) その外に、システム、契約書作成業務等は分室を設けて派遣社員で対応している(10 名)天下り並びに国からの補助金は一切無しで運営している。 -14- (3)対象品:ガラスびん、PETボトル、紙容器、プラスチック容器の 4 アイテム 非対象品:スチール缶、アルミ缶、紙パック、段ボールこれらは、市場でマーケット として存在しているから対象外とされた。 (4)義務対象事業者(特定事業者) 「容器」 「包装」を利用して中身を販売する事業者。 「容器」を製造する事業者。 「容器」および「容器」 「包装」が付いた商品を輸入して販売する事業者。 ・義務対象外(小規模事業者) 業 種 製造業等 売 上 高 従 業 員 2億4,000万円以下 かつ20名以下 7,000万円以下 かつ5名以下 商業・サービス業 (5)輸入事業者について 輸入事業者は、製造業・サービス業の両方を担当していることになり、製造・サービ ス両面の責任がある。 輸入代行者では、委託しているところに責任がある、どこがイニシアチブを取ってい るかである。 (6)再商品化事業とは 分別基準適合物を運搬・再加工し、新たな「資源」へと生まれ変わらせるリサイクル事 業者を云う。 再商品化事業者は、所在事業部ごとの審査を受けてから登録をする、毎年リサイクル 費用を落札して事業を委託する。 (7)市町村の役割は ① 容器包装の収集・分別・洗浄などを行い、法律に定められた「分別基準」に適合させ ること。 ② 適切な保管施設に保管すること。 ①②をクリヤーした廃棄物を「分別基準適合物」と呼ぶ。 指定法人と取引契約を結んだ市町村の分別基準適合物は、指定法人によって引き取 られ、(落札済み再商品化事業者)さらに次のステツプヘ。 -15- (8)指定法人の運営は 特定事業者からリサイクル費用を貰い、再商品化事業者を登録審査の上、リサイクル の委託を行なう。さらに市町村と取引契約を結ぶなどリサイクルの中心的役割を果たし ている。毎年リサイクル量を計画し、収支報告を行って収支の増減を次年度で調整して いる。 (9)現状及び課題 ・北京オリンピック前に自治体がペットボトルを中国へ輸出する量が増加し、協会での 引き取り量の半分(14 万トン)になった。(通常は 30 数万トン) ・神戸の川崎プラント、大阪のプラントが経営不振に陥った。 ・中国への輸出は、日本より2~3割高値で販売されていた。 ・環境省より、市町村宛てに国内へPETボトルを回すようにとの指導があった。 ・現在市町村は、国内へ半分、中国へ半分のところが多<なっている。 市町村は±20%の基準をもって協会への量の変動を管理しているところもある。 したがって現在の国内の再資源化プラントは 30 万トン/年間の量があり、経営的には 問題がない。 ・独自の対策を取っているところもある。 ・例えば、自販機メーカーと契約して自力で総量を確保しているところもある。 ・中国ではPETボトルを加工してぬいぐるみの中の綿としてあるいは衣料の繊維とし てアメリカヘ輸出している。 以上 -16- 容器包装リサイクルの流れ 委託の流れ 費用の流れ リサイクル(再商品化)の受託 特定事業者 リサイクル費用(委託料金)の受取 (財)日本容器包装 リサイクル協会 ・リサイクル(再商品化)義務の履行 消 費 者 ・消費者による分別排出 ・簡単な水洗い等の後、排出 分別基準適合物の引取り 市 町 村 リサイクル費用の受取(市町村負担分) ・分別回収 ・収集、分別等を行い「分別基準」 の適合させる リサイクル(再商品化)業務委託 再商品化事業者 分別基準適合物処理費の支払い ・「分別基準適合物」を運搬・再生処理 再商品化製品利用事業者 ・対象外商品:スチール缶・アルミ缶・紙パック・段ボール ・再商品化製品の利用内容 ・ガラスびん、PETボトル、紙の容器や包装、プラスチックの容器や包装等 ・材料(擬木、車止め等)、油化、高炉(還元剤として利用)、コークス、ガス化等 -17- 4.家電回収システム (財)家電製品協会 個別リサイクル法 家電リサイクル法 施行日 平成 13 年(2001)4月 訪問場所 東京都港区愛宕1丁目 ヒヤリング応対者 環境部 次長 瀬山 康昭 (財)家電製品協会全体で 40 名内 環境部4名 (1)家電製品協会設立の経緯 ・昭和 55(1980)年6月 (財)家電製品等再資源化促進協会に家電製品協議会を吸収し、(財)家電製品協会とな る。 ・平成3(1991)年6月 回収支援センター設置 ・平成6(1994)年 11 月 廃家電品適正処理協力センターの設置 ・平成 10(1998)年4月 家電リサイクル実証プラントを茨城県那珂町に完成(1999 年閉鎖) ・平成 12(2000)年4月 通商産業大臣より家電リサイクル法に基づく指定法人に指定される ・平成 13(2001)年4月 家電リサイクル法施行 家電リサイクル券センターの設置 (2)家電リサイクル法が定められた理由? 家電リサイクル法施行以前、家庭ゴミを中心とした一般廃棄物のうち、廃棄される家電 製品は年間約 60 万トンであった(一般廃棄物全体の約1%程度)。粗大ゴミにしめる割合は 約 15%であった。 家庭から排出される廃棄物は基本的に市町村が収集、処理を行っていたが、製品の重量 が重く、他の廃棄物と一緒に処理し難い物や、非常に固い部品が含まれているため自治体 の粗大ゴミ処理施設での破砕や焼却による減量が困難であるものが多く、その大部分が埋 め立てられている状況であった。 -18- 最終処分場がひっ迫している状況を考えると、これまでその殆どが埋立てられてきた大 きくて重い家電製品廃棄物の発生を抑制し、最終的に埋立て処分される廃棄物の重量を削 減することは緊急の課題であった。 また家電製品には、再び利用することができる有用な資源もたくさん含まれている。 私たちにとって身近な家電製品を廃棄後どのように有効利用するか、関係者の適切な役 割分担で廃棄物の減量および資源の有効利用を図ることが必要である。 (3)家電リサイクル法の目的は何か 小売業者、製造業者等による使用済み家電製品の収集、再商品化等に関し、これを適 正かつ円滑に実施するための措置を講じることにより、廃棄物の適正な処理および資源 の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全および国民経済の健全な発展に寄与 することが目的である。 (4)家電リサイクル法の対象となる機器は? 家電製品のうち ① 市町村等による再商品化等が困難 ② 再商品化等をする必要性が特に高い ③ 設計、部品等の選択が再商品化等に重要な影響がある ④ 配送品であることから小売業者による収集が合理的であるものとして、エアコン、 ブラウン管テレビ、冷蔵庫、洗濯機が当初の対象機器となった。 また平成 16 年4月より冷凍庫が対象となった。加えて、平成 21 年4月1日から対象 機器がさらに追加された。」 平成 21 年4月1日から追加対象になった機器 「液晶テレビ・プラズマテレビ」「衣類乾燥機」が加わった。 (5)回収・リサイクル体制は(A・B)グループに集約して運営 家電リサイクル法施行にあたり、製造業者等はA・Bの 2 グループに集約し、全国で 家電リサイクルシステムを運営している。グループに集約することになった主な要因は 以下の通りである。 ① 新規事業としての経済性 :各社個別の全国展開では投資が大き<、再商品化 等料金が高くなる。 ② 小売業者や市町村の効率性 :小売業者の業務効率化のために、製造業者個別の 指定引き取り場所を設置するのではなく、集約し た場所を設けることで利便性を高める。 -19- 主なメーカー Aグループ:パナソニック(株)、(株)東芝、大阪ガス(株)、日本ビクター(株)、東邦ガ ス(株)、ダイキン工業(株)、高木産業(株)、オリオン電機(株)、クリナッ プ(株) etc, Bグループ:三洋電機(株)、シャープ(株)、ソニー(株)、(株)日立製作所、パイオニア(株)、 船井電機(株)、三菱電機(株)、(株)ノーリツ、リンナイ(株) etc. (6)家電リサイクル法施行から今日までの経緯 家電リサイクル法施行時に、A・B両グループの指定引取場所は各 190 箇所、計 380 箇所が設置された。 しかし、家電リサイクル法の見直しに際して、小売業者等から、A・B両グループの 指定引取場所それぞれ持ち込むより、1箇所で済ませる方が負担を軽減できるため、指 定引取場所の共有化の要望がある。 (7)共有化の推進 現在、製造業者等によってA・Bの2グループに分かれている指定引取場所について、 両グループに於いて段階的に共有化を実施することとし、平成 20 年 10 月から 41 箇所を 先行して共有化し、引き取りを開始した。 共有化された指定引取場所では、小売業者等が持ち込んだ使用済み家電4品目をA・ Bグループ別に仕分けを行い、各グループ別・品目別に輸送用コンテナーに積載して、 それぞれのグループの再商品化施設に引き渡す。 (8)排出者が支払う料金 再商品化等料金の例(消費税込み) エアコン ¥2,625 ブラウン管テレピ(15 型以下) ¥1,785 (16 型以上) ¥2,835 洗濯機・衣料乾燥機 ¥2,520 液晶・プラズマテレビ(15V型以下) ¥1,785 (16V型以上) ¥2,835 冷蔵庫・冷凍庫(170L以下) ¥3,780 (170L以上) ¥4,830 収集・運搬料金の例 買換えの場合の平均 回収のみの場合の平均 ¥2,000~¥2,600 程度 ¥2,500~¥3,000 程度 -20- (9)実施済み対策及び課題 1)家電リサイクル再商品化の実績 4品目の再商品化率 2001 年度 2007 年度 2008 年度 エアコン 78 87 89 テレビ 73 86 89 冷蔵庫・冷凍庫 59 82 84 洗濯機 56 73 74 4品目合計の素材別再商品化量(単位:t) 2001 年度 2008 年度 鉄 110,555 151,822 銅 5,423 15,131 965 10,624 非鉄・鉄混合物 41,406 58,797 ブラウン管ガラス 45,153 83,749 7,462 94,276 210,964 414,399 アルミニウム その他の有価物 計 2)特定の化学物質(6物質)の代替化 テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジ、衣類乾燥機、パソコンの7品目 を対象に、特定化学物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB,PBDEの6 物質)の含有状況の管理や、含有率基準値を越えた場合の JIS C 0950「電気・電子機 器の特定の化学物質の含有表示方法」(通称:J-Moss)に基づいた含有マーク表示な どが、2006 年7月から資源有効利用促進法で義務づけられた。 ホームページでの情報提供の辞令(液晶テレピ) ユニット 化学物質記号 Pb Hg Cd Cr(VI) PBB PBDE 除外項目 ○ ○ ○ ○ ○ キャビネット ○ ○ ○ ○ ○ ○ ディスプレイパネル ○ 除外項目 ○ ○ ○ ○ スピーカー ○ ○ ○ ○ ○ ○ 除外項目 ○ ○ ○ ○ ○ 実装基盤 付属品 注記1 注記2 ○は、算出対象物質の含有率が含有率基準以下であることを示す。 除外項目は、算出対象物質が含有マークの除外項目に該当していることを示す。 -21- 3)家電業界の製品アセスメントの取り組み ① 家電製品協会では、環境配慮設計の重要性を認識し、1991 年 10 月に他の業界に 先駆けて、「家電製品 製品アセスメントマニュアル」を発行。 その後も、国内の法規制や国際的な標準化などの動向を踏まえ、製品アセスメン トマニュアルの改正を行なっている。 2006 年5月には、「第 4 版」を発行 ② 家電メーカー各社での製品アセスメントの実施内容 家電メーカー各社では、製品の開発規定に製品アセスメントを位置づけ、ライフ サイクルを考慮した 14 評価項目の「製品アセスメントガイドライン(チェックリス ト)」に基づいて、製品の特性に応じた適切な評価項目や評価基準などを設定されて いる。 そして、新機種の設計・試作、量産の段階で製品アセスメントを実施し、従来機 種との個別評価や総合評価(総合点比較)を行いながら「環境配慮設計の継続的改善」 を推進している。 4)省エネルギーヘの取り組み(エネルギー消費の削減) 省エネ法とトップランナー基準 1998 年に省エネ法が改正されトップランナー基準が設けられた。これは、最も省エ ネ性能が優れている製品以上に省エネルギー規準を設定し、目標年度までにその達成 を義務づけるもので、現在、21 品目が対象になっている。 エアコンや冷蔵庫では、インバーター制御やモーター効率の向上などの省エネ技術 の採用により、世界最高水準の省エネ製品を商品化して目標を達成、2006 年、2009 年には新たな目標年度・基準が設定された。 以上 -22- 家電回収システム (料金販売店回収方式) 消費者(排出者) 特定家庭用機器廃棄物 収集運搬料金 リサイクル料金 家電リサイクル券写し交付 小売業者 特定家庭用機器廃棄物 家電リサイクル券交付 家電リサイクル券 用紙発送 リサイクル料金支払い (指定場所へ小売店が運搬) 家電リサイクル券回付 リサイクル料金請求 (財)家電製品協会 指定引取場所 引取り情報 特定家庭用機器廃棄物 家電リサイクル券センター (RKC) 家電リサイクル券交付 再商品化等施設 再商品化等料金 製造業者等 (注) ・近くに販売店がない場合は、郵便局でリサイクル券を購入して、自治体で引取って貰う。 -23- 5.自動車回収システム (財)自動車リサイクル促進センター 個別リサイクル法 自動車リサイクル法 施行日 平成 17 年(2005)1月 訪問場所 東京都港区芝大門 ヒヤリング応対者 日本自動車会館 事務統括部 部長 茂野 純彦 事務統括部 業務課 課長代理 斎藤 順子 (1)自動車リサイクル法の指定法人設立目的 平成 12(2000)年 11 月 22 日 資源の有効な利用の向上及び環境の保全に資するため、自動車のリサイクル及び適正 処理の促進に関する事業を行うことにより、自動車ユーザーの便益の確保及び国民経済 の健全な発展を図り、もって国民生活の維持、向上に貢献することを目的としている。 (2)一元的に自動車フロン引取・破壊システムを運営 平成 14(2002)年 10 月から 本格施行されたカーエアコンに関する「フロン回収・破壊法」では、自動車メーカーな どから一元的に業務委託を受け、「フロン引取・破壊システム」を運営している。 (3)自動車リサイクルシステム運営 平成 17(2005)年1月から 本格施行された「自動車リサイクル法」では、 「資金管理業務」「再資源化等業務」「情 報管理業務」を行う指定法人として、 「自動車リサイクルシステム」の安定運営に努めて いる。 (4)自動車リサイクル法の成り立ち 日本では、1年間あたり、約 360 万台ものクルマが廃車になっている。 クルマはもともと鉄やアルミ等の金属が多く使われているためリサイクル率は高く総 重量の約 80%がリサイクルされ、残りの 20%はシュレッダーダスト(クルマの解体・破 砕後に残るゴミ)として主に埋め立て処分されていた。 しかし、埋め立て処分スペースが残りわずかとなり、埋め立て処分費用の高騰などの 原因により、不法投棄・不適正処理が問題なった。 また、カーエアコンの冷媒に利用されているフロン類がきちんと処理されないとオゾ ン層破壊や地球温暖化問題を引き起こすこと、クルマをリサイクルするにあたり、爆発 -24- 性のあるエアバック類を安全に処理するには専門的な技術が必要とされる問題となって いた。 そこで、これらの問題を解決するために 2005 年 1 月から「自動車リサイクル法」がスタ ートした。 この「自動車リサイクル法」では 1)自動車メーカー・輸入事業者にシュレッダーダスト、エアバック類、フロン類の引 取り・リサイクルを義務づけている。 2)その処理費用は、リサイクル料金として、クルマの所有者が負担する事になってい る。 3)このリサイクル料金は、廃車になるまで、資金管理法人(本財団/自動車リサイク ル促進センター)が預かり、その厳格な管理を行っている。 (5)リサイクル料金 リサイクル料金は、車種、エアバック類の個数、エアコンの有無等により自動車メー カー・輸入事業者が一台毎に設定しており、およそ 6,000~18,000 円である。 廃車から出たシュレッダーダスト、エアバック類、フロン類を自動車メーカー・輸入 事業者が引き取ってリサイクル・適正処理するために使われている。 それに加えて、料金の一部は廃車処理の情報管理(情報管理料金)や、リサイクル料金 の管理(資金管理料金)にも使われている。 あくまでも一般的な金額であり、車両によってはこれ以上かかる場合もある。 (6)現状及び課題 ・自動車リサイクルシステムは、平成 17(2005)年1月から開始されシステムは全く変 更されていない。 ・具体的な取り組み状況については、自動車リサイクル促進センターのホームページに 掲載されている。例:(自動車リサイクル法とは、リサイクル料金、廃車時に確認すべ きこと、海外に持ち出した(輸出した)場合、メーカーの取組み、リサイクル部品、リ サイクル状況、不法と帰途離島対策 etc,) ・さらに、廃車したクルマ(使用済み自動車)の処理状況が検索できるようになっている。 ・当初「フロン回収・破壊法」が自動車リサイクル法より3年前にスタートしたが現在は、 「フロン回収・破壊」は自動車リサイクル法に一元管理されている。 以上 -25- 自動車リサイクルシステム 消費者(支払い) 購入時及び車検時 リサイクル費 6,000~18,000 円 消費者(排出者) (リサイクル費用徴収) 使用済み自動車 マニフェスト写し交付 (財)自動車リサイクル促進センター ・ディーラー ・中古車専門店 ・回収システム構築 マニフェスト用紙送付 ・整備事業者 ・広報・啓発・公表データ作成 ・廃棄処理業者ヘマニフェスト送付 ・リサイクル費用管理 使用済み自動車 マニフェスト交付 リサイクル費支払い リサイクル工場 売却 再使用部品 フロン・エアバック処理 再使用部品・フロン・エアバッグ オイル等を取り除いたボディー 海外へ輸出 マニフェスト回付 マニフェスト回付 ボディー圧縮。破砕処理事業者 リサイクル費支払い -26- 6.二輪車回収システム (財)自動車リサイクル促進センター 自主取り組みリサイクル 二輪車リサイクルシステム 施行日 平成 16 年(2004)10 月 訪問場所 東京都港区芝大門 ヒヤリング応対者 二輪車事業部 日本自動車会館 主事 前田 哲郎 (1)リサイクル取り組みメーカー 川崎重工業(株)、スズキ(株)、本田技研工業(株)、ヤマハ発動機(株)の 4 社+二輪車 の輸入事業者 12 社=16 社 廃棄希望二輪車の指定引取窓口として、全国に回収 190 ヵ所を設置。 (2)なぜ自主なのか? 1)軽二輪車の登録は市町村で行なわれており、市町村でダブリがある。四輔車のよう に全国一律の登録による管理が出来ない。四輪車と共用活用できる車両登録制度がな い。 2)二輪車の解体を目的としたリサイクル事業者が少ない。 四輪車:新車購入時に廃棄時の費用を預託、全国一律の車体NOで確認が出来る管 理がある。 原 付:市町村登録であり預託はない。――したがって自主となった。 (3)廃棄二輪車の集荷場及び処理場 家電Aグループ(松下電器の処理場を活用する交渉が出来た) 家電Aグループは、全国に 190 ヵ所の集荷場所があり、14 ヵ所の処理施設があること から全国をカバーできる。 (4)回収拠点(指定引取窓口)及び(廃棄二輪車取扱店) 廃棄希望二輪車の指定引取窓口を、全国 190 ヵ所に設置。 この指定引取窓口にユーザーが廃棄希望二輪車を直接持ち込めない場合(利便性の問 題)を考慮し、(社)全国軽自動車協会連合会の協力を得て、持ち込みを最寄りの二輪販 売店に依頼できるよう全国約 15,000 店の(廃棄二輪車取扱店)を整備し、廃棄二輪車の 回収拠点とした。 -27- (5)廃棄二輪車取扱店とは 都府県地区軽自動車協会が、会員(卸販売会社)から推薦を受けて作成する「廃棄二輔車 取扱名簿」に基づき、(社)全国軽自動車協会連合会が管理する「廃棄二輪車取扱店名簿」 に登録されている二輪車販売店をいう。 (6)廃棄二輪車取扱店ができること 1) 「廃棄二輪車取扱店名簿」に登録された販売店には廃棄二輪車取扱店証(店頭掲示ス テッカー)が配布され、それを店頭掲示することにより「広域廃棄物処理指定業(廃 棄二輪車取扱店の指定) 」を受けたことになり、廃棄希望二輪車の回収処理を行うこと が出来る。 (全国で 15,000 店は、名簿を提出して広域廃棄物処理指定業の指定を一括して受けた ことになっている。) 2)自主取り組みでも勝手にはリサイクルが出来ない ① 関係省庁と連携を密にご指導を仰いでいる。(経済産業省、環境省、厚生省) ② 広域廃棄物処理指定業の指定をうける。 (7)引取り台数 2008 年度の引取り台数は、前年度比 87.5%の 2,898 台。 一方、放置車両の処理などにおいて自治体からの引取台数が 605 台と前年度の 920 台 に比べ減少した理由は、中古車として売却した自治体が増えたことがあげられる。 (8)再資源化率 平均再資源化率は前年度比 1.3 ポイント増の 86.2%(重量ベース)となっている。こ れは、解体後発生する廃プラスチックのマテリアルリサイクルする再資源化ルートを開 発したこと、また、シュレッダー後に金属回収するエンジンを事前解体において分別す る工程に変更したことによる。 (9)排出者責任(リサイクル料金はユーザー負担) 二輪車ユーザーは「排出者責任」を問われる立場にあり、使い終わった車両のリサイ クルと適正処理において、廃棄車両の持ち込みとリサイクルに関する費用(リサイクル 処理費用、収集・運搬費用)を支払う形で役割を分担することになる。 (10)現状及び課題 ・年間出荷台数において減少傾向が続いており、2007 年 70 万台、2008 年 50 万台、2009 年 38 万台となっている。 ・二輪車のリサイクルシステムにおいて変更がない。 -28- 二輪車リサイクルシステムと管理票の流れ 二輪車リサイクル管理票 リサイクル料金支払い 郵便局 ユーザー 控え 指定引取窓口までの 運搬費用 (社)全国軽自動車協会連合会 廃棄二輪車取扱店 控え 二輪車リサイクル管理費用 発注・送付 入金情報 管 理 リサイクル管理票情報 引取情報 指定引取窓口 現品に貼付 会 社 処理・リサイクル施設 保管 リサイクル管理票情報 引取情報・処理情報 処理台数情報等 精算 ・輸入事業者 ・二輪車メーカー -29- 第4章 ま と め 第4章 まとめ 1.各業界における現状と課題について (1)資源有効利用促進法について ① パソコン、家庭用パソコン回収開始(平成 15 年 10 月) ② 小形二次電池 施行(平成 13 年4月) 両製品における現状と課題をヒヤリング調査を実施した。 現状と課題 1)希少金属の再資源化 ・パソコンは、金:約 0.1g程度電子部品に、パナジウムがプリント基盤の電極に、 プラチナは電池の接点に使用されている。現状は、希少金属を取り出す価値以上に コストがかかり大半がゴミとして廃棄されている。 ・小形二次電池は、カドミウムの再資源化、コバルトの再資源化が行なわれ、当初の 目的に沿ってリサイクルが推進されている。 2)廃棄製品の回収率 ・従来のパソコンの回収は不法投棄も少なく順調に回収されているが、現在増加しつ つある小形のネットブック等の回収への対応が課題である。 ・小形二次電池の回収率は、一般市民の協力なくして向上しない。一般市民の環境に 対する意識向上に対するPR活動が欠かせない。 3)電動アシスト自転車用バッテリーの回収 ・自転車店でバッテリーを引き取る拠点数は全国で 2,460 店の登録がある、08 年では 754 店(約 30%)の稼働であった。 ・全拠点の回収量に対して、販売店が約 35%、事業者が 65%である。 ・販売店からのバッテリーの引き取りは、経済的単位としてバッテリーが 20kg まとま ったら、JBRCへ連絡して宅急便で引き取る仕組である。しかし、小規模販売店 に 20kg まとまるまでの時間と、販売店が販売した商品以外は引き取らない閉鎖的な 体質が販売店の稼働を悪<していると考えられる。 (2)個別リサイクル法について 廃棄物の回収・リサイクルを目的とする新しい社会システムが発足して 10 年目を迎え ている。従来の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムから脱却して、循環型 経済システムの構築が急務となり、「排出量の多いもの」、「含有資源の有用性」、「処理 困難性」の高い分野について優先的に取り組みが開始された。 ① 容器包装リサイクル法施行(平成 12 年4月) -31- 1)家庭から排出されるゴミの 60% (容積比)は、「容器」「包装」である。ゴミの総排出 量は、5,161 万トン/年間である。(日本のゴミの最大量を占める) ・ガラス製容器 30万トン ・PETボトル 15万トン ・紙製容器包装 26万トン ・プラスチック製容器包装 60万トン 一番多い 2)3Rの推進状況 ・リデュース(PETボトル) 新たな技術開発等を行い、主な容器サイズ・用途ごとに 2004 年度実績比で1本あた りの重量を3%軽量化等(2008 年度)その外耐熱ボトルでは過去 20 年間で 19%~ 35%軽量化されている。 ・リサイクル・再商品化の例 種 類 ガラス製容器 リサイクル方法 カレット化等 リサイクル製品の例 ガラス製容器 建築・土木材料など PETボトル ペレット化等 繊維 ポリエステル原料等 シート PETボトルなど 紙製容器包装 製紙原料選別十燃料化 板紙 建築ボード 古紙再生ボード 古紙破砕解繊物等の製造 固形燃料など プラスチック製容器包装 プラスチック原料等 擬木・車止め 発砲スチロールトレイ 油化 パレット 高炉還元 工業用原材料など ガス化 固形燃料など コークス炉化学原料化 燃料化 ② 家電リサイクル法施行(平成 13 年 4 月) 1)家電4品目の排出量 ・エアコン、ブラウン管テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4品目の排出量は、約65万トン/ 年間です。 -32- 2)3Rの推進状況 ① 特定家庭用機器廃棄物リサイクル実施状況の総括(総合計)(平成19年度) エアコン テレビ 冷蔵庫・冷凍庫 洗濯機 指定引取場所での引取台数(千台) 1,890 4,613 2,725 2,884 再商品化等処理台数(千台) 1,872 4,542 2,724 2,879 再商品化等処理重量(t) 78,715 134,283 159,763 94,101 再商品化重量(t) 68,861 115,563 116,683 77,231 再商品化率% 87%(60) ( 86%(55) 73%(50) 82%(50) )数字は、法律で定められた再商品化率 ② 家電プラスチックの再商品化 従来プラスチックは、燃料として、或いは埋め立て処分をしていたが、各社統一 したプラスチック記号を入れることにより、破砕前に選別して再商品化するように なった。 海外へそのままあるいは、ペレットとしてのマーケットもある。 ③ 製品アセスメントの取り組み 環境配慮型製品の開発とその成果をオープン化(財)家電製品協会で各社の取り組 みをまとめて事例集として公開している。 有害6物質の削減の取り組み ユニット 化学物質記号 Pb Hg Cd Cr(Ⅵ) PBB PBDE 除外項目 ○ ○ ○ ○ ○ キャビネット ○ ○ ○ ○ ○ ○ ディスプレイパネル ○ 除外項目 ○ ○ ○ ○ スピーカー ○ ○ ○ ○ ○ ○ 除外項目 ○ ○ ○ ○ ○ 実装基盤 付属品 注記1 注記2 ○は、算出対象物質の含有率が含有率基準以下であることを示す。 除外項目は、算出対象物質が含有マークの除外項目に該当していることを示す。 以上リサイクル法開始当初の1Rから3Rへ進化し、さらに業種別に工夫して、製 品の分解時間の短縮工夫、再資源化、再商品化、有害物質の削減等が着実に進んでい ると理解した。 ③ 自動車リサイクル法施行(平成 17 年1月) 1)年間廃棄される車の排出量 約 300 万トン/年間の排出量となる。 -33- 2)一元的に自動車フロンひきとり・破壊システムを運営 自動車リサイクル法より3年前に「自動車フロン回収・破壊法」が自動車リサイクル 法に一元管理されて運用されている。 ④ 二輪車の自主的なリサイクルの取り組み 1)二輪車の自主的取り組みによりリサイクル 出荷量:07 年度 70 万台、08 年度 50 万台、09 年度 38 万台 年々出荷数量が減少している。しかし、家電リサイクル工場のAグループ集荷施設 を活用していることから数量の減少は、リサイクルの運営に支障をきたしていない。 (3)総括 今回ヒヤリング調査を実施した、資源有効利用促進法の指定再資源化製品並びに個別 リサイクル法を実施している業種については、自動車関係で5年、その他では、8年~ 10 年を経過している、当初の1R(リサイクル)から3R(リサイクル・リユース・リ デュース)へと取り組みが進化している。 例えば、資源化率については、実績が着実に年々向上している。家電リサイクルでは、 製品組立てビスを削減して分解時間を短縮、各社の環境配慮型設計の取り組みをオープ ン化してどの会社でも閲覧できるようにしている。また、プラスチックの種類を判明し 易くして、分解時の仕分けの容易化により、再商品化率を向上している。さらに使用素 材から環境負荷6物質を削減し、環境に配慮した製品づくりを、新機種の設計・試作・ 量産段階で製品アセスメントを実施し、従来製品との個別評価や総合評価を行いながら、 「環境配慮型設計の継続的改善」を推進している。 当会では、現在取り組んでいる安全・安心に加え環境負荷物質を削減した環境にやさ しい自転車に、 「BAAマーク」並びに「スポーツBAAマーク」を貼付し、消費者にア ピールしている。 当会として、このマーク制度をアウトサイダーを含めて業界の全製品に普及推進して いくことが重要である。 2.自転車「品目別廃棄物処理・リサイクルガイドライン」の見直し(案) リサイクル可能率の目標67%については、現状達成されているので、リサイクル推進に ついては、新たな観点で内容を検討することとした。 自転車リサイクル可能率67%は(平成13年度の設定) 、自転車に使われている金属リサ イクル可能率を計算によって算出したものであり、現在の自転車を構成している金属素材が 全体の重量に占める割合を算出しても、既に達成されている。(平成18年度検証済み) また、使用済み自転車リサイクルの現状(平成19年度)において(財)自転車産業振興 -34- 協会が調査した廃棄自転車711万台の処理実態から算出されたリサイクルの現状は、金属 資源71%であるデータが報告されており、リサイクルの推進について新たな観点で検討し た。 自転車リサイクル可能率67%の達成については、業界として直接的にリサイクルの達成 に携わっているわけでなく、自治体がリサイクル処理をしている。 自転車業界が直接努力することで、その成果が現れる内容として、①BAA及びスポーツ BAA適合車の普及推進、②環境負荷物質使用削減の推進があり、下記内容を平成20年度 廃棄自転車の処理調査専門委員会において検討し、了承された。 なお、関係省庁から当業界へガイドラインの見直しについて依頼があった時点で、再度専 門委員会において検討することとした。 1.リデュース・リユース・リサイクルヘの設計・製造段階での配慮 (1)製品アセスメントの実施 各事業者は、 「自転車製品アセスメント・マニュアルガイドライン」 (平成18年3 月改訂)に基づいて、省資源化に配慮した設計、製品の長期使用に配慮した設計並び にリサイクルに配慮した設計(環境負荷物質の使用削減を含む)について製品アセス メントを実施する。 (2)リサイクル容易構造の設計 資源有効利用促進法の指定再利用促進製品に電動アシスト自転車が位置づけられ ていることから、二次電池の取り外しが容易である構造の採用及び製品が二次電池を 使用していること等の表示を行なう。 (3)環境負荷物質使用削減の推進 自転車製品に係る環境負荷物質(鉛、水銀、六価クロム、カドミウム、ポリ臭化ビ フェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテル)の使用削減を推進する。 2.情報の提供 BAA及びSBAAマーク貼付自転車の推進状況等を(社)自転車協会のホームページ を通じて公表する。 -35- -36- 9.自転車 品目名 2.情報の提供 BAA及びSBAAマーク貼付自転車の推進状況を(社)自転 車協会のホームページを通じて公表する。 2.リサイクルの推進 リサイクルの推進を図るため、平成13年度に設定したリサイ クル可能率の目標値67%の達成を図る。 電動アシスト自転車について、資源有効利用促進法の指定再利 用促進製品に位置づけられたことを踏まえ、二次電池の取り外し が容易である構造の採用及び製品が二次電池を使用していること 等の表示を行なうと共に、設計・製造での取組状況及び効果を公 表する方策について検討する。 また、製品全体のリデュース・リユース・リサイクル配慮設計 についても検討する。 1.リデュース・リユース・リサイクルヘの設計・製造段階での 配慮 (1)製品アセスメントの実施 各事業者は、 「自転車製品アセスメント・マニュアルガイド ライン」(平成18年3月改訂)に基づいて、省資源化に配慮 した設計、製品の長期使用に配慮した設計並びにリサイクル に配慮した設計(環境負荷物質の使用削減を含む)について 製品アセスメントを実施する。 (2)リサイクル容易構造の設計 資源有効利用促進法の指定再利用促進製品に電動アシスト 自転車が位置づけられていることから、二次電池の取り外し が容易である構造の採用及び製品が二次電池を使用している こと等の表示を行う。 (3)環境負荷物質使用削減の推進 自転車製品に係る環境負荷物質(鉛、水銀、六価クロム、 カドミウム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエー テル)の使用削減を推進する。 ガイドライン(案) (平成20年度専門委員会で検討した内容) 1.リデュース・リユース・リサイクルヘの設計・製造段階での 配慮 自転車にアセスメントマニュアルの改訂および資源有効利用促 進法の指定も視野に入れつつ、リデュース・リユース・リサイク ル配慮設計の推進を図ると共に、長寿命化設計された部品の利用 に努める。 平成18年10月ガイドライン 廃棄自転車の処理調査専門委員会のガイドライン(案)と従来のガイドライン(平成18年10月) 3.自転車「品目別廃棄物処理・リサイクルガイドライン」の比較表(抜粋) 第5章 資 料 編 循環型社会の形成の推進のための法制度等 1.循環型社会の形成の推進のための法制度等 1-1 循環型社会構築に関する法制度 ○現在、我が国においては、「循環型社会形成推進基本法」 、「資源の有効な利用の促進に関す る法律(以下「資源有効利用促進法」という。)」を始めとして各種の循環型社会の形成の 推進のための法律が制定されている。 ≪循環型社会の形成の推進のための法体系≫ H6.8 環境基本法 環境基本計画 完全施行 H13.1 完全施行 循環型社会形成推進基本法(基本的枠組み法) 循環型社会形成推進基本計画 < 廃棄物の適正処理 :国の他の計画の基本 > < 廃棄物処理法 H16.12 リサイクルの推進 > 資源有効利用促進法 H13.4 一般的な仕組みの確立 一部改正 改正法 施行 個別物品の特性に応じた規制 ・容器包装の製 造・利用業者に よる再商品化 ・廃家電を小売店 が消費者より引 取 ・製造業者等によ る再商品化等 グリーン購入法 改正 H19.6 施行 H17.1 自 動 車 リサイクル法 村による収集 施行 H14.5 施行 H13.5 食 品 リサイクル法 ・容器包装の市町 施行 H13.4 建 設 リサイクル法 改正 H18.6 家 電 リサイクル法 完全施行 H12.4 容 器 包 装 リサイクル法 一部改正 H9.4 工事の受注者が 食品の製造・加 ・製造業者等によるシュ ・建築物の分別解 工・販売業者が食 レッダーダスト等の引 品廃棄物の再資源 化 ・関連業者等による使用済 体 ・建設廃材等の再 資源化 〔・国等が率先して再生品などの調達を推進〕 -37- 取・再資源化 自動車の引取・引渡し 施行 H13.4 <製品ライフサイクルの各段階における関連法制度> リデュース(発生抑制) 生産 消費・ 使用 流通 回収 リユース(再使用) リサイクル(再利用) 資源有効利用促進法 ・製造工程における省資源化 ・環境配慮設計(製品の省資源化・長寿命化) ・資源の再生利用・部品の再使用促進等 個別リサイクル法 ・容器包装リサイクル法(平成 9 年) ・家電リサイクル法(平成 13 年) ・食品リサイクル法(平成 13 年) ・建設資材リサイクル法(平成 14 年) ・自動車リサイクル法(平成 17 年) 廃棄物処理法 廃棄物の適正処理 産構審ガイドラインによる自主的取組の促進(35 品目・18 業種が対象) 循環型社会形成推進基本法 -38- 廃棄 ●資源有効利用促進法の概要図② 主務大臣(経済産業大臣等の事業所管大臣、(指定再資源化製品について)環境大臣) 基本方針の作成 主務大臣(事業所管大臣等)は、資源の使用の合理化、再生資源・再生部品の利用の総合的推進を図るための方針を策定・公表 <製品対策> 指定省資源化 製品 対象品目 製造事業者 <事業所対策> 指定再利用促進 製品 対象品目 製造事業者 特定再利用 業種 指定表示 製品 指定再資源化 製品 対象事業者 対象品目 製造事業者 対象品目 製造事業者 特定省資源 業種 対象事業者 指定 副産物 対象事業者 (対象品目: パソコン、自動車、 家電、ぱちんこ・ パチスロ、金属製家 具、ガス石油機器、 複写機、浴室ユニッ ト、システムキッチ ン、小形二次電池使 用機器 の全 50 品目 (対象業種: 紙製造業、ガラス容 器製造業、硬質塩ビ 製の管・管継手製造 業、複写機製造業、 建設業、 の全5業種) 判断基準 判断基準 判断基準 判断基準 判断基準 判断基準 判断基準 原材料等の使用 の合理化等によ るリデュース配 慮設計 原材料の工夫、易 解体性の向上等 によるリユース・ リサイクル配慮 設計 再生部品又は再 生資源の製品製 造への利用 分別回収を促進 するための識別 表示の実施 事業者による自 主回収・リサイク ルの実施 副産物の発生抑 制・リサイクル対 策 副産物のリサイ クル対策 (対象品目: パソコン、自動車、 家電、ぱちんこ・ パチスロ、金属製家 具、ガス石油機器 の全 19 品目) 指導 ・助言 指導 ・助言 勧告 勧告 勧告 公表 公表 正当な理由なく勧告措 置をとらなかった場合 命令 命令違反の場合 罰則 ため必要がある場合 取組が判断基準に照ら して著しく不十分な場 合等 勧告に従わない場合 (対象品目: パソコン、 小形二次電池 の全2品目) (対象業種: 電気事業 (石炭灰) 建設業 (土砂・木材等) の全2業種) 計画の提出 指導 ・助言 適確な実施を確保する (対象品目: スチール・アルミ 缶、PETボトル、 紙製・プラ製容器包 装、小形二次電池、 硬質塩ビ製品 の全7品目) (対象業種: パルプ・紙製造業、 無機化学工業製品 製造業等、製鉄業 及び製鋼・製鋼圧延 業、銅第一次精錬・ 精製業、自動車製造 業 の全5業重) 指導 ・助言 指導 ・助言 指導 ・助言 勧告 勧告 勧告 勧告 公表 公表 公表 公表 公表 命令 命令 命令 命令 命令 命令 罰則 罰則 罰則 罰則 罰則 罰則 -39-