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米国ニューメキシコ州における日米スマートグリッド実証 成果報告 転送遮断システムおよび需給安定化装置(HEMS) 2014年6月19日 日本電気株式会社 寺澤 哲 NEC実証システム概要 ▐ 転送遮断システム (TransferTransfer-Cutout System) System) 系統と需要家を高速PLC、および無線で接続し、多数の需要家を対象に、広域、高速な 監視・制御を実現 ▐ 需給安定化装置 (Supply Stabilizer) 転送遮断システムからの信号による需要家の自立運転切替え制御、また自立運転中における PVやバッテリーのエネルギー源を最大限に活用した、ハウスエネルギーマネージメントを実現 LAC Office スマートハウス 転送遮断システム Master Control Unit 遮断指令/再接続指令 Micro-DX Slave Unit (Breaker) PV Supply Stabilizer 蓄電池 自立運転制御 家電 需要家 需給安定化装置 Page 2 © NEC Corporation 2014 転送遮断システム実証概要 ▐ 需要家に設置の太陽光発電(分散型電源)を系統側で集中管理し、停電による逆潮流等 の危険が生じた際に、系統側からの遮断信号により 『切り離し』 を実施。 高速性 事象検知からの高速遮断を実現 “100msec以内” 信頼性 需要家に対し、確実な制御を実現 “99%以上” 同時性 エリア内に対し、同時制御を実現 “数万件” Micro-DX Master Control Unit Slave Unit (Breaker) Page 3 © NEC Corporation 2014 転送遮断システム実証目的 ①ラストワンマイル通信検証 ラストワンマイル通信に3つの伝送方式を用意 高速PLC(MHz) Slave Unit レスポンス時間 各伝送方式におけるレスポンスを測定し、高速遮断 が実現可能か検証(システム目標100msec) 低速PLC(kHz) Micro-DX Slave Unit 通信品質 無線(915MHz) 各伝送方式におけるパケットエラーレートを測定し、 確実な伝送が可能か検証(システム目標99%以上) Slave Unit ラストワンマイル ②転送遮断機能(ゲートウェイ機能)検証 Supply Stabilizer 伝送情報として、「遮断指令情報」以外に、「停電情報/ 需要家情報」、「メーター情報」を伝送 Micro-DX 転送遮断機能(ゲートウェイ機能) 帯域分けにより、他の伝送状況の影響を受ける事 なく、転送遮断機能が実現可能か検証 耐環境性・安定性 Micro-DXが、厳しい屋外環境下において、長期 運用に耐え、安定して稼働可能か検証 Page 4 © NEC Corporation 2014 Master Control Unit 停電情報/需要家情報 Slave Unit 遮断指令情報 MDMS (東芝製) メーター情報 Smart Meter (東芝製) 転送遮断システム実証結果 ①ラストワンマイル通信検証 ラストワンマイル測定結果 (2013年1月 ~ 2014年2月) レスポンス時間 高速PLC および 無線通信 にて、10ms以下のレスポ ンス時間を達成 通信品質 全通信方式において1%未満のパケットエラーレートを 確保 (上位レイヤによる再送未実施) 通信方式 レスポンス時間 (平均)[msec] エラーレート (平均)[%] 高速PLC (MHz) 5.6 0.589 低速PLC (kHz) 239.2 0.146 9.4 0.080 無線 (915 MHz) →再送により、更なる信頼性向上が可能 ②転送遮断機能(ゲートウェイ機能)検証 装置内外の温湿度 (2012年9月 ~ 2013年10月) 温度[℃] 転送遮断機能(ゲートウェイ機能) 他情報によりネットワーク高負荷状態においても、 「遮断信号」は影響を受ける事なく、高速に安定して 伝送可能な事を確認 耐環境性・安定性 実証期間中、屋外設置のMicro-DX他、システム の長期安定稼働を確認 Page 5 © NEC Corporation 2014 測定点 最高 最低 湿度[%] 平均 最高 最低 平均 Micro-DX (内部) 48.5 2.0 22.6 57.1 0.6 18.8 Micro-DX (外部) 43.5 -18.0 12.1 99.5 2.6 40.9 Slave Unit (内部) 35.0 26.5 62.6 1.8 18.9 8.0 転送遮断システム実証結果(PLC:MHz) ▐ PLC通信における家電影響調査 通信品質・レスポンスとも影響なしを確認 家電稼働時影響調査(調査家電のみ稼働) 高速PLC 物理速度[Mbps] UP 無負荷 ヒートポンプ TV 照明(LED) エアコン 模擬負荷 冷蔵庫 掃除機 変圧器 85 83 81 83 77 84 82 86 82 DOWN 47 48 48 49 46 48 47 45 47 CFR[dB]※ 低速PLC SNR[dB] 応答時間 平均[ms] 応答時間 平均[ms] 3.5 2.0 2.0 2.0 2.0 1.5 2.5 2.6 1.6 192.0 176.5 176.5 177.0 177.0 186.0 176.5 176.2 156.9 UP DOWN UP DOWN -10.0 -9.2 24.6 17.9 -10.1 -9.5 25.0 17.8 -10.2 -9.4 25.3 17.7 -10.0 -9.5 25.6 18.3 -10.2 -9.6 25.3 17.8 -10.0 -9.3 25.8 17.0 -9.9 -9.4 24.3 18.4 -15.3 -15.3 25.3 17.7 -15.3 -15.1 24.2 18.1 ※CFR:PLCモジュールのアナログ受信レベル ▐ PLC通信における蓄電池充放電調査 通信品質、レスポンスとも影響なしを確認 蓄電池充放電調査(蓄電池の充放電を実施) 高速PLC 物理速度[Mbps] UP 通常時 蓄電池充電 蓄電池放電 Page 6 87 85 86 © NEC Corporation 2014 DOWN 48 51 47 CFR[dB] UP -10.2 -10.2 -10.4 DOWN -15.2 -9.9 -9.6 低速PLC SNR[dB] UP 24.7 25.9 25.6 DOWN 18.1 18.2 18.1 応答時間 平均[ms] 応答時間 平均[ms] 2.0 2.0 3.5 177.0 175.5 177.0 転送遮断システム実証結果(無線:915MHz) Energy Detect分布グラフ (Micro-DX/Slave Unit) 無線通信における定常的パケットエラー発生 原因 近隣ビル建物屋上に設置された、携帯電 話基地局(GSM)からの電波干渉を受けて いる可能性が判明 対策 キャリアセンス機能を緩和 (キャリアセンス閾値 -80dB→-60dB) ※キャリアセンス 送信前、周囲の電波状態をモニタし、何等 かの送信波を観測した場合に、送信タイミ ングを遅らせることで、電波の干渉防止を 目的とした機能。日本の電波法で規定され ているが、米国のFCCでは必須とされてい ない 結果 Page 7 パケットエラー発生率が改善 © NEC Corporation 2014 干渉波発生場所のハウス周辺調査 需給安定化装置実証概要 ▐ 系統側から家が切り離された後、家の中を自立運転に切り替え、ユーザの快適性の維持 を実現 自動 転送遮断システムと連携し、スマートハウスの自立運転を自動で実現 最適性 自立運転中のエネルギー源を予測し、最適な家電制御を実現 Los Alamos County Office Smart House Wireless Micro-DX Smart Meter MHz PLC / KHz PLC Slave Unit Internet Ether ZigBee SEP Supply Stabilizer NECルーム ZigBee HA Operation PC 需給安定化装置 システム概要 © NEC Corporation 2014 Hybrid Controller Smart Gateway Air Conditioner Heat Pump Water Heater Refrigerator HVAC Television LED Lighting LED Lightning Page 8 Control Signal Ether Ether Optical Fiber Master Control Unit Sharp Home Appliances Kyocera Home Appliances PV LiB 需給安定化装置の実証結果 ①系統主導による自立運転移行 目的 実証 内容 結果 系統主導による転送遮断が行われた際に、 スマートハウスの自立運転を自動で行う。 系統との再接続の際に、系統連携を安全に 行う。 LAC Officeから遮断指令により、スマートハ ウスを遮断された後、需給安定化装置によ り、PVと蓄電池による自立運転を開始する。 LAC Officeからの再接続指令により、ス マートハウスを系統連携する。 一連の動作を実環境で発生させ、想定通り の自立運転制御を確認した。 遮断信号の送信手順 ► 系統と需要家の双方向による遮断と再接続 の方法を確立 Page 9 © NEC Corporation 2014 需給安定化装置の実証結果 ②自立運転制御の有効性 目的 実証 内容 停電の継続時間やPV発電の有無、蓄電池 の残量など様々な条件下において、需要と 供給を考慮した自立運転制御を行う。 停電レベルの推移を変更させた自立運転を 行う。 エネルギー源として、PVのみ、蓄電池のみ、 PV+蓄電池での自立運転を行う。 停電レベルの推移に合わせた家電の数 結果 ► 停電レベルの推移に応じて、利用可能電力 が計算され、最適に制御されたことを確認 した。 PV+蓄電池を利用することにより、より長 時間の自立運転が可能であることを確認し た。 臨機応変な自立運転制御を実現 PVと蓄電池による自立運転時のエネルギー使用量 Page 10 © NEC Corporation 2014 需給安定化装置の実証結果 ③自立運転時の家電制御 目的 実証 内容 結果 ► 自立運転時に、停電の継続時間の情報を 元に蓄電池とPVのエネルギー源を予測する ことによりユーザの快適性を追求する。 PV発電予測や蓄電池残量の予測を行うこ とで、利用可能電力を予測する。 家電制御を自動制御、半自動制御、手動 制御、省エネモードの4つのパターンを用い て最適な制御方法を行う。 需給安定化装置の画面 利用可能電力を予測することは、ユーザの 快適性に貢献することが分かった。 家電制御は、臨機応変さの観点から、家電 のON/OFFや設定の判断はユーザが行う手 動制御が現状の最適方法であることが分 かった。 自立運転中の利用可能電力予測の有効性を 確認 手動制御画面 Page 11 © NEC Corporation 2014 まとめ ▐ 転送遮断システム (TransferTransfer-Cutout System) System) ラストワンマイル通信にPLC、無線を適用し、需要家に対し 高速・高信頼な制御を実現できる事を確認 ▐ 需給安定化装置 (Supply Stabilizer) 自立運転切替え制御、ハウスエネルギーマネージメントにより、 停電中の安全な電気の供給と、快適な生活を実現できる事を 確認 NEC provides reliable network and intelligence for safety and comfort. Page 12 © NEC Corporation 2014 Page 13 © NEC Corporation 2013