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地球工学研究所における最近の知的財産・技術・設備
Ⅰ 地震動予測・災害軽減技術 番 号 名 称 担 当 者 (領 域 名) 内 容 地震活動分類支援プログラム(xhypo) 青柳 恭平 (地圏科学領域) 目的:微小地震の分布から,複雑な断層形状を簡易的に推定する. 特徴: 3次元的に表示される震源分布図から,任意形状の領域に含まれる震源グループをコンピュータと対話的 に色別分類することで,複雑な断層形状を簡単に把握できる.表示領域の拡大・縮小・移動・回転は任意であり, 簡易的なアニメーション表示も可能. 優位性:表示については同様のプログラムがあるが,震源を任意形状で分類できるのは本件のみ. 適用先:電力各サイト近傍における伏在断層の評価等 本ソフトウェアは,地工研の一般向けwebサイトにて公開中. http://criepi.denken.or.jp/jp/civil/download/xhypo/index.php Ⅰ- 2 海域活断層及び活構造の調査・評価法 阿部 信太郎 (地圏科学領域) 海底活断層に対する活動性評価技術。地層の上下変位を明瞭に伴う場合のみならず、断層関連褶曲や横ずれ 断層など、従来は、評価が困難とされていたタイプの断層に対しても調査仕様の提案から結果の解釈まで、適用 が可能である。原子力発電所等、厳しい安全評価が必要な場合に適している。 Ⅰ- 3 組み合わせ最適化手法による震源インバージョ ンプログラム 芝 良昭 (地震工学領域) Ⅰ- 1 強震観測記録に基づき,震源断層上における実効応力と解放地震モーメント密度の時空間分布を推定する.同 種の他の手法に比べて,より広帯域の強震動波形を用いた推定が可能であり,工学的な利用価値が高い. 芝 良昭 (地震工学領域) 震源断層を等面積のサブ断層に分割し,各サブ断層に小地震の観測波を配置することにより,大地震の地震動 を合成する.経験的グリーン関数法では,サブ断層に配置する小地震を観測地震波形とする.また統計的グリー ン関数法では,小地震波形は平均的な震源特性を考慮し,人工的に作成される.震源断層の非一様すべり分布 モデルに対応可能であり,さらに断層分割数が多くなるケースで,特定の周期帯に生じる人工的な振幅の落ち込 みを回避するためのフラクタル断層モデルにも対応済み. 広帯域ハイブリッド強震動合成プログラム 東 貞成 (地震工学領域) 経験的・統計的グリーン関数法で計算された高周波領域の波形とPSM3Dなどの理論的手法で計算された低周波 領域の波形を周波数フィルターによって適当な重ね合わせ周波数で合成し,広い周波数帯域に対応した強震動 波形を作成する.重ねあわせ周波数を指定して合成用のハイパスおよびローパスフィルターを設計する.与えら れた高周波波形と低周波波形にフィルターをかけて時間領域で重ねあわせを行う. Ⅰ- 6 二次元SH/P-SV波動場計算プログラム 東 貞成 (地震工学領域) Ⅰ- 7 耐専スペクトルによる模擬地震動作成プログラ ム 佐藤 浩章 (地震工学領域) 最新の耐震設計用応答スペクトル(通称,耐専スペクトル)に基づき模擬地震動を作成する.震源近傍やスラブ内 地震の影響も考慮できる.模擬地震動の位相特性として,ランダム位相に加えて,実地震波を任意に選択し,そ の位相特性を考慮することができる. Ⅰ- 8 大崎スペクトルによる模擬地震動作成プログラ ム 佐藤 浩章 (地震工学領域) 大崎スペクトルに基づき模擬地震動を作成する. 分かりやすいユーザーインターフェースを導入し,地震動の専門 家以外でも簡単に模擬地震動を作成できる.模擬地震動の位相特性として,ランダム位相に加えて,実地震波を 任意に選択し,その位相特性を考慮することができる. 佐藤 浩章 (地震工学領域) 任意の設計用応答スペクトルに基づき模擬地震動を作成することができる.また,位相特性としてランダム位相に 加えて,実地震波の位相特性も考慮することができる.これにより,工学的な模擬地震動作成手法としては,ほぼ 必要とされる機能を網羅できたこととなる. 芝 良昭 (地震工学領域) 地震の震源特性が最も精度よく観測される露頭岩盤上において強震観測システムを展開し,強震動研究全般に 必要な大地震の強震記録を取得してデータベース化した.電気事業者に対しては,テクノウェッブでオンライン データ取得が可能 Ⅰ- 4 Ⅰ- 5 Ⅰ- 9 経験的・統計的グリーン関数法による強震動合 成プログラム 耐震設計用応答スペクトルによる模擬地震動作 成プログラム Ⅰ-10 地震観測データベース 擬似スペクトル法により、有限要素法や差分法に比べ少ない自由度で大規模領域の計算を行える.鉛直横研ずれ メカニズムの断層型震源を組み込める。媒質中を伝播する地震波の時空間パターンの可視化が容易である 備 考 Ⅰ 地震動予測・災害軽減技術 Ⅰ-11 確率論的地震ハザード解析プログラム 中島 正人 (地震工学領域) 確率論的地震ハザード解析プログラム(機能限 Ⅰ-12 定版) 中島 正人 (地震工学領域) Ⅰ-13 年損傷確率評価支援ツール(Ver.1.0) Ⅰ-14 構造物の地震時信頼性評価支援ツール (ver.1.0) Ⅰ-15 基礎地盤及び周辺斜面の信頼性評価システム Ⅰ-16 発電所RC地中構造物設計支援プログラム 大鳥 靖樹 (地震工学領域) 大鳥 靖樹 (地震工学領域) 大鳥 靖樹 (地震工学領域) 宮川 義範 (構造工学領域) ほぼ日本全国を対象として、①地震ハザード曲線②一様ハザードスペクトル(応答スペクトルを地震動指標とした 場合)③対象地点の地震ハザード再分解、が可能である。日本および米国で開発された様々な地震動指標の地 震動距離減衰式を実装している。 地震発生源モデルを設定することにより、地震ハザード曲線を算出できる。地震動評価では、日本・アメリカ・韓国 で開発された主な地震動距離減衰式を使用することが可能である。 本ツールは,グラフィカルユーザーインターフェース上で,地震に対する構造物の年損傷確率評価を支援するた めのツールであり,以下の機能を有する. ①離散点で定義された構造物の損傷度曲線を読み込み,非線形最小2乗法を適用して対数正規分布の累積分 布関数で近似する.曲線フィッティングの際の初期値は,離散点より計算により設定する. ②地震ハザード曲線と損傷度曲線の重畳積分により,構造物の年損傷確率を評価する. 信頼性評価で必要となる多数回のシミュレーション解析を実施するに際して,これまで人の手によって行っていた 入出力ファイルの作成,書き換え及び,解析コードの実行,結果の整理の一部を当該ツールを使用することによ り,自動的に実施することが可能となるため,人件費の大幅な削減に寄与すると考えられる.本ツールは以下の 特徴を有する. ①Graphical User Interfaceによって非MATLABユーザーでも簡単に使える. ②多数回のシミュレーションを自動的に実施する. ③入出力ファイルの作成,書き換え及び,解析コードの実行,結果の整理の一部を自動で実施する. 原子力発電所基礎地盤及び周辺斜面の年破壊確率を評価することが出来る。本評価システムは地震動と地盤 物性値をばらつかせた多数回のシミュレーションを自動的に実施することが可能である。解析では周波数領域の 等価線形化手法を用いており、地盤-構造物の連成系を評価することが出来る。本システムの特徴の概略を以 下に示す。(1)地盤物性の確率分布を指定することにより自動的に物性値をばらつかせたデータを作成する.(2) 地盤安定性評価(すべり安全率)までを一括して評価可能である.(3) SuperFlushをサブルーティンとしてコールし ている.(4) 各種地震動に対して自動的に解析可能である.(5) MCS(モンテカルロシミュレーション), LHS(ラテン 方格サンプリング法)および点推定法によるばらつき評価が可能である. 鉄筋コンクリート製ボックスカルバート横断面の損傷度解析(フラジリティー評価)を行うことができるプログラム。 モンテカルロ法と簡易応答変位法を組み合わせて損傷度を評価する点、引張鉄筋降伏やコンクリート圧壊など着 目したい損傷状況に応じた損傷度を評価できる点が特徴である。 本解析プログラムは,原子力発電所屋外土木構造物を対照として開発し,現在電中研テクノウエブ上で公開。 松浦 真一 (構造工学領域) 軸対称構造のタンクについて,弾塑性・大変形・座屈・流体連成などを考慮した解析が可能となっている。構成則 として従来採用していた等方硬化の他に移動硬化を追加するとともに,弾塑性の時刻歴解析および静的解析に おいて増分解析の安定性を高めた。また,非線形バネ要素の追加により,アンカーが取られていないタンクの底 面の浮き上がりに対応できるようになった。 現在,薄肉タンクの流体連成不安定振動評価を複素固有値解析により実施する派生プログラムを作成してその 確認を行っており,別途登録を予定している。 Ⅰ-18 スロッシング抑制装置および方法 大鳥 靖樹 (地震工学領域) 浮屋根式タンク内に貯蔵された液体のスロッシング(液面揺動)をセミフローティング抑制板によって抑制する方法 で,特に,既設のタンク等の形状を変更することなくタンク内に設置することでスロッシングを抑制することができ る.また,大規模な工事およびそれに伴う費用の発生が生じないことや,液位の変動によって浮き屋根位置が上 下することにも追従できる特徴を有している.ただし,実証試験は未実施である。 Ⅰ-19 溢水を伴うスロッシング解析コード(2次元版) 田中 伸和 (流体科学領域) 長周期地震動時における容器内のスロッシング現象に伴う内溶液の溢水を解析的に評価する手法 Ⅰ-17 軸対称流体連成動的弾塑性座屈解析コード Ⅰ 地震動予測・災害軽減技術 Ⅰ-20 微動アレイ探査法を用いた傾斜基盤構造の同 定方法 佐藤 浩章 (地震工学領域) 目的:微動アレイ探査技術により、造成地などにみられる基盤が傾斜するような不整形地盤構造の調査をする場 合に用いる解析技術 特徴:対象敷地内における多地点の位相速度を同時に逆解析して2次元的な基盤の形状(表層地盤の層厚・基 盤の傾斜角)を直接的に推定する。これにより、従来の各観測点の位相速度を個別に逆解析した場合に比べて、 基盤構造の推定誤差を軽減することが可能である. 適用先:既設変電所などの地盤調査に適用すれば、盛土や切土などの異なる地盤における卓越周波数の推定 が可能であり、ブッシングの固有周波数との比較を通して、耐震補強の必要性の判断が可能となる. Ⅰ-21 斜面上の剛体ブロック(Newmark sliding block) の地震時滑動解析プログラム 平田 和太 (地震工学領域) 斜面上の剛体ブロック(Newmark sliding block)の地震時滑動解析プログラム。静摩擦係数,動摩擦係数,浮き上 がりの影響が考慮可能。複数地震波(個数に制限無し)に対する滑動解析が一度に可能 平田 和太 (地震工学領域) 斜面上の剛体ブロック(Newmark sliding block)の地震時滑動解析プログラム。静摩擦係数や動摩擦係数のばらつ きが滑動量に及ぼす影響をモンテカルロ・シミュレーション(MCS)により評価する。摩擦係数のばらつきは現状で は正規分布を仮定しているが,他の分布にも容易に拡張可能。複数地震波(個数に制限無し)に対して,滑動抵 抗にばらつきを与えたMCSが一度に可能である。 斜面上の剛体ブロック(Newmark sliding block) の地震時滑動量不確実さ解析プログラム(MCS Ⅰ-22 版) Ⅰ-23 Ⅰ-24 せん断くさびモデルによるフィルダムの簡易地 震応答計算プログラム 個別要素法によるロックフィルダムの粒状体解 析プログラム 平田 和太 (地震工学領域) 栃木 均 (地震工学領域) Ⅰ-25 DEM-FEMハイブリッド法による防波護岸の地震 時滑動解析プログラム(TSLIDE-2D) 栃木 均 (地震工学領域) Ⅰ-26 非線形長波(津波)の伝播解析システム(QuickLwave) 松山昌史 (流体科学領域) Ⅰ-27 ハイブリッド動的力学試験装置 Ⅰ-28 鉄筋コンクリート部材の三次元大変形載荷用治 具 酒井 理哉 (構造工学) 大友 敬三 (地球工学研究所) 萩原 豊 (知的財産センター) 宮川 義範 (構造工学領域) フィルダムをせん断くさびでモデル化し,モード解析法に基づく,地震応答解析を行うプログラム。各部位の加速 度時刻歴のみならず,想定すべり面上土塊の“平均加速度”の時刻歴も算出できる。フィルダム滑動解析に用い る地震力の評価,フィルダムの設計地震力として提案されている「堤体震力計数」の再評価等に利用可能。簡易 なモデルを用いるため,応答の概算やパラメータスタディ等に適している。 本解析コードはロックフィルダムの地震時の大変形挙動を評価できるものであり、個別要素法(DEM)と有限要素 法(FEM)のハイブリッド解析で使用している二次元DEM粒状体モデルを発展させ、数個の円要素を結合させること により粒子の寸法比を考慮できる要素が導入されている。そのためロック材などの粗粒材料のかみ合いによる強 度特性の適切な表現が可能になり、ロックフィルダムの地震時変状予測が精度良く評価できる。 本解析コードは防波護岸の消波ブロックなどの不連続体をDEMでモデル化し、その他のケーソン、マウンドおよび 地盤などの連続体をFEMでモデル化したハイブリッド解析コードであり、消波ブロックの変形、沈下やケーソンの 滑動、背後地盤の沈下など、地震時における残留変形の評価を動的評価として行うことが可能であり、以下の特 徴を有する。 ・消波ブロックをDEMでモデル化することにより、地震時における消波ブロックの変形、沈下およびケーソンとの動 本ソフトウエアは、津波のような非線形長波理論で表される波浪を対象として、その伝播・変形計算を短時間で効 率的に実行するものであり、海に限らず河川、湖沼や貯水池などで発生する非線形長波にも適用することができ る。その特長は、1)平面2次元地形データを基に、計算対象とする領域を水平解像度が異なる複数の領域に分 割することにより、注目する領域をより高解像度で計算することができる。 2)各領域の格子データや初期条件 データは水深に応じて自動生成され、実行プログラムもほぼ自動的に作成される。 3)計算結果はGMTで利用さ れるバイナリのデータ形式であるので,多彩な出力結果をGMTを利用して効率的に処理することが可能である。 300kN加振機3台の平面内3軸載荷機構(水平・上下・回転)によるハイブリッド制御試験を行う装置である。本装 置では,数値解析と加力実験との連携により,各種構造物の実物大の震動破壊実験,終局限界状態評価が可能 である。特に,数値解析部に非線形有限要素解析を組み込んでいる点が特徴であり,国内唯一の実験手法と 言って良い。この特徴を活かし,地中構造物,配管系,橋梁構造物,などを対象とする実験が可能である。 本治具と反力壁・アクチュエータを組み合わせることによって、定軸力を与えながら水平二方向への変位制御載 荷を行うことができる。 Ⅱ 気象予測・災害軽減技術 番 号 Ⅱ- 1 Ⅱ- 2 Ⅱ- 3 名 称 気流解析コード(L-WIND,NuWiCC) 担 当 者 (領 域 名) 田中 伸和 須藤 仁 服部 康男 (流体科学領域) 局地気象解析コード(M-WIND) 田中 伸和 服部 康男 豊田 康嗣 (流体科学領域) 地域気象予測・解析システム 平口 博丸 (流体科学領域) Ⅱ- 4 着氷雪のある送電線の風応答解析コー ド「CAFSS」シリーズ(Evolution 3, 4) 清水 幹夫 (構造工学領域) Ⅱ- 5 着氷雪した送電線の空気力係数算出技 術 清水 幹夫 (構造工学領域) Ⅱ- 6 鉄塔応答解析コード 石川 智已 (構造工学領域) Ⅱ- 7 乱流計測技術 服部 康男 (流体科学領域) Ⅱ- 8 Single-PRF法により観測されたドップ ラー速度の折り返し補正手法 杉本 聡一郎 (流体科学領域) Ⅱ- 9 Dual-PRF法によって観測されたドップ ラー速度の折り返し補正手法 杉本 聡一郎 (流体科学領域) 一台のドップラーレーダー情報を用いた Ⅱ-10 水平風速場推定手法(拡張VVP法) 杉本 聡一郎 (流体科学領域) 内 容 気流解析コード(L-WIND, NuWiCC)は,複雑地形上の風の流れの解析(平均風速,乱れ)および大気拡散解析(平 均濃度)が容易に行える解析手法である。 L-WINDはテクノウエブ上で公開。電力はDLして使用可能であり,一般市販向けソフトウエアの汎用気流解析コー ドNuWiCCは,大気の温度分布を考慮して,複雑地形上の風況の解析ができ,風車出力,物質の拡散現象が求め られる。 局地気象解析コード(M-WIND),だし風やおろし風など,気象条件と複雑地形との重畳効果により発生する局所風 況場を予測するためのものである。山岳部に建設される送電施設の耐風設計,風力発電所の出力特性評価など への適用を想定している。ユーザインターフェイスをL-WINDと共通化するなど,設計ツールとしての活用も視野に 入れて開発が進められている。 特定の地域内(電力管内規模)の日々の気象を数kmの空間分解能で予測するシステムであり,2日程度先まで の風・気温・湿度・降水量などが予測可能である。 CAFSSは,有限要素法に基づくケーブルおよび立体骨組み構造の時刻歴非線形解析プログラムである.送配電 線や鉄塔・電柱の他,スペーサや碍子連などを忠実にモデル化して解析することができ,変動する風をはじめ,静 的・動的な荷重、衝撃力の入力が可能である.特に,着氷雪した送電線の空力特性の考慮が可能であり,対策デ バイスを含めたギャロッピングのシミュレーションに適している.近年ではEvolution 4までの開発が進行中であり, 結果ファイルの出力方法,ルーズスペーサの解析機能が改善されている.現在,国内の全ての電力会社と関連 するメーカー十数社および国内外の大学との使用許諾契約の下に,送配電線の設計の照査,ギャロッピングの 対策法の有効性評価,および事故原因の究明など,実務において幅広く用いられている. CFDに基づくPCクラスターを用いた並列計算により,着氷雪した送電線の抗力係数,揚力係数および空力モーメ ント係数を算出する技術である.風洞実験を行うことなく,任意形状の着氷雪電線断面に対して空力特性を評価 することを可能としており,電力会社や電線メーカーの送配電分野への技術貢献が期待できる. 鉄塔の部材や電線を詳細に模擬して、鉄塔倒壊などの座屈など大変形解析が行える。 超小型の熱線風速計を用いて、瞬時の温度と風速3成分が精度良く求められる。 気象レーダ(Single-RPF法)のドップラー観測風速を一次処理(折り返し補正)するプログラム 気象レーダ(Dual-RPF法)のドップラー観測風速を一次処理(折り返し補正)するプログラム 一台のドップラー気象レーダーで観測された視線方向風速から平面的な風速場を推定するプログラム 備 考 Ⅲ 電力設備のメンテナンス技術 番 号 Ⅲ- 1 Ⅲ- 2 Ⅲ- 3 Ⅲ- 4 Ⅲ- 5 Ⅲ- 6 Ⅲ- 7 Ⅲ- 8 Ⅲ- 9 名 称 担 当 者 (領 域 名) 内 容 渡部 直人 (構造工学領域) 目的:VRなど可視化訓練システムにおいてヒューマンエラーを体験することにより、新人だけでなくベテランの再 訓練の効果を高める 特徴:ヒューマンファクター研究センターの協力により、多数の繰り返し作業による「飛ばし」や計測器スケールの 「レンジ切り替え忘れ」「読み取り間違い」「入力ミス」などを誘発させるトラップ機能を実装した。さらに、視覚と聴覚 間の矛盾する情報の呈示や、上司からの誤情報指示などの呈示、思いこみによるエラーなど心理バイアスにもと づくトラップ機能も考案した。 想定される適用先:電気事業に限らず、幅広い業務に適用可能である。 渡部 直人 (構造工学領域) 目的:VRなど可視化訓練システムの訓練シナリオの設定方法に確率論的な方法を実現させる 特徴:ツリー構造のシナリオを構築すること、また各シナリオの選択を1)ランダムに選ぶ、2)各シナリオの生起確 率を分析しそれに従う、3)重み付けを行ったシナリオの生起確率とする、4)マニュアルで設定できる(例:緊急時 対応マニュアルの想定外の過酷事故)ようにするなどの機能を持たせている。 想定される適用先:電気事業に限らず、幅広い業務に適用可能である VRTS 渡部 直人 (構造工学領域) 目的:VR技術により放射性物質の輸送中おけるトンネル火災時緊急時対応の訓練を行う 特徴:ツリー構造のシナリオ、GUIによる訓練メニューの設定、終了後のデブリーフィング機能、支援データ集の整 備 想定される適用先:緊急時対応を必要とする一般企業や自治体等 VREEDS 渡部 直人 (構造工学領域) 目的:VR技術により電気事業の現実の業務を対象とする実用的な訓練システムを構築する 特徴:ヒューマンエラーを誘発するトラップ機能の設定、協調訓練機能 想定される適用先:広く一般企業 訓練システムおよび訓練方法 訓練システムおよび訓練方法訓練シス テムのシナリオ構築方法 VRDAM-base VR-HENDEN リスク評価マネジメントシステム(RAMP) 更新型設備経年危険度警報システム 自然災害による経済被害推計ソフト 渡部 直人 (構造工学領域) 目的:VR技術により水力構造物の維持管理向けの訓練システム(デモ版)を構築する 特徴:現実のダムと機器を参考としたCGのクオリティ、作業の飛ばしを許容し事故体験を行う、ランダムなエラー 発生機能、腐食診断体験機能など 想定される適用先:ベテランのノウハウを保存・伝承する必要のある業務 渡部 直人 (構造工学領域) 目的:当所が整備したVR技術による可視化訓練システム共通プラットフォームの有効性を確認する 特徴:電力会社変電工事チームの協力によるCGの高いクオリティと業務の忠実な再現、上記特許のうちランダム な訓練シナリオ呈示、「思いこみ」による心理バイアス(ヒューマンエラーの一種)による事故体験、マニュアルを遵 守しない(ヒューマンエラーの一種Violation)ことによる事故の体験、ゲームパッドによる使いやすい操作インター フェース 朱牟田 善治 (地震工学領域) 膨大な既設変電設備に対するリスク評価を簡易に行うシステムのインターフェース.具体的に,(1)入力データ作 成支援機能, (2)ハザード情報の地図表示, (3)ネットワーク情報の最短経路探索機能,(4)特定箇所の集計表 示機能, (5)EMFファイル出力機能, (6)ソルバーとの連動機能, (7)データフォーマットの表示を可能とする.別 途ソルバーと組み合わせれば,電力中央研究所報告(N05007)の内容にそった,防災投資戦略の策定支援など が可能となる. 朱牟田 善治 (地震工学領域) 梶谷 義雄 (地震工学領域) 構造物設備の経年危険度の評価において,高度の解析技術を用いた材料劣化・腐食傾向等のk地籍を行なう必 要がないと共に,設備の損傷や不具合の物理的なメカニズムが未知の設備に対しても適用を可能とする.更に保 全履歴データの特性や評価の不確実性を考慮した適切な情報の提供を可能とする. 災害時における産業の生産・操業能力低下,需要の減少に基づき,被災地域内外の産業別生産額の減少を推 計するプログラム.推計のためのアルゴリズムとして生産額の総額が最大となる方法,在庫投資を優先的に減少 させる方法,産業別に定率で生産額,需要を減少させる方法の3種類を用いる.生産・操業能力の低下は外生的 に与えるだけでなく,ライフライン(電力,水道,ガス)途絶期間,建物被害を考慮したモデルによって推計を行うこ とが可能である. 備 考 Ⅲ 電力設備のメンテナンス技術 Ⅲ-10 常時微動計測に基づく建物の健全性診 断法並びに健全性診断プログラム Ⅲ-11 ARMAMAモデルによるモード解析 Ⅲ-12 ARMAMAモデルによるスペクトル解析 金澤 健司 (地震工学領域) 地震による構造物の損傷の有無を判定する技術である。継続的な常時微動記録に基づき、固有振動数をモニタ リングする。固有振動数の経時変化には、日変動などの損傷とは無関係な原因による変動が含まれるが、それら の変動を除去して損傷に伴う変動のみを抽出することができる。将来的に損傷の有無を検知する診断法に応用 する予定。 金澤 健司 (地震工学領域) 土木,建築,機械構造物などを対象として,振動応答を多点で測定し,それら測定データに基づき固有振動特性 を解析するためのモード解析用ソフトである。 ・クロススペクトルに基づいた方法であるため,特定の入力信号もしくは加振力が無い場合であってもモード解析 を行なうことができる。例えば,従来からの入出力モデルに基づく方法は構造物の常時微動記録に用いることが 難しい。この理由は,構造物の常時微動を励起する加振力が測定できないためである。しかしながら,本解析ソフ トを使用すれば,加振力を用いることなしに,構造物の応答のみからモード解析を行なうことができる。 ・モード解析理論として,申請者が開発したARMAMAモデルを用いているため,一般に困難な固有振動数が近接 した複数の固有モードであっても,正確に分離して同定するできる。 金澤 健司 (地震工学領域) 柱上変圧器の装柱方法および柱上変圧 器の装柱構造 金澤 健司 (地震工学領域) Ⅲ-14 経年劣化した構造物の信頼性評価方法 中島 正人 (地震工学領域) Ⅲ-15 GISを用いた斜面安定解析システム 小早川 博亮 (地圏科学領域) Ⅲ-13 Ⅲ-16 メッセンジャーワイヤー等、各種ワイヤー 類の腐食劣化診断技術 Ⅲ-17 ダム洪水吐ゲートの保全支援プログラム 小崎 明郎 (構造工学領域) 山本 広祐 (構造工学領域) ・2つの時系列波形のクロススペクトルとパワースペクトルを計算する。 ・クロススペクトルとパワースペクトルの共振ピークの固有振動数と等価減衰定数を計算する。 ・計算アルゴリズムにARMAMAモデル(Auto-Regressive Moving-Average and Moving-Average model)を用いて いるため,スペクトル形状とそれらスペクトル共振ピークの固有振動数と等価減衰定数を精度良く計算できる。 柱上変圧器の取り付け方法として、ハンガ吊り装柱方式に対する耐震性能の向上を図った技術であり、次の2点 の特長を有する。(特長1)ハンガ吊り変圧器装柱は電柱と変圧器が共振する場合に損傷が大きくなるが、本技術 では電柱と変圧器が共振した場合に変圧器の共振周期を自動的に変えて、共振を避ける構造となっている。(特 長2)一般に装柱構造の留め具であるボルトの締結状況は、電柱に昇りボルトを一点づつ締めなおす方法で確認 するが、手間と時間を要する。本技術では、ボルトにゆるみを発生する程度の地震荷重を受けた際に、一部の部 品に変形が現れる装柱構造となっており、視認性をよくするためその部品にはペイントを施しておく。このような構 造であるため、電柱に昇らなくても地表からの目視調査によってボルトにゆるみが発生しているか否かを診断する ことができる。 構造物の強度に関する実データおよびエキスパートオピニオンを基に確率モデル化し、比較的少ない回数の構 造解析計算の結果より、経年化した構造物の信頼性(破壊確率)を評価することが可能である。 個別に管理している水力構造物に関する地盤情報を,地理情報システムを用いて一元管理し,安全管理上ある いは保守業務遂行上必要となるデータを解析するとともに,既往の安定解析コードを連結したシステム 腐食劣化診断と余寿命の把握。特徴:腐食試験・評価と非破壊診断技術を併用した腐食劣化診断。適用先:メッ センジャーワイヤー、送電線、水力ダムゲート用ワイヤー、港湾施設用ワイヤー等。 ラジアルゲートおよびローラゲートを対象に,ゲート本体・開閉装置・戸当り・固定部の保全支援を行うシステムで ある。ネットワーク環境下でクライアント・サーバー形式により利用することができる。 本システムは,定性的な評価を主体とする信頼重視保全(RCM)の枠組みに定量的な評価を加えたもので,具 体的には調査結果(外観,応力,たわみ)と劣化進行モデルに基づき,余寿命評価,管理基準照査,補修・更新の 対策選定,リスク発生確率の算定,ライフサイクルコスト計算,改修優先度評価を行うものである。 北海道電力,北陸電 力,電源開発,電中研 の四社共同開発ソフト ウェア Ⅳ 一般・汎用技術 番 号 Ⅳ- 1 Ⅳ- 2 Ⅳ- 3 Ⅳ- 4 Ⅳ- 5 Ⅳ- 6 Ⅳ- 7 Ⅳ- 8 Ⅳ- 9 名 称 電中研テクノウェッブシステム 担 当 者 (領 域 名) 山本 広祐 (構造工学領域) 松山 昌史 (流体科学領域) 内 容 電力会社向けのエクストラネットである「電中研テクノウェッブシステム」を通じて,土木関係のデータベース15件 (地質,地震観測,水理設計等に関するもの),数値解析プログラム6件(温排水拡散予測,水力鋼構造物の設備 診断など)の利用環境を提供している。 佐藤 隆宏 (流体科学領域) 発電所水路構造物の水理設計の支援を目的として,既設構造物の構造諸元(流量,長さ,幅等)や実験結果を取 り纏めたデータベースである。絞り込み,並べ替え,グラフ,モデル化などの機能を有し,ユーザーはウェブブラウ ザを用いて水理設計に必要なデータだけを簡易に比較・検討することができる。(電中研テクノウェッブシステムを 介して運用されている) 江口 譲 (流体科学領域) 空間離散化法としてマルチスケール3次元有限要素法を用いており、実用問題で現れる複雑形状条件での非定 常乱流熱流動現象を汎用的に高精度で予測できる。特に、乱流モデルに現れる定数等に関して人為的調整が不 要であるため、汎用性が極めて高い。熱疲労現象や流力振動現象などの非定常流動が原因となる事象の現象解 明や健全性評価に利用できる。 第四紀火山岩K-Ar年代測定技術 土志田 潔 (地圏科学領域) 目的:火山活動の将来的な変化を評価するために,火山の形成史,分布の変化を詳細に明らかにする. 特徴: 初生アルゴン同位体比の質量分別を補正する手法である、感度法によるK-Ar年代測定を行う.また、その ような測定が可能である試料を選別する. 優位性:同位体希釈法によるK-Ar年代測定と異なり,数十万年より若い溶岩に対し,意味のある年代を得ること ができる.また,試料選定を含め対応できる. 適用先:サイト周辺の火山活動の評価,火山防災等 第四紀年代測定技術の一部としてWEB公開中(http://csweb.denken.jp/techs/htmls/267/または、 http://criepi.denken.or.jp/jp/civil/tech/gi01.html) 遠隔観測システム 松山 昌史 (流体科学領域) 齋藤 潔 (構造工学領域) 塩竈 裕三 (構造工学領域) 水理設計支援データベース マルチスケール熱流動解析コード MISTRAL 遠隔観測は,現場観測地点のLANと電中研LAN間をネットワークで結び,遠隔地からデータをモニタリングするも のである。通信設備,データ収録設備を保有し,データを自動的に収集する機能や,遠隔で監視する機能等を開 発した。計測する物理量,観測地点の立地条件等に応じて,効果的な計測・通信環境を構築することに活用でき る。 総合空中電磁探査システム 火山、地すべりなど自然災害の発生が予想される地域において、ヘリコプターを用いた空中探査システムにより 海江田 秀志 地下構造を評価して、事前予測やモニタリングとして防災に貢献する。 (地球工学研究所) 高温岩体貯留層評価技術 地下に人工的に地熱貯留層などを造成した場合に、その位置や広がりを岩盤の破壊音(AE)の観測や電気探査 海江田 秀志 などにより推定する技術である。 (地球工学研究所) 浮揚式水上風力発電システム デジタル画像を用いたひずみ計測技術 江口 譲 (流体科学領域) 本システムは洋上風力発電装置に関する新しい方式の設計案であり、洋上では陸上に比べて基礎(浮体)を固定 し難いことを逆に利用して、基礎(浮体)を風の力で最適な角度に回転させることを特長とする。このシステムを利 用することにより、機械によるヨー制御が不要(ナセルの軽量化)になるとともに、支持構造の大幅な軽量化・必要 浮力の低減・安定性増大が可能となる。 酒井 理哉 (構造工学領域) ・本ソフトウエアは,物体にターゲットを貼り付け,変形前後の画像を撮影し,画像処理により座標の移動量を算出 し,ひずみ分布を求める。 ・対話処理による容易な操作で画像処理が実行可能。 ・色空間の変換を用いてターゲット認識性能が高い。 ・計測結果を格納し,構造物の損傷を診断する機能を有する。 備 考 Ⅳ 一般・汎用技術 Ⅳ-10 原位置岩盤三軸試験装置 Ⅳ-11 大型造波水路 本試験方法は大口径のボーリング孔底に掘削した中空円筒試験体を利用した原位置岩盤力学試験方法であり、 岩盤の強度特性ならびに変形特性を同一の試験体で同時に精度良く求めるものである。特徴はボーリングされた 孔底で実施することによって、深度方向にデータの取得が可能であり、中空円筒の試験体とすることによって、中 岡田 哲実 央の小孔で軸変位を、内/外の両側面で半径方向/円周方向の変位計測が出来る。装置の仕様は以下の通りで (バックエンド研究セ ある。(1)試験体寸法:内径86mm、外径400mm、高さ1000mm、(2)側圧:最大5MPa、軸荷重:最大8000kN(最大 ンター) 軸応力66MPa)、(3)変位計測:軸方向変位は中央小孔で3深度、円周方向の変位は試験体の内側面と外側面に おいてそれぞれ2深度計測 清水 隆夫 池野 正明 (環境科学研) 長さ205m,幅6.0m,深さ3.4mの2次元造波水路. 造波可能な最大波高2m(水深4.5m,周期5sの条件) 規則波,不規則波を造波.反射波吸収式システム付き 1996年に津波造波システムを増強. Ⅴ エネルギー地下貯蔵・貯留技術 番 号 名 称 担 当 者 (領 域 名) 内 容 水圧破砕による深さを変えた多段人工貯留層(亀裂)造成技術 Ⅴ- 1 Ⅴ- 2 人工貯留層造成技術 電気探査法によるトンネル周辺の不飽 和領域進展モニタリング手法 海江田 秀志 (地球工学研究所) 鈴木 浩一 (地圏科学領域) 石油・液化天然ガスなどを貯蔵する深部地下空洞の周辺岩盤中に懸念される不飽和域の進展状況を電気探査 法によりモニタリングする手法 OGC-1:深さ1,027m坑径78mm、OGC-2:深さ1,100m坑径98mm、OGC-3:深さ1,300m坑径200mm Ⅴ- 3 秋田県雄勝地点の深さ1,000m級(坑底 温度約230℃)の坑井、3本 海江田 秀志 (地球工学研究所) 測定温度0~250℃、精度0.1℃、深さ1,100m対応、電動ウィンチ付き Ⅴ- 4 温度検層器 海江田 秀志 (地球工学研究所) プランジャーポンプ(最大吐出圧:300気圧、流量:250 l/min) Ⅴ- 5 Ⅴ- 6 高圧水注入ポンプ、3台 迅速・高性能な試料表面観察装置 海江田 秀志 (地球工学研究所) 伊藤 久敏 (地圏科学領域) 1)走査型電子顕微鏡(KEYENCE製VE-7800)とエネルギー分散型元素分析装置(EDAX製Genesis2000) 2) レーザ顕微鏡(KEYENCE製VK-8500)と画像連結ソフト(三谷商事製Virtual View3D) CO2ハイドレートの生成促進法の開発を目的とする室内実験装置 Ⅴ- 7 Ⅴ- 8 CO2ハイドレート生成観察装置 孔内間隙水圧測定装置 池川 洋二郎 (地圏科学領域) 中川 加明一郎 (地圏科学領域) 岩盤の原位置における透気・透水試験、間隙水圧計測を行うためのボーリング孔内試験装置。 試験深度800mまでの、主に硬岩での試験を想定している。 適用孔径は76mm~90mm程度。試験区間はダブルパッカー方式による5m区間。 備 考 Ⅵ 放射性廃棄物処分技術 番 号 Ⅵ- 1 Ⅵ- 2 Ⅵ- 3 Ⅵ- 4 Ⅵ- 5 Ⅵ- 6 Ⅵ- 7 名 称 第四紀後期の隆起特性評価 放射性廃棄物地層処分における地下空 洞長期安定性解析プログラム 放射性廃棄物地層処分における地下空 洞長期安定性解析プログラム(ver.2) 地下水化学手法による断層破砕帯の地 下水流動評価法 API法によるフライアッシュのポゾラン反 応性迅速判定手法 高温高圧力学試験装置 遠心載荷時間縮尺模型装置 担 当 者 (領 域 名) 内 容 研究内容(成果)は(1)第四紀後期の地殻変動における地形・地質調査の基礎となる段丘対比・編年手法の高度 化,(2)段丘を用いた隆起量評価の信頼性確保,(3)これらの手法を用いた内陸部隆起特性評価など.現時点で既 幡谷 竜太 (バックエンド研究セ にHLW事業に一部取り入れられているが,地形・地質の基礎技術を含むので汎用性は高い. ンター) 澤田 昌孝 (地圏科学領域) 澤田 昌孝 (地圏科学領域) 宮川 公雄 (地圏科学領域) 放射性廃棄物地層処分において、操業期間中の空洞周辺岩盤のクリープ挙動および廃棄体定置・空洞閉鎖後 の岩盤~人工バリアの力学的相互作用に対する解析的評価など、地下施設における長期力学的安定性を評価 することが可能な解析コードであり、以下の機能を有する。(1) 放射性廃棄物処分システムに用いられる各材料 (緩衝材,岩盤など)の力学的挙動に対して個別に詳細な構成モデルを選択して全体系を同時に解析できる。(2) 地盤材料における応力・変形と間隙水の移動を連成して解析できる。(3) 地盤材料の時間依存性挙動を表現する 複数 放射性廃棄物地層処分において、操業期間中の空洞周辺岩盤のクリープ挙動および廃棄体定置・空洞閉鎖後 の岩盤~人工バリアの力学的相互作用に対する解析的評価など、地下施設における長期力学的安定性を評価 することが可能な解析コードであり、以下の機能を有する。(1) 放射性廃棄物処分システムに用いられる各材料 (緩衝材,岩盤など)の力学的挙動に対して個別に詳細な構成モデルを選択して全体系を同時に解析できる。(2) 地盤材料における応力・変形,熱の移動,間隙水の移動を連成して解析できる。(3) 軟岩のクリープモデル,緩衝 材 これまで断層の水理特性は原位置試験やコア試験で得たが、広域地下水流動や深部地下水流動における断層 影響は地下水化学的な手法が必要とされている。このため地下水化学的な観点から断層破砕帯の水理諸特性 を得るための調査法を整備した。この特徴は断層のダメージゾーンや断層ガウジなど透水性が異なると考えられ る箇所を地下水年代評価手法を取りいれて、実際の地下水流動について考慮する点であり、様々な地下構造物 の建設の際に行われる断層周辺の地下水流動解析の検証手段となりうる。 フライアッシュの品質指標の一つである活性度指数(モルタル強度発現性)の評価には3ヶ月必要であるため,現 場でフライアッシュを使用した3ヵ月後にその指標を送付する形になっているが,API法では2日間でフライアッシュ 山本 武志 (バックエンド研究セ の強度発現性を予測でき,リアルタイムにポゾラン反応性に関する品質評価を行える。 ンター) 高温高圧下で岩石の室内三軸試験が可能な装置である。温度は最高200℃,圧力は最大20MPa。高温高圧下で も高精度の応力-ひずみ関係を得ることができる。また,高温高圧下での長期のクリープ試験も可能である(実 岡田 哲実 (バックエンド研究セ 績:約1年)。 ンター) 小型模型に遠心加速度を付与することにより,模型内に実地盤での応力状態を再現し,実現象と同じ現象を時間 縮尺して発生させるための装置である.装置の特徴は,運転中にスリップリングの交換を行えることである.これ 中村 邦彦 (バックエンド研究セ により,半永久的な連続運転を実施することが出来る. ンター) 備 考 Ⅶ リサイクル原子燃料貯蔵技術 番 号 名 称 担 当 者 (領 域 名) 内 容 コンクリートキャスクの蓋構造 原子力発電所等で使用された使用済燃料等を収納した筒状の金属製キャニスタを貯蔵するためのコンクリート 白井 孝治 キャスクに係わり、特にキャニスタ収納後にその内部を封止するコンクリートキャスクの蓋構造に関するものであ 亘 真澄 り、除熱効果に優れ、かつ低コストのコンクリートキャスクを提供するものである。コンクリートキャスクにおける排 (バックエンド研究セン 気口を、キャスク蓋に設けたことを特徴とする。 ター) Ⅶ- 2 コンクリート製貯蔵設備の遮蔽蓋 白井 孝治 亘 真澄 竹田浩文 (バックエンド研究セン ター) Ⅶ- 3 放射性物質を収納した金属製キャニスタ内のヘリウム漏洩検知に係わるものであり、漏洩検知感度に優れ、信頼 性が高く、かつ簡易なヘリウム漏洩検知方法を提供するものである。キャニスタ内のヘリウム漏洩事象は、環境 竹田 浩文 に放射性物質を出すことになり、防止すべき事象である。しかし、万が一、この事象が起こった場合は、より早急 亘 真澄 に検知し、対策をとる必要がある。従来より、ヘリウム漏洩前後のヘリウム対流効果の強弱に起因するキャニスタ 放射性物質密閉容器のガス漏洩検知方 白井 孝治 外表面の温度変化を利用して、検知する方法が考案されているが、その温度変化量が小さく、気温変化との判別 法及び装置 (バックエンド研究セン が付きにくいため、信頼性が低いという問題があった。上記の課題を解決するため、ヘリウム漏洩後、キャニスタ ター) 外表面で最も温度変化が大きくなる箇所を特定するとともにデータ評価方法を工夫したことを特徴とするものであ る。 Ⅶ- 4 コンクリートキャスクを対象とした中間貯蔵施設を海岸近くに設置した場合は、塩分を含んだ空気がコンクリート キャスク内のキャニスタに付着すると応力腐食割れ(SCC)の原因となることから、施設内への流入塩分を低減す 竹田 浩文 る必要がある。また、海岸に近い一般施設においても施設内の機器の錆対策として、施設への流入塩分を低減 亘 真澄 することは、重要である。本考案は、塩分の吸湿効果(潮解現象)を利用したものであり、施設の給気口から流入す (バックエンド研究セン る塩分を含んだ空気を水面に衝突させることにより流入塩分を低減させる装置である。本装置は、フィルタを用い ター) ない上に構造が簡易であることから、圧力損失が小さく施設への冷却空気の流入を阻害しないことと低コストであ り、メンテナンスが容易であることを特徴とする。 Ⅶ- 1 Ⅶ- 5 Ⅶ- 6 Ⅶ- 7 空気処理装置及び方法 コンクリートキャスク 使用済燃料貯蔵キャスクの伝熱流動評 価ならびに除熱性能の向上 コンクリートキャスクの実用化研究 ー通常時の除熱試験ー 放射性物質を収納した筒状の金属製キャニスタを貯蔵するためのコンクリート製貯蔵設備に係わり、キャニスタ収 納後にその内部を封止するコンクリート製貯蔵設備の遮へい蓋構造に関するものであり、除熱効果、施工性、メン テナンス性に優れ、かつ低コストのコンクリート製貯蔵設備を提供するものである。コンクリート製貯蔵設備の遮へ い蓋にあって、鉛直方向の排気口を設けたことを特徴とする。 コンクリートキャスクにおいては、キャニスタのSCC対策が焦点となっている。特に、貯蔵末期においては、キャニ スタの発熱量が少なく、キャニスタ下部が過度に冷やされることで、この部分の温度が100℃以下になり、錆の要 竹田 浩文 因となる水分付着が懸念される。ここでは、コンクリートキャスクにおいて、コンクリート容器の給気口を高さ方向に (バックエンド研究セン 異なる高さに複数設置し、キャニスタの発熱量に応じて、使用する給気口を替えることが可能であることを特徴と ター) したキャニスタを過度に冷やさないキャスク給気口構造を提供するものである。 古賀 智成 (流体科学領域) 使用済燃料を中間貯蔵する方法として、種々の方式が考案されてきた。なかでも、空気を使って自然冷却する乾 式貯蔵方式は、安全性やコスト面でメリットがあり、有望とされている。電力中央研究所では、これまで諸乾式貯 蔵施設の実用化を図ってきた。さらに将来的には、高発熱使用済燃料の発生が予想されており、貯蔵施設の除 熱性能を高めることが必要となってきている。このような状況を反映して、除熱性能の向上をめざして、金属キャス ク及びコンクリートキャスクの除熱試験が実施された。 竹田 浩文 亘 真澄 白井 孝治 三枝 利有 (バックエンド研究セン ター) 二種類の実物大コンクリートキャスクを用いて、冷却性能の確証試験を実施した。ここでは、除熱試験の内の通常 時条件での試験結果について記すものである。本試験では、貯蔵期間をパラメータとした際の除熱性能および キャスク構成機器の健全性に関わるデータを取得した。なお、貯蔵期間に応じた崩壊熱の変化は、電気ヒータ出 力を変化させることにより模擬した。 RC製キャスク、CFS製キャスクのそれぞれに対して、貯蔵初期(貯蔵0年:発 熱量22.6kW)、貯蔵中期(貯蔵20年:発熱量16kW)、貯蔵末期(貯蔵40年:発熱量10kW)を模擬した試験を行い、コン クリートキャスク各部の温度制限値に対する定量的な温度データおよび除熱解析に必要な定量的な熱の収支バ ランスデータを取得し、評価した。 備 考 Ⅶ リサイクル原子燃料貯蔵技術 Ⅶ- 8 コンクリートキャスク貯蔵に用いるキャニスタには、密封機能維持の観点からの検査ができる設計が求められてい る。キャニスタからヘリウムが漏えいした際に、ヘリウムの対流効果が失われることによるキャニスタ側面の表面 竹田 浩文 温度変化を利用して、ヘリウム漏えいを検知する方法が、提案されているが、その検知信頼性は不十分と考えら 亘 真澄 れる。ここでは、キャニスタ底部中心の温度(TB)からキャニスタ上部中心の温度(TT)を引いて求めたΔTBT(=TB コンクリートキャスクの実用化研究 白井 孝治 -TT)の値が、ヘリウム漏えいとともに大きく増加することを発見し、ΔTBTの監視によりヘリウム漏えいを検知す ーキャニスタ内ヘリウムの漏えい検知方 三枝 利有 る方法を提案した。また、給気温度が低下する際にもΔTBTが上昇する事から、キャニスタ上部中心、キャニスタ 法の開発ー (バックエンド研究セン 底部中心および給気口の計3箇所の温度情報のみを用いて、ヘリウム漏えいの早期検知が出来ることが分かっ ター) た。 Ⅶ- 9 使用済燃料のコンクリートキャスクによる長期的な貯蔵において、耐久性や耐熱性に富み、EuとCoの含有量の小 さい低放射化高性能コンクリート材料の開発を行った。まず、放射化計算により、クリアランスレベルを満足する材 白井 孝治 料中のEuとCo含有量の許容存在範囲を明らかにした。次に、各種候補材料の放射化分析を行い、粗骨材に石灰 コンクリートキャスク用低放射化・高性能 (バックエンド研究セン 石,細骨材にアルミナ骨材,流度調整材にフライアッシュを用いる配合を候補材料とした。さらに、これら材料の施 材料の開発 ター) 工性、高温強度、熱伝導性を確認すると共に、円筒試験体を用いた温度ひび割れ試験を実施し,耐熱性や耐久 性の観点から有望であることを示した。 Ⅶ-10 コンクリートキャスクの実用化研究 ー事故時の除熱試験ー 二種類の実物大コンクリートキャスクを用いて、除熱試験を実施した。ここでは、除熱試験の内の事故時条件での 試験結果について、記すものである。本試験では、貯蔵期間中の事故時条件として四つある給気口のうち、二つ 亘 真澄 (50%閉塞)および四つ(100%閉塞)が閉塞した場合の除熱性能に関するデータを取得した。二つの給気口が閉塞 竹田 浩文 した場合、コンクリートキャスク内部に入る空気流量は減少するが、減少量は少なく、温度上昇も小さい。また、四 白井 孝治 つの給気口が閉塞した場合、二つのコンクリートキャスクで異なるフローパターンが観察された。一つのコンクリー 三枝 利有 (バックエンド研究セン トキャスクでは、排気口から空気の流入・流出がほとんど見られなかったのに対し、もう一つのコンクリートキャス クでは、明らかな流入・流出が見られた。50%及び100%閉塞のいずれの条件でも、二つのコンクリートキャスクで全 ター) 体的に温度は上昇したが、除熱性能上の安全性に問題はない。 コンクリートキャスクの除熱性能評価 ー部分模型を用いた除熱試験ー 古賀 智成 服部康男 (流体科学領域) 亘 真澄 竹田 浩文 (バックエンド研究セン ター) Ⅶ-11 使用済燃料を中間貯蔵する方法として、種々の方式が考案されてきた。なかでも、空気を使って自然冷却する乾 式貯蔵方式は、安全性やコスト面でメリットがあり、有望とされている。電力中央研究所では、これまで諸乾式貯 蔵施設の実用化を図ってきた。これら一連の研究として、セクター模型を用いて、コンクリートキャスクの内部流れ の除熱特性を評価した。その流れが単純に見えることから、コンクリートキャスクの熱伝達や圧力損失の評価は、 容易であると見なされてきた。しかしながら、空気の流れが非定常的で、流速や温度が偏った分布を持つことが明 らかな流入・流出が見られた。50%及び100%閉塞のいずれの条件でも、二つのコンクリートキャスクで全体的に温 度は上昇したが、除熱性能上の安全性に問題はない。