...

報告事項5 - 日本商品先物取引協会

by user

on
Category: Documents
9

views

Report

Comments

Transcript

報告事項5 - 日本商品先物取引協会
報告事項5
第 37 回自主規制委員会配付資料
(平成 22 年 7 月 12 日開催)
改正又は新たに制定する自主規制規則の骨子について
1.自主規制規則の整備に向けた取り組みについて
改正商品取引所法(以下「商先法」という。
)に規定された商品先物取引業の現状や課題、
商先法施行に際して予想される新規業者の参入規模等を踏まえると、それぞれ以下のよう
な取り組みが考えられる。
⑴ 一般個人を対象とした対面取引については、国内商品市場取引、外国商品市場取引及
び店頭商品デリバティブ取引ともに不招請勧誘の禁止が原則となるが、既存会員の多く
が国内商品市場取引を相当な規模で取り扱うと予想され、商先法施行後も支障なく業務
を継続できるよう対処する必要があることから、不招請勧誘の禁止に的確に対応するた
めのガイドラインを作成する。
⑵ 外国商品市場取引については、国内における委託者と商品先物取引業者の間の基本的
なルール(国内商品市場取引の受託契約準則に該当するもの)を整備する必要があるの
で、委託者との間で締結する約諾書を含む規則を制定する。
⑶ 店頭商品デリバティブ取引のうち、
一般個人を対象とした商品 CFD 取引については、
勧誘を伴わないネット取引が基本的なビジネスモデルであり、対面取引のような苦情や
紛争の発生は極めて稀と考えられるので、商品 CFD 取引の内容やロスカットの状況等
を十分に調査した上で規則を制定する。
⑷ 店頭商品デリバティブ取引のうち、事業者を対象とした原油やガソリン、農産物等を
対象とするスワップ取引については、金融機関や金融商品取引業者等の参入が見込まれ
るところである。しかしながら、金融庁では、リーマンショック以降にデリバティブ取
引に係る中小企業等からの相談や苦情の増加を受け、デリバティブ取引の利用者保護の
充実を図る観点から、顧客の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的を踏まえた説
明や苦情等処理機能の充実等に関し、平成 22 年4月 16 日に金融機関及び金融商品取引
業者向けの総合監督指針を改正している。主務省においても、こうした情勢を踏まえた
規制のあり方も検討されている可能性があるので、そうした動向を見極めた上で規則を
検討する。
⑸ 商品先物取引仲介業については、既に店頭商品デリバティブ取引のスワップ取引や外
国商品市場取引において先行事例があるものの、国内商品市場取引に関しては皆無であ
ること、商先法の施行の際に商品先物取引仲介業を行っている者は施行の日から6ヵ月
間引き続き業務を行うことができることから、先行事例である証券業協会の規則や新規
業者の参入状況を踏まえて検討する。
2.不招請勧誘の禁止への対応について
不招請勧誘の禁止が導入されることに伴い、主務省の商品先物取引の委託者の保護に関
するガイドライン(以下「委託者保護ガイドライン」という。
)の改正が予想されるところ
-1-
であり、その委託者保護ガイドラインと連係して次の3点のガイドラインを制定すること
により、不招請勧誘の禁止に適切に対応する。
⑴ 初期の投資金額以上の損失の発生する可能性のない取引に関するもの
(参考「初期の投資額以上の損失が発生する可能性のない新商品の概要」参照)
この取引は、東穀取及び東工取が主務省の認可を受けて改正する業務規程に基づいて
行われるものであり、初期の投資金額以上の損失が発生しないことから、不招請勧誘の
禁止が適用されない。この取引に係る商品取引契約の締結の勧誘について、通常の取引
の勧誘と混同されないよう説明の仕方等について明確にする。
⑵ 不招請勧誘の禁止に関するもの
主務省の解釈指針(現行の委託者保護ガイドラインに不招請勧誘の禁止に関する事項
が追加されると考えられる)の下で、会員が自らのビジネスモデルを踏まえ、顧客のど
のような反応をもって招請があったと捉えるのか、社内における招請の有無のチェック
の方法等を明確にする。
⑶ 招請があった場合等の勧誘に関するもの
顧客の招請があった場合に会員から商品取引契約の締結の勧誘が可能となる新しい
制度の下で、会員がビジネスモデルに応じた取引開始基準を自主的に定める仕組みとす
ることを検討する。
なお、未経験者の保護措置については、商品取引契約を締結した後の個々の取引に係
る勧誘が規制の対象となっているため、適合性原則の徹底の観点から維持することが考
えられる。
3.受託等業務に関する規則について
(資料4「金融先物取引業務取扱規則と本会の考え方」参照)
受託等業務に関する規則は、商品先物取引業者(会員)の行う商品先物取引業の基本的
な規則と位置付ける。
⑴ 定 義
商先法において、商品先物取引業として従来の国内商品市場取引に加え、外国商品市
場取引の委託を受け、又はその委託の媒介、取次ぎ若しくは代理を行う行為、それらの
商品清算取引の委託の取次ぎの委託を受け、又はその委託の媒介、取次ぎ若しくは代理
を行う行為、さらに店頭商品デリバティブ取引又はその媒介、取次ぎ若しくは代理を行
う行為が規定されたことから、規則の対象となる商品デリバティブ取引等を明確にする。
⑵ 通 則
商先法等の遵守、特に適合性の原則に則った商品先物取引業務の遂行を規定する。
⑶ 取引開始基準、顧客カード
主務省の委託者保護ガイドラインの改正に併せて次の方向で検討する。
① 委託者保護ガイドライン A−3において、常に不適当と認められる勧誘、原則とし
-2-
て不適当と認められる勧誘を定めているが、取引形態の変化(対面取引、電子取引、
コールセンター取引)やプロ・アマ規制の導入により、会員が自らのビジネスモデル
に応じて取引開始基準を設け、その基準に適合した顧客から取引を受託する。
② 会員は自己の取引開始基準に則って勧誘や口座開設に係る適合性の審査を行うが、
その審査を的確に実施するためには顧客情報の把握が重要であることから、委託者保
護ガイドライン A−2に規定するような属性情報(氏名、住所、収入や資産の状況等)
を収集するとともに、その属性情報を顧客カードにより管理する。
⑷ 事前書面の交付、取引の仕組み等の説明
委託者保護ガイドライン C において、契約締結に際しての書面の交付時期や説明の方
法を定めているが、取引形態の変化はもとより、不招請勧誘の禁止による顧客とのアク
セス方法の多様化(セミナーや資料請求等)が見込まれることから、それぞれの状況に
応じて商先法の定めるところにより適切に書面交付及び説明を履行する。
⑸ 禁止行為
(資料5「受託等業務に関する規則第5条の禁止行為と改正法、同法施行規則(現行
規定)の禁止行為との比較」参照)
受託等業務に関する規則第5条に規定する禁止行為は、会員を対象にしたものが 16
項目、登録外務員を対象にしたものが5項目(実質は 18 項目)であるが、この中には
適合性の原則に包含されるものや実態を反映していないものがあることから、必要な見
直しを行う。その上で、会員の禁止行為として規定するものと役職員(登録外務員を含
む)の禁止行為として規定するものとに分類し、後者については、服務基準を定めた「会
員従業員に関する規則」において、会員は役職員が禁止行為を行うことのないようにし
なければならない旨の規定を設ける。
また、本会の会員でない商品先物取引仲介業者については、「商品先物取引仲介業者
に関する規則」において商品先物取引仲介業者の登録外務員の禁止行為として同様に規
定する。
⑹ 受託業務管理体制の整備等
① 従来どおり受託業務を行う過程、管理組織、適合性の審査、商品取引契約の締結に
際しての説明、過度な取引の抑制等に関する社内体制を整備し、受託業務管理規則を
制定して役職員に遵守させる。
なお、受託業務管理規則の開示に関しては、
「会員の企業情報の開示に関する規則」
において措置しているため、削除する。
② 商先法施行後の会員各社のコンプライアンスの状況を踏まえ、内部管理者制度の導
入について検討する。
③ 委託者への取引履歴の開示、個人情報の保護、勧誘方針の策定及び公表等の規定は
継続する。
-3-
⑺ 改善指導と報告徴求の措置
現在の指導勧告等は、定款第 51 条第2項に定める自主規制規則を遵守するために必
要と認める指導等の手続き等を規定しているが、措置を講じた結果の会員間周知や公示
といった制裁の色彩を帯びていることから、これまでは制裁事案に関連して実施してき
た。
しかしながら、社内規則の未整備等に対する改善指導を機動的に行うため、会員間周
知や公示を伴わないものとするが、改善の実効性を確保する観点から改善報告書の提出
を求める制度とする。
4.制裁規程について
制裁の審議手続きは現行の規定を維持するものの、受託等業務に関する規則と同様に商
先法に規定する商品先物取引業に合わせた定義を設ける。
また、法令や自主規制規則、会員の社内規則等の違反行為に対しては機動的に制裁によ
り対応するが、再発防止を図ることも極めて重要であることから、違反行為の内容や既に
実施した改善状況を踏まえ、必要に応じて社内規則や管理体制の見直し等による改善措置
を講じるよう勧告し、その実効性を確保する観点から改善報告書の提出を求める制度とす
る。
【制裁規程の改正案】
(制裁の種類)
第4条 (略)
2 本会は、会員の受託等業務の適正な運営を確保し、又は委託者を保護するために必
要かつ適当であると認めたときは、前項の制裁と併せて、定款第 51 条第2項に基づき、
当該会員に対して書面により改善を勧告し、書面によりその結果の報告を求めることが
できる。
3 (略)
5.
「外国商品市場取引に関する規則」
(新規制定)について
(資料6「海外証券先物取引等に関する規則と本会の考え方」参照)
外国商品市場取引については、取引を執行する取引所によって細かいルールが異なるこ
とから、商品先物取引業者が遵守すべき国内における委託者との取引の執行や決済、証拠
金の授受等の基本的なルールを取引約款として制定し、これを基に商品先物取引業者が顧
客との間で取引に係る契約を締結する。
また、国内の商品市場取引の受託については、商先法第 216 条において商品先物取引業
者は商品取引所の定める受託契約準則によらなければならないと規定されているが、外国
商品市場取引に関しては国内向けの受託契約準則が存在しないことから、本会が定める「外
国商品先物取引口座設定約諾書」に基づいて処理することを義務付ける。同約諾書は、口
-4-
座を開設するに際し、国内法令、取引を行う外国の取引所及び本会の定める諸規則、約諾
書に掲げる事項を承諾することを証するために差し入れるものとし、受託契約準則と同様
に外国商品市場取引の受託に関する委託者と商品先物取引業者の基本的な権利と義務を規
定する。
外国商品市場取引に関する規則及び外国商品先物取引口座設定約諾書の検討に際しては
以下の点に留意する。
○外国商品先物取引の注文を受ける場合には、あらかじめ顧客との間で本会の定めた「外
国商品先物取引口座設定約諾書」の提出(電磁的方法を含む)を受けること
○外国商品先物取引の注文の執行や決済、証拠金の授受等は「外国商品先物取引口座設定
約諾書」に基づいて処理すること
○預託した証拠金に対する為替要因の存在、取引単位の違い等、外国商品市場取引である
ことの理解度といった必要な属性を踏まえた取引開始基準を設け、その基準に適合した
顧客から取引を受託すること
○外国の商品取引所のルールを踏まえたものとすること
・証拠金の計算、預託、返還(SPAN 証拠金制度)
・証拠金の通貨(商品先物取引に係る建玉の通貨)
・証拠金の種類(所要額は取引を執行する取引所の定める証拠金以上の額で定めること)
・オプション取引の権利行使等
6.店頭商品デリバティブ取引に関する規制について
商先法第2条第 14 号に規定する店頭商品デリバティブ取引としては、外国の商品取引
所に上場された商品の価格等を参考にして商品先物取引業者が売値と買値を提示し、転売
買戻しにより差金決済を行う商品 CFD 取引のほか、原油やガソリン、農産物等を対象に
したスワップ取引が考えられる。
現在、前者の商品 CFD 取引にあっては一般個人を対象としたネット取引が、後者のス
ワップ取引にあっては事業者を対象とした対面取引が主体であると考えられる。
⑴ 個人を対象とした CFD 取引に関する規則
(資料7「CFD 取引に関する規則と本会の考え方」参照)
一般個人を対象とした商品 CFD 取引について、委託者保護の観点から新たな規則を
制定することになるが、勧誘を伴わないネット取引が基本的なビジネスモデルであり、
対面取引のような苦情や紛争の発生は極めて稀であると考えられるので、CFD 取引の内
容やロスカットの状況等を十分に調査した上で検討する。
なお、
商品 CFD 取引に関して規則の検討に際しては以下の点に留意する必要がある。
○現実のビジネスモデルはネット取引であり、その取引システムもカバー先から提供さ
れていることから、各社とも一定の水準に達していると考えられること
○金融庁が取引所及び店頭の FX 取引に対して平成 22 年8月1日から、有価証券関連
-5-
店頭デリバティブ取引に対して平成 23 年1月1日からレバレッジ規制を導入するこ
と
○金融先物取引業協会が会員の行う FX 取引に対して平成 21 年 12 月 11 日から、証券
業協会が協会員の行う有価証券関連の店頭 CFD 取引に対して平成 23 年1月1日から
ロスカットに係る自主規制を導入すること
○主務省が作成した「商品先物取引法第3段階施行における主な論点」(資料2参照)
において、レバレッジ規制(20 倍)
、ロスカットルールの整備・遵守を商品先物取引
業者に義務付けるとしていること
⑵ 事業者を対象としたスワップ取引に関する規制
金融庁の第2回金融庁政策委員会(平成 21 年 10 月 20 日開催)では、リーマンショ
ック以降にデリバティブ取引に係る中小企業等からの相談や苦情、具体的には①説明内
容に関するもの(ヘッジ効果がなく解約したいが、解約清算金が多額で解約できない)
、
②代表者等の意思確認に関するもの(担当窓口の専務が契約したが、代表権のある社長
に対する契約の意思確認を行っていない)、③ヘッジニーズの有効性の確認に関するも
の(将来的なヘッジニーズを勘案することなく、10 年にわたるデリバティブ契約を締結
させられた)、④事後フォローに関するもの(時価評価の資料をもらっておらず、解約
しても益なのか損なのか全く分からない)が増加していることから、金融機関や金融商
品取引業者等向けの監督指針において対応することが示された。
これを受けて金融庁では、デリバティブ取引の利用者保護の充実を図る観点から、
「主
要行等向けの総合的な監督指針」
、
「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」及び
「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」を改正し、①契約時点等における説明、
②実質的経営者への説明、③顧客のヘッジニーズに対する有効性の確認及び説明、④事
後フォロー、⑤苦情等処理機能の充実・強化等に関する留意点等を新たに加え、平成 22
年4月 16 日から実施している。
こうした情勢を踏まえると、特定委託者又は特定当業者でない事業者を対象としたス
ワップ取引等については、商先法における主務省の規制の方向性を見極めた上で、自主
規制の必要性を含めて検討する。
7.
「商品先物取引仲介業者に関する規則」
(新規制定)について
(資料8「金融商品仲介業者に関する規則と本会の考え方」参照)
商品先物取引仲介業者(個人である場合を含む)は、商品先物取引業者(以下「所属商
品先物取引業者」という。
)の委託を受けて、当該商品先物取引業者のために国内商品市場
取引及び外国商品市場取引の委託の媒介、若しくは店頭商品デリバティブ取引の媒介を行
うものである。
商品先物取引仲介業者は、委託者から金銭等の預託を受けることができないものの、適
合性の原則、説明義務、再勧誘や不招請勧誘の禁止といった行為規制は商品先物取引業者
-6-
と同様に適用される。
しかしながら、商品先物取引仲介業者は本会の会員でないことから、本会としては、会
員である所属商品先物取引業者を通じて間接的に管理することが原則となるため、商品先
物取引仲介業者に関する規則についても、会員が商品先物取引仲介業者に法令や本会の定
める諸規則を遵守させるという規定振りにならざるを得ない。
商品先物取引仲介業者に関する規則の検討に際しては以下の点に留意する。
なお、商品先物取引仲介業者の採用予定者に関する本会への照会、登録外務員の資格要
件、研修及び登録手続き、役職員に対する処分等については、それらを規定している既存
の規則との整合性等を検討する。
○会員は、商品先物取引仲介業者に商先法その他関係法令及び本会の定款その他の規則を
周知し、その遵守を徹底すること
○会員は、商品先物取引仲介業者と業務委託契約を締結するときは以下に掲げる事項を定
めること
・商品先物取引仲介業者又はその役職員が商先法その他の関係法令を遵守すること
・会員が商品先物取引仲介業者に対して本会の定款その他の規則を遵守するように指導、
監督し、商品先物取引仲介業者は会員の指導に従うこと
・本会が商品先物取引仲介業者の登録外務員に係る処分を行った場合には、当該登録外
務員はその処分に従うこと
・本会が会員に対し、商品先物取引仲介業者からの事情聴取又は資料の提出を求めた場
合には、商品先物取引仲介業者は従うこと
・会員が商品先物取引仲介業者に対して監査を行い、商品先物取引仲介業者はそれに応
じること
○会員は、商品先物取引仲介業者に対して適合性の原則、社内管理体制の整備、広告に関
する規制、顧客への苦情相談窓口の周知等を徹底させること
○会員は、商品先物取引仲介業者の登録外務員が禁止行為を行うことのないようにしなけ
ればならないこと
以 上
-7-
Fly UP