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Lotus Europa

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Lotus Europa
Lotus Europa
中古車市場概況
小さなスーパーカー まだ買える!
ロータス・ヨーロッパの
中古車事情
池沢早人師氏の名作「サーキットの狼」でおなじみのロータス・ヨーロッパ。
バックボーンフレームに小型軽量樹脂ボディ、そのエクステリアはスパル
タンでありながら、どこかユーモラスで憎めない雰囲気もあり、生産終了
から 30 年以上経った今も好事家に一目置かれる存在だ。今買うならど
うすればよいか? ロータス専門店に聞いてみた。
Text:七野秀美/ Photo:五條伴好
取材協力:
テクニカルショップ・ハッピー
寅さんでおなじみの柴又帝釈天そば
にあるロータス専門店。重整備から
FRP 修復まで一線級の技に定評。
東京都葛飾区柴又 6-28-8
Tel.03-3657-2260
www.technicalshophappy.com
購入 時 のチェックポイント
現在の価格は、S1 / S2 が 200 万円から 400 万円台、ツイ
あとで苦労しないためにも、購入前にしっかりチェックすることが
ンカムは 280 万円から 400 万円、スペシャルだと 280 万円から
肝心だ。まずは、人間の背骨にあたるフレーム。老朽化しており、剛
450 万円あたり。そこそこの個体であれば 300 万円程度で見つか
性が落ちている個体が多い。ヨーロッパならではのクイックなハンド
るが、30 年以上も前のクルマなので経年変化が激しく、コンディショ
リングを楽しむためにも、
フレーム交換してある個体がベター。フレー
ンを維持するにはそれなりに手がかかる。
ムは、エンジンフードを開ければ見ることができる。
中には 500 万円以上する個体もあるが、前オーナーの手がきち
ハブまわりも要チェック。ドライブシャフトがアッパアームを兼ねて
んと入っていれば返って安心。逆に安価なレストアベース車両を見
いるので負担かがかる。特に左側がガタつきやすく、最悪の場合タ
つけて修復しようとすると、予想以上に費用がかかってしまうので、
イアが外れてしまうことも。
ガソリンタンクまわりも大事だ。
水がたまっ
とりあえずは実動個体を探して、コツコツ仕上げたほうがベターだ。
て錆や腐食が発生し、ガソリン漏れから火災にいたることがある。
タマ数はスペシャルが最も多く、次いでツインカム、S2 の順。専
FRP 製のボディパネルは錆びることはないが、クラックが発生して
門店に行けばそれなりの台数があるし、個人売買という手もある。
いる個体が多い。走る分には問題ないが、塗り直すのもそれなりに
ただし、
S2 をレーシングカーの「47GT」仕様に、
ツインカムをスペシャ
費用がかかるので、できればキレイな状態の個体を選びたい。
ル仕様にするなど、オリジナルを保っている個体は徐々に減少してい
購入の際はあせらないで、できるだけ多くの個体を見ること。気に
る。S1 は生産台数が少なくマニア向け。パーツも少なく維持するだ
入ったら、助手席でもいいから試乗させてもらう。また、購入後のト
けでも大変なので、初心者はやめておいたほうが無難だ。
ラブルに備えて、予算を少し余らせておくことも大事だ。
ヨーロッパの楽しみ方
に応えたマイナーチェンジ版であり、シートスライド
「スペシャル」は、エラン・スプリントのビッグバル
機構やパワーウィンドー、グローブボックスなどを
ブ・ユニットを搭載。ボディにピンストライプが加え
ロータス初の市販ミドシップであるヨーロッパは、
装備。さらに、整備性を考慮してアンダートレイ
られ、5 段 MT がオプション設定された。
ヨーロッパの場合、自分好みにチューニング
心だ。
イギリスと違って高温多湿の日本ではオー
過ぎる標準ステアリングを、ひと回りコンパクト
エランに代わるライトウェイトスポーツカーとして
が省かれるなど細部にわたって改良が行なわれた。
ヨーロッパは 1966 年から 1975 年までに
しているオーナーが多い。新車当時のシャキッ
バーヒートしやすいので、ラジエターのコア増し
なものに変えるのも定番となっている。
約 8200 台が生産された。内訳は、S1 が 644
とした走りを楽しみたいなら、フレーム交換がお
や電動ファンの大型化も重要なポイント。大径
モデル概要
1966 年に発表された。鋼板を溶接したバックボー
「ツインカム」は、モアパワーの声に応えてルノー
ンフレームに、軽量な FRP ボディという基本構
製に代わりエラン用エンジンを搭載したモデル。
台、S2 が 2750 台、ツインカムが約 1600 台、
すすめ。いまでも新品が手に入るほか、社外品
成はエランと同じ。エンジンは、デビュー当初は
外観はフロントにチンスポイラーが追加され、エン
スペシャルがシリーズ最多の約 3200 台となっ
も販売されている。パーツ代、
工賃などを含めて、
専用チューニングが施されたルノー製 1.5R 直列
ジンフード左右が大きくえぐられた。最終進化形の
ている。
100 万円程度でリフレッシュできる。
4 気筒を搭載していたが、のちに自社製エンジン
ショックアブソーバーを調整式のものに交換
に変更された。
したり、ブレーキを強化、オーバーフェンダー
初代の S1 にはじまり、実用性と快適性を向
を付けてワイドタイアを履かせているオーナー
上させた S2、自社製エンジンにスイッチした「ツ
もいる。さらには排気量アップやレース仕様の
インカム」、そして最終進化型の「スペシャル」
「BDR」エンジンに換装、トランスミッションのク
と、4 シリーズが存在する。S1 は固定式シート、
ロス化など、スタンダードはなく、オーナーの数
はめ殺しのサイドウィンドーなど、運動性能を優先
したストイックなモデルであり、究極のライトウェイ
トスポーツカーである。S2 は、顧客のリクエスト
だけチューニング法があるというカンジだ。
ヨーロッパのインテリア。猛烈に低い目線、必要最低限のス
ペースが堪らない魅力となっている。ステアリング位置は右
が好まれ、左ハンドル車をコンバートすることも可能。
美しく仕上げられたブリティッシュグリーンの個体は、残念な
がら売り物ではなくテクニカルショップ・ハッピーの顧客所有
車。普段使いもまったく問題ないという。
また、現代の日本で快適に乗るためには、モ
ディファイも必要不可欠。まずは電装系の強
上の写真は今も新品で手に入るメカニカルパーツ類。軽量孔の開いたフレーム
はサードパーティ製
「スパイダーフレーム」
で、
左の純正品
(こちらも新品を入手可能)
より剛性が高い。いっぽうバンパー等ボディパーツの中にはすでに欠品も。
化。オルタネーターを国産品に変えておけば安
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