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災害時の対応と平時からの備え ~重要無線通信の確保に向けた 中央

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災害時の対応と平時からの備え ~重要無線通信の確保に向けた 中央
災害時の対応と平時からの備え
~重要無線通信の確保に向けた
中央非常通信協議会の活動~
【抜粋版】
平成27年11月18日
中央非常通信協議会事務局・
総務省総合通信基盤局
電 波 部 重 要 無 線 室
目次
2
1.災害時における防災行政無線等の役割と被害例
→参考資料集1(新潟県豪雨・中越地震の事例)
2.防災行政無線等の現状
→参考資料集2(内閣府・消防庁関連施策)
3.重要無線通信の確保に係る災害時の対応と平時からの備え
・災害時の情報伝達手段と非常通信協議会の活動
・非常通信体制の総点検と非常通信訓練
・非常通信ルートと非常通信対応マニュアルの見直し
→参考資料集3(総務省関連施策)
4.参考資料集1~3
1
目次
3
1.災害時における防災行政無線等の役割と被害例
→参考資料集1(新潟県豪雨・中越地震の事例)
2.防災行政無線等の現状
→参考資料集2(内閣府・消防庁関連施策)
3.重要無線通信の確保に係る災害時の対応と平時からの備え
・災害時の情報伝達手段と非常通信協議会の活動
・非常通信体制の総点検と非常通信訓練
・非常通信ルートと非常通信対応マニュアルの見直し
→参考資料集3(総務省関連施策)
4.参考資料集1~3
被害報等に見る今年度の自然災害事例と防災行政無線の役割、被害 4
時期
自然災害事例
防災行政無線の役割、被害
停電状況
口永良部島の噴火
緊急時の退避行動を支援するため~気象台から直
ちに屋久島町災害対策本部へ電話連絡を行い、屋
久島町災害対策本部から防災行政無線により現地
に通報する緊急連絡体制を確保
8月15日~
桜島の火山活動
鹿児島市の対応
防災行政無線・車両広報(注意喚起:桜島全域)
防災行政無線・車両広報(避難準備情報:桜島全
域)
防災行政無線・車両広報(避難勧告:桜島全域)
8月25日~
台風15号による大雨
福岡県所属無線局2局が非常用電源で稼動※
9月9日~
関東・東北豪雨(台風
18号等による大雨)
栃木県日光市、茨
常総市の防災行政無線(同報子局10局)が水没
城県常総市、つく
→メーカー(業者)に機器の修理交換対応を依頼中。
ばみらい市、宮城
(復旧の目処はたっていない。)
県大崎市
9月29日~
台風21号
・沖縄県防災行政無線与那国町役場固定局で商用
電源断、発電機不良のため運用できず→復旧済
・与那国町防災行政無線同報系が停波
5月29日~
島全域で発生
沖縄、九州、四国、
中国
与那国町、石垣市、
竹富町
出典:内閣府ホームページ(http://www.bousai.go.jp/updates/index.html)に基づき作成。※は総務省への報告。
2
巨大地震・津波の事例(平成23年3月東日本大震災)
5
震度分布
津波観測状況
出典:ICT利活用による防災・減災シンポジウム(平成26年9月2日)
総務省武井俊幸大臣官房総括審議官資料
巨大地震・津波の事例(平成23年3月東日本大震災)
6
無線通信の復旧に向けた総務省、中央非常通信協議会の取り組み
通信機器の無償貸与
 被災地の自治体等の通信手段確保のため、衛星携帯電話、簡易無線、MCA等を無償貸与。
 総務省の保有する機器は約1200台程度だが、関係する民間企業や国際機関(ITU)等からも善意によるご協力を得て、41
の自治体等に対し、約3300台を貸与。
臨時災害放送局(FM放送)の許可
 被災した22市町村に対して23件を許可。
無線局免許の迅速化
 外国救援部隊等からの無線局使用要請について、迅速に免許を付与。
許認可等の有効期間の延長
《関係法令》
「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」(平成8年6月14日法律第85号)関係
「平成二十三年東北地方太平洋沖地震による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」(平成23年3月13日政令第19号)
「平成二十三年東北地方太平洋沖地震による災害に伴う特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第三条第二項の規定に基づき、同条第
一項に規定する延長の措置の対象となる特定権利利益、当該措置の対象者及び延長後の満了日を定める件」(平成23年3月31日総務省告示第121号)
その他関係団体への各種要請等
アマチュア無線機器の積極的活用
 中央非常通信協議会から(社)日本アマチュア無線連盟(JARL)に対し、被災地の通信確保のためのアマチュア局の積
極的活用を要請。
3
巨大地震・津波の事例(平成23年3月東日本大震災)
7
東日本大震災(23年3月)と台風12号災害(同9月)における発災後の「非常通信ルート」活用状況
状況
東北3県
(東日本大震災)
奈良・和歌山
(台風12号災害)
公衆回線や「通常通信ルート」が使えたので、
「非常通信ルート」は活用しなかった。
27
15
「非常通信ルート」を活用した。
4
3
「非常通信ルート」を活用する必要があったが、
活用出来なかった。
7
1
10
0
不明(分からない)
(市町村数)
〔参考〕
通常通信ルート : 公衆回線が被災による回線途絶や輻輳等により利用困難な場合を想定した通信ルート
非常通信ルート : 通常通信ルートも利用出来ない場合を想定し、他団体・他機関の自営通信システムを利用する
通信ルート(非常通信協議会の活動の中で以前から設定済みだったもの)
<活用出来なかった主な理由>
・被害調査や避難所開設等の対応に職員が追われたため ・公用車の大部分が被災
・庁舎が津波で流失(非常通信ルート自体が消失) ・対策本部の庁舎外等への移転
・停電と沿岸地域の津波被害が大きく、電力や県警の無線を使用することはためらわれた 等
(なお、多くの自治体で代替手段として臨時に衛星携帯電話等が活用された)
平成23年11月 総務省調べ
巨大地震・津波の事例(平成23年3月東日本大震災)
8
気仙沼市のタクシー会社※の非常通信の事例
※(有)ししおり・きはんせんタクシー
• 港近くの会社は、津波で消滅(基地局も流出)
営業車20台が流出
• 残った20台のタクシー無線により、市の災害対策本部の通信を仲介
• 市の災害対策本部に無線機を置き、タクシーを避難所や遺体安置所に
配備。燃料の続く限り、災害対策本部の通信を扱った。
• 市役所と災害時連携協定はなかったが、地域のために協力
その他の非常通信
– 各地のアマチュア無線局 ・・・救援要請、災害対策本部の支援等
– 漁業用無線局(釜石) ・・・短波通信による安否情報、救援要請等
4
巨大地震・津波の想定(南海トラフ巨大地震)
出典:「南海トラフ巨大地震対策について(最終報告)~南海トラフ巨大地震で想定される被害~」
(平成25年5月中央防災会議防災対策推進検討会議南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ)
http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taisaku_wg/index.html
9
出典:我が国で発生する地震
http://www.bousai.go.jp/jishin/gaiyou_top.html
目次
10
1.災害時における防災行政無線等の役割と被害例
→参考資料集1(新潟県豪雨・中越地震の事例)
2.防災行政無線等の現状
→参考資料集2(内閣府・消防庁関連施策)
3.重要無線通信の確保に係る災害時の対応と平時からの備え
・災害時の情報伝達手段と非常通信協議会の活動
・非常通信体制の総点検と非常通信訓練
・非常通信ルートと非常通信対応マニュアルの見直し
→参考資料集3(総務省関連施策)
4.参考資料集1~3
5
防災無線システムの全体構成
総理官邸
都道府県
警察本部
その他機関
防 衛 省
駐屯地
・師団
警 察 庁
地方
気象台等
総 務 省
河川国道
事務所等
気 象 庁
国土交通省
消防防災
無線
海上
保安部等
内閣府を中心に、指定行政機関等(中央省庁等)、指
定公共機関(NTT、NHK、電力等)及び立川広域防災
基地内の防災関係機関を結ぶ無線通信網。
中央防災無線
内閣府
災害対策本部
海上保安庁
総務省消防庁
N T T
N H K
東京電力
消防庁と全都道府県の間を結ぶ無線通信網。
地上系(国交省マイクロ無線と設備)と衛星系で
電話及びファクシミリによる相互通信と、消防庁
からの一斉通報に利用。
11
他関係行政
・公共機関
都道府県、出先機関、市町村、防災関
係機関等との間を結ぶ通信網。衛星系
を含めるとすべての都道府県が整備。
通信衛星
都道府県庁
都道府県防災行政無線
防災相互通信用無線
地域衛星通信ネットワーク
災害現場における消防、警察、海上保安庁等
の各防災関係機関の間の無線通信網。
各地方公共団体及び防災関係機関間を通信衛
星で結ぶ。一般財団法人自治体衛星通信機構
が管理・運営。
市町村役場
防災関係機関
警察署
他の自治体
市町村防災行政無線
防災関係機関
消防署
消防・救急無線
防災用無線システム
その他防災に関係の深い自営通
信システム
同報系
移動系
屋外拡声器
戸別受信機
車載型無線機
携帯型無線機
消防本部や消防署に設置された基地局と消防車・
救急車に搭載された移動局との間の無線通信網。
消防署
生活関連機関
病院、学校 金融機関等
市町村が防災情報を収集を行い、住民に対
して直接情報伝達するための無線通信網。
出典:電波利用ホームページ、非常通信確保のためのガイド・マニュアル(平成27年7月非常通信協議会)P21
都道府県防災行政無線の概要
(1) 固定通信系
12
(2) 移動通信系
周波数:150MHz帯及び400MHz帯(アナログ方式)、260MHz
帯(デジタル方式)
周波数:400MHz帯(アナログ、デジタル方式) 、260MHz帯(デジ
タル方式)、6.5GHz帯、7.5GHz帯、12GHz帯、18GHz帯又
は40GHz帯(幹線系、多重通信路 デジタル方式)
・幹線系:都道府県庁(災害対策本部)と支部(災害対策地方本部)と
・都道府県庁又は都道府県の出先機関と移動局との間、移動
局相互間の通信
の通信
全体整備率:95.7%【45/47都道府県】
うちデジタル整備率:38.2%【 18/47都道府県】(平成26年度末)
・端末系:市町村役場、気象台等との通信
全体整備率(マイクロを除く):63.8%【30/47都道府県】
うちデジタル整備率:19.1%【 9/47都道府県】(平成26年度末)
(平成13年にデジタル方式への移行用として新たに260MHz帯の割当てを
実施。固定系にも利用。)
(3) 衛星通信系
(4) テレメータ系
周波数:Ku帯(14/12GHz帯)
周波数:70MHz帯及び400MHz帯
・地域衛星通信ネットワークを利用した、都道府県と支部、市町村
役場、防災関係機関等との通信
・河川の水位、流量、降水量等の観測データを伝送するための
通信
固定通信系
移動通信系
衛星通信系
テレメータ系
150MHz帯
260MHz帯
70MHz帯/400MHz帯
6.5GHz帯/7.5GHz帯
/12GHz帯
Ku帯(14/12GHz帯)
18GHz帯
40GHz帯
【衛星系】
【衛星系】
【幹線系】
【幹線系】
(都道府県庁)
災害対策本部
【移動系】
中継所
(支部)
災害対策
地方本部
(支部)
(A市)
【端末系】
観測所
(B町)
関係機関
6
市町村防災行政無線の概要
13
(1) 同報系
周波数 :60MHz帯(アナログ方式、デジタル方式)
・ 市町村庁舎の親局から子局への一斉通報に活用
・ 子局には屋外型拡声方式と各戸ごとに受信機を設置する戸別受信機方式がある
全体整備率:77.7% 【1,352/1,741市町村】 うちデジタル整備率:41.2% 【 718 / 1,741市町村】(平成26年度末)
平成13年にデジタル方式への移行用として、同じ60MHz帯の中で追加割当てを実施。
(2) 移動系
周波数 :150MHz帯(アナログ方式)、400MHz帯(アナログ方式)、260MHz帯(デジタル方式)
・ 市町村庁舎の基地局と移動可能な移動局との相互連絡に活用
・ 車載型、可搬型及び携帯型がある
全体整備率:77.3%【1,346 / 1,741市町村】うち、デジタル整備率:17.1% 【 298 / 1,741市町村】(平成26年度末)
アナログ方式用として150MHz帯、400MHz帯を使用。平成13年にデジタル方式への移行用として、260MHz帯の割当てを実施。
150MHz帯(アナログ)
260MHz帯(デジタル)
400MHz帯(アナログ)
屋上設置型屋外拡声器
(市町村災害対策本部)
移動系基地局
同報系親局
(車載)移動局
【
同 報 系】
【
移 動 系】
中継用基地局
路上設置型屋外拡声器
(車載)移動局
60MHz帯
(携帯・可搬)移動局
(デジタル/アナログ)
戸別受信機
市町村防災行政無線の整備状況
14
同報系
60MHz帯同報系防災行政無線の整備率の推移
移動系を廃止した自治体は、
MCA、携帯電話等、他の代
替手段に移行している。
移行先の割合(重複含む)
 MCA:63%
 携帯電話:13%
 衛星携帯電話:6%
 簡易無線:6%
 不明:19%
移動系
移動系市町村防災行政無線の整備率の推移
(平成27年3月末)
7
通信機器のための非常用電源の浸水対策について
15
出典:「九州地域における大規模災害発生時の通信
手段確保に関する報告書」(平成24年1月)
九州総合通信局報道資料
出典:「九州地域における地方公共団体のICT利活用に
よる防災・減災対策の現状について」(平成27年9
月11日)九州総合通信局報道資料
住民への主な情報伝達手段の整備状況
16
出典:「九州地域における地方公共団体のICT利活用による防災・減災対策の現状について」(平成27年9月11日)九州総合通信局報道資料
8
Lアラートの普及状況 (平成27年8月1日時点)
17
運用中・・・・ 33
準備中・・・・ 14
北海道
青森
秋田
岩手
山形
宮城
新潟
福島
石川
鳥取
群馬
岐阜
広島
山口
佐賀
香川
愛媛
大分
熊本
岡山
高知
兵庫
山梨
愛知
大阪
奈良
茨城
埼玉
京都
徳島
栃木
長野
滋賀
福
岡
長崎
富山
福井
島根
静岡
神奈川
千葉
三重
和歌山
東京
沖縄
宮崎
鹿児島
目次
18
1.災害時における防災行政無線等の役割と被害例
→参考資料集1(新潟県豪雨・中越地震の事例)
2.防災行政無線等の現状
→参考資料集2(内閣府・消防庁関連施策)
3.重要無線通信の確保に係る災害時の対応と平時からの備え
・災害時の情報伝達手段と非常通信協議会の活動
・非常通信体制の総点検と非常通信訓練
・非常通信ルートと非常通信対応マニュアルの見直し
→参考資料集3(総務省関連施策)
4.参考資料集1~3
9
非常通信協議会の活動(平成27年度事業計画の概要)
19
《目的と組織》
1 昭和26(1951)年7月19日、非常の場合の無線通信の円滑な運用を図ることを目的として、非常無線通
信協議会が発足。
2 平成7(1995)年から、無線通信に加えて有線通信も対象として活動を拡充。
3 中央非常通信協議会並びに11の地方非常通信協議会及び11の地方非常通信協議会から成り、構成
員数は現在約2000機関。
(注)非常通信協議会の非常通信規約では、「この規約は、電波法第74条第1項に規定する通信及びその他非常時にお
いて用いられる必要な通信(以下、合わせて「非常通信」という。)の円滑な運用を図ることを目的とする。」と規定。
《主な活動内容》 ※中央非常通信協議会の平成27年度事業計画の概要
Ⅰ 非常通信訓練
○全国非常通信訓練を年1回とし、引き続き地方非常通信協議会独自訓練
の充実を図る。
○総合防災訓練における非常通信訓練については、防災週間の時期に被
災経験の少ない地域を設定し実施する。
Ⅱ 継続的な非常通信協議会の活動強化
○訓練の結果に基づき、地方協議会において、継続的な非常通信ルートの見
直し作業を実施する。
○また、平成26年度に実施した「南海トラフ巨大地震の被害想定に対応した
非常通信ルートの見直し」については、非常通信訓練等において、見直しが
実施されたルートの検証・フォローアップを行い、見直しが完了していない自
治体については、引き続き非常通信ルートの見直しを実施する。
○中央非常通信協議会では、「非常通信確保のためのガイド・マニュアル」の
改訂を行う。訓練の結果、ルート見直しを踏まえ地方協議会において、非常
通信対応マニュアルの検討、ブラッシュアップを行う。
また、地方非常通信協議会事務局を含め、今後の非常通信訓練等におい
て、非常通信対応マニュアルを活用した訓練を行う。
Ⅲ 非常通信体制の総点検
○非常通信体制(施設及び組織)の総点検を実施し、平素から非常時の通
信確保に努める。
Ⅳ 周知啓発活動、表彰等
表 スケジュール
実施時期
活動内容
平成27年
4月~12月
非常通信体制の総点検
7月
「非常通信確保のためのガイド・マニュアル」
の改訂
8~9月頃
総合防災訓練における非常通信訓練
11月
全国非常通信訓練(第78回)
12月
非常通信セミナー(講演会兼施設見学会等)
平成28年2月
幹事会
3月
総会(第65回)及び表彰の実施
その他
・訓練の結果等を踏まえた非常通信ルート、
非常通信対応マニュアルの見直し等
非常通信ルートのイメージ
◆非常通信ルート
通常利用している通信ルートが使用できない場合に、他
団体・他機関の自営通信網を利用するもので、内閣府と
都道府県を結ぶ中央通信ルートと都道府県と市町村を結
ぶ地方通信ルートがあります。
自営通信網
○×電力会社支社
20
非常協の伝達に
より被災状況が
届きました
○×電力会社本部
中央通信ルート
(電力系)
衛星携帯電話
庁舎倒壊により固定系
無線設備が使用不可
非常用発電機
地震発生
家屋倒壊
救援を要請
消防庁
内閣府
(災害対策本部)
非常用発電機
都道府県庁
土砂崩れにより
直通通信ケーブル切断
被災市町村役場
アマチュア無線
アマチュア
無線連盟
防災行政無線
避難所
出典:総務省報道資料(平成26年11月10日)に基づき作成
10
災害対策用移動通信機器の備蓄・貸出
21
■総務省では、被災地域の通信確保を目的に、災害対策用移動通信機器として、簡易無線(200台)・MCA無線(180台)を備蓄。
■東日本大震災を受け、簡易無線(1300台)及びMCA無線(100台)を追加調達。また、新たに衛星携帯電話300台を緊急調達。
■これらの通信機器(簡易無線1500台、MCA無線280台、衛星携帯電話300台)を被災地域に対し、速やかに無償貸与する取組を実施。
①’災害発生が予測される
場合の配備調整
③貸出指示
(簡易無線、MCA、
衛星携帯電話)
衛星携帯
④被災地へ運搬
備蓄基地等(全国11箇所)
簡易無線
1500台
MCA
280台
衛星携帯電話 300台
①災害発生が予測される
場合の需要確認
総務省
総合通信局等
災害発生
河川の状
況は?
MCA
地方自治体
災害対策本部等
②貸し出し要請
関係機関等
了解。
氾濫して
ません。
準備完了
です。
簡易無線
既存の通信インフラが途絶等した場合の被災自治体等における緊急の連
絡手段として使用(復旧状況把握、現場作業連絡、被災者安否確認等)
被災地
災害対策用移動通信機器の概要(MCA、簡易無線)
22
11
災害対策用移動通信機器の概要(衛星携帯電話)
23
貸出例
24
訓練時の貸出例(平成26年度)
災害発生時の貸出例(平成7年~)
貸出年月
平成 7年 3月
災害名
阪神淡路大震災
平成16年10月
新潟県中越地震
平成23年 3月
東日本大震災
平成24年 1月
平成24年 2月
平成24年 6月
鳥取県等大雪災害
新潟県等大雪災害
台風4号豪雨災害
平成24年 7月
平成24年 7月
平成24年 8月
平成24年 8月
平成25年 7月
平成25年 9月
平成25年10月
平成26年 2月
奈良県等豪雨災害
鳥取県等豪雨災害
京都府等豪雨災害
台風15号豪雨災害
山形県等豪雨災害
台風18号豪雨災害
台風26号豪雨災害
関東甲信越地域豪雪災
害
台風8号接近に伴う災
害
平成26年 7月
貸出機器
携帯電話400台、業務用
無線機300台、簡易無線
機300台、衛星携帯電話
9台、可搬型VSAT局
4台(計1,013台)
MCA無線機77台、業
務用無線機78台、衛星
携 帯 電 話 12 台 ( 計 167
台)
MCA無線:220台
簡易無線:1485台
衛星携帯電話:300台
衛星携帯電話:15台
衛星携帯電話:36台
簡易無線:30台
衛星携帯電話:18台
衛星携帯電話:7台
衛星携帯電話:8台
衛星携帯電話:6台
衛星携帯電話:8台
衛星携帯電話:5台
簡易無線機:5台
簡易無線機:15台
簡易無線機:10台
衛星携帯電話:3台
簡易無線:4台
衛星携帯電話:3台
貸出期間
申請者
1
災害対策用移動通信機空路搬送共同
訓練
貸出用務名
H26.6.6.~
6.6.
和歌山県
簡易無線:5台
アイサットフォン:
1台
貸出機材
2
台風8号接近に伴う災害に備えた通信
確保のため
H26.7.10.~
7.16.
和歌山県
簡易無線:4台
ワイドスター:3台
3
平成26年沖縄県総合防災訓練におけ
る沖縄地方非常通信訓練
H26.9.2.~
9.6.
宮古島市
簡易無線:10台
ワイドスター:1台
イリジウム:1台
アイサットフォン:
1台
BGAN:1台
4
平成26年度愛媛県東温市総合防災訓
練における通信確保のため
H26.10.16.~
10.16.
東温市
簡易無線:10台
5
「緊急消防援助隊 北海道東北ブロック
合同訓練」における災害対策用移動通
信機器の搬入訓練
H26.10.22.~
10.29
弘前市
MCA無線:3台
簡易無線:8台
ワイドスター:1台
6
第77回全国非常通信訓練における災
害対策用移動通信機器の搬入訓練
H26.11.20.~
11.25
名古屋市
アイサットフォン:
1台
7
第77回全国非常通信訓練における災
害対策用移動通信機器の搬入訓練
H26.11.21.~
28.
佐久市
ワイドスター:1台
8
第77回全国非常通信訓練における災
害対策用移動通信機器の搬入訓練
H26.11.21.~
28
軽井沢町
ワイドスター:1台
9
桜島火山爆発総合訓練での通信訓練
H27.1.8.~
1.31
鹿児島市
ワイドスター:1台
出典:非常通信確保のためのガイド・マニュアル(平成27年7月非常通信協議会)P69~72等に基づき作成
12
訓練時の使用事例、貸出訓練の模様
25
平成27年度鹿児島県総合防災訓練(平成27年5月21日) 近畿府県合同防災訓練(平成27年10月17日、18日)
※鹿児島県からの貸与要請を受けて、貸出機器を使用。 ※近畿地方整備局及び京都府(訓練事務局)の協力
あわせて、貸出機器の紹介を実施。
を得て、ヘリコプタを利用した空路搬送訓練を関係
者と共同で実施。
ビデオ映像をパソコンで圧縮し、貸出機器「BGAN」により災害
対策本部(鹿児島県庁)へ伝送
貸出機器を紹介(電源車・無線機)
(参考)防災計画上の位置づけ
26
防災基本計画(平成27年7月7日中央防災会議決定・修正)(抜粋)
○ 国〔農林水産省,厚生労働省,経済産業省,総務省〕は,食料,飲料水,医薬品,
燃料等の生活必需品並びに通信機器等の備蓄又は調達体制の整備を行うものと
する。(P33)
○ 国〔総務省〕は、必要に応じ、又は非常本部等若しくは被災地方公共団体からの要
請に基づき、通信機器について、移動通信機器の貸出、関係業界団体の協力等に
より、その供給の確保を図るものとする。(P70)
○ 国〔総務省〕は、必要に応じ、又は原子力災害対策本部若しくは被災地方公共団
体からの要請に基づき、通信機器について、移動通信機器の貸出、関係業界団体
の協力等により、その供給の確保を図るものとする。(P257)
出典:http://www.bousai.go.jp/taisaku/keikaku/kihon.html に基づき作成
総務省防災業務計画(平成13年1月6日総務省訓令第42号)(抜粋)
第3節 災害応急対策、第7節 通信機器の供給の確保
総合通信基盤局電波部基幹通信課重要無線室並びに総合通信局及び沖縄総合
通信事務所は、必要に応じ、又は被災地方公共団体からの貸出要請に基づき、そ
の備蓄する通信機器を速やかに貸し出すこととする。(P14)
出典:http://www.soumu.go.jp/main_content/000020506.pdf に基づき作成
13
目次
27
1.災害時における防災行政無線等の役割と被害例
→参考資料集1(新潟県豪雨・中越地震の事例)
2.防災行政無線等の現状
→参考資料集2(内閣府・消防庁関連施策)
3.重要無線通信の確保に係る災害時の対応と平時からの備え
・災害時の情報伝達手段と非常通信協議会の活動
・非常通信体制の総点検と非常通信訓練
・非常通信ルートと非常通信対応マニュアルの見直し
→参考資料集3(総務省関連施策)
4.参考資料集1~3
平常時の活動の重要性
28
非常通信が必要となる事態が発生した時に、「機器の使用方法がわかる」
「機器が使用可能な状態にある」ことが必要。
平常時からの点検及び訓練が重要
点検
 運用体制の点検
 機器の経年劣化・老朽化に起因
する障害
 コネクタ類の経年劣化、バッテ
リの経年劣化・定期交換未実施
など
 機器や部品の製造中止により更
新・修理が困難となる可能性
 デジタル移行を控えたアナログ
機器において保守を最小限とし
たり修理を保留にする事例も
訓練
 手順の確認
 使用方法の習得
 機器が使用可能にあることの確
認
 訓練結果の情報共有
14
平成27年度非常通信体制の総点検について(通知)
総基重第23号
平成27年4月1日
地方非常通信協議会会長 殿
中央非常通信協議会会長
平成27年度非常通信体制の総点検について(通知)
非標記について、中央非常通信協議会平成27年度事業計画(平成27年3月18日
決定)に基づき、「非常通信体制の総点検」を下記のとおり実施するので、貴協議会
においては、本件の目的・実施要領等について御理解の上、実施方よろしくお願い
いたします。
29
5 点検項目
原則として、別紙1の総点検項目(標準項目)とし、必須及び任意に分類する。
また、貴協議会の判断により、項目の追加を可能とする。
6 実施要領
(1) 実施期間に、最低1回以上実施する。
(2) 構成員等が、点検対象となる無線局及び有線設備を点検実施する。
(3) 構成員等が自らの定期点検等で実施した点検項目と本総点検の項目で重複す
ることがある場合は、当該項目は実施したものとみなす。
(4) 地方非常通信協議会会長は、総点検で「否」となった項目について措置状況を
確認し、必要に応じて改善指導すること。
(5) 構成員等からの報告様式等については、別紙2及び別紙3のとおりとする。
(6) その他、貴協議会会長が別途定める。
記
連絡先:中央非常通信協議会事務局
(総務省 総合通信基盤局電波部 重要無線室)
1 目的
非常災害時における通信及び放送の確保のため、無線局等の運用体制、設備
等について総点検を行う。
2 実施期間
原則として、平成27年4月から同年12月までとする。
また、貴協議会の環境に併せた梅雨期、台風期、降積雪期等を考慮した時期を
推奨する。
3 対象機関
全構成員
また、市区町村等が構成員ではなく、それらの代表的組織(市長会等)が構成員
である場合は、当該組織への加入有無に拘わらず、市区町村等を対象とすること
ができる。
4 点検対象
(1) 原則として、対象機関所属の全無線局とする。
(2) 非常通信ルートで有線回線が設定されている有線設備も任意の対象とする。
(3) 貴協議会の判断により、点検対象の省略を可能とする。
集中豪雨等の災害時における通信の円滑な実施体制の確保について 30
総基重第54号
平成27年6月1日
各地方非常通信協議会会長 殿
中央非常通信協議会会長
(総務省総合通信基盤局長)
集中豪雨等の災害時における通信の円滑な実施体制の確保について
非常通信協議会の活動に対しては、日頃より、格別のご理解とご協力を賜りまし
て、誠にありがとうございます。
当協議会では、災害発生時など非常の場合に必要な通信の円滑な確保が図られ
るよう、平時から構成員各位のご協力を得つつ、各種取組を推進しているところです
が、今般、中央防災会議(会長:内閣総理大臣)から関係機関に対して、別添のとお
り、梅雨期及び台風期における防災態勢の強化に係る要請がなされました。
つきましては、当該要請の趣旨に鑑み、これからの梅雨期や台風期に想定される
災害に備えて、あらかじめ円滑な通信体制の確保に向けた対策を講じていただきま
すようお願いいたします。なお、当該対策に当たっては、下記の例を参考に、出先機
関及び他の防災関係機関との連携を図りつつ実施していただきますようお願いいた
します。
2 情報通信施設の停電・浸水対策
情報通信施設については、次のとおり非常用電源装置の整備・点検等に取り組
むこと。
(1) 自家発電装置等の非常用電源装置の設置
(2) 非常用電源装置の実負荷運転や電源系統図の確認等、災害時を想定した整
備・点検の実施
(3) 非常用電源装置の燃料の保存状態及び保存量の確認
(4) 非常用電源装置の起動を迅速かつ適切に行うための操作マニュアルの作成と
適切な配置の確認
(5) 浸水被害を防止するための無線設備及び非常用電源装置の適切な場所への
設置の確認
なお、情報通信施設の停電対策に関しては、非常通信協議会から構成員等に配
布している「非常通信確保のためのガイド・マニュアル」の「無線設備の停電・耐震対
策のための指針」を参考にしてください。(「非常通信確保のためのガイド・マニュア
ル」は、非常通信協議会ホームページ(URL:http://www.tele.soumu.go.jp/j/hijyo/ma
nual.htm)からダウンロードすることも可能です。
3 非常通信計画の確認
非常通信訓練を通じて、災害時における出先機関及び他の防災関係機関との
連絡体制の確認を行うこと。
連絡先:中央非常通信協議会事務局
(総務省 総合通信基盤局電波部 重要無線室)
記
1 管理・運用体制の確認
次の項目について取り組み、災害時において適切な対応が取れるよう通信の管
理・運用体制の整備促進に努めること。
(1) 夜間・休日等における災害の発生を想定した連絡体制・非常参集体制の確認
(2) 無線通信網の運用を確保するために必要な無線設備系統図等の整理状況の
確認や周辺環境の整備
(3) 移動系無線機(携帯無線機)の適切な配置の確認及びバッテリー等の整備・点
検
(4) 非常用電源装置及び非常通信ルート(通常利用している通信網が利用できな
い場合の通信ルート)を使用した通信訓練の実施
(5) 確認結果を踏まえた非常通信対応マニュアル(これに類するものを含む)の策
定又は内容確認
出典:電波利用ホームページ
15
(参考)無線設備の停電・耐震対策のための指針
31
地震等の災害発生時において無線設備の運用に障害が生じる場合の原因は、多くが電力の供給停止であ
るので、その機能を十分に発揮するための対策を日ごろから講じておくことが重要です。
出典:非常通信確保のためのガイド・マニュアル(平成27年7月非常通信協議会)P52~63参照
(参考)人命又は財産の保護に係る無線局の適切な管理運用体制の確保について
32
「無線局の監督及び指導方針」平成23年6月28日 総合通信基盤局長通達
都道府県防災行政無線及び市町村防災無線について
【無線局管理体制】
○無線局管理責任者を配置するとともに、非常災害時において迅速に対応できるよう指揮命
令系統及び連絡体制を整備
○無線局の運用形態、規模等に照らした無線従事者の適正な配置
○他自治体等との連携の確立
○無線設備の機能を十分維持するための保守点検の定期的実施
【非常災害対策】
○非常災害対策上適当と認められる無線設備の設置状況及び設置場所の確保
○非常災害時において、商用電源の障害が起きた場合でも、無線局が運用可能となるような
予備電源の確保
○特に重要と認められる通信回線を構成する無線局に対する予備装置の備え付け
○非常通信協議会が実施する訓練等、非常災害時に備えた訓練の定期的実施
○災害発生時においても通信が円滑に行えるよう、定期的に回線構成を見直し、改善が必要
な場合は、地域防災計画に盛り込むなどした、非常災害時における通信回線の確実な確保
16
平成27年度総合防災訓練における非常通信訓練等の実施
33
平成27年度総合防災訓練における非常通信訓練等の実施
34
17
35
第78回全国非常通信訓練の実施について(平成27年度)
概 要
➢
大規模災害により、通常の通信手段や情報伝達ができない事態を想定して、非常通信訓練(他機関が保有する自営通
信網を活用することで、被災地から国(内閣府)までの通信を確保する訓練)を実施。
➢ 本件は国のほか、47都道府県、128市町村等が参加。
訓練のポイント
➢
➢
➢
➢
➢
災害により防災行政無線等の通信手段が不通となり、警察、電力会社等の自営通信網等を活用して、被災地の市町村
と都道府県・国との間の非常通信を確保(非常通信ルートを利用した通信訓練)。
この他、大規模災害により非常通信ルートも途絶したことを想定して、衛星携帯電話・衛星通信、防災相互通信、M
CA無線といった多様な通信手段を活用した非常通信訓練も実施。
貸出用の衛星携帯電話等の搬入訓練や通話試験も実施(総務省及び電気通信事業者)。
災害による商用電源の停電を想定して、非常用発電機の稼働訓練、燃料確保訓練を実施。
訓練終了後、非常通信の確保に係る課題やその改善方法について検討。
訓練日時
参加都道府県
(参加市町村数)
参加関係機関
11月11日(水) 午後
北海道(15)、新潟県(2)、長野県(2)、富山県(2)、石川県(2)、福井県(2)、 消防庁、内閣府、警察庁、国土交通省、防衛
沖縄県(2)
省 等
11月17日(火)午後
滋賀県(1)、京都府(2)、大阪府(2)、兵庫県(2)、奈良県(2)、和歌山県(2)、 消防庁、内閣府、海上保安庁、警察庁、国土
福岡県(1)、佐賀県(1)、長崎県(1)、熊本県(1)、大分県(1)、宮崎県(1)、
交通省、関西電力(株)、電源開発(株)
鹿児島県(1)
等
11月18日(水) 午後
消防庁、内閣府、海上保安庁、警察庁、国土
茨城県(2)、栃木県(2)、群馬県(1)、埼玉県(2)、千葉県(2)、東京都(2)、
交通省、防衛省、東京電力(株)、中国電力
神奈川県(4)、山梨県(2)、岐阜県(2)、静岡県(4)、愛知県(2)、三重県(4)、
(株)、西日本旅客鉄道(株)、西日本高速
鳥取県(6)、島根県(2)、岡山県(3)、広島県(2)、山口県(2)、愛媛県(2)
道路(株) 等
11月26日(木) 午前
青森県(16)、岩手県(5)、宮城県(4)、秋田県(2)、山形県(2)、福島県(2)、 消防庁、内閣府、警察庁、国土交通省、東北
徳島県(2)、香川県(2)、高知県(2)
電力(株) 等
出典:総務省報道資料(平成27年11月9日)に基づき作成
第78回全国非常通信訓練(平成27年度)の具体例
36
東京都(渋谷区)…多摩地下を震源としたM7.3の地震(震度6弱以上)
区防災行政無線
(同報系)
非常用発電機
非常用発電機
近隣住民及び近隣に勤務
している被災者が避難。
食料、飲料水、医療等の
支援を区役所に要請。
停電により電源
断、非常用発電
機を稼働(想
定)、東京都へ
燃料手配を依頼。
VSAT
渋谷
消防署
中央防災無線
消防防災無線等
渋谷ヒカリエ
(避難所)
渋谷区役所
都防災行政無線等
内閣府
(災害対策本部)
消防庁
東京都庁
島根県(浜田市)…秋雨前線停滞による大雨で河川氾濫、土砂崩れ
警察
電力
中国電力
県防災行政無線等
浜田市
島根県警
警察庁
非常用発電機
非常用発電機
中国電力
庁舎が商
用電源断
中央防災無線
消防防災無線等
島根県庁
消防庁
内閣府
(災害対策本部)
18
(参考)第77回全国非常通信訓練等の実施(平成26年度)
37
平成26年11月、第77回全国非常通信訓練を、全国の地域非常通信協議会等
において実施。47都道府県、124市町村が参加。
(通信の遅延等訓練で生じた課題等)
・通信機器の故障
・通信機器の障害(機器の再起動により復旧)
・担当者が交代した際の連絡の不備による遅延
・通信ルートや宛先のミス、番号の間違いによる遅延
・担当者が機器の操作に不慣れであることによる遅延
⇒ 通信経路の多ルート化や多層化に伴い、今まで通信を行ったことがない機関同士によ
る通信の機会が増え、それらを運用する上で、今まで想定していなかった新たな課題
が明確になった。訓練を通じた再検証と改善が必要。また、それらノウハウの共有と
人事異動等にも配慮した継承が重要。
平成26年度沖縄県総合防災訓練における非常通信訓練(宮古島市)
①アマチュア局による貸与依頼
②輸送艦より救援車両を陸揚げ
③陸上自衛隊より通信機器を受領
④衛星携帯電話で通信を行う市職員
目次
38
1.災害時における防災行政無線等の役割と被害例
→参考資料集1(新潟県豪雨・中越地震の事例)
2.防災行政無線等の現状
→参考資料集2(内閣府・消防庁関連施策)
3.重要無線通信の確保に係る災害時の対応と平時からの備え
・災害時の情報伝達手段と非常通信協議会の活動
・非常通信体制の総点検と非常通信訓練
・非常通信ルートと非常通信対応マニュアルの見直し
→参考資料集3(総務省関連施策)
4.参考資料集1~3
19
(参考)地方通信ルートの策定
39
《策定における条件》
1 無線局等の選定に当たっては、商用電源の停電を想定して非常用電源の運用許容時間等を考慮すること。
2 自主防災組織や避難拠点など地域・住民と市町村役場間の情報収集・伝達手段について考慮すること。
3 地域防災計画における通信ルート等との整合性を図ること。
出典:非常通信確保のためのガイド・マニュアル(平成27年7月非常通信協議会)P36~39参照
(参考)地方通信ルート策定のフローチャート
地方非常通信協議会
40
情報提供・積極的な調整
訓練・
検証
地域防災計画への反映
・
新たな地方通信ルートの策定
非常通信ルート
無線局情報の協力依頼
・
新たな通信ルートの可能性
通常通信ルート
市町村
地域防災計画の確認・
整理
策定計画の作成・
体制整備
都道府県
避難場所等との情報
収集・伝達手段を考慮
「非常通信事務必携」
等において情報を共有化
地方通信ルート
検証の結果通信ルートの見直し
出典:非常通信確保のためのガイド・マニュアル(平成27年7月非常通信協議会)P36~39参照
20
(参考)防災計画上の位置づけ
41
防災基本計画(平成27年7月7日中央防災会議決定・修正)(抜粋)
○ 国〔総務省等〕、地方公共団体等は、非常通信体制の整備、有・無線通信システム
の一体的運用等により、災害時の重要通信の確保に関する対策の推進を図るもの
とする。この場合、非常通信協議会との連携にも十分配慮するものとする。(P19)
○ 地方公共団体、公共機関等は、自衛隊、海上保安庁等国の機関と協力し、また、
学校、自主防災組織、非常通信協議会、民間企業、ボランティア団体、要配慮者を
含めた地域住民等の地域に関係する多様な主体と連携した訓練を実施するものと
する。(P35)
○ 国、地方公共団体等は、災害時の情報通信手段について、平常時よりその確保に
努め、その整備・運用・管理等に当たっては、次の点について十分考慮するものと
する。(P19~20)
・非常用電源設備を整備するとともに,その保守点検の実施,的確な操作の徹底,専門的な
知見・技術を基に耐震性があり,かつ浸水する危険性が低いなど堅固な場所(地震災害に
おいては耐震性があること,津波災害及び風水害においては浸水する危険性が低い場
所)への設置等を図ること。
・平常時より災害対策を重視した無線設備の総点検を定期的に実施するとともに、非常通信
の取扱い、機器の操作の習熟等に向けて、他の防災関係機関等との連携による通信訓練
に積極的に参加すること。
・通信輻輳時及び途絶時を想定した通信統制や重要通信の確保及び非常通信を取り入れ
た実践的通信訓練を定期的に実施すること。
出典:内閣府ホームページ(http://www.bousai.go.jp/taisaku/keikaku/kihon.html)に基づき作成
目次
42
1.災害時における防災行政無線等の役割と被害例
→参考資料集1(新潟県豪雨・中越地震の事例)
2.防災行政無線等の現状
→参考資料集2(内閣府・消防庁関連施策)
3.重要無線通信の確保に係る災害時の対応と平時からの備え
・災害時の情報伝達手段と非常通信協議会の活動
・非常通信体制の総点検と非常通信訓練
・非常通信ルートと非常通信対応マニュアルの見直し
→参考資料集3(総務省関連施策)
4.参考資料集1~3
21
(参考)災害情報伝達に関する消防庁の検討
43
消防庁では「突発的局地的豪雨による土砂災害時における防災情報の伝
達のあり方に関する検討会」※を昨年10月より開催。4回の会合を行い、4月
10日に報告書が公表された。
※学識経験者、市町村防災担当者、関係府省(内閣府防災、国土交通省、気象庁、総務省)で構成
総務省からは地域通信振興課長、重要無線室長が参加
同報系防災行政無線に関連する主な記載内容
Ⅰ エリアを限定したPUSH型情報伝達手段※の必要性
※同報系防災行政無線、緊急速報メール、自動起動対応の防災ラジオを用いたコミュニティFM、
IP告知システム、登録制メールなど
Ⅱ PUSH型情報伝達手段によるエリアを限定した避難勧告等の伝達
市町村同報系防災行政無線について、エリア分けの機能を活用
戸別受信機の整備に係る財政措置(下記参照)
Ⅲ 情報伝達の確実性・実効性を高めるための取組
デジタル方式同報系防災行政無線の屋外子局の双方向通話装置の活用
戸別受信機に係る新たな財政措置
戸別受信機の整備に係る特別交付税措置の拡充を平成27年度より実施
※無償貸与する戸別受信機の整備を対象としており、有償での貸与、無償譲渡は対象外
(参考)住民への情報伝達手段の整備に際し留意すべき事項
44
地方公共団体における災害情報等の伝達の
あり方等に係る検討会報告書(平成24年12月消防庁)
情報の受け手、災害の種別(地震、津波、風水害等)、気
象条件等によって、効果的な伝達手段が異なってくる。各市
町村における情報の受け手の属性・状況等及び各情報伝達手
段の伝達範囲等の特性を考慮し整備する必要がある。
また、いずれの手段も万全なものではなく、長所及び短所
があるとともに、地震や津波等の災害の外力により、機能が
毀損する可能性がある。
そのため、できるだけ多くの住民に災害関連情報を伝達す
る観点から、それぞれの手段の特徴を踏まえ、できるだけ複
数の手段を組み合わせ、地域の実情に応じた総合的な情報伝
達手段を整備することが必要である。
22
(参考)避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインの一部改定(平成27年8月) 45
出典:内閣府ホームページ( http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinankankoku/index.html )
(参考)防災基本計画修正(平成27年7月)の概要
46
出典:内閣府ホームページ(http://www.bousai.go.jp/taisaku/keikaku/kihon.html)
23
目次
47
1.災害時における防災行政無線等の役割と被害例
→参考資料集1(新潟県豪雨・中越地震の事例)
2.防災行政無線等の現状
→参考資料集2(内閣府・消防庁関連施策)
3.重要無線通信の確保に係る災害時の対応と平時からの備え
・災害時の情報伝達手段と非常通信協議会の活動
・非常通信体制の総点検と非常通信訓練
・非常通信ルートと非常通信対応マニュアルの見直し
→参考資料集3(総務省関連施策)
4.参考資料集1~3
防災行政無線のデジタル化について
48
2001年(平成13年)度から、150MHz帯又は400MHzアナログ防災行政無線(移
動系) については、260MHz帯デジタル方式への移行を推進、60MHz帯防災行
政無線(同報系)についてもデジタル方式の導入を推進しています。
デジタル方式はアナログ方式に比べ、周波数の有効利用に優れ、確実な通
信が可能、秘匿性が高まる、多様な通信機能を具備できるといった特徴を有し
ています。
また、アナログ機器については、既に生産が中止されていたり、修理が困難
なケースが多く、災害対応時に支障が出る可能性もあります。
以上の点をご勘案いただき、アナログ方式を使用している市町村におかれま
しては、機器の更新等の際には、積極的にデジタル方式への移行をお願いま
す。
なお、移動系については、財政力の弱い市町村に限り、電波利用料財源を
活用した「周波数有効利用促進事業」による補助金スキームを準備しています。
24
防災行政無線等のデジタル化の支援
49
周波数の一層の有効利用を促進するため、デジタル方式の防災ICTシステムの整備の推進を図る。
・事業の目的
拡大する電波利用に迅速・適切に対応するため、防災行政無線(移動系)及び消防・救急無線のデジタル化を促進し、周波数
の一層の有効利用を図ることを目的とする。
・事業概要
150MHz帯を使用する消防・救急無線並びに150MHz帯又は400MHz帯を使用する市町村防災行政無線を260MHz帯に移行さ
せる市町村(消防に関する事務を処理する地方公共団体を含む。)に対し、国がその費用の一部を補助するもの。(補助率1/
2)
市町村等
1/2
国
1/2
当初予算額
H25年度
25.0
防災行政無線(
移動系)
ア 事業主体:市町村(消防に関する事務を処理する
地方公共団体を含む)
イ 対象地域:全市町村(財政力の弱い市町村を優先)
ウ 補助対象:消防・救急無線と防災行政無線を260MHz帯へ
移行する無線設備(デジタル無線方式)の整備費
エ 負担割合
(億円)
H26年度
33.6
H27年度
(車載)移動局
(市町村・消防本部)
(携帯・可搬)
移動局
防災行政無線(同報系)
<参考>
デジタル化率(平成26年度末)
防災行政無線
48.9%
消防・救急無線 97.6%
消防・救急無線
整備支援対象
34.7
同報系防災行政無線の低廉な方式の導入の考え方
50
○ 現行方式(16QAM)よりも、QPSK方式、4値
FSK方式では、機器コストの低廉化要素のほか、
現行方式に比べて同一の回線条件(基準BER)
における所要C/Nが低く、受信エリアを広くとる
ことが可能。
その結果、戸別受信機受信端での受信機入
力電圧に余裕が生じる。
○ その結果、戸別受信機の外部アンテナ不要箇所を広げることができ、受信宅での取付工
事や調整業務を削減可能。
電波伝搬特性
親局
(市町村役場)
(現方式)
(新方式)
電波の強さは、親局からの距離に
反比例し、減衰していく
受信可能な電波到
達範囲が拡大
25
「60MHz帯デジタル同報系防災行政無線の低廉化」について
51
60MHz帯同報系防災行政→ 平成13年からデジタル方式を導入。平成27年3月、普及率が41.4%
 デジタル化の促進に資する新たな方式を検討
方式検討
高額な
整備費用が
ネック
① 機能については、音声と付加的機能に限定
ただし、J‐ALERT連動は必須機能
② 所要受信機入力電圧を低減可能な方式を採用
⇒ 戸別受信機の外部アンテナ不要の地域を拡大
③ 時分割多元接続(多重化)方式は、採用しない
簡素な方式
による低廉
化を実現
機能検討
移動系で実績を持つ
QPSK及び4値FSK方式を
導入
屋外拡声試験による音質評価の実施結果(日本音響学会関係者参加)
音声符号化方式
低ビットレー
ト下の音声
品質の確保
評価結果
判定
S方式(16kbps)【現行】
アナログに対比して優位
◎
AMR-WB+(10kbps)
アナログに対比して優位
◎
AMR-WB+(6kbps)
アナログに対比して同等
○
AMBE+2(2.45kbps)
アナウンスはアナログに対比して同程度。
サイレン、ミュージックチャイム、Jアラートは、 △
音源蓄積対策が必要と想定。
AMR‐WB+(6kbps)以
上がアナログ方式と
同等程度の拡声品
質確保が可能
新たな方式による所要受信機入力電圧の試算
所要受信機入力
電圧 dBμV
():審査基準から
の改善
16QAM
QPSK
(15kHz)
4値FSK
(15kHz)
(7.5kHz)
25.1
(0)
13.2
(‐11.9)
14.6
(‐10.5)
10.2
(‐14.9)
同一条件で
通達距離を
試算
QPSK
親局
出力10W
空中線高20m等
16QAM
アナログ
4値FSK(15kHz)
QPSK(15kHz)
QPSK(7.5kHz)
QPSK
15kHz →22.5kbps
7.5kHz→11.25kbps
4値FSK
15kHz →9.8kbps
7.5kHz→4.8kbps
(採用せず)
到達範囲の改善に
おいて戸別受信機
の屋外アンテナ設置
数を低減
→ 導入コスト試算
で20%弱まで低
廉化
1.04km
1.90km
1.91km
2.07km
2.46km
 デジタル同報系防災行政無線に【QPSK 15kHz、7.5kHz及び4値FSK15kHz】を新たに追加
今後の予定:現在、業界団体で標準化作業を進めている。H28頃製品化見込み
導入コストの試算結果
52
町村モデル
市モデル
戸別受信機配備率:100%(対象:4,548世帯)
489.9
(100%)
500
78.8
(100%)
378.9
(77%)
400
62.0
(79%)
300
414.1
(85%)
73.6
(93%)
戸別受信機配備率:50%(対象:20,496世帯)
基地局・拡声子局
戸別受信機
屋外アンテナ工事
399.9
(82%)
410.6
(84%)
70.2
(89%)
73.6
(93%)
386.9
(75%)
2,000
241.8
(100%)
213.8
(82%)
245.6
(95%)
227.4
(88%)
245.6
(95%)
222.9
(86%)
103.1
(68%)
94.9
(62%)
102.3
(67%)
91.5
(60%)
93.1
(61%)
1737.9
(84%)
223.9
(93%)
1,000
0
942.8
(82%)
684.5
(100%)
464.6
(68%)
1722.4
(83%)
1659.7
(80%)
1601.2
(77%)
214.9
(89%)
223.9
(93%)
1086.3
(95%)
983.8
(86%)
1086.3
(95%)
983.8
(86%)
427.7
(62%)
461.0
(67%)
412.2
(60%)
419.6
(61%)
1147.8
(100%)
500
151.9
(100%)
1584.1
(76%)
126.7
(73%)
1,500
200
基地局・拡声子局
戸別受信機
屋外アンテナ工事
2074.1
(100%)
71.0
(90%)
259.2
(100%)
100
2,500
197.9
(82%)
0
16QAM(現行)
アナログ
変調方式
16QAM(現行)
町村モデル
アナログ
QPSK(15kHz)
4値FSK(15kHz)
QPSK(7.5kHz)
4値FSK(7.5kHz)
16QAM(現行)
市モデル
アナログ
QPSK(15kHz)
4値FSK(15kHz)
QPSK(7.5kHz)
4値FSK(7.5kHz)
QPSK(15kHz)
4値FSK(15kHz)
QPSK(7.5kHz)
4値FSK(7.5kHz)
実効入力電圧
屋内アンテナの 屋外アンテナの
通達距離(km)
(dBµV)
戸数
戸数
25.1
14.7
13.2
14.6
10.2
11.5
25.1
14.7
13.2
14.6
10.2
11.5
1.04
1.9
2.07
1.91
2.46
2.28
1.04
1.9
2.07
1.91
2.46
2.28
1,510
2,486
2,650
2,502
2,719
2,686
6,806
11,204
11,943
11,277
12,253
12,105
3,038
2,062
1,898
2,046
1,829
1,862
13,690
9,292
8,553
9,219
8,243
8,391
整備費総額
(百万円)
489.9
378.9
414.1
399.9
410.6
386.9
2,074.1
1,584.1
1,737.9
1,659.7
1,722.4
1,601.2
16QAM(現行)
アナログ
QPSK(15kHz)
戸別受信機単
(16QAMと 屋外アンテナ工 (16QAMと
価(千円・据付工
の比較)
事(百万円)
の比較)
事費込)
-
77%
85%
82%
84%
79%
-
76%
84%
80%
83%
77%
151.9
103.1
94.9
102.3
91.5
93.1
684.5
464.6
427.7
461.0
412.2
419.6
-
68%
62%
67%
60%
61%
-
68%
62%
67%
60%
61%
57
47
54
50
54
49
56
46
53
48
53
48
4値FSK(15kHz)
戸別受信機
(百万円)
259.2
213.8
245.6
227.4
245.6
222.9
1,147.8
942.8
1,086.3
983.8
1,086.3
983.8
QPSK(7.5kHz)
4値FSK(7.5kHz)
(16QAMと 基地局・拡声子 (16QAMと
の比較)
局(百万円)
の比較)
-
82%
95%
88%
95%
86%
-
82%
95%
86%
95%
86%
78.8
62.0
73.6
70.2
73.6
71.0
241.8
176.7
223.9
214.9
223.9
197.9
-
79%
93%
89%
93%
90%
-
73%
93%
89%
93%
82%
26
260MHz帯デジタル移動系防災行政無線における4値FSK方式の導入 53
150MHz/260MHz/400MHzにおける
防災行政無線の周波数利用状況
移動系業務用無線に用いられる周波数帯の主な用途等及び方式
防災行政無線については、従来から150MHz/400 MHz帯のアナログ方式が用いられていたが、平成
13年に260MHz帯のデジタル方式(π/4シフトQPSK)
が制度化され、移行が進められている。
現行方式のデジタル防災行政無線は、高機能であ
るが、整備費が高額であり、普及が進んでいない。
周波数帯
主な用途等
方式
150MHz帯
地方自治体の公共業務、電力・ガス・運輸交
通等公共機関、放送事業者の音声放送番組
中継、船舶通信、一般私企業の各種業務
アナログ
デジタル
260MHz帯
地方自治体の公共業務
デジタル
400MHz帯
地方自治体の公共業務、電力・ガス・運輸交
通等公共機関、一般私企業の各種業務
アナログ
デジタル
音声中心(アナログと同程度の機能)の簡素なデジ
タル方式(4値FSK)を導入することによりデジタルへ
の移行促進を図る「150/260/400MHz帯業務用移動無線の
周波数有効利用」(H26.3.25情通審答申)
260MHz帯移動系市町村防災行政無線の整備率の推移
デジタル方式の比較
方 式
総伝送速度
移動体への適用実績
【現行】π/4シフトQPSK
9.6kbps
携帯電話(第2世代)、PHS、タクシー
無線、消防無線、警察無線等
特 徴
狭帯域で比較的高レートの伝送が可能
【追加】4値FSK
4.8kbps
簡易無線、一般業務無線等
多くのメーカーで製造可能
やや低レートの伝送となるが、回路構成が単純で
あり、機器価格の低廉化が可能。低消費電力。
260MHz帯デジタル移動系防災行政無線における4値FSK方式の導入 54
期待される効果①:導入コストの低減
試算の条件(システム構成)
項目
サービスエリア
試算に基づくシステム費用
条件
1基地ゾーンシステム
最小値
方式
移動局(車載型) 50台/市町村
チャネル数
TDMA:1波(4スロット)
SCPC :2波
非常用電源
24時間
π/4シフトQPSK(現行方式)
(260MHz,TDMA)
4値FSK
(150MHz,SCPC)
平均値
(最大値を除く)
上段:概算額(単位:千円)
下段:現行方式を100%した比率
77,850
100%
37,760
49%
89,840
100%
46,203
51%
平成24年度技術試験事務「防災無線の高度利用技術等に関する調査検
討」において、メーカー5社へのアンケート調査を行った結果に基づき試算
期待される効果②:メーカーの新規参入
4値FSK方式の送受信機は、アナログのFM変調方式と同様に簡単な回路構成で製造可能
既に4値FSK方式簡易無線機等を製造しているメーカーの、防災行政無線分野への新規参入が期待される。
今後の予定
現在、業界団体で標準化作業を進めており、年末頃目途に規格化の予定。H28頃製品化見込み
27
(参考)公共ブロードバンド移動通信システム(1/3)
55
利用方法・導入効果
(参考)電波政策ビジョン懇談会での検討
56
「電波政策ビジョン懇談会 最終報告書」(平成26年12月)において、LTE方式の導入
による共同利用型の防災無線ネットワークの構築について記載。
第1章 新しい電波利用の姿
2 我が国における電波利用の将来
(3)2020年以降に実現が期待される無線システム
このような電波利用の姿を実現していくためには、
④ 安心安全のためのネットワークの多様化・多層化
~業務無線の活用と衛星インフラ活用の拡大
④ 安心安全の確保のためのネットワークの多様化・多層化
また、携帯電話システムに係る国際標準化団体である 3GPP において、LTE システム上に
Public Safety 向けの機能を標準化するための作業が進められており26、米国ではFirstNet におい
て、この LTE 技術の導入が進んでいる27。我が国においても、これらの国際的動向も踏まえ、平時
にも利用できる LTE を活用したシステムの導入について検討を推進していく必要がある。
例えば、現行の「公共ブロードバンド移動通信システム」28の利用が開始されたところであるが、
LTE 方式の導入による共同利用型の防災無線ネットワークの構築を促進することにより、災害現
場の映像を伝送し救助活動を適切に実施できるようにしていくべきである。この際、災害時におけ
る防災目的だけではなく、平時から様々な目的にも利用できるようにすることにより普及を後押し29
することを検討すべきである。
26
3GPP はパブリックセーフティー機能の標準化を進めており、基本的機能は 2015 年(平成 27 年)3月に完了予定。今後、LTE 技術をベースにしたシステ
ムの導入が欧米等で進むと考えられる。
米国は 2012 年(平成 24 年)に商務省を中心に FirstNet 設立。韓国では、2017 年(平成 29 年)までに LTE技術を用いて Public Safety 向けの全国網を
構築することを決定した。
28 アナログ TV 跡地(170‐202.5MHz)に導入。2010年(平成 22 年)8 月に技術基準の策定等を行い制度化されている。
29 このネットワークを電気通信事業者が運営し、共同利用することにより、効率的な周波数の利用が可能となるとする意見もあった。
27
28
Fly UP