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モジュール・テーマ:責任ある研究・開発活動を進めるために

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モジュール・テーマ:責任ある研究・開発活動を進めるために
添付資料1
2.3 授業展開例
モジュール・テーマ:責任ある研究・開発活動を進めるために
授 業 概 要
目
的
対象クラス等
実 施 時 間
仮 想 事 例 ( The Lab ) の 検 討 な ど を 通 し て 、「 責 任 あ る 研 究 ・ 開 発 活 動
(Responsible Conduct of Research and Development: RCRD)を推進するた
めに、必要な基本的知識や概念を習得するとともに、研究・開発に携わるもの
が持つべき価値を理解する。また、研究・開発の実践に必要な倫理的な感受性
と問題解決能力を高める。研究倫理や企業等の研究・開発に関わる倫理的問題
および責任について理解する.研究におけるねつ造・改ざん等の不正の問題や,
スピンオフの際の守秘義務違反,不正競争防止法違反,知的財産権侵害などに
ついて基礎的知識を獲得し,研究・開発に関わる倫理の特質について理解する.
1. 「責任ある研究・開発活動」、
「疑わしい活動」
、
「研究不正(捏造、改ざん、
剽窃などの特定不正を含む)」などの用語と概念を理解し、具体的な事例
をあげることができる。
2. 研究開発における優れた意思決定と行動がもたらす結果について、具体的
な事例をあげながら説明できる。また、研究不正など間違った意思決定と
行動がもたらす結果とその影響について、具体的な事例をあげながら説明
できる。
3. 日本学術会議の「声明:科学者の行動規範」などに示された、研究・開発
に携わるものが共有すべき価値について理解し、これらが具現化された事
例を説明できる。
4. 「利益相反」、「ヒトを対象とする研究にかかるプロトコール」「データの
収集や管理と所有権」、など、責任ある研究活動を推進する上で遵守すべ
き規範や規則について理解する。
5. 責任ある研究開発を進める上で、遵守すべき法律や規制、ガイドラインな
どについて理解する。
6. 研究開発を進める際に起こりうる倫理的問題を疑似体験し、倫理的感受性
と問題解決能力を向上させる。
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学部高学年以上で、特に、研究開発に関与する可能性のある大学生
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大学院生、ポストドクトラル・フェロー
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若手研究者、開発者
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倫理的意思決定の方法(セブン・ステップ・ガイド)を既習のこと。
90 分授業×2コマ,計 180 分で構成
講義1
【講
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義
構
成】
高度技術社会における研究開発の意義などを、優れた事例(Good Work)
(テレビ番組「夢の扉+」などから引用)を通して、解説する。
一方、実際に起こった事例(ベル研究所データ捏造事件など)を通して、
研究不正などが起こっている現実とその構造的原因などを解説する。
(科
学研究の価値観が CUDOS から PLACE へと変化していることなど)
「責任ある研究活動(RCR:Responsible Conduct of Research)」、「疑
わしい研究活動(QRP:Questionable Research Practice)」
、「研究不正
(Misconduct)」などの概念を、具体的事例を使って解説する。
研究開発に携わるものが重視すべき価値について、日本学術会議の「科
学者の行動規範」などを基に、解説する。
倫理的意思決定の方法(セブン・ステップ・ガイド)を再確認する。
「The Lab」を使って、大学院生 Kim の意思決定の様子とその結末をク
ラス全体で議論する。
自習課題について解説する。
↓
1
添付資料1
自習課題
-
-
2.3 授業展開例
1
「The Lab」の登場人物を最低ひとり選び、倫理的意思決定を疑似体
験する。その際、セブン・ステップ・ガイドを活用する。
日本学術会議の「科学者の行動規範」と自分の専門分野の倫理綱領を
比較し、類似点と相違点を示すレポートを作成する。
優れた研究開発(Good Work)の事例をひとつ選び、簡単な調査を行
う。その研究開発が優れていると考える理由を明記する。
日本学術振興会「科学の健全な発展のために」編集委員会編『科学の
健全な発展のために—誠実な科学者の心得』(2015 年)を通読する。
↓
講義2
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「The Lab」で擬似的な意思決定を行った結果についてグループでディス
カッションをする。優れた意思決定がもたらす結果と間違った意思決定
がもたらす結果を比較し、それぞれの登場人物が、各場面で重視した価
値について、学術会議の行動規範などを参考に整理をする。
複数のグループに、討議結果を発表してもらう。
発表内容について,担当教員から知識・情報の不足を指摘する。
「The Lab」のなかで PI と妻との会話(研究者・教育者の役割、仕事の
意義などに関する会話)を使い、
「何のために研究をするのか」について
グループおよびクラス全体で議論する。
「The Lab」のなかでポスドクと妻の関係について参照しながら、ワーク
ライフバランスについて、クラス全体で検討する。
優れた研究開発(Good Work)の事例をひとつ紹介し、そこに具現化さ
れた価値について、各グループで検討する。
ICSU/UNESCO によるブタペスト宣言(「科学と科学的知識の利用に関
する世界宣言(1999 年)、EU における「Responsible Research and
Innovation」の展開、Ed Harris の「Design for Well-being」の概念、米
国工学アカデミーの「Grand Challenges for Engineering」などについ
て紹介し、「aspirational ethics(志向倫理)」の重要性を強調する。
グループディスカッションの結果を、上の観点から整理する。
責任ある研究活動が、社会と個人の「well-being」を高めることを強調す
る。(モジュール0を参照)
↓
自習課題
2
■ 不足していた知識・情報について,各自に情報収集をさせ,知識の
獲得,定着を図る。
■ CITI Japan の適切な章を学習し、内容を理解する。
(必要な場合は、
修了書を提出する。)
■ 自らが所属する組織(研究室など)のミッションステートメントと
倫理綱領を作成する。その際、参考にした規範や資料などを明記す
る。
■ 優れた意思決定を行ったと考えられる人物に関するレポートを、そ
の人物の価値観や行動規範および徳性に注目して作成する。
2
添付資料1
2.3 授業展開例
学習成果測定
【理解】
日本学術会議の「科学者の行動規範」と自らの専門分野の学協会の持つ倫理綱領を比較し、
相違点と類似点を指摘できる。
「責任ある研究活動」「疑わしい研究活動」「研究不正」などの用語の意味を説明できる。
「利益相反」
、
「インフォームド・コンセント」などの用語の意味を説明できる。
【スキル】
研究開発活動に関する事例に含まれる倫理問題を認識し、セブン・ステップ・ガイドを適
用して解決策を提示できる。
【態度】
- 研究開発に携わるものが持つべき価値観を共有しようとする態度を、自らが尊敬する研究
者・技術者に関するレポートを通して示すことができる。
(このレポートでは、そのような
研究者・技術者の価値観や行動規範および徳性に注目する。所属研究室などの研究代表者
であれば、なおよい。)
- 自らが所属する組織(研究室など)のミッションステートメントと倫理綱領を積極的に考
案できる。
■ 授業手法
米国の研究公正局(Office of Research Integrity)が作成したビデオ教材「The Lab」
を使った Inverted Classroom 形式で、ディスカッションなどを通して倫理的判断
能力を伸ばす
優れた研究開発(Good Work)に関する事例のレポートおよび発表を通して、研究
開発に携わるものが共有すべき価値を明確にし、これを共有しようとする態度を育
てる
研究活動にかかわる立場の違いを理解し、それぞれの立場で重視すべき価値をグル
ープ・ディスカッションなどを通して、理解する。
RCR に関する基礎的な知識の獲得と概念・規制・ガイドラインなどの理解には、
CITI Japan を活用する。
■ 講義資料
­ 授業中に用いる事例の概要(配付資料として提供)
­ 日本学術会議「声明:科学者の行動規範」(2006 年)、および同「声明:科学者の
行動規範 改訂版」(2013 年)
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日本学術振興会『科学の健全な発展のために—誠実な科学者の心得』(丸善、2015
年)(内容:1. 責任ある研究活動とは;2. 研究計画を立てる際の責任;3. 研究を
進める上での責任;4.研究成果を発表する上での責任;5. 研究成果を守る上での
責任; 6. 共同研究で責任ある研究活動をどう進めるか; 7. 研究にかかるお金を適
切に使用する責任; 8. 科学研究の質の向上に寄与する責; 9. 社会の中で科学者が
果たすべき役割
­
CITI Japan
­ 説明用 PPT
­
DVD 「The Lab」(日本語版)(URL: http://lab.jst.go.jp)
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