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キャリテック株式会社 導入事例

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キャリテック株式会社 導入事例
成 功 事 例 集 2009
ERPシステム
キャリテック株式会社
業務効率と競争力強化のために
フルオーダーによる業務システムを導入
競合他社の追随を許さない基盤を整備
導入の狙い
業務の効率化と競合他社との差別化
を図るシステムの導入
導入システム
導入の狙い
導入効果
導入システム
フルオーダーシステム
導入の狙い
販売
・購買支払、管理会計、
導入効果
レイバースケジュール
『SMILEie
会計/人事・給与システム』
導入システム
導入効果
20名いた事務スタッフを
人員の最適配置で3名に、
レイバースケジュールの活用による
人件費の大幅削減
物流の一括総合管理を得意とし、一般貨物の配送のほか、倉庫保管など総合的な物流サービスを提供する
USER
キャリテック株式会社は1968年の創業から40年間、一般貨物の配送はも
ちろん、倉庫保管や構内作業などの総合物流サービスを提供し、首都圏を
中心に業績を伸ばしている。主に大手食料品卸を取引先とし、得意分野は
物流の一括総合管理だ。同社は2001年、それまでのオフコンによる本部
集中管理から『SMILEie』に移行した。その後、フルオーダーシステムによ
る販売・購買管理、管理会計、レイバースケジュールの各システムを導入。
これにより、業務効率を劇的に進歩させるとともに、競合各社と一線を画
す独自の物流システムを実現した。
PROFILE
キャリテック株式会社
●
業種:一般貨物自動車運送
●
事業内容:大手食品を中心とした物流業
務委託、一般配送
●
従業員数:約3,000名
『SMILEie』導入で業務効率の
向上と経費削減を達成
キャリテック株式会社は、東京都
板橋区での創業以来、積極的な営業
『SMILEie』に移行したことで業務効率を劇的に
進歩させたキャリテック株式会社
2008年12月取材
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スの基本と考え、インターネット時代
が求める、高付加価値サービスとして
グローバルなロジスティクスシステム
を構築するなど、常識にとらわれな
い物流改革を実現させている。
展開で関東、東北、九州、四国へとサ
現在では、グループ各社を含めた
ービスエリアを拡大させてきた運送
全国90ヶ所の事業所を拠点に、物流
会社だ。
センターの運営代行から配送までを
同社では、経営理念にもあるよう
に、
「顧客ニーズ第一主義」をサービ
一手に引き受け、さまざまなお客様
の物流業務を担っている。
●キャリテック株式会社
「従来は、自前で物流センターを抱
えていた企業が、近年ではその機能
をアウトソーシングすることが多く、
潜在的なニーズが多い業界だと思い
フルオーダーで
オリジナルシステムを次々に構築
今回導入するシステムがパッケー
ます。そのため、比較的チャンスに恵
ジ製品ではなく、フルオーダーによる
まれているのですが、その一方で燃
システム構築となった理由は、同社
料費や車両の維持管理費の高騰とい
が物流のアウトソーシングの中でも
ったマイナス要因もあるので安心は
特に流通倉庫の管理・保守業務といっ
できません。リスク回避をしながら、
た物流部門の一括総合管理を得意と
訪れるチャンスを確実に掴んでいく
している点が大きいという。
ことが、この時代の経営戦略だと実
「物流を含めた倉庫のアウトソーシ
感しているところです」と管理本部
ング業務は、契約形態はもちろん、
経理部 システム課 課長 根田 博史氏
業務範囲もお客様によってさまざま
は分析する。
なため、案件ごとに個別の対応が求
同社では、これまでも業界内での競
められるのが特徴です。そのため、既
争力向上を目標に、最新の情報シス
存のパッケージソフトでの対応では
テムを積極的に導入し、経営のスピー
どうしても難しい。また、レイバース
ドUPと社内業務の効率化に取り組ん
ケジュールは当社が構築したコンセ
できた。2001年4月、同社は全国に
プトに基づく独自の物流ソリューシ
拡がる拠点をネットワークで結ぶ広域
ョンでもあり、オリジナルシステムを
ネットワークシステムの構築を目指し、
構築する必要があると判断しました」
大塚商会のWeb対応ERPパッケージ
と根田氏は語る。
ソフト
『SMILEie』財務管理モジュール
まず導入されたのが販売・購買管理
を 導 入 。さら に 1 1 月に は 同じく人
システムだ。このシステムを導入し
事・給与管理モジュールを導入した。
た目的の一つが、全国に展開する拠
業務フローを見直して標準化を進
点での販売・購買管理に対し、それら
めるとともに、きめ細やかなコストマ
が正しく行われているのかをチェッ
ネジメントによって徹底的な経費削
クすることだった。しかも、今回の導
減を実現してきたのである。
入によって、そのチェックをシステム
当時の効果について、根田氏は「伝
票の手入力や重複入力をなくすこと
で、業務の効率化を図ることができ、
管理本部 経理部 システム課
課長
根田 博史氏
「他のベンダーと比べ、大塚商会さんは弊
社が求めるものに一番近いサービスや商
品を提案してくれますね。しかも、導入後
の追加や変更についても我々に足りない
部分や見落としがちなところまで丁寧に
サポートをしてくれ、助かっています」
側でもサポートするという大規模な
ものだ。
「今回の販売・購買管理システムの
空いた時間をより生産性の高い作業
導入を機に、販売管理では個々の契
にシフトすることができました」と振
約を、購買管理では取引先をそれぞ
り返る。
れマスタとして登録するように業務
こうした評価を背景に、同社はさら
フローを見直し、工程を標準化しま
に販売・購買管理、管理会計業務、レ
した。その結果、業務の内容や適合
イバースケジュールの各システムを
性のチェックを本社と拠点の双方で
フルオーダーによる構築・導入へと進
できるようになり、業務の効率化と
めていった。
透明性を向上させることに成功した
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成 功 事 例 集 2009
ERPシステム
のです。このチェック機能によって内
これにより、所長や本社役員により
部統制面での効果はもちろん、請求
多くの判断材料を提供できるように
漏れを削減できるようになりました。
なりました」と、根田氏はフルオーダ
また、今後の販売・購買予定も登録で
ーシステムならではの利点を語る。
きるため、次月の販売予測や購買予
定も今まで以上に正確に見積もれる
ようになりました」と根田氏は語る。
続いて導入された管理会計システ
指紋認証による勤怠管理の導入で
20名いた事務職員を3名に
ムは、会議が近づくたびに資料の作
同社が得意とする流通倉庫の管理・
成に追われて、徹夜作業が続く所長
保守業務の最大のポイントは人材配
らの手間を大幅に削減。迅速に資料
置の最適化にある。物流拠点の中に
を用意できることで、作成した資料の
は200名以上の従業員を抱えるとこ
読み込みや分析業務に、より多くの時
ろもあり、同社では勤怠管理から業務
間が割けるようになったという。
の振り分けまでをトータルで管理でき
「これまでは、各拠点の所長が必要
るシステム作りを必要としていた。そ
なデータを自分で集め、エクセルな
の最初の一歩として取り組んだのが、
どを使って資料を作成していたので
指紋認証による勤怠管理だった。
すが、
これが実に大変でした。しかも、
「タイムカードを廃止し、指紋認証に
それぞれが自分で作るため、フォーマ
よる出勤管理を導入したことで、タイム
ットがばらつくなど見にくいところも
カードの押し忘れや押し間違いといっ
ありました。導入によって作業の効
た人為的ミスを一掃するとともに認証
率化に加え、これまでのように当月
データがそのまま勤怠データとしても
や過去のデータを集計するだけでは
使えるようになりました。これにより
なく、次月分の収支予測なども含め
勤怠管理にたずさわる20名の本社事
た資料の作成が可能になりました。
務職員が、今では3名のオペレータで
と根田氏は語る。
間に合っています」
■システム構成図
今回のシステム導入を機に実現さ
東京本社
大塚商会第2センター
(渋 谷)
Active Directory
サーバ
が掲げる「レイバースケジュール」を
より確かなものへと進展させていく
Webサーバ
承認・文書管理サーバ
サイボウズガルーンサーバ
IP-VPN
回線
基幹用
ルータ
指紋サーバ
TEST&指紋サーバ(障害時用)
APサーバ
各事業所・センター
れた勤怠情報のデータ化だが、同社
SMILEie データベースサーバ
ストレージ
MSクラスタ
ためにも必要不可欠だったという。
「レイバースケジュール」とは、人に
仕事を割り当てるのではなく、仕事
に応じて人材を配置するという考え
方を根底に持ち、季節や曜日によっ
て作業量が変動する流通業に最適化
された人材活用の手法である。
同社は業務フローの標準化を通して、
この仕組みを積極的に取り入れ、競合
他社とのサービスの差別化に成功した。
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●キャリテック株式会社
「物流倉庫の管理・保守業務で重要
なのは、予定されている作業量に応
じ、最適な人材配置ができるかに尽
きるといっても過言ではありません。
今回導入した販売・購買管理システム
により、次月に予定される作業量が正
確に把握できるので、我々はそれに
基づいた適切な人材配置が可能にな
りました。しかも、社内の各システム
が連携しているため、システムを使い
作業効率の向上によって空いた時間をより生産性の
高い業務にシフトできるようになった
込むほどに次月の予算や作業量の策
定精度を高めることができ、よりシビ
て、根田氏は本来の業務に集中でき
アな人材配置計画の立案や人件費の
るようになったと語る。
削減ができます。また、作成した人材
また、今後も同社はシステムを積極
配置計画と実際の出退勤データとを
的に改善をしていく意欲を見せてい
付き合わせることで従業員の勤務実
る。実際、管理会計システムに関して
績を公正に評価できるようになりま
は市場状況に応じて帳票項目の細か
した。こうした機能やシステム間の連
な手直しを行うなど、システムの改善
動を実現するため、大塚商会さんに
に余念がない。
は無理なお願いもしてきましたが、お
「最初の『SMILEie』の導入からも
かげさまで人材配置計画を作業単位
う6年以上経過し、変更したいところ
ごとに行えるなど、使い勝手が大幅
は少なからずありますね。中には機
に向上しました」
と根田氏は話す。
能的に使いこなせていない部分もあ
るので、今後はもう少し使いやすさを
さらなるシステム改善によって
業務効率化とサービス向上を目指す
追求していこうと思います。また、レ
イバースケジュールについては、作成
した人材配置計画に対し、この日はも
今回の販売・購買管理、管理会計業
う一人入れるとちょうど良いとか、こ
務、レイバースケジュールの各システ
の日は逆に2人分余っているといった
ムの追加導入により同社のシステム
ことがわかるような仕組みを取り入
構築は一段落した。その結果、業務
れたいですね。作成した人材配置計
の効率化や競合他社との差別化など、
画を客観的に評価する基準を提示で
その効果を実感できるようになって
と根田氏。
きればと思っています」
きたと根田氏は語る。
勤怠管理に指紋認証を導入したことで従業員の勤
怠計算の作業を大幅に削減することに成功した
同社は事業の進展に応じてシステ
2007年11月にはSMILEieデー
ム化をさらに進め、ポータルの導入
タベースを始め、承認・文書管理サー
や文書管理、承認システムなどにも
バ、指紋サーバなどを大塚商会のiDC
積極的に取り組んでいきたいと考え
(インターネットデータセンター)に移
ている。今回のシステム導入で作業効
行。停電や災害対策といった管理面
率を驚くほど向上させた同社のさら
の強化やサーバ管理負荷軽減によっ
なる活躍に期待したい。
キャリテック株式会社のホームページ
http://www.cary.co.jp/
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