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平成 23 年度 業績に関するお知らせ
平成 24 年 6 月吉日 宮交ホールディングス株式会社 代表取締役社長 平成 23 年度 塩 見 修 業績に関するお知らせ 当社グループは、口蹄疫を始めとする多くの外部要因の影響により収益が大幅に 落ち込んだ前期の状況に鑑み、新たに「3 ヶ年改善計画」を策定いたしました。当期 はその初年度として、売上高の回復や経営効率の更なる向上を目指すと共に、改革を 推進するために、持株会社である当社と事業会社の役割を整理(事業本部制を廃止) し、収益責任をより明確化するなどの経営体制変更を実施するなかでスタートいたし ました。 上期においては、新規に指定管理を受託した「国民宿舎 えびの高原荘」 「石崎の杜 歓鯨館」の運営を 4 月より開始、県内タクシー業界では初めてとなる電気自動車の導 入や、宮崎観光ホテルおよび宮崎・青島パームビーチホテルにおける婚礼・レストラ ン施設のリニューアルなどにより、収益の回復を目指しました。しかしながら、前期 に発生した新燃岳の爆発的噴火や東日本大震災・原発事故の影響は甚大であり、特に 第 1 四半期においては大幅な減収を余儀なくされ、大変厳しい状況で推移いたしまし た。 下期に入り、経済環境にも好転の兆しが見えるなか、バス事業では「宮崎駅バスセ ンター」(宮崎駅西口)の新設にあわせた路線の見直しやJRとの結節強化を 10 月よ り実施、お客様の利便性向上が奏功し、宮崎地区においては乗車人員が増加基調で推 移いたしました。また、こどものくに事業における「宮崎市青島パークゴルフ場」指 定管理の新規受託や、宮崎ビルサービスにおいても新規の清掃・管理物件を受託する など、引き続き積極的に収益の拡大に取り組みました。更に、当期より開始した従業 員による「お客様紹介制度」の活用による増収策や、経費の見直しを徹底するなど全 グループを挙げて取り組んだ結果、第 4 四半期には収益の大幅な改善をみるに至りま した。 以上の結果、当期の連結売上高は 163 億 26 百万円(前期比 99.2%)、連結営業利益 は 6 億 30 百万円(前期比 157.5%)、法人税等を差し引いた連結当期純利益は 74 百万 円(前期は純損失1億 51 百万円)となりました。 1 1. 営業成績の状況 (1)グループ業績(連結ベース) (単位:百万円) 【連結グループ業績】 今期実績 前期実績 前期比較 前期比(%) 営 業 収 入 16,326 16,454 △127 99.2 営 業 損 益 630 400 230 157.5 経 常 損 益 32 △ 158 191 - 当 期 純 損 益 74 △ 151 226 - △ 10 1,485 1,495 99.3 注 1)数値については、連結ベースでございます。 注 2)連結子法人は次の 6 社でございます。 宮崎交通㈱、宮交タクシー㈱、㈱宮崎観光ホテル、 青島リゾート㈱、 宮交ショップアンドレストラン㈱、 宮崎ビルサービス㈱ 注 3)持分法適用法人は、次の 3 社でございます。 償却前営業利益 宮崎空港ビル㈱、宮崎パブリックゴルフ㈱、宮交エアグランドサービス㈱ 注 4)上記数値は、百万円未満を切り捨てて表示しております。 注 5)バス事業における路線補助金収入を従来は特別利益に計上していましたが、 当期から営業収入へ計上しております。当期の金額は、218 百万円でありま す。 (2)事業部門別業績(連結ベース) (単位:百万円) H23 年度 事 業 別 営業収入 実 績 営業損益 償却前営業利益 比較 償却前 前期比較 営業利益 180 543 18 103.5 旅行・航空事業 1,214 108 116 1 101.5 こどものくに事業 102 △ 57 △ 30 △ 6 保 業 175 67 68 2 103.8 熱源センター事業 245 28 37 △ 11 77.3 本 社 192 71 121 15 114.5 小 計 7,065 400 857 20 102.4 宮 交 タ ク シ ー ㈱ 1,961 22 52 △ 59 46.8 ㈱ 宮 崎 観 光 ホ テ ル 3,364 185 379 69 122.4 青 島 リ ゾ ー ト ㈱ 1,254 △ 8 113 △ 9 92.0 宮交ショップ&レストラン㈱ 2,434 △ 38 5 △ 93 5.7 宮崎ビルサービス㈱ 1,083 65 73 52 352.3 宮交ホールディングス㈱ 271 3 4 1 133.6 去 △ 1,106 0 0 9 連 結 売 上 高 合 計 16,326 630 1,485 △ 10 宮 崎 交 通 ㈱ 5,134 結 ス 険 事 (%) 業 連 バ 前期比 事 消 注1) 上記数値は、百万円未満を切り捨てて表示しております。 注2) バス事業における路線補助金収入を従来は特別利益に計上していましたが、当期 から営業収益へ計上しております。当期の金額は、218 百万円であります。 2 - 99.3 2.事業部門別の概況 ①宮崎交通㈱ バス事業 一般路線バスでは、4 月に高鍋管理所を中央自動車営業所に、日向管理所お よび高千穂管理所を延岡自動車営業所にそれぞれ統合し、業務の効率化を実施 いたしました。また、10 月には宮崎駅バスセンターの新設に伴う路線の見直 し・JRとの結節強化などお客様の利便性向上を図り、宮崎地区では前期を上 回る乗車人員(前期比較 3 千人 100.1%)となりました。しかし、地方におけ る恒常的な乗車人員の減少や不採算路線の見直しなどにより、乗車人員は 9,899 千人、前期比較 119 千人(同 98.8%)減少いたしました。 高速バスでは、宮崎~福岡線「フェニックス号」において、4 月から共同運 行会社に変更があり、価格競争が激化いたしました。これに伴い普通運賃の値 下げや「席割」運賃の設定など、お客様の利便性向上に努めた結果、高速バス 全体の乗車人員は 293 千人、前期比較 24 千人(同 109.0%)増加いたしました。 貸切バスでは、 「貸切バス事業者安全性評価認定制度」において、優良事業者 の認定を受けました。また、大型貸切バス 43 台に自動体外式除細動器(AED) を搭載し、県内外のエージェントセールス強化に努めてまいりました。しかし、 上期において関東を中心に県外からの受注が減少し大変厳しい状況で推移いた しました。収益改善に向けて、事業構造の抜本的な改革に取り組んでおります。 広告宣伝では、カラーバスやバス広告による収入が伸び悩むなか、製作の自 社化などによるコスト削減を徹底、ホームページ関連の不採算事業から撤退い たしました。また、前期に引き続き、路線バスに親しんでもらうことを目的に、 県内の小学生を対象に「第3回宮交バスデザインコンテスト」を開催、最優秀作 品を路線バスにラッピングし、現在県内を運行しております。 バス事業では、当期より会計上の表示変更に伴い、路線補助金を売上高に計 上したこともあり、売上高 51 億 34 百万円(前期比 100.9%)、営業利益 1 億 80 百万円となりました。 ②宮崎交通㈱ 旅行・航空事業 旅行事業では、上期において、東日本大震災による自粛ムードの影響を大き く受けました。国内主催ツアーは、東北・関東・甲信越方面のツアーにおいて 原発事故や余震の影響が残り、大変厳しい状況で推移いたしました。海外主催 では、当初予定していたスペイン・スイス・北欧に加えてカナダ・ハワイへの チャーターを催行するなど、順調に推移いたしました。 航空事業では、宮崎空港の乗降客数が外的要因の影響を受け、前期比 97.6% と減少いたしました。また、日本航空株式会社から地上業務の契約解除を受け、 大きく減収になりましたが、コストの抑制を行う一方、定時運航・接遇対応な どの品質向上に努めました。 旅行・航空事業では、売上高 12 億 14 百万円(86.4%)、営業利益 1 億 8 百 万円(同 101.8%)と、減収増益になりました。 3 ③宮崎交通㈱ こどものくに事業 園内リニューアル(植栽・遊具の新設など)を実施し、12 月より隣接地に宮 崎市が設置した「宮崎市青島パークゴルフ場」の運営を受託し、当期では 12 千 人の来場者がありました。毎年 3 月から開催されていた「みやざきフラワーフ ェスタ」が終了したこともあり、こどものくに入園者数全体では 114 千人、前 期比較 31 千人(同 78.6%)減少いたしました。 こどものくに事業では、売上高 1 億 2 百万円(同 86.2%)、営業損失 57 百万 円になりました。 ④宮崎交通㈱ 保険事業 生命保険では、保障診断をきっかけとしたお客様のニーズにあった商品の提 案営業、並びに貯蓄性商品(個人年金・学資保険など)の販売を強化し、がん・ 医療保険では、新商品の販売や法人集団募集に努めました。 損害保険では、法人・団体への火災保険や賠償責任保険の販売促進に加え、 自動車保険の早期更新に努め、好調に推移いたしました。 また、人件費・諸経費の削減に取り組みました。 保険事業では、売上高 1 億 75 百万円(同 97.4%)、営業利益 67 百万円(同 103.6%)と、減収増益になりました。 ⑤宮崎交通㈱ 熱源センター事業 空調・電気設備の修繕・更新業務については、大型の新規物件を中心に受注 を強化いたしました。主軸の熱供給部門においては、節電対策の影響を受け、 冷熱供給先の室内温度のエコ設定により、熱供給量が大幅に減少いたしました。 灯油・都市ガスの高騰は続きましたが、より低価格な燃料調達や、設備機器の 効率的な運転に努めました。 熱源センター事業では、売上高 2 億 45 百万円(同 97.8%)、営業利益 28 百 万円(同 74.0%)と、減収減益になりました。 ⑥宮交タクシー㈱ 前期に引き続き、支援学校のスクールバスや河川国道事務所から運転業務を 受託すると共に、新たに 3 つの自治体のコミュニティバス運行業務を開始いた しました。また、7 月に電気自動車 1 台・ハイブリッド車 8 台を導入し、燃料 費の低減や環境への配慮に努めましたが、観光客の減少もあり、厳しい状況で 推移いたしました。 宮交タクシーでは、売上高 19 億 61 百万円(同 93.5%)、営業利益 22 百万円 (同 31.8%)と、減収減益になりました。 4 ⑦㈱宮崎観光ホテル 宮崎観光ホテルでは、期初から外的要因により厳しい状況でスタートいたし ましたが、宿泊部門においては、各種プランのインターネットによる販売や九 州域内のセールス強化に努めた結果、宿泊人員 137 千人、前期比較 9 千人(同 107.3%)増加となりました。また、宴会部門やレストランにおいては、地元の お客様のご利用を中心に好調に推移いたしました。婚礼部門ではチャペル・ウ エディングサロン・東館 13 階ホール(銀河)の改装を行い、販売を強化しまし たが、厳しい状況で推移いたしました。 運営受託している「エムズホテルクレール宮崎」では、主要集客チャネルで あるインターネットを中心に、ビジネス客の取り込みを図りましたが、上期の 厳しい状況が影響し、宿泊者数は 41 千人、前期比較 1 千人(同 97.2%)減少い たしました。 宮崎観光ホテル全体では、売上高 33 億 64 百万円(同 100.4%)、営業利益 1 億 85 百万円(同 233.2%)と、増収増益になりました。 ⑧青島リゾート㈱(宮崎・青島パームビーチホテル) 季節に応じた様々な宿泊プランの造成やインターネット予約の強化により一 定の成果がありましたが、第 1 四半期での減少が大きく、宿泊人員は 90 千人、 前期比較 1 千人(同 101.7%)増加にとどまりました。婚礼部門では、9 月に婚 礼会場の改装を実施し、販売強化に努めました。一方で、経費の圧縮に努めま したが、燃料価格の高騰により光熱費などが増加いたしました。 青島リゾートでは、売上高 12 億 54 百万円(同 100.2%)、営業損失 8 百万円 になりました。 ⑨宮交ショップアンドレストラン㈱ 4 月より指定管理者制度による「国民宿舎 えびの高原荘」や「石崎の杜 歓 鯨館」の運営を受託し増収に努めました。しかし、観光客の減少により、えび の高原・生駒高原・青島の売店やレストランでは、大変厳しい結果となりまし た。 宮交ショップアンドレストランでは、売上高 24 億 34 百万円(同 110.1%)、 営業損失 38 百万円になりました。 ⑩宮崎ビルサービス㈱ 公共施設の入札物件競争激化、航空機材の小型化・減便による清掃作業縮小 など厳しい状況のなか、作業品質の向上や営業活動の強化により、新規物件の 受注を始め、指定管理事業の応募申請、竣工清掃などの獲得に努めました。一方、 効率的な人員配置や諸経費全般の圧縮に取り組みました。 宮崎ビルサービスでは、売上高 10 億 83 百万円(同 100.9%)、営業利益 65 百万円(同 776.0%)と、増収増益になりました。 5 3.有利子負債の圧縮状況 平成23年3月31日残高 13,571百万円 平成24年3月31日現在残高 13,180百万円 差 引 △ 390百万円 4.対処すべき課題 当面の経営課題の認識は、下記の通りでございます。 当社グループを取り巻く環境は、県内人口の継続的な減少、燃料価格の高値圏での 推移など、引き続き厳しい状況にあります。3ヵ年改善計画の2年目にあたり、最大 の懸案事項である一般路線バスの事業構造を抜本的に見直し、企業として持続可能な 仕組みの構築を目指して、地域毎に県・市町村との協議を推進してまいります。また、 回復基調にある収益を確固たるものとするために、グループ各社・各事業の連携をよ り強化すると共に、管理部門のスリム化などを実行してまいります。更に、全ての業 務において常に基本を守り、当社グループ全事業の基盤である「安全」を引き続き追 求してまいります。 以 6 上