...

自動車(PDF:1.34MB)

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

自動車(PDF:1.34MB)
平成27年度
意匠出願動向調査報告書(概要)
-自動車-
平成28年3月
特
許
庁
問い合わせ先
特許庁総務部企画調査課 知財動向班
電話:03-3581-1101(内線2155)
- 1 -
第1章
調査概要
調査背景
自動車のデザインは、プロダクトデザインの花形の一つであり、超小型モビリティや
自動運転車といった新たなカテゴリーの登場も相まって、そのデザイン開発は一層活発
化している。また、自動車のデザインは、企業のブランド構築の根幹をなすものである
ことからも、自社のデザインを意匠権により的確に保護する重要性が増している。
世界に目を向けると、自動車市場は ASEAN・BRICS を中心に拡大していく中で、我
が国の自動車メーカーは、米国、欧州、中国、韓国を中心とした世界の自動車メーカー
との競争が激化している。我が国の自動車産業は貿易黒字の約 5 割を占める基幹産業で
あり、我が国企業が事業展開先国・地域で自社のデザインを的確に保護し、国際競争力
を維持し続けるためにも、世界各国の意匠登録動向を調査・分析し、我が国企業が円滑
な事業活動を行うための意匠出願戦略の策定に資する提言を行う必要がある。
そこで、本調査では、四輪乗用車、バス、トラック、自動車部品等を対象とし、①意
匠出願先の主要国・地域である日本、米国、欧州連合(EU)、中国、韓国での意匠出願・
意匠登録動向、②近年市場が拡大しているシンガポール、フィリピン、マレーシア、ブ
ラジル、ロシア、南アフリカでの意匠登録動向、③日本の特許出願動向、④市場動向及
びデザイン保護に関する法制度の動向、⑤デザインの変遷、⑥我が国企業の製品開発動
向及び意匠制度利用動向の調査・分析を行うことを目的とする。
本調査の結果は、特許庁における意匠審査・審判業務や意匠関連施策の企画立案のた
めの基礎資料とするのみならず、我が国企業が意匠出願戦略を策定するための基礎資料
として利用されることが期待されるものである。
調査項目の概要
以下の各項目について調査分析を行い、自動車分野における意匠出願動向を把握するこ
とを目的とする。
自動車分野における日本の意匠出願動向
自動車分野における日本、米国、EU、中国、韓国(以下、
「日米欧中韓」という。)
の意匠登録動向
自動車分野におけるシンガポール、フィリピン、マレーシア、ブラジル、ロシア、
南アフリカ(以下、「ASEAN・BRICS 各国」という。)の意匠登録動向
自動車分野に関連する日本の特許出願動向
自動車分野における市場動向及びデザイン保護に関する法制度の動向
自動車分野におけるデザインの変遷
自動車分野における我が国企業の製品開発動向及び意匠制度利用動向
- 2 -
調査内容
各項目についての調査内容は以下のとおりである。
自動車分野における日本の意匠出願動向
自動車分野(G2-2)の日本への意匠出願(2005 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日、意
匠出願年ベース)を集計し、分野全体、日本意匠分類別(小分類 3 桁)の調査結果を基
に、自動車分野での日本での意匠出願動向の特徴についての分析を行った。
(1)
分野全体調査
意匠出願件数
部分意匠出願件数
関連意匠出願件数
秘密意匠出願件数
画像意匠出願件数
[出願人居住国・地域別]意匠登録件数
意匠登録上位 20 者の名称・居住国(・地域)・意匠登録件数
新規出願人数、新興国出願人数
共同出願動向
(2)
日本意匠分類別調査
[日本意匠分類別]意匠出願件数
[日本意匠分類別]部分意匠出願件数
[日本意匠分類別]関連意匠出願件数
[日本意匠分類別]秘密意匠出願件数
[日本意匠分類別]画像意匠出願件数
[日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
[日本意匠分類別]意匠登録上位 10 者の名称・居住国(・地域)・意匠登
録件数
新規出願人数、新興国出願人数
共同出願動向
自動車分野における日米欧中韓の意匠登録動向
自動車分野(G2-2)の日米欧中韓での意匠登録(2010 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31
日、意匠公報年ベース)を集計し、分野全体、日本意匠分類別(小分類 3 桁)の調査結
果を基に、自動車分野での日米欧中韓での意匠登録動向の特徴についての分析を行った。
なお、部分意匠登録、画像意匠登録については、日本、米国、韓国のみを調査対象と
した。
(1)
全体調査
意匠登録件数
[出願先国・地域別]意匠登録件数
- 3 -
[出願人居住国・地域別]意匠登録件数
[出願先国・地域別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
日米欧中韓間の意匠登録状況(2014 年)
[出願先国・地域別]意匠登録上位 20 者の名称・居住国(・地域)・意匠
登録件数
部分意匠登録件数(*)
[出願先国別]部分意匠登録件数(*)
[出願人居住国・地域別]部分意匠登録件数(*)
[出願先国別-出願人居住国・地域別]部分意匠登録件数(*)
画像意匠登録件数(*)
[出願先国別]画像意匠登録件数(*)
[出願人居住国・地域別]画像意匠登録件数(*)
[出願先国別-出願人居住国・地域別]画像意匠登録件数(*)
新規出願人数
優先権主張動向
(*)部分意匠登録、画像意匠登録は日米韓のみ。
(2)
日本意匠分類別調査
[日本意匠分類別]意匠登録件数
[日本意匠分類別-出願先国・地域別]意匠登録件数
[日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
[日本意匠分類別-出願先国・地域別-出願人居住国・地域別]意匠登録
件数
[日本意匠分類別-出願先国・地域別]意匠登録上位 10 者の名称・居住国
(・地域)・意匠登録件数
[日本意匠分類別]部分意匠登録件数(*)
[日本意匠分類別-出願先国別]部分意匠登録件数(*)
[日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]部分意匠登録件数(*)
[日本意匠分類別-出願先国別-出願人居住国・地域別]部分意匠登録件
数(*)
[日本意匠分類別]画像意匠登録件数(*)
[日本意匠分類別-出願先国別]画像意匠登録件数(*)
[日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]画像意匠登録件数(*)
[日本意匠分類別-出願先国別-出願人居住国・地域別]画像意匠登録件
数(*)
(*)部分意匠登録、画像意匠登録は日米韓のみ。
自動車分野における ASEAN・BRICS 各国の意匠登録動向
自動車分野(G2-2)の ASEAN・BRICS 各国での意匠登録(2010 年 1 月 1 日~2014 年
12 月 31 日、意匠公報年ベース)を集計し、分野全体、日本意匠分類別(小分類 3 桁)
の調査結果を基に、自動車分野での ASEAN・BRICS での意匠登録動向の特徴について
- 4 -
の分析を行った。
(1)
分野全体調査
意匠登録件数
[出願先国別]意匠登録件数
[出願人居住国・地域別]意匠登録件数
[出願先国別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
[出願先国別]意匠登録上位 10 者の名称・居住国(・地域)・意匠登録件
数
新規出願人数、新興国出願人数
共同出願動向
優先権主張動向
(2)
日本意匠分類別調査
[日本意匠分類別]意匠登録件数
[日本意匠分類別-出願先国別]意匠登録件数
[日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
[日本意匠分類別-出願先国別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
[日本意匠分類別-出願先国別]意匠登録上位 5 者の名称・居住国(・地
域)・意匠登録件数
新規出願人数、新興国出願人数
共同出願動向
優先権主張動向
自動車分野における日本の特許出願動向
自動車分野の日本意匠分類に対応する特許分類を特定し、意匠出願件数の推移と関係
する特許分類別の公開特許公報の件数の推移を調査し、(2005 年 1 月 1 日~2013 年 12
月 31 日の 9 年間、特許出願年ベース)、結果を基に、関連する日本の特許出願動向の特
徴及び意匠出願動向と特許出願動向との関係性についての分析を行った。
自動車分野における市場動向及びデザイン保護に関する法制度の動向
自動車分野の意匠出願動向に影響を与える市場動向及びデザイン保護に関する法制度
の動向に関する情報を、各国・地域・機関の報告書、ウェブページ等から収集・整理し
た。調査結果を基に、当該分野における意匠登録動向と市場動向及びデザイン保護に関
する法制度の動向との関係性について分析を行った。
日米欧中韓及び ASEAN・BRICS 各国の市場動向(市場規模の推移(予測を含む)、
生産額・輸出入額の推移、市場シェア、市場の地域特性、国内企業及び海外企
業の動向等)
世界 5 大モーターショー(東京、デトロイト、パリ、フランクフルト、ジュネー
ヴ)の開催動向
- 5 -
日米欧中韓及び ASEAN・BRICS 各国のデザイン保護に関する法制度の動向(ス
ペアパーツに対する意匠権保護等)
その他、自動車分野における市場動向及びデザイン保護に関する法制度の動向を
把握するのに有効な事項
自動車分野におけるデザインの変遷
自動車分野におけるデザインの変遷について、関連する社会的背景(市場、流行、技
術、規格、法規制等に関するトピック)と共に調査し、結果を年表として視覚的にわか
りやすくまとめ、当該分野におけるデザインの変遷と関連する社会的背景との関係性に
ついて分析を行った。
自動車分野における我が国企業の製品開発動向及び意匠制度利用動向
自動車分野における我が国企業 10 者に対し、製品開発動向及び意匠制度利用動向につ
いてヒアリング調査を行い、調査結果を基に特徴分析を行った。
製品開発動向(デザインポリシー、デザイン開発体制、デザイン開発期間、アウ
トソーシングの利用状況、製品ライフサイクル、デザイン開発と技術開発との
関係性、デザインとブランド構築との関係性、デザインと流通・販売戦略との
関係性、デザイントレンド等)
意匠制度利用動向(意匠出願や管理の体制、出願の時期、アウトソーシングの利
用状況、意匠出願の目的、意匠出願戦略、部分意匠や関連意匠等の特徴的な意
匠制度の利用実態、意匠権に期待する効果、意匠権の活用実態等)
自動車分野における製品開発及びデザイン保護に影響を与えると考えられる業
界構造、商習慣、標準規格、法規制等
その他、自動車分野における製品開発動向及び意匠制度利用動向を把握するのに
有効な事項
総合分析
これまでの調査・分析結果に基づいた総合的な分析を行った。また、自動車分野にお
ける我が国企業の意匠出願戦略の策定に資する提言を行った。
- 6 -
第2章
自動車分野における日本の意匠出願動向
調査項目
2005 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日の 10 年間(意匠出願年ベース)に日本への意匠
出願について、日本意匠分類に基づき出願年別に以下の項目を調査する。
a.分野全体調査
① 意匠出願件数
② 部分意匠出願件数
③ 関連意匠出願件数
④ 秘密意匠出願件数
⑤ 画像意匠出願件数
⑥ [出願人居住国・地域別]意匠登録件数
⑦ 意匠登録上位 20 者の名称・居住国(・地域)・属性・意匠登録件数
⑧ 新規出願人数、新興国出願人数
⑨ 共同出願動向
b.日本意匠分類別調査
① [日本意匠分類別]意匠出願件数
② [日本意匠分類別]部分意匠出願件数
③ [日本意匠分類別]関連意匠出願件数
④ [日本意匠分類別]秘密意匠出願件数
⑤ [日本意匠分類別]画像意匠出願件数
⑥ [日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
⑦ [日本意匠分類別]意匠登録上位 10 者の名称・居住国(・地域)・属性・意匠
登録件数
⑧ [日本意匠分類別]新規出願人数、新興国出願人数
⑨ [日本意匠分類別]共同出願動向
調査手法
意匠出願件数又は意匠登録件数を、それぞれの条件にしたがって出願年別に集計する。
特徴のある結果(例えば、過去と比べて意匠出願件数が増加又は減少)が生じていると
きには、その内容と、他調査項目での調査結果によりその背景が把握できる場合はその
旨を記述する。
データ取得項目
データ取得項目は以下のとおりである。
- 7 -
表 2-1
取得項目
取得項目
説明
出願番号
・
公報記載の番号。意匠出願件数の集計に用いる。
登録番号
・
公報記載の番号。意匠登録件数の集計に用いる。
出願日
・
出願年別の集計に用いる。
出願人居住国・地域
・
日本国居住者、米国居住者、EU 加盟国居住者(英国居住者、ド
イツ居住者、フランス居住者、イタリア居住者、その他 EU 加盟
国居住者)、中国居住者、韓国居住者、その他国・地域居住者(ス
イス居住者、その他)に分けて調査する。
EU 加盟国居住者及びその他国・地域居住者の内訳について、そ
れぞれ少なくとも上位 5 か国・地域までとする。
EU 加盟国内居住者は、2014 年 12 月 31 日時点の 28 か国とする。
中国居住者には香港・マカオを含み、台湾は含まない。意匠登録
件数上位者の記述では、各国・地域及び中国・香港・マカオの別
を明記。
・
・
・
出願人名称
・
・
意匠登録上位者の集計に用いる。筆頭出願人を対象とする。
個人・法人の別を別途調査する。
日本意匠分類
・
自動車に該当する日本意匠分類(平成 19 年 4 月 1 日施行版)
:G2-2
台
部分意匠、関連意匠、 ・
秘密意匠、画像意匠
表 2-2
各項目における集計に用いる。
調査対象分野(日本意匠分類(平成 19 年 4 月 1 日施行版))
日本意匠分類
意匠分類の表示
G2-200
その他の自動車
G2-2100
乗用自動車等
G2-290
自動車用部品及び付属品
G2-291
自動車用車体構成大型部品
G2-292
自動車駆動部品又は自動車用走行関係部品
G2-293
自動車用運転操作関係部品及び付属品
G2-294
自動車用保安部品及び付属品
G2-295
自動車用外装部品及び付属品
G2-296
自動車用内装部品及び付属品
G2-297
自動車用照明器具
調査結果
意匠出願件数
意匠出願件数は 2005 年に 10 年間で最多の 1,267 件で、以後増減しており、2009 年ま
では概ね減少傾向で 2009 年に最少の 724 件、その後は増加傾向に転じている。
- 8 -
図 2-1
意匠出願件数の推移(出願年別:対象分野全体)
1,400
( )
1,200
意
匠 1,000
出 800
願
件 600
数
400
件
200
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出願年
部分意匠出願件数
部分意匠出願件数は、2009 年に 10 年間で最少の 122 件、その後は増加傾向にあり、
2014 年には最大の 322 件となっている。部分意匠出願の意匠出願全体に対する出願比率
は、2006 年に最小の 14.5%、その後は概ね増加傾向で 2014 年は最大となり、2006 年の
約 2 倍の 29.2%が部分意匠出願となっている。
図 2-2
部分意匠出願の推移(出願年別:対象分野全体)
350
( )
部
分
意
匠
出
願
件
数
件
300
250
200
150
100
50
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
出願年
- 9 -
2011
2012
2013
2014
図 2-3
部分意匠出願比率の推移(出願年別:対象分野全体)
30%
( )
部
分
意 20%
匠
出
願 10%
比
率
%
0%
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出願年
関連意匠出願件数
関連意匠出願件数は 2005 年に 10 年間で最多の 149 件で、以後増減しており、2009 年
までは概ね減少傾向で 2009 年に最少の 66 件、その後は概ね増加傾向に転じている。関
連意匠出願の意匠出願全体に対する出願比率は、平均 11.0%で 10 年間ほぼ横ばいであり、
2009 年に最少の 9.1%、2012 年に最大の 12.3%である。
図 2-4
( )
関
連
意
匠
出
願
件
数
件
関連意匠出願件数の推移(出願年別:対象分野全体)
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出願年
図 2-5
関連意匠出願比率の推移(出願年別:対象分野全体)
30%
( )
関
連
意
匠
出
願
比
率
%
20%
10%
0%
2005
2006
2007
2008
2009
出願年
- 10 -
2010
2011
2012
2013
2014
秘密意匠出願件数
秘密意匠出願件数は、増減を繰り返しており 2006 年には 10 年間で最少の 42 件、2012
年には最大の 144 件となっている。ただし、この件数は秘密意匠と判明している出願の
のみを集計した件数であり、2014 年などは 1 件であるが実際の件数はより多数であると
考えられる。なお、秘密意匠出願の意匠出願全体に対する出願比率の 10 年間の平均は
9.1%である。
図 2-6
秘密意匠出願件数の推移(出願年別:対象分野全体)
( )
160
秘 140
密 120
意
100
匠
出 80
願 60
件 40
数 20
件
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出願年
図 2-7
( )
秘
密
意
匠
出
願
比
率
秘密意匠出願比率の推移(出願年別:対象分野全体)
30%
20%
10%
%
0%
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出願年
画像意匠出願件数
画像意匠出願件数は、2005 年の 14 件から 2007 年に 10 年間で最少の 4 件まで減少し
た。2008 年から 2011 年までは 11,12 件程度で横ばいであったが、2012 年以降やや増加
しており、2013 年に最大の 22 件となっている。画像意匠出願の意匠出願全体に対する
出願比率は 2007 年に最少の 0.4%、2013 年に最大の 1.9%、平均は 1.4%で、ほぼ横ばい
である。
- 11 -
図 2-8
25
20
15
10
5
( )
画
像
意
匠
出
願
件
数
画像意匠出願件数の推移(出願年別:対象分野全体)
件
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出願年
図 2-9
画像意匠出願比率の推移(出願年別:対象分野全体)
30%
( )
画
像
意
匠
出
願
比
率
%
20%
10%
0%
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
出願年
[出願人居住国・地域別]意匠登録件数
全年を通じて日本国居住者の登録件数が多く、2014 年は全体の 90.9%を占めている。
次いで、EU 加盟国居住者 4.2%、その他国・地域居住者 2.8%、米国居住者 1.4%と続く。
図 2-10
[出願人居住国・地域別]意匠登録件数の推移(2005~2014 年)(分野全体)
【分野全体】
中国居住者 韓国居住者
1,500
6件
2件
EU加盟国居住者
その他国・地域居
0.6%
0.2%
36件
意
住者
匠
3.7% 米国居住者
24件
2.4%
10件
1.0%
件
1,054
797
719
643
838
879
2011
2012
984
703
500
0
2005
合計(2014年)
984件
1,080
986
1,000
( )
日本国居住者
906件
92.1%
出
願
件
数
意匠出願年
2005-2014年
2006
2007
出願人居住国・地域
日本国居住者
中国居住者
合計
- 12 -
2008
2009
出願年
米国居住者
韓国居住者
2010
2013
EU加盟国居住者
その他国・地域居住者
2014
意匠登録上位ランキング
上位 20 者に日本企業 19 社、台湾企業 2 社、欧州企業 1 社がランクインしている。属
性は 17 社が完成車メーカー、1 社が系列部品メーカー、4 社がその他となっている。
ここ 10 年間の上位 3 者は順位の入れ替えはあるものの、ホンダ、日産、トヨタが常に
3 位内にランクインしており、4 位・5 位はスズキまたはダイハツという年が多かったが、
2014 年はヤンマーが順位を 6 つ上げて 5 位にランクイン、6 位にはニチユ三菱フォーク
リフト株式会社(日本輸送機株式会社と三菱重工業株式会社のフォークリフト事業部門
が事業を統合)が順位を大幅に上げてランクインしている。
表 2-3
意匠登録上位 20 者の名称・居住国(・地域)・意匠登録件数
順位
件数
出願人名称
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
属性
2014
2014年
1
1
2
1
2
2
2
3
3
1 本田技研工業株式会社(日)
完成車メー
カー
101
2
2
3
2
1
1
3
2
1
2 日産自動車株式会社(日)
完成車メー
カー
99
3
2
1
3
3
3
1
1
2
3 トヨタ自動車株式会社(日)
完成車メー
カー
88
4
5
5
4
5
4
5
4
4
4 スズキ株式会社(日)
完成車メー
カー
72
13
19
13
29
13
53
13
15
11
5 ヤンマー株式会社(日)
完成車メー
カー
69
-
-
-
-
-
-
-
-
68
6 ニチユ三菱フォークリフト株式会社(日)
完成車メー
カー
49
8
25
4
10
19
9
8
14
68
7 マツダ株式会社(日)
完成車メー
カー
48
7
6
6
5
4
5
4
9
5
8 ダイハツ工業株式会社(日)
完成車メー
カー
47
6
4
8
7
8
17
6
8
17
9 株式会社クボタ(日)
完成車メー
カー
30
5
9
10
10
33
53
22
23
7
10 株式会社ホンダアクセス(日)
系列部品
メーカー
28
-
-
-
-
-
-
-
-
31
11 日本車輌製造株式会社(日)
完成車メー
カー
26
20
14
10
-
9
23
13
31
14
12 三菱自動車工業株式会社(日)
完成車メー
カー
24
74
7
20
55
6
18
27
6
15
13 井関農機株式会社(日)
完成車メー
カー
19
9
37
75
55
45
8
18
28
41
14 日野自動車株式会社(日)
完成車メー
カー
15
-
37
52
-
-
-
-
-
12
15 株式会社デンソー(日)
その他
13
-
-
-
-
-
-
-
-
-
15 巨鎧精密工業股▲分▼有限公司(台湾)
完成車メー
カー
13
-
-
-
-
-
-
-
-
-
17 日立金属株式会社(日)
その他
12
-
-
-
-
-
-
-
-
-
18 シャープ株式会社(日)
その他
9
11
37
13
13
21
9
10
6
6
19 富士重工業株式会社(日)
完成車メー
カー
8
14
16
30
18
13
18
7
15
8
19 株式会社カーメイト(日)
その他
8
-
-
-
-
-
14
12
20
41
-
-
-
-
-
-
-
-
-
ドクター エンジニール ハー ツェー エ
完成車メー
19 フ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
カー
(独)
8
完成車メー
カー
8
19 龍鋒企業股▲ふん▼有限公司(台湾)
- 13 -
共同出願による意匠出願件数
共同出願件数は、2005 年の 59 件から 2008 年の 21 件まで減少し、その後 2011 年まで
増加傾向にあったが、2012 年に 8 件に減少、2013 年には 71 件に増加するなど、増減が
激しい。
図 2-11
共同出願比率の推移(出願年別:対象分野全体)
100
10.0%
80
8.0%
60
件
20
( )
共
同
出
願
件
数
6.6%
5.6%
4.7%
40
5.1%
4.3%
3.8%
59
2.5%
27
25
21
2006
2007
2008
36
36
8 0.9%
0
2005
4.0%
71
2.6%
30
2009
2010
6.0%
2011
2012
2013
13
共
同
出
願
比
率
2.0%
1.3%
0.0%
2014
出願年
共同出願件数
共同出願比率
共同出願の形態構成をみると、企業同士が 92.6%でほとんどを占めている。
また、国籍構成も日本国内同士が 94.2%であり、国内・国外の組合せが 1.5%、国外
同士が 4.3%となっている。
図 2-12
共同出願の構成(形態)(2005~2014 年)(分野全体)
共同出願の構成(形態)
学学
0.3%
産個
3.4%
個個
3.1%
共同出願の構成(国籍)
その他
0.3%
国内外
1.5%
国外
4.3%
産学
0.3%
国内
94.2%
産産
92.6%
- 14 -
第3章
自動車分野における日米欧中韓の意匠登録動向
調査概要
調査項目
2010 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日の 5 年間に日本・米国・EU(OHIM)・中国・韓
国で意匠公報が発行された意匠登録(意匠公報発行年)について、日本意匠分類に基づ
き公報発行年別に以下の項目を調査した。
a.全体調査
① 意匠登録件数
② [出願先国・地域別]意匠登録件数
③ [出願人居住国・地域別]意匠登録件数
④ [出願先国・地域別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
⑤ 日米欧中韓間の意匠登録状況(2014 年)
⑥ [出願先国・地域別]意匠登録上位 20 者の名称・居住国(・地域)・意匠登録件数
⑦ 部分意匠登録件数(*)
⑧ [出願先国別]部分意匠登録件数(*)
⑨ [出願人居住国・地域別]部分意匠登録件数(*)
⑩ [出願先国別-出願人居住国・地域別]部分意匠登録件数(*)
⑪ 画像意匠登録件数(*)
⑫ [出願先国別]画像意匠登録件数(*)
⑬ [出願人居住国・地域別]画像意匠登録件数(*)
⑭ [出願先国別-出願人居住国・地域別]画像意匠登録件数(*)
⑮ 新規出願人数
⑯ 優先権主張動向
(*)部分意匠、画像意匠は日米韓のみ。
b.日本意匠分類別調査
① [日本意匠分類別]意匠登録件数
② [日本意匠分類別-出願先国・地域別]意匠登録件数
③ [日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
④ [日本意匠分類別-出願先国・地域別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
⑤ [日本意匠分類別-出願先国・地域別]意匠登録上位 10 者の名称・居住国(・地域)・
意匠登録件数
⑥ [日本意匠分類別]部分意匠登録件数(*)
⑦ [日本意匠分類別-出願先国別]部分意匠登録件数(*)
⑧ [日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]部分意匠登録件数(*)
⑨ [日本意匠分類別-出願先国別-出願人居住国・地域別]部分意匠登録件数(*)
⑩ [日本意匠分類別]画像意匠登録件数(*)
⑪ [日本意匠分類別-出願先国別]画像意匠登録件数(*)
⑫ [日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]画像意匠登録件数(*)
- 15 -
⑬ [日本意匠分類別-出願先国別-出願人居住国・地域別]画像意匠登録件数(*)
(*)部分意匠、画像意匠は日米韓のみ。
調査手法
意匠登録件数を、それぞれの条件にしたがって公報発行年別に集計し、その特徴につ
いて取りまとめた。
データ取得項目
データ取得項目は表 3-1 のとおりである。
表 3-1
調査項目
説明
登録番号
・
公報記載の番号。
公報発行日
・
海外庁について意匠出願件数に関する詳細な情報が得られないこと、出願から
公報発行までの期間が長い庁について出願日ベースの意匠出願件数、意匠登録
件数を把握するのに時間がかかることから、出願日ではなく公報発行日を基準
とした集計を行う。
出願人居住国・地域 ・
・
・
出願人名称
1
取得項目
・
日本国居住者、米国居住者、EU 加盟国居住者(英国居住者、ドイツ居住者、
フランス居住者、イタリア居住者、その他 EU 加盟国居住者)、中国居住者、
韓国居住者、その他国・地域居住者(スイス居住者、その他)に分けて調査す
る。
EU 加盟国居住者及びその他の国・地域居住者の内訳について、それぞれ上位
5 か国・地域まで調査する。
「EU」は欧州連合 28 か国とした(クロアチア含む)。欧州連合加盟国の海外
領土(バミューダ島・ケイマン諸島・ジャージー島など)は「EU」に含まな
い。「中国」には、香港・マカオを含む。湾は含まない。「その他」は、日本、
米国、欧州、中国及び韓国を除く国・地域とした。意匠登録件数の多い国・地
域については国・地域名を適宜記述した。意匠登録件数上位者の記述では、各
国・地域及び中国・香港・マカオの別を明記した。
・
出願人居住国・地域別の集計及びランキングに用いる。筆頭出願人を対象とす
る。
主要な出願人においては、個人、法人の別を調査した。
物品名
・
EU、中国において、日本意匠分類を特定するために取得する。
意匠の説明
・
・
EU、中国において、日本意匠分類を特定するために取得する。
米国において、部分意匠か否かの判断のために取得する。
ロカルノ分類
・
EU、中国において、日本意匠分類を特定するために取得する。
日本意匠分類
・
・
日本、米国、韓国については全件特許庁により付与済み。
EU、中国については一部特許庁により付与済み。残りは物品名、ロカルノ分
類、意匠の説明及び具体的な登録に基づき、小分類 3 桁まで付与。
部分意匠、画像意匠 ・
日本及び韓国での登録では公報の書誌事項を参照した。米国での登録では部分
意匠は公報の意匠の説明に記載の文言から判断 1 し、画像意匠は特許庁による
付与結果を参照した。
そのため、部分意匠ではなく、部品に関する意匠や、図面から請求の範囲の除外を行ったものが部分意匠
の意匠登録件数に含まれている可能性があることから、件数を過大評価している可能性がある。
- 16 -
表 3-2
調査対象分野(日本意匠分類(平成 19 年 4 月 1 日施行版))
日本意匠分類
意匠分類の表示
G2-200
その他の自動車
G2-2100
乗用自動車等
G2-290
自動車用部品及び付属品
G2-291
自動車用車体構成大型部品
G2-292
自動車駆動部品又は自動車用走行関係部品
G2-293
自動車用運転操作関係部品及び付属品
G2-294
自動車用保安部品及び付属品
G2-295
自動車用外装部品及び付属品
G2-296
自動車用内装部品及び付属品
G2-297
自動車用照明器具
調査結果
分野全体調査
(1)
意匠登録件数
対象分野全体の日米欧中韓全体への意匠登録件数の推移(2010~2014 年)を以下に
示す。2012 年までは増加傾向を示していたが、その後漸減傾向にある。
表 3-3
意匠登録件数の推移(2010~2014 年)
(日米欧中韓全体:分野全体)
公報発行年
分野全体
2010
9,610
図 3-1
2011
8,731
2012
10,641
2013
11,579
2014
12,691
合計
53,252
意匠登録件数の推移(2010~2014 年)
(日米欧中韓全体:分野全体)
14,000
12,000
意10,000
匠
登 8,000
録 6,000
件
数 4,000
2,000
0
2010
2011
2012
公報発行年
分野全体
- 17 -
2013
2014
(2)
[出願先国・地域別]意匠登録件数
対象分野全体の出願先国・地域別意匠登録件数の推移(2010~2014 年)と割合(2014
年)を以下に示す。
中国への登録が最も多く、2014 年には 7,164 件(全体の 56.4%)を占めている。次
いで EU、韓国、米国、日本の順である。
日本への登録は 2012 年をピークに減少傾向にある。その一方で EU への登録件数、
及び韓国への登録件数は一貫して増加傾向にある。また米国への登録件数は 2013 年以
降、中国への登録件数は 2012 年以降増加傾向にある。
表 3-4
[出願先国・地域別]意匠登録件数の推移(2010~2014 年)
(日米欧中韓全体:分野全体)
2010
783
702
1,187
6,275
663
9,610
日本への登録
米国への登録
EUへの登録
中国への登録
韓国への登録
合計
図 3-2
2011
610
745
1,189
5,426
761
8,731
韓国
1,303件
10.3%
2014
955
1,124
2,145
7,164
1,303
12,691
合計
4,455
4,241
7,471
32,093
4,992
53,252
公報発行
2010-2014年
15,000
米国
1,124件
8.9%
EU
2,145件
16.9%
中国
7,164件
56.4%
2013
987
940
1,697
6,728
1,227
11,579
[出願先国・地域別]意匠登録件数推移(分野全体)
2014年
日本
955件
7.5%
公報発行年
2012
1,120
730
1,253
6,500
1,038
10,641
意 12,000
匠
登 9,000
録
件 6,000
数
3,000
9,610
11,579
10,641
12,691
8,731
0
合計
12,691件
2010
出願先
日本
- 18 -
2011
2012
2013
2014
公報発行年
米国
EU
中国
韓国
合計
(3)
[出願人居住国・地域別]意匠登録件数
対象分野全体の出願人居住国・地域別意匠登録件数の推移(2010~2014 年)と割
合(2014 年)を以下に示す。
中国居住者による登録が最も多く、2014 年には 6,446 件(全体の 50.8%)を占め
ている。ついで日本居住者、EU 加盟国居住者、韓国居住者、米国居住者の順であ
る。日本への登録は多くないものの、日本居住者による登録が多いのが特徴である。
図 3-3
[出願人居住国・地域別]
意匠登録件数の推移(2010~2014 年)と割合(2014 年)(日米欧中韓全体:分野全体)
公報発行
2010-2014年
2014年
その他
275件
韓国居住者
2.2%
1,302件
10.3%
日本居住者
2,108件
16.6%
米国居住者
618件
4.9%
中国居住者
6,446件
50.8%
EU居住者
1,942件
15.3%
15,000
意 12,000
匠
登 9,000
録
件 6,000
数
3,000
9,610
12,691
8,730
0
2010
2011
2012
2013
日本居住者
米国居住者
EU居住者
韓国居住者
その他
合計
- 19 -
2014
公報発行年
出願人居住国・地域
合計
12,691件
11,579
10,641
中国居住者
(4)
日米欧中韓間の意匠登録状況(2014 年)
対象分野全体の日米欧中韓間の意匠登録状況(2014 年)を以下に示す。日本居住者
による中国・EU・米国への登録件数、EU 加盟国居住者による中国への登録件数が多
い中で、中国居住者による EU への登録が多いことが特徴的である。
図 3-4
日米欧中韓間の意匠登録状況(2014 年)(分野全体)
日本居住者からの登録
2,108件
中国居住者からの登録
6,446件
EU居住者からの登録
1,942件
米国居住者からの登録
618件
韓国居住者からの登録
1,302件
5935
3,000
3,000
3,000
6000
6000 3000
2,500
2,500
2,500
5000
5000 2500
2,000
2,000
2,000
2000
4000 2000
1,500
1,500
1,500
1500
3000 1500
1,000
1,000
1,000
500
883
306
318
511
90
500
392
71
7
141
7
0
0
日本 米国
EU
中国 韓国
500
1119
1000
54
361
232
176
0
日本
米国
EU
中国
韓国
- 20 -
日本
米国
EU
500
1
30
日本
米国
0
0
中国
韓国
1000 500
0
EU
1023
2000 1000
480
中国
韓国
1
64
75
139
米国
EU
中国
0
日本
韓国
(5)
[出願先国・地域別]意匠登録上位 20 者の名称・居住国(・地域)・意匠登録
件数
対象分野全体の出願先国・地域別意匠登録件数上位 20 者(2014 年)及びその順
位の推移(2010~2014 年)を以下に示す。
表 3-5
出願先国・地域別意匠登録上位 20 者(2014 年)及びその順位の推移(2010~2014 年)
(分野全体)日本・米国・EU への登録
日本への登録
順位
2010 2011 2012 2013 2014
出願人名
米国への登録
順位
件数
2014 2010 2011 2012 2013 2014
出願人名
1
3
3
2
1
日産自動車株式会社(日)
141
1
1
1
1 1
トヨタ自動車株式会社(日)
2
2
1
1
2
トヨタ自動車株式会社(日)
110
2
7
6
2 2
4
5
6
9
3
ダイハツ工業株式会社(日)
89
19
3
1
2
3
4
本田技研工業株式会社(日)
76
3
5
4
5
4
5
スズキ株式会社(日)
9
9
7
14
6
富士重工業株式会社(日)
9 -
EUへの登録
件数
2014
順位
2010 2011 2012 2013 2014
1 1
出願人名
トヨタ自動車株式会社(日)
件数
2014
125 -
2
1
155
フォード モーターカンパニー
(Ford Motor Company)(米)
68 -
5
3 -
2
セアト エスエー(SEAT,
S.A.)(西)
66
13 3
パッカー(PACCAR Inc)(米)
65 -
6
4 -
3
アウディー アーゲー(AUDI
AG)(独)
65
4
2 -
4
ダイムラー アー ゲー
(Daimler AG)(独)
57
2
4
6 4
本田技研工業株式会社(日)
56
63 -
20
16
4 5
ジーエム グロ ーバル テクノロ ジー
(GM Global Technology Operations
LLC)(米)
53 -
-
-
-
5
Ningbo Gaofa Automotive
Control System Co. , Ltd.(中)
50
34 -
11
11
5 6
日産自動車株式会社(日)
50 -
-
-
-
5
Ningbo HaiTong Auto Parts
Co., Ltd.(中)
50
47 -
-
-
-
5
NINGBO MECAI CAR
CIRCLET CO., LTD.(中)
50
3
ドクトル イ ン ジエニエール ハー ツ
-
-
-
8 -
-
10
-
-
-
6
-
-
-
6
-
-
11
-
-
-
-
-
13 -
17 -
-
-
7 -
-
-
-
29
14 -
16
7
株式会社カーメイト(日)
29
9
9
ボルボ ラストヴァグナル ア
クチボラゲット(スウェーデン)
25 -
10 ヤンマー株式会社(日)
三菱自動車工業株式会社
-
13 株式会社デンソー(日)
7 14 株式会社クボタ(日)
-
-
15 槌屋ヤック株式会社(日)
15 三菱電機株式会社(日)
株式会社オーテックジャパン
14 -
-
株式会社ホンダアクセス(日)
12 12 (日)
4
-
7
13 10 マツダ株式会社(日)
12
19 -
-
-
17
11 17 (日)
-
17 株式会社小糸製作所(日)
5 17 井関農機株式会社(日)
-
20 シャープ株式会社(日)
3
-
22 -
22 -
12 7
2
3 8
ダイムラー アー ゲー
(Daimler AG)(独)
45 -
-
-
-
5
Ningbo Peiyuan Electric
Manufacture Co., Ltd(中)
50
7 9
Litek Enterprise Co., Ltd.(台
湾)
36 -
-
-
-
5
Ningbo Yulong Pump Co.,
Ltd.(中)
50
50
48
-
8
-
エー エフ ポルシエ アクチエン ゲゼル
シヤフト(Dr. Ing. h.c. F. Porsche
Aktiengesellschaft)(独)
3
12
-
16 10
-
11
起亜自動車株式会社(Kia
Motors Corporation)(韓)
30 -
-
-
-
5
XIANGSHAN TIANXING
AUTO FITTIGNS CO.,
LTD.(中)
アウディー アーゲー(Audi
AG)(独)
23 -
-
-
-
11
MAXTON S.C.(ポーランド)
バイ エリッシェ モートーレン ウエルケ
20
5
16
18 -
13 -
11
4
9
12
5
アクチエン ゲゼルシャフト(Bayerische
Motoren Werke Aktiengesellschaft)(独)
22 -
-
-
-
12
-
13
株式会社クボタ(日)
21 -
-
-
-
12
14 -
14
マツダ自動車工業(日)
15 -
-
-
-
14
14 15
クライスラー グループ
(Chrysler Group LLC)(米)
14
12 -
14
11
16
-
-
10 12
15
6
NINGBO SHENJIANG SCITEC LIMITED-LIABILITY
COMPANY(中)
NINGBO T.ERRE
AUTOMOTIVE
COMPONENTS CO., LTD(中)
46
46
Ľubomír Galamboš(スロバキ
ア)
40
15
本田技研工業株式会社(日)
36
7 -
16
バイ エリッシェ モートーレン ウエルケ
アクチエン ゲゼルシャフト(Bayerische
Motoren Werke Aktiengesellschaft)(独)
33
7 -
-
16
現代自動車株式会社
(Hyundai Motor Company)(韓)
33
1
11 -
-
-
-
15
ジャガー ランドローバー
(Jaguar Land Rover
Limited)(英)
10 -
-
-
-
17
Qoros Automotive Co.,
Ltd.(中)
13
フオルクスワーゲン ・アクチエン ゲゼルシ
ヤフト(Volkswagen
Aktiengesellschaft)(独)
13 -
-
-
-
18
NINGBO YUSHENG MOULD
CO. LTD(中)
30
12 -
-
-
-
19
NOVEM Car Interior Design
GmbH(独)
29
11 -
-
-
Aebi Schmidt Deutschland
GmbH(独)
25
10 -
10
9 -
-
13
-
17 17
6
7 -
19
14
10 -
20
現代自動車株式会社
(Hyundai Motors
Company)(韓)
International Truck
Intellectual Property
Company, LLC(米)
- 21 -
12
20 20
表 3-6
出願先国・地域別意匠登録上位 20 者(2014 年)及びその順位の推移(2010~2014 年)
(分野全体)中国・韓国への登録
中国への登録
順位
2010 2011 2012 2013 2014
韓国への登録
順位
件数
2014 2010 2011 2012 2013 2014
出願人名
出願人名
件数
2014
4
4
5
2
1
东风汽车有限公司(中)
196
-
-
-
-
1
現代自動車株式会社
(Hyundai Motors
Corporation)(韓)
10
7
2
4
2
安徽江淮汽车股份有限公司
(中)
177
2
2
1
1
2
起亜自動車株式会社(Kia
Motors Corporation)(韓)
3
6
15
9
3
长城汽车股份有限公司(中)
161
-
-
-
4
3
Auto & Co,(韓)
92
11
11
12
-
4
トヨタ自動車株式会社(日)
139
-
4
3
2
4
AUTO CLOVER CO, LTD(韓)
62
5
5
6
8
5
122
13
5
5
5
5
7
13
4
6
5
北汽福田汽车股份有限公司
(中)
122
-
6
8
20
6
-
-
-
-
7
奇瑞汽车股份有限公司(中)
99
-
-
-
10
7
9
10
19
3
8
日産自動車株式会社(日)
91
-
-
-
10
8
Abe carry Volvo last Bagh,(ス
ウェーデン)
32
-
-
10
-
9
重庆长安汽车股份有限公司
(中)
85
-
-
-
-
8
Thien und Gesellschaft bus
truck but evil,(独)
32
-
19
11
-
10
84
-
-
-
-
10
個人(韓)
26
苏州益高电动车辆制造有
限公司(中)
双龍自動車株式会社
(SSANGYONG MOTOR
COMPANY,)(韓)
現代モービス株式会社
(HYUNDAI MOBIS CO
LTD,)(韓)
ボルボ トラック コーポレー
ション(Volvo Truck
Corporation,)(スウェーデン)
191
119
60
52
33
フォ ード グロ ーバル テクノロ ジーズ
エルエルシー(Ford Global Technologies,
Inc.)(米)
14
9
17
-
11
個人(中)
77
10
19
9
15
10
トヨタ自動車株式会社(日)
26
-
20
-
-
12
個人(中)
72
-
-
-
-
12
日産自動車株式会社(日)
22
1
2
3
7
12
起亜自動車株式会社(Kia
Motors Corporation)(韓)
72
-
-
-
8
13
アウディー アーゲー(AUDI
AG)(独)
19
-
-
-
-
14
67
-
-
-
9
13
スカニア(SCANIA CV AB
PUBL,)(スウェーデン)
19
16
18
-
-
15
61
8
11
10
11
15
本田技研工業株式会社(日)
18
龙璟光电股份有限公司
(Long Jing Optics Inc.)(台湾)
杭州广安汽车电器有限公司
(中)
ドクトル イ ン ジエニエール ハー ツ
-
-
-
-
16
广州汽车集团股份有限公司
60
-
-
11
14
16
エー エフ ポルシエ アクチ エン ゲゼル
シヤフト(Dr. Ing. h.c. F. Porsche
16
Aktiengesellschaft)(独)
17
14
-
-
17
-
-
-
10
18
13
15
9
-
-
-
-
-
华晨鑫源重庆汽车有限公司
59
-
-
-
-
17
株式会社斗山(韓)
14
北京汽车股份有限公司(中)
55
-
-
-
-
18
NAMYANG IND CO LTD,(韓)
13
19
上海通用汽车有限公司(中)
53
19
出願人3名
11
20
出願人2名
52
20
(中)
- 22 -
(6)
[日本意匠分類別-出願先国・地域別]意匠登録件数
日米欧中韓全体への日本意匠分類別出願先国・地域別意匠登録件数の推移(2010~
2014 年)を以下に示す。
表 3-7
日本意匠分類別-出願先国・地域別]
意匠登録件数の推移(2010~2014 年)
(日米欧中韓全体:各分類)
2010
日本
公報発行年
2011
2012
2013
合計
2014
2010
米国
公報発行年
2011
2012
2013
2014
合計
G2-200
39
53
67
78
74
311
68
58
39
41
62
268
G2-2100
G2-290
125
27
66
48
213
49
162
49
129
35
695
208
121
36
130
34
130
32
158
30
215
29
754
161
G2-291
G2-292
234
7
145
4
371
5
300
2
232
1
1,282
19
224
13
204
9
211
8
313
13
321
7
1,273
50
G2-293
133
113
103
105
195
649
40
60
45
49
75
269
G2-294
G2-295
11
38
13
37
29
86
22
39
10
56
85
256
20
79
13
91
26
77
23
81
49
94
131
422
G2-296
54
43
55
65
65
282
27
17
29
28
45
146
G2-297
115
88
142
165
158
668
74
129
133
204
227
767
分野全体
783
610
1,120
987
955
4,455
702
745
730
940
1,124
4,241
EU
公報発行年
2010
2011
2012
2013
合計
2014
中国
公報発行年
2010
2011
2012
2013
2014
合計
G2-200
G2-2100
193
91
250
71
294
71
321
101
288
97
1,346
431
729
382
670
175
861
212
738
208
817
194
3,815
1,171
G2-290
G2-291
247
78
204
65
256
90
406
143
464
216
1,577
592
619
541
440
616
643
713
659
1,031
823
1,008
3,184
3,909
G2-292
G2-293
44
75
37
82
18
81
29
100
78
237
206
575
412
629
413
477
524
662
628
636
267
1,013
2,244
3,417
G2-294
51
68
56
149
61
385
278
182
173
168
211
1,012
G2-295
G2-296
91
81
70
71
93
21
110
60
280
81
644
314
717
606
560
622
658
733
610
553
602
726
3,147
3,240
G2-297
分野全体
236
271
273
278
343
1,401
1,362
1,271
1,321
1,497
1,503
6,954
1,187
1,189
1,253
1,697
2,145
7,471
6,275
5,426
6,500
6,728
7,164
32,093
韓国
公報発行年
2010
2011
2012
2013
合計
2014
G2-200
19
47
26
46
43
181
G2-2100
G2-290
43
20
69
26
80
42
97
69
77
80
366
237
G2-291
G2-292
200
12
175
37
341
8
350
16
309
29
1,375
102
G2-293
144
117
75
109
128
573
G2-294
G2-295
G2-296
G2-297
分野全体
21
44
61
99
663
11
85
65
129
761
27
123
56
260
1,038
32
220
65
223
1,227
42
236
77
282
1,303
133
708
324
993
4,992
- 23 -
第4章
自動車分野における ASEAN・BRICS 各国の意匠登録動向
調査概要
調査項目
2010 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日の 5 年間にシンガポール、フィリピン、マレーシ
ア、ブラジル、ロシア、南アフリカで意匠公報が発行された意匠登録(意匠公報発行年)
について、日本意匠分類に基づき公報発行年別に以下の項目を調査した。
a.分野全体調査
① 意匠登録件数
② [出願先国別]意匠登録件数
③ [出願人居住国・地域別]意匠登録件数
④ [出願先国別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
⑤ [出願先国別]意匠登録上位 10 者の名称・居住国(・地域)・意匠登録件数
⑥ 新規出願人数
b.日本意匠分類別調査
① [日本意匠分類別]意匠登録件数
② [日本意匠分類別-出願先国別]意匠登録件数
③ [日本意匠分類別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
④ [日本意匠分類別-出願先国別-出願人居住国・地域別]意匠登録件数
⑤ [日本意匠分類別-出願先国別]意匠登録上位 5 者の名称・居住国(・地域)・
意匠登録件数
データ取得項目
データ取得項目は以下のとおりである。
- 24 -
表 4-1
調査項目
取得項目
説明
登録番号
・
公報記載の番号。
公報発行日
・
各国サイト及び商用データベースの検索キーに公報発行日がある場合は公報
発行日、公報発行日がない場合は Grant date または Filling date を取得。
実体審査のないマレーシアについては公報記載の Application date を取得。
・
出願人居住国・地域 ・
・
出願人名称
・
ASEAN・BRICS 各国の自国居住者、日本国居住者、米国居住者、EU 加盟国居
住者(英国居住者、ドイツ居住者、フランス居住者、イタリア居住者、その他
EU 加盟国居住者)、中国居住者、韓国居住者、その他国・地域居住者(スイス
居住者、その他)に分けて調査。
EU 加盟国居住者及びその他国・地域居住者の内訳については、それぞれ少な
くとも上位 5 か国・地域まで調査。
・
出願人居住国・地域別の集計及び意匠登録上位者の集計に用いる。筆頭出願人
を対象とする。
主要な出願人においては、個人、法人の別を調査する。
物品名
・
日本意匠分類を特定するために取得する。
意匠の説明
・
日本意匠分類を特定するために取得する。
ロカルノ分類
・
日本意匠分類を特定するために取得する。
日本意匠分類
・
ASEAN・BRICS 各国の意匠登録(公報発行年:2010~2014 年)は、日本意匠
分類が付与されていないため、商用データベースや各国の知的財産庁のウェブ
サイト等で取得した意匠登録データの書誌事項(ロカルノ分類及び物品名等)
を基に、「ロカルノ分類コンコーダンス情報」及び「日本意匠分類 分類定義
カード」を利用して日本意匠分類(小分類 3 桁)を付与。
表 4-2
調査対象分野(日本意匠分類(平成 19 年 4 月 1 日施行版))
日本意匠分類
意匠分類の表示
G2-200
その他の自動車
G2-2100
乗用自動車等
G2-290
自動車用部品及び付属品
G2-291
自動車用車体構成大型部品
G2-292
自動車駆動部品又は自動車用走行関係部品
G2-293
自動車用運転操作関係部品及び付属品
G2-294
自動車用保安部品及び付属品
G2-295
自動車用外装部品及び付属品
G2-296
自動車用内装部品及び付属品
G2-297
自動車用照明器具
- 25 -
データ取得源およびデータ取得方法
(1)
データ取得源
2010~2014 年(公報発行年)の ASEAN・BRICS 各国の意匠登録データを各国知的
財産庁ウェブサイト及び商用データベース 2を利用して取得する。
表 4-3
使用データベース
国名
URL など
シンガポール
https://www.ip2.sg/RPS/WP/CM/SearchSimpleP.aspx?SearchCategory=DS
フィリピン
http://121.58.254.45/PatGazette/
マレーシア
https://iponline.myipo.gov.my/ipo/main/search.cfm
ブラジル
https://gru.inpi.gov.br/pePI/jsp/desenhos/DesenhoSearchBasico.jsp
ロシア
Orbit.com(商用データベース)
南アフリカ
http://patentsearch.cipc.co.za/designs/designsearch.aspx?search=advance
(2)
データ取得方法及び判断方法
以下に示す自動車分野に相当するロカルノ分類をキーに各データベースで検索し、
検索結果を抽出する。
表 4-4
抽出に使用したロカルノ国際分類
ロカルノ国際分類
G22xx に相当する
ロカルノ分類
第9版
8-6、8-7、8-8
10-4、10-5
12-3、12-5、12-8、12-9、12-13、12-16
23-1
26-5、26-6、26-99
29-2
(1) 筆頭のロカルノ分類が付与されているデータを抽出。
(2) 複数のロカルノ分類が付与され、筆頭ではなく 2 番目以降に自動車に相当する
ロカルノ分類が入っているものについては、まずは筆頭のみを抽出。
(3) 2 番目以降は自動車にもっとも関連あるロカルノ分類(12 番及び 26-06)を抽出。
(4) 物品名から明らかに自動車関連の物品である or ない、また、物品名から判断
できない場合は出願人名称が自動車関連企業である or ないで判断。
2
Questel 社の Orbit.com 意匠モジュールは世界 30 か国 2 機関(オーストリア、ベネルクス、ブルガリア、
カナダ、中国、キプロス、チェコ、エストニア、フランス、ドイツ、ギリシャ、イスラエル、イタリア、
日本、韓国、ラトビア、リトアニア、マルタ、メキシコ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、ロシ
ア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国、WIPO、OHIM)の意匠
公報に関する書誌情報が入手可能な商用データベースである
- 26 -
ASEAN・BRICS 各国の意匠登録
分野全体調査
(1)
意匠登録件数
対象分野全体の ASEAN・BRICS 各国への意匠登録件数の推移(2010~2014 年)を
以下に示す。2013 年までは増加傾向にあったものの、2014 年には減少に転じている。
表 4-5
意匠登録件数の推移(2010~2014 年)
(ASEAN・BRICS:分野全体)
公報発行年
2010
分野全体
図 4-1
2011
614
2012
962
926
2013
1,230
合計
2014
830
4,562
意匠登録件数の推移(2010~2014 年)(ASEAN・BRICS:分野全体)
1,400
1,200
意 1,000
匠
登 800
録 600
件
数 400
200
0
2010
2011
2012
2013
2014
公報発行年
分野全体
(2)
[出願先国別]意匠登録件数
対象分野全体の出願先国別意匠登録件数の推移(2010~2014 年)と割合(2014 年)
を以下に示す。ロシアへの登録件数は安定的に増加しているものの、それ以外の国で
は 2014 年に登録件数が減少している。シンガポール・フィリピンへの登録はいずれも
年間 100 件未満である。
- 27 -
図 4-2
[出願先国別]
意匠登録件数の推移(2010~2014 年)と割合(2014 年)
(ASEAN・BRICS:分野全体)
公報発行
2010-2014年
2014年
シンガポール
20件
2.4%
南アフリカ
142件
17.1%
フィリピン
13件
1.6%
1,500
1,230
意 1,200
匠
登 900
録 600
件
数 300
マレーシア
93件
11.2%
ブラジル
96件
11.6%
962
926
830
614
0
2010
2011
2012
2013
2014
公報発行年
出願先国・地域
ロシア
466件
56.1%
(3)
合計
830件
シンガポール
フィリピン
マレーシア
ロシア
南アフリカ
合計
ブラジル
[出願人居住国・地域別]意匠登録件数
対象分野全体の出願人居住国・地域別意匠登録件数の推移(2010~2014 年)と割合
(2014 年)を以下に示す。EU 加盟国居住者、日本居住者による登録が多い。
図 4-3
[出願人居住国・地域別]
意匠登録件数の推移(2010~2014 年)と割合(2014 年)
(ASEAN・BRICS:分野全体)
韓国居住者
9件
1.1%
中国居住者
28件
3.4%
2014年
ASEAN
その他
居住者
19件
29件
2.3%
3.5% BRICS居住者
EU居住者
281件
33.9%
米国居住者
107件
12.9%
140件
16.9%
日本居住者
217件
26.1%
公報発行
2010-2014年
1,500
意
匠
登
録
件
数
1,230
1,200
900
960
926
830
614
600
300
0
2010
出願人居住国・地域
合計
830件
ASEAN居住者
米国居住者
韓国居住者
- 28 -
2011
2012
2013
2014
公報発行年
BRICS居住者
EU居住者
その他
日本居住者
中国居住者
合計
(4)
[出願先国別]意匠登録上位 10 者の名称・居住国(・地域)・意匠登録件数
対象分野全体の意匠登録件数上位 10 者(2014 年)及びその順位の推移(2010~2014
年)を以下に示す。
表 4-6
[出願先国別]意匠登録上位 10 者(2014 年)及びその順位の推移(2010~2014 年)
(ASEAN・BRICS:分野全体)
シンガポールへの登録
順位
2010 2011 2012 2013 2014
出願人名
フィリピンへの登録
順位
件数
2014 2010 2011 2012 2013 2014
出願人名
マレーシアへの登録
件数
2014
順位
2010 2011 2012 2013 2014
1
1
5
2
1
トヨタ自動車株式会社(日)
9
-
6
4
6
1
スズキ株式会社(日)
3
-
-
-
8
1
-
6
2
3
2
日産自動車株式会社(日)
2
-
-
-
-
2
TIANDING CAI (PH)(フィリピ
ン)
2
-
1
1
2
出願人名
件数
2014
ダイハツ工業株式会社(日)
20
2
本田技研工業株式会社(日)
11
10
-
-
-
-
2
HOPE TECHNIK PTE LTD
(SG)(シンガポール)
2
1
2
1
1
2
本田技研工業株式会社(日)
2
-
-
6
7
3
バイ エリッシェ モトーレン ヴェ ルケ アー
ゲー(BAYERISCHE MOTOREN WERKE
AKTIENGESELLSCHAF)(独)
-
-
-
-
2
KENU, INC(米)
2
-
-
-
-
4
THE NEW EXCELSIOR MARKETING
CORPORATION,(PH)(フィリピ ン )
1
-
-
-
-
4
GOOD-POINT (ASIA) SDN.
BHD.(マレーシア)
8
1
-
-
-
-
4
個人(PH)(フィリピン)
1
-
-
-
-
5
株式会社ホンダアクセス(日)
7
1
3
5
5
5
4
フェラーリ(FERRARI S.p.A. )
(伊)(伊)
1
-
-
-
-
6
井関農機株式会社(日)
6
6
SINGAPORE TECHNOLOGIES
-
-
-
-
3
-
-
1
-
-
5
-
5
-
KINETICS INTEGRATED ENGINEERING
PTE LTD(SG)(シン ガポール)
PERUSAHAAN OTOMOBIL
NASIONAL SDN BHD(MY)
(マレーシア)
5
BLUECAR(仏)
1
-
4
-
-
6
PERUSAHAAN OTOMOBIL
NASIONAL SDN. BHD.(マ
レーシア)(マレーシア)
1
-
6
3
3
6
スカニア(SCANIA CV AB)
(スウェーデン)
6
1
-
2
-
6
9
トヨタ自動車株式会社(日)
4
10
出願人2名
3
5
-
3
-
5
比亜迪有限公司(BYD
COMPANY LIMITED)(中)
(中)
-
-
-
-
5
MOOVE MEDIA PTE. LTD.
(SG)(シンガポール)
ブラジルへの登録
順位
2010 2011 2012 2013 2014
出願人名
9
-
-
-
1
フォード グローバル テクノ
ロジー(FORD GLOBAL
TECHNOLOGIES, LLC. )(米)
-
-
-
4
2
-
-
-
-
2
-
5
-
-
2
ロシアへの登録
順位
件数
2014 2010 2011 2012 2013 2014
1
-
-
4
8
-
2
4
5
1
8
5
6
6
南アフリカへの登録
順位
件数
2014 2010 2011 2012 2013 2014
出願人名
件数
2014
ボルボ トラ ック コーポレーショ ン
28
-
-
-
-
1
Public limited company
"AvtoVAZ"(露)
52
-
-
-
-
1
(VOLVO TRUCK CORPORATION)(ス
ウェ ーデン )
39
Man Truck & Bus Ag (独)
7
2
1
2
4
2
日産自動車株式会社(日)
46
2
2
5
8
2
本田技研工業株式会社(日)
19
日産自動車株式会社(日)
7
-
-
-
-
3
ルノー トラック(Renault
Trucks)(仏)
42
1
7
1
3
3
トヨタ自動車株式会社(日)
11
33
-
-
-
-
4
SEAN TERRENCE
ARMSTRONG(南アフリカ)
10
FIAT AUTOMÓVEIS S.A. (ブ
ラジル)
フォ ード グロ ーバル テクノロ ジー
7
-
-
7
-
4
バイ エリッシェ モトーレン ヴェ ルケ アー
8
出願人名
ゲー(BAYERISCHE MOTOREN WERKE
AKTIENGESELLSCHAF)(独)
6
Volkswagen
AKtiengesellschaft (独)
4
スカニア(SCANIA CV AB)
(スウェーデン)
4
-
-
-
-
-
-
7
-
5
6
(FORD GLOBAL TECHNOLOGIES LLC)
(US)(米)
AB VOLVO
LASTVAGNAR(スウェーデン)
ボルボ トラ ック コーポレーショ ン
(VOLVO TRUCK CORPORATION,)(ス
バイ エリッシェ モトーレン ヴェ ルケ アー
32
-
8
3
-
4
ゲー(BAYERISCHE MOTOREN WERKE
AKTIENGESELLSCHAF)(独)
10
29
-
-
4
5
6
日産自動車株式会社(日)
8
19
-
-
-
-
7
長城汽車股份有限公司(GREAT WALL
MOTOR COMPANY LIMITED)(CN)(中)
7
ウェ ーデン )
3
5
1
2
7
トヨタ自動車株式会社(日)
ジーエム グロ ーバル テクノロ ジー(GM
-
-
-
-
8
POMMIER (仏)
3
-
-
4
5
8
GLOBAL TECHNOLOGY OPERATINS
LLC)(米)
16
-
-
-
-
7
いすゞ自動車株式会社(日)
7
-
-
-
-
8
LEONARDO BERTASSI
BORTOLOTTO(ブラジル)
3
5
3
3
-
8
本田技研工業株式会社(日)
16
-
-
-
-
9
DELTA-V EXPERTS SA
(PTY) LTD(ZA)(南アフリカ)
4
10
出願人6名
2
-
-
-
-
10
Man Truck & Bus Ag(独)
14
-
-
-
-
10
出願人3名
3
- 29 -
日本意匠分類別調査
(1)
[日本意匠分類別]意匠登録件数
対象分野全体の ASEAN・BRICS 各国への日本意匠分類別意匠登録件数の推移(2010
~2014 年)を以下に示す。
図 4-4
[[日本意匠分類別]意匠登録件数の推移(2010~2014 年)
(ASEAN・BRICS:各分類)
500
400
意
匠
登
録
件
数
300
200
100
0
2010
2011
2012
2013
2014
公報発行年
G2-200 その他の自動車
G2-2100 乗用自動車等
G2-290 自動車用部品及び付属品
G2-291 自動車用車体厚生大型部品
G2-292 自動車駆動部品または自動車用走行関係部品
G2-293 自動車用運転操作関係部品及び付属品
G2-294 自動車用保安部品及び付属品
G2-295 自動車用外装部品及び付属品
G2-296 自動車用内装部品及び付属品
G2-297 自動車用照明器具
(2)
[日本意匠分類別-出願先国別]意匠登録件数
対象分野全体の日本意匠分類別出願先国別意匠登録件数の推移(2010~2014 年)と
割合(2014 年)を以下に示す。
- 30 -
表 4-7
[日本意匠分類別-出願先国別]
意匠登録件数の推移(2010~2014 年)と割合(2014 年)
(ASEAN・BRICS:各分類)
2010
2011
シンガポール
公報発行年
2012
2013
合計
2014
2010
2011
フィリピン
公報発行年
2012
2013
合計
2014
2010
マレーシア
公報発行年
2012
2013
2011
合計
2014
G2-200
G2-2100
2
6
4
29
2
5
1
11
3
8
12
59
1
8
0
29
6
19
7
20
1
2
15
78
0
0
2
28
5
35
23
41
8
37
38
141
G2-290
G2-291
0
1
0
33
0
3
0
26
0
3
0
66
0
1
1
25
1
11
0
23
0
3
2
63
0
1
2
22
4
35
8
57
6
16
20
131
G2-292
G2-293
0
0
0
4
0
5
0
4
0
1
0
14
0
0
0
2
0
2
0
2
0
1
0
7
0
3
0
19
0
14
0
20
0
6
0
62
G2-294
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
G2-295
G2-296
1
1
6
1
0
2
8
2
0
3
15
9
1
0
8
0
1
0
5
0
1
0
16
0
0
0
6
4
5
1
8
2
12
1
31
8
G2-297
2
16
0
11
2
31
8
15
3
14
5
45
0
14
17
27
7
65
分野全体
13
93
17
63
20
206
19
80
44
71
13
227
4
97
116
186
93
496
ブラジル
公報発行年
2010
2011
2012
2013
ロシア
公報発行年
合計
2014
2010
2011
2012
2013
合計
2014
南アフリカ
公報発行年
2010
2011
2012
2013
合計
2014
G2-200
G2-2100
19
48
22
68
14
50
19
49
5
20
0
0
36
52
44
63
41
76
42
67
53
66
216
324
4
35
3
31
7
51
57
34
1
43
72
194
G2-290
G2-291
12
82
13
111
15
76
10
54
5
28
0
0
1
61
1
88
8
96
14
135
19
162
43
542
7
34
9
38
9
41
22
93
5
51
52
257
G2-292
12
17
23
11
11
0
1
5
4
7
4
21
0
1
3
1
0
5
G2-293
G2-294
7
4
14
4
10
2
22
7
3
0
0
0
14
0
20
0
22
2
25
2
47
2
128
6
6
8
5
0
4
0
18
3
4
1
37
12
G2-295
G2-296
27
2
29
0
14
3
20
3
9
0
0
0
10
5
10
15
16
17
12
8
27
17
75
62
12
4
16
0
11
3
17
1
14
7
70
15
G2-297
10
8
63
40
15
0
40
40
43
76
69
268
25
17
25
41
16
124
分野全体
223
286
270
235
96
1,110
220
286
325
388
466
1,685
135
120
154
287
142
838
- 31 -
第5章
自動車分野に関連する日本の特許出願動向
自動車分野(日本意匠分類 G2-2)に関係があると考えられる IPC 番号を特定し、意匠出
願件数と、それに関連する公開特許件数(公表・再公表含む)の推移を調査した。
対象は 2005 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日に出願された、日本を出願先とする公開特
許とした。公開特許件数の検索に当たっては、特許検索・分析総合ソリューションサービ
ス ULTRA Patent を用いた。
自動車に関連する公開特許件数の推移
G2-2100(乗用自動車等)の公開特許件数は 2005 年から 2007 年までは 3,500 件前後で
あったが、その後は減少傾向にある。G2-291(自動車用車体構成大型部品)は 2005 年
の 1,483 件から徐々に減少し 2010 年には 915 件まで減少したが、2011 年から 2013 年は
再び 1,000 件以上に戻した。G2-293(自動車用運転操作関係部品及び付属品)は 2006 年
の 5,521 件から減少傾向にある。G2-296(自動車用内装部品及び付属品)は 2005 年から
2008 年までは 3,500 件以上の出願があったが、2009 年には 2,907 件まで減少し、それ以
降も減少傾向にある。
図 5-1
自動車関連分野の公開特許件数(公表・再公表含む)の推移(各分類)
G2-2分野-1(2005-2014年の合計が10,000件以上)
6,000
5,000
( )
公
4,000
開
特
許 3,000
件
数
件 2,000
1,000
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
出願年
2011
2012
2013
G2-2100 (乗用自動車等)
G2-291 (自動車用車体構成大型部品)
G2-293 (自動車用運転操作関係部品及び付属品)
G2-296 (自動車用内装部品及び付属品)
2014
G2-200(その他の自動車)は 2008 年の 134 件をピークに減少したが、2013 年に 85 件
に増加した。G2-290(自動車部品及び付属品)の公開特許件数は 2005 年から 2008 年ま
では 1,000 件前後であったが、減少傾向にあり、現在は 600 件を割り込んでいる。G2-292
(自動車駆動部品又は自動車用走行関係部品)は最大で 48 件、最小で 25 件とほぼ横ば
いである。G2-294(自動車用保安部品及び付属品)は 2005 年の 558 件から大きく減少
し、2010 年以降 100 件程度で推移している。G2-295(自動車用外装部品及び付属品)は
- 32 -
2005 年の 134 件から減少傾向にあり 2012 年に 54 件まで減少したが、2013 年は 81 件に
増加した。G2-297(自動車用照明器具)は 2005 年から 2013 年まで増減はありながらも
増加傾向にあり、900 件を越えている。
図 5-2
自動車関連分野の公開特許件数(公表・再公表含む)の推移(各分類)
G2-2分野-2(2005-2014年の合計が10,000件以下)
1,200
1,000
( )
公
800
開
特
許
600
件
数
件 400
200
0
2005
2006
2007
G2-200
G2-290
G2-292
G2-294
G2-295
G2-297
2008
2009
2010
出願年
2011
2012
(その他の自動車)
(自動車部品及び付属品)
(自動車駆動部品又は自動車用走行関係部品)
(自動車用保安部品及び付属品)
(自動車用外装部品及び付属品)
(自動車用照明器具)
- 33 -
2013
2014
自動車に関連する公開特許件数の推移
意匠登録ありの出願人を含む特許出願人の比率は、意匠登録ありの出願人を含まない
特許出願人の比率よりも若干高くなっている。
意匠登録ありの出願人を含む特許出願人の比率が 50%を超えている分野は、G2-2100
(乗用自動車等)77.3%、G2-291(自動車用車体構成大型部品)61.6%、G2-294(自動
車用保安部品及び付属品)62.1%、G2-295(自動車用外装部品及び付属品)52.7%、G2-297
(自動車用照明器具)64.0%となっており、50%以下の分野は G2-200(その他の自動車)
45.9%、G2-290(自動車部品及び付属品)48.7%、G2-292(自動車駆動部品又は自動車
用走行関係部品)45.3%、G2-293(自動車用運転操作関係部品及び付属品)43.2%、G2-296
(自動車用内装部品及び付属品)38.8%となっている。
なお、意匠登録ありの出願人とは筆頭出願人のみを対象とした。
表 5-1
特許出願人と意匠出願人の共通性
IPC
(メイングループ)
公開特許件数
意匠登録あり出願人を含む
件数
G2-200
(その他の自動車)
G2-2100
(乗用自動車等)
G2-290
(自動車部品及び付属品)
G2-291
(自動車用車体構成大型部品)
G2-292
(自動車駆動部品又は自動車用走行関係部品)
G2-293
(自動車用運転操作関係部品及び付属品)
G2-294
(自動車用保安部品及び付属品)
G2-295
(自動車用外装部品及び付属品)
G2-296
(自動車用内装部品及び付属品)
G2-297
(自動車用照明器具)
総計
比率
意匠登録あり出願人を含まない
件数
比率
923
424
45.9%
499
54.1%
27,691
21,399
77.3%
6,292
22.7%
7,304
3,554
48.7%
3,750
51.3%
10,724
6,605
61.6%
4,119
38.4%
307
139
45.3%
168
54.7%
42,265
18,248
43.2%
24,017
56.8%
2,450
1,522
62.1%
928
37.9%
898
473
52.7%
425
47.3%
28,114
10,895
38.8%
17,219
61.2%
7,964
5,100
64.0%
2,864
36.0%
128,640
68,359
53.1%
60,281
46.9%
- 34 -
第6章
自動車分野における市場動向及びデザイン保護に関する法制度の動向
自動車分野の意匠出願動向に影響を与えると考えられる市場環境及びデザイン保護に関
する法制度について、文献、ウェブサイト、各国政府刊行物等から関連する情報を収集し
た。
日本における市場動向
市場規模の推移
日本での四輪乗用車の販売台数は、2011 年まで全体で下降傾向にあったが、2012 年以
降、軽四輪の伸びもあり販売台数ベースでは高い水準で推移している。
図 6-1
475
400
販
売
台 300
数
万 200
139
(
500
151
191
440
145
423
421
392
352
143
128
128
165
155
148
457
456
470
156
169
184
160
147
142
114
151
125
)
台
209
464
日本における四輪乗用車の販売台数
100
127
123
130
125
116
142
114
141
140
144
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
0
普通
小型
軽四輪
年
(出典)一般社団法人日本自動車工業会>データベース
http://jamaserv.jama.or.jp/newdb/index.html、2015 年 11 月 5 日、より作成
市場シェア
日本の自動車分野(トラック、バスを含む(軽自動車は除く))における市場シェアは
以下の通りである。トヨタ自動車(国内シェア 46%)がトップシェア企業となっており、
本田技研工業(同 12%)、日産自動車(同 12%)がそれに続いている。
- 35 -
図 6-2
100%
( )
販 80%
売
シ 60%
ェ
ア 40%
%
20%
日本の自動車分野における市場シェア(乗用車 3)
12.0
5.0
10.0
15.0
12.0
5.0
9.0
14.0
13.0
5.0
10.0
12.0
12.0
12.0
5.0
11.0
14.0
11.0
14.0
13.0
7.0
10.0
12.0
12.0
14.0
44.0
48.0
47.0
46.0
46.0
2011
2012
2013
2014
2015
輸入車合計
マツダ
0%
トヨタ
ホンダ
日産
年
その他
(出典):一般社団法人 日本自動車販売協会連合会
統計データ > 年別統計データ > 新車・年別販売台数 > 登録車 > 新車メーカー別販売台数 4
http://www.jada.or.jp/contents/data/index.html、2015 年 11 月 06 日、より作成
関連する規制・政策等の製品への影響
各国・地域の自動車のデザインの保護に関する政策
各国の制度の比較は以下のとおりである。
表 6-1
日本
意匠制度の比較(1)
米国
欧州(OHIM)
中国
根拠法
意匠法
合衆国法典第 35 編
(昭 和 34 年法律 第 (35U.S.C)
125 号)
第 16 章
欧州共同体意匠規則 中華人民共和国専利
( Council Regulation 法
(EC) No 6/2002)
登録要件
新規性(需要者)
創作非容易性(当業
者)
工業上利用可能性
新規性(共同体内で 新規性(一般消費者)
事業を営む当業者) 創作非容易性
独自性(情報に通じ
た使用者)
新規性(平均的な観
察者)
非自明性(通常のデ
ザイナー)
装飾性
新 規性判断 の基 国内外公知・公用
準
国内公用・国内外刊 国内外公知・公用
行物記載
国内公用・国内外刊
行物記載
登 録要件に 係る 有
実体審査の有無
有
無
出願単位
一意匠一出願
多意匠一出願
多意匠一出願
(単一のクレームに
属する限り)
関連意匠制度
有
有(実施例として出 無(多意匠一出願は 有(類似意匠制度)
願)
可能)
部分意匠制度
有
有(disclaim による) 有
無
多意匠一出願(同一
の製品に関する限
り)
無
意 匠権の効 力範 同一又は類似の意匠 新規部分について実 異なった全体的印象 同一又は類似のデザ
囲
に及ぶ
質同一・全体的にみ を与えない意匠に及 インに及ぶ
て通常人が誤認して ぶ(実質同一)
購入する程度に類似
するデザインに及ぶ
3
4
トラック、バスを含む(軽自動車は除く)。
2015 年は 1 月~10 月までの累計台数を基に算出した数値。
- 36 -
日本
米国
欧州(OHIM)
中国
意 匠権の存 続期 登録日から 20 年
間及び起算点
登録日か ら 15 年 間 出願日から 5 年,以 出願日から 10 年
(2013 年 12 月より 後 5 年毎に 4 回まで
前は 14 年)
更新可能で最長 25 年
ス ペアパー ツの 他の物品と同一
取扱い
他の物品と同一
保 護 対 象 か ら 除 外 他の物品と同一
(must-match 条項あ
り)
内 部構造の 取扱 独立的に取引される 独立的に取引される 最終製品の通常の使 特段の言及なし
い
部品は保護される
部品は保護される
用では見えない内部
構造は保護されない
- 37 -
表 6-2
意匠制度の比較(2)
韓国
ブラジル
ロシア
シンガポール
根拠法
デザイン保護法
産業財産権法
ロシア民法第 4 章
意匠法
登録要件
新規性(当該デザイ 新規性
ン分野の通常人)
独創性
創作非容易性( 2014 工業上利用可能性
年 7 月より厳格化)
工業上利用可能性
新規性
独自性
新規性
国内外公知・公用
国内外公知・公用
有
無
新 規性判断 の基 国内外公知・公用
準
国内外公知・公用
登 録要件に 係る 有(一部物品で無) 無
実体審査の有無
出願単位
多意匠一出願( 2014 多意匠一出願(同一 多意匠一出願(同一 多意匠一出願(同一
年 7 月以降)
用途、同一特徴が必 特徴、または、同一 特徴かつ同一のロカ
(以前は無審査の物 要。最大 20 意匠) のロカルノ分類に属 ルノ分類に属するこ
品のみ多意匠一出
する部品・完成品の とが必要)
願)
関係が必要)
関連意匠制度
有(2014 年 7 月より 無(多意匠一出願は 無(多意匠一出願は 無(多意匠一出願は
類似意匠制度から変 可能)
可能)
可能)
更)
部分意匠制度
有
無
無
無
意 匠権の効 力範 同一又は類似のデザ 同一又は誤認混同を 同一又は類似のデザ 同一又は類似のデザ
囲
インに及ぶ
生じさせる恐れのあ インに及ぶ
インに及ぶ
るデザインに及ぶ
意 匠権の存 続期 登 録 日 か ら 20 年 出願日から 10 年、最 出願日から 15 年、最 登録日から 5 年、最
間及び起算点
(2014 年 7 月より前 大 25 年
大 25 年
大 15 年
は 15 年)
ス ペアパー ツの 他の物品と同一
取扱い
他の物品と同一
内 部構造の 取扱 独立して取引される 保護される
い
部品は保護される
- 38 -
他の物品と同一
保護対象から除外
(must-match 条項あ
り)
独立して取引される 独立して取引される
部品は保護される
部品は保護される
表 6-3
意匠制度の比較(3)
マレーシア
フィリピン
南アフリカ
根拠法
意匠法
知的財産法
意匠法
登録要件
新規性
新規性
装飾性
【審美的意匠】
新規性、独創性、工
業上利用可能性
【機能的意匠】
新規性、ありふれて
いないこと、工業上
利用可能性
新 規性判断 の基 国内公知・公用
準
国内外公知・公用
国内外公知・公用
登 録要件に 係る 有
実体審査の有無
無
無
出願単位
多意匠一出願(同一 多意匠一出願(同一 一意匠一出願
のロカルノ分類に属 のロカルノ分類に属
することが必要)
することが必要)
関連意匠制度
無(多意匠一出願は 無(多意匠一出願は 有
可能)
可能)
部分意匠制度
無
有
意 匠権の効 力範 同一又は類似の意匠 同一の意匠に及ぶ
囲
に及ぶ
有
同一又は類似の意匠
に及ぶ
意 匠権の存 続期 出願日から 5 年、最 出願日から 5 年、最 【審美的意匠】
間及び起算点
大 15 年
大 15 年
出願日から 15 年
【機能的意匠】
出願日から 10 年
ス ペアパー ツの 一部は保護対象から 他の物品と同一
取扱い
除外(must-match 条
項あり)
他の物品と同一
内 部構造の 取扱 独立して取引される 使用時に見えない物 規定なし
い
部品は保護される
品の外観は保護の対
象外
- 39 -
各国の自動車のデザインに関わる施策
各国の自動車デザインに関わる施策の実施状況について以下に示す。
(1)
日本
車体リサイクルの制度化(2005 年~)
電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の研究開発・普及促進
(2009 年~)
(2)
米国
電気自動車の研究開発・普及促進(2009 年~)
燃料電池自動車・水素自動車の研究開発促進(2015 年 3 月~)
(3)
欧州
欧州グリーンカーイニシアティブ/欧州グリーン自動車イニシアティブ
(2009 年~)
クリーンでエネルギー効率のよい一般道路車両の推進に関する指令
2009/33/EC
(4)
中国
電気自動車、及び、プラグイン・ハイブリッド車の推進(2012 年 6 月~)
(5)
韓国
自由貿易協定を通じた自動車関税の撤廃・低率化(2013 年~)
(6)
ブラジル
国内生産優遇措置(2012 年〜)
小型自動車に対する減税措置(2012 年〜)
(7)
ロシア
現地生産の促進(2005 年~)
(8)
シンガポール
自動車車両数の総量規制・公共交通機関の利用促進(1990 年~)
(9)
マレーシア
電気自動車・ハイブリッド車の促進と国内での組立促進(2009 年~)
(10)
フィリピン
国内生産振興策(2015 年〜)
(11)
南アフリカ
国内生産優遇措置(2008 年〜) 5
5
株式会社日本政策金融公庫「自動車産業の発展と現状」(2011 年)、
- 40 -
取りまとめ結果
各国・地域における市場動向
各国・地域の輸出入額の関係とその推移について定量的にグラフにまとめた。乗用車、
トラックともに日本は米国への輸出が中心であり、逆に輸入は欧州からが多い。
一方、自動車部品については、米国を除く各国で、中国に対する輸出が輸入を上回っ
ている。これは、重要なパーツを国内生産したうえで中国に送り完成車に組み上げてい
るためと思われる。
図 6-3
各国・地域間での輸出入の関係(完成車) 6
出典:UN Comtrade Database
6
7
http://comtrade.un.org/7、2016 年 1 月 21 日、より作成
http://www.jbic.go.jp/ja/report/reference/index.html(2016 年 1 月 4 日アクセス)
完成車は HS コード 8702、8703、8704 を使用。
中国は香港、マカオ、台湾を除く。EU は 2016 年 1 月 21 日時点の加盟国 28 か国の貿易額の合算値とした。
- 41 -
図 6-4
各国・地域間での輸出入の関係(乗用車 8)
出典:UN Comtrade Database
図 6-5
各国・地域間での輸出入の関係(トラック 9)
出典:UN Comtrade Database
8
9
http://comtrade.un.org/、2016 年 1 月 21 日、より作成
http://comtrade.un.org/、2016 年 1 月 21 日、より作成
乗用車は HS コード 8703 を使用。
トラックは HS コード 8704 を使用。
- 42 -
図 6-6
各国・地域間での輸出入の関係(バス 10)
出典:UN Comtrade Database
図 6-7
各国・地域間での輸出入の関係(自動車部品 11)
出典:UN Comtrade Database
10
11
http://comtrade.un.org/、2016 年 1 月 21 日、より作成
http://comtrade.un.org/、2016 年 1 月 21 日、より作成
バスは HS コード 8702 を使用
自動車部品は HS コード 700721、840991、840999、841430、841459、841520、841590、848310、848320、
848330、848390、851220、851999、852721、852729、853910、853929、853990、8706、8707、870810、
870821、870829、870831、870839、870840、870850、870860、870870、870880、870891、870892、870893、
870894、870899、871690、940120、940190 を使用。
- 43 -
日本における市場規模動向と意匠登録動向の関係分析
日本における、市場規模動向と意匠登録動向の関係分析結果は以下の通り。意匠登録
件数および自動車の販売台数は両者ともリーマンショックを境に上昇トレンドに転じて
おり、傾向はおおむね一致している。
図 6-8
日本における自動車分野の市場規模動向と意匠登録動向の関係(出願日ベース)
1,200
12
10 意
匠
8 登
録
6 件
数
4
百
2 件
(
販 1,000
売 800
台
数 600
(
)
万
台
400
)
200
0
0
2006
2007
乗用車
2008
2009
トラック
2010
バス
- 44 -
2011
2012
2013
(年)
意匠登録件数
第7章
自動車分野におけるデザインの変遷
自動車分野におけるデザインの変遷について、関連する社会的背景(例:市場、流行、
技術、規格、法規制等に関するトピック)と共に調査し、結果を年表として視覚的にわか
りやすくまとめた。調査結果を基に、当該分野における、デザインの変遷とそれに関連す
る社会的背景との関係性について分析を行った。
自動車分野におけるデザインの変遷
ここでは、自動車分野におけるデザインの変遷について、関連する社会的背景と共に
まとめ、これらの関係性について分析を行った。
規格・法規制とデザイン
自動車分野は、特に規格や法規制による影響が大きい分野である。この 10 年間にデザ
インに影響を与えたものとしては、主としてリサイクル対策と燃費対策が挙げられる。
リサイクルに関しては、使用済み自動車の再資源化などに関する法律(自動車リサイ
クル法)が 2005 年に施行され、デザインに対しては使用できる素材や加工方法などで影
響を与えている。
燃費対策においては、燃費規制及びエコカー補助金制度により燃費に優れた車種への
シフトが進む中、燃費の良さをアピールするためにデザインが活用されてきた。
技術とデザイン
デザインに影響を与えている技術の例として、空力設計・強度設計とパワーユニットを
挙げる。
(1)
空力設計・強度設計
車体の形状は、空力を通じて燃費に大きな影響を与える。シミュレーション技術の
発達により風洞実験の数を増やすことなく空力性能の細かい調整が可能になったこと
や、プレス技術の進歩に伴い、複雑な形状に加工することも可能となったことから、
空力対策としてルーフ、コーナー、エンジンアンダーカバー、フロアアンダーカバー
などの形状が複雑化している。
また、ボディ側面のプレスラインは、強度を持たせるという機能的な目的に加えデ
ザイン上のアクセントにもなっている。
(2)
パワーユニット
HEV(ハイブリッド車)、EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)
など、燃費を大幅に向上させる新しいパワーユニットが生まれている。パワーユニッ
トの変化が部品配置の変化を通じてデザインに影響を与えている点もあるが、主とし
ては「新しさ」を外観においてアピールするためにデザインが活用されている。
車種別の特徴
最近 10 年間でデザイン上の変化の大きかった車種として、ワンボックスミニバン・
- 45 -
SUV・軽自動車・小型バスを挙げ、その変遷をまとめる。
(1)
ワンボックスミニバン
ワンボックスミニバンは従来家族向けの車種が中心であったが、室内が広く居住性
が高い特徴を活かし、従来セダンに限られていた高級車種への展開が進んでいる。
(2)
SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)
ユーザーのライフスタイルの多様化に伴い、ピックアップトラックをベースに米国
で登場した SUV と呼ばれるカテゴリーは日本でも一定の市場を獲得していた。1990
年代には、SUV 風のスタイリングでありながら乗用車ベースでデザイン性の高い「ク
ロスオーバーSUV」と呼ばれるカテゴリーが登場し、2000 年代以降も車種が増加しつ
つある。
(3)
軽自動車
1998 年に現行の規格(排気量 660cc 以下、全高 2.00m 以下、全長 3.40m 以下、全幅
1.48m 以下)が導入された軽自動車は、燃費に優れていることから、電気自動車・ハ
イブリッド車とは異なる「第 3 のエコカー」と呼ばれている。加えて、普通車と比較
して維持費も少ないことから、安定した人気がある。2006 年に年間新車販売台数が 200
万台を超えてから、2011 年には年間 169 万台まで減少が続いたが、2012 年以降は増加
傾向となり、2013 年及び 2014 年には再び年間新車販売台数が 200 万台を超えている。
規格の制約の中で室内空間を確保するために、デザインが活用されている。また、
軽自動車のユーザーは女性が多いことから、スタイリング・内装・色などにおいて女
性ユーザーのニーズを意識したデザインがなされている。近年の特徴としては、同一
の車名で複数のバリエーションを同時に展開することが多くなっている。
(4)
小型バス
地域住民の交通利便性を確保するため、地方自治体においてコミュニティバスや自
治体運営バスが、各地で運行されている。地方の少ない需要や市街地の狭い路地に対
応できる小回りの利く独特の小型バスのカテゴリーが生まれている。
- 46 -
部分・部品別の特徴
最近 10 年間でデザイン上の変化の大きかった部分・部品として、フロントグリル・ヘッ
ドライト・内装を挙げ、その変遷をまとめる。
(1)
フロントグリル
従来より欧州メーカーにおいては、ブランディングの観点から、特に自動車の顔と
言えるフロントグリルをラインナップ全体で統一的なデザインにする傾向が見られて
いた。
日本メーカーにおいても、近年はこの傾向が見られる。普通自動車では、各完成車
メーカーのラインナップ全体に統一的なフロントグリルが導入されている例が見られ
る。一方、軽自動車については、ラインナップ全体というよりも車名ごとに統一した
フロントグリルを導入する傾向がある。
(2)
ヘッドライト
LED ランプ、レーザーランプ等の照明に関する新技術によって、ユニットの小型化
やデザインの自由度向上が可能になり、ヘッドライトのデザインは近年大きく変化し
ており、各完成車メーカーが積極的に意匠出願を進めている分野となっている。
さらに、小型で高出力な LED ランプによって、イルミネーション(光らせ方)やそ
の変化にも自由度が生まれ、新たなデザインが生まれてきている。
(3)
内装
内装のデザインにおいても、最近は企業ブランドで統一感を持たせる傾向がある。
例えば、欧州メーカーでは車種を超えて統一感を持たせつつ、各車種ごとにアレンジ
を加えるようになっている。
一方、情報化の影響で、車室内で表示すべき計器類や画面が増えた結果、内装の個
別のデザインも最近大きく変化している。
その一つが車載用液晶ディスプレイである。液晶ディスプレイは、従来よりカーナ
ビゲーションシステムやテレビ等をはじめ、インストルメントパネル内の一部の表示
で使われていた。車載用液晶ディスプレイの大面積化、高精細化、高コントラスト化
が進む中で、一部の車種に関しては従来機械式計器であったメーター部分についても
画像として表示するようになった。このような計器のディスプレイ化に伴い、走行状
況に応じて表示を切り替えることで、限られたインストルメントパネルの面積の中に
多くの情報を表示するように可能になった。
また、トラックやバスでは、女性のドライバー増加の影響もあり、ハンドルのサイ
ズや角度をはじめ、小柄で非力なドライバーでも扱えるようなレイアウトが導入され
ている。
- 47 -
第8章
自動車分野における我が国企業の製品開発動向及び意匠制度利用動向
以下に、調査対象分野の企業のデザイン開発及び意匠制度活用の動向について、日本企
業のヒアリング調査から得られた傾向を整理する。
自動車関連製品のデザイン開発について
デザイン開発体制
(1)
企業内のデザイン開発体制
今回ヒアリングを行った企業では、完成車メーカー、部品メーカー共にデザイン専
門の部署を有している。デザイン開発は原則として社内(国内外の拠点)で行うが、
一部のデザインについては外部デザイナーへ依頼する形式を採っている。
また自社における製品提案力を高めるため、一部の企業では具体的な製品の開発を
担当する部署以外に、企業を代表するデザイン、未来の自動車のデザインなどを検討
する別部署を設けている。
(2)
自動車デザインに関わる各社の分業体制
特に自動車ユーザーの目に見える内装/外装のデザインについては、完成車メーカ
ーが一般にデザイン開発の主導権を握っている。部品メーカーは完成車メーカーへデ
ザイン提案を行い、双方のコミュニケーションの中で、共同でデザイン開発を行う。
自動車ユーザーの目に見えない部分については、部品メーカー主導でデザイン開発を
行う場合もある。
なお、完成車の純正部品の一部については、関係会社である用品メーカーが、デザ
イン開発を主導することもある。
デザイン開発の方針・制約
(1)
製品におけるデザインの位置づけ
近年はメーカー間で自動車に関連する技術を差別化することが難しくなっており、
よりデザインによる差別化が重要となっているという指摘が複数の企業から寄せられ
た。また、部品の標準化、モジュール化が進む中で、デザインはその制約の中におけ
る差別化のための手段として位置づけられつつある。機能が同じであっても、外観の
印象を変えることが出来る重要な手段となる。
一般ユーザーだけではなく、プロユーザー(エンジニアや職業ドライバー)の視点
を重視したデザイン開発が一部の企業で行われている。例えば、プロユーザーへクオ
リティの高さを印象づけるための完成車や部品のデザイン開発が行われる例があった。
(2)
ブランド戦略がデザイン開発に与える影響
日本の完成車メーカーにおいては、製品ラインアップやデザイン展開を検討するに
あたり、大きく分けて以下のいずれかのブランド戦略をとることが多い。
①すべての顧客セグメントに統一したブランドイメージ構築する
②特定の顧客セグメントにアピールする車種ブランドをそろえる
- 48 -
①に関しては、多くの完成車メーカーで「一見して自社の完成車であることがイメ
ージできること」をデザイン開発の上で重要視しており、例えばフロントデザインな
どに注力する例などがある。②に関しては、特に国内外の各顧客セグメントのニーズ
を反映することをデザイン開発の上で重要視しており、各メーカーはその把握に注力
することが多い。
(3)
その他、近年のデザイントレンド
外装のデザインに関しては、前述の部品の標準化やモジュール化による制約に加え、
自動車用照明器具や加工技術などの革新を受け、デザインの自由度が高まった領域が
ある点が近年の特徴である。
内装のデザインに関しては、環境対応車が一般的になったことなどを受けて、ユー
ザーが受け取る情報の種類や量が増加している。その情報を限られた自動車のインテ
リア空間の中で効率的に見せるためのデザイン開発に各社が取り組んでいる。特に近
年は、自動車操作のためのインターフェイスや画面のデザインが各社のデザインの競
争領域となっている。また、スマートフォンや携帯電話などの外部機器を自動車に持
ち込むことを前提とした内装の開発も進んでおり、コンセントやケーブルの配置など
の工夫に取り組む例もある。
デザイン開発の期間
完成車については、1~5 年程度のデザイン開発期間が一般的である。中には、10 年程
度の開発期間を要した車種もある。シミュレーションの技術の向上などにより、同じ開
発期間であっても、デザインに修正を加えるタイミングが増加しているという指摘もあ
った。
意匠制度等の利用について
意匠出願・意匠権の管理等の体制
(1)
意匠出願・意匠権の管理担当の人数
今回ヒアリングを行った企業では、各社 1~2 名程度、意匠権の担当者を有している。
特許・商標担当者と兼務であることも多い。
(2)
協業者間の権利帰属・共有のあり方
基本的には、完成車として販売した車種では、車体のみならず部品のデザインは、
その車種を有する完成車メーカーが意匠権を保有している。
一方で、コンセプトモデルなどの販売していない車体や部品のデザインや、複数企
業の完成車に展開されている部品などは、部品メーカーが意匠権を保有する場合もあ
る。
(3)
他者権利の侵害リスク回避の取り組み
日本の競合他社間では、デザイン開発過程における先行デザインや意匠権調査が徹
底されており、他者の権利を侵害するリスクは低減されている。
- 49 -
意匠出願の方針・制約
(1)
自動車分野における意匠出願に期待する効果とその実現度
新規のモデルの車種や部品を開発した際は、特許権の取得に加え、意匠権の取得が
製品開発のフローの中でルーチン的に検討されており、漏れのない権利取得を目指す
企業が多い。
多くのメーカーでは特許権の取得をより重視する中で、意匠権に関しては他者に対
する牽制(他者に自社製品の模倣品を作らせないよう牽制すること)を権利取得の効
果として位置づけている。一方で、近年はそれに加えて模倣品の排除(発生した模倣
品を警告や訴訟などにより排除すること)を重要な目的とする企業も増加していると
いう指摘もあった。その要因としては、中国や東南アジア等において特に部品のデザ
インの模倣品が開発・製造され、日本に流入する機会が近年特に増加していることが
ある。
部品のうち、完成車販売後のアフターマーケットが存在しているものに関しては、
メーカーにおいては、国内企業からも模倣品が生じる可能性があり、模倣品の排除を
意匠出願の第 1 の目的として考えているメーカーもある。
(2)
模倣品の発生状況
完成車に関して、現状では、国内企業間で意匠権侵害に当たるような模倣品は、少
なくとも事業を脅かすような程度では生じていない。国内企業では先行デザイン・意
匠権調査を徹底しており、お互いのデザインの住み分けができているため、模倣品は
確認されていない。部品に関しては、前述の通り一部の部品に関して、国内の企業か
らも模倣品が生じている。
一方で海外では、完成車、部品共に日本メーカーの模倣品の発生が指摘されている。
特に中国や東南アジアでは、意匠権侵害となるような模倣品が生じた例もあり、国内
に流入する模倣品もある。
意匠出願の内容
(1)
出願の判断基準・出願時期
近年では、グローバルな製品展開が一般的になったことなどが要因になり、一層出
願のタイミングを慎重に検討する必要性が生じているという指摘もあった。製品展開
先が増えたことにより、当該展開先でのデザイン発表のタイミングや、各国・地域に
おける意匠出願から登録までの期間の状況を踏まえた上で、第 1 国の選定や秘密意匠
の解除のタイミングなどを検討する必要が生じている。
(2)
意匠出願の対象
販売する製品について、意匠登録要件に当てはまるデザインの多くについて意匠出
願の対象とするというメーカーと、一部に絞り込んだ上で出願するメーカーの例が聞
かれた。前者については、主に完成車メーカーで、1 つの完成車について出願の対象
とするデザインのパターンの方針が概ね確定しており、そのパターンに従って出願す
る場合が多い。後者については、ブランド戦略上重要なデザインのみについて対象と
する場合や、模倣品が発生しやすい部品についてのみ出願する場合などの例があった。
- 50 -
販売する製品に加えて、モーターショーなどで発表するコンセプトカーについても、
多くの完成車メーカーで出願の対象としている。近年のコンセプトカーは比較的販売
車に近いものとなる傾向があるため、意匠出願の重要性が高まっている可能性もある。
部品メーカーについては、前述のように、完成車メーカーとの協業状況を考慮の上
で意匠出願対象を決定している。
(3)
部分・関連意匠制度等の利用状況
部分意匠制度は多くのメーカーで、利用実績がある。関連意匠制度については一部
のメーカーでのみ利用実績があるが、件数全体に占める割合は小さい。
異なる顧客セグメントのニーズに対応するため、同じ車種でも複数の車体のデザイ
ンを採用することがあり、その場合は関連意匠が活用される。また、モジュール化の
中でバリエーションが豊かになったライトやミラー等に関しては関連意匠を活用した
いという企業の意向もある。
部品メーカーの場合は、特に単独で流通していない部品について、部分意匠制度の
利用が比較的進んでいる。
(4)
海外での意匠登録状況
グローバルに事業展開する企業が多い中で、各社で製品展開国において意匠権を取
得している。中には、各国の制度の違い、特に実体審査の有無により生じる出願から
公開になるまでの期間の違いを鑑みて、まずは審査国である日本で出願して出願日を
確保し、登録・公開となる日をできるだけ遅くしたいと考えるメーカーもある。
各メーカーでは、特に中国での模倣品対策を重視しており、これらの地域では市場
規模と比較して 1 モデルあたりの意匠出願件数が多くなる傾向がある。特に他社のデ
ッドコピー品の発生を防ぐための牽制の効果への期待が大きく、その効果も実感され
ている。
(5)
その他
特許権と意匠権を組み合わせた製品保護を重視している。近年はメーカー間で自動
車に関連する技術を差別化することが難しくなっており、よりデザインによる差別化
が重要となっている中で、意匠権によるデザイン保護の重要度は増している。
意匠権の活用状況
各メーカーでは、特に中国での模倣品対策を重視しており、これらの地域では市場規
模と比較して 1 モデルあたりの意匠出願件数が多くなる傾向がある。特に他社のデッド
コピー品の発生を防ぐための牽制の効果への期待が大きく、その効果も実感されている。
(再掲)
しかし、中国や東南アジアの国において、既存の意匠権の権利範囲を絶妙に回避した
模倣品も増加しており、それら模倣品排除の取組には困難が生じている。
出願件数の将来動向の見込み
今後は、東南アジア圏での意匠出願件数を増加させるというメーカーが複数あった。
- 51 -
ハーグ協定の利用に関しては、各社が慎重に検討しており、現状では積極的に利用し
たいという意向は聞かれない。その理由としては、以下のようなものが挙げられた。
審査国と無審査国では、出願から登録までの期間が異なるため、意匠出願の時期
を分けて検討する必要があり、ハーグ利用でも直接出願でもその手間は変わら
ない。
審査国で拒絶理由通知を受けた場合、その内容が公開されうる状況になる。また、
拒絶理由通知への対応を行う場合、直接出願同様に各国で代理人費用がかかる。
特に意匠権を取得したい中国や ASEAN 各国がハーグ協定未加盟である。
意匠制度に対する評価
関連意匠制度について、現状のビジネスに適合していないという意見が複数の企業か
ら聞かれた。具体的には、多くの場合デザインのマイナーチェンジを行う場合は最初の
デザイン発表から数年後であるため、関連意匠制度を活用したいと考えた場合であって
も、出願可能時期からは外れてしまう状況がある。
また、グローバルなデザイン保護を進める中で、各国で権利のハーモナイゼーション
が実現していない点は課題であると考える企業が多かった。特に、部分意匠制度が導入
されていない国があることが今後特に改善が望まれる点であると指摘されていた。
第9章
総合分析
自動車分野における我が国企業の意匠出願戦略の策定に資する提言
これまでの調査結果から、自動車分野におけるデザイン開発及びその保護に関する現状、
今後の見通しに関する調査結果を総合的に分析し、自動車分野におけるデザイン開発を担
う企業への提言を行う。提言1及び提言2はデザイン開発に関する提言、提言3~提言5
は意匠権をはじめとする知的財産権に関する提言である。
【提言
1】ブランディングのためのデザインの活用
自動車分野は、新興国企業をはじめとする多くのプレイヤーが市場に参入し、市場での競
争がこの先さらに激化することが見込まれる。また、この分野における製品のモジュール化
や部品共通化の動きは、製品開発を効率化しコストを削減するという利点を持つものの、そ
れぞれの車種を特徴づける要素を他に見出す必要が生じてくる。このような状況の中で、自
社製品と他社製品を差別化するために、ブランディングがこれまでにも増して重要となって
くる。
デザインは自社製品をブランディングするための手段の一つとなりうる。デザインそのも
のが顧客へのアピールポイントとなることに加え、自社製品の技術の高さや品質の高さを外
観から分かりやすくアピールする手段としても活用することができる。
また、ブランディングのための一つの方法として、製品間の統一的かつ継続的なデザイン
の導入が挙げられ、自動車分野ではフロントグリル等ですでに実施されている。このような
統一的かつ継続的なデザインに対して、現行の制度の下でどのようにデザインの保護を進め
ていくか(例えば、まず本意匠から部分意匠の出願、長期的には商標権での保護をねらう
対策が求められる。
- 52 -
等)
【提言
2】異業種企業・新規参入企業のデザイン開発動向の把握
近年、自動車分野は異業種の企業による市場参入が著しい。加えて、電気自動車などの分
野では、新規に自動車製造に取り組む企業も見られる。これらの企業は従来の自動車メーカ
ーとは異なるスピード、異なるアプローチでデザイン開発を展開している。これらの企業の
ウォッチを継続的に進める必要がある。
【提言
3】模倣品対策としての知財ミックスの活用
自動車分野では、特に交換部品に関して、アフターマーケットの成立している部品を中心
に模倣品が多く発生しており、各社のビジネスに大きなマイナスの影響を与えている。模倣
品は単なるデッドコピーから産業財産権の権利範囲を回避しようとしているものまで、様々
な形で製造され、広く流通している。
意匠権をはじめ、商標権、特許権、不正競争防止法などを組み合わせることで、さまざま
な形で発生する模倣品に対して、
「 デッドコピーに対しては商標権と不正競争防止法とで対処」
「商標の付与されていない模倣品に対しては意匠権で対処」
「 技術が外観に表れている製品の
模倣品については意匠権と特許権とで対処」といった形で複合的に対処できるよう、知財の
網を構築していく必要がある。
【提言
4】出願先国・地域及び出願内容の適切な選定
自動車市場の拡大に伴い、意匠出願の対象国・地域は増加傾向にある。その中で、保護し
たいデザインを全て意匠出願しようとすると莫大な費用がかかる。出願対象国・地域及びそ
の内容については、以下の観点を総合的に踏まえ、意匠権により見込まれる効果に合わせて
適切に選定する必要がある。
現在の市場規模、将来見込まれる市場規模
市場における競合企業の存在及びその動向
アフターマーケットの存在とその動向
出願及び維持に要する費用
制度の充実度
エンフォースメントの実効性
【提言
5】デザイナーに対する知財意識の啓発
自動車分野の市場拡大や参入するプレイヤーの増大、あるいは自動車自身の情報化に伴い、
この分野のデザインに携わるデザイナーが多岐にわたることが今後見込まれる。その中には
自動車以外を専門分野とするデザイナーも含まれ、オリジナリティに対する考え方が異なる
など、デザインと知財に関する問題がこれまでにも増して複雑化する可能性もある。デザイ
ナーに対し、自分の知財を守り、他人の知財を侵害しない意識を定着させるための社内での
体制作りがますます求められる。
- 53 -
Fly UP