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スイスと福島県の絆 平成27年8月 福島県 生活環境部国際課 1

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スイスと福島県の絆 平成27年8月 福島県 生活環境部国際課 1
スイスと福島県の絆
平成27年8月
福島県 生活環境部国際課
1 はじめに
東日本大震災から 4 年 5 か月が経ち、この間、国内外からの温かい支援によって、福
島県は元気を取り戻し、着実な復興の歩みを進めています。改めて厚く感謝を申し上げ
ます。
震災後、福島県は、スイスからすばらしいプレゼントをいただきました。2013 年 5 月
に予定されていたブライトリングジェットチームのエアーショーは、天候不順で中止さ
れたのですが、その後、県内の子供達からの「どうしても福島の空を飛んでほしい」と
の思いが届き、その 8 月に再びブライトリングジェットチームが来県することが決まり
ました。その飛行は震災で傷ついた福島を励まし、多くの県民に笑顔を届けてくれまし
た。まさしくスイスと福島県の絆が深まった出来事でした。
また、スイスと福島県は美しい自然とともに、再生可能エネルギーの高いポテンシャ
ルを有しているという共通点を持っていますが、再生可能エネルギーの先駆けの地を目
指している福島県にとって、スイスから学ぶべきことがたくさんあります。今回のスイ
ス訪問では、福島県の復興の現状とこれまでの支援の感謝を伝えるとともに、再生可能
エネルギーなどの取組を視察し、これまで培ってきた絆を次のステージに押し上げるも
のとなりました。
2 福島の未来に向けたチャレンジ
東日本大震災は福島県に甚大な被害をもたらしましたが、
県民一丸となって着実な復興
に向けて取り組んでいます。その一方で、海外では、福島の現状が十分に伝わっておらず、
未だに原子力災害に対する懸念が続いています。「今の福島」の正しい理解を深めてもら
うために、スイス・ジュネーブにおいて、在ジュネーブ各国政府代表部大使や国連職員等
を対象に、内堀知事自らが福島の復興の取組や現状を伝えました。
内堀知事は、除染の進捗による空間放射線量の減少、食の安全・安心に対する取組、再
生可能エネルギーやロボット産業などの新たな挑戦などを福島の「光」として、災害公営
住宅の整備の遅れなどを「影」として説明しました。また、福島には日常が取り戻されて
おり、子供達も元気に校庭で運動し、公園で遊んでいることを伝えると、会場から子供達
に日常が戻っていることに安心したとの声が聞かれました。最後に、
「311から福島の
時計が止まっているわけではない。今でも順調ではないが動いている」と述べ、福島の未
来に向けたチャレンジを続けていくことを世界に伝えました。
ブリーフィング後は、本県産のオリジナル米「天のつぶ」を使ったにぎり寿司や地酒を
供した交流会が開催され、好評を博していました。特に、全国新酒鑑評会で金賞受賞銘柄
数が 3 年連続日本一となった本県産の日本酒は、参加者同士のコミュニケーションを円滑
にしただけでなく、新たな福島ファンの獲得に大いに貢献しました。
グローカル通信第80号
【復興の現状を説明する知事】
【交流会で振る舞われた寿司と酒】
3 再生可能エネルギーと持続可能な社会
スイス国内では、発電量の約 6 割は水力発電で賄われている一方、近年は太陽光発電
が増える傾向にあり、例えば太陽光発電だけで世界一周飛行を行っている「ソーラーイン
パルス」が名古屋に降り立ったことは記憶に新しいところです。また、約 4 割を占める原
子力発電については、スイス国内の原子炉 5 基全てを廃止する方針としています。
今回の訪問では、水力発電所、廃炉に向けた取組をしている原子力発電所、スイス最
大規模の太陽光発電施設を視察するとともに、エネルギー庁長官を表敬訪問し、エネルギ
ー政策に関する意見交換を行いました。
さらに、持続可能な社会を築いているスイスの地方都市である、歴史と文化の街「ソ
ロトゥルン」
、世界的に有名な音楽の街「ルツェルン」を訪問し、我が国の地方自治体が
抱える過疎問題などについての意見交換をすることができました。
【水力発電所の視察】
【太陽光発電施設の視察】
4 結びに
今回のスイス訪問は、福島とスイスとのこれまでの絆をより一層深めることとなりまし
た。特に、ブライトリングジェットチームの来県にご尽力され、本県に何度もご訪問いた
だき、さらに今回の視察にも同行いただいたブーヘル駐日スイス大使のご協力には厚く敬
意を表するものです。
最後に、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部、在スイス大使館の大使をはじめ館員の
皆様からの多大な御協力に対して改めて深く感謝申し上げます。
(了)
グローカル通信第80号
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