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掌旦室〉保安林 - 日本森林技術協会デジタル図書館
昭和26年9月4日第三種郵便物認可平成15年12月10日発行(毎月1回10日発行)通巻741号 ISSNO388-86()6 業 ‘砿 鍵 幸一 I 掴 胃& 鼠 蕊 シ ー ー 踊隠園瘤 鶏 縄 I 蕊 呵閏 狸﹄ pl 篭 = 智 6 , 嵯三 一 = 竜 鱒 届 薄Y躯 一 醗 ■ ’ 合 無磯野 鐙 、。 翼 X 副 、 § 忠 寺 Ⅱ 、鹿L凡 Pr 弱 唾 B2 、 シ = 三 塞 夛 蝉7 = 】 … P 強 ナ へ L 全一 証 I I 1 一 ご一輔 ア I、 マ ミ ざ 新しくなつ 研究の進め方 11-== 両 一口 <論壇> ’ 、ゥ 睡塁 歳 研 壹 蒄 所 2 0 0 3』 幸 I館 理, タ、 ∼ 託 2 猟 』 /Vo.74/ /捜弾尚鐡 <掌旦室〉保安林 淵日本林業技術協会 日林協 ISO9001登録 JSAO1774 ushik戸f宮 初の面積分割機能 一 x繕i鼠刺茸旨ocm 面積分割/座標測定/面積測定/線畏・辺長測定 半径測定/図心測定/座標点マーク/パソコン接続 ’一 魔 一 壱 に7雪 ‐■呵 I 一 山 ●A2図全面をカバーする測定範囲 ●測定結果をしっかり残す漢字プリンタ ■円弧、マーキング、メニューなど、独自の機能に而積分割が加わりました。 ■公園、ゴルフ場、レジャー施設、庭瞳lの設計・植栽、農地・林地・苗IWl・伐採 区分などの計画・見積りに最適。 ■コンピュータ連動ソフトで業務の効率化が図れます。 X=PLAN フラン進必論 応用ソフトウェア 応用ソフトでミ エクスプランが パワーアップ11 ー ●,X-Pro(エクス・プロ)ソフトシリーズ●Xロソフトシリーズ 地ならし士畳計算X・テーブルE-3X・キャド 内装見頼り拾い集計X・シーマS-2Wintabドライバ 3次元DXF応用活用ソフト集 ※業務に合わせたカスタムソフトのご注文も承っております。 エクスプランの豊富なラインナップ 目的と図面のサイズに合わせて お使いください。 ■写真はすべて測定範囲がA2版対応です。他にB3対応の38()F、380F.C、380dⅢ、A1対応の620F、620F.Cがあります。 ■すべてのモデルが充電11mで100時間以上連統使N1できます。■モデル名の数字は_上下の測定範WW(mm)を示します。 八ンデイな距離計と 小型セオドライトのコンビで NTS-300/LTS、300とも " 軽 』快測量” 上下それぞれ分離しても使えます 反射板式高粭度 レーザトータルステーション 唖 I LTS-SOO 豐鑑懇9+(豊麗熈卜) ●距離測定:1m∼300m以上 ①距離精度:±(3mm+3ppm×距離) ●角度精度:1分(水平角、鉛直角) 毎計算機能:水平距離、高低差 血牛方商会 − − 霊 ●計算機能:水平距離、高低差 〒146-0083東京都大田区千鳥2s12-7TEL.03(3758)1111FAX。03(3756)1045 [email protected]。jph廿p:"www.ushikata.co。jp/ 繍鑿擬鋳?三次ヨフ〃 /VD.アユ7 RINGYOGIJUTSU 渓流魚付き保全林(p.20) ’ ●論壇新Iノ<なつ −…産め万・・ ・桜井尚武2 ● ● ■ 、 ■ ■ ● ■ 「保安林整備等のあり方に関する検討会」〈中間報告〉の概要について 林野庁治山課 海岸林による津波の減災効果の評価について・・…・…・…・………・・・ 原田賢治 防風林の造成管理技術の進展を目指して…・……・…………・…・・・ 烏田宏行 82 ︲6 10 2 ●今月のテーマ/保安林 まぜ 馬瀬村の渓流魚付き保全林………・…・・・…..………………・・…・・ ●技術協力 中国の森林・林業政策(退耕還林)について ●会員の広場 大西満信24 いわて川井村のユニークな「木の博物館」 村 井 宏 2 8 リレー連載レッドリストの生き物たち 第12回老巨人たちの行く末一山中湖村の八リモミ純林 ●コラム 緑のキーワード(WEHAB)・・・・・…..… 井出雄二32 グリーングリーンネット (木の学校施設講習会)・……..… 統計にみる日本の林業 (林業所得の減少が続く大規模林家) 林政拾遺抄く最終回>・・…・・・…… 36 63 73 8 3 こだま・…・………・・・・…..…・……. 。0,列︺n列Un劃U 八木久義の5時からセミナー9〈最終回〉 本の紹介・……………..………・・ 7Jf﹃〃,JA川卦A川﹃信同U ●随筆 新刊図書紹介..…..…・…・……・・・… 小池永司 林業関係行事一覧・・…………・… ●総目次 ●ご案内 [平成’5年-2003年(730∼741号)] 39 日本林業技士会第23回通常総会開催..…・……….…….…………… 38 日林協催し等のお知らせ/「森林ノート2004」刊行のご案内/協会のうごき.、 日林協r入会申込み書・・・日林協ホームページからのダウンロード利用のご案内 46 46 <表紙写真〉ぼくらのうら山プロジェクト第5()回森林・林業写真コンクールデジタルカメラの部・ 佳作奥山洋一郎(東京都在住)撮影長野県長野市にて。SONYサイバーシヨツトF505 V。『NPOの指導で児童(長野市・松ヶ丘小学校)が学校林での林業体験・森林整備を行っ ている活動風景。間伐したコナラをしいたけほだ木にしているところ」(撮影者) ’ ’ 日林協ホームページ【URLlhttp:"www.ja壮ao「.jp <第51回森林・林業写真コンクール作品募集中/〉[募集要綱は前月号表3(巻末)をご覧ください] I 新しくなった森林総合研究所 −研究の進め方 さくらいしようぷ 桜井尚武 函■■ロ■■ 独立行政法人 森林総合研究所理事(研究担当) ノ 1974年林業試験場造林部採用,1974-1980 年同四国支所にて複層林,天然更新技術研究, 1980-1987年東北支所にて保育形式,広葉樹 等の天然林施業研究を行う。1998-2000年林 野庁研究普及課首席研究企画宮,2000-2003 年森林総合研究所研究管理官。この間,フィ リピンやインドネシアの造林研究を行う。 現在,日本林学会了森林科学」編集担当理 事,著作物に,『長伐期林の実際」(林業科学 技術振興所発行)編著Tr森林・林業百科事典」 (日本林業技術協会編)分担執筆など。 趣味;山歩き,魚釣り ●はじめに 森林総合研究所が独立行政法人となり,3年目も後半に入りました。すでに,2回 の独立行政法人評価委員会の評価を受けました。来年には,国公立大学が法人化して, 研究の競争的環境が一層厳しさを増すと予想されます。現在も日本社会の景気の低迷 は続いており,林業・木材産業が厳しいという環境は依然改善されていません。しか し,日本の陸域自然環境を代表する森林に対する国民や識者の憧れや親しみの思いは 高まっています。このような情勢に充分な対応ができていない行政や公的研究組織へ の不満やいらだちは強いと感じます。 独法に至る経緯はすでにいくつか報告されているので(例えば金谷2001,桜井 2001),ここでは,法人化後にあわせた組織の変遷と対応の実態,森林総合研究所の顧 客要望のくみ取り方,独立行政法人評価委員会からの指摘などを受けての研究の進め 方を,現時点のまとめとして述べてみます。 ●独立行政法人化に際して行った組織改編 森林・林業・林産業に関する研究を研究部でくくり,研究科で専門分化して個別研 究管理を行い,研究室ごとにいわば同じ学会誌を読む研究者を集めて研究作業を実行 してきたのが,独法化前の国立研究所時代でした。 独立行政法人になり,林野庁が定めた「森林・林業・木材産業分野の研究・技術開 発戦略」に基づいた当面する問題の解決を図る中期目標を受けて,研究所が中期計画 を策定して5年後の達成を目指すことになりました。中期計画達成のため,対応すべ ②一林業技術No.7412003.12 き研究を11の研究分野に分けて管理運営を行うことにしました。この研究推進責任者 として研究管理官を配置し,研究分野を幾つかの研究項目に細分化して,中期計画達 成のため151課題の実行課題を建てました。 一方,旧組織の研究科を23の研究領域に改組して組織管理を行う単位としました。 また,人員削減や対応分野の拡大により少人数化していた研究室を統合して一研究室 当たりの研究員数を増やし,研究の柔軟性を確保するとともに,研究領域にまたがる 総合研究推進に集中できる組織としてチーム長を新設しました。 支所においては研究室を廃止し,広い研究範囲をカバーできる組織として従来の研 究室を廃止して研究グループに整理統合し,チーム長も配置しました。また,地域貢 献が重要な任務となったことを受けて,支所を地域のセンターと位置づけて地域研究 官,研究調整官を配置し,地域ニーズを収集してその解決に当たるとともに,地域の にしたのです。 ●新組織発足以後の新たな対応の いくつかの紹介 外部評価に基づく組織運営が基本であるとの認識の下に,昨年度に11の研究分野の 成果評価の場にそれぞれ若干名の外部評価委員を依頼して,研究分野における実行課 題の研究評価を行いました。評価された実行課題の成果を基に,研究分野ごとの研究 成果をまとめて中期計画の達成度を独立行政法人評価委員会へ報告しました。 地域研究ニーズを把握するために,従来以上に各種の研究集会や産学官との意見交 換を継続することはもちろん,各支所ごとに数名の有識者を招集する支所単位の研究 評議会を設置して,支所の研究活動を報告すると同時に,委員から問題点の指摘や助 言,提案を頂戴する場を作りました。これらの会議で指摘された事項については,ま ず対応方針を委員に提示し,次回に実際の対応結果を報告しています。これらの各種 の作業結果は,ホームページで公開しています。 研究成果が見えない,という指摘や意見が評価委員から,研究評議会委員から,行 政の側から,さらに一般の方からといろいろな場で発せられます。また,報告がわか りにくいという意見も出されています。広報が大事であるとも強調されます。これら の多方面からの指摘に応えるため,ホームページを作り直して見やすくする工夫をし, 提供する記事の回転を速くすると同時に,データも多く載せるように工夫しました。 『研究報告』の編集委員会に外部の編集委員を加え,所外の査読者を依頼するなど,客 観的評価に基づく研究報告書の体裁を強化しました。情報瓦版と位置づけている『研 究の森から』の発行頻庇を高めて,新知見解説広報の充実を図り,『所報』には森林の 多面的機能の解説記事をシリーズで連戦しています。産学官との連携強化の一環とし て,共同研究推進のための仕組みを簡単にし,募集案内を作製配布しています。 ●これまでと変わらない研究,変わる研究 これまで,森林総研は行政や産業界を顧客として,林分収穫表の調製や拡大造林, 林業技術No.7412003.12-③ Td−■日日日日■日日日日Ⅱ冊■F16■■U凸Ⅱ■■Ⅱ■ⅡBⅡ■▽■1■lⅡ■ 行政や研究機関の要望等の調整業務も担うことにしました。支所は,前述した研究分 野の実行課題を担当するとともに,研究知見を基礎とした地域ニーズ対応を行うこと 天然更新施業の技術開発,林野土壊図作成,複層林技術普及開発等新しい施業技術の 体系化,住宅部材等各種基準の作成,新技術創出等に成果を挙げてきました。この分 野の基礎的研究にも多くの成果を出してきました。このような,座学官からの要望に はこれまで以上に対応していく宣言をしています。 社会情勢が大きく変化していて,独立行政法人には,運営管理状況開示が必要とな り,さらに外部評価を意識した管理が必要になりました。だからといって,人も組織 もそう急には変われないので,外部評価や情報公開に耐えられるように研究遂行や管 理運営の手続きの明確化および記録の整備などの実務的な対応を着実に進めて新体制 馴化への軟着陸を目指すとともに,新たな発想のできる勢力へと代替わりさせる世代 交代をも視野に入れつつ,情勢変化に対応しようとしています。 研究は中計画達成を意識して行われるということが,年々浸透してきています。研 究を取り巻く情勢は,刻一刻と変化しています。当初考えなかった事態が起こるのは 当然です。それに対応するため,必要に応じて中期計画を変更して行うことにしよう としています。 ●研究サービス提案所であることと研究所で あること 独立行政法人の責務は,中期計画を達成し,その成果を提供することです。研究す べき範囲は大変に多岐にわたりますから,どのようなとはいえないまでも,様々な要 請に応えられるように,先を見通した準備が必要です。より高度な解決方法を開発し ておく必要があります。そのためには,産学官が何を求めてくるか,次にくるものは 何か,世界の先端勢力はどんな研究をし,どんな対応をしているかを精確に把握しな ければなりません。今求められているもの,これから求められるものに対する準備と 研究技能向上をしておかなければなりません。一流の研究対応ができて研究所が高く 評価されるのですから,一流の研究成果とそれを可能にする一流の研究者が必要なの です。実際に求められるものには先端研究を必要としないもの,特に森林管理の分野 では従来の経験に根ざす実務的な対応が必要なものが多くあるので,そのような対応 をできる研究所であることも大事です。 先端研究,応用研究,技術支援,普及広報,どれも必要なものなので,それぞれに 対応できる人員配置と継続のための人材育成を心懸けています。 ●透明性,公平性,評価と結果の資源への反映 研究にどのような経費の使い方をしたか,その結果どのような成果が得られたか, その成果は費用と比較してどうであるか,という評価が行われることになりました。 もちろん,これは一般的には当然のことなのですが,研究とは直接利益に結びつくも のではない,そういうものでなくともいいという考えがあり,投資と成果の関係の評 価をなおざりにすることが許されてきたと思います。そういうことが今後全く許され ないということはないでしょうし,許されなければ,新しい試みへの挑戦が大いにそ 力ぎれるだろうと思います。しかし,有効な成果を求める方向がないと,「研究という名 の遊びであってはいけない」という批判に耐えられないでしょう。両方をバランスよ ④−林業技術No.7412003.12 く調和させ,適当な成果が生産されていてこそ,可能性は乏しくとも新しい課題に挑 戦することが許されるのだと思います。そして,この根拠になるのが,外部評価であ り,その評価を受けるためには成果や挑戦に到る過程が,明らかにされる必要がある わけです。評価の過程も,評価委員以外の判断も仰げるように公開されます。そして, 評価の結果は,研究環境を整える資金と研究を行う研究者の配置に反映されるのです。 このような仕組みへの対応は,これまで,研究の自由を広く認めていた研究管理のあ り方を大きく変えました。研究過程や成果および結果反映の評価を組織の責任で行う ようになったのです。研究者には戸惑いがありましたが,徐々にその意識が変化して きました。評価のあることに慣れてきたといえます。 ところで,これらの評価と公開に関する一連の作業には大変な手間と労力が掛かり ます。研究の管理運営の効率化という面からみますと,かなりの部分で非効率的で, 研究以外の作業に多くの予算と人手を使うように思えます。慣れていない現在は,研 究現場からたくさんの不平不満がきます。ちょうど,天気が続くのに来るか来ないか わからない天変地異に備えて,堤防を築き石垣を強固にする作業を強いているかのよ うです。本当に天変地異が来るのか来ないのか,どの程度のものが来るのか,適当な 作業条件を明らかにするために今後とも試行と改善の作業を続けなければなりません。 ●ニーズに対応すること,新たな研究展開を行 うこと 0 研究を行うためにはその研究成果が何であり,何に役立つのかを,研究所の存在理 由の下に明らかにしなければなりません。顧客のニーズ解決の基になる基礎的な研究 は研究者個人の発想から生まれますが,そのタネは研究者を取り巻く環境,特に顧客 の要請から多くを得ることができます。また,顧客の要請を取り入れた研究であれば, 評価の場で納得してもらいやすくなります。 ところで,研究は研究者の発想という極めて属人的な面がありますので,ここをな いがしろにして顧客対応ばかりを行うわけにはいきません。顧客の要求,すなわち需 要に応ずるためには絶えず新しい研究成果に更新しておくこと,新しい技術をあらか じめ獲得しておくことが必要です。そのための研究者の創意工夫を発展させる研究環 境の整備が重要です。 かせ 新体制になって予算執行の自由度が増しました。これまで野外調査の棚となってい た研究費に占める旅費の少なさを改善することができました。情報を得るとともに, 自分の成果を公表する機会を増やすために,国内の学会等参加旅費を配布し,国際学 会への参加旅費も確保して海外で活躍する機会を増やし,4月からの国際学会への参 加も可能にできました。これらにより,研究者の行っている新たな研究の展開がより 広い視野に立ったものになって,ニーズに柔軟に対応できる一助になっていることと 思います。 ニーズに応えることで,顧客等需要者から感謝されるとすれば,それが自信になり ます。自分の価値を第三者に認めてもらうことが,研究の継続や発展の大きな奨励に なりますので,積極的にそのような機会を作るようにしています。 林業技術No.7412008.12-③ ●国際対応の変化 これまでは,海外へ出かけるのは難しいことでした。必然性を説明できない状況で 海外へ出ることを容認しない考えも存在します。しかし,研究所の利益になる活動の ために,海外へ出張する,あるいは海外から専門家や研究集会等の誰師を招くことが, 研究所の判断で可能になりました。これは大きな変化です。 現在対応をしており,今後とも要請がある,あるいは存在を主張するために参加し たほうが好都合である気候変動に関する政府間会議(IPCC-COP)やその専門家会合 (SBSTA),アジア太平洋森林林業研究機関連合(APAFRI)など各種の国際会議など にも,研究所の判断で派遣できるようになりました。 このような環境変化に伴い,外国の研究機関や研究者との共同研究なども,事前の 意見調整が可能になったことから,積極的に進めることができるようになりました。 国際研究集会の派遣と併せてますますの国際協調の深化を期待しています。目を広く 海外に向けて考えることを期待しています。 ●評価してもらうことの難しさ 中期計画の評価をしてもらうための基準設定の難しいことが問題です。評illiしやす い,あるいは客観評価可能な日標を設定することが求められていますが,実際に作っ てみると,その目標をどの程度達成したか評価してもらう成果資料を作ることが大変 に難しいことがわかりました。研究という営為に,第三者評価できるような目標を作 るのが容易な分野と難しい分野とがあることが明確になってきました。需要者や受け 渡し対象者から明確な要求が出ている場合は,それを基準にすればいいのですから, わかりやすい。ところが,生物多様性のようなこれから解明すべきものやいまだ開拓 要素が大きい研究分野では,やってみなければわからないとか,新たな成果が出るた びに考え方も変化するものがあるなど,明確な目標を作ること自体に難渋しています。 また,山村振興や林業技術の向上などでは,この課題自体が社会経済面を加味した多 くの研究分野を総合化したものの上で考えるべき性格を持っているので,総合化の工 夫力泌要だと思います。これらの点は,十分に検討し解決すべき問題であると認識し ています。 ●おわりに 新しい制度に対応しきれずに,いまだ模索を続けている部分もありますが,成果に 到る道筋の明確な開示と,評価結果を現場へ反映させる制度の実体化は着実に進んで います。一方で,研究の継続性を確保し,研究を維持向上させるためには研究者の創 意工夫の場を保障すること,後進を育成することを重点化する必要があります。広い 見識を持ち,顧客の需要に応えて社会ニーズを的確に果たすとともに,新たな知の創 造を行う研究所であるために,状況の変化に的確かつ迅速な対応のできるよう十分な 意思疎通のできる組織としたいと思います。〔完〕 ⑥−林業技術No.7412003.12 ● . ラム の︾ 一 = ・ ロ ロ ー ー マ マ 子 一 一 一 m − , 和 ¥ T 、 軒 ・ ロ ロ ー − . 岫 ■ 一 一 弓 一 一 守 q Ⅱ 謹亜塞鐸 一 一 一 ‐ 些 一 − − − 1 − _ 坐 閲 ■ l ■ - WEHABと書いて「ウイハブ」と読む。WEHABは 2002年に開催されたヨハネスブルク・サミットで ▽ 、 一 一 一 一 できない人々が20億人もおり,有害な物質や大気 汚染等の影響により健康を害している人々やマラ のキーワードであって,Water(水),Energy(エネ リア等の病気に苦しんでいる人々も多くいる。ま ルギー),Health(健康),Agriculturaiproductivity(農 業生産性),Biodiversityandecosystemmanage- た,世界の農地の約2/3が土壌劣化の影響を受け ており,熱帯林やマングローブ林,サンゴ礁では生 ment(生物多様性と生態系管理)の頭文字を取った 物多様性が急速に失われているという。発展途上 ものである。ヨハネスブルク・サミットは,’972年 に開催された国連人間環境会議(UnitedNations ConferenceofHumanEnvironment,UNCHE)から30 地域における貧困の克服と環境保全が,持続可能 な開発を進めていくうえでの2本柱であるが, WEHABはそれらの課題の重点領域として位置づ けられている。なお,国 年後,また’992年に開催 された国連環境開発会議 the (UnitedNationsConferenceonEnvironmentand We Development,UNCED),l,、 one わゆる「地球サミット」 から’0年後という節目 に開催された国連が主催 する会議であって,正式 な名称は「持続可能な開 発に関する世界首脳会議 (WorldSummitonSus- tainableDevelopment,WSSD)」という。 コフィ・アナン国連事務総長はWSSDでの検討 においても形を変えて存在する。なぜなら,適切な 管理がなされていない森林や有効に利用されてい 課題を整理するために2002年5月14日に主要方 ない森林が多く存在し,その結果,地域間格差が拡 針を発表した。ニューヨークのアメリカ自然史博 大するとともに環境の質が低下しているからだ。 物館においてナーネ・アナン事務総長夫人によっ 持続可能な社会を構築していくためには森林資源 を上手に活用することがキーポイントになるが, 先進国におけるWEHABについて世界の模範とな て代読された方針の中で,今日の資源と技術を用 いて具体的な成果を上げることが期待できる重要 な分野としてWEHABが提唱されたという。 るような事例を具体的に示していくことも必要で この地球上には,清潔な飲料水を飲めない人々 が10億人.近代的なエネルギーのサービスを利用 あろう。 莉刊図書紹介◆ ー [林野庁図書館・本会編集室受入] 11 ◆ 口木の文化を探る著者:小原二郎発行所:日本放送出版協会("03-3780-3339)発行:2003.9B 6判253p本体価格:970円 口森林計画学著者:木平勇吉発行所:朝倉書店(aO3-3260-8707)発行:2003.10A5判222p 本体価格:4,000円 口桜さくらサクラ100の素顔編者:東京農業大学短期大学部生活科学研究所発行所:伽東京農業大 学出版会(aO3-3268-8271)発行:200310B5判141p本体価格:1,600円 口木質廃棄物の有効利用著者:堀大才・三戸久美子発行所:博友社(a03-3268-8271)発行: 2003.10A5判137p本体価格:2,200円 口海外林をつくった人々著者:小田孝則発行所:北斗出版(盃03-3291-3258)発行:2003.11B 6判243p本体価格:2,500円 口森林サイエンス編者:信州大学腱学部森林科学研究会発行所:川辺書林(公026-225-1561)発 行22003.11A5判253p本体Ⅲi格:1,800円 林業技術No.7412003.12-⑰ 今月のテーマ〈保安林〉 わが国森林の4割近くを占める保安林一より国民に理解され,その機能をいっそう高めていく森林 整備をめざすため,今,基本的制度の見直しが図られています。今号は,その検討会中間報告の概要 と保安林にかかわる最近の研究成果,自治体の動きをお伝えします。 林野庁治山課 「保安林整備等のあり方に関する 検討会」<中間報告>の概要について 以下,10月10日に公表された同検討会の中間 ●検討会開催の趣旨● 報告の概要を紹介します。 森林の公益的機能を確保するうえで根幹となる ●中間報告の概要● 保安林の整備については,戦中戦後における国土 の荒廃を機に昭和29年に制定された保安林整備 1.基本的な考え方 臨時措置法(以下「臨時措置法」という。)に基づ 中間報告では,地球温暖化問題に対応して,森 き,緊急かつ計画的に行われてきましたが,同法 林吸収源対策を推進していくことが,国際的な観 は,4度の延長を経て,本年度末にその効力を失 点からも緊急の課題となっているとし,以下のよ うこととなっています。 うに,「地球温暖化防止森林吸収源10ヵ年対策」 このような中で,林野庁では,経済社会情勢の (平成14年12月農林水産省)で掲げられている 変化に応じた今後の保安林整備の在り方,さらに 主要な課題のうち,森林の整備・保全に関する3 は森林に対する国民の要請の多様化・高度化に対 つの事項に対応した取り組みの展開が必要である 応して,保安林をはじめとする森林がその多面的 とされています。 機能を持続的に発揮していくための方策等につい て検討するため,本年7月から「保安林整備等の ①健全な森林の整備 あり方に関する検討会」を開催してきました。 多面的な機能を持続的に発揮し得る健全な森林 保安林面積︵万h巳︶ 000000 5 00 05 00 05 00 05 00 05 00 05 00 000 鮨卯鮨帥巧沌 6 65 54 43 32 21 15 一 〆 箭 17718 1 8 0 206211214207208 160 ≦ 彦 潭 少 爾1麺錘安丼 1151釦 承悪風安棒 整縄計罰 詔睡 麺年度 葺備計画 電睡∼妃年量 = 蕊侭 − 認刻畏安井 堅勾針麺 第5怒受安梓 豊綱針国 零 画 一 亭 塞 琴 9 手露∼鱈零度 平成一三年 平成−0年 平成三年 昭和六三年 昭和五八年 昭和五三年 昭和四八年 昭和四三年 昭和三八年 昭和三三年 昭和二八年 昭和二六年 移 面 度唯 ︵第三次轟林途︶積 年罐 昭和二○年林 図0 ⑬−林業技術No.7412003.12 昭和一五年 昭和一○年 昭和五年 昭和元年 大正一○年 大正五年 明治四○年 ︵第二次森林迭︶ 明治三0年 ︵第一次轟林法︶ 扇浩三五年 58節甲 大正元年 ’ 1“ 表①保安林の指定の目的および種類別延面積(平成15年3月31日現在) (単位:千ha) 況を踏まえた上で,必要に応じて保 3号土砂崩壊防備保安林 1∼3号保安林計 安施設事業や緑資源機構等による公 的な森林整備で補完しつつ,適切な 4号飛砂防備保安林 防風保安林 森林施業が確保されるような方策を 水害防備保安林 講じていくことがまず第一に重要で ある。 潮害防備保安林 5号 干害防備保安林 ②保安林等の適切な管理・保全等 防雪保安林 の推進 防霧保安林 また,特に公益的機能の発揮が 求められる保安林については,開 なだれ防止保安林 6号 6号 落石防止保安林 発行為の規制,治山施設の設置等 による保護・保全の措置だけでな く,適切な施業を通じて機能の維 持増進が図られるような方策を講 じていくことが必要である。 ⑧国民参加の森づくり等の推進 さらに,森林を国民共通の財産 7号防火保安林 8号魚つき保安林 9号航行目標保安林 10号保健保安林 11号風致保安林 4号以下保安林計 合計 として捉え,林業に携わる者だけ でなく,国民全体で森林の整備・保 全を進めていく観点から,森林の 整備・保全の裾野を拡大していけ 全保安林面積に対する比率 合計 対全保安 林比率 ( % ) 師一恥一服一Ⅷ肥一叩一叩叩一叩一叩一脈昨一叩一叩一眠一叩一師一肥一叩岬 ことであり,上記のような林業の状 1号水源かん養保安林 2号土砂流出防備保安林 民有林 蜘一蜘一弘一岬旧一弱−−M|帥−0|田釦−2’0|引一−|噸一田一叩一“|岬 適期に間伐等の森林施業を実施する 国有林 蝦一瞬一船一個昭一鍋一−’8|弱−0|印一旧−2’0|閉−0|麺一M一副一蜘一叩 育成途上にある人工林を中心として 森林法 第25条 第I項 ”加一旧一蠅一4|田−05|師一Ol95l0l0l8lll鉦一旧一如一榧一岬 を整備する上で最も重要な活動は, / (注)1 兼種指定されている保安林については,それぞれの種別にて とりまとめた。 2 単位未満四捨五入のため,計と内訳は必ずしも一致しない。 るような方策を講じていくことが 重要である。 <,また,実態的にも施業を任せる場合の形態 の大半を占める施業の委託をその対象に加え (注)枠内は中間報告(原文)に表題を加筆したもの(以 下同じ。) 2.健全な森林の整備について ること イ裁定要件の緩和 最終的な分収育林契約に係る裁定の要件が, 適切な森林整備の確保に関しては,間伐の実施 現行では「当該森林及びその周辺の地域におけ を取り巻く厳しい情勢等を踏まえ,間伐等の実施 る土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生さ の実効性を高めるために,要間伐森林制度の改善 せるおそれがあること」となっているが,施業 や施業の共同化を一層推進する必要性があると指 が実施されない場合に及ぶ外部的影響は周辺 摘されています。 地域における災害だけではないこと等を踏ま え,その他の公益的機能の発揮に支障が生じる ①要間伐森林制度の改善 ア施業委託の推進 森林所有者等以外の者により施業を行うこ おそれがある場合にも対応できるよう,この要 件を緩和すること ②施業の共同化の推進 とをねらいとする権利移転等の協議の勧告に 我が国の森林保有構造は小規模分散的という ついて,権利移転等に比して心理的負担が軽 特徴を有し,林業経営体の多くが間断的な林業経 林業技術No.7412003.12-⑨ ●人工林の齢級別構成面積(H14331現在) (単位; 千ha) 1800 1600 1400 蔦 ' 2 0 , 1000 鴬 800 600 400 富關‘鬮鬮,鰯,鰯,關 200 0 1 234567891011121314151617+ 齢級 ●間伐の必要な森林 営を行い,また経営意欲が減退している状況下に おいて,森林整備を効率的に推進するためには, その共同化による施業の集約は極めて有効な手 法である。 これを促進するため,市町村森林整備計画にお いて,森林施業の共同化に関する事項を定め,施 業実施協定の締結を推進しているところである 寒」」_Lj−L六I−L室『→’一Jハ奉巻=F==へ寺=琴←一← が,世代交代等により森林所有者の変更があった 場合にも,その効力が引き継がれるようにして, 特定保安林の要整備森林については,森林所 効率性が阻害されないような方策を講じること 有者等による適切な施業が行われるように誘導 が適当である。 することを旨とする制度の骨格は今後とも維持 すべきであるとしつつ,保安施設事業によらざ 3.保安林の適切な管理・保全等の推進 保安林の計画的な整備に関しては,保安林整備 臨時措置法が効力を失う本年度末に,保安林の指 定面積が,臨時措置法制定当初の約4倍,森林面 るを得ない状況に至った場合には,保安施設地 区の指定なしで事業が実施し得るようにするこ とが適当であること。 4.国民参加の森林づくりの推進 積の約4割に相当する1千万haに達するものと 国民参加の森林づくりに関しては,近年,社会 見込まれているため,今後は,森林法の体系の中 貢献活動や環境問題への関心の高まり等を背景と で必要な保安林の指定を確保していくことが適当 して,森林の整備・保全活動に自発的に関わろう であるという考え方が示されています。 とする活動が増加していることから,以下のよう そのうえで,以下の措置を講じる必要性が述べ られています。 な考え方を踏まえた新たな協定制度の必要性が述 べられています。 ①特定保安林制度の恒久化 間伐等が適正に実施されていない機能力祗下 した保安林は依然として相当量あるものと見込 ①森林ボランティア活動の意義 これらの活動を助長することは,森林づくりの輔 まれていることなどから,これまでは臨時措置 を広げるとともに,森林の整備・保全を社会全体で 法に基づき実施されてきた特定保安林制度を, 支えるという国民意識の醸成にも寄与するもので 森林法の中で,行為規制と併せて積極施業を促 ある。 す恒久的な措置として講じていくこと。 ②受益者としての国民の責任 ③保安施設事業の実施手続きの簡素化 ⑩−林業技術No.7412003.12 森林を国民共有の財産として捉え,これの整備や ●森林ボランティア活動による植樹(長崎県島原市) ●森林の管理や手入れをまかせる場合の形式 国 、唾 国委託 4 9 % 道 ■ 鞠 鯛協 魂 Y 靴・一 ●森林づくりを目的としたボランティア団体数 保全に関わるプレイヤーとして,受益者としての国 1,200 国民に最も身近な行政主体であり,森林の適正な 整備に責任を有する市町村長が,森林所有者と森林 ボランティア団体等との間で締結される森林の整 備に関する協定について,関係者からの申請に応じ 団体数 ⑧新たな協定制度の創設 1,000 800 600 400 281 200 0 て認可を行い,これに基づく活動が円滑に行われる 平成9年 平成12年 年度 − 1,165 謂鍔 ■■■■■ 要な課題であると考えられる。 |■■■■■ 1,400 一一亜 民の責任の在り方について検討することは,大変重 平成15年 ような仕組み(事後に土地の所有者となった者に対 資料:林野庁業務資料 する承継効の適用など)を構築していくことが適当 であるものと考えられる。 (参考) 最後に,中間報告では,森林ボランティア活動 <検討会の開催経緯> 7月8日第一回検討会(保安林等を取り巻く現状と の促進を通じて森林づくりの輪を広げることが, 山村への定住や森林組合等への就業の契機になる こと,間伐材等の地域資源の有効活用に対する認 識の向上につながること等の可能性に言及してい ますが,現状においては課題も多く,活動に参加 する者の能力の向上や活動の広がりを促進するこ との重要性を指摘しています。 ●補足● 課題) 8月4日第二回検討会(検討の論点整理) 9月10日第三回検討会(中間報告案) 保安林整備等のあり方に関する検討会委員 井口裕静岡県環境森林部森林保全室長 池谷キワ子林業家 上松寛茂㈱共同通信社編集局ニュースセ ンター委員 棚澤能生早稲田大学法学部教授 座長鈴木雅一東京大学大学院農学生命科学研究 科教授 竹内美次側森林総合研究所水土保全研究領 中間報告については,3回の検討会の審議を経 域長 て取りまとめられたものであり,パブリック・コ 田村辰夫群馬県吾妻東部森林組合代表理事専 メントを実施したうえで年内を目途に検討会報告 土屋俊幸東京農工大学農学部助教授 原田敏之特定非営利活動法人「穂の国森づく りの会」事務局長 として取りまとめられる予定となっています。(中 間報告については,林野庁ホームページ 務 (http://www.rinya.maff.go・jp/)に掲戦。) 林業技術No.7412003.12-⑪ 会眉のテーマ:保安林, q篭 海劇木による 訓面I写ついて 果の はらだけんD 京都大学防災研究所巨大災害朧鑪員原田寶治 1 へ 〒611-0011京都府宇治市五ケ庄 aO774-38-4276FAXO774-31-8294 http://www.drs.dpri.kyoto-u・ac.jp/ ●はじめに● 思われます。海岸林がこれらの津波減災機能を十 分に発揮しその効果を評価できるのであれば,海 近年の環境意識の高まり,親水性・海岸アクセ 岸整備や津波防災対策の重要な項目として,海岸 ス,住民参加等の海岸整備に対する社会的要請を 林を積極的に利用されるようになると考えられま 背景として改正海岸法が2000年4月から施行さ す。後半ではこのような考えに基づいて,過去の れました。これに伴い海岸の計画においては,防 事例に基づいてこれまでに得られた海岸林の持つ 災・環境・利用を考慮した計画が求められていま 津波減災効果の知見等について紹介することにし す。このような社会的要請の中で,従来の長大な ます。 人工構造物による防災対策を主体とした海岸の整 備から,今後は防災を基礎として自然環境の保護 育成,安全安心で快適に利用される海岸域の整備 へと移行していくと考えられ,海岸林等の自然を ●数値シミュレーションによる 海岸林の津波減衰効果● 1.数値シミュレーションによる津波減衰効果の 活用した安全で快適な沿岸地域作りが注目されて 定量的評価手法 います。しかしながら,これまでの海岸防災対策 現在,津波防災の分野では陸上部の津波氾濫も においては,海岸林はあまり重要視されてこなか 含めた津波数値シミュレーション法により,津波 ったように思われます。それは,海岸林による防 による沿岸域への影響の検討を行っています。こ 災効果が十分に理解されてこなかったことが一つ の数値シミュレーション法に海岸林の影響を津波 の大きな理由と考えられます。この課題を検討す に対する抵抗として取り込むことで,海岸林によ るために,筆者はこれまで水理模型実験や数値シ る津波の減衰効果について定量的な検討を行いま ミュレーションによる取り組みにより海岸林によ した。数値計算方法は原田ら(2000)の津波数値 る津波減衰効果の理解・評価の検討を行ってきま 計算方法と同様に,浅水理論の運動方程式に海岸 したので,本稿の前半ではその研究成果の概略を 林の影響として,抵抗項を加えた式を用いました。 紹介します。 海岸林の抵抗としては,現地観測結果に基づいた また,津波は低頻度にしか起こりませんが,ひ とたび起これば沿岸の地域社会に対して甚大な被 海岸林の模型を作成して水理実験を行って求めた 海岸林の抵抗モデルを用いました(原田ら,2003 害をもたらす現象です。駿河・南海トラフ沿いで を参照)。この抵抗モデルは海岸林の形状構造と浸 発生の危険性が指摘されている東海,東南海,南 水深により変化する抵抗モデルです。現地条件に 海地震の巨大地震は90年から150年おきに周期 基づいた海岸林の条件としては,海岸林幅は50, 的に発生し,それに伴う津波が過去に沿岸地域に 100,200,400m,樹林密度は30本/100m2,幹の 甚大な被害をもたらしてきました。このような津 直径は0.15m,葉部は投影面積比を0.65,樹高, 波災害に備えるためには,長期間にわたり継続的 枝下高は10,5mとしました。海岸林よる津波減 に安全性を維持し,向上させ続ける対策が必要と 衰効果を検討するために,複雑な実地形ではなく ⑫−林業技術No.7412003.12 一 一 表①海岸林の定量的建波減衰効果 津波波高(m) '一一W=400ml 海岸林の破壊限界 (首藤,1985) 1 2 3 被害軽減,漂流物阻止, 澤波竪減 089 086 081 0.83 0.80 0.71 079 071 064 400m 0.78 0.65 0.57 50 0.86 0.86 0.82 0.76 0.74 0.66 50m 遡卜距離 1 ■■■■I ぞ︶暑き ー 一一 E糾耀型e鯛矯 ‘ 鮒 ‘ 0 m 2 0 8 6 4 2 0 ■1 ■0 早O 口O ⑧O 甲d l O 緋填埋e雛吾蝋 2e0 00 80 60 4 0 凸 0 1 ー … ● m伽、 00 5 10 2 一一一一一一 WWW 64 11 m:側 0海 64 11 −1.2 可了。. 0 2 0 0 4 0 0 6 0 0 8 0 0 0 2 0 0 4 0 0 (600800 汀 線 か ら の 距 離 : x ( m ) 汀 線 か ら の 距 離 :x(m) 浸水深 046105510剛 図①海岸林幅による津波減衰効果,30本/100m2 (左:浸水深,右:流速) 津波減衰効果への影響を検討するため,浸水深と 流速の低減率:{'・=(海岸林があるときの最大値) /(無いときの最大値)}の空間変化は図①のよう 叩u 一 岬 峨 一 咽 一 一 噸唖 一一一 50 数値シミュレーション結果より海岸林幅による O○・一四■■■■■■■■■■、︲0J、I 400 2.海岸林幅による津波減衰効果への影響 岬牽唖一唖一蝦畦一 流速 ました。 ロ I 07110581054 I 形条件を用い,津波数値シミュレーションを行い 二二|皿I皿 50 7 5 圃“一一吋耐一, 0 仙台湾の代表的な地形勾配を参考に簡略化した地 400 水流圧力 0.m 400 一 一 一 0.13 0.08 0.02 0.01 に示されます。海岸林'll府の増加に伴う抵抗の増加 により,海岸林通過後の浸水深,流速が大きく低 要であると読むことが可能です。このように,海 下することを定鐙的に評価することが可能です。 岸林を計画する際に期待される津波減衰率を見積 3.海岸林の津波減衰効果の定量的評価 もるための具体的指標として,数値シミュレーシ 1幅と津波高による減衰効果の定量的評価を行う ため,遡上距離,海岸林通過直後の浸水深,流速, 水流圧力の低減率を表①に示しました。津波被害 ョン結果を用いることが可能となりました。 ●過去の事例からみた海岸林の効果● に対する減衰効果を検討するためには浸水域,浸 1.過去の事例に基づいた海岸林の津波減災項目 水深以外に,流速に強く影響を受けて生じる被害 前半までの海岸林による津波自体を減衰させる も考慮する必要があります。水流圧力は津波によ 機能以外にも,津波来襲時に被害を軽減させる機 る家屋被害と関係づけられ(羽鳥,1984),全水深 能が海岸林にはあります。海岸林が津波による被 と流速の2乗で表されます。表①から波高3mの 害を軽減させる働きを持つということは,過去の 津波を幅100mの海岸林は,遡上距離を71%,浸 多くの津波災害事例から経験的に知られています。 水深を66%,流速を44%,水流圧力を17%にまで この経験から繰り返し津波の被害を受けている地 減衰させることがわかります。これらより,海岸 方では,津波対策として海岸林(松林)を沿岸に 林により浸水被害を軽減させる効果に加え,津波 造成したという事例が古くから数多くみられ,津 流体力による被害を軽減させる効果が期待できま 波来襲時に海岸林により被害軽減に役立った多く す。また,波高3mまでの津波による浸水深を半 の事例が報告されています。この被害軽減機能は 減させるためには約200m以上の海岸林幅が必 現在においても有効であり積極的に活用されるべ 林業技術No.7412003.12-⑬ きでありましょう。そこで,過去の津波被害調査 果たすことになるため,その海側に地盤の高い砂 報告書や体験談や言い伝えを基に海岸林が持つ定 丘を形成し津波に対しては自然の堤防の役割を持 性的な津波減災機能項目を整理すると次の4項目 つようになる機能を意1床しています。1983年の日 に整理することができます。 本海中部地震津波の際には,青森・秋田の各地に 2漂流物移動・内陸侵入抑止 おいて10m以上の高い砂丘により津波の侵入が 津波による被害の中で漂流物の衝突による破壊 抑えられています。この海岸林は飛砂防止のため が家屋被害を大きくしており,人的被害について に人工的に造成されたものであり,この海岸林が も漂流物との接触が原因とされる怪我や溺死者が 飛砂を防止した結果として,沿岸に砂丘堤防が形 多いことがわかっています。漂流物移動・内陸侵 成され津波の進入を抑えてたものです。しかし, 入抑止の機能は津波とともに流れてくる船舶や材 川沿いや道路などの海とつながる低い土地沿い等 木等の漂流物が家屋や描造物に衝突することによ の海岸林の無い区間からは津波が│嘩上へ侵入して る家屋被害や人に接触することによる人的被害の おり,海岸林による砂丘堤防があるところでは津 二次被害を,海岸林により漂流物が直接家屋や構 波の侵入が小さくなり,砂丘堤防による津波侵入 造物や人に衡突するのを防ぐことにより軽減・防 阻止機能が示されています(石川ら,1983;村井 止することを意味します。1960年のチリ津波の際 ら,1984)。 には,宮城の三陸沿岸では漁船や養殖筏が松林に 5.人命救助 よりせき止められ家屋への二次被害を軽減した事 人命救助の機能は一度津波にさらわれた人が津 例が報告されています(和泉ら,1961)。この漂流 波の引き波に流されないように樹木につかまり津 物移動.内陸進入阻止による減災機能は,樹木が 波をやり過ごすことのできる人命救助の機能を意 倒伏,根返り等により破壊されないかぎり持続し 味しています。1946年の南海地震の際に海岸林の ます。 樹木につかまって津波の引き波に流されずにすん 3.津波エネルギー低減 だため命が助かったという体験談も報告されてお 津波エネルギー低減の機能は海岸林の抵抗によ り,また1896年の明治三陸地震津波の際の風俗画 り津波の流勢を弱め,浸水範囲を減少させること には津波に流されまいと松に抱きついている人と で,海岸林背後での津波による被害を軽減する機 津波に流されていく人の様子が描かれています。 能を意味しています。チリ津波のときには岩手県 1993年の北海道南西沖地震津波の死亡者の死因 の高田松原で松林の幅(海から内陸へ向かった距 をみると津波に巻き込まれたことによる溺死者数 離)が狭い所の背後では津波の流勢が強く被害が が138名と最も多くなっており(望月,1994),津 大きかったことが報告されています(近田’ 波引き波に流され溺れないようにつかまることの 2000)。このように津波流勢軽減効果についても定 できる海岸林は人命を守るうえで重要な機能を備 性的な事例報告が多くなされています。しかし, えているといえます。 海岸林による定鍾的な津波低減効果の評価につい 一方,首藤(1985)は,海岸林が津波に対して ては,海岸林の津波への影響が-'一分理解されてい 被害を拡大させるよう働くこともあり,巨大津波 なかったため検討されてきませんでした。海岸林 に対しては海岸林を構成する樹木自体が津波によ の津波への影響を考慮した数値シミュレーション り破壊され,海岸林の津波減災機能を果たさなく を用いた定量的な評価結果の一例については前半 なり,さらに樹木自体が漂流物となり津波ととも で述べたとおりです。 に流され家屋や構造物への衝突による二次被害を 4.自然堤防(砂丘)形成 引き起こす可能性を持つと指摘しています。この 自然堤防(砂丘)形成の機能は飛砂の影響を受 ように防潮林の津波減災機能を十分に理解し利用 けるような地域において海岸林は防砂林の役割も するためには,防潮林自体が破壊される限界につ ⑭−林業技術No.74FI2003.12 鴬 溺死 引き波に ﹃■■・■■■一日■■■■一■■ ”剛 津波の減衰 一深カ ー水体 一浸流 矛 樹木倒壊 甑輝 よる洗掘 エネルギー損失 " 影剰 津 陸上での 被害軽減 │ 到 達 時 間 ! _ . . . . . . . _ _ − − − − 」 図②海岸林による津波減災効果 いても理解が必要です。 本文でも述べたように,海岸林には津波による災 6.海岸林の津波減災機能 害を軽減させる多くの機能があり,そのすべてを 前節において述べた海岸林による津波減災機 定量的に評価するまでには至っていません。今後, 能・効果について整理したものを,図②に示しま これらの減災効果の評価と合わせて海岸林利用法 した。海岸林が抵抗として働き,津波自体を低減 の検討としてより効果的な配置や構造物との組み させる以外にも,多くの減災機能・効果を持つこ 合わせの効果等についても検討を行い,海岸林の とが理解できます。 津波防災への有効性を示していきたいと考えてい また,すべての沿岸地域に長大な構造物による ます。 対策をとることが不可能である以上,沿岸の自然 力によるこれらの有益な防災機能を十分に活用し た防災計画が取られるべきと思います。しかし海 岸林は津波の侵入を許すため,海岸林を利用する ためには防波堤や防潮堤等の他の対策との組み合 わせにより減災効果を強化して利用することがよ り有効な手法であると考えられます。 また土地に余裕のある地域では,海岸林を海か らの外力に対する緩衝域として土地利用計画の中 で利用していくことにより,防災と自然環境に配 慮した沿岸地域計画を行うことが可能になると期 待されます。 ●おわりに● 海岸林の抵抗モデルの導入による数値シミュレ ーションを用いた海岸林による津波の減衰効果の 定量的評価の一例と過去の事例に基づいた海岸林 の持つ津波減衰効果項目について紹介をしました。 [参考文献] 石川政幸・工藤哲也・松岡広雄(1983):日本海中部地 震津波時の海岸防災林の効果と被害,治山,No. 28(4),pp.4-10. 和泉健・安部倫次・山内尚・土井恭(1961):チリ地震 津波における防潮林の効果に関する考察,宮城県立 農業試験場臨時報告,第5号,41p. 首藤伸夫(1985):防潮林の津波に対する効果と限界, 海岸工学論文集,第32巻,pp.465-469. 近田文弘(2000):海岸林が消える?|,大日本図書, 189p. 原田賢治・油屋貴子・LatiefHamzah・今村文彦 (2000)&防潮林の津波に対する減衰効果の検討,海 岸工学講演会論文集,第47巻,pp.366-370. 原田賢治,今村文彦(2003):防潮林による津波減衰効 果の評価と減災のための利用の可能性,海岸工学論 文集,第50巻、PP.341-345. 村井宏・熊谷直敏・大村寛(1984):日本海中部地震・ 津波による海岸防災林の被害実態,日本林学会大会 発表論文集,第95巻,PP.561-564. 望月利男(1994):1993年北海道南西沖地震の総合調 査研究報告,東京都立大学都市研究センター都市防 災・安全部門研究室156口 林業技術No.7412003.12-⑮ ■今月のテーマ:保安林し 防風林の造成管理技術の 進展を目指して とりたひろゆき 烏田宏行 北海造立林業試験場道東支場研究職員 〒081-0038北海道上川郡新得町新得西2線 e/FAX.01566-4-5434 ●はじめに● 報告します。 ●防風林に関する風洞実験● 防風林の基本的な機能は,風を弱めることにあ ります。風を弱めることによって,農作物の物理 実験は風洞内に模型林を設潤して行いました。 的な損傷を防ぎ気温や地温を高め,農作物の収量 実験に使用した模型樹は,市販の針葉樹模型で, を増加させます。また,風によって運ばれてくる 高さが10.5cm,11H4.5cm,枝下高1.5cmのサ 粒子(雪,霧,土)などを捕捉したり,畑の表土 イズです。樹冠部分はブラシ状になっており,通 が吹き飛ばされるのを防いだりします。 風性があります。この模型の樹冠部分の全体にわ 防風林を含む防風施設に関する研究は,古くか たって,平均的に模型の葉を切り取って,3段階 ら行われてきましたが,その多くは防風柵や防風 の葉面積密度を持った模型を用意しました。模型 ネットなどの人工構造物に関するものです。平面 林帯は,これらの模型樹を別々に用いて列状に1 構造の防風柵や防風ネットにおいては,光を当て 列と3列に並べて構成し,合計6パターンの模型 たときに陰になる部分の割合である密閉率(ある 林帯を作製しました(表①)。実験では,これら6 いは間隙率=1−密閉率)が,その防風効果に強 つの模型林帯を風洞内に固定して,その周辺で風 く作用することが知られています(真木,1981; 速を測定しました(烏田・根本,2002)。 HeislerandDewalle,1988など)。つまり防風柵 防風林の防風効果の特徴を示す相対最小風速, などの周辺で実際に風速測定を行わなくても,密 防風範囲(相対風速80%以下の風下における林帯 閉率からある程度防風特性が予測できるわけです。 からの距離)に注目して(図①),高度lcm(枝 一方,防風柵等に比べて複雑な立体構造の防風 下)と高度5cm(樹冠層高)における風速の測定 林では,林帯幅や疎密度が防風効果に影響すると 結果を述べます。防風林の幅と相対最小風速の関 考えられます。実際に防風林を造成する場合には, 係は,幅が広くなると相対最小風速は全体的に小 あらかじめ防風効果と植栽木の生育の双方を考慮 さくなる傾向が見られ,同じ幅でも葉面積密度に して計画することが望ましいわけですが,林帯の よって相対最小風速に違いがあります。葉面積密 描造と防風効果が明確でない現状では,主に植栽 木の生育に力点が置かれがちです。そこで,本稿 では防風林の防風効果と林帯繊造の関係について 樹木模型を用いた風洞実験を行いましたので,そ の結果を報告します。また話は変わり,少しロー 度と相対最小風速の関係は,葉面積密度が高くな カルになりますが,防風林がいかに地域で大きな 高いものほど小さくなる傾向があることがわかり 役割を果しているのかを知っていただくために, ます。 北海道十勝地方における防風林の現状を合わせて ⑯−林業技術No.7412003.12 ると相対最小風速は全体的に小さくなる傾向が見 られますが,同じ葉面積密腱でも幅が広いほうが 相対最小風速は小さい値となりました(図②a)。 全体的に相対最小風速は,幅が広く葉面積密度が 防風範囲は,中3列(幅:13.5cm.葉面積密度: 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 5 口 ー ■ ■ 一 − − − − − 一 一 一 一 ー ー q ■ ■ ー ロ ■ ■ 一 ー ■ ■ 一 一 q ■ ■ ■ ■ = ー h:樹高 0 − 1 0 − 5 0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 距離(h) 図①防風効果の概念図(h:樹高倍数) 100 a 一 一 一 ‐ ◆ 2b 一 寺 ﹄ 一 一 ﹄ 一 や 一 一 一 一 参 一 一 一 一 一 一 画 ロ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ︸ 一 一 一 一 一 一 一 一 二 一 一 一 二 一 一 口 一 一 一 ↓ ﹄ ﹄ 一 一 一 一 一 琴 口 一 一 二 ロ 一 一 一 一 今△一一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一△ 己 色 一 一 一 ー◆一△一 金△一 一 一 ﹄ 一 一 画 一 一 一 一 一 二 は依然として相対風速は80%以下でした)となり 一 ー 一 ‐ 一 一 一 一 一 一 ー 一 − − − 一 数。風速の回復が遅く,風下20hの測定領域内で 一 00 値は高度が低い順に19h,20h以上(h:樹高倍 一 瀞 防風範囲︵h︶ 52.2)の場合に各測定高度とも最大になり,その 一 5 050 11 図②防風特性と疎密度の関係(1';樹高倍数) 一 2 葉面積密度(m2/m3) 一 20 相対最小風速︵%︶ 1 80 一 06 04 02 0 8 1 一一一 5 050 一 一 一 b一 一一 一一 一 002 防風範囲︵h︶ ﹄宙一 二一 一一 一 師函△0▲一● ▲●一△一○’ 一宰 一 m妬坦一一 一 一 に 幅幅一一 一 一一 一一 度・・上一一 一 一 ﹄ 高 △ △ 一 一 一一 一一 一 一 一 一 ・ 一 ・一 一一 一 一 一 一 一 一 一 一 公○一▲●一 ▲一 ○ △一 一 一 一 ︸ 一 一 一 一 一 一 一 ︸一 一一 一 一 一 一 一 一 ロ 一 一 ロ ー 一 ︸一 一m △ 6 0 傘 一 m 恥 ▲ Q 一 ○八 一一 一一 一 一 一一一 一一一 5 一︾ 一 妬氾 一 一 一m 恥幅幅 a一一議αα 0 相対最小風速︵%︶ 5 752 ー 2 0 4 0 6 0 風下 q ■ ■ ■ 一 一 一 一 一 一 ■ ■ 一 一 一 一 一 一 一 』 ■ ■ 一 一 一 一 ● ■ 一 ■ ■ ー = ー 一 一 ー ー ■ ■ I 相対最小風速 一 100 ベ 37.8 37.8 ’ 13.5 4.5 18.5 45 13.5 4.5 100 06 04 0 8 相対風速︵%︶ 74.4 744 52.2 522 列数 一一 林帯│幅(c、) 3︲313︲ ■“JjDJqj、■J1ロ︲グ4口“J1 3︲3 ︲ 3 1 密密中 中 疎 疎 葉面積密度(m2/m3) 上 風 120 表①模型林帯風洞実験 一一一◆4 0 2 4 6 8 1 0 1 2 疎密度×幅 図③防風特性と疎密度×幅の関係(h:樹高倍数) ました。防風範囲の最小値は,各高度とも疎1列 (幅:45cm葉面積密度:37.7)の場合に見られ, その値は高度1cmでは相対最小風速が80%以 いるのかは明確には言えない結果となりました。 次に,幅と葉面積密度を掛け算した葉面積密 下にならなかったため0で,高度5cmでは3h 度×幅と風速分布との関係を述べます。まず,相 です(図②b)。防風範囲は,各測定高度とも幅が広 対最小風速と葉面積密度×幅の関係ですが,両者 くなると大きくなる傾向にありますが,同じ幅で の間には高い相関力視られ(下に凸の曲線),相対 も葉面積密度によって異なるため,明確な関係が 最小風速は葉面積密度×幅の増分に対して一定の 見いだせません。 割合で減少せず,葉面積密度×幅の値が高くなる 以上の結果を総合すると,防風林の幅や葉面積 と相対最小風速の減少率も小さくなる傾向を得ま 密度は,防風効果に影響を及ぼす因子であると言 した(図③a)。これはある程度以上,葉面積密度× えますが,どちらがどの程度防風効果に影響して 幅が大きくなると,I隔を広くしてもあるいは植栽 林業技術No.74fl2003.12-⑰ 密度を高くしても,それほど減風率(100-相対最 ができます。幹線防風林は林帯幅が広く,だいた 小風速%)が大きくならないことを意味していま "50m前後ですが,80m近い林帯も珍しくな す。防風範囲と葉面積密度×幅の間には,相関関 く,その延長は数kmにも達します。一方,支線 係が見られました(図③b)。防風範囲は,葉面積 防風林は農家が個人で植栽したもので,1∼3列 密度×幅の増加とともに大きくなり,実験では葉 程度の防風林です。地元では通常,この支線防風 面積密度×幅が7のときに最大になって,その後 林のことを耕地防風林(写真①)と呼んでいます。 減少もしくは頭打ち傾向を示しました。 十勝ではこれら2種類の防風林が碁盤目状に並び, この実験からは,葉面積密度×幅が防風効果を 独特の風景が名物の一つに数えられています。そ 冬かの随 予測する有効な指標であることが示されました。 もそも-│-勝の防風林の歴史は開拓期に遡り,耕地 しかし,実際に防風林の造成管理に携わる現場の 区画の設定時に天然林を残して保安林にしたこと 技術者にとって,林帯幅は別として葉面積密度は から始まったと言われています(小関,1971)。当 聞き慣れない言葉であると思います。従来の林業 時の防風林は台地での優占林,カシワ林を主とし 技術では,幹に視点が置かれてきた経緯がありま ていたと思われますが,多くは一度伐採されて現 すので,葉面積密度は扱いにくい因子かもしれま 在は二次林です(孫田,2001)。一方,支線防風林 せん。今後,現場で葉面積密度×1幅を防風林の防 は,幹線防風林の間隔が非常に広く,幹線防風林 風効果を知るための指標として活用するならば, だけでは防風効果が耕地全体に及ばないため植栽 葉面積密度を従来の林業技術で用いられてきた因 されるようになりました。植栽樹種としては,幹 子(例えば,立木密度,胸高直径など)に置き換 線・支線ともカラマツが最も多く,シラカンバ, える工夫が必要だと思います。防風効果を考慮し た防風林の造成管理技術の確立を目指しての一つ の大きな課題です。 ●十勝地方の防風林の現状● トドマツなども見受けられます。 十勝における防風林は,作物の生育期間を通し て気象緩和効果を発揮し,作物の収量を増やす働 きと,春先に吹く「十勝風」と呼ばれる強烈な局 地風から作物を守る働きを主に担っています(写 十勝の農村景観といえば,防風林というほど十 真②,③)。特に,たびたび大きな農業被害を発生 勝には防風林が数多く存在しています。この十勝 させる十勝風に対する防風林の役割は重要で,十 の防風林は大きく分けると幹線防風林(防風保安 勝に防風林が数多く必要とされる所以です。最近 林)と支線防風林(耕地防風林)に分類すること では,昨年になりますが平成14年度に,この十勝 風によって大きな農業被害が発生しました。 被害は主に商品価値の高い小豆に多く発生し, 同年6月24日現在の統計では,被害を受けた 小豆の作付面積は,十勝全域で約4,500haに も及んでいます。 農業被害を受けた各地域ごとに,防風林の 密度と被害率(被害面積/作付面積)の関係を 調べた結果では,防風林の密度が高いと被害 率が小さくなる傾向が示され,あらためて防 風林の重要性を再認識させられる結果となり ました(詳細は『北方林業2003Vo1.55No.10』 を参照)。ところが,近年,十勝における防風 林の減少傾向が報告されています。幹線防風 写真①カラマツの耕地防風林 ⑱−林業技術No.7412003.12 林の減少はそれほど目立ったものではありま せん力曾,耕地防風林の減少は著しく,現在で は1960年代の2割弱程度まで急激に減少し ています。これは大型農業機械が普及し,耕 地防風林が機械作業のじゃまになることや農 地拡大等の理由から伐採されたことが主な要 因です。しかし,この防風林の減少傾向は, 強風が吹けば腱業被害が発生するいわば潜在 的な風害区域の拡大を意味しており,決して 歓迎すべき動向ではありません。そこで北海 写真②風が吹〈前の景色 道庁や市町村などの行政機関は,耕地防風林 の重要性を広く普及し,耕地防風林造成のた めの助成金制度などの活用を通じて,耕地防 風林の減少傾向を食い止める取り組みを行っ てきました。このような取り組みは,結局の ところ,農業被害を最小限に食い止めるだけ ではなく,広く定着した十勝の農村景観その ものを守ることにもつながっていくと思われ ます。 ●おわりに● 近年,森林の公益的機能が重要視され,森 写真③強風が吹〈と,畑の土が吹き飛ばされる 林に対する期待が膨らむに付随して,森林の 機能を説明する義務と情報を公開する義務が求め には小動物(モモンガ,エゾリス,キタキツネな られるようになってきました。防風林においても, ど)や小鳥たちの姿を見ることができます。彼ら 防風機能の,より定鐘的な理解が望まれ,公益的 にとっては防風林が,耕地という人間の生活域の 機能をより効果的に発揮できるような防風林の造 中で,貴重なハビタートやコリドーとなっていま 成管理技術が必要とされています。今回報告させ す。市街からほど近い距離に,野生動物との接点 ていただいた風洞実験は,そのための研究例であ を提供してくれるもの,それが防風林のもう一つ って,現場の技術への応用にはさらなる研究が必 の姿です。 要です。また,広く防風林の重要性を知っていた だくために,本文後半に十勝の防風林の現状につ いて報告しましたが,耕地防風林の減少による潜 在的な風害危険区域の拡大という問題は,今後と も解決に向けて努力していかなければならない問 題であると思われます。 ところで,防風林は,十勝の大地で農作物を守 参考文献 Heisle1・,G.M.andDewalle,D.R.(1988)Effectsof windbl・eakstI・uctureonwindflow.Agriculture,EcosystemsandEnvironment22/23:41-69 小関隆旗('971)北海道開拓行政における防風防霧林の 設定について.林野庁監北海道の防風・防霧林41-47 (財)水利科学研究所 真木太-(1982)防風網に関する研究(4)風洞実験に よる種々の防風網付の風速特性.農業気象38(2):1231 3 3 . り観光資源でもある農村景観を形成し,必要不可 孫田敏(2001)“林(りん)”からのランドスケープ.緑 欠な存在ですが,それは野生動物たちにとっても の読本57.112-118.公害対策技術同友会 鳥田宏行・根本征樹(2002)防風林の疎密度と林帯幅に 同様のようです。防風林に出かけてみると,そこ 関する風洞実験日林誌84:85-90 林業技術No.7412003.12-⑲ 0今月のテーマ:保安林 , 馬 澗ゴの こいけえいじ 蒜村役場助役小池永司 毎つ hー 〒509-2612岐阜県益田郡馬瀬村名丸406番地 冠0576-47-2111(代)FAXO576-47-2621 http://www.villmaze.gifu.jp/ ●はじめに● の渓流) 写真①渓流魚付き保全林(「一の谷地区」の蕗 岐阜県馬瀬村は,岐阜県のほぼ中央に位置し村 の面積の95%が森林に囲まれた人口約1,600人 そこで,平成15年5月15日に全国の自治体と の典型的な山村です。村の中央を貫流する「馬瀬 しては初めて,独自に「渓流魚付き保全林」を指 川」は,鮎,アマゴなど渓流魚の全国的に著名な 定し,同6月11日には,隣接する国有林との協力 釣り場として年間5万人の釣りファンが訪れます。 を強めるため馬瀬村長と岐阜森林管理署長が「渓 一方,馬瀬村では平成5年に初めて温泉開発を 流魚付き保全林」の森林施業に関する「覚書」を 行ったところ,良質な泉源が確保でき,平成8年 締結いたしました。 ごろから温泉客が年間20万人に増加してきまし ●渓流魚付き保全林とは● た 。 い 釣りと温泉を活かした村づくりを進めるうえで, 昔から海の漁民は海岸に森林があると,魚が寄 清流の保全は重要性を増しています。特に,渓流 ってくることを長年の経験で知っており,このよ 魚の生息環境を守るためには,水源をかん難し, うな森林を「魚付き林」と呼び大切にしてきまし 自然生態系の形成に大きな影響を与える流域の森 た 。 林保全が極めて大切です。 現在,国の保安林制度により沿岸部に約2万5 千haの「魚付き保安林」が指定されていますが, 内陸部の河川周辺には例がないようです。 老谷ささやき自慰公園 河岸林,渓畦林などと呼ばれる河川や渓流沿い の森林は,①低温を好む渓流魚に対して樹木が水 面に日陰を与えて水温の上昇を防ぐ,②森林に集 まる昆虫が川に落ちて魚の餌になる,③川に落ち 至 た落ち葉が水生昆虫の餌や営巣材料になる,④森 林の土壌をろ過した水は川のプランクトンの成長 に必要な栄養分を含む,⑤森林が土砂の流出を抑 止し,魚の産卵場所を守る等,渓流魚の生息に大 きな影響を与えています(表①,図②参照)。 馬瀬村の渓流魚付き保全林は,このような機能 のある森林の保全を目的にしています。 図②馬瀬村位憲図 ⑳一林業技術No.7412003.12 率一曇 表①夏期における馬瀬川と渓流の水温の比較 地区別’測定個所 芦谷|馬瀬川本流右岸 ノ ノ 葛谷 年月日 H11.8.26 時刻|水温 AM11:50119.5℃ 馬瀬川本流から約150m芦谷を 上がった湧水箇所 ノ ノ ノ ノ P、MO?10 150 馬瀬川本流右岸 〃 〃 A.M9 20 18.0 〃 葛谷支流 〃 〃 A.M10 20 140 〃 〃 〃 A.M10 30 17.0 A.M11 20 i4.5 〃 〃 A・MII 35 15.0 〃 葛谷本流(堰堤下) もち洞 本洞 上ケ洞林道起点付近下 〃 〃 P M 2 25 15.0 〃 水源地上流約100m 〃 P.M3 00 15.5 黒石水源の森 〃 快晴H11.8.25 〃 資料:馬瀬村「渓流魚付・き保全林調査報告諜」平成12年3月 150 1 0 た。そこで平成6年に,村の新たな活性化のあり 0 と観光の調和が村づくりの大きな課題となりまし −←(△)森林区 05 馬瀬村では,先に述べたように自然環境の保全 ︵乾重量、/赤・日︶ 1.経緯 陸生無脊椎動物落下量 ●渓流魚付き保全林の指定までの 経緯と概要● 方を検討する「馬瀬村森林山村活性化研究会」を 設けて,2年間をかけて調査検討を行いました。 その結果,平成8年に,①美しい山村景観を創 る,②川と人のふれあいを深めるプロジェク│、, ③森と人とのふれあいを深めるプロジェクト,④ 清流および森林の環境保全プロジェクト,⑤山村 の情報受発信プロジェクトの5つからなる「馬瀬 川エコリバーシステムによる清流文化創造の村づ 0 345678910111212 1 1 1 1 1 1 1 1 春 夏 秋 匁 図②河川への陸生無脊椎動物落下量 資料:r川と森の生態学」中野繁論文集(北海道大学図書刊 行会)P210より引用 幌内川の森林区と草地区において落下トラップで採 取された陸生無脊椎動物の月平均落下鐘 くり構想」が出来上がりました。 「渓流魚付き保全林」は構想の主要な事業の一つ 域に広葉樹が多いこと,渓流に岩魚などが生息し として,平成8年度から重要性のPRを始め,平成 ていること,上流で開発が進んでいないことを条 11∼12年度における現地調査,その後の森林所有 件として,尾根等で囲まれたある程度まとまりの 者の承諾,森林管理署との協議を経て,ようやく, ある区域を対象としています。 平成15年度に指定の実現をみたものです。 渓流魚付き保全林の具体的な指定,解除,森林 の育成管理は,村が定めた「馬瀬村渓流魚付き保 全林」の指定に関する要綱」(平成14年5月15日) 渓流魚付き保全林のうち,民有林は,森林所有 者98名の方にご協力をいただき,森林面積466 ha,270筆に及ぶ森林を指定しました。 国有林は,「覚書」により民有林と同じ効果を発 によることとしています。 揮できるように配慮する森林として1,914haが 2.概要 対象となっています。両者合わせて2,381haでこ 馬瀬村の渓流魚付き保全林は,村内主要渓流沿 いに5カ所と馬瀬川沿いに1カ所,合わせて6カ 所指定しました(表②,図③,写真①,写真②参 照 ) 。 れは村の森林面積9,125haの26%に及ぶ広大な 面積が対象となっています。 渓流魚付き保全林の天然林の占める割合は,民 有林は43%,国有林は18%です。 指定した箇所は,渓流の水量が豊富なこと,流 林業技術No.7412003.12-⑳ {渓流魚付き保全林指定箇所略図覚書による国有林の区域も含む } 図③馬瀬村「渓流魚付き保全林」指定箇所略図 ●渓流魚付き保全林の森林施業● 指定された森林の施業は,前述の「要綱」に基 づき森林所有者が清流保全の大切さを認識し,自 発的に望ましい森林の育成管理を行うことを期待 しています。 具体的には,皆伐を避け,下刈り,除伐等の保 育,間伐を励行し,特に渓流から30m以内の森林 は,できるだけ択伐とし,広葉樹の保存に努める こととしています。 国有林の森林施業は,馬瀬村と岐阜森林管理署 で「連絡調整会議」を設けており,具体的な箇所, 施業内容を調整することとしています。今年度は, 写真②渓流魚付き保全林「葛谷地区」の遠景 ●おわりに● 案内看板の設置,啓蒙パンフレットの作成,村の さる平成15年10月2∼6日まで,オランダの ふるさと祭りで展示コーナーなどを設置する準備 アペルドールン市で,国際的に唯一のまちづくり を進めています。 コンペティションである「NationsinBloom ②−林業技術No.7412003.12 表②渓流魚付き保全林の地区別指定面縦(平成15年5月現在) △■■Ⅱ。■句■ⅡⅡU 名一一一一一 7.4’2.9﹃3’3 −4−−一︾一 幸 一年■+ 凸 。凸 ●一 令 字一 一口 ● ↓ 寺 ■ 令 ■ ■◇ |甲 今○ ■告 | ■ 争 早 ● | 6牢4−0−7−8首0− 筆一一一一一一 1ⅡⅡⅡ早口ⅡⅡIⅡ一○八如却今方︷胡︾・・■116.一︽唖戸﹄一 。■■Ⅱ日日一口早↑一 。一 ﹄参 卑● ○一 ↑一 ↑ ○ 一 字 ● 一 一 ○ 色 一 参 ● 今 今 口 凸 一 口 e 一 ■ 含 一 令 今 舎 一 七 己 年 令 凸 申 七 一 今 一 一 ● 一 粂 呈 一 幸 幸 舍 ◆ 今 幸 一 幸凸 凸一 ↑凸 争今 合一 舎 ● ↑ 口 画 参 二 今 3﹄9−6−9−0−2− 8−7−7−4−6−1− ■ ① ● ■ ■ ■ 凸 争 令 寸 ● 3● 壷6 . 7 季 7 6↑ 5 早 8﹃ .87 . 0 ↑↑4 3 ︽ 3 ﹄ 2 ︾ 1 − − 2, 一 ■ 合 や 今 合 マ ーロ ■Ⅱマ ■■ ・色 色寺 争与守 ●マ ● 己 口 ・ 勺 。 ︾ 令 C e 勺 。 e 令 ● 垂 ウ 曲 や 一 ● 垂 甲 ■ ◇ | 争 垂 ■ 申 幸 一 凸 参 い む中 ●■ 宮一 寺一 ■ 凸 ↓ ○ 曲 一 呈 凸 今 ■ ■ 一 口 三泊一 一.IⅡ0■● オランダ・アベルドールン順で開州された服罪の自 治体が諏塊保全や住みよい肌峨づくりの成采を亜う ど緑のま垣づくり鬮廉コンペチィシヨン︶で、馬瀬川 ﹁第八回ネイションズインプルーム2003﹂︵花 を種として新しい村づくりに取り組む朧州那螂瀬村 た。県隔園治体の入︵は初めて。︵山田雲一︶ が、人口二万人以下の部門で第三位︵釧炊︶に人猫し 同コンペテイシヨン40個Hくり﹂の鐸測や、鉱伽謹 離溌 郷溌 淵新 翠踊銅 群郷 柵川棚癖緬洲燗繊 イィ ーー ととのの協 ゴミ ミ昌 昌享 一テ 協凋 官川 州上 刊 池状Ⅷ助批腓同然公側 鰹 蕊譲懲 輪謹 塗評 評 蕊霊鶏 鯏瓢淑 蝿蝋み 鍋溌 瑚緋 み藤#種蝿し旅 辨 窪潔蠅 測蕊 溺郵 栽熱蕊擁燭蹴 晦制村憾今回初めて懸命匂vへ蝿趣噸みたい﹂と晒して 侭﹀垂 垂雪 尹蛎 緬卯 卵向 ⑤ 輸棚鶏蕊伽 鍵鏑恥溌醐す 一鉾伽した岡村な撞胆界分頃“ までⅢかれ、日本から唯、 鮴 蝿燃蹴鋤伸 蕊甑鯉簗刑 厩獅村が票3位に入筒し、塞彫毒 抑孜全 ンケ・プペルドールン市、恥so 受け論小池永司助役麓轡Ⅱオラ 一 ー 唾 Utilities鋤野趣.潮, 高 ま っ て い る こ と を 知 り 感 銘 を 受 け ま し た (図 ②Public調撫獺 布し て お り , 世 界 的 に も 植 物 と 魚 の 関 係 に 関 心 が S e a t t l e : 錨 叫 均 坤 吹 』 8 脈 w I l e ‘ … 画 噛 " “ 雨 " 、 1曲“。“§爽挿 るように具体的リ ス ト を 載 せ た パ ン フ レ ッ ト を 配 rormoroInh『matIono“淘砲nI唯FM均 に鮭の生息に適した樹木やグラン ドカバーを植え 1画何蹴柳h姉 "F1八 l岬…、蝿Upt名鋼危賦胸部 qsqIMo" は川に遡る鮭と共生するため. するため,市民の庭園づくり 黒延 特にアメリカのシアトル市で 分詞臼凹脚.g“−打 oK1n9<ounwM0m“ndmnImT1抄Ibf b蝿Ilhy別1画nm“3*no凡 Howiobe' 蓬 oN4t邸rJいw、&C郡。”HoujT1Q 206.6]”224. 露司 鰹…露…可・宝.野露蒋鰯露奄鞭 函 罪》〒 』 唾 率 2003年(平威,5年)10月108鍵8 α"d醐胸mIi11誼urfc恥鰄"1$ ましたが高い関心が寄せられました(図④)。 参■● 一m一 川や森生かす取り組み評価 む今 ゑく 金系箇 憾茎 五十 ふ力鼠 闘か かつ 脂mⅧ Ⅷ一猛る。今彼も地城として 矛蕩瀞瀦灘瀧謹… ざるニー垂 ◆ 参甲 一 華● 守壬 宰 寺 n10″ケ争○、0日″r心。10〃夕合b、l〃〃つい、ⅡⅡprGQEI〃〃一 崎一癖一︾か谷一谷︾谷一 上一石一石一島一島一山一 川畠で黒一惣一惣一下一 く一く毎く毎く◇く一▲ ■一一一一一 3.9﹄l↓9一0↑6︽ 5﹄6−6−4− 6○ −3− ● 自 甲 由 ①7 ◆ 甲 ● 4凸 鱈9 ↑8 7 ↑一 ’一 8’ 1 . 0 今令 8↑ ↑一 0. ↑ 3 ↑ 年 ◆ ︽ 1 − 寺︽ 1 申 ◆ ◆ 己 寺 缶 一 七 七 ︽ 一 缶↑ 一■ 宇今 ・一 ↑︽ 一 旬 一 一 P 二 つ 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' 5 M1隊枕MyQh鰍UQ“”赦嘩。ni w挿他邸齢wrcr暁.ー伽鋪’ このコンペでは、 27710 三水一西一葛一 芦 一 厚 ︾ 本年10月,オランダ・アペルドールン市で開催され た「国際まちづくり」コンペでの様子(上)と参加し たシアトル市の「鮭との共生」のパンフレット(一 部 ) 。 図④ 1‘339.30 98 270 2.38059 l.914.31 466.28 計 所有者数 指定箇所 計 国有林 民有林 (所在地区名) 民有林の内訳 指定面砺(ha) 魚付き保全林名称 │参考:馬瀬村の全森林i伽穣9.125ha。魚付き保全林指定面積(26%)] 2003」が世界から25自治体が参加して開催され, 馬瀬 村は人口2万人以下の部で第3位(銀賞)を 受 賞 しました。ここで渓流魚付き保全林も紹介し 酬1.$戒塀”㎡bfM的h中$釣、“邸d齢馴 ④ ) 。 林業技術No.7412003.12-⑧ 技術協力 中国の森林. )について ( JICAr中国四川省森林造成モデル計画」おおに_些盗?@塁 大西満信 プロジェクト専門家 と建設が重要な基本方針の一つとして位置づけられて はじめに おり,森林率を14%から26%まで高めることを目標 私は,現在,JICA「中国四川省森林造成モデル計画」 としています。 イ プロジェクトの専門家として,四川省凉山葬族自治州 このため,具体的な林業施策として,①「天然林保 西昌市にいます。このプロジェクトの目的は,長江(揚 護プロジェクト」,②「三北・長江上流,黄河上中流域 防護林体系建設プロジェクト」,③「退耕環林環草プロ ジェクト」,④「環北京地区治沙防沙プロジェクト」, ⑤r野生動植物保謹および自然保謹区建設プロジェク 子江)上流の安寧河流域において,荒廃地等の造林技 術の開発等を行うことです。ここで開発した造林技術 を地元に普及し,長江上流の造林活動を推進しようと ト」,⑥「重点地区における早熟で大量生産の用材林を するものです。 このプロジェクト活動を通じて,中国の森林・林業 政策の情報を得ましたので,紹介します。 主体とした林業産業基地建設プロジェクト」の「六大 林業重点プロジェクト」が実施されています。 特に,退耕還林プロジェクトについては,傾斜25度 中国の森林・林業政策 以上の耕作地等について,農民が自発的意思により, 現在,中国の森林・林業政策は,社会公益事業・生 態環境改善重視へと大きく転換しています。1998年に 森林に還すため造林を実施し,これに対し政府が補助 するものです。2年間の試行後,昨年12月にr退耕還 森林法を改正し,森林資源の保護措置を強化するなど, 林条例」が制定され,今年1月から施行されることと 国の生態環境整備政策の中での森林・林業の役割を高 なりました。これにより,今後ますますプロジェクト めています。 が推進されることとなっています。 また,1999年1月に森林・林業行政の指針となる上 位の長期計画として「全国生態環境建設計画」 ここでは,「退耕還林条例」の条文を中心に退耕還林 プロジェクトの内容を紹介をします。 (1999∼2050年)が策定されました。この中では,持続 退耕還林プロジェクト 可能な発展と近代化の実現において、生態環境の保護 (1)対象地 退耕還林の対象地としては,第15条で,①水土流失 や設 〆P4一一タロノ〆 ● 妖 一宗 〃津 df ヂ ・▲F 1 0 ロ ー ﹃ 2 ﹃ 。 − q 一 一 P − 寺 ﹀ 一 一 や 一 一 七 耕地,③生態上重要な耕地,食料生産が低くかつ不安 定な耕地,とするとともに,①河川の源およびその両 岸,湖・ダム周辺の急傾斜耕地,②水土流失や風砂に よる危害が深刻な耕地など生態上重要な区域にある耕 今 cTb9c m 画 一 今t ﹄ も 函 −98Fし 回一一 一一J が深刻な耕地,②砂化,アルカリ化,石漠化が深刻な 旬 - 中華人民共和国 地,については優先的に計画することとされています 上海 四川省 30 や夷壷ヶ・・=一J /、 t 七 一 『=ご■一一今” (以下,退耕地造林)。 また,上記の耕地以外に,「退耕還林実施者は,資金・ 食料補助を受けている期間中,作業設計および契約条 0 .q炉−−W ⑭−林業技術No.7412003.12 20 件に基づき,植林に適した荒れ山・荒れ地での造林を 行わなければならない」こととされています(以下, 写真①JICAプロジェクト造林地 [昭覚県標高約3,000m] 荒れ山・荒れ地造林)。 毎年の計画面績については,まず県レベル(参考1) 写真②JICAプロジェクト造林状況 [地域住民を雇用し造林を実施] と契約を締結し,事業を実施することとなっています。 契約書には,①契約協議の双方,②場所および面積, で25度以_上の急傾斜の耕地等を対象に農民の希望を 聞いて要望面獄を取りまとめ,州レベル,省レベルと 積み上げられて,国で調盤して省へ,省から市県(州 ③造林用苗木(調達方法等),④管理と経営(林権証の 配布,実施後の禁止事項等),⑤補償(下記補助条件 へも通知)へという流れで下りてきて実施されていま (3)補助 等),⑥違約責任等が記戦されています。 す。退耕地造林については,後で説明するように,補 補助については,第35条に「国は査定による退耕還 助条件がいいので希望面種が多く,計画はほぼ達成し 林の実施面積に基づき,土地請負経営権者に食料補助, ていますが,これとセットで義務付けられている荒れ 種苗造林補助費,生活補助蟹を提供する。具体的な補 山・荒れ地造林については,補助条件が悪くなってい 助基準および期限は国務院の関係規定に従って執行す るため,計画面穣の達成に苦労しているようです。 凉山州の場合,1999年から2002年までに,退耕地造 る」と,第36条に「農家による請負が実施されていな い耕地,休耕地の傾斜地で退耕還林を実施する場合, 林の計画106万ムー(1ムーは,0.0667ha)に対し, 105.5万ムーの実績,荒れ山・荒れ地造林の計画72万 ムーに対し,68.8万ムーの実繊となっており,2002年 および退耕還林計画に組み込まれた植林に適した荒れ にさらに,退耕地造林13万ムー,荒れ山・荒れ地造林 土地請負経営権者とは,中国では,土地の所有権は 18万ムーの追加があったそうです。 また,四川省全体では,2002年に,退耕地造林の国 からの計画面穣330万ムーに対し,実績303万ムー(92 %),荒れ山・荒れ地造林の国からの計画面積330万ム ーに対し,実綴247万ムー(75%)となっています。 1月6日付けの「中国緑色時報」に戦せられた「国 家林業局2003年工作要点」によれば,中国全体で,2003 年に退耕地造林336.7万ha,荒れ山・荒れ地造林 376.7万haが計画されています。 (2)実施主体 条例では,第5条に「政策的指導と農民の自発的な 退耕を結びつけ,退耕を実施した者が造林し,経営し, 利益の獲得ができるようにする」と。また,第24条で 「県級人民政府またはそれが委託する郷級人民政府は 山・荒れ地で造林を行う場合は,種苗造林補助費のみ 力苗提供される」と規定されています。 原則個人にないため,農家は地元の郷政府等と請負経 営契約を結んで耕作することとなっており,その土地 を耕作している農家のことです。 退耕還林を実施することによる袖助については,実 施する農家に直接支払われるように,罰則も含めて, 条例できめ細かく規定されていますが,ここでは省略 します。 具体的な補助条件は,1ムー当たり ①食料補助:鐘=年150kg(凉山州の場合,米80 %,小麦20%),期間=生態林8年,経済林 5年,退草地2年,荒れ山・荒れ地造林なし ②種苗造林補助費:額=50元,期間=初年度のみ ③生活補助費:額=年20元,期間=食料補助と同じ となっています。 「退耕還林」の任務を担う土地請負経営権所有者とr退 食瀧揃助は,耕作できなくなることによる食料分を 耕還林」契約を締結しなければならない」と規定され 補助するという名目です。このため,荒れ山・荒れ地 造林等についての補助はありません。西昌市の平地部 ており,農民が自発的意思により申請し、郷人民政府 林業技術No.74F12003.12-⑳ / 更手続を行う。土地請負経営契約も相応の調整を行わ なければならない」とし,まず,国が実施者の権利を 保護することを明確にしています。また,現在の耕作 者(土地請負経営権者)が退耕地造林を他者に委託す ることも認めており,幅広い人たちの参加により,退 耕還林を推進することとしています。その場合は,当 事者間で契約書を締結し,その所有権を明確にするこ ととしています。 また,第48条に「退耕した土地の還林実施後の請負 写真③退耕還林による造林地[ユーカリ4年生」 経営期間は70年まで延長することができる。請負経営 期間が満了した後,土地経営権所有者は,関係法律, での1ムー当たりの小麦の収欺は300∼400kgだそう 法規の規定により,請負を継続することができる。退 ですが,現実の退耕還林の対象となる耕地は,ジャガ 耕還林が実施された土地,および荒れ山・荒れ地での 造林が実施された土地の造林木の請負経営権は,法に イモ,トウモロコシ等の栽培しか行われておらず,ま た,収蝿も少ないので腱家にとっては非常に喜ばれて より相続,譲渡することができる」と規定されていま います。 す 。 経済林とは,森林法第4条に規定する「果物,食用 これについては,参考②の森林法に定める権利関係 油,飲料,調味料,工業原料,薬剤等の生産を主な目 の規定を見てください。 的とする林木」であり,生態林は,経済林以外の林木 を植栽した場合をいいます。しかし,実際には兼用林 (5)義務 という区分があり法律上の経済林でも生態林と兼用で 山。荒れ地の造林以外に,第29条に「退耕還林実施者 退耕還林実施者の義務としては,(1)で記述した荒れ きるようになっています(この基準はよくわかりませ は作業設計および契約条件に基づき,樹木や草の植栽 ん)。生態林が80%を下回らないように計画すること を行わなければならない。林における穀物の間作や, とされています。 もともとある林や草の植生を破壊する行為を禁止す 経済林については,今年で食料補助,生活補助費が る」,第31条に「退耕還林実施者は管理保護義務を履 なくなるところが出てきますが,今後,これら補助を 行しなければならない。退耕還林事業の実施範囲内に 延長するかどうかについては,今年の国家林業局の検 おける耕作の再開や,むやみな伐採土の掘り起こしな 討課題となっています。 種苗造林補助は,1ムー当たり200本(ha当たり 3,000本)として,西昌市周辺で植栽されているユーカ ど,地表植生の破壊活動を禁止する」と規定されてい ます。 また,人民政府についても,第55条に「退耕還林実 リの苗木のmli格が平均0.15元していることから,その 施後,関係地方人民政府は9「'封山禁牧」,小屋飼い, 後の補植等も含めて実質的に全額補助となっています。 囲い飼いなどの措置を講じ,退耕還林の成果を保談し (4)権利関係 退耕還林実施者の権利を保謹するために,条例でき め細かく規定しています。 なければならない」と規定されています。 (6)伐採 植栽木の伐採については,第50条で「資金および食 第47条で「国は,退耕還林実施者が退耕する土地で 料の補助期間満了後に,生態系を破壊しないという前 得るべき林木(草)所有権を保誰する。自ら退耕還林 提の下,関係主管部門の許可を得て,退耕還林実施者 は,法により所有する樹木を伐採することができる」 を行う場合,土地請負経営権所有者は退耕する土地の と規定されています。 林木所有権を所有する。還林を他者に委託,または他 者と共同で還林を実施する場合,退耕する土地の林木 (草)所有権は契約によって定める。退耕した土地の還 います。したがって,植栽木については,補助期間は 林実施後,県級以上の人民政府は森林法,草原法の関 禁伐ですが,その後は森林法に基づき管理していくこ 連規定に基づいて,林(草)地の権利所属証を発給し, とになっています(参考②参照)。 所有権と使用権を確認し、かつ法により土地の登記変 ⑳−林業技術No.7412003.12 中国では,森林法に基づき伐採許可制度を採用して (7)実施体制 [参考1中国の行政組織] 退耕還林については,陸│家的事業として林業主管部 ・国(国務院など) .省,自治区,直轄市(北京,上海,重慶) ・地,市(地級市(省都など)),州 ・県,市(県級市(州都など)),区 ・郷,鎮 ・村 惨考2中華人民共和国森林法] 1所有権等について │:111だけでなく政府全体で取り組んでいます。第6条に 以下のとおり各機関ごとの責任分野が明確に規定され ています。 ・国務院西部開発機構(国務院西部地区開発指導小 組):総合調整,関連政策の制定,関係部門の態勢づ くり,全体規画の実施に向けた態勢づくりと調整 ア原則 集団所有に属するもの以外は,森林資源は,国の| 所有に属する。 イ所有権等 ・国務院林業行政主管部門(国家林業局):全体規画お よび年度規画の編成,全国における実施業務,業務 国家森林,林木,林地・・…・…..・・・・所有権| の指導・監督検査 集団森林,林木,林地…..…….…所有権| ・国務院財政主管部門(財政部):中央財政の補助金の 個人林木・…..…・…・・………・・・・・…・所有権| 林地..…・…・…・・・・・…・…..……使用権1 ウ登録等 県段階以上の人民政府が登録し,証明書を発行。| 割り振りと監督・管理 ・国務院食料行政管理部門(国家食料局):食料供給源 の調整 工譲渡 以下の森林,林木,林地の使用権は,合法的に譲| 等です。また,「県級以上の地方人民政府における林 渡できる。 業,計画,財政,農業,水利,食料の部門は,当該級 ただし,林地を非林地に変更することはできない。I ①用材林,経済林,薪炭林 e用材林,経済林,薪炭林の林地使用権 ⑧用材林,経済林,薪炭林の伐採跡地,焼畑跡| 人民政府の統一的な指導の下,業務を行う」とされて います。 地の林地の使用権 おわりに ④国務院が定めたその他の森林,林木とその他i 林地の使用権 2森林伐採 (1)伐採方法 ①成熟した用材林 現在,中国では新しい時代の林業の重要な特徴とし て,①産業発展から生態建設への転換,②天然林伐採 から人工林伐採への転換,③森林,荒れ地の開墾から ・状況に基づいて択伐,皆伐,漸伐 ・皆伐は厳しく規制,伐採当年度または次年度| までに更新造林を完了 e防護林,特殊用途林(国防林,母樹林,環境| 保護林,風景林) 退耕還林への転換,④森林生態効益の無償から有償へ の転換,⑤部門だけによる林業から全社会による林業 への転換,という「五大転換」を進めることとしてい ます。この具体的な事業として,退耕還林プロジェク ・育成と更新のための伐採のみ ⑧特殊用途林(名所旧跡と革命記念地の林木),| 1,は国を挙げて実施されています。 自然保護区の森林 ・伐採禁止 (2)原則 用材林の消耗量を成長量より低くする。 (3年間伐採限度 年間伐採限度は,以下を単位として,省,自治i 現実には,農民の造林技術,優良苗木の不足,植栽 後の笹理,指導体制整備,食瀧怖助等がなくなった後 の生活費をどうするかなど,まだまだ多くの問題を抱 えていますが,プロジェクトを実施しながら一つ一つ 区,直轄市の林業主管部門がまとめ,同級人民政i 解決していこうという姿勢が見られ,プロジェク1、の 府が審査のうえ,国務院に申告し,承認を求める。i 成功に向けた意欲が感じられます。 ①国有の森林と林木 国有企業事業組織,農場工場鉱山を単位| e集団所有の森林と林木,個人所有の林木I 県を単位 (4)伐採申請 私たちの開発した技術が,プロジェクトに役立てば と思っています。 林 木 を 伐 採 す る 場 合 は , 伐 採 許 可 を 申 請 し , 許 | 参考文献 退耕還林条例 中国森林法 退耕還林条例(日本語訳):JICA業務資料 中国森林法(日本語訳):JICA業務資料 中国緑色時報(1月6日) 緑色天府5月号,7月号:四川省林業庁 可の規定に従って伐採 (a造林義務 伐採許可証の定めた面積,本数,樹種,期限に; よって更新造林を実施 更新した造林の面積と本数が伐採した面積と本| 数より少なくてはいけない & 凸 林業技術No.7412003.12-⑳ 一室雪盲 座場 │ の 麓鱗癬蒜弄豐 ;愚 〒020-0124岩手県盛岡市厨川5-8-6 a019-643-0041FAXO19-643-0042 E-mail:[email protected]・ne.jp はじめに ﹀一 震 いわて川井村のユニークな 「木の博物館」 ■ った森林土壊,特色のある蛇紋岩土壌母材と成立植生, 特異な氷河期の遺産の南限のアカエゾマツ自生地や風 過日の朝のテレビで,「川井村で老女が夕方戸締まり しようとしたとき,玄関から家の中に熊が入り込んで 衝荒廃地など,本村には魅力に満ちた調査・研究の対 かみつかれた」と報道しておりました。ご本人のショ 調査・研究に容易に取り組めるようなアプローチとサ 象物が少なくありません。村の木の博物館推進室では, ックはもとより,ニュースを見た地元の私たちすらも ポー1、に積極的に取り組んでおります。 驚きでした。都会の人々は,「岩手の川井村ってすごい 2学習の場としての博物館 へんぴ ところだなあ」と,山奥の辺鄙さを想像されたのかも 子どもから大人までが,直接自然にふれあいながら しれません。確かに,村の全面積の94%は林野が占 植物,キノコ類,動物,鳥類,昆虫類,岩石,土壌な め,人口も年々減り続け,いまや5千人足らずの山間 過疎の村です。でも,県都盛岡市と区界峠で接し,都 心から国道106号線を使えば車で20分程度で村内に どを,直接現地で観察し,学習できるように配慮して 入れ,太平洋岸の宮古市とのほぼ中間に村役場が位置 し,交通の利便性はおおむね確保されています。高山 植物で知られる霊峰早池峰山(1,917m)が村境の一角 を占め,閉伊川の清流が村を東西方向に分け,自然景 観の優れた伝統が息づく山里が残されております。 おります。これを円滑に進められるように,森林イン ストラクターなどの専門家を養成し対応させるととも に,学校教育における総合学習などとの連挑を深める 方向で進めております。 3.木の文化象徴としての博物館 「木の文化」とは,人間が地域固有の自然風土の中で 築き上げられた生活や信仰を指します。本村は北上山 今この村では,道又邦彦村長発想のユニークな「木 地に抱かれた山間の村という特異性があり,また,平 の博物館(ウッデイミュージアム)」プランが具体化し 成6年度に創設のr川井村北上山地民俗資料館」では, つつあります。博物館はいわゆる「箱もの」ではなく、 「人と山,人と大地のかかわり合いの中から生まれた固 村全体の「森と樹木」が対象に,国定公園の早池峰の 有の文化,記録,資料」を保存しております。博物館 亜高山滞針葉樹林から,閉伊川沿いの低地のヤナギ類 椛想が本村全体を包括的なネッ1、ワークでつないだと 群落まで包括しております。すべて具現化すれば,村 き,「木の文化」の象徴が現実化してまいります。 が誇るように斯界でも類例のない企画として,関心の 4.憩いの場としての博物館 ある皆様を強く引きつけるものと考えております。 基本構想 子どもから大人までが楽しめる安全な自然環境,す なわち,野外スポーツ,森林浴など森の中での開放感 を楽しみながら,同時に自然の美しさや大切さを実感 「木の博物館」とは,単に資料を収集・保管・展示す させる機会を,本村全域のフィールドで提供できるよ るものではなく,自然と直接ふれあい,楽しみ,学習 う計画しております。例えば,遊歩道の路面にソフト の場とすることにより,自然と人間の営みにおける総 な間伐余剰材のチップを敷いたり,手ごろな場所に自 合的な情報を,村内外へ広く提供することを,その理 然と調和する簡易な休息施設を用意しておくなど,来 念としております。具体的には,次の五つの博物館と 訪者の安全や体力に細心の留意を図っております。 しての働きを持つ分館群を設置しつつあることです。 5.地域振興の場としての博物館 1.科学研究の場としての博物館 「森は自然保護や環境保全の場」であるとともに,「木 早池'1嚥山をはじめとする北上山地の標高差によって 材や各種林産物資源の供給の場」でもあります。苦し 出現する樹祇の多様性,それらが長い年月をかけて培 い林業経営状況の中で,本村ではいち早く国廊補助事 ⑳一林業技術No.7412003.12 N 二 P 不伐の森 、q・夕 盛岡 一 川内駅 国道1 国 道106号〆’ 篁 薬師塗麦王萎館 薬師塗 宮古 N ①〃糸が 《 遠野↓, 陸中川井駅 一 . 〃 -国道340号 業を導入し,林業の構造改善に取り組んできました。 現代の住宅産業にマッチした建築資材の開発や伝統の 漆工芸技術,また,大面積に存在するカラマツ人工林 と天然生広葉樹類の混交複層林の育成技術などのモデ ル的展示を進めています。 基本計画 1.本館の配置と分館群のネッ│、ワーク 「木の博物館」の主役は,基本柵想に記したように, r樹木」やその集団である「森」そのものですから,施 設はあくまでそれらを補助するものと位置づけており ます。ただ,実際には博物館を運営するうえで,全体 ▲図①川井村(岩手県)木の博物館全体案内図 ①1号館:不伐の森(兜明神岳周辺のカンパ類等の落 葉広葉樹林およびカラマツ人工林) ②2号館:育林の森(黒沢中流域,カラマツ・カンパ 類混交林の間伐試験地と見本林) ③3号館:水源の森(黒沢上流域,落葉広葉樹林の施 業処理別の森林水文試験地) ④4号館:オオシラビソの森(青松葉山頂周辺の北上 山地北限のオオシラビソ自生地) ⑤5号館:高山の森(早池II1爺山山頂付近北側斜面のハ イマツ群落) ⑥6号館:古代の森(早池峰山アイオン沢のアカエゾ マツ南限自生地) の指揮系統および情報網の中核となる「本館」は必要 となるので,役場庁舎に隣接する既設の「北上山地民 ⑦7号館:景勝の森(閉伊川上流渓岸のアカマツ・落 俗資料館」に併置する方向で計画i:1'です。 広域な地に分館群が散在しているので,利用者の立 ⑧8号館:治山の森(害臘森風食荒廃地の復旧緑化施 場からは道路網の整備が望まれますが,幹線となる国 ⑨9号館:大樹の森(薬師川上流の切り残されたブ 道106号線の高規格化をはじめ幹線となる大規模林道, 幹線を結ぶ一般林道,作業道,遊歩道等の整備を目指 し現在進められています。それと本館と分館,村内外 の学校・図書館・博物館・一般の方々をつなぐインタ ーネット網の整備も計画中です。 2.分館群(サテライト)の設置 分館はそれぞれの目的に沿って,図①に示す15箇所 に配慨し,必要に応じ適宜加除することにしておりま す 。 葉広葉樹混交林) 工地) ナ・ミズナラ・シナノキなどの老齢天然林) ⑩10号館:河岸の森(閉伊川下流の自生ヤナギ類自然 群落) ⑪11号館:蜜源の森(蜜源樹i、チ,カエデ類の天然林 とトチの人工植栽地) ⑫12号館:キノコの森(鬼米内村有林のナラ類の天然 林 ) ⑬13号館:イチイの森(早池ll隊山剣が峰コース沿いの イチイの自生地) 林業技術No.7412003.12-⑳ ▼表①「育林の森」鯛査区 カラマツ壮齢単層称 (第2試験地) カラマツ幼齢十広葉樹 混交林(第1試験地) 4区 断面積33mz(広葉樹1mz) 密度管理5帥本→350本 間伐尺度0.83 5区 断面積37m2(広葉樹5m2) 対照区無間伐 614本→614本 断面積24m2(広葉樹15m2) 1区 露度管理380本→250本 間伐尺度0.84 断面積23m"(広葉樹11mz) 2区 密度管理470本-'310本 間伐尺度0.70 断面積28m2(広葉樹10m2) 3区 密度管理750本→400本 6区 間伐尺度081 7区 断面積37m2(広葉樹8m2) 密度管理500本→200本 間伐尺度0.87 断面積24m2(広葉樹12m2)列状間伐密度管理480本→310本 間伐尺度0.96 ⑭14号館:ヒバの森(薬師川上流江繋地区のヒバ天然 ▲「育林の森」 照区の5区以外は単木および列状方式により,すでに 平成14年度に調査・間伐されました。 林 ) ⑮15号館:林間ワサビの森(新田村有林のカラマツ林 下のワサビ栽培地) 3.施設の整備と活用 展示内容の貴重さを理解していただき,自然や環境 2.分館3号「水源の森」 森と水関係についての調査研究は,わが国において 百年以上の歴史があります。しかし,洪水調節,渇水 緩和への森の影響,特に取り扱いや樹種の差などに関 教育にも役立たせるために,展示施設,調査研究,研 しては,立地条件の違いによって差異が見られ明確で 修施設の整備を進め,しかも,だれでも調査ができ, 資料を閲覧可能なようにすることに配慮しております。 はありません。流鐘への影響のほかに水質・水温への 影響も含め,実際に現地で観察・測定し確かめること 分館活動と若干離れますが,村内にある巨木,名木, 希少樹木の保存にも努めております。これらの樹木か がここでの目的となります。 ら,現代の私たちの知らない歴史をかいま見ることが 林の3小流域を設定し,基準流域法によって量水観測 できます。このための調査や遺伝子等の種の保存,そ の樹木自体の保存を考え,所有者の理解を深めるよう を平成15年腱から開始しています。比較期間が過ぎた に配慮しております。 整備済み分館.施設などの紹介 1.分館2号r育林の森」 北上山地には,昭和30年代以降に樹種更改により植 詳しくは図②に示すように,20ha余の落葉広葉樹 後は,二つの流域で皆伐と択伐を行い,前者にはカラ マツ林を植栽で仕立てることにしています。堰による 流鐙測定のほかに,雨量,蒸発量,林内雨量,樹幹流 下量などをそれぞれの水質も含め測定しております。 3間伐材を活用した地下ダム(貯水層) カラマツ間伐材は需要が少なく,大量に生産される 栽されたカラマツの大面穂人工林が多く存在します。 北上山地では,その用途に苦労しております。山火事 このかなりの部分は,手入れ不足のために成績不良で, の多発する当地方では,消火用の水対策は重要です。 自然侵入したカンパ類などの広葉樹との混交林が見ら 2号館の入口付近に,この二つの問題解決のために, れます。また,成織良好地であっても,間伐の遅れた 図③に示すような簡易地下ダムを考案し施工しました。 カラマツ過密林が少なくありません。資源循環林とし このダムは地下埋設タイプで,施工後は再び平たん化 てこのような林をいかに取り扱うか,当面の課題とな しますし,用水は天水の浸透のほか渓流から供給され っております。 「育林の森」は,まさしくこの課題に取り組むための ますが,余剰分は渓流へ放流されます。ここでの規模 は10m四方,深さ約3m,貯水効率は約80%,耐久 モデル試験地です。詳しくは表①に示すとおりで,7 性は比較的高く地漣や地下変動にも耐えられます。こ 区の固定調査区が設けられております。林分構成はカ の種の地下貯水相は,類例少なく各方面から注目され ラマツ幼齢十広葉樹の混交林(29年生)とカラマツ壮 ております。 齢単層林(42年生)の二つのグループに分けられ,対 ⑳−林業技術No.7412003.12 (側面図) 1m、,髄004R逗巳1T ID和B ー 3160 31酌 縄一 鼎釦 毎 J 璽土睡 画 陣塒 扮妾 巽士*1用) 】 国出し跡士材(ヤ玉ヅI 吸出し醜士付(ヤ調シI ffllTl ヤvヤV‐せ又wwnb u 一 − 1 (完成図) ▲図③カラマツ間伐材を活用した簡易地下ダム おわりに 木と住民生活や文化とのかか わりをテーマに,「森の生態や資 源活用,自然保護の重要性など を広く啓発し,科学研究,学習, 地域振興や憩いの場を目指す木 の博物館」は,平成13年度から 5年間で約1億5千万円をかけ る計画で,いま整備途上にあり ます。私はスタッフとともに, この企画の立案当初から,いま 継続中の各分館の設定調査に至 るまで,担当組織である川井村 r木の博物館推進室」に協力して まいりました。岩手の山村の生 き残りをかけた活動は素晴らし いし,今後とも全力で支援して いきたいと考えております。ど うぞ一度「木の博物館」へお出 かけください。 試験流域の施業内容と年次計画 ABC 流域名施業内容 年次計画 皆伐樹種更改 2003年(無処理) 同卜 択伐複層林造成 2004年(処理) 2005年∼(比較) 同上 同上 無処理(基準) *A流域の皆伐跡地には針葉樹類を,B流域の択伐跡地には有用広葉樹類を植栽 ▲図②分館3号「水源の森」 〈参考資料》 (1)川井村:「仮称」木の博物館構 想推進計画(案)平成13年1 月(2001) (a川井村:木の博物館構想推進 計画(2002) (副川井村・森と緑の研究所:木 の博物館調査業務委託報告書, 平成14年2月(2002) (4)川井村・森と緑の研究所:木 の博物館調査業務委託報告書, 平成15年2月(2003) 林業技術No.7412003.12-⑳ リレー |ノレー リレー連載レツドリストの生き物たち 12老巨人たちの行く末一山中湖村の八リモミ純林 いでゆうじ 井出雄二 東京大学大学院農学生命科学研究科教授E-mail;[email protected] 〒113-8657東京都文京区弥生1-1-1a03-5841-5490,FaxO3-5841-8259 ハリモミ(Hb"〃》嘘720(Sieb.exK.Koch) Koehne,P""po""(Sieb.etZucc.)Carriere) ということなのでしょうか。 幸い,今回紹介するハリモミには絶滅の可能性 は,マツ科トウヒ属の樹木で,日本産の同属樹木 は指摘されていませんが,分布地域別には茨城, の中では最も南まで分布を広げ,四国,九州にも 愛知,徳島,福岡などで絶滅が心配されています 分布します(倉田,濱谷,1971)。北限は福島県の 医王山(矢頭,1964),現在確認されている南限は し,福島,東京,三重などでもその希少性が指摘 されています。一般にトウヒ属樹木は長命である 鹿児島県霧島山(初島,1986)です。 ため,仮に更新が十分行われていなくとも見かけ トウヒ属の樹木は北半球の寒帯や温帯地方の山 上は立派な林が存続し続けるので,なかなか絶滅 岳に分布しており,ファルジョン(Farjon,2002) の危機が忍び寄っていることに気づきにくいのか は,世界には34種と雑種3,亜種3,変種15を もしれません。 認めています。しかし,同時に彼は,その1/3に ハリモミはエゾマツやトウヒなどと異なり純林 相当する10種1亜種7変種が,程度の差こそあれ を形成せず,ウラジロモミやブナ,ミズナラなど 絶滅の恐れがあることを指摘しています。 と混生することが普通です。東京大学秩父演習林 日本産のものとしては,イラモミ(且〃ん0‐ では,ブナやミズナラの優占する林に数本の大木 qz"""PL6"んγ),ヒメマツハダ(Ra"0‐ がまとまって生育しているのをしばしば見かけま “"α"αVar."""7,iS),シラネマツハダ(R す。また,小さな崩壊が起こった後などに稚樹が a伽qz"""var.7'eire"),アカエゾマツ(P. 多数更新しているのが観察できます。トウヒ属樹 g彪廊""),エゾマツ(P.jezOe"siS),トウヒ(R jezoc72siSsubsp."072"e"siS),ヤツガタケトウ上 木の多くは,比較的開けたかく乱跡地に侵入する 先駆性の高い樹種と考えられます。しかし,耐陰 (且左03'""z"),ヒメバラモミ(R"z""720z""- 性が高いことから,同時に生えた広葉樹が急速に z"),アズサバラモミ(P.7"""20"cz"var. 成長する中でゆっくり成長し続け,数百年を経て Se│"α"e"siS),ハリモミおよびアカエゾマツとエ 大木に成長するのです。 ゾマツの雑種(R"zot"")の11分類群が挙げら 富士山の周辺はハリモミが比較的多く生育する れています。そのうちヤツガタケトウ上とヒメバ 地域です。青木が原やスバルラインの上り口のア ラモミがそれぞれ絶滅危倶II類,絶滅危倶IB類 カマツ林内などに点々と見られます。なかでも, として,レッドリスl、(環境庁,2000)に掲載さ 天然記念物に指定されている山中湖村沖新畑のハ れています。ファルジョンはさらに,ヒメマツハ リモミ純林は,富士山の溶岩流上に成立しており, ダ,シラネマツハダ,アズサバラモミに絶滅の恐 かつてはたいそう立派な林であったようです。 れを指摘しています。 著名なプラントハンターであるウィルソン もともと寒冷な気候に適応した樹木のグループ (1876-1930)は,1914年から15年にかけて日本各 であって,頑張って分布を拡大したものの環境の 地を巡り,帰国後,日本の針葉樹についての解説, 変化に対応しきれず絶滅の道をたどるものが多い 「TheConifersandTaxadsofJapan」(Wilson, ⑫一林業技術No.7412003.12 ゴリー … 生 ら 』 L4 I1'"'"Im W声、 f 〃 〃 ▲写真①枯れ残ったハリモミの老木(03.11.1) 写真②アカマツ林内に生育するハリモミ(03.11.1)し 1916)を著しました。その中で,「この山中湖の平 これまでハリモミ純林の主役であった300年程度 坦な湖畔に生育するハリモミの純林は,日本で見 たこの種の中でユニークかつ最も興味深いもので の古い個体が枯死してゆく一方,更新場所を得た 若い個体が新たな林を作り出そうとしている過程 あり,日本の他のどんなトウヒ属樹木もこれほど にあると見ることができます。 の規模で純林を作っているのを見たことがない」 どのような生物でも,個体が生きているという と記しています。また,「その大きさは樹高20∼26 こととその種力轆全に存在していることとは別問 nl7周囲2.3∼3mもある」とも記しています。 題です。健全な繁殖によって世代交代を繰り返す しかし,茨城(1999)のまとめによれば,約111ha ことが生物として存在し続けるための唯一の道な の保謹区域に生育するハリモミの大木は,1946年 のです。かつての素晴らしい姿は失われてしまい に5,351本を数えたのに対して1996年には ましたが,この100haほどのハリモミの林は,そ 2,018本に減少し,著しく衰退しています。林 うしたことの重要性を私たちに教えてくれる場所 (1960)の『日本産針葉樹の分類と分布』の口絵に としてとても意味のある林であると思います。 は,まだ生育がそれほど衰えていない時代の立派 * * * なハリモミ林の写真が掲載されています力39現在 この文章を書くにあたって,森林総合研究所多摩森 林科学園の勝木俊雄氏に多くのご助言をいただきま した,厚くお礼申し上げます。 (写真①)とはまったく榊;目が異なります。 私は,1992年にこの林の様子を調べたことがあ ります(井出,1995)。枯損したハリモミの伐根の 年輪を数えたところ大径木では約300年を数える ことができました。ここでも一般のトウヒ属の林 と│司様に,大木が集中しているような場所では, 林床に稚樹は見られません。一方,この保護林の 北側は明治時代(およそ100年前)に山火事によ って焼けたとされ,そこにはアカマツの一斉林が 出来上がっています。そのアカマツ林の林床には ハリモミの稚樹がかなりの数見られます(写真 ②)。さらに,樹高10m程度の個体もかなり認め られることから,ハリモミがアカマツ林の中で時 間をかけて徐々に育っていることがわかります。 これらの個体は親世代の遺伝的多様性を十分に継 承し,遺伝的にも健全であることがアイソザイム 分析の結果からわかっています。この様子から, 引用文献 Farion,A.2001WorldCheckUstandBibliographyof Conifers,2ndedition,TheRoyalBotanicalGardens, Kew 初島住彦1986鹿児島県植物目録,290pp,鹿児島植 物同好会,鹿児島 林弥栄1960日本産針葉樹の分類と分布,202pp," 林出版,東京 茨木親義1999天然記念物「山中の八リモミ純林」の 増殖・復元を目指して−沖新畑植物群落保護林維持回復(八 リモミ接ぎ木増殖)事業−,林木の育種,190;27−38 井出雄二1995アカマツ林内に生育する八リモミ個体 群の遺伝的構造,東大演報,94;17-28 環境庁2000改訂・日本の絶滅の恐れのある野生生 物一レッドデータブツクー8植物I維管束植物,660 pp,自然環境研究センター,東京 倉田悟,濱谷稔夫1971日本林業樹木図鑑第1巻(第2 版),221,地球社 Wilson,E、H.1916TheConifel・sandTaxadsof Japan,PublicationoftheArnoldArboretumNo.8, 35-37 矢頭献−1964図説樹木学一針葉樹編1189pp,朝倉 書店,東京 林業技術No.7412003.12-③ ●コラム● ム l[5時からセミナー:最終回] 八木久義の 5時からセミナー⑨ 《最終回》 転ばぬ先の杖 アフリカで,FAO関係の研究者 の案内で,車2台に分乗して首都 から700kmほど離れた田舎へ調 査に行った時のことである。 午前8時出発の予定が諸々の雑 用のため遅れに遅れたため,速度 の遅いほうの車が先に出発し,も う|台の高速車は午後に出発した。 後発の車が全行程のI/3ほど走っ たところで,ハンドルを握ってい たかの研究者の一人が,突然,こ の先のザンベジ川の支流には橋が なく,フェリーで渡る所があるが フェリーは午後6時に終わるので 橋が架かっている上流の道へ迂回 しようと言い出した。 本の紹介 BOO陥 ’ ■ を尋ねると,このように交通が不 便で通信手段の発達していない所 では自分の身は自分で守るしかな いのだから,フェリーに間に合う と思えば直進しているし,駄目だ と思えば迂回しているだろうから 心配ないと,平然としていた。 橋のある上流の道までの間,道 は大変な悪路で,速度は上がらず たちまち日没を迎えた。 アフリカの遡鄙な地方の夜の森 林地帯は闇の世界で,前後に車が 全く見えないどころか,すれ違う 車もほとんどなく,時折見える原 住民の家のわずかな灯やキラリと −「地球益」をめざして− 発行所:日本林業調査会 〒162-0845東京都新宿区市谷本村町3−26 "03(3269)3911FAXO3(3268)5261 2003年9月発行A5変型判,216頁 定価2,000円(税込み)ISBN4-88965-143-8 的にそれが数値的にどのくらいの 効果があるのか,横文字の意味は 何かというと,正直言って詰まる ことが多いのではなかろうか。 この本の良い点は,そのことに 関し,基礎編活用編,事例編に 分けてデータ的にも活用できるよ うに極めて明快に解説されている ことである。また,Q&A式になっ ているため,少々難しい理屈もな かった。連絡手段が全くない状態 ではなすすべもなく,行方の知れ ない仲間の安否を案じつつ粗末な ベッドにもぐり込んだ。 翌朝元気に到着した先行組の話 によると,フェリーが終了する午 後6時を目指して急ぎに急いだが, 悪路に阻まれわずかな差で渡し場 の人たちが帰ってしまい,近辺に は宿屋どころか民家もなかったた め,渡し場の小屋にもぐり込み, 夕食代わりのビールで空腹を満た して寝たのだそうであった。 出発前の荷物積み込みの際,そ のような不測の事態など予想だに いに大きな字で描かれてあり,座 右のデータベースとしてもお勧め 地球温暖化と森林ビジネス 最近では,森林の果たす役割と もなく,午前2時過ぎに無事目的 地に到着したが,先行組の姿はな データがわかりやすく見事な〈・ら 小林紀之著 いうと真っ先に地球温暖化防止, CO2吸収機能を挙げることが多く なっている。しかしながら,具体 。 びっくりして先行した車のこと 光る野生動物の目以外光るものは 何もなく,本当に不気味なドライ ブであった。その代わり,小休止 の時に車から降りて見上げた夜空 は満天の星で,思わず息をのむほ ど素晴らしいものであった。 幸い途中で山賊に襲われること んとなくわかったような気にさせ てくれる。 環境税は導入されるのか? したい。 本書のタイトルr地球温暖化と 森林ビジネス』を見て,その「ビ ジネス」という文字に拒否反応を 示される読者がいるかもしれない。 著者は,京都議定書の目的が市場 メカニズムを通じて温暖化防止を 図ろうとするものであり,新たな 世界規模のビジネスチャンスが生 じていること,とりわけ,森林の 炭素吸収量を温室効果ガス削減目 標に繰り入れることを認められた ことが森林の新たな価値を生み, CDM植林の課題は?CDM植林 に対する途上国の反応は?森林 の二酸化炭素吸収量を算定するに は?日本国内の排出量取引の可 能性は?など知りたい情報をわ かりやすく解説してくれている。 そして何よりも良いのは字が大き いことである。難しい本は字が大 きいに限ると常々思っていたが, ありがたいことである。特にデー ビジネスチャンスが生まれる可能 性があることを踏まえて,このタ タは,基本データも含めて最新の Lne軽』老幼ざ唾ヲ| イトルとしたとしている。 │驚騨鶏 糊0鮎全 一 社 一 一 1 ”1《 ⑭一林業技術No.7412003.12 冒 至 一 ●コラ フ ム● = 三 毒譽 可 せず,先行した車に缶ビール7ケ ース(都会を離れると全く入手で きないので)を,迂回したほうの 車に1週間分の食料を積んでしま ったのであった。そのため,迂回 組は食料には困らなかったが,’3 時間余にも及ぶロングドライブに より乾いた喉を潤すこともできず, また,渡し場で立ち往生した先行 組は,食べる物が全くないため, しかたなく満載してあったビール を自棄飲みして寝たのであった。 転ばぬ先の杖とはよく言ったもの である。 ところで,誠に残念ではござい ますが,この『5時からセミナー』 は今回が最終回のやむなきに至り やIナ・ ました。まだいろいろとお話は尽 きないのですが,取りあえずここ でl..5時ゼミ』最終ランナーとし てゴールいたします。拙文にお付 き合いいただきましてありがとう ございました。(完) 八木久義(やぎひさよし)/ 三重大学生物資源学部教授 *ご愛統ありがとうございました。 ロ ー ー ー ー ロ ー マ 一 一 … ユ ー ー ー ー しかし,これらの新たな森林ビ ジネスを,単なる利益追求の手段 としてはならない,いわば「地球 益」の実現に向けて環境と経済の 両立を追及すべきであると述べて いるように,著者はしっかりとか んぬきをかけていることでもおわ かりのように,著者の目はあくま で澄みきっており,地球のあるべ き将来を見据えている。 著者は,住友林業㈱勤務や経団 連を通じて地球温暖化問題にかか わりを持つようになり,林野庁や 環境省の温暖化問題に関するブレ ーンとして,また,東京農工大学 等の講師として,日本林業技術協 会の主任研究員として等々,地球 温暖化問題に関し,いまや八面六 臂の活躍であるが,その経験知識 からほとばしり出た本書は,地球 温暖化問題に関心のある者の必読 の書といえよう。 最近よく耳にする言葉『ユビキタス」。なんとなく 知っている,という人が多いのではないでしょうか。 そもそも『ユビキタス』(Ubiquitous)とは,ラテン語 で,「至る所にある,遍在する」という意味です。「ユ ビキタス・コンピューティング」とか「ユビキタス ! 社会」というふうに,主にネットワーク用語として 使われています。つまり「コンピュータあるいはコ ンピュータ内蔵の情報機器がどこでも至る所にあっ て,それらがネットワークにつながっていて,いつ でも好きなときに情報を得たり発信したりできる状 態」を言います。この概念は,今から’0年以上も 前,1980年代後半に米ゼロックス社のマーク.ワイ ザー氏によって提唱されたといわれています(この ことに反論する人もいますが)。 現在日本では,インターネットの普及率が50% を,携帯電話に至っては60%を超えており,街角に はホットスポットサービスを提供する店が増えるな ど,モバイル・コンピューティングが現実化してい る中で,家電や自動車,日用品のあらゆるものがネ ットワークにつながり,コンピュータの存在を意識 することなく,いつでも,どこでもネットワークに 接続し,情報を利用できる『ユビキタス社会』は, 夢物語ではなく,今にも現実のものとなりそうな勢 いです。 ユビキタス社会が現実となると,例えば電灯のオ ン・オフからエアコンの温度調節,給湯,施錠まで, ありとあらゆることを人間に代わってコンピュータ が行ってくれることになり,日々の暮らしが大きく 変わることになるでしょう。もしかしたら,集成材 や合板などの木材製品にもマイクロチッブが埋め込 まれ,住宅の部材として使用されている状態から, 樹種や強度,含水率,製造者,劣化度などの情報を 発信することになるかもしれません。 このように機械にすべて管理されるようになり, ある意味「人間と機械との共生社会」の構築です。 便利になることは良いことですが,その反面,人間 は何も考えなくなってしまい,退化してしまうかも しれません。さらに,映画rマトリックス』に見ら れるように,人間が機械に支配されてしまう世界が やってくるかも。ちょっと怖い気がします。 (Mr.CB) (日本林業技術協会専務理事/ 根橋達三) (この欄は編集委員が担当しています) h■=唖 林業技術No.7412003.12-⑲ ●コラム● 木材を活用した学校施設に関する 講習会が開催 (上田市会場:平成15年10月21∼22日) |すでに4回目を迎える文部科学 省主催,林野庁後援のこの講習会 は,今秋,山形,長野,愛媛の3 会場で開催されている。講習内容 は,「学校施設への木材使用に関す る施策」「木材を活用した校舎が教 育に与える影響」「設計者等による 詳細な事例紹介」と「現地視察」 からなり,都道府県・市町村の教 育委員会・先生方,また林務・木 材業の関係者,建築・設計・施工 等の関係者も大きな関心を持って 参加している。 * * * 長野・上田市会場では,約200人 の参加者があった。1日目,文部 科学省初等中等教育局施設助成課 から,木材利用推進への諸施策(補 I ’ ■ ④山村留学など地域外の児童生徒 が利用できる木造研修施設)につ いて,もっと活用してほしいとの ッドデッキなど外構施設の整備 等の話とともに地元カラマツ材を 話があった。 鹿児島大学助教授・服部芳明氏 の講演では,木造校舎,RC校舎で の教師・子どもたちの学校生活を 調査した例では,精神的側面・肉 体的側面・職場環境のいずれでも, 木造校舎のほうが負荷が小さいと の結果が報告された。続いて,翌 日視察する旧中山道山間にある和 田村立和田小学校(児童数109人, 2カ年をかけて平成14年3月に 2階建ての木造一部鉄骨校舎が完 成,総工費'5億円)の設計者であ る近藤富美男氏から,設計・施工 写 羅匪壺彙 芭砿 霊髭 助単価の引き上げ,国庫補助基準 面積の改定,工事期間の確保,林野 庁との連携事業など)により,ここ 近年木造施設の整備(新築・増築・ 改築・内外装)を行う学校が増えて きていることの報告があった。ま た,林野庁からは,小林重善課長補 佐(木材課)が,木材は学校施設に ふさわしい材料であり,木材の利 用推進は温暖化対策にも貢献して いること,文部科学省と連携のモ デル事業(地域材利用による内装 整備)や林野庁が進めている補助 事業(①地域材利用による余裕教 室の転用における木質内装の整備 ②地域住民も利用できる学校内の 公共施設の整備,③クラブ部室・ウ 家 減 続 大 林業所得の減少が続く大規模林 ▼表・木材販売粗収益の変化 ▼図・保有面積規模別林家の林業所得の推移 (単位:千円) 7654321 規漠0-1劃 (千円) 7 000 20∼50 H11年度 H12年度 9. 580 464 50∼100 1.355 1.298 100∼500 4.728 4‘092 H13年度 447 2 1 8 1 1 、 7 2 3 1 規摸(ha) 増 減 ( H 1 1 H 1 2 ) 増減(H12-HI3) GJ P、∼50 。● 50∼100 100∼500 −1旧 -17 −57 -80 -636 -369 注:「立木販売粗収益」「素材生産粗収益」を 合わせてr木材販売粗収益」とした。 51黄料:農林水産省「林家経済調迩」(各年度版) 61 │ … 紬 " 繍 蒙 職 … 」 ⑳−林業技術No.7412003.12 11 榊雲 一一 一一 』 政 拾 遺 抄>23年間にわたる 豊読あり力'《とうございました。 可 ■ 二 一 一 コ 『『 ー ー ●コラ ム ● 林政拾遺抄 胃 <最終回〉 ■−‐ニーニー Oしげ’11JⅢ川判J I # iMご■涙〆 森林文化学 照 都会でももっと木の学校の普及が 望まれる(写真は視察の和田小学校) 主体とした校舎建築にまつわる地 元の熱意,カラマツ無垢柱は長野 県林業総合センターの高温セット 法(高温低湿処理)で得られたこ と,などの話があった。 翌日,和田小学校視察では,中村 瑞穂校長らからカラマツ材特有の 赤みの色合いを持つ校内を案内し てもらった。多人数の視察でもほ こりが舞うこともなく,落ち着いた 雰囲気の中,木の安らぎ・温もり が直に伝わってきて,子どもたちも 学校生活を満喫していることが感 じられた。(取材:編集室/福井) 保有山林面積20∼500haの林 家を対象とした林家経済調査によ ると,平成’3年度の林家1戸当た りの林業所得は12年度に比べ18 %(4万7千円)減少し,21万3 千円となった。 保有面積規模別の林業所得の推 移をみると,20∼50ha層,50∼100 ha層では,平成9年度は前年度に 比べ半減し,その後は横ばいで推 移している。 一方,100∼500ha層は平成9年 度以降,毎年2,3割という急激 な所得の低下が続いている。林業 所得の変動は,林業経営費の変動 が比較的小さいことから林業粗収 益に左右される。林業粗収益のお おむね8割を占める木材販売粗収 益(立木販売粗収益十素材生産粗 収益)の減少は引き続いており, 平成’3年度は前年に比べ,約40 万円減少した(表)こと等から, '00∼500ha層の林業所得は 50∼IOOha層を下回った(図)。 来年|月から『林業技術』誌の その後,私はそ森林文化の細(略図) 体裁が新しくなるとのことで,昭 れを例証する事例 和56年4月から連載してきた「林 を各地の森林の現 政拾遺抄」も今回が最終回となる。 場に求めた。「森林 連載を始めたころは,まだ東京大 文化学」を実証す 学教授で,週一回の林政学の講義 る資料を求めた全 を担任していた。講義では,「林政 国行脚は,都道府 巨利→/虻‐アイーナbナー系 学は森林文化学である」という私 県すべてにわたる。 の林政観を事例を挙げながら説い の林政観を事例を挙げながら説い題材も,造林,治山治水,林道, た。しかし週一回の時間数では,木材流通,教育,福祉等々の広い た。しかし週一回の時間数では, とても考えていることを言い尽く とても考えていることを言い尽〈領域にまたがり,地域も奥山,里 せず,不満が残った。悩んだ末, せず,不満が残った。悩んだ末,山,都市,海岸と広範囲に及ん 講義の補充の意味で,「林政拾遺 講義の補充の意味で,「林政拾遺だ')‘,現場で得られた各種の生(な 抄」の欄を設けていただくことを 抄」の欄を設けていただくことをま)の事象を検討し,その結果を 『林業技術』誌編集部にお願いし, 『林業技術』誌編集部にお願いし,この欄の中で取り上げたほか, 快諾していただいた。初めは現役 快諾していただいた。初めは現役折々の拙著の中でも実例として紹 中の数年間だけのつもりであった 中の数年間だけのつもりであった介した。別に2》に示した森林文化 が,東大を退官した後も継続し, が,東大を退官した後も継続し,の構図の「心」と「知」は,まさ 正眼短期大学,多摩美術大学時代 正眼短期大学,多摩美術大学時代にその行脚の中で実感し,確認し を経て現在まで続く23年間,273 を経て現在まで続く23年間,273得たことだった。森を畏敬し,親 回に及ぶ長期連載となった(469∼ 回に及ぶ長期連載となった(469∼愛し,人の命を慈しむ。そしてそ 741 号)。 7 4 1号)。の心を生かす技術を考え,政策に 林政学は森林文化学の体系を持生かす。前回取り上げたドリュオ 林政学は森林文化学の体系を持 つ,と結諭し始めたのは昭和40年 つ,と結諭し始めたのは昭和40年ンの「みどりのゆび」は,森林を 代の終わりごろで,秩序無き森林 代の終わりごろで,秩序無き森林敬愛する心と,その心を生かす知 開発のために森林の荒廃が著しく 開発のために森林の荒廃が著し〈恵が形成した森林文化の化身だと 進み,環境問題が大きくなり始め 進み,環境問題が大きくなり始めも考えている。その化身を具体化 たころであった。当時の林政学の たころであった。当時の林政学のし実現する学問が森林文化学(林 理論は,ドイツから継受した土地純 理論は,ドイツから継受した土地純政学)なのである。 収益 説 (B o do en r ei n e rt r ag s t he o rg ie ) 益 説 ( B d e n r e i n e r t r a s theorie)終わりにあたり,林学の分野で と法正林理念(Normalwald)を柱と と法正林理念(Normalwald)を柱とは,これまで例を見ない長期にわ する’9世紀型の林政学体系で,環 する’9世紀型の林政学体系で,環たる連載を続けさせていただいた 境問題に取り組む懐の深さに欠け 境問題に取り組む懐の深さに欠け『林業技術』誌,および各地の森林 ていた。当時はいわゆる「大学紛 ていた。当時はいわゆる「大学紛で親切なご案内とご教示をいただ 争」の真っただ中で,既成の林政 争」の真っただ中で,既成の林政いた膨大な数の方々,そしてご愛 学の,学問としての閉塞感をいや 学の,学問としての閉塞感をいや読賜った多くの読者の皆様に厚< というほどなめさせられた。この というほどなめさせられた。このお礼申し上げる。また,古くから 閉塞状態を破る理論として,森林 閉塞状態を破る理論として,森林「林政」という森林文化を創り上げ 文化学体系を仮説として提唱した 文化学体系を仮説として提唱したた多くの先人に敬意と感謝をささ のである。 の で あ る 。 げ る 。 < 完 > (筒井廸夫) 注I)筒井廸夫著『森林文化社会の創造一明治林政への訣別-(福本事務 所,2003年)』の末尾に掲げた「文献一覧」を参照。 注2)森林文化の櫛図についての詳細な説明は,上注の拙著を参照。 林業技術No.7412003.12-⑳ I − | 厳万雲一賃 12月 行 事 名 区分 一 一 = = 一 秋田 一 一 | 催良国産材製材品展示会 (国有林材製材品PRフェ 主:催団俸〆会場/行事内容等 期間 1211 全国木材協同組合(東京都千代田区永田町2−4−3永田町ビル6階窓 03-3580-3215)/協同組合秋田北木材センター(秋旧県大館巾川!」字上野 101-1)/国有林材の優良な製材品の販路拡大および協同組合の共同覗業 12.池』 特定非営利活励法人シックハウスを考える会(大阪府四条畷市田原台4 ア) の拡充を図る。 大阪 シックハウスシンポジウム ill大阪Ⅲ 愛知 第31回愛知県緑化樹木共 進会 12.15∼19 -6-2a0743-79-9103)/グランキューブ大阪(大阪国際会識場:大 阪市北区中之脇5−3−51)/一殻消費者,建築業界関係者,建材生産・流 通関係者,自治体行政関係者,医療関係者を対象として,各界専門家によ る韮調縦淡・パネルディスカッションを通じてシックハウスについての議 論を深める。 愛知県(名古屋市中区三の丸3-1-2a052-961-2111内線3769)/愛 知県植木センター(稲沢市堀之内町花ノ木129)/愛知県内の緑化樹木生 産将から出品された緑化樹木を審査し,表彰する。 〔「林業関係行事一覧」は,本号で終ります。新年号からは,イベン トをはじめ各種の情報を伝えるコラム〈ミニ掲示板〉(仮称)となっ て新たに登場します。(編集室)〕 ’ ー ■ ー . … . − − − − ■ <日本林業技士会第23回通常総会が盛大に開催〉 記念講演「緑の循環認証会議 (SGEC)」に大きな関心/ ●日本林業技士会第23回通常総会が,11月21B,東京四谷のプラ ザエフ(主婦会館)で開催され,全国の代表会員50名ほかが出席し て盛大に開催されました。来賓には石原葵・林野庁長官も出席, 祝辞挨拶では,今後,林業技士制度の現状にとどまることなくいっ そうのレベルアップを期待したいとの言葉がありました。 ●鈴木郁雄会長の挨拶,また事務局の事業報告では,15年度に「森 林総合監理」と「林産」の2部門が誕生し,従来の森林評価,森林 土木,林業機械,林業経営,森林環境部門と合わせて7部門となっ たこと,これまで技士登録者は,9000名に近づき,技士会加入者は 2430名と順調にきていること,制度資格者の活用認知を国有林に続 き民有林でもなおいっそう働きかけていくこと,会員の海外協力へ の派遣(内モンゴル,中国河北省など5件,10名派遣)や技士会セ ミナーの開催(群馬・高知で開催)を実施していること,などの報 告がありました。議案審議では,会計年度を,これまでの9月1日 からであったものを,4月1日からとなることが承認されました。 ●記念講演では,本年スタートした「緑の循環認証会議(SGEC)」 について,全国林業改良普及協会専務理事・真柴孝司氏(わが国に ふさわしい森林認証制度一一当制度の誕生の経緯・仕組み等),と日 林協専務理事・根橋達三氏(森林認証制度と林業技士の役割一当 認証制度における日林協システムでは林業技士資格者も審査員とし て活躍できる等)などの話しがあり,会場からも当認証制度につい て活発な質疑が行われました。 ⑯一林業技術No.7412003.12 日本林業技士会第三S回遷 r - - 総会の挨拶を述 べる鈴木会長 (上)と祝辞を述 べる石原林野庁 長官(右) 暦 − F L ー 記念講演の真柴全林協専務理事(左)と根 橋日林協専務理事(右) 林業技術平成15年-2003年(730∼741号) 総 目 次 = 同冊 嬉 苦労した国産材,しかし再度の挑戦へ −国産材と外材を時代の流れに合わせ90年 樹木を知る愉しみ −日々の関心から広がる樹木世界 保続性と持続性を考える 日本版森林認証制度は国内林業に益をもたらすか? 水と森林一第3回世界水フォーラムに臨んで ゲノム情報が森林および林業にもたらすもの 「森林」をめぐる都市と農山村の変化をどう読むか −群馬県上野村の例をとおして 山に向かう市民たち −自然観察登山を事例にして 都市住民と森林・林業 一木材需要拡大への課題 子どもたちに山の素晴らしさ.尊さを 中川勝弘731 利光則猛義 岡輪石田村 有箕白太津 73 83 9 3 7 77 節一吾 樹精 山藤口 内工坂 吉桜 −木原財団の軌跡 新しくなった森林総合研究所一研究の進め方 幸732 博733 彦734 彦735 彦736 田雅文 井尚武 740 741 今月のテーマ・解説・報告等 今月のテーマ/国有林から(保護林を中心に) 国有林の保誰林について一保謹林制度の歴史と概要 礼文島西海岸植物群落保護林 シマフクロウ特定動物生息地保護林 天然秋田杉保誰林の過去・現在・未来一仁鮒水沢スギ植物群落保護林 八幡平植物群落保護林 貢 茂己 730 竹倉 山一ド 昌直 730 憲明 730 野口 生雄 智幸 神出 730 730 730 730 730 730 730 730 730 730 730 1 13 113 1 3 73 7 73 77 健 伸 子文巌一彦 品良 穴崎原田中 森林と美学 森林の快適性増進効果 森林療法一森林利用の福祉・健康増進の提言 文化財の保存と建築・森の文化一ふるさと文化財の森椛想事業 ソフト機能を活かすための森林管理へ向けて 岩木 中田 佐々木 狩野 小宮上村田 今月のテーマ/森林の機能を検証する一森林の持つソフト機能 寺澤 範導 安佳音 政信 忠法 八弥 誠 章 茂雄 石由 雨生池アマゴイルリトンボ特定動物生息地保護林 小笠原国有林および南島の保全管理対策 八ヶ岳縞枯山植物群落保護林一統枯れ現象について 岐阜・金華山のアラカシ・ツブラジイ林木遣伝資源保存林 夜叉ヶ池水生昆虫生息地保護林一ヤシャゲンゴロウの楼む森林 ヤナセスギと千本山林木遺伝資源保存林 九州中央山地森林生物遺伝資源保存林一緑と文化の回廊「霧立越」 ■国有林から… 筑波山複層林施業試験地から 奥日光における保護林の保護と利用について 金谷 長久 立野 奥筋屋 施業 なすび伐り(考) 尾中鋼治731 トピック 国際森林専門家会議「森林と水」の結果概要 一「森林と水に関する滋 採 賀択 宣言 林 」野 採択 庁 林計 野 庁画 計 課 海外林業協力室73] 林業技術No.7412003.12-⑲ インタビュー 韓国GIS学会副会長曹明姫先生に聞く 今月のテーマ/森林GISの活用 森林GISの現状と課題 森林GISとは 三重県における森林GISの活用 流木災害監視地域指定と重点間伐実施 森林組合における「森林GIS」の活用とり鋤i方│句 GISの標準化に向けた利用者コミュニティの対応 解説 平成15年度森林・林業関係予算(案)の概要 田中和博 731 松本光朗 732 田 中 長 松 柴 732 中 村 沼 村 崎 赤羽 和 研 | 直 亮 博 二 隆 人 介 732 732 732 732 元732 力走 『中国東奔西走』−相馬昭男氏 国際会議 第3回世界水フォーラム開催される 松田尭732 水と森林委員会事務局733 今月のテーマ/森林の多面的機能の整備に向けて 「 森 林 計 画 」 サ イ ド か ら 佐 野 由 輝 多面的機能の発揮に向けた森林づくり久保芳文 新たな森林整備事業における林道盤備 一「森林・林業基本計画」における路綱盤備の考え方井出光俊 治 山 事 業 の 展 開 川 野 康 朗 く「市Ⅲ1村森林整備計画」の樹立> 北海道釧路町一地域住民と一体となった森林整備の推進旭岡伸悟 三重県宮川村一宮川村森林ゾーニングと環境林整備片上高志 島根県浜田市一市町村森林整備計画の樹立にあたっての現状と課題小浴常介 視点 森林ボランティアとの連携の強化に向けて冨永茂 733 733 733 733 733 733 733 733 国際会議 宣言2題一第3回世界水フォーラムから水と森林委員会事務局 734 今月のテーマ/第114回日本韓学会大会短信(於:岩手大学,事務局:山形大学) 734 部門別 │職:蝋繍職灘繊鎧 ’ テーマ別 『緑のダム」の検証とモデル化:北原曜/森林科学における森林教育研究の意義と 課題:比屋根哲/林政分野研究の課題と展望:笠原義人/日中協力による中国の 森林再生・自然環境改善をめぐって(第3回):箕輪光博/森林系バイオエネルギーの 利用:小池浩一郎/地球温暖化と森林の炭素吸収:高橋正通・松本光朗/我が国の広 葉樹二次林における生産量および炭素固定機能の評価:山本博一/人工林の適地と は何か一生態情報と技術論の連携(1)−:岩岡正博/熱帯林の再生一多様な森林の価 値をどう保全し再生させるか一:丹 下健/森林環境のモニタリングと持続可能な 森林経営:山本博一/キクイムシと菌類をめぐる諸問題:全体像を理解するため に:梶村恒/樹木の環境適応とストレスフイジオロジー:古川原聡/森林の分 子生態学一植物,菌類そして動物一:宝月岱造/野生動物と樹木の種間関係をときほ ぐす:石田健 今月のテーマ/間伐の推進 緊急間伐5カ年対策の推進 ⑳一林業技術No.7412003.12 林野庁造林間伐対策室735 今士11唾={ユロ呵止軽》J−−−− 元則 高性能林業機械による間伐推進の取り組み〈新潟県〉倉島郁 間伐実施の集団化に向けてく鹿児島県〉大坪弘幸 新たな森づくりに向けた取り組みく高知県〉高知県間伐推進対策室 回 , l 症 謎 迂 』 = 二 今,吉野式間伐は… 低コスト間伐のポイント 岡橘清 向井王 735 735 735 735 735 今月のテーマ/スギ材の乾燥上 スギの乾燥一概説 黒田尚宏 吉田孝久 736 スギ構造材の乾燥法一特に高温セット法という高温乾燥について 今月のテーマ/スギ材の乾燥(下) 木材の乾燥と規格一木材の乾燥を住宅建築関連法規に係わる視点から 製材現場におけるスギ,ヒノキ構造材の乾燥方法について 山 田 稔 池田和行 737 736 737 視点 林業における三位一体諭一森林観の国際比較から見えてくるもの 今月のテーマ/進化する大学演習林 大学演習林からフィールド科学拠点センターへ 北方森林圏科学の拠点フィールドを目指して −北海道大学研究林の教育研究プロジェクトの紹介 今永正明737 柴田英昭738 吉田俊也738 佐野淳之 飯 田 繁 88 8 8 3 37 37 3 7 7 山本信 増谷利 岸 洋 宮林茂 次博一幸 地域の方々との交流フィールド ー岩手大学滝沢演習林での取り組み事例を中心に 日本大学演習林データベースの構築 大学演習林のFSCの基準による森林認証取得−東京農工大学の場合 演習林における体験学習−東京農業大学の場合 鳥取大学蒜山演習林の広葉樹林生態系 一広葉樹林の動態解明と二次林の生態系管理に向けて 九大.フィールド科学研究入門一地域資源プログラム 738 738 今月のテーマ/ブナ(上)[樹種シリーズNO13] ブナの分布と生態 ブナ林の施業一結実の豊凶予測 ブナ材の材質と用途 ブナとともに−校区内ブナ林での学習 鳥海山のブナ林 関東大地震の影響を受けた丹沢のブナ林 大山(だいせん)のブナ林 原 正 利 今 博 計 中野達夫 白杉幸江 高橋英明 中川重年 橋 本 昇 奥山 古庄 茂田 洋一郎 清和 和彦 松村賢一 大 山 剛 久 添上保 三三大 今月のテーマ/子どもたちを森に④一学校林 学校林の歴史的役割と現在 学校林活用に向けた行政施策について−学校林整備・活用推進事業 新たな学校林活動に向けて−学校林と国土緑化運動 児童生徒が生き生きと瞳を輝かせる学校林活動一本校の「総合的な 学習の時間」の実践<北海道標茶町立中茶安別小中学校沙 学校林活用の現場から魚福島県古殿町立大久田小学校〉 学校林の活用一子どもたちに自然の中で学びを <滋賀県日野町立南比都佐小学校〉 元気.森.もり活動一学校林活動から<広島県布野村立横谷小学校》 学校林活動の現場から<鹿児島県枕崎市立金山小学校> 長一郎 伸之 隆志 「保安林整備等のあり方に│典lする検討会」〈中間報告〉の概要について 海岸林による津波の減災効果の評価について 防風林の造成管理技術の進展を目指して 馬瀬村の渓流魚付き保全林 林野庁治山課 原田賢治 鳥田宏行 小池永司 739 739 739 739 739 740 740 740 740 740 740 740 740 14 14 14 1 4 7 77 7 今月のテーマ/保安林 739 739 林業技術No.7412003.12-⑳ 技術協力 中国の森林・林業政紫(退耕還林)について 大西満信741 新年のごあいさつ 弘中義夫730 総会報告㈱日本林業技術協会第58回通常総会報告735 <第49回林業技術賞業績紹介> 《林業技術賞》エリンギの栽培に関する研究とその普及澤章三736 《林業技術賞》スギ材の高周波・蒸気複合乾燥法の開発と普及 小野広治・久保健・寺西康浩・山本泰司736 《林業技術賞》食用きのこ類の育種と栽培技術の│淵発およびその普及増野和彦736 <第14回学生林業技術研究論文コンテスト受賞論文の紹介> 山地斜面における落葉リター滞留および分解に影響を与える倒木の特性時岡あき子 熊本県におけるシカによる人工林剥皮害とその発生要因の解明井上友樹 果実の色が異なるウメモドキ2品種の鳥類による種子散布辻田香織 樹木病原菌ベッコウタケの厚膜胞子の特性妻田かよ子 都市住民による森林管理の実体と可能性渡辺梨沙 窒素,リン,カリウムが塩水灌概下のユーカリ(E2""Ip"sg""郷")の 中川友希 成長に及ぼす影響について 黄土高原における土地荒廃の状況−その回復の対策と地域の人々の暮らし小川結希 <第5回『日林協学術研究奨励金』助成対象研究成果の報告(概要)> CO2排出権取引に対応する各国の政策とその国の林業・林産業経営への影響 山岳渓流の河川捌乱が森林の多様性と発達過程に果たす役割 炭素安定同位体比を用いた植物の水利用効率に関する研究 736 736 736 736 736 737 73 73 73 73 73 73 7 3 7 77 77 77 第49回林業技術コンテスト発表要旨I> Bitterlich法を応用した測定器材の開発一簡便な傾斜角の補正手法の構築鳴海隆司 チャコールロード六角ブロックの開発について 一間伐材の有効利用への取り組み事例兵藤充祥・久保博樹 茶霧のふるさと整備久川眞一郎・二宮栄一・池田一弥 天 然 林 択 伐 試 験 地 の 5 0 年 足 立 康 成 最北の海岸防災林造成事業30年の歩み奥野博樹・本田秀樹・桑田陽人 高齢級トドマツ人工林の立枯被害について滝本裕美 馬場谷地からのレポートーバッファゾーン整備事業山口昭雄 ヒノキ人工林の高齢級化にともなう林分描造の変化奥村忠充・須崎智応 736 736 坂田 景祐 737 星崎 松尾 和彦 737 737 奈緒子 第49回林業技術コンテスト発表要旨Ⅱ> 森林景観整備の取り組みとその成果について佐藤幸男・一条英一 間伐シミュレーションソフトの開発一間伐をやる気にさせる資料とは宮崎隆幸 森林環境教育の実践と今後のあり方について久保田尚子 738 738 738 樋口千代子 子どもたちと森林を結ぶ 分収林におけるツキノワグマ等剥皮害と保育省力化への一体的取り組み中西康二 738 縞 枯 現 象 の 追 跡 調 査 に つ い て 入 交 信 太 継続的に利用する作業道作設および高性能林業機械を利用した 伐出システムの取り組みについて住祐介.熊崎裕文 高品質材生産林における若齢林枝打ち技術の開発賀納清.桑俣佳昇 留辺蘂天然林実験施業林の主要なタイプの現状と今後沼田純一 738 誘導伐実施結果による一考察岸山政年・伊塚みどり・中嶋博英 738 ⑫−林業技術No.7412003.12 738 738 738 738 随 筆 730 731 732 734 ノグチケラ小筒信彦 736 オガサワラグワ吉丸博志 フジバカマ河原孝行 国境の島で森をはぐくむ一ツシマテ ン 鱸 雅 哉 737 1 1 トゲネズミ乃方"伽ねOS"""zsiS 1 2 鈴木仁 老巨人たちの行く末一山中湖村の ハリモミ純林井出雄二 733 738 739 740 741 735 No.1台湾出身フォレスター徐得祥 730 No.2遺伝子操作林木は悪玉か 732 No.3植付け現場を訪れて 734 456 0OO NNN シアトル便り さん 789川 リレー連載・レッドリストの生き物たち 1連載を始めるにあたって 金指あや子 2北の森の主『シマフクロウ」 早矢仕有子 3東京のギフチョウはどうしていなくな ったか?松本和馬 4「ヤクシマザル」 半谷吾郎 5国蝶オオムラサキー森林の広さと質 に影響される生活史小林隆人 6「清流に舞う水の妖糀 −グンバイトンボ」前藤薫 勝久彦次郎 囚人労働 736 レッドアルダー 738 北米における森林認証の現状 740 技術情報730731734736737740 林業関係行事一覧73()731732733734735736737738739740741 グリーン・グリーンネット 『森林技術総合研修所にペレットストーフュ森林技術総合研修所731『岐阜発'東濃桧の里でFSC 森林認証取得∼ブランド材に嘩境という付加価値を∼』岐阜県支部733『京都大学フィールド科 学教育研究センターの発足』京都大学支部734『大学生等を対象とした研究フィールドの提供に ついて安比の森林で研究しませんか−卒業論文支援プログラム』東北森林管理局青森分局支部735 『「千葉県里山の保全,蜷備および活用の促進に関する条例」について』千葉県支部736『シンポ ジウム森のエネルギーが│塾I土と環境を守る−中山間地域の再生と森林環境を考える』2003.6.28於・ 愛知県新城市737『埼玉県における県産木材の利用推進施策について』埼玉県支部738『よ うこそ1林野庁図書館へ-15年7月よりインターネットにより公開一』林野庁図書館739『ワイ ルドライフ・マネジメンl、を推進する「森林動物共生室」一有害鳥獣捕獲から野生動物保護管理へ』兵 庫県支部740『木材を活用した学校施設に関する講習会が開催(上田市会場:平成15年10月 21∼22日)』741 統計にみる日本の林業 般近のわが国の木材の需給描造730「バイオマス・ニッポン」と木質未利用資源731上下 流の連携による森林整附732針葉樹材の割合が増加している合板の国内生産733集材方 法の変化と路綱整備734森林環境教育のフィールドとして期待される学校林735集落規 模が小さくなる山村736木材住宅の供給者737重要性の増す森林組合の役剖738保 安林の解除動向739住宅着工戸数と木造率740林業所得の減少が続く大規模林家741 林政拾遺抄筒井辿夫 瓜割清水730武蔵野市の御殿山731明治林政異聞732空と緑のロードパーク733 たき火734魚塚735湿地谷津736大文字lllの送り火737インクライン738 番匠交流センター739みどりのゆび740森林文化学《最終回》741 白石則彦の5時からセミナー10∼12 11堺の森林認証制度730森林認証制度の榊造比較731森林認証で日本の取るべき道《最終 回》732 林業技術No.7412003.12-⑬ 八木久義の5時からセミナー1∼9 スクランブ トレジャーハンター733ささやかな経済協力734セイコークオーツ735 ル後遺症736生物多様性737所変われば…738熱帯途上国の薪炭事備 7 3 9 忘 れられない笑顔740転ばぬ先の杖《最終回》741 本の紹介 『測樹学問題集』(島田浩三久著) 箕輪光博 『すぐわかる森と木のデータブック 2002』(日本林業調査会編)吉田功 『森林の施業を考える一機能向上と 経営収支改善のために一』 (梶原幹弘著)今永正明 『森の力日本列島は森林博物館 だ!』(矢部三雄箸)高田浩一 『新たな森林管理一持続可能な社会 に向けて一』(藤森隆郎著)桜井尚武 『地球環境保全と木材利用』 (大熊幹章著)岡野健 『あひるの一人ある記一息子よ, かくしてオヤジは大人になり記一』 (清野紀彦著)根橋達三 730 731 732 733 734 735 『2020年日本の森林,木材,山村は こうなる−森林化社会がくらし.経 済を変える一別』(森林化社会の未来 像編集委員会編著)上松寛茂 『アジアにおける森林の消失と保全』 (井上真編/棚地球環境戦略研究 機関(IGES)監修)佐々木太郎 『聞き書き山の親父のひとりごと リンギリ・木馬・水車製材…聖(東京 の林業家と語る会編)赤堀楠雄 『森をはかる』(日本林学会「森林科 学」編集委員会編)小林富士雄 『地球温暖化と森林ビジネスー「地球 益」をめざして』(小林紀之著) 根橋達三 737 738 739 740 741 736 こ だ ま 今年こそは730帰郷731JAS法違反と表示問題 後734森林の持つ公益的機能はだれのもの?735 アの日737三種の神器738木の騎手と地球環境 732手前味噌733勉強机,その SARSに思う736森林ボランテイ 739改革なくして成長なし/740 人間と機械との共生741 会員の広場 公団造林地における獣害とその対策について伊藤寿・三津山博文・森秀紀730スギ造林地 のマルチング試験経過とじか播き造林への連挑技術(続報)矢部茂明・谷口憲男.平野松也.山口 紀幸734航空緑化工塘隆男735間伐材を原料にした木炭粉の用途開発一木炭粉活用に よる下水汚泥のエネルギー資源化頼信文夫736「営林文化財」の散逸を憂う香田徹也737 平成14年台風21号による森林被害と環境要因について:衛星画像を用いての要因解析青柳正 英・松井弘之739米国カリフォルニア州の世界一の巨樹,老樹を訪ねて小笠原隆三739 カラマツ70年生林分の生育経過一強度・弱度間伐区と無間伐区の比較下田-740いわて川 井村のユニークな「木の博物館」村井宏741 緑のキーワード 地球温暖化防止対策と森林整備730学校施設への木材利用促進731エコ住宅732二 酸化炭素緩和策734京都議定書と吸収源735「持続可能な森林経営」と貿易自由化736 新しい建築基準法とF☆☆☆☆と木737木材による循環型社会の形成738風化と塗装 739世界林業会議740WEHAB741 新刊図書紹介730731732734735736737738739740741 そ の 他 『木材を活用した学校施設に関する講習会』に参加しませんか 日林協地方事務所開設 第50回森林・林業写真コンクール作品募集締切間近〃 技術士(林業部門)受験講習会のご案内 日林協催し等の募集のお知らせ 平成14年度会員配布図書のお知らせ『森の野生動物に学ぶ101のピン│、』 ⑭一林業技術No.7412003.12 730 730 731 731 731 731 13 23 23 23 23 23 23 33 33 33 33 33 33 43 43 43 43 43 43 53 53 5 3 7 77 77 77 77 77 77 77 77 77 77 7 『森林ノート2003』訂正 10名の研究者が受賞第15回研究功績賞表彰 技術士(林業部門)受験講習会のご案内 日林協催し等のお知らせ/第114回日本林学会大会および関連催しのお知らせ 『森の野生動物に学ぶ101のヒント』(一般販売用出来〃) 『森林航測』第199号(カラー)刊行のお知らせ/『森林航測』来年度の発行予定 『森林ノート2003』訂正 森林整備ワークショップが開催 日林協ホームページのご案内 『最新・森林航測テキストブック』増刷のお知らせ 第50回「森林・林業写真コンクール」入選者の発表 平成14年度林業技士誕成研修合格者氏名の発表 日林協第58回通常総会関係行事のお知らせ 第49回林業技術賞受賞者の発表/第14回学生林業技術研究論文コンテスト受賞者の発表 第7回「口林協学術研究奨励金」助成対象者の発表 技術士第一次試験(林業部門)受験講習会のご案内 平成15年度技術士第一次試験の受付締切迫る 新たにr林産部門」を開設しました〃平成15年度林業技士養成研修・登録のご案内(概要) R林協第58回通常総会関係行事のお知らせ 第49回林業技術コンテスト受賞者の発表 第54回全国植樹祭(千葉県)開催/第20回森林の市開催される 『森林航測』誌終刊のお知らせ,ならびに関係記事の『林業技術』誌への継承について く平成15年度林業技士謎成研修〉受講者募集のお知らせ(新たに「森林総合監理」 「林産」の2部門が誕生/) 明日のくらしと環境・木材フェアー木材新技術・新製品展示会一開催 735 736 AirPhotoLab(エール・フォト・ラブ)の活動紹介 日本林学会支部大会(日林協支部連合会併催)のお知らせ 平成15年度版『空中写真撮影一覧図』刊行のお知らせ 736 大学等技術移転促進法に基づく試験研究独立行政法人等技術移転事業者の認定について く第29回リモートセンシング>シンポジウムの開催ならびに一般講演の募集のお知らせ 日本林学会支部大会(日林協支部連合会併催)のお知らせ 夏の秩父路から(全国林研(高校)/金子製材㈱) 夏休みの思い出「作り」(ウッデイランド東京/子ども霞が関見学デー) 737 736 737 川修羅見学会のお知らせ 737 737 738 738 738 平成15年度版『空中写真撮影一驚図』刊行のご案内 日本林学会支部大会(日林協支部連合会併催)のお知らせ 2004年度日林協技術職員採用のお知らせ 738 日林協ISO9001登録取得のご報告 シックハウス症候群にかかわる改正建築基準法での「ムクの木材」は規制対象外 (居室内装材への使用の規制を受けずbF☆マークも不必要) 来夏,IUFRO第6部門(社会科学分野)合同会議開催のお知らせ 日本林学会支部大会(日林協支部連合会併催)のお知らせ 日林協,『緑の循環』認証会議(SGEC)の認証審査機関として活動開始/ カラマツが動いた/ 秋山智英氏が中国の「友誼賞」を受賞/ EFAFF2003(第4回股林水産環境展)開催のお知らせ 青年海外協J隊平成15年度秋募集締切間近/ 日本林業技士会第23回通常総会が盛大に開催 │」林協「入会申込み書」…日林協ホームページからのダウンロード利用のご案内 738 『林業技術』総目次(平成15年-2003年.730∼741号) 738 738 739 739 739 739 740 740 740 740 741 741 741 林業技術No.74J12003.12-⑮ <日林協催し等の募集のお知らせ〉 日林協では,林業技術の向上・普及を図るべく,毎年次の催し等を開催し,審査・表彰 等を行っています。募集が始まっているものもあり,各支部におかれましては推薦等ご準 備いただければ幸いです。照会等は,日林協普及部まで。 ’第50回 《林業技術賞》 ◇所属支部長推薦[締切:平成16年3月31日(予定)] 林業技術の向上に貢献し,林業振興に多大な業績を挙げられた方に贈られます。本賞は, 半世紀近くの歴史を重ね,林業界を代表する賞の一つとなっています。 第50回《林業技術コンテスト》◇所属支部長推薦[締切:平成16年4月20日(予定ツ] わが国林業の第一線で実行・指導に従事されている技術者の,業務推進の中で得られた 成果や体験等の発表の場として本コンテストを開催しています。 第15回《学生林業技術研究論文コンテスト》 ◇大学支部長推薦肺切:平成16年3月15日(予定)] 林業技術の研究推進と若い林業技術者の育成を図るため大学学部学生を対象として,森 林・林業に関する論文(政策提言も含む)を募集しています。 第8回《日林協学術研究奨 励金》助成テーマの募集(募集中11) ’ 詳細は,本会総務部(壷03-3261-5283)までお問い合わせください。 [締切:平成16年2月末日(必着)] 第51回《森林・林業写真コンクール》(作品募集中11) 募集要綱は,11月号表3ページ(巻末)に掲載。 [締切:平成16年2月末日(消印有効)] 協会のうごき ◎海外出張(派遣) 10/22∼29,畠村地球環境部次 長,林課長,輸入木材に係る森林 調査,インドネシア。 10/28∼12/6,安養寺理事,ニカ ラグア国開発調査,同国。 11/1∼30,増井国際事業部次 長,水品主任研究員,11/16∼30小 原理事,セネガルマングローブ調 査,同陸1. 11/2∼12/6,坂本国際事業部 長,久道国際事業部次長,渡過参 事11/2∼9加藤主事,甘粛省植 林草支援調査,同国。 11/3∼8,小原理率,望月情報 技術部長,アジア東部地域森林動 態把握システム整備事業,モンゴ □「森林ノート2004」が刊行しました。 現行版(2003年版)から新装なった『森林ノート』。来年2004年版は12 月号といっしょにおルIIけします。 口日林協「入会申込み書」は,日林協ホーム ページからダウンロードできます。 F1林協ホームページ(http://www.jafta.ol・jp/nyukai/index.htm)か らダウンロードプリントアウトし,必要事項をご記入のうえ,Faxで日林 協普及部までお送りください(Fax:03-3261-5393)。係りから折り返し, 入会の振込み用紙を送付いたします。 【お問い合せ先:普及部(佐藤)公03-3261-6692】 11/10,於本会,「森林資源モニ タリング調査データ地理解析事 業」平成15年度第2回調査委員 会 。 ◎計報 ル。 11/8∼16,弘r1コ理事長,11/ 30∼12/9,根橋専務理事,加藤主 事,11/30∼12/6,武田技師,日中 緑化交流基金,中国。 11/16∼29,野仲課長代理,中国 黄河中流保全造成計画。 ◎地球環境部関係業務 11/20,於本会9「聰山林等にお ける地球温暖化防止等のための森 林整備に関する基礎調査」第二同 調査委員会。 ◎森林情報システム開発室関係業務 ⑯一林業技術No.7412003.12 本会森林整備部主任研究員谷 口勝正氏におかれましては,11月 26日ご逝去されました。謹んでお 知らせいたします(享年64歳)。 ◎番町クラブ11月例会 11/27,於本会,一等三角点研究 会会長・冨田弘平氏を講師として r一等三角点を歩く」と題する識 演・質疑を行った。 林業技術第741号平成15年12月10日発行 編集発行人弘中義夫印刷所株式会社太平社 発行所社団法人日本林業技術協会。 〒102-0085束京都千代田区六番町7′l、ELO3(3261)5281(K) 振替0()13()-8-60448番FAXO3(3261)5393(代) 【URL1http:"www.jafta.orjp RlNGYoGlJUTSU JAPANFOREST publiShedby TECHNOLOGYASSOCIATION TOKYOJAPAN 〔普通会溌3,500円・学生会磯2,500円・終身会間(個人)30,000円〕 森と木と人のつながりを考える日本林業調査会 A5変形判216頁2000円︵税込み︶ 新しい市場︵マーケット︶が動き始めた! 地球環境時代の水と森 太田猛彦・服部重昭/監修2300円︵税込み︶ 水をまもり・はぐくむ森林の働きを、最新の研究・調査デー タを駆使してわかりやすく解説。日本図書館協会選定図書。 柿澤宏昭・山根正伸/編著2100円︵税込み︶ 知られざる実態を克明な現地調査と最新のデータで初めて明 らかにした注目の書。森林政策から木材貿易、違法伐採、森 林火災、環境保護、先住民問題まですべてを網羅。 ロシア森林大国の内実 HQの対日木材政策など未発掘の資料を満載! 基礎からわかる引世紀のビギナーズブック。2500円︵税込み︶ 立木幹材積表東日本編・西日本編 I 樹種別、人工林・天然林別早見表。各2000円︵税込み︶ ’ 森林資源科学入門 慰昔奉鰯{駕鰡鯛凌職 京都議定書のルールと炭素ビジネスの最新状況、今後の課題・展望 をQ&A形式でコンパクトに解説。森林の新しい価値をどう具体化 森林国・日本は、なぜ木材輸入大国へと変貌したの 砂 し、活用していくか。﹁地球益﹂の実現を目指した最新書き下ろし。 萩野敏雄/著A5判上製箱入り330頁5,000円(税込み) 送料無料でお届け中! 小林紀之/箸 日本国際林業関係論慧隻舅菫証 便利なWEB書店 地球温暖化と森林ビジネス J−FICのブックガイド h t t p : / / w w w j f i c . c o m / 患森林ボランティア論 山本信次(岩手大学助教授)/編著A5判350=(予定)2,300円(予価・税込み) 新たな森林管理の担い手として注目される森林ボランティア。その実像と可能性、 今後の課題を多角的に分析した初めての書き下ろし1 刊行前にご予約お申し込みの方には、特別割引価格(2,000円)でお届けいたします。 【執筆者】山本信次/佐藤岳晴/上野圭司/嶋田俊平/水野一男/斎藤和彦/内山節/前出健 太郎/土屋俊幸/柿澤宏昭..詳しい内容は、http://wwwj-fic.com/をご覧下さい。 お申.し込み・お問い合わせは下記までお気軽にどうぞ6 お近くの書店でもお取り寄せできます。 FAXO三一S268−5261 3−26 東京都新宿区市ケ谷本村町3−26 TELO3-3269-3911 ー ー ’ 地球社の林業関係図書 〒107-0052束京都港区赤坂4-3-5振替00120-9-195298 a03-3585-0087"/FAXO3-3589-2902 http:"Www3。cnet-tanejp/e/eo-mm 地籍調査必携'021 測樹学問題集一’ 地籍調査研究会/著 島田浩三久/著 B5判/170頁/本体1,429円(税別)/〒340 A5判/780頁/本体5,800円(税別)/〒380 W │木榊錠総0鵬に関する糊リ瀧測職1 現代林学講義7 A5判/168頁/本体3,800円(税別)/〒380 │璽舞懸埜霞蕊鵜套鱸騨撫一’ 農学博士須藤彰司/著 A5判/556頁/本体4,500円(税別)/〒380 上房Yゆ】 腰 掛 け 類 き の こ 圃 鱒 神奈川キノコの会編/城川四郎著 B5判/232頁/本体4,855円(税別)/〒380 応用山地水文学 累椴箪蝋鳶、蝸鳶溺薯 A5判/240頁/本体2,913円(税別)/〒380 X2r"肋0 TheLileslyleCompanV ’ 1 1 現代林学講義10 測樹学’ 南雲秀次郎・箕輪光博/共著 A5判/256頁/本体4,500円(税別)/〒380 ’ 南 洋 材 ’ 林業労働力確保法Q&A A5判/400頁/本体2,900円(税別)/〒380 新訂増補 森林昆虫学’ 立花観二。片桐一正/共著 木材安定供給法制度研究会/編 A5判/362頁/本体4,200円(税別)/〒340 森林・林業基本政策研究会/編 ー 林野庁林政部森林組合課/監修 A5判/172頁/本体1,845円(税別)/〒380 │森林・林業・山村問題研究入門’ 船越昭治/編著 A5判/368頁/本体2,800円(税別)/〒380 治山・砂防工法特論| 静岡大学農学部教授陶山正憲/箸 A5判/250頁/本体3,200円(税別)/〒380 トウモロコシから生まれた繊維で作りました恩 幼齢木の枝葉。樹皮食害に ラクトロン② 幼齢木ネット 軽量で運搬・設置が葵に簡望 通気姓かあるので蒸れない 風雪に残い 製造元向末索,方合繊株式会社 顧売元東エコーセン株式会社 *まずはお試しください。試供品配布中 詳しくは下記の東工コーセン㈱新緊材グループへ 〒102-8362=都千代田区四番町4-2 TELO3-3512-3932 FAXO3-3512-3952 e-mail:[email protected] http://Www.tokokosen.co.jp〈写真>群馬県六合村:トチノキ 、…EN カールツァイスの伝統を受け継ぎよりハイレベルな フットワークと高精度を実現1Trimble3300DR 1rimble3303DR,1rimble3305DR,Trimble3306DR 高精度ノンプリズム機#瀦栽 ノンブリズム 里 ミラーを必要としないノンプリズム 機能 ノンプリズムで3ミリの高精度 鯵加Ⅱb脂 プリズムを測点に設樋しなくても、#1洲 ポイントを直接照射して測距で営ます。 j鍬区域や立ち入り禁止区域にあってミ ラーが設置できない計測ポイントには、 ノンプリズムでの測距が最適です。 Thimme3300DRは、ノンプリズムでも 非常に高い糖度を誇ります。 2mm+2ppmプリズムモード 3mm+2ppmノンプリズムモード レーザ=ポインター レーザーポインター標準装備 測距・測角と同軸で確実に計測ポイ レーザーポインター瀞膜装備 Iiimble33()ODRは、レーザーポインター ン1,を確認 を標準袋附しています。 レーザーポインターは測角・測距と剛│| なので、その照射ポイントは計測ポイン │、と同一です。望遠鏡を覗かなくても、 レーザーポインターで冒釧ポイントを簡 liiに確認できます。 軽量・コンパクト 寶肉を削ぎおとし、精度を保ちなが らの軽量化 測角篇度5職測距精度2nmの 高精度を約束する 擬もともと小さいボディだからケースも アプソリュートエンコーダー搭職 小さくなりました。レベルのケースぐら いの大きさが標準となっています。 このコンパクトなボディから測角籾度5 秒、測距糖度2mm+2ppm(プリズムI潮 をたたきだします。測角部は、高級機に 用いられるアブソリュートエンコーダーー 1900データ行の を採用。 一座遡源を切っても篭源を切る前の角度 を記臆しているので、ゼロセットをやり 厳す必要がありまゼん。 データ記録メモリ内蔵 §TrimbIe3303DR,3305DR ¥1,100,000 ポイント・連続モード、コスト削減の徹底追求、 面積・線長測定に特化、21世紀の先進デザイン ベストセラーモデルPLANIX7が、ポイント・連続測定機能を得 画 一 て、さらに使い易く、高性能に進化。 燕"……‘…… HA/VIXZOS ●PLANIX10S………¥98,000 図T7AM/AMヘ タマヤ計測昌凰テム繍式会社 一旦I/VVlノ、ノノ、〒104-0061束京都中央区銀座4-4-4アートビルTEL・O3-3561-8711FAX.O3-3561-8719 タマヤの取扱製品についての詳細は.ホームベージでもご覧いただけます。http:"www.tamaya・technics.com [email protected] SustainableGreenEcosystemCo叩cil 弱﹄ 性s 日*村窃は9SGECの定める運営規程に基づき翁公正で中立 か つ 透 明 , 全国 各 地 の ;の高い審査を行うため,次の『認証鬮業罷割本制』を整え,全 GEC認証をご検酎されている皆様のご要望にお応えしま壱 す。 ●● 1● 2●3 4 旧林協の認証業務体制】 学識経験者で構成する森林認証審査運営委員会による基本的事項の審議 森林認証審査判定委員会による個別の森林および分別・表示の認証の判定 有資格者の研修による審査員の養成と審査員の全国ネットワークの形成 森林認証審査室を設置し,地方事務所と連携をとりつつ全国展開を推進 ︾霊 │日林協ジステムによる認証’ ・基準・指標からみた当該森林の長所・短所を把握し,認証取得のために事前に整備すべき 事項を明らかにします。 ・希望により実施します。 申請から認証に至る手順は次のようになっています。 <申請>→<契約>→<現地審査>→<報告書作成>→<森林認証審査判定委員会の判定> →<SGECへ報告>→<SGEC認証>→<認証書授与> 書類の確認,現場森林の管理状況の把握,利害関係者との面談により審査を行います。 ・結果の判定 現地審査終了後,概ね40日以内に判定するよう努めます。 │認証の有効期間| 5年間です。更新審査を受けることにより認証の継続が行えます。 麗騒 毎年1回の管理審査を受ける必要があります。 (内容は,1年間の事業の実施状況の把握と認証取得時に付された指摘事項の措置状況の確 認などです。) 關 … 「森林認証」と「分別・表示」の2つがあります。 岡 ; 關 2.分別・表示’ 認証林産物に非認証林産物が混入しない加工・流通システムを実践する事業体を認証します。 ・審査内容 SGECの定める分別・表示システム運営規程に基づき,入荷から出荷にいたる各工程におけ る認証林産物の,①保管・加工場所等の管理方法が適切か,e帳簿等によって適切に把握さ れているか,を確認することです。 [諸審査費用の見積り] [申請書の入手方法] 「事前診断」「認証審査」に要する費用をお見積りいたします。①森林の所在地(都道府県市町村 名),e対象となる森林面積,⑧まとまりの程度(およその団地数)を,森林認証審査室までお知 らせください。 驍林認証事前診断申請書」「森林認証審査申請聲」,SGEC認証林産物を取り扱う「認定事業体 登録申請書」などの申請書は,日林協ホームページからダウンロードしていただくか,または森 林認証審査室にお申し出ください。 、 〆 ◆SGECの審査に関するお問合せ先: 社団法人日本林業技術協会森林認許塞杳宝 〒102-0085東京都千代田区六番町7"03-3261-6638FaxO3-8261-3044 ・日林協ホームページでもご案内しています。[http://wwwjaftacr.jp] 可 型 n定価四四五円︵会員の購読料は会灘に含まれています︶送料八五円 持続可能な森林経営を行っている森林を認証します。 ・認証のタイプ 多様な所有・管理形態に柔軟に対応するため,次の認証タイプに区分して実施します。 ①単独認証(一人の所有者,自己の所有する森林を対象) e共同認証(区域共同タイプ:一定の区域の森林を対象) (属人共同タイプ&複数の所有者,自己の所有する森林を対象) ⑧森林管理者認証(複数の所有者から管理委託を受けた者,委託を受けた森林) ・審査内容 SGECの定める指標(35指標)ごとに,指標の事項を満たしているかを評価します。 満たしていない場合は,「懸念」「弱点」「欠陥」の指摘事項を付すことがあります。 p ・現地審査 昭和二十六年九月四日第三種郵便物熱︵毎月一回十e発行︶林業技術第七四薑 … I緑の循環」認証会議 平成十五年十二月十日発一丁 日林協は『緑の循環」認証会議(SGEC) の審査機関として認定され,〈森林認証〉 <分別・表示>の審査業務を開始しました。