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俳句と遊ぶ
俳句とあそぶ(43) 例 会 佳 句 1月は1年の初めの月。別名睦月ともいう。陰暦1月の異称で、陰暦では正月を迎 えれば春がくるが、陽暦では6日頃に小寒、20 日頃に大寒があって、1年で一番寒い 月である。だが、日脚は伸びて来て、春遠からじを感じるようになる。 若水は元旦に汲んで、歳神に供え、また雑煮をつくり、福茶をわかしたりするめで たい水をいう。若水を井戸や川などに汲みに行くのが年男の役目である。身なりを改 め、厳粛な気持ちになり、注連縄を飾った水神に米などを供えて汲み上げる習わしが あるというが、一般の家では今は水道の蛇口からジャーと汲んで済ませるところがほ とんどであろう。水道は便利であり、昔からの習わしを変えていく。 正月はどこの家でも雑煮を食べる。年迎えをするため年越しの夜、神に供えたもの をおろして、煮込んで食べたなごりであるという。関西は丸餅で味噌汁、関東は切餅 ですまし汁を使うのが多いが、地域によってそれぞれ特色がある。 ( ゴシックの俳句は会員互選の上位句 ) ( 四季の会 世話人 ) 石一つ一つの貌に水澄めり 椋鳥の空広くなり狭くなり 赤蜻蛉夕日を乗せて飛んで来し カーテンを開き名月抱きにけり 渦巻きて椋鳥の群れ富士に消ゆ 伏せられし湖岸のボート水澄めり 神奈川 (故)中 神奈川 中 本 萬 里 水澄むや角の取れたる河原石 椋鳥の百家争鳴楠大樹 海女もぐる五月の空を蹴り上げて 古都めぐり枯山水にある残暑 椋鳥や一せいに翔つ空の色 切り取りし空を写して水澄めり 神奈川 森 京 子 兵庫 高 森 功 一 ありし日といへる歳月墓参 欲しかりしグリコのおまけ鰯雲 魚影消えたちまち水の澄みゆけり 水澄むやはれて国宝松江城 揚げ花火顔赤くなり青くなり 椋鳥の群欅並木のただならず 大阪 加 84 本 郷 顔 藤 あ や 千葉 加 藤 浩 雲 水道・下水道人俳句 四季の会 夕闇に往きては返す鬼やんま 水澄みて藍の絵具を足しにけり 掉さして矢切の渡し水澄めり 初紅葉をなごの被る野球帽 丸の内さだか見へずも秋の空 廃校の欅に休む椋鳥の影 東京 坂 本 州 賢 宮城 鈴 木 わ か 椋鳥は駅前が好き日暮れ時 秋暑し贋作らしきゴッホの絵 蜜漁る蜂にゆられて萩の花 椋鳥の糞に見舞わるローマ駅 天高くわしも肥えたり古希を経て 難聴は長寿の証し生御霊 千葉 門 脇 耕 水 千葉 安 彦 緑 水澄や大和路の空塔映し 畦道の野仏に添う彼岸花 椋鳥のかしましき好し老い二人 鈴虫を耳元で聞く庵かな 新涼の闇ラストラン「北斗星」 泉より名水汲みて名酒なる 神奈川 加 藤 雅 東京 中 西 麦 登り来て小石の踊る泉かな 不器用に過して米寿迎へけり 弁当は野菜尽しや花の雲 見上げては武家屋敷道夏木立 御猟場に草陰多し春の鴨 田植時田水を張りて耕運機 東京 北 誥 南 風 徳島 田 中 比 古 ば 泉 人 久 水道・下水道人の俳句の会 「四季の会」入会歓迎 申込先 〒 102 - 0074 東京都千代田区九段南 4 − 8 − 9 日本水道会館内 日本水道新聞社気付 「四季の会」世話係 まで 85