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太陽エネルギー利用ハイブリッドコレクターの実験と解析
Title Author(s) Citation Issue Date 太陽エネルギー利用ハイブリッドコレクターの実験と解 析 濱田, 靖弘; 落藤, 澄; 中村, 真人; 成田, 涼子 衛生工学シンポジウム論文集, 6: 163-166 1998-11-01 DOI Doc URL http://hdl.handle.net/2115/7342 Right Type bulletin Additional Information File Information 6-5-4_p163-166.pdf Instructions for use Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP 第6自衛生工学シンポジウム 1 9 9 8 . 1 1北海道大学学術交流会館 5-4 太陽エネルギ一利用ハイブリッドコレクターの実験と解析 潰回靖弘 〈北海道大学〉 中村真人 (北海道大学) 落藤澄 (北海道大学〉 0成問涼子 〈北海道大学〉 1.はむめに 住宅で消費するエネルギーをできるだけ少なくするためには、自然エネノレギーの活用が必要不 可欠である。太陽エネルギーを有効に活用する太陽電池とソ}ラ}コレクグ}は、現在、それぞ れ独立して設置される場合が多いが、持者の一体化を図ることにより、省スペース化が可能とな り、さらにセノレ表面祖度の上昇による太陽光電変換効率の低下も緩和できると考えられる。 本研究では、太陽光と太陽熱を問時に利用することによって、利用率を増すことを自的とした ハイブヲッドコレクターの導入効果の検討を行った。まず、ハイブリッドコレクターの発電特性 と集熱特性の実験を行うとともに、問時に実施した太陽電池単体パネルおよびソ}ラ}コレクタ }単体ノ号ネノレの運転実績と比較した。さらに、太陽エネルギー利用のハイブリッド化による省エ ネルギー効果と設霞スペースの削減効果をエネルギー・エクセノレギーの両面から検討した。 2. 実験概要 2. 1 ハイブリッドコレクターの仕様 留 一1に今回の実験で使用したハイブリッドコ レクターの断面閣を示す。また、間パネノレの仕様 について表-1に示す。このパネノレは、透過率約 0.9 の強化ガラス、フッ素樹脂、 E V A、単結晶シリコ ン型太陽電池、アルミ集熱板、鏑管、厚さ 25mm のグラスウーノレ ( 2 4 的等から構成される。また、 強化ガラス 主翼依[間企 空気Ii セル アルミ外装 2 5 レ24K グラスウーJ ステンレス蕊t i コレクタ ~1 枚当りの最大発電電力は 117Wであ 関-1 ハイブリッドコレクターの断商関 義 一1 ハイブリッドコレクターの仕様 る 。 2 . 2 喪験装置および澗定システム 太燭光錆曜ま ついては電子負荷装置により、可変負荷を与える 0 . 8 察予荷積カ仰[狩f 1 ] 1 1 7 怒大潟 3 . 8 綴織持変換効耳1 1 [ ' 甲 { , ] 1 太綴除緩需品 ことによって、最大発電電力量を測定するものと 有効綴撚爾朝関[rr1] S 誕撚叡器量商状鯵 外形寸法Iimu 臨2 に実験装置の系統留を示す。電気系統に した。ハイブリッドコレクターは 2枚を並列に接 続し、循環ポンプ内蔵型の檀温水槽により一定温 0 . 9 恩給偽シリコン!!;'!~民級紙も 1 2 0 0 ' ぜ8 02X48 2 6 盤盤 [ k g ] 自盛時盤自由体 m i n '枚)にて送水した。また、 震の不凍液を1t'/( 2、図 4 にそれぞれハイブリッドコレクタ} 表の設霞条件と実験装罷の外観を示す。実験装置は 3時まで遮断物の 北大構内に設置し、 8時から 1 影響を受けず E射を確保できる。 表 一3 に使用した集熱媒体および'恒祖水槽の仕 様を示す。集熱用の不凍液には、プロピレングリ コーノレ水溶液 (30wt%) を採用した。恒視水槽は、 1 .5 k Wのヒーターと、 O .7 5 k Wの企密閉型空冷式冷 0 水温度の設定が可能である。また、モータ}撹枠・ 0 Wの循環ポンプが内蔵されている。 送水のために 6 -163- 器 問2 ハイブリッドコレクターの設璽条件 糊融開抽凶 凍機から構成されており、 4 0 ' " ' ' + 5 0Cの範密で送 国一2 提験装盤の系統罰 4 3 '0 3 ' 1 4 1 ・20' 3 0 ' 蕊取向き 1 . 5 < 言 表4に測定項目および測定機器を示す。まず、 負荷装置において、定電流モードによって最適動作点を 探索し、最適動作電流・最適動作電圧・最大発電量を 5 分間踊でフロッピ}ディスクに記録した。また、パネノレ 各点の温度・パネル出入口の集熱媒体温度・集熱媒体の 循環流量・外界気象条件については、澱定を 5分間隅で 行い、ヂータロガー ( N E C三栄製)により I Cメモリカ 図-3 ~経験鞍盤の外観 ードに記録するものとした。 2. 3 撰験条件 薮3 .擦熱媒体および犠温水槽の仕様 実験においては、集熱温度の違いによる光 S 諸制媒体 議変換効率・集熱効率の特性を把握すること 僚議水橋 を自的として、 f 亘?毘水槽より一定混度の不凍 奴澗 萌l'~ 個閥 0 同 認皮 3 流 . I l l 1 I / u n i n "紋) 5 0 0x5 9 0x83(加 科 T学 F 司 総 L鍛N 錬1 3 誠 5 会 〈 社 ト ー 〉マス 外 法 織内寸法 3 0 0 x 4 0 0 x 3 0缶四 不渡法{ブロピレンゲワ コーJ レ溶液〉 2 6 0 x 2 8 0 x 3 0加古 有効肉減 混皮範悶 忍1stセンサー J s ! : 議皮fIl ヒ11- 0 液を送水した。集熱媒体の祖度は、 1 0 " " ' ' 4 0C まで変化させて測定を行った o 7 者涼俄 3. 喪験結果と考察 絡調ポンプ +50"C~-40"C 白金抵批式 P t 10 0オーム 土O . I " C 以内{迄度安定s!:> シースワイヤー式ヒ一生一1.5閥 念E 自際型空冷式 7 5 倒t フロンガス R 5 0 2 6 冊宅一世一悦持、送法議F 富型 最対悶程 2 官、愚大波l i1 0l l 鎗 ,i n 3. 1 奥験結県 表4 測定項目および測定機器 国-4に送水温度 20C (代表日:1997年 1 0 0 月 61 3 )、図-5に送水撮度を 30C (代表日: 0 1998年 7月訪日)、回一6に送水温度を 40C 0 l l l l V J le l 測定樋臨 電流 シスァム電子負荷皇室唖(萌水電子工銀) 電電ぽ システム常子負荷装置{潟水電子工盟} N O ) セJ I-現笛温度 (パネ j むの上"< p.下 3点} T納笥対(側 I パネ J I-袈逝滋皮(罰:上・中・下 3点} (代表 3 1 :1997年 10月 初 日 ) と 設 定 し た {耳:中央 l点} 不滞緩流量 場合の、光寵変換効率、集熱効率および両者 ネ;車液汲皮(コレ?~ヨー白出入口 2 点) 外気!且 を総合した太陽エネルギ」利用率[=(発電量+ 金支日射置 集熱量)/日射量 X100]の変動を示す。デ}タ O E Xm 畳E 十{金内製作所) 白金湖泡j 民抗体 ( C H I N O ) Ts主笠宮せ出 H I N O ) 全実自制E 十(英弘精栂} 100 r " ー・…......一一一…...・........一一一………...................“…“., 1000 には、 30 分間の平均値を採用した。光寵変 90 900 80 800 換効率は、 1 0 " " ' ' 1 3 %前後でほぼ安定している。 70 700 " E 600~ 0 一方、集熱効率は送水温度 20Cの場合で 50%、言:: 0 若干下部る程度で、あった。また、太陽エネル ギー利用率は、集熱効率の変動に影響を受け、 0 200Cの場合で 60%、30Cの場合で 50%, 40C 0 闘 500 語~ 40 001 4 宗 nu U 内 AUnu , h'E ndn 3 00Cの場合で 40%、40c の場合には .20%を 300m 200 100 蒔 揚 301100113012001230 0 080008300900093010 関 一4 先電変換効率・蕗熱効率・太鶴エネルギー の場合には 30%程度の値を示している。 0 0 C:1 9 9 7 / 1 0 / 6 ) 利用率の変動(送水温度 2 宮崎抑制 nununununununU 8 785432 ; ; f … ー … 二 ア ー ふ 長 二 ニ コ ; ; 。 800 80 800 700 70 700 600 : : : : , . " E 日OO~ ~ 60 500扇 鈴 50 400 40 500 震設 300回 。 。 扇 4001 震 300 田 30 200 200 100 " E 。 100 10 謀 議 3011ω11初 08000830090009初 1 0 0 12001230 時刻 掴5 光醤変換効率 ι銀熱効率・太閤エネルギー 題 一6 光盤変換効率・箆熱効率・太臨エネルギー 0 0 C:1 9 9 7 / 1 0 / 2 3 ) 科婦率の変動(送水温度 4 0C:1 9 9 8 / 7 / 1 5 ) 利用率の変動〈送水温度 3 0 -164- 4 . 2 エネルギーおよびエクセルギー評価 4) 0 表-5 ~こ日射量 700W/rrf 、外気祖 25 C とし、エク 義 一5 単体パネルとハイブリッドコレクターの エネルギー・エクセルギー効擦の比較 セノレギー効率を最大とする最適集熱混度を採用した 、s c ) とハイブリッドコレクタ 場合の単体方式 (PV ー ( H B ) のエネルギー効率とエクセノレギー効率の比 較を示す。ただし、 PVパネル、 s cパネノレは図午、 8 の臨帰式、問コレクターについては 4 .1 の拡張モ デノレより求めた。エネルギ}効率は s c 、PV、HBで それぞれ 46.2%、 10.7%、42.6%であり、 PVが最 s cに劣 るものの、光識変換効率を加えることにより s cと も小さい。これに対して、加は集熱効率は ほぼ同等のエネルギー効率となる。また、エクセノレ ギー効率は s c、PV、HBでそれぞれ 4.4%、11.2%、 13.3%と 350 r一 一 一 一 … … … … . . _ _ . . . . . . . . . … . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 寸 25 ~300 " e 註250 薦 議 200 図-11、 1 2 に同一面積に単体方式を設置した場合 ( P V + S C ) とハイブリッド方式に P Vパネノレを補完し P V + 出)の出力エネルギーとエクセノレギー た場合 ( の比較を示す(ここで、 PV面積比は、単体方式で はP V / ( P V + s c )、ハイブリッド方式では P V / ( P V + 出 ) ) 。 ハイブリッド方式において、熱電比(=集熱量/発電 量)を 2 とした場合の P V面積比は約 0.33、エネノレ ギー量は約 2 2 0 W / r r fであり、等熱電比における単体 方式のエネルギ}量の約1.4倍となっており、約 J t150 毒 患 存100 H 50 。 。 。 s cが最も小さく、質的にもハイブリッド 化の効果が大きいことが示された。 20 ハイブリッド方式 臨 一1 1 官 0 . 2 0 . 8 PV医務比 PV臨積比によるエネルギー鼠の変化 : : J -』 … 一 一 ー '一一一.一:了了勺コ I 注;石~ ハイブ列 h 川 ツ 州 州 ド 吋 方 問 武 縄 e ω oI - 4 よ竺---峨間二 J 回 φ 1 ニ ニ . t 全ヰド--ご 2m 1 0 0 白 。B t PV商務上主 関-12 PV面鞠比によるエクセルギー魁の変化 0 (臼射麗 700W/m"、外~温 25 C) 27%の設置スペースの削減が期待できる。また、こ のときのハイブリッド方式のエクセノレギー量は単体方式の約1.4倍となった。 5. まとめ な)ハイブリッドコレクターの実験装置を作成し、集熱媒体の送水温度を一定とした実験を行つ 0 た結果、光電変換効率は送水温度によらず 10""'13%前後でほぼ安定したが、集熱効率は 20C 0 0 の場合で 50%、30Cの場合で 40%、40Cの場合で 20%程度となった。また、問者を総合し 0 0 0 た太陽エネルギー利用率は 20Cで 60%、30Cで 50%、40Cで 30%程度となった。 ( 2 ) 太陽電、池単体パネル、ソーラーコレクタ}単体パネノレ、ハイブリッドコレクタ}の比較実験 を行った結果、ハイブリッドコレクターの光電変換効率は単体ノ号ネノレに対してほぼ間等であ ったが、集熱効率は若干の低下が見られた。 0 ( 3 ) 実測に基づいた計算モデ、ノレによる日射最 7 0 0 W / r r f、外気温 25Cで最適集熱温度を採用した場 合のハイブリッドコレクターのエネルギー効率は 42.6%でソーラーコレクタ}単体パネル とほぼ同等であった。一方、エクセノレギー効率は 13.3%であり、太陽電池単体ノ号ネノレ・ソ ーラーコレクター単体パネルよりも高い値を示した。また、熱電比を 2とした場合、ハイブ リッド方式のエネルギ}は単体方式の約1.4 倍となり、約 27%の設置スペースの削減が可 能であると予測される。 本研究の一部l 主文部省科学研究後補助金強悠研究ω(2)N o .0 8 4 0 5 0 3 9“年間醤型車サイクノレを考慮したエネルギー自律型伎喝の実験とその野舗に衡する研究'。野究代表者:J%:膝鉛 によった. 【参考文献1 1 )落磁澄ら:ローエネルギーハウスにおける運転実績とその野儲繍 2報}、空気胸和・衛生工学会北海波支部第 3 2留学術講演会総文集(1 9 9 8 ) 2 )落翻畳ら:ローエネルギーハウスにおける運転実畿とその鰐t 軍 備 2報}、空気腕和・衛生ヱ学会北海道支部第3 2留学術斡演会険文総(1 9 9 8 ) 3 )し 胃 ' .F l o r s c h u e t z:E x te n s i 叩 d 廿 l e 枕e 1 怖 i l l i e Ml l i s s l l o d e lt ot h eA n a l y s i sof加 b i n e dph 。 臼v o l t a i c / l l t e l " l l U l lF l a tP l a t eC o l l e c 加 点h l ! l 'i 昭 t heS 叩 J o i n tC c n f e r e n c e P r o c e e d i n g( I 9 7 6 ), V o ! .6 , P p .7 9-9 2 4 )佐久飽和彦ら:エクセノ岬}理論に基づく太腸光紗吋プ9::11<.パネルの年掬特性、額態論呂、 1 1 3 7 ( 1 9 9 3 )、開7 3 6 7 4 3 0 " -166-