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﹁ 自 分 た ち の つ く り た い 家 を つ く る ﹂ 生 活 を デ ザ イ ン し

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﹁ 自 分 た ち の つ く り た い 家 を つ く る ﹂ 生 活 を デ ザ イ ン し
富
山
県
婦
負
郡
ア
ル
ス
ホ
ー
ム
株
式
会
社
http://www.arshome.co.jp/
生 ﹁
活 自
を
デ 分
ザ
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、 の
暮
ら つ
し
を く
創
り
造
す た
る
集 い
団
家
を
つ
く
る
﹂
TOP RUNNER
富山イノベーションパークの中に、
それは、アトリエ系建築設計事務所が
を明確にしてからプランを行う。
窓から立山連峰が一望に見渡せる、
営業部門と施工部門を持っている会社
"ヒューマンウェア"は、感性、デザインと
一見ハイテク研究センターか美術館
(組織)である。
「前輪が営業力で、後輪
して、
「生活デザイン」
「暮らし方」をカタ
かと見まがう住宅会社のビルがある。
が施工力、エンジンが設計力、そんな
チにする作業と位置づけられている。
モダンな低層アールシーづくりのその
4WD車をつくりたかった」というこの
その上で、
「美しい家を創ろう」という
建物はバックの立山連峰と絶妙のバ
会社、現在57人の社員のうち設計部門
大きな命題を置いている。そこにアルス
ランスを見せている。今回は、設立
に携わる人数は20名と、そのウェイトは
ホーム建築家の質の高い姿勢がある。
4年で110棟以上の一品一生産の注
非常に高い。
また、彼らは、"建築家≒作家+翻訳家"
文住宅会社になり
(現在は13年目)
、
「自分たちのつくりたい家」。それは、
と言う。住み手の思いを翻訳する力と、
毎年のように数々の建築賞を獲得し
住まいの価値の観点から、ハードウェア、
作家としての表現する能力、そこがアルス
てきた、アルスホーム様を紹介する。
ソフトウェア、ヒューマンウェアを、いかに
ホームのエンジンとしての力となっている。
高いレベルでバランスを取るかが勝負で
「もともと私はいろいろ理屈っぽく考える
ある。今の住宅の多くはどれかに偏って
ことが好きなんですよ」
と笑いながらおっ
いる。アルスホームは、このバランスを
しゃる原野社長だが、まさにアルスホーム
見事に成立させた。
は、理屈、理論がしっかりしている。そ
"ハードウェア"では、大空間設計(オープ
れは、同社のホームページを見るとよく
「原野製材」という、業界では全国的に
ンプランニングとアルスホームでは言う)
が
わかる。これだけ住まいへの考え方を
知られた製材所の経営者であった原野
可能になり、しかも、耐震性等、強度も
確立している住宅会社も珍しいだろう。
社長には、ずっと家づくりに対して強い
在来工法の1.5倍となる柱とパネルを一体
思いがあった。
化した壁面ユニットを、自社工場で作る
「自分たちのつくりたい家を
つくろうよ」
「必要以上に飾りたてず、材料の持ち
プレウォール工法を考案した。
アルスホーム独自の社内
用語で進行していく家づくり。
味を充分に活かした住まいこそ長い間
"ソフトウェア"では、
「生活デザイン」
「暮
愛される住宅ではないか」
らし方」を一人一人のお客様について
アルスホームには、独自の社内用語が沢
意を決した原野社長は、平成4年、
「自分
徹底的に追求し
(これをクライアントイン
山ある。営業活動面では、まず「我 が
たちのつくりたい家をつくろう」を合言葉
タビュー
(CI)
と言っている)
、一軒ごとに
に自ら住宅会社をスタートさせた。
一から家作りのコンセプトを立て、テーマ
中庭を見事に配置したプランは同社の特徴の一つ。 中庭に面したガラス窓からはいつも明るい光が降り注ぎます。
理解していただく
「顧客学習」がある。
いる。アルスホームでは、新規客の集客
さらに進むと、
「CI(ク
」 ライアントインタビュー)
は、総合展示場や新しい大規模団地で
となる。そして、
「P1」と呼ばれる一回目
行われる各社共同のリビングフェアを
のプランプレゼンがあり、これが多い
中心に営業しているが、特に、リビング
時は「P5」まで行われる。これが終わ
フェアでのアルスホームの集客力はこれ
ると初めて見積もり提出である。ここ
までは殆どトップであった。それ以外も、
。これは、集客できたお客様は本
社客 」
まで4ヶ月かかる。ただしお客様は顧客
見込み客向けに「サンプルフェア」と呼
当に我社のお客様なのか、営業活動は、
学習段階で、アルスホームに依頼すれ
ばれる完成住宅見学会が、毎月一回は
それを見分けるところから始まる。つまり、
ば、どれくらいの金額になるかは、おお
必ず行われている。
アルスホームがめざす「美しい家」を
よそ見当がついているため、契約まで
お客様と一緒につくることが可能かどう
行くのが7割ほどである。しかし、最近
かを考えるのである。その上で、お客様
では、途中で横取りされてしまうケース
わ
しゃきゃく
アルスホームの家づくりは 3つの機軸をもとに構成される
ハードウェア
プレウォール工法
にアルスホームの考え方、住まいづくりを
アルスホームの
家づくり
ソフトウェア
クライアントインタビュー(CI)
(今回のポイントで詳細を解説)
ヒューマンウェア
「生活デザイン」
「暮らし方」をカタチに。
暮らしや感性が表現されたインテリア空間。
同社のデザインポリシー
「簡素」
「新鮮」
が息づいています。
建ててからが真剣勝負、
社長の入居3ヵ月後全棟訪問。
も出てきた。
「価格は1割安く、プランは
アルスホームと同じにします」
という競合
発足当初から、上棟後の中間検査、完成
である。
「決してハードウェア、ソフトウェア、
検査は、全て社長が行っていた。平成
ヒューマンウェアのバランスがとれた家で
11年のある完成検査の時に、
「本当に
はない。とくにハードに問題のある場合
これでよいのか」
という疑問に思った物
が多いですが、お客様は価格に釣られ
件があった。担当設計者は、
「お客様の
てしまう。
」
と原野社長、その影響は10%
希望だから」
と言ったが、どうしても気に
以上と嘆く。しかし、考え方、コンセプト
なった社長は、お客様が入居されて暫く
のはっきりしたアルスホームの顧客への
後、再び足を運んだ。すると、やはり不
アピール力は、その集客力が物語って
安が的中していた。その時以来、全棟、
代表取締役社長 原野 省三氏
住まいの空気まわり Vol.25
2
TOP RUNNER
入居3ヵ月後に自ら顧客訪問を決めた。
通してなんと立山連峰が一望に見渡せ
3ヵ月後というのには理由がある。入居後
る。まさに最高のシチュエーションにある。
アルスホームらしい
「増改築」事業を
アルスホームに学ぶ
住まいのコンセプトづくり
の後片付けが終わり、日常の生活が行わ
こんな気持ちのよい、見事なミーティング
れだした頃である。
さまざまなよかった所、
ルームはそうないだろう。社長は、
「厨房
アルスホームの住宅は坪単価で言うと
まずかった所等が浮き彫りになる丁度
の見えるレストラン」
をイメージしたと言わ
50万円から55万円。これは、この地方
よいタイミングだという。
「生活デザイン、
れる。オープンキッチンで生き生きと働く
では高級住宅である。他の注文住宅会
家づくりは、まずその家族の生活に合った、住まいのコンセプト
セプトを考えていくこの丁寧なプロセスは、多くのお客様に支持
暮らしということを重視している当社に
スタッフから気持ちのよい挨拶を受け、
社と比べて10万円は高いそうである。
づくりから始まります。顧客の要望に沿った家づくりにとって最も
されています。家づくりのプロセスとして提案したい住宅と、
は、非常に勉強になります。教えられる
和やかな気持ちになられたお客様は、
しかし、このエリアでアルスホームの
重要な作業です。アルスホーム様の、コンセプトづくりのキーに
顧客が求める住宅の接点を考え、具体化するに当たって、是非
ことが毎回一杯ある」とおっしゃるが、
席について、
さらにこの気持ちのよい空間、
めざす50億円の事業目標は今のコンセ
なっているのは「CI(クライアントインタビュー)」です。顧客の
参考にしていただきたいと思います。
殆どのお客様は大変満足して、社長を
眺望に満足されるのであろう。
プトに基づいた新築事業だけでは難し
生活実態を確認し、要望を一つ一つくみ上げながら住宅のコン
今 回 の ポイント
歓待してくれるのが嬉しくてやめられない
い数字だと言う。また、市場は今、大きく
そうである。決して、3ヶ月、6ヶ月、1年後
建て替えから増改築需要に向かってい
点検という型にはまったものではなく、
る。このエリアでもそれは例外ではない。
まさに自分たちのつくりたい家が本当に
一次取得者については今のコンセプト
お客様に受け入れられたのか、真剣勝
事業で十分対応している。しかしアルス
Who ― 動 機 ―
負の場面である。原野社長の「お客様
ホームでは、これまで増改築という需要
家族の要望の優先順位の決定
の嬉しそうな顔を見るまでは毎回緊張で
に対しては、殆ど積極的な取り組みは
・誰の為の家づくりだろう? ・主役は誰?
・我が家はどんな家族なんだろう?
してこなかった。シニアが増え、少人数
一杯です」
とのコメントは、本音だろう。
こうしてアルスホームの家づくりの考え
大きな窓と見晴らしが最高の打合せギャラリー
CI クライアントインタビュー
住まいのコンセプトを決定する手法。
「5W」のヒアリングに沿って家族が望む暮らしを浮き彫りにし、
ライフスタイルを決定する。
我が家の主人公は誰?
世帯が増える中、住まい方が大きく変
方とブランドが、顧客の中に沁み込んで
もちろん、原野社長の「見える化」
という
わっている。それに合わせた増改築需要
Why ― 目 的 ―
いっている。
コンセプトは、建物だけではない。
が今後ますます拡大してくる。
家のデザインコンセプト
(和・洋、2・3階建など)を作る
社員から見た「お客様の見える化」
アルスホームは17年度のスタートを期し
お客様に対する
「会社の見える化」
て、新たにアルスホームならではの増改築
・よそのうちと我が家は何が違うんだろう? ・私達にとって家とはどんな場所?
・どんな家族に育って欲しいんだろう?
・一番こだわりたいのはどこ?
社員が働きがいのもてる
「自己の見える化」
コンセプトを展開するチームの発足を決
常に3つの
「見える化」
が確認されながら、
めた。業界を、そして何より一般のお客
Where ― 現 状 ―
「見える化」をコンセプトにした
立山連峰を望む自社ビル
■ 居どころタイムテーブル
何の為に家をつくるのだろう?
■ 我が家の50年カレンダー
家族はいつもどこに居るんだろう?
富山イノベーションパーク内に立地する
運営されているのがアルスホームなの
様をあっと言わせるような、新しいコン
家のレイアウト、導線決めの判断材料に使用する
アルスホームの自社ビルは、平成12年、
である。
セプトづくりに着手している。
・我が家のライフスタイルを整理してみよう ・くつろぎのスタイルは?
・一家団らんはどこでしている?
・家具や収納はどうしてる?
日経ニューオフィス賞を受賞している。
まるで美術館を想わせる外観デザイン
What ― 目 標 ―
もすばらしいが、計画段階での「見える
我が家にとってなにが大事なんだろう?
Who,Why,Where をふまえた全体の優先順位の決定
化」
というコンセプトが見事である。入る
・できる事とできない事がある ・機能?性能?耐久性?メンテナンス?どの程度?
・何を捨て何を取る?
とすぐ、大きな透明ガラス越しに社長室
が見える。そして、アルスホームの「エン
ジン」
と言われる設計部門の中を通りな
When ― 将来像 ―
がら、一番奥の打合わせ用のギャラリー
将来どんな事が起こるんだろう?
将来の改造・改築を見込んだ付加プランの検討
に向かうと、エンジン部門で働くスタッフ
・いつまでこの家に住むのかな? ・30年後何をしているんだろう?
・家族は将来何になりたい?
・本当の完成は何年後だろう?
の姿が全くオープンになっている。さらに
そのギャラリーからは、大きなガラスを
家づくりのコンセプトを決定
暮らしやすさ・機能の満足
顧客の要望を美しい家(アルスデザイン)に体現
第11回日経ニューオフィス賞の中部通産局長賞、
第29回富山県建築賞に輝いた自社ビル。
3
住まいの空気まわり Vol.25
立地環境や顧客の好みによって一軒一軒さまざまな住まいの表情がつくられます。
今回の「アルスホーム」様の例をベースに御社独自の
「お客様の思いをカタチにする手法」をご検討してみてはいかがでしょうか?
住まいの空気まわり Vol.25
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