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議事要旨(PDF形式:44KB)
デザインをまちづくりに生かすための研究会(第5回) (要旨) 日 時:平成18年9月25日(月) 16:00∼18:00 場 所:神戸商工貿易センタービル26階 第7会議室 (1)シンガポールの視察報告 ○ビボ・シティ: 単なるショッピングセンターではなく、大変グレードの高いテナントがはいる。東洋一の大 きなショッピングセンター。建築は伊東豊雄氏。大変快適な空間。 ○URA(都市再開発局) : 大変精巧な市内の模型ができている。旧市街もいいものは残し、グランドデザインを行って いる。湾内を真水の飲み水に変えようとしている。30 歳代の若い女性が大変重要なポスト に進出している。一般の企業へ行ってもシンガポールは女性の活躍が目立つ。 ○NPARK(国家公園局) : ボタニクガーデン(ラン園)に行った。ちゃんと毎日メンテナンスができている。そのメン テナンスの一つの考えというのは、建国のときから大事にしている。 ○シンガポール・リバーの再開発: ボート・キー、クラーク・キーというところ。この界隈は水上生活者のたまり場であって、 汚いところだったが、最近はレストランが大変沢山あって、夜ともなれば、観光客が来て大 変楽しい場所になっている。海岸線で目立つのが、 「水」と「借景」を利用していること。 古い昔の住宅・建物を新しくリニューアルすることもやっている。 ○デザインシンガポール協会: チーフのミルトン・タン氏と、この上司が先ほどのビボ・シティのチーフであるエドモンド・ チャン氏。今回エドモンド・チャン氏のご好意でいろいろお世話になった。デザインセンタ ーは昔の建物をリニューアルさせて、全部ここにデザイン関係を集約させている。シンガポ ールデザインというのは、ただ単に物の形をデザインするのではなくて、まち、物、生活、 アート、演劇、放送、全部にデザインというものがかかわっているという、そういう説明を 受けた。ICSID世界デザイン会議というのがあり、近々に開催の予定で、そうなるとデ ザインのハブ都市として世界に認められることになる。 ○ビエンナーレのオープニングセレモニー会場: 私たちが合流させてもらったときの写真。後ろに古い建物と新しい建物が見えます。 ○シンガポールの戦略: 国際都市、ナレッジキャピタルとしての成功を願っている。世界からの集客を望んでいる。 市民の生活の質の向上。一般国民は 120 ㎡の住宅、家賃約3万円ぐらい。まちちがきれい でも、暮らしぶりがよくなければ、ダメ。 見本市のハブ、コンテナのハブ、空港のハブ、国際会議、芸術のビエンナーレ、みんな国際 間で取り合いしている。アジアでは、ソウル、台北、高雄、シンガポール、自分のハブは何 なのかということを一生懸命やっている。例えば、上海は大阪の見本市をほとんど取ってし まった。東京の見本市も上海に随分取られている。世界の都市はハブの取りっこをしている。 アジアは、日本にあるものをねらい撃ちしている。本当にこれは大きな問題だと思う。 また、BMW、フィリップスのデザイン室も誘致し、京都大学の伊藤教授の研究室も誘致し ている。まちの活力で合法的に何か集めてきているというのが大変印象的。このようにして、 自分たちがアジア、世界のハブにならなければいけないという考え方があり、それがまちづ くりの原点になっている。その結果、人々がこころ豊かな暮らしができるまち、アート、経 済の糧をまちづくりの総合デザインからやろうとしている。 (2)シンガポールについての意見 ○シンガポールは、想像を超えた「ビジョナリーカントリー」 。40 年で、何もないところから これだけのものをつくるのは一体何をどうしたのか、いろいろ興味を持った。 リー・クワンユーの圧倒的なビジョンとリーダーシップの賜。また、美しいまちをつくるた めには「緑」が大切である。緑というものは何十年という長期のスパンで見て、時間の経過 とともに進化していくことがプログラミングされていることを感じた。 ○百数十年前、神戸の居留地は世界一美しい租界と呼ばれたと、ラフカディオ・ハーンが書い ている。40 年まえどころか、百数十年も前から、そういうすばらしい場所に私たちはいて、 そのことを次のこれから何十年後か何百年後かの神戸にどう生かしていけるかというふう に考えればいい。 ○神戸では、シンガポールにないもの、日本の他都市、海外の都市にないものをたくさん持っ ている。そのリソースをどうやって生かしていければ良いかである。環境と文化、そこから 生まれる経済とかという点でも、 「アーバンリゾート」というコンセプトは、まさに未来的 なコンセプトであった。 ○デザイン面というよりは、戦略が大胆ですばらしい。これは、信頼される独裁者がいたとい うことだと思う。それから大富豪がいるということは神戸と大違いの点。 ○シンガポールは投資した分が返ってくるまち。今まで香港に拠点を置いていたところがシン ガポールに拠点を移して、アジアパシフィックのほうの拠点はシンガポールとなってきてい る。 ○シンガポールの一番の印象は、いいとこ取り、その辺のうまさ、巧みさに感心した。 また、英語を公用語にしたことが国際的な都市としての位置づけに近づく一番のステップで、 神戸も、そういうことを実践していくような先進的な地域であってほしい。それは5年、10 年後には必ず資産として、国際都市となる。 ○私が一番考えたのは、危機感というもの。やはりシンガポールというのは、水の問題があり、 そこの中で真水化しようということも含めて、資源がない国の中で大変な危機感を国民が共 有していて、それをリーダーがうまくやっている、こういうことだと思う。 ○シンガポールで印象に残ったことは、目的の設定の仕方がすごく明確だったということ。経 済発展のためにデザインを手段として使うというスタイルを明確にしている。神戸は、経済 的発展が今、順調にいっていないということが大前提なので、そのためにはどうしたらいい かということをもう一度考える必要がある。 ○シンガポールは都市国家で、日本のような3層構造でない。なおかつ公務員の位置が非常に 高く、高給でそのかわり仕事をさせたらいいんだという考え方がある。一方で民間との区別 が余りない、公務員でありながら民間の仕事もしている。そこは経済発展のためにやってい るということを感じた。 ○メンテナンスに力を入れているということ。その根底は、経済力、活力が非常にあり、経済 成長が年6∼7%でいまだに伸びているから、メンテに投資することの効果がある意味はっ きりしている。まちがきれいであればどうだというところがはっきりしている。日本の場合、 神戸の場合、例えばハードをやっても、メンテすることの価値が見出されていない。 ○もう少しアッパーなゾーン、よりよいものを提供するんだと。洗練された環境ということが 結構重要だということをシンガポールでは感じた。実行するためには、相当強いリーダーシ ップ、諮問機関設置をやらないと、調整するのにエネルギーを費やされすぎているのかなと いう感じがした。 ○シンガポールが「デザイン」と言い始めたのは最近。一度デザインセンターをつくって大失 敗した。それは、デザインのためのデザインみたいなことになったから。近年中国、ヨーロ ッパ、アジアの多くが、 「デザイン」を国家プロジェクトのキーワードに入れた。 ○シンガポールというのは、もともと何もない国。経済的発展をしないと生き残れない。その 点では、フィンランドに似ている。そこで大事なことは、知恵を働かせて外国にないものを つくり出していくこと。 シンガポールの場合、世界のトップレベルのものをシンガポールの中に持ち込んで、観光、 医療、大学にしてもトップのものをつくっていこうとしている。都市国家で、独裁的にリー ドしてきたが、インテリゲンチャがみんな外に出ていって、リ・クワンユーは演説のときに 涙を流して、これだけ立派な国をつくろうとしているのに、どうしてインテリゲンチャが、 外国に行ってしまうのかということが悲しいというので、あいさつされたのを今でも思い出 す。 ○シンガポールは、都市のブランド戦略として学ぶべきところが非常に多いが、行政システム が全く違うところから、光と影の部分があって、光の部分については多いに学ぶべきである と思うが、影の部分もある。 (3)デザインを生かしたまちづくりに関する意見など ○神戸に昔の空港計画で、空港ができていたらどうなったか。神戸のまちはもっともっと海の ほうも、空のほうも含めて大変な優位性を持ってたと思う。そこに至らなかった神戸市民も しくは神戸の行政、政治家すべてを含めて、そういう面では過去に大きな失敗を繰り返して きた。そうならば、今回、神戸は幸か不幸か震災 11 年をしてまちづくりをしていくという 意味においては、震災前と比べたら、グランドデザインというものをしっかりと持てば、可 能性があるのじゃないかと思っている。 ○神戸コレクションを見たが、6,000 人の若い男女を集客している。そのうちの7割が地方 から来ている、内容も本当にいいコレクションをやっていた。あれだけ神戸にあこがれる人 たちがいるということも、大事すべきと思う。 ○森林植物園、外国人墓地、ハーブ園、これらは良いものをもっている。あの樹木を 10 万本 ぐらい港に持ってくることができないか。運河を真水にすることを考えたら、そんなことは 大したことではないと思う。 ○ジェノバに行って、道路の地下化を見てきたが、大したことはない。200 メートルちょっ とぐらいの地下化だが、ものすごく効果的。港の持っている施設も大したものではない。や り方によっては、神戸でも可能性があると感じた。 ○神戸市立博物館の隣に民間の商業ビルの計画があるが、ワンフロアぐらいは博物館と何らか の関連性のあるものにしてもらえないか。そのかわり、ある程度の高さ制限を緩和しますよ とかできないのか。パリにモネを代表にしたオーランジュリーやアフリカをテーマにした美 術館ができたが、 「文化」というものをしっかりとテーマにすると、相当の集客力も持って いるし、神戸は改めて可能性があると感じた。 ○博物館はいい場所に建物があるのに、未だ活用されていない。もう少しグレードアップして、 博物館の展示物を見なくてもレストランでご飯が食べられるだとか、もっと美術の新しいも のを持ってくるとかしないとだめじゃないかなと思う。 ○美術館の中にしゃれたレストランとか喫茶店というのは、重要。ちょっとおしゃれしてそこ に行って、食事して、美術館を見てという、それをセットにしないとだめ。 ○神戸の場合は、ビボ・シティのようなまちをつくらなくても、居留地、中華街、トアロード、 北野がある。それを一くくりにしてデザイン化していくと、つくらなくても神戸はあるのじ ゃないかなというふうに思う。 ○それぞれのまちの個性を生かしながら、大きく見たら中心街という考え方で、そこのまちま ちをつなげるのが、アート。今度のビエンナーレなんかはすごくいい機会だが、もっと大き なビジョンで考えないといけない。まちを意識して、そこにアートをどう生かしていくのか を入れないと、神戸がやる意味がないので少し残念である。 ○神戸は昔からあるもの、自然、山が海に近くて、気候も温暖、空港もできたので、もう少し プロデュースのリーダーシップをとれば、うまくいく。 ○神戸のいいところは、山から海に歩いていける距離にまちが固まっているということだが、 邪魔しているのは国道2号線、それをなくして、北野のところからずっと歩いて海に渡って いく、1日かけて散歩しながら、景色も変わっていくし、お店も変わっていくし、レストラ ンもいろいろ点在しているしという、そういうまちになればすてきかなというふうに思った。 ○言いにくいことだが、高所得者層が神戸に住みたいと思うことが、企業が神戸でビジネスを やるということにメリットがあることになれば、それの経済的効果がまちに落ちてくる。結 局は居心地のよいところ、大衆的な「居心地がいい」ではなくて、洗練された環境があると。 住んでいて気持ちがいいんだということが、すごく重要である。シンガポールのまちは、神 戸ほど自然の優位性が多分低かったがために、それを自分たちで人的にその環境のよさをつ くることで資本の誘致をやろうと。それがある程度の結果が出てき出したので、そこにさら なる強化を図っていく段階になっている。 ○我々は今、何もないことについて本当に真剣に考えていない。大震災を契機にして、何もな い状態に追い込まれて、いまだにまだおくれた状態で経済的には生きていかなくちゃならな い状況を続けている。そこで、ここから何とかしなくちゃならないという意識を神戸市民全 体が持てるような状況ができているのかというと、そこまでいっていないように思う。それ をいかにして確立するかが大事で、新しいものをつけ加えていこうというときに、 「せめて アジアの中でここにしかない」という形のものをつくり出していく、そういうデザインのつ くり方を考えないと、グローバリゼーションの中では、生き残れない。 ○神戸がやろうとしている行政スタイルとどうマッチするのかということについては、かなり 気を使って説明をできるようにしておかなければいけない。一口で言うと「参画と協働のま ちづくり」ということ。これは、トップアップすることの意味が、結局は全体を上げるとい うことをどういうふうに丁寧に説明し得るかというところにかかってくると思う。参画と協 働はそのことを否定してはいないが、少し気になる。 ○「参画と協働」というのは、公を生み出そうとする新しい「公(パブリック) 」の概念。要 するに「官」=「公」というこれまでのパブリックの概念ではとても持たない。市民も企業 も含めて新しい「公」の概念を生み出す作業なんだと理解している。 ○この「 「デザイン」を生かしたまち」というのは何のためということでいうと、都市のアイ デンティティ、要するに「神戸らしさ」を再構築する、あるいは再創造する、そのためにデ ザインを生かしていくことに尽きる。要するに、神戸がかつての神戸じゃなくて、神戸の持 っているアイデンティティを再創造する、そのことが、このデザインを生かしたまちづくり を何のためにするのかと、この文脈の中で私はやはりこの研究会の成果というのはまとめて いくべきだろうと思う。 ○一つは、市民に向けて「生活デザイン」という視点からどういうことを我々は提言すること ができるんだろうかということ。 二つ目が、神戸に立地する、あるいは神戸に立地しようとする企業活動をする人たちにどう いうメッセージが送れるのか、 三つ目が、都市デザイン、環境デザインである。 どうしても最後の都市のデザインのことについて、やはり市民に対してデザインを生かした まちづくりとなるのは、 「生活デザイン」であり、衣食住、いろいろの側面があると思う。 おいしいレストランとか、ハイグレードな領域のものと、一方で、これは 2010 年ビジョ ンの中にもある食育のような、いかにして健康になるか、あるいは子どもを育てる、そのよ うなこととしてのことも、実は生活デザインというのはその両方を包含したような形で市民 に提言できないと、やはりこれは十分に理解が得られないだろうということ。 それから、プロダクトデザイン、コーポレートデザインの部分で企業価値を高める。これは、 神戸に立地する企業にどういうメッセージを、 「デザインを生かしたまち」というのはどう いうことなんだということを伝えられるかなというのも、この研究会として訴えていくのか ということ。 そういうものが縦に「生活デザイン」 、 「プロダクトデザイン」 、 「コーポレートデザイン」と、 それが都市デザインとして3つあるとしたら、横には、 「人づくり」 、 「場づくり」 、 「仕掛け づくり」と3つぐらいあると思う。 「人づくり」の中では、特に専門家をどういうふうにして活用していくのか、人材をいかに して活用していくのか、そういう人たちをどういうふうにして結集していくのかということ が一つ。それから、教育という意味で新しい人材を育てていくということは、もちろん入っ てくる。 「場づくり」というのは、制度をこうするとか何とかというところに一足飛びにはいかない。 場づくりというのは、プラットホームづくりだと思う。自由に話ができるようなプラットホ ームをつくっていく。これはもう役所の中じゃないほうがいいと思いますが、そういうこと をぜひ実現してほしい。 「仕掛けづくり」については、デザイン審査とか、いろんなものがあると思う。それはかな り行政に負うところが大きいと思うが、 「人づくり」 、 「場づくり」 、 「仕掛けづくり」の側面 について具体的に、これまでのアイデアがどの升目に入るのかということも含めて整理して みたらどうかなと思う。 ○大震災で大事な基本的なテーマがあるということを確認させられた。それは「安全・安心」 の社会づくりあるいは国づくりをしておかないといけないということ。 市民にとって一番大事なのは、本当は「幸せ」ということだろうと思う。幸せの問題は、所 得とは別に、思いやりとか、コミュニティづくりのようなものを、本当の意味で思いやりを 広げていけるような仕組みをどうつくっていくかということで、非常に大事なポイント。 ○先ほどジェノバの地下道の話が出たが、 「ひょうご創生研究会」でも話題になった。 「神戸で ないとやれない」ということが言えるというのは、震災が一つの非常に重要な条件になって いるから、そこで出てきたものというのは、これから本当に生かしていって、こんな苦しみ を経験したものでないとこれはやれないということが言える。 ○企業の活動の場合というのは、やり方によっては1年後、2年後にはちゃんとみんながびっ くりするようなものをつくれる可能性がある。食器のデザインもその中の一つかもしれない。 ○過去にデザインという話をしたときに、本当にありとあらゆるところで理解されなかった経 験を持っているが、今日皆さんがデザインというものに対して理解をどんどんと深められて きたことに対して、本当に驚いている。 ○機能性、エコロジー、経済性、思いやり、歴史的なこと、いろいろの要素の交差するところ に「デザイン」という言葉がある。そのどこでバランスをとるのかということ。神戸という ところでのそのデザインというと、バランスは何なのか、それを私たちは「デザイン」と呼 んでいると思う。 「経済」 、 「芸術」 、 「アクセス」 、 「自然」 、それから市民の暮らしの中で、 「デ ザイン」という言葉を、私たち一人一人がもしかしたら違う意味合いの言葉として受け取っ ている可能性があるので、意思の疎通をしっかりしておく必要があると感じた。 ○デザインの中に「経済」の視点を取り入れるということ。経済というのは、要するに限られ た資源を有効に生かして幸せを創造していく視点である。もう一つは、都市経営、まちづく りを考えていくときに、弱さ、弱点、それが今までの議論の中になかった。やはり弱点をど う克服していくかということの戦略なくして、よさを伸ばしていく力はないと思う。 ○都市デザインというものは、集約すればグランドデザインということになるのではないか。 震災後 10 年たったが、若い世代にしても先行き暗く考えている者が多かったり、自信がな いのが多いので、ぜひともこういったすばらしいグランドデザインを利用して、若手の商業 者の集まりや各方面の若手のネットワークを通じてご協力できればと思った。 ○私が大変頼もしいと思っているのは、神戸には、 「デザインを生かしたまちづくりに関する 新たな動き」で、 「新しいリーダーの登場」 、 「新しい産業クラスターの創成」 、 「デザインを 生かしたものづくり」 、 「地域に誇りを持てる取組」が取り上げられている点。例えば、新し いリーダーの登場のところでは、デザインエクセレントカンパニー賞をもらわれた3つの企 業、地域に誇りを持てる取組では、北野ユニバーサルデザイン、これ以外に、C.A.Pの動 き、竹中ナミさんのプロップステーション、東野陽子さんの楽団「あぶあぶあ」のようなほ かにないようなユニークな試みをやっている人々が集まっている都市だと、そういう意味で は、ほかにないデザインを持ったまちだということだけは間違いないと思う。そういうもの が出てくるまちだから、本当の意味でクリエイティブシティのデザインの書き方をしていけ ば、きっと何かの役に立つ委員会の提案ができると思う。 (4)その他 ●ユニバーサルデザインの取組 北野町の取組とパンフレットを紹介。サインも、こういう絵文字(ピクトグラム)を使って いる。もう一つは、インフォラータ、それと、パリのモンマルトル地区と友好提携している ということを書いて、北野町の広場に張っている。1万部作成。 ●デザインの入札制度について 配布したリーフレットは、公共建築がいかに設計選定について入札というのがおかしいかと いうことを、この見開きのところに書いてある。安いデザインのやつがいいなんていうのは、 もうデザイン都市なんて言えないというのが、丁寧に書いてある。 設計入札以外の選定の方法があるということで、能力のある設計者を時間をかけて選定して いくよう、選定方法には、選定委員会の推薦、設計競技方式(コンペティション) 、プロポ ーザル方式、資質評価方式、各種技術提案等による総合評価システムをあげている。こうい うものについて、建築5団体あるいは建築学会もそれの内部の立ち上げについて支援をいた しますということを申し上げている。