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ひだまり - 滋賀県

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ひだまり - 滋賀県
中学生の保護者の方へ
ひだまり
平成28年度版
こんにちは!県警マスコットの「けいたくん」です。
あなたは、非行防止や被害防止について、お子さんと話し合ったこ
とがありますか?
この冊子は、非行防止や被害防止等について親子でしっかり向き
合って共に考えてほしいという願いを込めて作成しました。
お子さんが持ち帰った「あじさい」を開いて、お子さんがどのよう
に感じているのかを知り、この機会に社会のルール、非行防止、被害
防止等について共に考え、話し合ってみましょう。
けいたくん
タイトルの「ひだまり」は、保護者のみなさまが、お子さんにとって
心安らぐあたたかい場所となってほしいとの願いが込められています。
「非行少年を生まない社会づくり」を推進中です!
少年非行の背景には、
● 少年自身の規範意識の低下とコミュニケーション能力の不足
● 家庭、地域社会の教育機能の低下
● 少年が居場所を見出せず、孤立化し、或いは疎外感を抱いている
等の問題があげられます。
非行少年を生まない社会をつくるためには、地域社会の絆を深め、少年が孤
立し、
非行に走ることのないよう、地域社会全体で少年を見守る気運を醸成して
いく必要があります。そのためには、社会全体として少年の特性や非行に走る要
因・背景等について理解を深め、厳しくも暖かい目で少年を見守り、少年に対し
て、身の回りには常に自分のことを気にかけている「大人の目」があることを伝
えていくことが大切です。
親の背中を見て子は育つ、子は親の鏡、あなたの生きる姿がお子さ
んにとって何よりの手本となるでしょう。
まずは、家庭の中でしっかりとお子さんと
向き合ってみましょう。
滋 賀 県 警 察 本 部 少 年 課
法やルールの大切さを再確認しましょう!
社会は様々な立場でいろいろな考え方を持った人が集まってできていま
す。だからお互い法やルールを守るということが大切であり、社会は様々
な約束で成り立っています。また、野球やサッカーなどのスポーツもルー
ルがあるからこそ素晴らしい感動が生まれるのです。
この機会にお子さんと、あいさつの大切さ、ルールを守ることの大切さ、
約束の大切さなどについて話し合いましょう。
夜間の外出はとても危険です!
滋賀県の青少年健全育成条例で、青少年の深夜(午後11時~午前5時)の
外出が制限されています。これは、子供を悪の誘惑や被害から守るためです。
夜間は、人目が少ないため、性犯罪などの犯罪が発生しやすく、非行の歯止
めが効きにくくなるケースもあります。
また、交通事故の危険性も大きくなります。
昨年、大阪府内で女子中学生やその同級生が遺体で発見される事件が発生
し、中学生らは、被害にあう前、深夜に街中をはいかいしていたことがうかが
われます。お子さんを非行や被害から守るため、夜間に外出させないよう注意
しましょう。
滋賀県の中学生の非行の現状は?
全国では少年非行が年々減少しており、滋賀県においても減少傾向にあります。平成27年中に刑法犯に
より検挙補導された中学生は226人で、平成26年に比べ減少しているものの、中学生が刑法犯少年の約
40%を占め、中でも万引きで検挙補導される中学生の割合が多くなっています。
深夜はいかいや喫煙などの不良行為をしたとして補導された中学生は、1,631人で前年に比べ減少して
います。行為別では、深夜はいかい、喫煙、怠学の順に多くなっています。また、校内暴力事件で54人の
少年を検挙補導していますが、約80%が中学生という現状です。
イジメやトラブルからお子さんを守るために!
イジメとされるこのような行為は犯罪です!
殴る、蹴る、突き飛ばす、叩く、
髪の毛を引っ張るなど
暴行罪
殴る、蹴る、叩くなどの暴行を
して怪我をさせるなど
傷害罪
人のお金をとる、人の持ち物
を隠すなど
窃盗罪
人の持ち物をわざと壊す、人の
ノートに落書きをするなど
器物損壊罪
強要罪
侮辱罪、名誉毀損罪
嫌な事を無理矢理させるなど
みんなの前で悪口を言うなど
このような行為は刑法により罰せられます。
イジメとされる行為は、犯罪に該当するものばかりで、イ
ジメの被害に大きいも小さいもありません。被害者にとって
は、どんなイジメもとても辛いものであるということを理解
させ、イジメを絶対にしないという気持ちを持たせましょう。
また、イジメや友達同士のトラブルは、命に関わるような
重大な結果につながる危険性もあります。イジメの被害やト
ラブルに巻き込まれ、一人で抱え込んでしまうと解決が難し
くなります。家族や先生等に相談することは、告げ口でもな
く、卑怯なことでもないことを認識させ、一刻でも早く相談
することの大切さを教えましょう。子供は、話していいこと
を知り、聴いてくれる人がいて話しだすことができるのです。
みんなでイジメをなくそう!
本気でやればたいていのことはできると思うんだ!
万引きで検挙補導された中学生は72人!
「ちょっとくらいなら」
「見つか
らなければ」といった気持ちか
ら万引きをする子供がいます。
平成27年中に万引きで検挙
補 導 され た 少 年 は191人 で、
うち 中 学 生 は72人 に の ぼり、
前年より減少していますが、学
職別では中学生が全体の約
38%を占めています。
それくらいわかっているだろう・・・と大人が思ってい
ることも実際には理解されていないことが多いのです。
お店の商品を盗むことは、
「窃盗」という犯罪行為です。
そして商品には持ち主がいます。被害にあったときの被
害者の気持ちを考えさせましょう。
万引き、自転車盗、オートバイ盗といった犯罪は、初
発型非行とよばれ、繰り返すことにより罪悪感が麻痺(ま
ひ)し、大きな犯罪への入口となってしまうのです。
危険ドラッグは、死や人格崩壊につながります!
近年、お香、ハーブ、入浴剤などに見せかけて販売されている薬物があり、これらは、
「危険ドラッグ」と
呼ばれており、若者へのまん延が懸念されているところです。
この危険ドラッグを使用したことにより、死に至っ
たり、重大な犯罪や交通事故を引き起こすなど大きな問題となっています。
危険ドラッグは、お香やハーブなどに化学合成をした薬品を混ぜた薬物で、覚せい剤や麻
薬などと同様に危険なものです。使用するとどんな影響がでるのかわからず、これまで意識
障害、けいれん、呼吸困難、脳の機能障害などの症状が起こっており、死や人格崩壊につ
ながってしまいます。絶対手にしないよう、お子さんに注意を促してください。
インターネットの危険性を再認識しましょう!
スマートフォン等の普及により、子供たちは、いつでもどこでもインターネットにつなぐことができる環境の
中にあります。インターネットは、趣味が広がったり、生活を便利にしたりする一方で、個人情報が悪用され
たり、最近では特に「交流サイト」を介した性犯罪被害や児童ポルノ被害などの犯罪被害が社会問題となっ
ています。また、安易なネット投稿が犯罪に繋がるケースもあり、注意が必要となっています。
平成27年中、出会い系以外の「交流サイト」を使って性犯罪などの被害にあった18歳未満の
子供は、全国で1,652人で、統計を取り始めた平成20年以降最多となりました。被害にあった
子供のうち、スマートフォン利用は約8割になっており、スマートフォンの普及に伴い、被害に遭
う危険性が増しているということを再認識し、その危険性を十分お子さんに説明してください。
「交流サイト」
とは?
インターネット上で会員同士の交流を目的とするフェイスブック、ミクシィなどのソーシャルネット
ワーキングサービス(SNS)や、LINE、カカオトークなどの無料通話アプリのことです。
インターネットを介した犯罪被害・非行の一例
携帯音楽プレーヤーやゲーム機にも要注意・・・
女子中学生は、GPS機能と連動し近くにいる異性を検索できる
アプリを使用して、一度だけのつもりで男と会い、現金と引き換え
にわいせつな行為をされた。その後「学校に援助交際したことを通
報されたくなかったら、もう一度会おう」などと面会を要求された。
家出少女は狙われる・・・
親とけんかをした女子中学生は、宿泊場所の提供を求めコミュ
ニティサイトに書き込んだところ、車で迎えに来た男から家出を
するようそそのかされ、そのまま男の家に連れて行かれた。
多くの人の注目を浴びたくて・・・
少年は、スーパーの店内において、パンや菓子の包装紙にいた
ずらをする様子を撮影し、動画投稿サイトに投稿した。投稿した
動画に対する反響などを見て、自分を英雄視していた。
子供が誘うのも犯罪・・・
女子高校生は、インターネットの出会い系サイトに自分の年齢
や容ぼうを記載し、
「買い物や映画に連れて行ってほしい。お小
遣いをもらいたい。
」などと書き込み、金品を受け取ることを示
して人と児童との異性交際の相手方となるように誘因した。
インターネット上で知り
合った相手と実社会で会う
と深刻な被害につながるこ
とがあります。ネットのや
りとりだけでは、本当の素
性は分かりません。
宿泊場所の提供を受ける
見返りは大きく、犯罪の被
害者となる可能性がありま
す。子供ときちんと向き合
うことが大切です。
誤った自己顕示欲による
安易なネット投稿が、業務
妨害罪につながることがあ
ります。
出会い系サイトに異性を
誘う書き込みをすること
は、子供であっても違法で
す。出会い系サイト規制法
違反です!
子供をインターネットの被害から守るため、保護者ができる5つのポイント!
①
②
③
④
⑤
子供にインターネットや交流サイトの危険性を伝える。
子供に「インターネット5つの約束」を守らせる。
子供とコミュニケーションをとり、ネットの利用実態を把握する。
トラブルに巻き込まれそうになったら、警察に相談する。
有害サイトの閲覧を制限するフィルタリング機能を利用させる。
フィルタリングを必ず利用しましょう!
子供を守る手段として安全なインターネット環境を提供するのは大人の責任です。被害にあった子供の多く
はフィルタリングを利用していませんでした。お子さんを守るために、携帯電話やスマートフォンに対する正
しい知識を身につけ、お子さんが使う携帯電話やスマートフォン等には必ずフィルタリングを設定しましょう。
インターネットへの接続やアプリの利用が可能なのは、携帯電話やスマートフォンだけではなく、実はゲー
ム機や音楽プレーヤーの中にも可能なものがあります。それぞれに対応するフィルタリングを設定した上、
子供が利用するアプリやソフトを保護者が管理することが必要です。
従来型の携帯電話は1、スマートフォンは1~3に対応するフィルタリングが必要!
① 携帯電話回線による接続!
インターネット
フィルタリング
② 無線LAN回線による接続!
フィルタリング
③ アプリによる接続!
フィルタリング
①のフィルタリング
②のフィルタリング
③のフィルタリング
従来型の携帯電話・スマートフォン
の両方に必要です。
スマートフォンに必要です。
スマートフォンに必要です。不適切
なアプリの起動を制限します。
※ ③のフィルタリング(アプリフィルタリング)のサービスがないスマートフォンは、保護者のパスワード管理により、アプリの利用を制限する必要があります。
青少年インターネット環境整備法により、保護者には、18歳未満の子供に使用させるために携帯電話やスマートフォ
ンを購入する場合に、携帯電話会社にその旨を伝える義務があります。
子供にとって本当に必要なサイトやアプリがある場合には、サイトやアプリの利用を個別に許可できるフィルタリング
のカスタマイズサービスを利用し、フィルタリングは解除しないようにしましょう。
アプリの中には、ウィルスが仕込まれたものが流通しており、個人情報の流出により、子供がトラブルや犯罪にあうお
それがあります。パソコンと同様、ウィルス対策ソフトの利用が必要です。
~ 保護者のみなさまへ ~
保護者の皆様は、お子さんの健やかな成長を願って、毎日、一生懸命子育てされている
ことと思います。現在の子供たちは、インターネット社会に育っており、少子化や人間関係
の希薄化等を背景として、取り巻く社会環境は以前と大きく変わってきています。
将来を担うお子さんが豊かな人間性をはぐくみ、規範意識をしっかり
と身につけ、非行に走ったり、被害にあうことなく健やかに成長し、ひとりだちしていく
ことは、保護者だけでなく、社会全体の願いです。
それには、保護者をはじめとして周りの大人全員が、子供たちの手本となるような道
徳観、遵法精神を身につけて示すことが必要であるということも、まずもって再認識し
たいものです。
このパンフレットが、非行防止や被害防止等について家族で話し合うことができるひ
とつのきっかけになればと思います。
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