Comments
Description
Transcript
「特別支援教育に関する研究【2】」[PDF文書]
平成26年度(2014年度) 特別支援教育に関する研究Ⅱ 身体の動きにぎこちなさがある子どもへの理解と指導に関する研究 -小学校における作業療法士との連携を通して- キーワード 目 身体の動きのぎこちなさ 教師の気付き 身体面の課題チェックシート 身体つくりの実践 関係機関との連携 作業療法士 次 研究の要旨 Ⅴ 研究の進め方 ·················· Ⅰ 主題設定の理由 ················ (1) 1 研究の方法 ·················· Ⅱ 研究の目標 ···················· (1) 2 研究の経過 ·················· Ⅲ 研究の仮説 ···················· (1) Ⅵ 研究の内容とその成果 ·········· Ⅳ 研究についての基本的な考え方 ·· (1) 1 教員対象の実態把握調査 ······ 1 「身体面の課題」の指導の必要性 2 「身体面の課題」の実態把握 ·· について ···················· (1) 3 小学校知的障害特別支援学級に 2 小学校の特別支援学級在籍児童 おける取組 ·················· への実践について ············ (2) 4 作業療法士との連携について ···· 3 教員対象の実態把握調査につい 5 関係機関との連携方法と実践の て ·························· (2) 継続の必要性について ········ 4 小学校と関係機関との連携につ Ⅵ 研究のまとめと今後の課題 ······ いて·························· 小学校と関係機関との連携について (2) 1 研究から明らかになったこと ···· 5 「身体面の課題チェックシート活 2 今後の課題 ·················· 用の手引き・実践事例集」の作成 文 献 について ···················· (2) 滋賀県総合教育センター 武 田 博 史 (3) (3) (3) (3) (3) (5) (7) (11) (11) (12) (12) (12) 概要版 平成26年度(2014年度) 特別支援教育に関する研究Ⅱ 身体の動きにぎこちなさがある子どもへの理解と指導に関する研究 -小学校における作業療法士との連携を通して- 研究員 武 田 博 史 研究の背景 「身体面の課題」に対する指導方法がわからない 小学校には「身体の動きのぎこちなさが目立つ」児童生徒が在籍しているが、改善に向け た実態把握や具体的な指導の方法を学級担任が把握できていない現状がある。そこで、有効 な実態把握の手段や指導方法を構築していく必要がある。 目 的 教師が気付き、指導につなげる方法の探求 児童の「身体の動きのぎこちなさ」などの「身体面の課題」について、作業療法士との連携を 通して、その実態把握の方法と有効な指導方法のあり方を探る。 研究の方法と概要 研究対象 1 児童の実態把握をもとに「身体面の課題」改善に向けた実践につなげる 小学校知的障害特別支援学級 教員対象の実態把握調査 教員の意識、指導内容、関係機関との連携の実態を把握する。 2 対象学級児童の「身体面の課題」の実態把握 「身体面の課題チェックシート」を作成し、実施することで児童の「身体面の課題」 を把握する。実態把握をもとに作成した実践の 動画分析、研究協議によって児童の「身 体面の課題」の理解を深め、実態把握を充実させる。 3 生活単元学習「○○組、運動会をしよう」の実践 児童の実態と課題をもとに、動作の基礎となる「姿勢の保持力」「身体のバランス力」「手 指の巧緻性」「身体の使い方の工夫」の向上を目指した「身体つくりの実践」に取り組んだ。 トランポリン、スクーターボード、タオル相撲の学習に「身体を大きく使い」「楽しみなが ら」「継続して」活動することを目標に取り組んだ。 4 作業療法士との連携 児童の実態把握、有効な指導方法、指導後の評価についての助言を得るなど、作業療 法士との連携を図った。 成 果 「身体面の課題」の改善には実態把握にもとづく「身体つくりの実践」が有効 ・「身体面の課題チェックシート」は、児童の様子から「身体面の課題」に気付くことにつな がり、実態把握の方法として有効である。また、作業療法士から専門的な視点の助言を得る ことは、学校では気付きにくかった「身体面の課題」理解の観点が加わり、児童の実態 把握や実践を充実させることに有効である。 ・動作の基礎となる「姿勢の保持力」 「身体のバランス力」「手指の巧緻性」「身体の使い方」 を向上させる、「身体つくりの実践」に継続して取り組むことが、「身体面の課題」の改善に 有効である。 特別支援教育に関する研究Ⅱ 平成26年度(2014年度) 特別支援教育に関する研究Ⅱ 研究構造図 順位 指導内容 割合 1 2 3 4 5 6 コミュニケーション 日常生活の指導 心理的な安定 国語 算数 身体の動き・体育 18% 17% 15% 15% 12% 7% 特別支援教育に関する研究Ⅱ 「身体つくりの実践」 研究紀要8ページ参照 両手で交互にたぐる 姿勢保持の力を高める スクーターボード 握力を付ける 児童の課題に合わせて長さや幅を変えてコンパネで作りました 身体の使いこなしや バランス力を付ける 全身を使った活動 全身を協調させる活動 トランポリン 「見る」ための 姿勢を作る バランス力や バ リズム感を高める タオル相撲 バランス力を高める 握力を付ける 姿勢保持の力を高める 特別支援教育に関する研究Ⅱ 特別支援教育に関する研究Ⅱ 身体の動きにぎこちなさがある子どもへの理解と指導に関する研究 -小学校における作業療法士との連携を通して- Ⅰ 主 題 設 定 の 理 由 平成26年度の滋賀県教育委員会からの報告1)では、小・中学校には発達障害により特別な教育的支援 を受ける必要があると思われる児童生徒が8.72%在籍しているとされている。また、特別支援学級在籍 児童は2.33%で、これらの児童生徒の多くに運動機能に影響を与える麻痺などがないにも関わらず、粗 大運動のぎこちなさがあったり、手指の巧緻動作に問題を抱えたりする児童生徒が在籍していることが 推測される。 滋賀県総合教育センターでは昨年度に小学校、一昨年度に中学校の通常学級を対象とした「特別支援 教育の手法を取り入れた授業づくりの研究」に取り組んだ。その中で学級担任が「身体の動きのぎこち なさが目立つ」などの「身体面の課題」があることに気付いているが、具体的な指導方法を把握できて いない現状があり、小・中学校で「身体面の課題」の改善に向けた有効な指導方法について研究してい く必要があると指摘されている。 そこで、本研究では「身体の動きのぎこちなさ」があり、手指を使った「巧緻動作」を苦手とする児 童が多く在籍すると考えられる小学校の特別支援学級の児童を対象として有効な指導について研究す る。この際、発達障害児の日常動作や運動面の改善に向けた治療の経験がある作業療法士からの助言を 得ることで、児童の「身体面の課題」改善に向けた指導が充実すると考え、本主題を設定した。 Ⅱ 研 究 の 目 標 小学校の特別支援学級に在籍する児童の「身体の動きのぎこちなさ」などの「身体面の課題」につい て、作業療法士との連携を通して、その実態把握の方法と有効な指導方法のあり方を探る。 Ⅲ 研 究 の 仮 説 小学校の特別支援学級に在籍する児童の「身体面の課題」の実態把握について、作業療法士の助言を 取り入れ、児童理解を深め、それをもとに効果的な指導方法を研究することで、児童の身体面の課題の 改善につながる実態把握や指導の方法が明らかになるであろう。 Ⅳ 研究についての基本的な考え方 1 「身体面の課題」の指導の必要性について 児童の運動の困難さの原因は以下の3点が考えられる。 ① 脳性まひや筋ジストロフィーのように中枢神経系や筋肉に異常がある場合 ② 知的な障害があり、発達に遅れがあるために運動に困難さがある場合 ③ 身体の感覚の問題や入力した感覚を上手にまとめ、調整して出力する脳機能に問題があると考 えられる場合 - 1 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ 本研究では、前頁の②、③が原因と思われる児童を「身体面の課題がある児童」ととらえ、研究を 進める。運動の困難さがある児童は、運動での失敗経験の重なりから、運動への苦手意識が強くなり、 初めてのことや慣れないことに消極的になりやすい。また、いじめの対象にもなりやすく、自分でも 「できないこと」がわかることから自己肯定感を低下させてしまう恐れがある。したがって、周りの 大人が早期に児童の「身体面の課題」に気付き、原因を理解し、継続的に適切な指導を進めることが 重要である。 2 小学校の特別支援学級在籍児童への実践について 本研究は、小学校の知的障害特別支援学級に在籍する「身体面の課題」がある児童を対象に、課題 改善に向けた実践の研究を進める。特別支援学級では、特別な教育課程の編成が可能で、必要な実践 を組み入れやすい。また、毎日継続して実践することもでき、短期間で効果の検証が可能であると考 える。このような理由から、小学校特別支援学級児童の「身体の動きのぎこちなさ」などの困難さに 焦点化し、実態把握による原因理解にもとづいた、作業療法士と連携した指導について研究を進める。 3 教員対象の実態把握調査について 本研究を進めるにあたって、小学校教員の「身体面の課題」への原因理解と指導の現状、 「身体面の 課題」がある児童への指導に関するニーズ、専門家との連携の経験やその内容を把握するために県内 の小学校教員対象に調査を行う。 4 小学校と関係機関との連携について 平成19年の文部科学省からの通知「特別支援教育の推進について」には、「個別の教育支援計画」 の策定と活用について「必要に応じて関係機関との連携を図った効果的な支援を進めること」と示さ れている。滋賀県の特別支援教育における体制整備でも、「特別支援教育においては、校内委員会の 設置、特別支援教育コーディネーターの指名、(中略)近隣の特別支援学校との連携など(中略)、学校 の組織的判断にもとづく円滑な推進が必要(一部抜粋)」2)と示されており、現在、各校の特別支援教 育コーディネーターを中心とした支援体制で連携が行われている。専門家による児童の実態把握の観 点には今まで学校にはなかった情報が多くあり、連携することによって児童理解が深まると考えられ る。そこで本研究では、医療分野で発達障害児者の日常的な動作や運動面の改善の治療の経験がある 作業療法士との連携に取り組む。近年、他府県(京都府や山形県など)でも事例が報告され、教育現 場と作業療法士が連携する動きが拡大しつつある。 5 「身体面の課題チェックシート活用の手引き・実践事例集」の作成について 本研究で実施した「身体面の課題チェックシート」による実態把握の方法や実践改善の研究成果を 踏まえて「身体面の課題チェックシート活用の手引き・実践事例集」を作成する。教員が児童の実態 把握をするための「身体面の課題チェックシート」の記入方法や活用方法、関係機関との連携の進め 方の例を紹介する。実践事例を通して児童への支援を充実させ、関係機関との連携のきっかけとなる ものとしたい。 - 2 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ Ⅴ 研 1 究 の 進 め 方 研究の方法 (1) 「身体面の課題」についての教員の意識、指導内容、関係機関との連携の実態を把握するため、 教員対象の実態把握調査を実施する。 (2) 研究協力校の知的障害特別支援学級の児童を対象に「身体面の課題チェックシート」を用いて実 態把握を行い、それをもとに課題改善に向けた授業を実施する。そこへ作業療法士からの助言を取 り入れる。 (3) 実践の様子の動画分析と専門・研究委員会での協議から意見を得て授業を改善する。 (4) 児童の「身体面の課題」の変容の評価を行い、成果を確認する。研究の結果をまとめ、成果物と して「身体面の課題チェックシート活用の手引き・実践事例集」を作成する。 2 研究の経過 4~5月 6月 7月 8月 9月 研究構想案立案、先行研究の調査 研究推進計画の検討、第1回専門・研究 委員会、教員対象の実態把握調査実施、 児童の「身体面の課題チェックシート」 実施 実証授業の検討と実施、教材開発 第2回専門・研究委員会 実証授業の記録、授業分析・改善 10月 第3回専門・研究委員会 実証授業、児童の「身体面の課題チェック シート」実施と分析 研究紀要原稿執筆 要旨集原稿執筆、成果物作成 成果物作成、研究発表準備 研究ダイジェスト作成、成果物作成 研究発表大会、研究報告会、成果物作成 研究のまとめ 11月 12月 1月 2月 3月 Ⅵ 研 究 の 内 容 と そ の 成 果 1 教員対象の実態把握調査 (1) 表1 教員対象の実態把握調査の質問項目一覧 調査内容 滋賀県の小学校教員を対象に「身体の動きのぎ こちなさ」など、児童の「身体面の課題」の原因 理解と指導の現状、および、小学校が関係機関と 連携した実践の経験について実態把握調査を行っ た。調査対象は小学校教員253名(滋賀県特別支援 教育研究会所属教員132名、 平成26年度滋賀県総合 教育センター特別支援学級新担任研修参加教員 121名)とし、平成26年6月から8月に質問紙で調 Ⅰ 教員としての経験年数 Ⅱ 担任している学年や学級の障害種別 Ⅲ 学級で指導上、優先している教科・領域 Ⅳ 「身体面の課題」の原因のとらえ方 Ⅴ 「身体面の課題」へのこれまでの指導内容 Ⅵ Ⅶ 「身体面の課題」への指導に関して知りたい こと(自由記述) 関係機関と連携した実践の経験とその内容 査を実施した。質問項目を表1に示す。 (2) ア 教員対象の実態把握調査の結果 教員の経験年数 教員の経験年数は図1のとおり1年から10年ま での教員が44%を占めている。 イ (回答総数 253) 36年以上 8% 指導上大切にしていることの優先順位 学級で指導上大切にしている優先順位で「身体 の動き」や「体育」は全体の6番目(7%)であっ た(p.4の図2)。 26~30年 9% 21~25年 11% 31~35年 14% 1~5年 23% 6~10年 21% 11~15年 7% 16~20年 7% 図1 教員経験年数分布 - 3 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ ウ 「身体面の課題」への原因の理解と指導内容 「椅子に座った姿勢がすぐに崩れてしまうことの原 その他 3% 生活単元学習 7% 因理解と指導内容」 (図3)では、 「何らかの原因がある」 と教員は感じているが、指導内容は言葉かけが中心で 国数以外の教科 3% 特別活動 7% 道徳 3% コミュニ ケーション 18% あり、具体的な指導の手立てが分からない現状があっ た。この結果は他の「身体面の課題」についても同様 身体の動き ・体育 7% であった。 エ 算数 12% 「身体面の課題」への指導に関して「知りたい」 こと (回答総数 253) 国語 15% 日常生活 の指導 17% 心理的な 安定 15% 教員が「知りたいこと」の自由記述では、 「支援や指 図2 指導上大切にしていること 導の方法」 「課題の原因理解の観点」に関する記述が多 かった。具体的には「体操」や「ト レーニング」「有効な言葉かけ」の 方法についてであった。文房具の使 用については、具体的な指導方法や 経験不足 12% 原因不明 2% 自助具の情報について知りたいと いう記述が多数あった。 オ 関係機関との連携について 何らか の原因 53% 補助具の その他5 使用 % 動機づけ 4% の工夫 支援・練習 24% など 18% 意欲が 低い 33% 言葉 かけ 49% 関係機関との連携の経験(図4) とその内容についての結果で、経験 があったのは253名中、17例で全体 の6.7%。そのうち作業療法士との 原因理解 (回答総数 253) 指導内容 図3 椅子に座った姿勢がすぐに崩れてしまうこと 連携事例は5例で、運動のぎこちな さの課題に関する連携であった。 (3) 考察 ・「身体の動き」や「体育」の指導 理学 療法士 2% 作業 療法士 2% 医師 2% 言語 聴覚士 1% その他 発達障害を含む 2% 肢体 不自由 5% の優先度は、全体の6番目で約7 %であった。経験年数が多くなる ほど優先度が高くなると予想し 経験なし 93% ていたが、教員の経験年数と指導 上の優先度に相関は見られなか 関係機関別 った。 ・児童の「身体面の課題」に対して、 (総数253) 253) (回答総数 経験なし 93% 障害の種別 図4 関係機関との連携の経験 何らかの原因があると過半数の 教員が考えているが、具体的な支援の方法や、課題の原因理解の観点などについての情報が乏 しく、指導に結びついていない現状がある。 ・関係機関との連携の経験はほとんどの教員になかった。作業療法士との連携の経験は253名中 5例と少なかった。 以上から、身体面の課題の原因理解と指導方法について知識と経験がある作業療法士と連携し、 支援方法や原因理解の観点を取り入れて研究を進めることは重要であると考える。 - 4 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ 2 「身体面の課題」の実態把握 (1) 「身体面の課題チェックシート」の作成 学級担任が「身体面の課題」を児童の様子から、実態把握をした上で課題の改善に向けた手立て を計画するために「身体の課題チェックシート」の試案を作成した。質問項目の内容は児童が苦手 とする具体的な動作や活動とした。 6月に研究協力校の知的障害特別支援学級の児童を対象として学級担任がチェックシートを用 いて実態把握を行った。 (2) 「身体面の課題チェックシート」を活用したR‐PDCAサイクル 図5に示すとおり、 「身体面の課題チェックシート」を用いて児童の「身体面の課題」を把握し (Research)、その実態把握をもとに実践を検討し(Plan)、授業を実施する(Do)。そして再度「身体 面の課題チェックシート」を用いて変容を評価し(Check)、それをもとに実践を改善して実施し (Action)、そして、再び実態把握する(Research)。このような活用サイクルを想定し、実施した。実 践の前後にチェックシートを記入することで、成果やその次の課題、新たに気付いた課題を担任が 意識でき、指導を充実させることができると考える。 関係機関との連携については、必要に応じて特別支援学校や医療機関など関係機関と連携し、助 言を得ることで指導を充実させることができ、 連携することで得た実態把握の結果や身体面の課題、 実践の内容や関係機関との連携内容を個別の教育支援計画や個別の指導計画に転記することで、 「身 体面の課題」への指導を児童の指導全体に関連させ、継続したサイクルの実践が可能になると考え る。 図5 「身体面の課題チェックシート」による実態把握にもとづく実践のR-PDCAサイクル - 5 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ (3) ア 「身体面の課題チェックシート」の活用方法 児童理解を深める 学級担任が対象の児童を観察し、ぎこちなさが気になる動作を確認することで、それまで問題 として意識しにくかった児童の身体面の課題に改めて気付き、児童理解を深めることができる。 イ 授業計画作成の基礎資料として活用する 児童の苦手な動作や活動を把握し、授業計画作成のための資料とする。また、「できること」 を把握することで、苦手意識を持たせず、得意なことを生かした授業計画の作成が可能になる。 ウ 児童の実態と課題の変化を記録し、個別の指導計画に反映させる 定期的にチェックリストを記入し、児童の変化を評価する。また、身体の成長と課題の変遷、 実践経過、過去の連携を確認する記録資料として活用する。内容を個別の指導計画や個別の教育 支援計画に記入し、反映させることで、次年度以降の課題、連携の引き継ぎ、校内委員会や特別 支援教育コーディネーターとの共通理解に活用する。さらに、進路先へ身体面の配慮事項につい て情報を引き継ぐために使用する。 エ 保護者との共通理解に活用する 「身体面の課題チェックシート」様式2(保護者)を用いて家庭と学校での様子を担任と保護者 が共通理解し、生活自立に向けた課題、学校と家庭の役割や将来の自立を見通しての目標の話合 いに活用する。共通認識したことを個別の指導計画や個別の教育支援計画に取り入れる。 オ 関係機関との連携を図るときの基礎資料とする 特別支援学校や専門家と の連携の機会の基礎資料とす る。例えば、児童が通院する 病院の医師や作業療法士など との相談時に、学校での様子 を伝え、学級担任や保護者が どのように児童の課題を理解 し、具体的にどのような助言 が必要であるのかを明確に説 明、提示するための資料とし て活用する(図6)。 (4) 「身体面の課題チェック シート」の様式について 「身体面の課題チェックシー ト」を用いて実践や関係機関と 図6 「身体面の課題チェックシート」を活用した連携方法 の連携を充実させることを想定 した 「様式1」 、 保護者が家庭での児童の実態を把握し担任と共通確認するための「様式2(保護者)」 の二つの様式(試案)を作成した。今後の活用については、学級担任が利用したり、関係機関との連 携に活用したりすることを重ねる中で、質問項目や個別の指導計画への反映の仕方、実態把握から の課題設定の仕方などについて改良をしていく必要があると考える。二つの様式は本研究の研究成 果物に掲載し、活用方法や記入方法を解説する。 - 6 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ 3 小学校知的障害特別支援学級における取組 (1) 「身体面の課題」の実態把握の実施 ア 「身体面の課題チェックシート」による実態把握 研究協力校の知的障害特別支援学級の担任が「身体面の課題チェックシート」を用いて、児童 の実態把握を行った。担任が普段気付いていない課題を改めて確認することにつながり、児童の 得意な活動、ぎこちなさが見られる活動を再確認できた。また、身体面のぎこちなさや姿勢の保 持の難しさを課題として認識することで、普段から課題を意識した働きかけをするきっかけとな った。取組開始から2か月後に行った2度目の実態把握では、児童の姿勢保持の力や身体の使い こなし、鉛筆の筆圧調整などに改善や変容が見られた。また、1度目の記入時より「わからない」 と記入される質問項目が減り、教師の「身体面の課題」の認識にも変容が見られた。 イ 動画の分析による実態把握 授業や休憩時間などの様子を観察し、動画を撮影した。動画を活用して活動時の様子や教師と のやりとりを分析し、作業療法士にも助言を受けながら実態把握を深めた。授業観察を定期的に 行い、児童の身体の使い方や姿勢の変化についての作業療法士の評価を担任と確認することで、 児童の課題に応じた取組を計画できた。 ウ 研究協議による実態把握への助言 専門研究委員会で実態把握についての協議を受け、指導を改善した。7月から試行したスクー ターボードやトランポリンの取組、10月初旬から実施した「生活単元学習」の実践について作業 療法士からの評価と助言を受けながら児童の課題の変化に応じて取り組んだ。また、研究協議に よって、対象児童の交流学級担任の児童への理解の深まりと関わり方の変化が見られた。 (2) 身体面の課題の改善を目指した生活単元学習「○○組運動会をしよう」の実践 ア 「身体つくりの実践」 実態把握によって、学級のすべての児童に①体幹や首の姿勢保持力の向上、②姿勢バランス力 の向上、③身体の使い方を工夫する経験の必要性、という共通した課題があることが分かった。 そこで、これらの課題に効果があり、児童が楽しみながら身体を大きく使い、継続して活動するこ とができる、トランポリン、スクーターボード、タオルを使った「身体つくりの実践」を中心に 学習指導案を作成した。継続した取組とすることや、児童ができるようになったことを発表した り、人に教えたりすることで、自信につなげることをねらいに、生活単元学習「○○組運動会を しよう」を計画し、対象学級で実践した。8ページの図7に内容を示す。 イ 実践を児童の主体的な活動にするための工夫 授業計画の作成で以下について考慮したことにより、児童の主体的な活動につながった。 ・各活動や教材に数種類のバリエーションを設定し、児童の実態や課題に合わせて活動の難易度 を変えることができるようにする。 ・児童が目標を持ち、活動に向かえるように目標設定や振り返りを記入して確認ができる学習プ リントを作成する。 ・集団活動の中で「友だちの身体の使い方や動作の速さ、姿勢などを模倣したり、見たりするこ とで活動に見通しを持てること」 「一緒に活動することで友だちに合わせて最後までがんばれ ること」を児童が意識できるように働きかける。 本研究での実証授業の学習指導計画は「課題別の実践事例」として研究成果物に掲載する。 - 7 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ 学習活動 トランポリン 活動のねらい 活動のイメージ トランポリンで跳び、全 身の筋肉を継続的に使う。 ・跳びながらポーズ をとる ポーズをとりながら跳び、 跳びながらポーズをとる 跳びながら風船をトス する 腰やひざを使ってピタリと 止まるなどの活動により、 ・風船バレー バランスの力や身体を使い こなす力、リズム感の向上 をねらう。 風船を追視しながら方向 を変えて跳ぶことで、姿勢 を維持したり全身を協調さ せたりする力の向上をねら う。 スクーターボード いろいろな姿勢で乗り、 姿勢を維持し移動、操作す ・いろいろな姿勢で る中で、ボードの上でバラ 身体の使いこなし ンスを取り、体幹の筋緊張 を経験する活動 を持続的に保持する力の向 スクーターボードを操作して進む活動 上をねらう。 ・壁を蹴って前に 進む活動 上肢や下肢の動作がバラ バラにならないように連動 させる経験をする。 ロープなどをたぐった 壁を蹴って前に進む活動 り、つかまって引っ張られ たりする活動で握力を付け ることをねらう。 タオル相撲 いろいろな姿勢でタオル やロープを両手で握り続 ・いろいろな姿勢で け、放さないようにするこ タオルやロープを とで握力を付けることをね 引っ張り合う活動 らう。また、相手に負けな いように前後左右のバラン スを取ることで、体幹の使 い方を工夫し、バランスを 取る力の向上をねらう。 色々な姿勢でのタオル相撲 図7 生活単元学習「○○組運動会をしよう」主な「身体つくりの実践」の内容 - 8 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ (3) 生活単元学習での児童と指導者の変容と考察 9月末から10月末にかけ、生活単元学習「○○組運動会をしよう」の授業を合計5回実践した。 以下のア、イ、ウに学級担任と作業療法士の評価を示す。 ア 学級全体での児童の変容 学級担任の評価 ・学習時の姿勢保持の持続時間が長くなり、学級全体で学習に集中して取り組める時間が長くなった。机や 椅子の高さ調整などの基本的な環境調整も有効な支援であった。また、書字の筆圧や文字の形の改善、運 動時の身体の使いこなし方の上達が見られ、他の学習場面の姿からも実践が根付いてきていると感じてい る。順番を守る、数を数える、友だちに声をかけるような場面や友だちの仕方をまねて工夫する姿も一緒 に活動する中で増えてきた。 作業療法士の評価 ・児童全員、様々な活動をするときに必要な姿勢を保持するための体幹の保持力や姿勢バランスの調整力、 物を見るために必要な首のコントロールが上達している。様々な身体の動きを模索し、継続して主体的に 活動できたことで、身体の使いこなしがうまくなったと考えられる。新しい活動にも躊躇なく挑戦するこ とができたのではないか。特定の子どもへの支援が他の子どもにも良い影響を与えている様子も見られ、 子ども同士の関係もよくなっていた。 図8 学級担任と作業療法士の評価 図8の評価からトランポリンやスクーターボードなど、楽しみながら大きく身体を使い、身体 全体の使いこなしやバランスの取り方を繰り返し工夫する「身体つくりの運動」を継続したこと が、姿勢保持や「身体の動きのぎこちなさ」の改善に有効であり、すべての児童に学習面や運動 面、活動への主体性の向上が見られたと考える。苦手意識を持たずに活動したり、各児童が目標 を持って取り組んだりする中で、友だちを意識してまねるようになり、うまくできた時に賞賛の 言葉や拍手が自然に生まれるような学級の雰囲気ができた。学級担任の肯定的な言葉かけや児童 への適切な評価も児童同士の関係をよくしたと推測できる。 イ 「身体面の課題チェックシート」記述内容の変化から見えた各児童の変容 研究対象学級の4児童への年度当初の学級担任の評価、6月の作業療法士の評価を10ページの 図9に示す。併せて、実践前後の「身体面の課題チェックシート」で改善が見られた項目、学級 担任と作業療法士の評価を実践の成果として示す。 約2か月間の実践で改善が多く見られた項目は、「姿勢の保持」に関する項目と、「鉛筆の筆圧 調整」など、 「手指を使った巧緻性」に関する項目、さらに「縄跳び(前跳び)ができる」などの 「身体の使いこなし」に関する項目であった。この結果は、8ページの図7に示した「身体つく りの実践」の成果と考える。実践を継続し、児童が主体的に工夫して取り組んだことで、姿勢保 持の力、身体のバランス力、身体の使いこなしの力、見る力などの動作の基礎となる力が児童そ れぞれに付き、その結果、動作全体の改善が見られたのではないかと考える。教室から体育館ま でスクーターボードに乗り、移動するなど、児童が主体的に楽しむことができる活動となったこ とも改善の大きな要因であると思われる。また、他の児童の身体の使い方をまねて挑戦してみた り、うまくいくコツを友だちから教えてもらって挑戦したりするなど、友だちを意識できたこと で上達する姿が見られた。 - 9 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ 担任が気に なっていたこと (4~5月) A児 小学 1年 B児 小学 1年 C児 小学 2年 D児 小学 6年 作業療法士の評価 (6月) 改善が見られた項目と実践の成果(11月) ○ 学 習 時 の 姿 勢 ○姿勢筋緊張の低さ ☆改善が見られた項目 担任の評価 が崩れている。 や眼球運動の難し 姿勢保持 改善 さがある。 首や体幹の保持力がついてきたの 姿勢の模倣 改善 で姿勢が改善し、見る力も伸びた ○ 身 体 の 使 い こ ○姿勢保持や首の姿 縄跳び 改善 ことで、学習に集中できる時間が なしがぎこち 勢調整の力を付け 長くなりました。 ない。 ることで「見る」 ◎実践の成果 ことの改善が期待 ・体幹や首の保持力が高まり、学習時の姿勢が数分間 ○対象の物を見 できる。 保持できるようになった。 て 操 作 す る こ ○自分の身体の部位 ・風船などの遅い動きの物の追視ができた。 とが難しい。 の位置関係の認識 ・4月にできなかった縄跳びの前跳びができるように の曖昧さがある。 なった。 など ○ 学 習 時 の 姿 勢 ○姿勢の保持力の弱 ☆改善が見られた項目 担任の評価 が崩れやすい。 さがある。 姿勢の模倣 改善 トランポリンでタイミングを合わ ○トランポリンは揺 縄跳び 改善 せてリズムがとれるようになる ○注意が逸れや れや回転の刺激を と、年度当初、跳ぶことができな すく全体指導 感じにくいため、 ◎実践の成果 かった縄跳びの前跳びが続けて30 に沿って学習 刺激を避けている 回も跳べるようになりました。 ・全体指導に沿って に参加し続け ところがあり、自 活動することが増 ることが難し 分からは大きく跳 えた。 い。 ばないと考えられ ・トランポリンでリズムよく大きく跳ぶことができ、 る。 など 腕を伸ばしての模倣が上達した。 ○ 学 習 時 の 姿 勢 ○上半身と下半身の が崩れやすい。 筋緊張の強さの違 いがあり、特に下 ○書字の筆圧が 半身の筋緊張を継 薄くなるとき 続して維持するこ があり、手を使 とに困難さがあ った活動が苦 る。 手である。 ○手のひらを使った 物の操作の苦手さ ○持続的した運 には手のひらの筋 動で疲れやす 力の弱さが影響し く、体力が持続 ている。 など しない。 ☆改善が見られた項目 書字の困難さ 改善 姿勢保持 改善 片足立ち保持 改善 ボール投げ 改善 ○ ボ ー ル を 使 っ ○スクーターボード た活動や、水泳 に伏臥位で乗る の場面で、動作 と、膝を曲げて姿 を順序立てて 勢を保持させてお 考えたりする り、体幹保持の力 など、いくつか の弱さがある。 の 動 作 を 同 時 ○揺れや回転刺激の に行うことが 過敏さがあり、刺 苦手である。 激を避けてトラン ポリンは自分から は大きく跳ばない と思われる。など ☆改善が見られた項目 人物の描画 改善 鉄棒 改善 靴ヒモ結び 改善 はさみの操作 改善 担任の評価 書字の姿勢が安定し、下敷きの工 夫で、「書く」感覚がつかめるよ うになってきました。 ◎実践の成果 ・手の使い方の上達 で書字時の筆圧が 濃くなり、字の形 も整ってきた。 ・上半身、下半身の協調が向上し、トランポリンを跳 びながら方向転換する時のバランスが改善した。 ・ロープをたぐり、持ち続ける時間が伸びた。 担任の評価 休憩時間にも教室のトランポリン を跳んで楽しんでいます。膝を上 手に使って跳べるようになり、跳 びながらのポーズも腕を伸ばせる ようになりました。 ◎実践の成果 ・体幹の保持力が向上し、いろいろな身体の使い方の 経験ができたことで、ボールを膝下に挟んで手でボ ードを移動させながら、障害物のポールを避ける、 といった同時にいくつかの動作を行う姿が見られ た。 図9 4ケースにみる「身体面の課題チェックシート」を使った実践の成果 - 10 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ ウ 作業療法士との連携を通した担任の意識の変容 学級担任の感想 ・作業療法士の評価を聞いて、新たな視点で児童理解ができた。また、具体的な指導方法が分かり、実践を通して児 童に変化が見られたことで、「身体面の課題」の指導の重要性を感じた。机や椅子を児童の体格に合わせ、調整す ることの大切さや、 トランポリンを教室に置き、 休憩時間にも使えるよう環境を整えることの大切さも再認識した。 交流学級担任の感想 ・作業療法士の児童を見る観点が違い新鮮だった。書字時に頭が安定しているかなど、児童を見る視点が変化した。 聞く時の姿勢を維持させるにはどのように興味をひかせ、集中させられるかを考えるようになった。 図10 学級担任と交流学級担任の感想 学級担任と交流学級担任の感想(図10)から、作業療法士との連携によって新しい視点で児童を見る ことができ、その後の指導や児童への関わり方に変化があったことがうかがえた。 4 作業療法士との連携について 本研究では担任の実態把握をもとに、日常動作や運動面の改善に向けた治療の経験がある作業療法 士からの助言を得たことで、児童の「身体面の課題」への理解が深まり、効果的な「身体つくりの実 践」につながった。本研究で作業療法士と連携する中で得た、指摘や助言の概略を以下に示す。 (1) 児童の動作の困難さの原因理解の視点(脳の機能、運動を企画する能力、身体のイメージ、揺れ や傾きの感覚の入力) (2) 児童の様子から理解する身体面の課題(筋力、姿勢保持のための筋緊張の保持、眼球運動、上半 身・下半身の動きのつながり、手の筋力と操作の関係、姿勢の特徴の捉え方、原始反射の動作への 影響、感覚機能の未成熟と運動の関係) (3) 身体の基本的な力を高めるために有効な実践 (4) 学校と作業療法士との連携時に必要となる「評価」の共有 (5) 連携した実践が次年度にも継続されることの重要性 特に「出来ないことを代償している子どもの努力や、他の機能でどう補っているのか、ということ を理解していくことが大切である。 」という視点は、作業療法士の専門性ならではのものであった。 5 関係機関との連携方法と実践の継続の必要性について 地域の関係機関との連携を継続して進めていくには学校全体で指導の重要性が認識され、校内委員 会や特別支援教育コーディネーターが担任を支援し、関係機関とを繋ぐ組織的な支援体制が必要であ る。また、連携時には相談内容が明確にされ、児童を共通の視点で理解するための話合いのもととな る資料の準備が必要である。5ページの図5で示したように、まず、担任が本研究の「身体面の課題 チェックシート」を活用するなどして課題に気付き、実態把握をもとに本研究の「身体つくりの実践」 などを参考に実践し、課題の改善の重要性を認識することが必要である。担任や学校内で課題の原因 理解や指導方法の具体化が難しいときには「個別の指導計画」や「身体面の課題チェックシート」を 資料とし、特別支援教育コーディネーターと協力して地域の特別支援学校のセンター的機能を活用し たり、作業療法士などが在籍する関係機関と連携することで指導を充実させることができると考える。 また、関係機関と連携した指導を次年度以降も継続していくために児童の実態や指導後の変化、関係 機関の情報を個別の指導計画や、個別の教育支援計画に記入して次年度に引き継ぐことが必要である。 - 11 - 特別支援教育に関する研究Ⅱ Ⅶ 研究のまとめと今後の課題 1 研究から明らかになったこと (1) 「身体面の課題チェックシート」は、教師が学校での児童の活動から「身体面の課題」に気付く ことにつながり、実態把握の方法として有効である。 (2) 動作の基礎となる「姿勢の保持力」 「身体のバランス力」 「手指の巧緻性」 「身体の使い方を工夫す る力」を向上させる、 「身体つくりの実践」を継続して取り組むことが、 「身体面の課題」改善に有 効である。 (3) 作業療法士から専門的な視点の助言を得ることは、児童の実態把握が深まり、小学校での実践を 充実させることに有効である。 2 今後の課題 (1) 「身体面の課題チェックシート」を用いた実態把握やその結果に応じた「身体つくりの実践」の 継続を、通常学級に在籍する運動面の困難さがある児童への実践に広げていく必要がある。 (2) 関係機関と協力して「身体面の課題チェックシート」の改善を続け、その有効性を検証していく 必要がある。 文 献 1)滋賀県教育委員会「滋賀のめざす特別支援教育のあり方懇話会第1回会議 配布資料」 、平成26年(2014年) 2)滋賀県教育委員会『特別支援教育ガイドブック』 、平成26年(2014年) 滋賀県教育委員会「滋賀の特別支援教育」 、平成25年(2013年) 岩永竜一郎著『自閉症スペクトラムの子どもの感覚・運動の問題への対処法』 、東京書籍、平成26年(2014年) 松原 豊「知的障害児における発達性協調運動障害の研究」 、子ども教育宝仙大学紀要3、平成24年(2012年) 京都府作業療法士会 特別支援教育 OT チーム『特別支援教育と作業療法 協働の糸口を探る「教育現場における作業療 法の有用性」報告書』 、平成24年(2012年) 京都府作業療法士会 特別支援教育 OT チーム『特別支援教育に活かす作業療法 -通常学級における作業療法観察チェ ックリスト-』平成25年(2013年) 笹田 哲『小学校訪問による発達性協調運動障害児への OT の介入』 、作業療法ジャーナル48巻5号、医学書院、平成26 年(2014年) 増田貴人「発達性協調運動障害のある子どもへの教育的支援の拡大をめざして」 、小児の精神と神経54巻2号、平成26年 (2014年) 伊藤愛子「軽度発達障害における教育と医療の連携」 、山形県医師会学術雑誌34巻,山形県医師会[編]、平成19年(2007年) 小川友美「山形県における特別支援教育への作業療法士の参画に向けて」 、山形県作業療法士会誌12巻1号、山形県作業 療法士会[編]、平成26年(2014年) トータルアドバイザー 国立大学法人滋賀大学教育学部教授 専 門 委 員 滋賀県立三雲養護学校校長 滋賀県立小児保健医療センター作業療法士 研 究 委 員 県内公立小学校講師 県内公立小学校教諭 研 究 協 力 校 県内公立小学校 - 12 - 江原 寛昭 冨永 天田 善隆 美恵 馬場 笹原 敬子 弘樹