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表現することを楽しみながら,主体的に学ぶ子どもの育成 ~ 他と

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表現することを楽しみながら,主体的に学ぶ子どもの育成 ~ 他と
平成21年4月27日
平成21年度
校内研修計画(案)
学力向上推進委員会
1
研究主題および副題
表現することを楽しみながら,主体的に学ぶ子どもの育成
~
2
他とかかわりを大切にした授業実践を通して(2年次)~
研究主題設定の理由
(1)研究の経緯及び児童の実態から
①研究の経緯
当校では,平成 17 年度から3年間「思いや考えを受け止め,表現できる子どもの育成」の研究に取り組
んだ。そこでは,『書く・話す力を育てる指導の工夫』に焦点をあて全校の統一指導事項として,[書く・話
す・聞く]スキルを掲げ国語科を中心に児童の表現力向上に努めてきた。
昨年度からは,3年間の継続研修の中で得た成果を生かし,学習指導要領の改訂をふまえ「思考力・判断
力・表現力」の一貫した指導に力を入れるため,研究主題を「表現できることを楽しみながら,主体的に学
ぶ子どもの育成」に変更した。
具体的には,~他とのかかわりを大切にした授業実践を通して~を副題に掲げ,研究教科・領域を限定せ
ずに,各自が研究テーマにそって
・かわりの実態
・めざす児童の姿
・具体的な方策の工夫
を明確にした個人の研究計画を立案し,様々な教科・学年で研究主題に迫る取組をしてきた。
20 年度に行われた授業実践の多くから,主体的に学ぶ子どもの育成には,
「表現力」の育成が欠かせない
ことが明らかになった。ここでいう,表現力とは,単に「話す力」
「書く力」といったものではなく,
「友だ
ちとかかわり,教え合う力」
「人に伝える力」
「自分なりに表現する力」などである。この点においては,昨
年度の実践の中で成果のみられた手だては大いに蓄積していかなければならない。
②児童の実態
昨年度末に行われたCRTの結果を正答率で考えると,学校全体として次のようになる。
※平成 21 年1月 20 日実施
【国語】
【算数】
―1―
いずれの観点も,全国の正答率を上回っている。
昨年度から,基礎・基本の定着の一貫として,全校一斉に年3回全校漢字・計算テストを行ってきた。30
分程度の時間に 50 問前後の問題を解く。2週間前までに範囲を連絡し,練習に取り組ませた。その結果,
1回で合格(80 点以上)できる子どもは全学年で 90%以上となった。また,保護者の高い関心もあり,家
庭学習では,声掛けの協力を得ることができた。また,朝学習などを利用しドリル学習において,一人学び
ができる習慣がついてきている。その結果,知識・理解や算数の処理において高い正答率を得る結果となっ
た。
また,関心・意欲・態度面においては,上記以外の児童のふり返りカードやノート記述からみても,
「練習すればできるんだ」
「私の考えをみんなが聞いてくれてうれしかった」
「分からなかったことが,友
達の説明を聞いて,別の方法で考えたら,よくわかった」などの肯定的な表記が多く見られた。
しかし,知識・理解,表現・処理に比べ次の観点において落ち込みが見られた。
△国語・・・読む能力
長文の読解問題文については,問題文を読んでも,反射的に答えるだけで,特に何について問うている
のかが理解できていない。
△算数・・・数学的な考え方
数や値が過不足の問題については,単位の間違いや数が出てきた順番に機械的に立式している。
自分の考える過程を図や言葉で表わし,書いたことが有効かどうか検討する集団での学びの経験の不足
が考えられる。
③昨年度の授業実践の考察からみた課題
ア 同じパターンにおける繰り返し練習や穴埋めによる表現をすることで,自信をもち安心して学習に取
り組める反面,自分の考えに固執してしまい,単に自分の考えを話し,友だちの発表を聞くだけなって
いる。
イ 自分の考えを見直し,より考えを深めていけるような意見交流の内容と方法を検討する方法を考える
必要がある。
ウ
根拠をもとに考えを説明するために,自分の考えをふり返る十分な時間の保障が必要である。
エ 話し合いが活発になるように,多様な考えを認めることが不可欠である。高学年では,考えの矛盾点
に着目した「揺さぶり」をかけるタイミングと,適切な発問を検討する必要がある。
(2)学校の教育目標の具現から
当校の教育は「かしこく やさしく たくましく」である。21年度の重点目標は「自ら学び,他を思いや
る子ども」である。これは,毎時間の授業がよく分かり,基礎的・基本的内容の確実な定着を子どもたちが自
覚できること,教師や友達から自分の考えのよさをみとめられた時に『わかったことの喜び』を感じられるこ
とをねっている。
子どもたちは,本来,「知りたい・分かりたい・できるようになりたい」と願い,学ぶ喜びや楽しさを求
めている。そして,興味・関心に基づき,自ら課題を見つけ,情報を収集し,自分の判断で取捨選択しなが
ら問題を解決した時に達成感・満足感を得る。そして,それが「楽しみながら,主体的に学ぶ」という姿に
なる。研究主題で求めていることは,基礎的・基本的な知識・技能の習得の徹底を図りながらも,機械的に
教え込みによる知識・技能を習得させるのではない。子どもたちの主体的な学びを通して子どもたちの持つ
―2―
「疑問」
「知りたい」
「分かりたい」という願いを生かした授業を創造することである。
「表現力」を豊かに
していくことは,当校児童にとっても重要な教育課題であるとともに,学校教育目標を具現することに大き
くかかわることと考える。
3
研究仮説
他とのかかわりを意識した場・教材・発問を工夫すれば,
子どもたちは表現する楽しさや成就感を味わい,主体的に学んでいく
ここでいう,
「他とのかかわり」とは,友達・課題・学習対象全般としてとらえる。
「意識した」とは,子どもが単元で身につけるべき知識・技能を使いながら根拠を明らかにして考えること
とらえる。
「表現する」とは,子どもが単元で身につけるべき内容を理解するための手だてとして,自分の思いや願い
を言葉・図・式・絵などで表出するもの全般でとする。
「楽しさや成就感」とは,課題から疑問に思ったことが,友達と検討する中で「わかる」楽しさや,できな
かったことが,新たな知識・技能を用いることで「できる」ようになった成就感ととらえる。
「主体的に学ぶ」とは,子どもの「課題に対する見方・考え方」を育てる授業をしていく中で,子ども自身
が発見したり気づいたりしながら,納得を伴いながら理解することととらえる。
そこで,めざす子ども像を次のようにとらえる。
≪めざす子ども像≫
【低学年】…
友達との考えの違いに気づき,自分の思いを表現する子ども
【中学年】…
課題や友達の意見から,疑問に思ったことや自分の考えを分かりやすく表現する子ども
【高学年】…
自分の思いや考えを友達と意見交換することで,自分の考えを深めた表現ができる子ども
子どもにとって「表現」とは,子どもの持っている,思いや願いで支えられている。これを他者に伝える(
表現する)ことや伝え合う活動を大切にした授業を組織することで,かかわりが生まれ個々の学びに対する関
心・意欲が高まり,受動的な学習だけでは得られない,納得を伴った意味理解が得られるのではないかと考え
た。
表現する
楽しさ
成就感
他とのかかわり
実態把握・めざす子どもの姿・具体的方策
を明確にした授業実践
新たな学び
―3―
主体的に
学ぶ
4
研究内容と方法
(1)授業研究の視点
ア 子どもが表現するために,思いや願いを持つための工夫(表現の内容)
イ 子どもが進んで表現しようという意欲を持つための工夫(表現の意欲)
ウ 子どもがどう伝えたらよいかわかる工夫(伝える方法)
エ 表現する必要性(必然性)を持たせた課題設定の工夫
オ 表現する場面を有効に取り入れた学習過程の工夫(教材・教具・発問)
(2)研究教科
○教科・領域
・個人研究・・・・自由
・全体公開授業(要請訪問)・・・算数・国語・外国語教育
(3)研究協議会では,次の視点で協議を進める。
①子どもの変容の姿(単元で・本時で)
②目標達成のための手だての有効性についての検証
(4)その他の事項は関連的に研修していく
①各教科の年間指導計画,評価基準の作成(朱書きで訂正・追加)※総合・道徳を重点的に
②学習評価システム・標準テスト・による実態把握
③「新指導要領」に関する職員研修の開催(特に英語活動・道徳・算数・理科)
④家庭と連携した取組の在り方(懇談会説明・アンケート調査・全校漢字計算テスト)
⑤上山中学校区との連携(相互に研修会に参加する)
⑥授業力向上に関する研修(OJT)のセルフチェックカードによる自己点検3回
(5)公開授業について;詳しくは,後日提案
①全体研修(指導者を要請);
・実施回数
2回(計画訪問11月25日=算数,要請訪問)
・指導案検討会 当該学年1回
・指導案説明会 全職員向け
1回
・授業参観
全職員による(5時間目公開;他学年は自習or下校?)
・授業記録
VTR・記録写真・全体記録・抽出児童2名
・協議会
全職員参加
(司会進行・記録は学力向上推進委員)
②一人1授業公開(個人実践)
・個人研修計画の作成
・指導案立案により授業実践 (指導案は全職員に前日までに配布)
・授業参観
当該学年・都合のつく参加者
・授業記録
全体研修に準ずる。
(学年一任)
・協議会
1週間以内に実施(場所・時間は学年一任)司会進行は学年の学力向上推進委員
―4―
③研修のまとめの作成
・年度末発行(2月作成を目指して)
・掲載内容 ・・・・巻頭言・研究計画
全体公開指導案,個人研修計画(1枚)
・指導案(2枚以上)
・考察(1枚)
まとめ・あとがき
5 研修組織
(1)組織
教科部
校長
教頭
学力向上
研修全体会
学年部
推進委員
(2)今後の予定
4月27日
・校内研修の計画検討・共通理解(研修全大会)
・年間指導計画の見通しと児童の学力実態の把握①(学年部)
4月15日
21日
・学力テスト(NRT)5年生=国・社・算・理
・全国学力テスト(6年生)
・知能テスト(5年)
5月
・全体研の授業者の決定・個人の研究計画の立案(学年部)
・知能テスト(3年)
・学力テスト(NRT)4・6年生=理・社
6月
・県小研の学力テスト(3年生以上)
・NRTの結果分析による児童の学力実態把握②
7月
・第1回授業のセルフチェック
夏休み
・県小研の学力テストの採点と実態把握③
・市小研の全体発表会(新潟テルサ)
6月~12月
・全体授業研究・授業公開・指導計画の見直し・修正・個人実践授業公開
※具体的な授業研究日については,後日提案
10 月
・第2回授業のセルフチェック
11 月
・三校交流会(ソーシャルスキル)
25日
1月
・計画訪問
・第3回授業のセルフチェック
・研修の考察とまとめの提出
6
2月
・研修紙印刷
3月
・研修紙製本
その他
○指導案の形式・・・・別紙
○夏季休業日に研修日を設けて研修会を行う。
(内容は後日提案)
○校内研修指導者については,校長の指導を受け決定し,派遣依頼する。
―5―
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