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公の施設の指定管理者及び県出資法人における 料金徴収業務

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公の施設の指定管理者及び県出資法人における 料金徴収業務
公の施設の指定管理者及び県出資法人における
料金徴収業務に係る監査の結果報告書
平成 25 年3月
広島県監査委員
目
第1
監査の概要
次
……………………………………………………………………
1
…………………………………………………………………
1
……………………………………………………………………
1
1
監査のテーマ
2
監査の趣旨
3
監査の対象とした団体及び県の機関
4
………………………………………
1
監査の実施時期
………………………………………………………………
2
5
監査の実施方法
………………………………………………………………
2
※
監査対象団体等の一覧表
第2
1
監査の結果
……………………………………………………
4
……………………………………………………………………
6
書面調査の結果
………………………………………………………………
(1)公の施設の指定管理者及び有料道路を管理する県出資法人
2
…………
6
…………………………………………………………
6
ア
料金の徴収状況
イ
料金徴収に係る規程の整備状況
ウ
入場券等の管理の状況
エ
券売機・精算機の設置・管理の状況
オ
料金徴収に係る自主的検査の状況
(2)県所管課
6
………………………………………11
…………………………………………………11
…………………………………13
……………………………………14
……………………………………………………………………16
ア
実地調査・立入検査の実施状況
イ
利用料金に関する指定管理者との協議状況
実地調査の結果
………………………………………16
…………………………18
………………………………………………………………20
(1)広島県立美術館
……………………………………………………………20
(2)広島県縮景園
……………………………………………………………23
(3)広島県立県民の森
…………………………………………………………25
(4)広島県立もみのき森林公園
………………………………………………29
(5)広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)……………33
(6)帝釈公園施設
………………………………………………………………36
(7)牛小屋高原公園施設
………………………………………………………38
(8)広島県健康福祉センター
(9)広島県立みよし公園
………………………………………………………42
(10)広島県立びんご運動公園
(11)安芸灘大橋有料道路
…………………………………………………40
…………………………………………………44
………………………………………………………46
第3
1
指摘事項及び監査委員意見
…………………………………………………48
指摘事項…………………………………………………………………………48
(1)料金の設定に係るもの
……………………………………………………48
(2)料金の誤徴収に係るもの
(3)料金の減免に係るもの
…………………………………………………51
……………………………………………………52
(4)帳簿整備・記録管理に係るもの
…………………………………………53
(5)経理処理に係るもの
………………………………………………………55
(6)実績報告に係るもの
………………………………………………………56
(7)その他
2
………………………………………………………………………57
監査委員意見
…………………………………………………………………58
(1)不正発生リスクを低減する取組の推進について
………………………58
(2)県のチェック機能の強化と実績報告に係る信頼性の確保について
(3)県の機動的な対応と指定管理者との連携の強化について
…61
……………62
公の施設の指定管理者及び県出資法人における料金徴収業務に係る監査の結果
平 成 25 年 3 月
第1
1
広島県監査委員
犬童
英徳
同
門田
峻徳
同
髙橋
義則
同
佐藤
均
監査の概要
監査のテーマ
公の施設の指定管理者及び県出資法人における料金徴収業務について
2
監査の趣旨
料金徴収業務は,直接,現金や回数券などの金券を取り扱う業務であることから,
不正発生のリスクが高く,他の自治体等の施設において担当者が料金を着服するなど
の事案が報道されている。
公の施設の指定管理者及び有料道路を管理する県出資法人における業務や経理の状
況については,県の所管課において定期又は随時に報告を求め,検査・指導を行う
こととされているが,これまでに監査委員が行った監査では,公の施設の指定管理
者において,現金を収納した際に領収書を発行していない,減免申請書の提出を受
けずに料金を減免しているなど,料金徴収に係る不適切な事務処理が見受けられた
ところである。
このため,公の施設や有料道路における料金徴収業務について,次の視点により重
点的に調査し,これらの業務に携わる団体や県の所管課に対して適正な業務の執行と
その改善を促すとともに,不正行為の発生防止に資することを目的として,地方自治
法(昭和 22 年法律第 67 号)第 199 条の規定に基づき監査を実施した。
【監査の視点】
(1)条例や県との協定など,規定に基づく料金が徴収されているか。
(2)県や県議会に報告されている料金収入額は正確か。
(3)料金徴収業務において不正はないか,また不正が発生するリスクはないか。
(4)料金徴収業務を行う指定管理者及び県出資法人に対する県のけん制機能は働いて
いるか。
3
監査の対象とした団体及び県の機関(P4参照)
(1)公の施設の指定管理者
34 団体
(2)有料道路を管理する県出資法人
2団体
(3)上記(1)・(2)の公の施設及び県出資法人の県所管課
15 課
1
4
監査の実施時期
平成 24 年5月∼平成 25 年3月
5
監査の実施方法
監査は,次の方法によって実施した。
調査方法
書面調査
(6∼7月)
ヒアリング
内容:書面調査の
内容確認
(9月)
実地調査
(10∼1月)
調査内容
公の施設の指定管理者及び有料道路を管理する県出資法人における
料金徴収業務の概要を把握するため,監査対象とした 36 団体すべて
に対して書面による調査を行った。
○
主な調査項目
料金徴収の有無,料金の徴収方法,料金収入額,料金の減免状
況,料金徴収に係る規程の整備状況,入場券等の管理状況,券売
機・精算機の設置・管理状況,料金徴収に係る検査体制
書面調査を行った 36 団体のうち,料金収入があると回答のあった
33 団体の書面調査の結果内容を確認するため,料金収入がある公の施
設などの県所管課 14 課に対してヒアリングを行った。
○
対象機関
国際課(地域政策局)/文化芸術課,自然環境課(環境県民局)
/障害者支援課,高齢者支援課(健康福祉局)/商工労働総務課,
産業政策課(商工労働局)/水産課(農林水産局)/道路河川管理
課,空港振興課,港湾振興課,都市計画課,住宅課(土木局)/
スポーツ振興課(教育委員会)
公の施設の指定管理者及び有料道路を管理する県出資法人のうち,
料金収入のある 33 団体の中から 11 団体を抽出して実地調査を行い,
現地での料金の設定状況や料金徴収事務の処理状況を調査するととも
に,県に提出された実績報告書との照合などを行った。
なお,実地調査の対象団体は,次に該当する団体の中から総合的
に判断して選定した。
○
実地調査先の抽出の考え方
・ 利用料金制度を導入する指定管理者のうち,監査調書の内容
から現地確認が必要な団体
・ 平成 24 年度から新たに指定管理者となった団体
・ 前回の監査執行が平成 20 年度以前の団体
・ 道路通行料金の徴収を行う団体で,他の有料道路と接続せず
自己が所有する道路を単独処理している団体
2
調査方法
調査内容
実地調査の対象団体及び施設名は,次のとおりである。
なお,次の①②④⑤⑥⑦⑧の団体については,定例監査と併せて監
査を実施した。
実地調査の対象団体
乃村工藝社・イズミテクノ
美術館活性化共同事業体
② 廣島緑地建設・広田造園・
イズミテクノ共同事業体
③ 株式会社比婆の森
施設名
広島県立美術館
④
財団法人もみのき森林公園
協会
⑤ 広島空港ビルディング・広島
エアポートホテル共同企業体
⑥ 一般財団法人休暇村協会
広島県立もみのき森林公園
⑦
牛小屋高原公園施設
①
実地調査
(前頁続き)
株式会社恐羅漢
⑧
ヒアリング
内容:実地調査の
内容確認
(1∼2月)
広島県縮景園
広島県立県民の森
広島県立中央森林公園(フォ
レストヒルズガーデン地区)
帝釈公園施設
財団法人広島県地域保健医療
推進機構
⑨ ミズノグループ共同企業体
広島県健康福祉センター
⑩
ポラーノグループびんご
広島県立びんご運動公園
⑪
広島県道路公社
安芸灘大橋有料道路
広島県立みよし公園
実地調査の結果内容を確認するため,実地調査を行った施設等の
県所管課5課に対してヒアリングを行った。
○
対象機関
文化芸術課,自然環境課(環境県民局)/高齢者支援課(健康
福祉局)/道路河川管理課,都市計画課(土木局)
県所管課による実地調査・立入検査の実施状況及び利用料金に関す
る指定管理者との協議状況について,県所管課 15 課に対して書面に
よる調査を行った。
書面調査
(2月)
○
対象機関
国際課(地域政策局)/文化芸術課,自然環境課(環境県民局)
/障害者支援課,高齢者支援課(健康福祉局)/商工労働総務課,
産業政策課(商工労働局)/森林保全課,水産課(農林水産局)/
道路河川管理課,空港振興課,港湾振興課,都市計画課,住宅課
(土木局)/スポーツ振興課(教育委員会)
3
監査の対象とした団体及び県の機関 一覧表
【公の施設の指定管理者(平成24年4月1日現在)】
所管局
所管課
地域政策局
国際課
公 の 施 設
指 定 管 理 者
広島県立広島国際協力センター
財団法人ひろしま国際センター
広島県民文化センター
財団法人県民センター
広島県民文化センターふくやま
県民文化センターふくやま共同事業体
文化芸術課 広島県立文化芸術ホール
RCCホールマネジメントグループ
広島県立美術館 *
環境県民局
自然環境課
健康福祉局
障害者支援課
乃村工藝社・イズミテクノ美術館活性化共同事業体
広島県縮景園 *
廣島緑地建設・広田造園・イズミテクノ共同事業体
広島県立県民の森 *
株式会社比婆の森
広島県立もみのき森林公園 *
財団法人もみのき森林公園協会
広島県立県民の浜
株式会社県民の浜蒲刈
広島県立中央森林公園(公園センター等地区)
財団法人中央森林公園協会
広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区) *
広島空港ビルディング・広島エアポートホテル共同企業体
野呂山公園施設
財団法人野呂山観光開発公社
帝釈公園施設 *
一般財団法人休暇村協会
牛小屋高原公園施設 *
株式会社恐羅漢
広島県立視覚障害者情報センター
社会福祉法人広島県視覚障害者団体連合会
広島県立障害者リハビリテーションセンター
社会福祉法人広島県福祉事業団
広島県立障害者療育支援センター
広島県立福山若草園
高齢者支援課 広島県健康福祉センター *
財団法人広島県地域保健医療推進機構
広島県立広島産業会館
商工労働局
農林水産局
商工労働
総務課
公益財団法人ひろしま産業振興機構
広島県立産業技術交流センター
広島県立ふくやま産業交流館
株式会社オオケン
産業政策課 広島県産業科学技術研究所
公益財団法人ひろしま産業振興機構
森林保全課 広島県緑化センター・広島県立広島緑化植物公園
みずえ緑地株式会社
水産課
広島県栽培漁業センター
社団法人広島県栽培漁業協会
五日市漁港フィッシャリーナ
株式会社ひろしま港湾管理センター
空港振興課 広島空港県営駐車場
アマノマネジメントサービス株式会社
一般港湾施設(国際拠点港湾広島港,重要港湾福山港,重要港湾
尾道糸崎港(機織地区))
株式会社ひろしま港湾管理センター
港湾振興課 広島観音マリーナ
ボートパーク広島
都市計画課
広島ボートパーク株式会社
広島県立みよし公園 *
ミズノグループ共同企業体
広島県立びんご運動公園 *
ポラーノグループびんご
県営住宅(広島北部地区)
県営住宅(広島南部地区)
広島県ビルメンテナンス協同組合
県営住宅(廿日市・大竹地区)
土木局
県営住宅(三次・庄原地区)
県営住宅(第二・第三平成ヶ浜住宅)
住宅課
県営住宅(呉地区)
ビルックス株式会社
県営住宅(東広島・竹原地区)
株式会社くれせん
県営住宅(三原地区)
堀田・誠和共同企業体
県営住宅(尾道地区)
県営住宅(福山・府中地区)
教育委員会
スポーツ
振興課
計
14課
県営住宅(第二上安住宅)
合同産業株式会社
県営住宅(平成ヶ浜住宅)
フジタビルメンテナンス株式会社
広島県総合グランド
ミズノ・広島県教育事業団グループ共同企業体
広島県立総合体育館
財団法人広島県教育事業団
46施設
34団体
道 路
公 社
【有料道路を管理する県出資法人】
所管局
所管課
土木局
道路河川
管理課
計
1課
総計
15課
広島熊野道路,安芸灘大橋有料道路*,尾道大橋有料道路
広島県道路公社
広島高速1号線,広島高速2号線,広島高速3号線,広島高速4号
広島高速道路公社
線
7施設
53施設
2団体
36団体
注1 県営住宅の施設数は,公募単位の12施設で算定。
注2 施設名に「*」が付いている施設を管理する11団体に対して実地調査を実施。
4
《参考》用語解説等
○
公の施設とは
住民の福祉を増進する目的をもって住民の利用に供するために普通地方公共団体が設け
る施設(地方自治法第 244 条第1項)
○
指定管理者制度とは
公の施設の管理に関する権限を条例に定める手続に沿い議決を経て指定された者(指定
管理者)に委任する制度(地方自治法第 244 条の2第3項)
民間事業者等が有するノウハウを活用して住民サービスの向上を図り,公の施設の設置
目的を効果的に達成するために設けられた制度
○
県出資法人とは
県が基本財産,資本金,その他これらに準ずるものを出資し,又は 出えん している法人
のうち,その活動範囲が県内であるもの(広島県出資法人指導・調整要綱第2条第1号)
○
利用料金制度とは
公の施設の使用料について,指定管理者が直接,利用料金として収入することができる
制度(地方自治法第 244 条の2第8項)
○
利用料金の設定について
利用料金は,条例の定めるところにより,指定管理者があらかじめ県の承認を受けて定
めるものとされている。(地方自治法第 244 条の2第9項)
その具体の額は,県と指定管理者との間で締結される基本協定書(指定管理施設の管理
について基本的な事項を定めたもの)に規定され,指定管理者がこれを設定・変更しよう
とするときは,あらかじめ県に申請し,県の承認を受けることとなっている。
5
第2
1
監査の結果
書面調査の結果
(1)公の施設の指定管理者及び有料道路を管理する県出資法人
公の施設の指定管理者(以下「指定管理者」という。)34 団体 46 施設並びに有
料道路を管理する県出資法人である広島県道路公社及び広島高速道路公社(以下
「県道路公社等」という。)の2団体7施設,合計 36 団体 53 施設すべてに対して,
料金徴収の有無,料金の徴収方法,料金収入額,料金の減免状況,料金徴収に係る
規程の整備状況,入場券等の管理状況, 券売機・精算機の設置・管理状況 及び料金
徴収に係る検査体制について,書面による調査を実施した。
ア
料金の徴収状況
料金徴収の有無について,監査対象とした 53 施設(36 団体)のうち,利用料
金及び使用料の徴収がないと回答があった広島県立視覚障害者情報センター,広
島県緑化センター・広島県立広島緑化植物公園,広島県栽培漁業センターの3施
設(3団体)を除いた 50 施設(33 団体)において料金徴収が行われていた。
【利用料金,使用料,通行料金の徴収の有無】
区分
監査対象
利用料金,使用料,通行
料金の徴収があるもの
利用料金,使用料,通行
料金の徴収がないもの
指定管理者
46 施設
(34 団体)
43 施設
(31 団体)
3施設
(3団体)
県道路公社等
7施設
(2団体)
7施設
(2団体)
−
合計
53 施設
(36 団体)
50 施設
(33 団体)
3施設
(3団体)
注
表中の網掛け部分が以下の取りまとめの対象である。
以下,指定管理者及び県道路公社等に係る書面調査の結果は,料金徴収業務が
行われている 50 施設(公の施設 43 施設,有料道路7施設)の状況を県所管課へ
のヒアリングを行った上で取りまとめた。
6
(ア)指定管理者における料金徴収状況
a
利用料金制度の導入状況
指定管理者が管理する 43 施設のうち,地方自治法第 244 条の2第8項に
よる利用料金制度を導入している施設は,27 施設である。
このうち,施設の管理運営に当たり,県から委託料が支払われているの
は 21 施設であり,それ以外の6施設については県から委託料が支払われて
いない。
また,利用料金制度を導入していない 16 施設のいずれにおいても, 県と
の委託契約により 使用料を徴収している。
【利用料金制度の導入状況】
区分
施設数
利用料金制度を導入している施設
県から委託料が支払われている施設
県から委託料が支払われていない施設
利用料金制度を導入していない施設
合計
b
27
21
6
16
43
料金徴収の概況
指定管理者が管理する 43 施設における平成 23 年度の管理運営に係る委託
料を除いた収入総額は,14,099,696,750 円となっている。
収入の性質については,最終的に,指定管理者の収入となるものと県の収
入(歳入)となるものとに区分される。
指定管理者の収入となるものは,「指定管理者制度導入施設の管理運営状
況」(県行政管理課取りまとめ)に基づくと,利用料金,その他収入,自主
事業の3つに区分される。
県の収入となるものは, 県との委託契約により 徴収している使用料である。
【指定管理者の収入区分及び金額(平成 23 年度)】
料金区分
利用料金
その他収入
自主事業
徴収委託に
よる使用料
概要
施設の設置及び管理条例上で規定された料金
(例)施設利用料,入場料
施設管理の中で徴収する料金のうち,利用料
金を除いたもの(例)レストラン,売店の料金
指定管理者が自らの責任で実施する事業によ
るもの(例)コンサート等の自主企画の料金
県との委託契約により指定管理者が徴収する
もの(例)県営住宅使用料
合計
注1
自主事業は,施設管理業務として位置付けられていない。
注2
施設ごとの料金徴収額は,P9を参照。
7
実績額(円)
6,594,921,112
1,147,776,443
433,004,649
5,923,994,546
14,099,696,750
c
減免の実績状況
指定管理者が管理する 43 施設においては,いずれも利用料金及び使用料
について,それぞれの施設の設置及び管理条例に減免に関する規定があっ
た。平成 23 年度に実際に減免を行ったのは 37 施設であり,23 年度の減免
実績総額は 433,568,923 円であった。
そのうち利用料金制度を採用している 14 施設において,利用料金の減免
額が県から補てんされており,減免補てん総額は 51,122,736 円であった。
【減免額の料金区分割合,減免補てんの有無の割合】
〔減免額の料金区分割合〕
合計
433,568,923 円
〔減免補てんの有無の割合〕
使 用 料 の減 免
79.4%
344,083,361 円
d
利用料金の減免
20.6%
89,485,562円
減免補てん有
57.1%
51,122,736 円
減免補てん無
42.9%
38,362,826 円
各施設の収入額等
指定管理者が管理する 43 施設ごとの平成 23 年度収入額,減免額及び減
免補てん額の状況は,次のとおりである。
8
【各施設の収入額,減免額及び減免補てん額の状況(平成23年度)】
公の施設
県委託料
なし
利用料金
(単位:円)
その他の収入
広島県立広島国際協力センター
14,655,850
20,561
広島県民文化センター
78,903,780
380,746
広島県民文化センターふくやま
自主事業
徴収委託による
使用料等
17,723,700
減免額
減免補てん額
9,168,000
2,547,190
2,547,190
27,120,148
1,688,708
874,500
1,895,598
1,895,598
94,212,746
44,449,245
9,172,857
5,252,326
4,319,896
66,386,870
59,414,387
176,300
14,213,990
14,213,990
広島県立県民の森
76,234,290
137,919,851
8,217,810
8,217,810
広島県立もみのき森林公園
42,003,706
82,292,200
5,237,850
5,237,850
広島県立文化芸術ホール
○
広島県立美術館
広島県縮景園
広島県立県民の浜
42,705,589
137,149,344
1,162,300
1,162,300
広島県立中央森林公園(公園センター等地区)
○
37,249,030
42,223,603
8,029,780
8,029,780
広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデ
ン地区)
69,434,265
242,189,749
野呂山公園施設
2,451,900
帝釈公園施設
牛小屋高原公園施設
広島県立障害者リハビリテーションセンター
広島県立福山若草園
広島県立障害者療育支援センター
広島県健康福祉センター
広島県立ふくやま産業交流館
○
広島県立産業技術交流センター
広島県立広島産業会館
36,041,270
3,235,688
370,830
370,830
1,289,575
839,775
56,225
56,225
2,861,124,177
105,210,090
29,415,827
520,182,416
11,973,898
34,203,295
1,365,654,611
98,045,825
81,985,499
14,728,035
22,376,424
1,434,310
111,195,350
1,021,310
370,550
53,449,415
○
284,486,000
670,650
13,149
広島県産業科学技術研究所
44,630
72,156,118
五日市漁港フィッシャリーナ
798,400
広島空港県営駐車場
305,375
一般港湾施設
132,814,855
広島観音マリーナ
○
95,808,884
54,615,006
ボートパーク広島
○
134,259,379
46,258,300
5,791,440
6,341,235
83,500
88,820,950
301,610
2,361,031,154
19,500
467,000
2,080,250
227,717
227,717
広島県立みよし公園
23,890,360
8,143,295
5,218,180
1,617,960
1,617,960
広島県立びんご運動公園
67,338,310
8,603,994
5,845,538
3,225,590
3,225,590
県営住宅(広島南部地区)
779,616,127
64,192,542
県営住宅(広島北部地区)
1,043,110,571
142,254,872
348,236,089
42,900,199
県営住宅(三次,庄原地区)
68,526,125
5,779,068
県営住宅(第二・第三平成ヶ浜住宅)
35,653,471
1,201,157
県営住宅(呉地区)
225,557,450
22,039,578
県営住宅(東広島,竹原地区)
133,618,865
5,146,816
県営住宅(三原地区)
164,778,186
9,011,068
県営住宅(尾道地区)
155,627,270
6,973,617
県営住宅(福山,府中地区)
451,689,639
39,680,592
県営住宅(第二上安住宅)
38,343,414
1,934,491
県営住宅(平成ヶ浜住宅)
17,252,560
2,564,751
県営住宅(廿日市・大竹地区)
広島県総合グランド
17,784,540
広島県立総合体育館
合 計 (43施設)
6
6,934,938
3,834,400
456,330,616
32,470,982
36,704,930
6,594,921,112
1,147,776,443
433,004,649
18,930
25,256,326
5,923,994,546
433,568,923
51,122,736
注1 広島県立美術館及び広島県縮景園は,平成24年度から現在の指定管理者に替わっており,表中の金額は前指定管理者のときのものである。
注2 牛小屋高原公園施設は,平成23年11月から現在の指定管理者に替わっており,表中の金額は前指定管理者のときのものと合算したものである。
9
(イ)県道路公社等における料金徴収状況
a
料金徴収の概況
県道路公社等が管理する有料道路7施設における平成 23 年度の通行料金
に係る収入の合計は,9,422,057,595 円となっている。
b
減免の実績状況
県道路公社等が管理する有料道路7施設においては,いずれも徴収する通
行 料 金 の 減 免 に 関 す る 規 定 が あ り , 平 成 23 年 度 の 減 免 実 績 総 額 は
32,661,330 円であった。
【通行料金の収入総額等(平成 23 年度)】
(単位:円)
通行料金の収入
施設名
現金
回数通行券
売上
ETC等
減免額
合計
広島熊野道路
396,484,899
136,151,820
532,636,719
3,224,240
安芸灘大橋有料道路
221,385,928
526,981,150
748,367,078
11,999,870
29,607,430
345,933,055
375,540,485
5,222,640
6,752,348,033
7,765,513,313
12,214,580
6,752,348,033
9,422,057,595
32,661,330
尾道大橋有料道路
広島高速1号線
広島高速2号線
広島高速3号線
広島高速4号線
合計
注1
1,013,165,280
1,660,643,537
1,009,066,025
広島高速道路公社の管理する,広島高速1号線,広島高速2号線,広島高速3号線及び広
島高速4号線については,全線集計としている。
注2
ETC等とは,ETCクレジットカードにより支払われた通行料金のほかに,ETCマイ
レージ還元負担金収入などを含んでいる。
10
イ
料金徴収に係る規程の整備状況
(ア)指定管理者における規程の整備状況
a
利用料金制度を導入している施設
利用料金制度を導入している 27 施設のうち,利用料金の収受に係る規程
として必要となる事務処理要領等を県が定めることとなっているのは 13 施
設であり,指定管理者が事務処理要領等を定め,県に提出することとなっ
ているのは 14 施設であった。
b
利用料金制度を導入していない施設
利用料金制度を導入していない 16 施設については,料金の徴収を県から
委託されており,料金徴収の手続は県が委託契約書等で定めていた。
(イ)県道路公社等における規程の整備状況
県道路公社等が管理する有料道路7施設において,料金の徴収に当たって必
要な規程については,県道路公社等の内部規程として整備されていた。
ウ
入場券等の管理の状況
(ア)入場券等の発行状況
指定管理者及び県道路公社等が管理する 50 施設のうち,利用料金,使用料
及び通行料金の徴収に当たり,入場券等を発行しているのは 19 施設であった。
入場券等の種別ごとに区分すると,窓口で職員が入場券,施設利用券を交付
しているのは 10 施設であり,窓口で職員が回数券,定期券を販売しているの
は 12 施設であった。
また,入場券,施設利用券,回数券及び定期券以外の券種(無料券,割引
券等)を交付しているのは5施設であった。
11
【入場券等の発行状況】
入場券・
利用券
回数券・
定期券
駐車場料金
○
○
入場料
○
入場料
○
施設名
料金名
広島県民文化センター
広島県縮景園
広島県立美術館
○
○
駐車場料金
広島県立県民の森
施設利用料金(リフ
ト,ロープ塔)
広島県立もみのき森林
公園
広島県立中央森林公園
施設利用料金(アス
(公園センター等地区)
園)
広島県立中央森林公園
(フォレストヒルズガーデ
ン地区)
広島県立広島産業会館
広島空港県営駐車場
一般港湾施設
広島観音マリーナ
五日市漁港フィッシャ
リーナ
ボートパーク広島
広島県立みよし公園
レチック,ロープ塔)
施設利用料金(三景
安芸灘大橋有料道路
尾道大橋有料道路
○
○
○
○
駐車場料金
○
駐車場料金
○
○
○
駐車場料金
施設利用料金(パー
施設利用料金(スタ
ジオ)
○
○
○
○
通行料金
○
通行料金
○
通行料金
○
10
12
○
○
駐車場料金
合計(19 施設)
○
○
駐車場料金
競技場)
広島熊野道路
○
駐車場料金
施設利用料金(陸上
広島県立総合体育館
○
○
ル,テニスコート)
クゴルフ)
広島県立びんご運動公
園
○
施設利用料金(プー
駐車場料金
無料券・
割引券等
12
5
(イ)入場券等の管理方法
入場券等を発行している 19 施設のすべてにおいて,施錠した金庫及びロッ
カー内で入場券等を保管するとともに,受払簿・日計表等により入場券の受
払を記録しており,基本的な対応はとられていた。
さらに,不正防止等のための工夫をしている施設数は,次のとおりであった。
その内容は,ナンバリングの付与,不正コピー防止のための特殊印刷(入場
券等をコピーすると「複製」の文字が浮かび上がる印刷),磁気書込みを利用
した偽造防止であった。
【不正防止のための対策】
対策内容
ナンバリングの付与
不正コピー防止のための特殊印刷
磁気書込みを利用した偽造防止
エ
導入施設数
13
2
5
券売機・精算機の設置・管理の状況
(ア)券売機の設置状況
指定管理者及び県道路公社等が管理する 50 施設のうち,利用料金,使用料
及び通行料金の徴収に当たり,券売機を設置の上で,現金を収受し入場券等
を交付しているのは7施設であった。
【券売機の設置状況】
施設名
広島県立中央森林公園
(公園センター等地区)
販売している入場券等の種類
施設利用券(レンタサイクル)
広島空港県営駐車場
駐車場定期券,プリペイドカード
広島県立みよし公園
施設利用券(プール)
広島県立びんご運動公園
広島県立総合体育館
施設利用券(トレーニング室,プール,オートキ
ャンプ場)
施設利用券・回数券(トレーニング室,弓道場,武
道場)
広島熊野道路
回数通行券
尾道大橋有料道路
回数通行券
13
(イ)精算機の設置状況
指定管理者及び県道路公社等が管理する 50 施設のうち,利用料金,使用料
及び通行料金の徴収に当たり,精算機を設置し,現金の収受を行っているのは
15 施設であった。
【精算機の設置状況】
施設名
広島県民文化センター
広島県立美術館
広島県立中央森林公園(公園センター等地区)
広島県立産業技術交流センター
広島県立広島産業会館
広島空港県営駐車場
一般港湾施設
広島観音マリーナ
五日市漁港フィッシャリーナ
ボートパーク広島
広島県立総合体育館
広島高速1号線
広島高速2号線
広島高速3号線
広島高速4号線
徴収する料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
駐車場利用料金
通行料金
通行料金
通行料金
通行料金
(ウ)精算機・券売機の管理状況
設置されたすべての券売機(7施設)・精算機(15 施設)について,料金徴
収状況を記録したデータが出力可能であり,不正な操作等に対する警報装置
又は監視カメラの設置による安全対策が講じられていた。
オ
料金徴収に係る自主的検査の状況
指定管理者及び県道路公社等において自主的に実施する検査のうち,料金徴収
に係る検査の状況について調査した。
料金徴収に係る検査(日常の料金徴収事務上のチェック・確認以外の検査)を
実施しているのは,指定管理者及び県道路公社等が管理する 50 施設のうち 43 施
設であり,残りの7施設は,検査を実施していなかった。
その 43 施設で実施されている検査については,検査者により,施設職員,施
設管理を行う組織の上部組織である本社等職員,監事等の監査部門,外部の民間
監査人等と大きく4つに区分される。このうち,施設職員によるものについては,
経理等の担当者による検査と役職者による検査に区分されるが,経理等の担当者
だけで検査を行っているものが2施設あった。
なお,13 施設で複数の区分を組み合わせて検査を実施していた。
14
【各施設の料金徴収に係る自主的検査の状況】
施 設
広島県立広島国際協力センター
広島県民文化センター
広島県民文化センターふくやま
広島県立文化芸術ホール
広島県縮景園
広島県立美術館
広島県立県民の森
広島県立もみのき森林公園
広島県立県民の浜
広島県立中央森林公園(公園センター等地区)
広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)
野呂山公園施設
帝釈公園施設
牛小屋高原公園施設
広島県立障害者リハビリテーションセンター
広島県立福山若草園
広島県立障害者療育支援センター
広島県健康福祉センター
広島県立産業技術交流センター
広島県立広島産業会館
広島県立ふくやま産業交流館
広島県産業科学技術研究所
広島空港県営駐車場
一般港湾施設
広島観音マリーナ
五日市漁港フィッシャリーナ
ボートパーク広島
広島県立みよし公園
広島県立びんご運動公園
県営住宅(広島南部地区)
県営住宅(広島北部地区)
県営住宅(廿日市・大竹地区)
県営住宅(三次,庄原地区)
県営住宅(第二・第三平成ヶ浜住宅)
県営住宅(呉地区)
県営住宅(東広島,竹原地区)
県営住宅(三原地区)
県営住宅(尾道地区)
県営住宅(福山,府中地区)
県営住宅(第二上安住宅)
県営住宅(平成ヶ浜住宅)
広島県総合グランド
広島県立総合体育館
広島熊野道路
広島熊野道路
安芸灘大橋有料道路
尾道大橋有料道路
広島高速1号線
広島高速2号線
広島高速3号線
広島高速4号線
合 計
検
査
実
施
○
◎
◎
◎
○
○
○
○
○
○
○
○
◎
◎
◎
○
○
○
◎
○
○
○
施設職員による検査
担当者
(経理等)
役職者
(係長以上)
月1回
月1回
月1回
本社職員
等による
検査
月1回
月1回
年1回
年2回
年1回
年1回
年1回
月1回
月1回
年1回
年1回
年1回
月1回
月1回
月1回
月2回
年2回
月1回
月1回
月1回
年2回
年2回
年1回
○
年2回
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
○
○
○
月1回
月1回
月1回
月1回
年1回
年1回
年1回
年1回
年1回
年2回
月1回
月1回
月1回
月1回
月1回
月1回
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
年2回
年1回
年1回
年1回
年1回
年1回
月1回
月1回
月1回
月1回
6
13
注 ◎印は複数の検査者区分を組み合わせて検査を実施している施設(13 施設)
15
外部監査
人等によ
る検査
年1回
年1回
年1回
適宜
月数回
○
43
監査部門
による検
査
16
15
8
(2)県所管課
公の施設の県所管課 14 課及び県道路公社等の県所管課1課に対して,平成 23 年
度に実施された指定管理者への実地調査及び県道路公社等への立入検査の状況,24
年度以降に実施された利用料金に関する指定管理者との協議状況について,書面に
よる調査を実施した。
注
実地調査とは,地方自治法第 244 条の2第 10 項及び広島県公の施設における指定
管理者の指定手続等に関する条例第5条に基づくものをいい,立入検査は,地方道
路公社法第 38 条第1項に基づくものをいう。
ア
実地調査・立入検査の実施状況
平成 23 年度における県所管課による指定管理者への実地調査及び県道路公社
等への立入検査の実施状況は,次のとおりである。
(ア)公の施設の県所管課
広島県公の施設における指定管理者の指定手続等に関する条例第5条には,
知事(県所管課)は指定管理者に対し,定期又は臨時にその管理の業務及び経
理の状況に関する報告を求め,実地について調査することができるとされてい
る。指定管理者の指定に関する事務の基本的な流れが定められた「指定管理者
制度運用に係る事務処理要綱(平成 23 年7月行政管理課・財政課制定)」の規
定によると,県所管課においては,施設の運営実態等を適切に把握するため,
年1回以上現地点検を行うよう努めることとなっており,すべての県所管課
14 課において,年1回以上実施されていた。
実地調査を行う際の職員体制については,2人以下で実施している課が8課
となっている。
また,所要時間については,2時間までが9課となっている。
16
【県所管課による実地調査の状況】
1施設当たりの
調査回数
料金徴収業務
の調査の有無
県所管課
施設数
国際課
1(1)
10 回
1∼2人
1時間
無
文化芸術課
5(5)
1回
1人
1∼2時間
有(1施設)
無(4施設)
自然環境課
8(8)
2回
1∼2人
2時間又は
4時間
無
障害者支援課
4(3)
1回〔1施設〕
3回〔3施設〕
1∼2人
2時間
無
高齢者支援課
1(1)
3回
1人
1∼2時間
無
商工労働総務課
3(3)
1回〔2施設〕
11 回〔1施設〕
1∼2人
1∼2時間
無
職員体制
所要時間
産業政策課
1
1回
1人
1時間
無
森林保全課
1
1回
2人
1時間
無
水産課
2
1回
3人
3∼4時間
無
空港振興課
1
3回
1又は3人
1時間
有(1施設)
無(2施設)
港湾振興課
3(2)
1回〔2施設〕
2回〔1施設〕
2又は5人
2時間又は
5時間
有
都市計画課
2(2)
2回
4∼7人
2時間
有
12
2回
3∼5人
又は8人
2∼3時間
有
スポーツ振興課
2(2)
1回
3人
2∼3時間
無
計 14 課
(9課)
46 施設
(27 施設)
住宅課
注1
施設数欄の(
)内の数値は,利用料金制の導入施設数である。
また,1施設で複数回調査を実施し,料金徴収業務の調査がある場合とない場合の両方が
あるときは,「料金徴収業務の調査の有無」欄において,「有」で整理している。
注2
県営住宅(三次・庄原地区)の実地調査は北部建設事務所において実施し,県営住宅(三
原地区)・(尾道地区)・(福山・府中地区)の実地調査は東部建設事務所が実施している。
17
また,利用料金制を導入している 27 施設を管理する県の9課に対して,実
地調査の際に料金徴収業務を調査しているかどうか確認したところ,6課は全
く調査を行っていなかった。
【利用料金制度導入施設の県所管課における料金徴収業務の調査の状況】
料金徴収業務の調査の実施状況
県所管課
所管する
すべての
施設で実施
一部施設で
実施
所管する
すべての
施設で未実施
国際課
○
○
(1施設で実施)
文化芸術課
(参考)
利用料金制
導入施設数
1
5
自然環境課
○
8
障害者支援課
○
3
高齢者支援課
○
1
商工労働総務課
○
3
港湾振興課
○
2
都市計画課
○
2
スポーツ振興課
計(9課)
2課
1課
○
2
6課
27 施設
(イ)県道路公社等の県所管課
県道路公社等への立入検査は,広島県道路公社については毎年1回,広島高
速道路公社については2年に1回(ただし,県所管課が実施しない年度は広島
市が立入検査を行う。)実施していた。
【県道路公社等の県所管課の立入検査の状況】
県所管課
法人数
道路河川管理課
2
注
イ
1法人当たり
の調査回数
職員体制
所要時間
1回
3人
6時間
料金徴収業務
の調査の有無
有
広島高速道路公社については,平成 24 年度の実施状況である。
利用料金に関する指定管理者との協議状況
平成 23 年度以降,公の施設の県所管課において,指定管理者(利用料金制度
の導入施設)からの利用料金に関する条例改正の要望や変更承認申請に係る対
応状況は,次のとおりである。
18
(ア)条例改正事項に係る対応状況
指定管理者から県所管課に対する利用料金の設定に関する条例改正の要望は,
平成 23 年度以降4件あった。そのうち,条例改正について対応したものは2
件あり,いずれも平成 25 年2月定例会に提案されている。
【条例改正事項の対応状況】
県所管課
障害者支援課
港湾振興課
都市計画課
都市計画課
上段:公の施設
下段:指定管理者
広島県立障害者リハビリ
テーションセンター
社会福祉法人広島県福祉
事業団
広島観音マリーナ
株式会社ひろしま港湾管
理センター
広島県立みよし公園
ミズノグループ共同企業
体
広島県立びんご運動公園
ポラーノグループびんご
要望内容
県所管課の対応
・新たに建設され
た宿泊施設の利用
料金の新設
・条例改正案提出
・大型艇に対応し
た料金改定
・条例改正案提出
・野外ステージ及
び文化の広場の時
間制料金の設定
・スタジオの専用
料金の設定
・利用料金を変更
するよう指導
・当面利用方法を
変更し,状況を把
握するよう指導
(イ)利用料金の変更の承認状況
県所管課において,指定管理者から利用料金に係る変更の承認を行ったも
のは,平成 23 年度4件,24 年度3件である。
【利用料金に係る変更の申請・承認状況】
県所管課
自然環境課
自然環境課
自然環境課
自然環境課
上段:公の施設
下段:指定管理者
広島県立もみのき森林
公園
財団法人もみのき森林
公園協会
広島県立中央森林公園
(フォレストヒルズガ
ーデン地区)
広島空港ビルディン
グ・広島エアポートホ
テル共同企業体
野呂山公園施設
財団法人野呂山観光開
発公社
帝釈公園施設
一般財団法人休暇村協
会
19
承認内容
平成 23 年度
平成 24 年度
・アスレチックコ
ースの利用料金の
変更
・コテージの新た
な利用区分の設定
(2件)
・オートキャンプ
場の秋から冬の利
用料金の変更
・オートキャンプ
場の秋から冬の利
用料金の変更
・オートキャンプ
場,ケビンの利用
料金のGWや夏期
の日程変更
・オートキャンプ
場,ケビンの利用
料金のGWや夏期
の日程変更
2
実地調査の結果
監査対象団体に対する書面調査の結果を踏まえ,全 36 団体の中から 11 団体を抽出
し,1団体につき2日間にわたって,現地で料金の徴収処理状況を調査した(P2
「監査の実施方法」参照)。
各団体においては,それぞれの施設の利用促進に努めているところであるが,今回
の実地調査において,次のとおり料金徴収業務に係る問題点があった。
以下,施設ごとに実地調査の結果を述べる。
(1)広島県立美術館
(指定管理者:乃村工藝社・イズミテクノ美術館活性化共同事業体)
(実地調査:平成 24 年 12 月 18 日∼19 日)
(委員監査:平成 25 年1月 17 日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
注
イ
広島市中区上幟町2-22
美術に関する県民の知識及び教養の向上に資する。
展示室(常設・企画),講堂(202 席),県民ギャラリー,駐車場
等
乃村工藝社・イズミテクノ美術館
3期目 H24.4.1∼H29.3.31
活性化共同事業体
株式会社イズミテクノ
2期目 H23.4.1∼H24.3.31
(縮景園と一体で指定管理)
株式会社イズミテクノ
1期目 H20.4.1∼H23.3.31
(縮景園と一体で指定管理)
県委託料
248,000 千円
平成
料金収入
66,387 千円
23 年度
その他の収入
59,415 千円
環境県民局文化芸術課
収入額には,縮景園分が含まれている。
主な料金種別及び収入実績等 (平成 24 年4∼5月)
区分
徴収場所
徴収方法
所蔵作品展入館料
総合受付
現金
県民ギャラリー
事務室
現金,口座振込
講堂
事務室
現金,口座振込
駐車場
駐車場
現金(精算機)
注1
収入実績
431,140 円
2,541,520 円
51,170 円
3,098,250 円
徴収場所及び徴収方法は,主なものである。収入実績の金額は書面調査による。
以下同じ。
注2
現在の指定管理者は,平成 24 年度から管理している。
20
ウ
問題点
(ア)展示室の利用料金の算出方法について
広島県立美術館(以下「美術館」という。)では,創作活動の発表の場とし
て,各種美術団体やグループなどに展示室(県民ギャラリー)を貸し会場とし
て提供している。
展示室の利用料金については,1時間単位及び1日単位の料金の額を定めて
いるが,実際の料金の算出は,すべて1時間単位の料金額に開館時間を乗じる
ことにより計算しており,1日単位の料金額はあるものの適用しておらず,料
金の算出方法が明確になっていなかった。
【県との協定における第二展示室の利用料金(抜粋)】
区分
入場料有料の 1時間につき
場合
1日につき
注
通常料金
2,230 円
17,840 円
土日料金
2,670 円
21,400 円
準備料金
1,100 円
8,920 円
広島県立美術館条例において,「『1日』とは,美術館の開館時間とする」と
定めている。
例えば,第二展示室を土曜日に8時間利用した場合(入場料有料),利用料
金を1時間単位の料金額で算出すると 21,360 円(1時間 2,670 円×8時間
〔9時から 17 時〕)となるが,これは1日単位の 21,400 円を 40 円下回るもの
である。
なお,「1日とは,美術館の開館時間とする」とされているが,通常時(9
時から 17 時まで)と金曜日(9時から 19 時又は 20 時まで)で開館時間が異
なっており,1日の定義も明確でない。
また,美術館のパンフレットなどの料金表には,実際の料金算出において使
われている1時間単位の料金は記されておらず,1日単位とこれに加え1週間
単位の料金が記載されている。
1週間単位の料金区分は条例上に定めがないが,指定管理者の説明によると,
1週間単位で利用する場合が多いため目安として記載しているということであ
るが,その料金の算出方法は記されていない。
【パンフレット・ホームページにおける展示室(県民ギャラリー)の料金表示】
展示室
第1展示室
第2展示室
第3展示室
第4展示室
第5展示室
入場料有料の場合
1日につき
1週間につき
10,000 円
71,340 円
17,840 円
127,270 円
17,840 円
127,270 円
17,840 円
127,270 円
18,880 円
134,740 円
入場料無料の場合
1日につき
1週間につき
4,960 円
33,170 円
8,880 円
59,350 円
8,880 円
59,350 円
8,880 円
59,350 円
9,440 円
63,130 円
※
入場料有料の場合,土・日・祝日は,規定料金の約2割増し。
※
搬入・搬出時の料金は,規定料金の約半額。
21
(イ)駐車場の無料サービス券の管理について
美術館では,駐車場の利用に関して,減免対象者などに交付する無料サービ
ス券があり,総合受付,事務室及び駐車場において交付されている。
無料サービス券は事務室で全体を管理するとのことであったが,すべての無
料サービス券の所在について確認できる受払簿はなく,無料サービス券の管理
が十分でない状態であった。
なお,無料サービス券には,減免対象者に交付する1日無料券のほかに,レ
ストラン,ミュージアム・ショップ,ティールームのレシート(1,000 円以
上)を総合受付で提示した人に交付する 30 分券がある。
(ウ)料金徴収業務に係る事務処理要領について
県と指定管理者との間で締結した「広島県立美術館の管理に関する基本協定
書」において,指定管理者は,利用料金の収受に関し必要な事項を定めた事務
処理要領を作成することと定められているが,これが作成されていなかった。
22
(2)広島県縮景園
(指定管理者:廣島緑地建設・広田造園・イズミテクノ共同事業体)
(実地調査:平成 24 年 12 月 18 日∼19 日)
(委員監査:平成 25 年1月 17 日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
イ
主な料金種別及び収入実績等 (平成 24 年4∼5月)
区分
徴収場所
徴収方法
入園料
入園券売場
現金
駐車場
駐車場
現金
園内施設(明月亭,清月館)
事務室
現金
注
ウ
広島市中区上幟町2-11
名勝庭園の保存と活用を図り,県民の福祉の増進に資する。
池泉回遊式庭園,清風館,悠々亭,明月亭,売店,管理棟,駐車場等
廣島緑地建設・広田造園・イズミテ
H24.4.1∼H29.3.31
3期目
クノ共同事業体
株式会社イズミテクノ
2期目 H23.4.1∼H24.3.31
(美術館と一体で指定管理)
株式会社イズミテクノ
H20.4.1∼H23.3.31
1期目
(美術館と一体で指定管理)
県委託料
平成
広島県立美術館に含まれている。
料金収入
23 年度
その他の収入
環境県民局文化芸術課
収入実績
6,855,860 円
1,979,100 円
39,850 円
現在の指定管理者は,平成 24 年度から管理している。
問題点
(ア)「宮島・瀬戸内ぐるりんパス」に係る入園料について
鉄道切符と観光施設の入場券などがセットになった「宮島・瀬戸内ぐるりん
パス」に係る広島県縮景園(以下「縮景園」という。)の入園料について,利
用料金の額と異なる金額を徴収していた。
宮島・瀬戸内ぐるりんパスは,指定管理者と旅客会社等との間で締結した
「『宮島・瀬戸内ぐるりんパス』の販売に関する協定書」により実施されてい
る。縮景園の入園料については,ぐるりんパスの精算事務を行う会社との覚書
に定める金額を同社から徴収しているが,覚書に定める金額が県の承認を受け
た利用料金の額(県との協定額)と異なっていた。
【宮島・瀬戸内ぐるりんパスに係る入園料】
区分
個人
中学生
小学生
県との協定額
80 円
36 円
36 円
23
実際の徴収額
85 円
85 円
38 円
(イ)駐車料金に係る減免について
指定管理者が減免した駐車料金については,県が予算の範囲内で減免額を補
てんすることとなっているが,減免補てん額の算出根拠となる利用時間が正し
いことを確認できる資料がなかった。
指定管理者は,県に減免補てん額を請求する場合,県への利用料金減免実績
報告書に駐車券の写しを添付している。添付された駐車券の写しをみると,入
庫時間は機械により印字されているが,出庫時間は駐車場担当者の手書きとな
っていた。
(ウ)駐車場レジのキャンセル処理について
駐車料金のレジ操作を途中でキャンセルする処理が行われていたが,その理
由などは記録されておらず,担当者以外の者もその処理の理由を確認していな
かった。
駐車場の担当者が料金徴収する際の通常の手順は,次のとおりである。
①
入庫時にレジ操作を行い,入庫時間が記された駐車券2枚を出力して1
枚を利用者に交付し,1枚を控えとする。
②
精算時に,駐車場の担当者が駐車券の控えをバーコードで読み込み,駐
車料金を表示させて決定ボタンを押す。
③
料金を徴収すると同時に,レジから出力された領収のレシートを利用者
に交付する。
この処理手順の中で,レジの決定ボタンを押す直前に利用者が減免対象者で
あることが判明した場合やバーコートの読み取りができない場合などには,レ
ジ操作によりキャンセル処理を行うとのことである。
駐車場の料金徴収は一人で行われており,担当者以外の者にはどのような理
由でキャンセル処理をしたか確認できない状態になっていた。
24
(3)広島県立県民の森
(指定管理者:株式会社比婆の森)
(実地調査:平成 24 年 10 月 23 日∼24 日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
イ
庄原市西城町油木 156−14
すぐれた自然環境にある森林を保護するとともに,その利用の増進を
図り,もって県民の保健,休養及び教化に資する。
公園センター(センター棟,宿泊棟),全天候多目的施設(体育
館),キャンプ場,スキー場施設等
3期目 H23.4.1∼H28.3.31
株式会社比婆の森
2期目 H20.4.1∼H23.3.31
株式会社比婆の森
1期目 H17.4.1∼H20.3.31
株式会社比婆の森
県委託料
7,787 千円
平成
料金収入
76,234 千円
23 年度
その他の収入
137,920 千円
環境県民局自然環境課
主な料金種別及び収入実績等 (平成 23 年度)
区分
徴収場所
公園センター和室・洋室
(宿泊,一時利用)
入浴料(宿泊者が利用する場合
公園センター
を除く。)
キャンプ場
スキー場(スキーリフト,ロー
プ塔)
ウ
徴収方法
収入実績
25,622,690 円
2,533,100 円
現金
スキー場管理棟
3,778,300 円
44,210,400 円
問題点
(ア)公園センター和室・洋室を食事利用する場合の利用料金について
広島県立県民の森(以下「県民の森」という。)の利用者が公園センターに
ある和室等を休憩のために一時使用する場合は,県との協定に基づく利用料金
を徴収しているが,同室を食事で利用する場合は利用料金を徴収していなかっ
た。
指定管理者からは,「食事利用の場合は,部屋料金を徴収しないのが一般的
である」と説明があったが,県との協定においては,公園センターの和室等を
食事で利用する場合に利用料金を徴収しないということは定められていない。
【県との協定における和室・洋室の一時使用に係る利用料金】
区分
公園センター
和室・洋室
一時使用
1室
につき
25
単位
4時間まで
4時間を超えて1時間ごとに
利用料金
4,200 円
1,050 円
(イ)スキーリフトに係るシニア区分の適用について
スキーリフトのシニア料金について,「広島県立県民の森設置及び管理条
例」に基づく県告示によれば,シニア料金は 60 歳以上の者に適用されるべき
ところ,55 歳以上の者に適用し,料金を徴収していた。
現地の看板やパンフレットには「シニア 55 歳以上」と掲載されていた。
なお,スキーリフト券自体には「シニア 60 歳以上」と印刷されていた。
【県告示における規定(抜粋)】
備考
【料金表に記載されたリフト料金(抜粋)】
(区分)
■リフト料金
シニア1日券
シニア2日券
(55 歳以上)
子供とは小学生以下の
者と,シニアとは 60 歳
以上の者とする。
(利用料金)
…
…
2,500 円
4,500 円
(ウ)公園センター和室・洋室に係る利用料金の徴収について
公園センターの和室・洋室の宿泊料について,繁忙期(ゴールデンウィーク
など)の利用料金を徴収すべきところ,誤って閑散期等の料金を徴収している
ものがあった。
平成 23 年4月 28 日においては,合計 17 人分の誤徴収があり,20,000 円の
徴収不足となっていた。
【平成 23 年4月 28 日における公園センター和室・洋室に係る誤徴収】
区分
和室又は洋室
バス・トイレ付
洋室
トイレ付
1人1泊
につき
1人1泊
につき
単位
その他 15 歳
以上の者
その他 15 歳
以上の者
繁忙期料金
6,000 円
5,000 円
実徴収額
4,000 円
又は 5,000 円
4,000 円
また,同年4月 29 日においては,合計 37 人分の誤徴収があり,18,350 円
の徴収不足,同じく4月 30 日においては,合計6人分の誤徴収があり,3,000
円の徴収不足となっていた。
【平成 23 年4月 29 日,30 日における公園センター和室・洋室に係る誤徴収】
区分
和室又は洋室
バス・トイレ付
和室又は洋室
トイレ付
単位
その他 15 歳
1人1泊
以上の者
につき
小学生児童
その他 15 歳
1人1泊 以上の者
につき
〃 減免
幼児
26
繁忙期料金
実徴収額
6,000 円
5,500 円
4,800 円
4,200 円
5,000 円
4,500 円
2,500 円
1,900 円
2,250 円
1,500 円
(エ)徴収料金に係る記録管理について
売上日報等の整備や証拠書類の管理において,次のとおり,ずさんな処理が
見受けられた。
a
売上日報と元帳の不一致について
県民の森では,1日の売上げをまとめた売上日報が作成されているが,売
上日報に記載された金額と元帳に記載された金額が一致していないものが
あった。
【売上日報と元帳の計上額の比較】
日付
平成 23 年4月 3日(日)
4月 4日(月)
4月 5日(火)
4月 7日(木)
4月 8日(金)
4月 14 日(木)
b
売上日報 a
54,750 円
0円
31,240 円
0円
303,190 円
25,890 円
元帳現金 b
62,250 円
10,800 円
20,440 円
5,600 円
297,590 円
26,090 円
差額 a-b
△7,500 円
△10,800 円
10,800 円
△5,600 円
5,600 円
△200 円
証拠書類の管理について
県民の森では,宿泊者などに対してフロントで請求明細書を交付しており,
その控えを保管している。
この請求明細書には№9581 というように通し番号が付されているが,保
管されている請求明細書の控えには欠番があり,連番で管理されていなかっ
た。指定管理者からは「入力の誤った請求明細書は保管せず廃棄している」
との説明があった。
また,フロントや売店のレジのレシートについても保管されていなかった。
指定管理者からは「打ち間違いが多いので保管せず廃棄している」との説明
があった。
なお,レストランのレジのレシートは保管されていた。
(オ)公園センター和室・洋室のパック料金に係る経理処理ついて
県民の森では,宿泊と食事がセットになった「美食会パック」や「宿泊パッ
ク」を設定しており,県との協定において,パック料金の場合の宿泊料金を定
めている。
このパック料金による利用があった場合の経理処理において,宿泊料金を県
との協定額で処理せず,誤って通常の宿泊料金で処理しているものがあった。
【美食会パックの一例】
区分
プレミアム
平日・15 歳以上の者
料金 a+b
(徴収額)
9,000 円
27
経理処理
宿泊 a
食事 b
4,500 円
4,500 円
宿泊部分
の協定額
3,700 円
(カ)公園センター浴室の利用料金について
公園センター浴室の入浴料について,県との協定で定める額に 100 円を加算
した料金を徴収し,その料金を一括して入浴料(利用料金)として経理処理し,
県へ報告していた。
公園センター浴室を宿泊者以外の人が利用する場合の料金は,県との協定に
おいて,中学生以上は 400 円,小学生は 200 円と定められているが,実際には,
中学生以上は 500 円,小学生は 300 円が徴収されており,指定管理者からは
「タオル代 100 円を利用料金に合わせて徴収している」と説明があった。
【県との協定における公園センター浴室の利用料金】
区分
公園センター浴室
(宿泊者が利用する
場合を除く)
単位
条例で定める
利用料金の範囲
利用料金
中学生以上
1人1回につき
520 円以内
400 円
小学生
1人1回につき
260 円以内
200 円
(キ)コインロッカーの料金収入に係る実績報告について
コインロッカーの利用料金は,「広島県立県民の森設置及び管理条例」に基
づく県告示で定められているが,県への事業実績報告書には利用料金として報
告せず,「その他収入」として報告していた。(平成 23 年度コインロッカーに
係る料金収入額 51,200 円)
(ク)パンフレットにおける料金表示について
公園センターの会議室の利用料金について,指定管理者が作成したパンフ
レットに掲示した料金区分(利用時間に係る表示)に誤りがあった。
なお,実際の料金徴収は協定に定められた額のとおり行われていた。
【パンフレットにおける会議室の利用料金に係る表示】
区分
会議室利用料
正
誤
4時間まで
8,400 円
5時間まで
8,400 円
4時間を超えて
1時間ごとに
2,100 円
延長2時間
2,100 円
28
(4)広島県立もみのき森林公園
(指定管理者:財団法人もみのき森林公園協会)
(実地調査:平成 24 年 11 月 13 日∼14 日)
(委員監査:平成 24 年 12 月5日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
イ
ウ
広島県廿日市市吉和 1593−75
すぐれた自然環境にある森林を保護するとともに,その利用の増進を
図り,もって県民の保健,休養及び教化に資する。
もみのき荘,体育館,研修棟,サイクリングロード,テニスコート,
スキー場,キャンプ場施設等
3期目 H23.4.1∼H28.3.31
財団法人もみのき森林公園協会
2期目 H20.4.1∼H23.3.31
財団法人もみのき森林公園協会
1期目 H17.4.1∼H20.3.31
財団法人もみのき森林公園協会
県委託料
10,500 千円
平成
料金収入
42,004 千円
23 年度
その他の収入
82,292 千円
環境県民局自然環境課
主な料金種別及び収入実績等 (平成 23 年度)
区分
徴収場所
宿泊所,研修棟
公園センター
体育館
野外施設(キャンプ場等)
管理棟
アスレチックコース
スキー場管理棟,
ロープ塔(スキー)
公園センター
徴収方法
現金,
口座振込
収入実績
26,084,755 円
1,128,431 円
11,126,325 円
3,241,719 円
422,476 円
問題点
(ア)オートキャンプ場のテント追加料について
広島県立もみのき森林公園(以下「もみのき森林公園」という。)における
オートキャンプ場のテントサイトの利用料金は,県との協定において1箇所1
泊につき 4,700 円と定められているが,1区画にテントを2張りする場合につ
いては,県との協定に定めのないまま,テント追加料として 2,100 円が加算さ
れて徴収されていた。
この 2,100 円については「その他収入」として計上されていたが,施設の
使用の対価と認められることから,「利用料金」として計上すべきものであり,
県が設置した他の類似施設においても,複数テントを設営する場合は利用料金
として設定している。
指定管理者からは「利用者からテント追加の要望があり,これに対応したも
の」との説明があった。
なお,県との協定額にテント追加料を加算すると 6,800 円(4,700 円+
2,100 円)となり,条例で定める利用料金の 5,000 円以内を超えることとなる。
29
【県との協定におけるオートキャンプ場(テントサイト)の利用料金(抜粋)】
条例で定める
利用料金の範囲
区分
単位
オートキャンプ場
宿泊・テントサイト
1箇所1泊につき
利用料金の額
5,000 円以内
4,700 円
【利用案内における表示】
追加料金
1サイトにテントを2張り設営の場合,2,100 円の加算
【ホームページにおける表示】
区分
オートキャンプ場 テント追加料(1張のみ可)
料金
2,100 円
(イ)第2オートキャンプ場及び第3オートキャンプ場の料金について
もみのき森林公園では,ゴールデンウィークやお盆には,オートキャンプ場
の周辺にある多目的広場を臨時的に第2オートキャンプ場及び第3オートキャ
ンプ場として使用させることとし,本来のオートキャンプ場と同様に利用申込
み,利用許可の手続を行った上で,1区画当たり 3,150 円の料金を徴収してい
た。
この第2オートキャンプ場及び第3オートキャンプ場については,本来,無
料の多目的広場であり,県との協定には利用料金の定めはない。
指定管理者からは「テントサイトが不足し,利用者の要望を満たすべく行っ
ている」と説明があった。
なお,徴収した第2オートキャンプ場及び第3オートキャンプ場の料金は,
「その他収入」として県に報告していた。
【ホームページにおける表示】
第2・第3オートキャンプ場
(繁忙期のみオープン)
28 区画
3,150 円
5月コールデンウィーク,8月お盆期間中
(ウ)デイキャンプ場の料金について
もみのき森林公園のデイキャンプ場(クッキング広場)の利用料金について
は,県との協定に定めのないまま,利用者からは,利用料金が定められた他の
施設と同様に,利用申込み,利用許可の手続を行った上で,1人当たり 315 円
を徴収していた。
徴収理由については,車両乗り入れの整備費,ごみ等の処理費,周辺の草刈
り経費に充当し,利用者の安全確保のため徴収しているとのことであった。
なお,徴収額は「その他収入」として県へ報告していた。
30
【現地の料金表における表示】
区分
クッキング広場
単位
料金
お1人
315 円
【ホームページにおける表示】
デ−キャンプ場
区分
1名様
料金
315 円
(エ)多目的ホールの料金について
研修棟1階の多目的ホールを利用させる場合に,一式 5,000 円又は一式
10,000 円の料金を徴収しているが,県との協定には定められていない。
指定管理者からは「冬季期間,利用者の要望により実施している」と説明が
あった。
(オ)バーベキュー広場の料金について
バーベキュー広場の利用料金は,県との協定において1箇所1回 1,000 円と
定められているが,もみのき森林公園では,利用者から利用料金を徴収する際
に,バーベキュー広場管理費として 1,500 円を合わせて徴収している。
しかし,現地の料金表やホームページでは,バーベキュー広場の料金は
2,500 円と表示しているのみであり,利用料金の額や別途加算される費用の金
額及びその内容を明示していなかった。
【県との協定におけるバーベキュー広場の利用料金】
区分
バーベキュー広場
単位
1箇所1回につき
条例で定める
利用料金の範囲
1,000 円以内
利用料金の額
1,000 円
【現地の料金表における表示】
区分
バーベキュー広場
単位
1区画1日
料金
2,500 円
【ホームページにおける表示】
区分
バーベキュー広場 かまど+テーブル付き
共同の炊事施設になります。
単位
1区画
料金
2,500 円
管理費 1,500 円を徴収する理由について,バーベキューで使用された炭の処
分費用や,かまどの修理費用,車両の乗り入れのための整備費用として徴収し
ているとのことであった。
なお,管理費 1,500 円は,「その他収入」として県に報告されていた。
31
(カ)研修室に係る利用料金の減免について
利用者(A市民センター)は,条例に定める減免対象者(社会福祉事業を推
進する団体)ではないのに,利用料金を減免して徴収しているものがあった。
また,当該料金を「施設利用収入」に計上せず,「その他収入」に計上して
処理していた。
【平成 24 年1月 27 日の研修室の利用に係る料金徴収】
区分
研修室 40 人部屋
研修室 70 人部屋
合計
正規料金
5,900 円
9,000 円
14,900 円
実徴収額
4,720 円
7,200 円
11,920 円
(キ)料金収入の経理処理について
11 月1日にチェックアウトした利用者に係る利用料金について,通常料金
として6泊分の宿泊料 25,800 円を計上すべきところ,ホテルシステム(財務
を含めた業務管理システム)が正しく対応できないとの理由で,冬季料金とし
て5泊分の宿泊料 23,500 円と実態のない用具貸出料 2,300 円に分けて経理処
理しているものがあった。
【冬季料金への切り替え時の経理処理】
区分
10/29∼31
正当額
宿泊料
宿泊料
計上額
用具貸出料
計算内訳
宿泊料:通常料金 4,300 円×6泊分=25,800 円
宿泊料:冬季料金 4,700 円×5泊分=23,500 円
用具貸出料:2,300 円
32
料金
25,800 円
25,800 円
(5)広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)
(指定管理者:広島空港ビルディング・広島エアポートホテル共同企業体)
(実地調査:平成 24 年 12 月 10 日∼11 日)
(委員監査:平成 25 年1月 16 日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
イ
ウ
三原市本郷町上北方 1361
すぐれた自然環境にある森林を保護するとともに,その利用の増進を
図り,もって県民の保健,休養及び福祉に資する
多目的ホール棟,セミナーハウス,コテージ,テニスコート等
広島エアポートビレッジ開発・広島
エアポートホテル共同企業体
2期目 H21.4.1∼H26.3.31 (H22.9.1∼)
広島空港ビルディング・広島エアポ
ートホテル共同企業体
広島エアポートビレッジ開発・広島
1期目 H18.4.1∼H21.3.31
エアポートホテル共同企業体
県委託料
46,500 千円
平成
料金収入
69,434 千円
23 年度
その他の収入
242,190 千円
環境県民局自然環境課
主な料金種別及び収入実績等 (平成 23 年度)
区分
徴収場所
会議室,セミナー室
広島エアポートホテル,
コテージ
フォレストヒルズガーデン
プール
多目的ホール棟
テニスコート
徴収方法
口座振込
現金
収入実績
29,094,000 円
36,160,565 円
3,788,300 円
391,400 円
問題点
(ア)プール及びテニスコートの回数券料金について
県との協定においては,プール「30 枚回数券」及び「60 枚回数券」並びに
テニスコート「30 時間回数券」の料金区分があるが,実際にはこれらの回数
券の実物はなかった。
広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)(以下「中央森林
公園(フォレストヒルズガーデン地区)」という。)では,施設の利用促進のた
め,これらの料金区分を指定管理者の構成企業が経営する隣接のホテル宿泊者
又はフォレストヒルズガーデンの会員(F−club 会員)に限定して適用して
いたが,これを明確にしていなかった。
33
【条例におけるプール及びテニスコートの料金規定】
区分
プール
(1人1回)
テニスコート
単位
小学生及び中学生
その他 15 歳以上の者
1面1時間
利用料金の範囲
700 円以内
1,200 円以内
1,900 円以内
【プール及びテニスコートに係る利用料金と実際の運用】
区分及び単位
プール(1人1回につき)
小学生及び中学生
コテージ併用の場合
利用料金
実際の運用
700 円
500 円
30 枚回数券
500 円
5枚回数券
その他 15 歳以上の者
コテージ併用の場合
・回数券実物なし
・ホテル宿泊利用者に適用
600 円
1,200 円
800 円
60 枚回数券
600 円
30 枚回数券
800 円
5枚回数券
テニスコート
1面1時間につき
プール回数券(60 枚)
の利用者の場合
1,500 円
30 時間回数券
1,000 円
コテージ併用の場合
5時間回数券
1,000 円
1,300 円
・回数券実物なし
・F−club 会員用
・回数券実物なし
・ホテル宿泊利用者に適用
1,000 円
900 円
・F−club 会員用
・回数券実物なし
・ホテル宿泊利用者に適用
(イ)コテージに係る利用料金の徴収について
a
過徴収について
平成 23 年 4 月 28 日(木,休前日)において,コテージ4人用1泊平常期
35,800 円を徴収すべきところ,繁忙期の料金 43,900 円を徴収しているもの
があった(過徴収 8,100 円)。
また,平成 23 年5月1日(日)において,コテージ4人用1泊閑散期
27,700 円を徴収すべきところ,繁忙期の料金 43,900 円を徴収しているもの
が2件あった(過徴収 16,200 円×2=32,400 円)。
34
b
徴収不足について
平成 23 年4月1日(金)において,コテージ6人用1泊平常期 54,000 円
を徴収すべきところ,閑散期の料金 41,900 円を徴収しているものがあった
(徴収不足 12,100 円)。
また,平成 23 年4月 28 日(木,休前日)において,コテージ4人用1泊
平常期 35,800 円を徴収すべきところ,閑散期の料金 27,700 円を徴収して
いるものがあった(徴収不足 8,100 円)。
さらに,平成 23 年5月2日(月,休前日)において,コテージ4人用1
泊繁忙期 43,900 円を徴収すべきところ,平常期の料金 35,800 円を徴収し
ているものがあった(徴収不足 8,100 円)。
(ウ)テニスコート照明設備に係る利用料金の徴収について
平成 23 年4月分のテニスコートの照明設備の利用料金について,1時間当
たり 400 円で算出した額(1 時間 400 円×2時間=800 円)を利用者から徴収
すべきところ,誤って1時間当たり 340 円で算出した額(1 時間 340 円×2時
間=680 円)を徴収していたものが8件あった(徴収不足 960 円)。
なお,県には 800 円(1 時間 400 円×2時間)と正しい額を報告していた。
(エ)プール及びテニスコートの利用料金に係る実績報告について
平成 23 年度の県への事業報告において,プールの 30 枚回数券及びテニスコ
ートの 30 時間回数券に係る利用料金の収入額が報告されていなかった。
【報告されていなかったプール及びテニスコートに係る利用料金収入】
区分
利用料金
プール(30 枚回数券)
小学生及び中学生
その他 15 歳以上
45,000 円
168,000 円
35
テニスコート
(30 枚回数券)
750,000 円
(6)帝釈公園施設
(指定管理者:一般財団法人休暇村協会)
(実地調査:平成 24 年 11 月 28 日∼29 日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
イ
庄原市東城町三坂
すぐれた風景地である自然公園の利用の増進を図り,もって県民の保
健,休養及び教化に資する。
ケビン(5人用,10 人用),オートキャンプ場,多目的ホール(体育
館等)等
財団法人休暇村協会
2期目 H21.4.1∼H26.3.31
(H24.4∼)
一般財団法人休暇村協会
1期目 H18.4.1∼H21.3.31
財団法人休暇村協会
県委託料
1,800 千円
平成
料金収入
36,041 千円
23 年度
その他の収入
3,236 千円
環境県民局自然環境課
主な料金種別及び収入実績等 (平成 23 年度)
区分
徴収場所
ケビン
本館フロント
キャンプ場
体育館
注
徴収方法
現金,
口座振込
収入実績
31,829,300 円
3,354,870 円
857,100 円
体育館とキャンプ場の利用料金については,ゴールデンウィークやお盆には,体
育館管理棟で徴収されている。
ウ
問題点
(ア)ケビンの延長料金及び日帰り料金について
帝釈公園施設におけるケビンの利用時間は 15 時から翌日の 10 時までである
が,この時間を超えて利用した場合,県との協定に定めがないまま,延長料金
として1時間当たり,ケビン5人用は 1,000 円,10 人用は 2,000 円を徴収し
ていた。
また, ケビ ンの日 帰り 利用に つい ても, 同様 に協定 に定 めのな いま ま,
5,000 円を徴収していた。
これらの料金については,県への報告もされておらず,その収入は指定管理
者が自ら経営する宿泊施設の収入に計上していた。
36
(イ)オートキャンプ場に係る利用料金の徴収について
オートキャンプ場の利用料金について,通常料金を徴収すべきところ,誤っ
て夏期料金を徴収しているものがあった(過徴収 1,500 円)。
【平成 23 年8月4日オートキャンプ場に係る誤徴収】
区分
オートキャンプ場
Bタイプ(電源付)
注
通常料金
実徴収額(夏期料金)
3,750 円×2張=7,500 円
4,500 円×2張=9,000 円
夏期は8月6日から 14 日まで
(ウ)ケビンに係る利用料金の徴収について
ケビン(10 人用)の利用料金について,休前日の料金(35,000 円)を徴収
すべきところ,通常料金(32,000 円)を徴収しているものがあった(徴収不
足 3,000 円)。
【平成 23 年 11 月 12 日(土)∼13 日(日)ケビンに係る誤徴収】
区分
ケビン(10 人用)1戸1泊につき
注
休前日料金
35,000 円
実徴収額(通常料金)
32,000 円
休日前とは日曜日及び祝日の前日をいう。
(エ)オートキャンプ場の利用料金に係る実績報告について
オートキャンプ場の利用料金に係る実績報告において,施設利用日(入金
日)に誤りがあった。
4月9日にオートキャンプ場に宿泊した人が延長利用したときの料金 3,000
円を4月8日にオートキャンプ場を一時利用した料金として計上していた。
(オ)飲料自動販売機に係る手数料収入について
県への実績報告において,指定管理施設に設置した自動販売機2台分の販売
手数料収入の一部(261,865 円)を「その他収入」に計上せず,指定管理者が
自ら経営する宿泊施設の収入に計上していた。
37
(7)牛小屋高原公園施設
(指定管理者:株式会社恐羅漢)
(実地調査:平成 24 年 11 月 21 日∼22 日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
イ
主な料金種別及び収入実績等 (平成 24 年4∼5月)
区分
徴収場所
徴収方法
ケビン
センターハウス
現金
キャンプ場
会議室
注
ウ
山県郡安芸太田町大字横川
優れた風景地である自然公園の利用の増進を図り,もって県民の保
健,休養及び教化に資する。
ケビン,オートキャンプ場,フリーサイト等
3期目
H23.11.1∼H25.3.31 株式会社恐羅漢
2期目
H21.4.1∼H23.10.31 三段峡観光株式会社
1期目
H18.4.1 ∼H21.3.31 三段峡観光株式会社
県委託料
9,740 千円
平成
料金収入
1,290 千円
23 年度
その他の収入
839 千円
環境県民局自然環境課
収入実績
70,500 円
169,300 円
2,400 円
現在の指定管理者は,平成 23 年 11 月から管理している。
問題点
(ア)キャンプ場の一時使用の料金について
牛小屋高原施設のキャンプ場について,フリーサイト(全面芝生)を一時使
用する場合の料金は,県との協定に規定されていないが,普通車1台当たり
500 円を徴収していた。
施設の利用受付があるセンターハウスには,次のとおり掲示されている。
【センターハウスにおける看板表示(抜粋)】
恐羅漢山登山者の方々へ
(略)
● キャンプ場内のケビン棟の一時使用できます。お弁当など,どうぞ(有料
3000 円/予約ある場合お断りいたします。)フリーサイト(全面芝生)は車一
台につき,500 円の使用料となります。
(略)
看板には,ケビンの一時使用の料金についても掲示されているが,これも県
との協定に定められたものではない。指定管理者からは「有料施設の区域に入
る人に対し,何らかの料金を求めなければ,有料で施設を利用している人との
バランスが取れない」と説明があった。
38
(イ)売上日計表の記載について
日々の売上げを集計し確認を行うため作成している売上日計表について,次
の不適切な事務処理が行われていた。
○
売店収入の売上項目の「その他」欄に内容が確認できないものがあった。
○
売上日計表に決裁欄がないため,記載内容の確認が行われているか不明確
になっていた。
(ウ)募金箱について
センターハウスの前に募金箱が設置されていたが,「自然公園施設の設置及
び管理に関する条例」に定める,公園施設で募金を行う場合の知事の許可を受
けていなかった。
指定管理者によると,募金箱は以前からあるもので,年1回程度,箱から募
金を回収して施設の管理等に充て,県には「その他収入」に含めて報告してい
るとのことであった。また,募金の主体として掲示されている「恐羅漢レクリ
ェーションの森環境整備推進協議会」については,当該団体の存在そのものが
よく分からないとのことであった。
【募金箱の記載】
募 金 箱
森林環境整備推進協力金のお願い
このレクリェーションの森の快適な利用に供するため,ご協力をお願いしま
す。
みなさまがたの心のこもった協力金は,すべてこの地域の森林の整備,環境
美化などに充てられます。
恐羅漢レクリェーションの森環境整備推進協議会
39
(8)広島県健康福祉センター
(指定管理者:財団法人広島県地域保健医療推進機構)
(実地調査:平成 24 年 12 月3日∼4日)
(委員監査:平成 24 年 12 月 21 日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
イ
ウ
広島市南区皆実町一丁目6−29
県民の健康づくり及び明るい長寿社会づくりの推進を図る。
研修室,会議室,介護予防研修相談センター,駐車場等
4期目 H24.4.1∼H26.3.31 財団法人広島県地域保健医療推進機構
財団法人広島県健康福祉センター
3期目 H23.4.1∼H24.3.31 (H23 年7月∼改称)
財団法人広島県地域保健医療推進機構
2期目 H20.4.1∼H23.3.31 財団法人広島県健康福祉センター
1期目 H17.4.1∼H20.3.31 財団法人広島県健康福祉センター
県委託料
118,036 千円
平成
料金収入
14,728 千円
23 年度
その他の収入
22,376 千円
健康福祉局高齢者支援課
主な料金種別及び収入実績等 (平成 23 年度)
区分
徴収場所
徴収方法
研修室,会議室,栄養実習
現金,口座振込
事務室
室,総合研修室
収入実績
14,728,035 円
問題点
(ア)総合研修室に係る利用料金の減免について
広島県健康福祉センター(以下「健康福祉センター」という。)の総合研修
室の利用において,利用者が条例に定める減免対象者に該当していないのに,
料金を減免して徴収しているものがあった。
【総合研修室の利用料金に係る減免】
区分
総合研修室(9時から 17 時まで)
正規料金
12,660 円
実徴収額
10,120 円
(イ)利用取消し時の利用料金の取扱いについて
中会議室の利用料金を徴収し利用許可をしたものの,利用者から利用の取
消しの申出があったものについて,利用者から返還申請がないにもかかわら
ず,その料金を次回の利用に充当していたものがあった。
また,次回の利用に当たっては,改めて利用申込みをさせ,利用料金を徴
収の上,利用許可をすべきところ,これを行っていなかった。
40
(ウ)参加者から徴収した参加料の経理処理について
平成 23 年度広島県高齢者健康福祉大学校の入学金や受講料などを参加者か
ら口座振込みや現金により徴収しているが,入金があった都度,入金処理をす
べきところ,別途管理している「財団法人広島県地域保健医療推進機構」名義
の通帳にいったん入金して取りまとめた上で,実際の入金日と異なる日に一括
入金処理しているものがあった。
また,当該通帳を決算書類である「現金預金残高明細書」に掲載していなか
った。指定管理者からは「毎年度末に残高を0円にしているので決算書類に掲
載する必要がない」と説明があった。
41
(9)広島県立みよし公園
(指定管理者:ミズノグループ共同企業体)
(実地調査:平成 24 年 10 月4日∼5日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
イ
主な料金種別及び収入実績等 (平成 23 年度)
区分
徴収場所
カルチャーセンター(アリ
カルチャーセンター
ーナ,研修室,会議室等)
パークゴルフ場
パークゴルフ場管理棟
プール
みよしウェーブ
注
ウ
三次市四拾貫町神田谷
備北地域住民の文化及びスポーツと多様なレクリエーション活動の振興
カルチャーセンター(アリーナ),みよしウェーブ(温水プール),パ
ークゴルフ場,テニスコート,文化の広場,こども広場,しょうぶ園な
ど
H23.4.1∼H28.3.31 ミズノグループ共同企業体
3期目
H20.4.1∼H23.3.31 ミズノグループ共同企業体
2期目
H17.4.1∼H20.3 31 株式会社サンアメニティ
1期目
県委託料
105,000 千円
平成
料金収入
23,890 千円
23 年度
その他の収入
8,143 千円
土木局都市計画課
徴収方法
収入実績
4,382,790 円
現金
4,819,050 円
8,947,070 円
「みよしウェーブ」とは,温水プール及びトレーニング室のある建物の名称。
問題点
(ア)パークゴルフ場の利用料金に係る減免について
広島県立みよし公園(以下「みよし公園」という。)では,5月4日のみど
りの日はパークゴルフ場の無料開放日であるが,パークゴルフの再ラウンド
の人数について,「無料開放受付簿」に人数の記載がなく,再ラウンド数は最
初の入場者数に 0.7 を乗じた数で県に減免の報告を行い,当該減免額の補て
んを受けていた。
なお,パークゴルフ場については基本的に職員1人で対応しており,当日は
利用者が多いため,再ラウンドの人数を把握しきれなかったとのことである。
【平成 24 年5月4日のパークゴルフ場の利用料金に係る減免】
区分
最初の1ラウンド
再ラウンド
件数
146 件
102 件
(146×0.7)
42
免除した金額
102,200 円
(利用料金 700 円×146 件)
15,300 円
(利用料金 150 円×102 件)
(イ)プール,トレーニング室の利用料金に係る実績報告について
県への実績報告において,施設区分を誤り,トレーニング室の収入の一部を
プールの収入に計上していた。
【平成 24 年2月分の実績報告】
区分
プール
トレーニング室
県報告額 a
691,230 円
234,700 円
43
実徴収額 b
689,430 円
236,500 円
差額 a-b
1,800 円
△1,800 円
(10)広島県立びんご運動公園
(指定管理者:ポラーノグループびんご)
(実地調査:平成 24 年 10 月 16 日∼17 日)
ア
施設概要
所在地
設置目的
施設・設備
指定管理者
収入状況
(委託事業)
県所管課
イ
尾道市栗原町 997 番地
備後地域住民のスポーツと多様なレクレエーション活動の振興
健康スポーツセンター,陸上競技場,テニスコート,野球場,球技
場,コミュニティプール,冒険の森,多目的広場,オートキャンプ
場など
3期目 H23.4.1∼H28.3.31 ポラーノグループびんご
2期目 H20.4.1∼H23.3.31 ポラーノグループびんご
1期目 H17.4.1∼H20.3.31 尾道市
県委託料
148,444 千円
平成
料金収入
67,338 千円
23 年度
その他の収入
8,604 千円
土木局都市計画課
主な料金種別及び収入実績等 (平成 23 年度)
区分
徴収場所
健康スポーツセンター
(トレーニング室等)
健康スポーツセンター
テニスコート
野球場
プール
プール
注
徴収方法
収入実績
18,335,710 円
現金
17,064,150 円
8,362,020 円
14,136,540 円
このほか,オートキャンプ場管理事務所,トレーニング室においても料金徴収を
行っている。
ウ
問題点
(ア)野球場の利用料金について
広島県立びんご運動公園(以下「びんご運動公園」という。)の野球場の利
用料金において,半日とは「3時間を超え5時間以内」としているが,12 時
間利用する場合の料金と 13 時間利用する場合では,それぞれ次のように算出
しており,13 時間の場合,より安価となる計算方法を採用していなかった。
・12 時間=1日料金(8時間) +半日料金(3時間超∼5時間)
・13 時間=1日料金(8時間) +半日料金(3時間超∼5時間) +1時間料金
【県との協定における野球場の利用料金】
区分
アマチュア以外,入場料無料の場合
注1
1時間
135,000 円
半日
405,000 円
1日
675,000 円
半日とは,継続して3時間を超え5時間以内使用する場合をいい,1日とは,
継続して5時間を超え8時間以内使用する場合をいう。
注2
使用時間を超えた場合の利用料金は,1時間(1時間未満の場合は1時間と
する。)につき,この表に定める額の1時間当たりの額とする。
44
(イ)陸上競技場照明設備に係る利用料金の減免について
陸上競技場の附属設備である「照明設備」の利用料金について,料金の免除
対象者が個人利用した場合に,規定上,その全額を免除すべきところ,1時間
分のみ免除していたが,その根拠が明確でなかった。なお,この場合,陸上競
技場の利用料金は,全額免除していた。
(ウ)利用料金収入に係る実績報告ついて
入力誤りにより,シャワー代金を二重に計上し,利用料金収入に係る県への
実績報告額が実際よりも多くなっていたものがあった。
【平成 23 年 4 月分の利用料金収入に係る実績報告】
区分
健康スポーツセンター
(シャワー代)
テニスコート
(シャワー代)
オートキャンプ場
(シャワー代)
県報告額 a
1,234,440 円
(8,200 円)
1,438,900 円
(400 円)
302,100 円
(2,600 円)
実徴収額 b
1,230,340 円
(4,100 円)
1,438,700 円
(200 円)
300,800 円
(1,300 円)
合計
差額 a-b
4,100 円
200 円
1,300 円
5,600 円
(エ)減免額に係る実績報告について
施設の追加利用分が計上漏れとなり,県への減免実績額の報告が実際よりも
少なくなっていたものがあった。
【平成 23 年 6 月分の減免額に係る実績報告】
区分
テニスコート
(6/3 利用分)
県報告額 a
41,100 円
(25,200 円)
実減免額 b
55,500 円
(39,600 円)
差額 a-b
△14,400 円
【平成 23 年 9 月分の減免額に係る実績報告】
区分
テニスコート
(9/3 利用分)
県報告額 a
54,000 円
(34,800 円)
45
実減免額 b
55,800 円
(36,600 円)
差額 a-b
△1,800 円
(11)安芸灘大橋有料道路
(出資法人:広島県道路公社)
(実地調査:平成 24 年 11 月1日∼2日)
ア
施設概要
道路名
(所在地)
県所管課
イ
広島熊野道路
(広島市安芸区矢野町鷹野宮∼安芸郡熊野町大字平谷)
安芸灘大橋有料道路
(呉市下蒲刈町下島字見戸代∼呉市川尻町小仁方1丁目)
尾道大橋有料道路
(尾道市向東町字蔵本谷奥∼尾道市尾崎本町)
土木局道路河川管理課
主な料金種別及び収入実績等 (安芸灘大橋有料道路:平成 23 年度)
区分
徴収場所
徴収方法
収入実績
現金通行分
料金ブース
221,385,928 円
現金
回数通行券売上分
安芸灘大橋有料道路管理事務所
526,981,150 円
注
料金徴収は,料金ブースで料金徴収員により行われている。また,回数通行券を
安芸灘大橋有料道路管理事務所(以下「管理事務所」という。)で販売している。
ウ
問題点
(ア)通行料金の未納者に係る事務処理について
a
納入告知書の交付について
安芸灘大橋有料道路の料金徴収所において,料金を支払うことができない
者に対して交付する納入告知書が交付されていなかった。
b
領収書の交付について
通行料金の未納者が管理事務所に未納分を現金で納付した場合,納付者に
領収書を渡していなかった。
c
未納額の管理について
広島県道路公社本社及び現地の管理事務所の双方において,未納額の帳簿
管理が不十分であるため,現時点や年度末における未納額が明確に把握さ
れていなかった。
(イ)安芸灘大橋有料道路回数通行券出納簿について
安芸灘大橋有料道路回数通行券の出納簿の一部に記載漏れがあった。
46
(ウ)有料道路料金徴収業務等処理要領に係る引用法令条項について
「安芸灘大橋有料道路料金徴収業務等処理要領」について,引用法令の条項
改正漏れがあった(尾道大橋有料道路についても同様)。
【安芸灘大橋有料道路料金徴収業務等処理要領】
誤(現行)
(料金徴収)
第 12 条 料金徴収員は,料金徴収所に
おいて通行者から,料金徴収規程第
4条に定める料金区分により,所定
の料金を現金で徴収しなければなら
ない。ただし,次の各号に該当する
通行車両については,この限りでな
い。
(1)∼(2)(略)
(3)道路整備特別措置法施行令(昭
和 31 年政令第 319 号)第6条の規
定により国土交通大臣が定めた車
両及び公社が指定した通行料金の
免除車両
(4)(略)
正
(料金徴収)
第 12 条 (略)
(3)道路整備特別措置法施行令(昭
和 31 年政令第 319 号)第 11 条の
規定により国土交通大臣が定めた
車両及び公社が指定した通行料金
の免除車両
(4)(略)
(エ)普通通行券の様式について
料金徴収所において通行者から料金を現金で徴収したときは,普通通行券を
交付することとされているが,この普通通行券の様式について,規定では 100
枚綴りのものとされているが,実際はレシート形式のものとなっており,規定
と実態が異なっていた。
47
第3
1
指摘事項及び監査委員意見
指摘事項
今回,監査を実施した団体や県の所管課に対し是正・改善を求めるものを類型別に
取りまとめ,次のとおり指摘する。
各施設の指摘事項において対象となる指定管理者及び県道路公社等は次のとおりである。
美術館 ………………… 乃村工藝社・イズミテクノ美術館活性化共同事業体
縮景園 ………………… 廣島緑地建設・広田造園・イズミテクノ共同事業体
県民の森 ……………… 株式会社比婆の森
もみのき森林公園 …… 財団法人もみのき森林公園協会
中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)
……………………… 広島空港ビルディング・広島エアポートホテル共同企業体
帝釈公園施設 ………… 一般財団法人休暇村協会
牛小屋高原公園施設 … 株式会社恐羅漢
健康福祉センター …… 財団法人広島県地域保健医療推進機構
みよし公園 …………… ミズノグループ共同企業体
びんご運動公園 ……… ポラーノグループびんご
安芸灘大橋有料道路 … 広島県道路公社
(1)料金の設定に係るもの
指定管理者が設定した料金について,次のとおり不適切なものがあった。
公の施設の利用料金は,条例や県との協定に規定された料金の区分や金額に基づ
いて徴収される必要があり,指定管理者は,県の所管課と協議の上,条例や基本協
定等に基づく利用料金となるよう直ちに是正するとともに,算出方法等を明確にし
た料金の周知に努められたい。
ア
県の承認を受けていない料金の設定
内容
県の承認を受けないまま料金を設定し,利用者から料金を徴収して
いるものがあった。
施設名等
①もみのき森林公園〔オートキャンプ場テント追加料,第2オートキ
ャン プ場 , 第3 オー ト キャ ンプ 場 ,デ イキ ャ ンプ 場, 多 目的 ホー
ル〕 (P29∼31)
②帝釈公園施設〔ケビンの延長料金及び日帰り料金〕(P36)
③牛小屋高原公園施設〔キャンプ場の一時使用〕 (P38)
根拠
地方自治法第 244 条の2第9項
48
イ
県の承認を受けた利用料金と異なる額での契約の締結
内容
施設名等
根拠
ウ
施設名等
根拠
広島県縮景園の管理に関する基本協定書第9条第2項
スキーリフトのシニアの料金について,誤った適用年齢を提示し,
利用料金を徴収していた(シニア料金は 60 歳以上の者に適用すべきと
ころ 55 歳以上の者に適用していた)。
県民の森〔スキーリフト〕(P26)
広島県立県民の森におけるスキーリフトその他の附属設備の利用料
金の範囲(平成 22 年6月 28 日告示第 575 号)
利用料金の算出方法が不明確
内容
施設名等
根拠
オ
縮景園〔「宮島・瀬戸内ぐるりんパス」に係る入園料〕 (P23)
シニア区分の適用年齢の誤り
内容
エ
鉄道切符と観光施設の入場券などがセットになった商品に係る入園
料について,県の承認を受けた利用料金と異なる金額で旅客業者と覚
書を締結し,料金を徴収していた。
利用料金を算出する際に,1日単位の料金があるものの実際には適
用 し て いな か っ たり , よ り 安価 と な る 計算 方 法 を 採用 し て い ない な
ど,利用料金の算出方法が明確でないものがあった。
①美術館〔展示室〕(P21)
②びんご運動公園〔野球場〕(P44)
①広島県立美術館条例第 12 条第1項
広島県立美術館の管理に関する基本協定書第 10 条第2項
②広島県立びんご運動公園の管理に関する基本協定書第6条第2項
利用料金の適用基準が不明確
内容
県との協定書に利用料金が設定されているが,食事会場として施設
を利用した場合の料金の適用が明確になっていないものや料金の適用
対象者を限定しているがこれを明確にしていないものがあった。
施設名等
①県民の森〔公園センター和室・洋室〕(P25)
②中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)〔プール,テニス
コート〕(P33)
根拠
①広島県立県民の森設置及び管理条例第 10 条第1項
広島県立県民の森の管理に関する基本協定書第7条第2項
②広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)の管理に
関する基本協定書第7条第2項
49
カ
料金表の誤表示
内容
施設名等
根拠
キ
会議室の利用料金について,パンフレットに掲示した料金区分に誤
りがあった。
県民の森〔会議室〕(P28)
広島県立県民の森管理規則第5条
広島県立県民の森の管理に関する基本協定書第7条第2項
別途加算される料金等が明示されていない料金表示
内容
施設名等
根拠
施設の利用料金に別途加算して料金を徴収しているが,合計額の表
示のみであり,その内訳である利用料金の額や別途加算される金額及
びその内容を明示していなかった。
もみのき森林公園〔バーベキュー広場〕(P31)
広島県立もみのき森林公園管理規則第5条
50
(2)料金の誤徴収に係るもの
指定管理者が徴収した利用料金について,次のとおり誤りがあった。
指定管理者は,利用料金を誤って徴収しているものがほかにもないか改めて確認
し,利用者へ返還するなどの適切な措置を講じられたい。
ア
料金の過徴収
内容
施設名等
根拠
イ
通常期等の料金を徴収するべきところ,誤って単価の高い繁忙期等
の料金を適用して料金を徴収したため,利用者から料金を取り過ぎて
いるものがあった。
①中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)〔コテージ〕
(P34)
②帝釈公園施設〔オートキャンプ場〕 (P37)
①広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)の管理に
関する基本協定書第7条第2項
②帝釈公園施設の管理に関する基本協定書第7条第2項
料金の徴収不足
内容
繁忙期等の料金を徴収するべきところ,誤って通常期等の料金を適
用して料金を徴収したため,利用者から徴収すべき料金が不足してい
るものがあった。
施設名等
①県民の森〔公園センター和室・洋室〕(P26)
②中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)〔コテージ,テニ
スコート照明設備〕(P35)
③帝釈公園施設〔ケビン〕 (P37)
根拠
①広島県立県民の森の管理に関する基本協定書第7条第2項
②広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)の管理に
関する基本協定書第7条第2項
③帝釈公園施設の管理に関する基本協定書第7条第2項
51
(3)料金の減免に係るもの
指定管理者が適用した減免の取扱いについて,次のとおり不適切なものがあった。
指定管理者は減免の規定を改めて確認するとともに,正確な減免実績の把握に努
められたい。
ア
減免対象でない者に対する利用料金の減免
内容
施設名等
根拠
イ
①もみのき森林公園〔研修室〕(P32)
②健康福祉センター〔総合研修室〕(P40)
①広島県立もみのき森林公園設置及び管理条例第 10 条
②広島県健康福祉センター設置及び管理条例第 10 条
広島県健康福祉センター管理規則第6条
減免の運用に係る根拠が不明確
内容
施設名等
根拠
ウ
利用者は条例に定める減免対象者に該当しないのに,利用料金を減
免して徴収しているものがあった。
料金の免除対象者が陸上競技場を利用した場合,規定上,その全額
を免除すべきところ,附属設備である照明設備の利用料金は1時間分
のみを免除するという運用をしているが,根拠が明確でなかった。
びんご運動公園〔陸上競技場照明設備〕(P45)
広島県立びんご運動公園管理運営規則第6条
減免実績額が不明確
内容
施設名等
根拠
利用料金を減免したものについて,減免した時間数が正しいことを
確認できないものや減免の正確な対象者数が把握されていないなど,
減免実績額が不明確になっているものがあった。
①縮景園〔駐車場〕(P24)
②みよし公園〔パークゴルフ場〕 (P42)
①広島県縮景園の管理に関する基本協定書第 11 条第2項
広島県縮景園の管理に関する年度協定書第4条第2項
②広島県都市公園条例第 18 条第1項第9号
広島県みよし公園管理運営規則第6条第1項
52
(4)帳簿整備・記録管理に係るもの
指定管理者等において,整備することが必要な関係帳簿及びその記録管理につい
て,次のとおり不適切なものがあった。
帳簿の整備及び記録管理は,業務の正確性や信頼性を向上させ,説明責任を果た
す上でも重要であることから,適切な事務に努められたい。
ア
帳簿への記載漏れ,記載誤り,記載内容が不明確
内容
施設名等
イ
施設名等
施設名等
県民の森(P27)
減免対象者などに交付する駐車場の無料サービス券について,すべ
てのサービス券の所在を確認できる受払簿がなく,その管理が不十分
であった。
美術館〔駐車場〕(P22)
駐車料金のキャンセル処理に係る記録管理が不十分
内容
施設名等
オ
請求明細書の控えを連番で管理していないものや売上金額の根拠と
なるレジのレシートを廃棄しているものがあった。
サービス券の帳簿管理が不十分
内容
エ
①県民の森〔売上日報〕(P27)
②牛小屋高原公園施設〔売上日計表〕 (P39)
③安芸灘大橋有料道路〔回数通行券出納簿〕 (P46)
徴収料金の証拠書類の管理が不十分
内容
ウ
料金徴収に係る売上日報や出納簿の記載について,記載漏れとなっ
ているものや記載を誤っているものがあった。また,記載内容が不明
確なものがあった。
駐 車料 金 の レ ジ操 作 を 途 中で キ ャ ン セル す る 処 理が 行 わ れ てい た
が,その理由などが記録されておらず,担当者以外の者もその処理の
理由を確認していなかった。
縮景園〔駐車場〕(P24)
納入告知書の未交付
内容
施設名等
根拠
料金徴収所において,料金を支払うことができない者に対して交付
する納入告知書が交付されていなかった。
安芸灘大橋有料道路(P46)
安芸灘大橋有料道路料金徴収業務等処理要領第 24 条第5項
53
カ
領収書の未交付
内容
施設名等
キ
未納分の通行料金を現金で収受した際に,納付者に領収書を交付し
ていないものがあった。
安芸灘大橋有料道路(P46)
料金未納額の帳簿管理が不十分
内容
施設名等
通行料金の未納額の帳簿管理が不十分であり,現時点や年度末にお
ける未納額が明確に把握されていなかった。
安芸灘大橋有料道路(P46)
54
(5)経理処理に係るもの
指定管理者が行っている経理処理において,次のとおり不適切なものがあった。
指定管理者は,県との協定に基づいて,適正な経理処理に努めるとともに,必要
に応じて修正等の措置を講じられたい。
ア
パック料金等における経費処理の誤り
内容
施設名等
根拠
イ
施設名等
広島県立県民の森の管理に関する基本協定書第7条第2項
冬季料金への変更に業務管理システムが対応できないとの理由によ
り,宿泊料として徴収した金額を「宿泊料」と実態のない「用具貸出
料」に分けて経理処理しているものがあった。
もみのき森林公園〔宿泊所〕(P32)
利用取消し時の利用料金の取扱いについて
内容
施設名等
根拠
エ
県民の森〔公園センター和室・洋室,浴室〕 (P27)
一区分の料金収入を複数の料金区分に分けて処理
内容
ウ
宿泊と食事がセットになったパック料金における宿泊料や別途加算
徴収がある入浴料について,県との協定額と異なる額で経理処理をし
ていた。
利用者から利用取消しの申出があったものについて,利用者から返
還申請がないにもかかわらず,その料金を次回の利用に充当していた
ものがあった。
また,次回の利用に当たっては,改めて利用申込みをさせ,利用料
金を徴収の上,利用許可をすべきところ,これを行っていなかった。
健康福祉センター〔中会議室〕(P40)
広島県健康福祉センター管理規則第3条第1項,第4条第1項及び
第8条
参加者から徴収した参加料を一括して経理処理
内容
施設名等
参加者から徴収した参加料を入金があった都度,入金処理せずに,
別途管理している通帳にいったん入金して取りまとめた上,実際の入
金日と異なる日に一括入金処理しているものがあった。
また,当該通帳を決算書類に掲載していなかった。
健康福祉センター(P41)
55
(6)実績報告に係るもの
指定管理者が行った県への実績報告において,次のとおり誤りがあった。
指定管理者は,今後,正確な実績報告に努めるとともに,平成 23 年度分につい
ては県へ修正の報告をされたい。
ア
料金収入額に係る県への報告誤り
内容
イ
施設名等
①中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)〔プール,テニス
コート〕(P35)
②帝釈公園施設〔オートキャンプ場〕 (P37)
③みよし公園〔プール,トレーニング場〕(P43)
④びんご運動公園〔健康スポーツセンター,テニスコート,オートキ
ャンプ場〕 (P45)
根拠
①広島県立中央森林公園(フォレストヒルズガーデン地区)の管理に
関する基本協定書第 14 条及び第 16 条
②帝釈公園施設の管理に関する基本協定書第 14 条及び第 16 条
③広島県立みよし公園の管理に関する基本協定書第 11 条第1項及び第
3項
④広島県立びんご運動公園の管理に関する基本協定書第 11 条第1項及
び第3項
減免額に係る県への報告誤り
内容
施設名等
根拠
ウ
利用料金の減免に係る実績報告において,県への報告額が実際の金
額よりも少ないものがあった。
びんご運動公園〔テニスコート〕 (P45)
広島県立びんご運動公園の管理に関する基本協定書第 11 条第1項及
び第3項
その他収入額に係る県への報告誤り
内容
施設名等
根拠
エ
利用料金収入に係る県への実績報告に誤りがあるものがあった。
指定管理施設に設置した自動販売機の販売手数料収入の一部を「そ
の他収入」に計上せず,県に報告していなかった。
帝釈公園施設(P37)
帝釈公園施設の管理に関する基本協定書第 14 条及び第 16 条
料金収入額の計上区分の誤り
内容
施設名等
根拠
コインロッカーの利用料金について,県への実績報告書には利用料
金として報告せずに「その他収入」として報告していた。
県民の森〔コインロッカー〕(P28)
広島県立県民の森におけるスキーリフトその他の附属設備の利用料
金の範囲(平成 22 年6月 28 日告示第 575 号)
広島県立県民の森に管理に関する基本協定書第 14 条及び第 16 条
56
(7)その他
(1)から(6)までに掲げるもののほか,次のとおり不適切な事務処理があっ
た。
指定管理者等においては,直ちに適切な措置を講じられたい。
ア
料金徴収業務に係る事務処理要領の未作成
内容
施設名等
根拠
イ
美術館(P22)
広島県立美術館の管理に関する基本協定書第 10 条第3項
未許可の募金箱の設置
内容
施設名等
根拠
ウ
指定管理者が作成しておくべき利用料金の収受に関し必要な事項を
定めた事務処理要領が作成されていなかった。
センターハウス前に以前から募金箱が設置されているが,条例に定
める,公園施設で募金を行う場合の知事の許可を受けていなかった。
牛小屋高原公園施設(P39)
自然公園施設の設置及び管理に関する条例第6条第1項第1号
業務等処理要領の不備
内容
施設名等
根拠
安芸灘大橋有料道路料金徴収業務等処理要領の規定について,引用
法令条項などの不備があった。
安芸灘大橋有料道路(P47)
安芸灘大橋有料道路料金徴収業務等処理要領第 12 条及び第 13 条
広島県道路公社有料道路料金徴収規程実施細則第2条
57
2
監査委員意見
(1)不正発生リスクを低減する取組の推進について
(対象:料金徴収業務を行う指定管理者及び県道路公社等)
監査委員意見のポイント(1)
「不正発生リスクの低減」
○
正しい料金徴収業務とは,定められた料金を利用者から徴収し,徴収額どおり
に収入処理することにほかならない。
県の承認を受けることなく独自に料金を設定し徴収できるということは,不正
行為の発生につながるおそれがあり,料金徴収業務を行う団体は,次の点に留意
して,不正発生リスクを低減する取組を推進する必要がある。
ア
県との協定に基づいた料金徴収を徹底すること。
イ
料金を設定・変更する場合は,県への承認申請を徹底すること。
ウ
設定・徴収している料金はすべて公表し,料金徴収の透明性を高めること。
エ
料金徴収に係る記録管理を徹底すること。
オ
誤りに早期に気付く体制を整備すること。
今回の監査を実施した範囲において,明らかな不正行為は確認されなかったが,
県の承認を受けないまま料金を設定していたり,売上げの記録管理が不明確である
など,料金の設定から記録管理に至る広い範囲で不適切な事案が見受けられた。
正しい料金徴収業務とは,定められた料金を利用者から徴収し,徴収額どおりに
収入処理することにほかならない。
県の承認を受けることなく独自に料金を設定し徴収できるということは,不正行
為の発生につながるおそれがあり,料金徴収業務を行う団体においては,こうした
不正発生リスクを低減する内部統制の整備と適切な運用が常に求められるところで
ある。
指定管理者や県道路公社等においては,各団体の会計規程などに基づき,不正行
為の発生防止に向けた取組が行われるところであるが,今回の監査結果を踏まえ,
次の点に留意して,不正発生リスクを低減する取組を推進する必要がある。
ア
県との協定に基づいた料金徴収を徹底すること。
複数の指定管理者において,本来,利用料金として料金を徴収すべきところ,
県の承認を受けないまま料金を設定し,その他収入として料金を徴収しているも
のがあった。
公の施設の利用料金については,条例に料金の区分や金額の範囲などが定めら
れており,指定管理者はこの範囲内であらかじめ県の承認を受けて料金を定める
ことが原則とされている。
当該料金は,指定管理者と県との間で締結する協定に規定されなければならず,
これに基づいた料金徴収を徹底する必要がある。
58
イ
料金を設定・変更する場合は,県への承認申請を徹底すること。
社会情勢の変化や利用者のニーズの多様化など,協定締結時には想定していな
い利用形態の要望等が生じているところである。
指定管理者が自主性を発揮して,こうした要望等に機動的に対応することは,
施設の利用促進の観点から重要であるが,料金を設定・変更する場合は,必ず県
と事前協議を行い,協定等の変更を行う必要がある。
ウ
設定・徴収している料金はすべて公表し,料金徴収の透明性を高めること。
今回の監査において,入浴料や施設の延長利用に係る料金など,施設のパンフ
レットやホームページで金額が公表されていない料金が見受けられた。
公の施設に関する県の管理規則においては,知事の承認を受けて定めた利用料
金について,指定管理者における周知義務が明記されている。
施設を利用する場合に必要となる料金を分かりやすく公表することは,利用者
へのサービスの向上のみならず,不正発生リスクの低減にもつながるものである。
指定管理者においては,設定・徴収している料金はすべて公表し,料金徴収の
透明性を高める必要がある。
エ
料金徴収に係る記録管理を徹底すること。
売上日計表などの記載内容が不明確であったり,徴収した料金の請求明細書や
領収書の控えの保管が不十分な事案が見受けられた。
こうした書類は徴収した料金の証拠となるものであり,その正確性や信頼性を
向上させることは,料金徴収業務における不正行為の発生を防止することにつな
がる。
特に,現金を回収する場合は,回収金額の内容や回収者,確認者などを明記し,
職員に不正を起こす機会を与えない仕組みづくりが求められる。
料金徴収業務を行う団体においては,料金徴収に係る帳簿類は明確にその内容
を記載して整備し,後に説明責任が果たせるよう記録管理を徹底する必要がある。
オ
誤りに早期に気付く体制を整備すること。
繁忙期の料金適用の誤りなどにより,利用者から料金を取り過ぎたままになっ
ていたり,徴収不足となっている事案が見受けられた。
また,職員に対する信頼を理由に,業務が担当者任せとなり,確認行為が不十
分な団体も見受けられた。
経営の効率化のため,最小限の人員配置で業務を執行していることを考慮して
も,こうした事案が見過ごされたまま現在に至っていることは,料金徴収業務に
おける団体内部の検査・確認体制が有効に機能していないと言わざるを得ない。
誤りに気付かず,発見が遅れたりすると,誤りを隠そうとしたり,過不足を調
整しようとしたりして,通常と異なる事務処理を行う必要が生じ,これがひいて
は不正を誘発する可能性がある。
各団体においては,毎月,収入額と会計伝票等を照合する検査を行っていると
ころが多いが,料金の徴収額自体が正しいかについても定期的に検査するなど,
一層の検査内容の充実が求められるところである。
(次頁へ)
59
誤りが生じないよう最大限の努力をすることはもちろんであるが,誤りが生じ
やすい事項は誰もが簡単に誤りに気付くように表示方法を工夫したり,複数の人
で料金徴収業務を分担したりして誤りに早期に気付く体制を整備する必要がある。
また,誤りが発生した場合の対応についてあらかじめ定め,組織内で意思統一
を図ることや内部通報制度の整備・運用に取り組むなど,誤りを隠さない仕組み
づくりに努める必要がある。
60
(2)県のチェック機能の強化と実績報告に係る信頼性の確保について
(対象:県所管課)
監査委員意見のポイント(2)
「県のチェック機能の強化と実績報告に係る信頼性の確保」
○
県による実地調査は行われているが,事務処理状況の把握が不十分で,料金
徴収業務を行う団体に対するチェック機能やけん制機能が十分働いていない。
料金徴収が適正に行われるよう,県はチェック機能を強化する必要がある。
○
指定管理者から県へ提出される実績報告書において,料金の徴収誤りのほか
にも,料金収入額などについて報告誤りが見受けられた。
県は,報告書の内容確認を徹底し,実績報告に係る信頼性の確保に努める必
要がある。
料金徴収業務を行う団体において,県の承認を受けないまま独自に料金を設定し,
県との協定に定めのない料金が徴収されていたということは,県によるチェック機
能やけん制機能が十分に発揮されていないということにほかならない。
県の所管課に対して行ったヒアリングでは,監査結果で示した事案について,所
管課の多くが今回初めて知ったと述べるなど,実際に現地でどのような事務処理が
行われているかについて十分に把握されていない状況が見受けられた。
毎年度,県の所管課による実地調査などが行われているが,調査時間は2時間程
度というところが多く,調査方法や調査内容の形式化も懸念されるところである。
利用料金制度を導入している公の施設については,利用者から徴収する料金は指
定管理者の収入となることもあって,県の関心も低下しがちであるが,県による指
導監督やけん制機能が適宜適切に働かないことで,料金徴収業務を行う団体におけ
る不正行為の発生を許容してしまうおそれがある。
県においては,指定管理者との間で料金の設定・変更に係る事前協議を徹底する
とともに,料金徴収業務を行う団体が関係規程に基づき適正に業務を執行するよう
チェック機能やけん制機能を強化する必要がある。
また,指定管理者から県へ提出される実績報告書において,料金の徴収誤りのほ
かにも,料金収入額や減免額などについて報告誤りが見受けられた。
中には,報告書の内容から徴収料金の単価が規定と異なっていることが容易に見
て取れるものもあったが,これを見落としていた。
指定管理者制度を導入している公の施設については,県において,当該施設の収
支を含めた管理状況が県のホームページで公表されている。
県においては,指定管理者から毎月又は毎年度提出される実績報告書の内容確認
を徹底し,実績報告に係る信頼性の確保に努める必要がある。
61
(3)県の機動的な対応と指定管理者との連携の強化について
(対象:公の施設の県所管課)
監査委員意見のポイント(3)
「県の機動的な対応と指定管理者との連携の強化」
○
県は,指定管理者から料金改正の要望があった場合は,その是非を判断の
上,条例などの関係規定の整備などについて機動的に対応する必要がある。
○
県は,施設の設置者として,指定管理者の自主的な取組を支えるべく,責任
を持ってその条件整備に努めるとともに,指定管理者との緊密な連携のもと,
公の施設の効用拡大や県民サービスの向上を図る必要がある。
今回の監査において,宿泊施設の一時利用や時間延長利用といった当初想定しな
かった形態での利用について,指定管理者が県の承認を受けることなく,これらの
料金を設定している状況が見受けられた。
指定管理者においては,多様化する利用者のニーズへの対応や施設利用の促進な
ど,利用者に対するサービスの向上と収入確保に取り組むところもあり,こうした
動きに応じた料金体系の整備が求められている。
実地調査において,指定管理者からは,県に料金規定の改正を要望しているもの
のその対応は十分でないとの声もあったところであり,県においては,指定管理者
から料金改正の要望があった場合は,その是非を判断の上,条例,規則,指定管理
者との協定など関係規定の整備などについて機動的に対応する必要がある。
また,公の施設の指定管理者制度を導入した主たる理由は,民間のノウハウの活
用であり,指定管理者が自主性を十分に発揮し,利用者ニーズへ迅速に対応できる
よう,条例における利用料金の規定方法や基本協定書のあり方などについて,総合
的に見直していくことも必要である。
県は,公の施設の管理運営を指定管理者に任せ切りにすることなく,施設の設置
者として,指定管理者の自主的な取組を支えるべく,責任を持ってその条件整備に
努めるとともに,指定管理者との緊密な連携のもと,一体となって公の施設の効用
拡大や県民サービスの向上を図る必要がある。
62
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