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「包摂的成長と不平等の克服: 包摂的成長と不平等の克服: ポスト2015
「包摂的成長と 包摂的成長と不平等の 不平等の克服: 克服: ポスト2015 年開発枠組みへ ポスト2015年開発枠組 年開発枠組みへの みへの TICAD Vの貢献」 貢献」 2013年5月31日(金) 13:00~14:30 パシフィコ横浜アネックスホールB会場(F201) (特活)国際協力NGOセンター 理事長 大橋 正明 1 不平等 不平等・ ・格差是正への 格差是正への取 への取り組みの 一層の 一層の強化を 強化を! ミレニアム開発目標(MDGs)がもたらした主に途上 国における大きな改革、すなわち、絶対的貧困の半 減や初等教育の普及などをさらに推進し、かつ現行 のMDGsでは対象化されなかったために十分な取 組みや解決ができなかった不平等や格差の問題へ の取り組みを一層強化することが、次の枠組みで求 められる。 ポスト2015に向けた提言をとりまとめたハイレベル・ パネル報告書が昨日、リベリアのサーリーフ大統領 からバンギムン国連事務総長宛に提出され、今朝 方発表された。この報告書で、この点に言及がある ことを歓迎。今後はその内実化に注目。 2 最貧層・脆弱層に焦点を 最貧層・脆弱層に焦点を当てた 当てた 政策の実現を! 政策 の実現を! 先ほど述べた報告書では、極度の貧困の根絶や乳幼児死亡率をゼロにすることが 掲げられ、また現行のMDGsが取り組むことができなかった不平等、持続可能性、 アカウンタビリティに焦点が当てられている。特に、全ての社会層ごとに細分化した 全ての社会層ごとに細分化した データで成果を測るべきという提案がされていることは歓迎。富裕層と貧困層、経 データで成果を測るべきという提案がされていることは歓迎 済的・社会的に優遇された層と、脆弱な立場に置かれた層の間の格差を埋めるこ とを指標として設定することが、不平等・格差の克服には不可欠。 このTICAD Vの主要テーマの一つが「経済成長を通じた貧困削減 経済成長を通じた貧困削減」であることに、 経済成長を通じた貧困削減 市民社会として懸念がある。経済成長と民間セクターの投資が優先的なテーマと なることで、発展・成長の利益の多くが貧しい人々に還元され、格差が解消される のかどうか、確信が持てない。どのように「包摂的成長」を実現するのか?そのため には、望ましい産業・農業・雇用・基礎社会サービス・社会保障・租税といった分野 の政策のあり方を、十分検討すべき。 3 構造的差別への 構造的差別への対応 への対応を 対応を! 「包摂的成長」を実現し、その質や成果を高めるた めには、成長の果実が広く人々に行きわたることを 阻む様々な構造的制約にも取り組むことが不可欠。 例えば、女性や集団での土地保有が認められな かったり、女性に対する差別や暴力が存在したり、 基礎教育やプライマリ・ヘルスケアが欠如している と、経済成長が実現しても、その成果は人々に届 かないことになる。こうした構造的制約を取り除くた めの政策も同時に求められる。 4 市民社会・当事者が参加 市民社会・当事者が参加する する 開発の実施を! 開発 の実施を! 「成長」が「収奪」ではなく望ましい「開発」を促進 するものにするために、今回のTICADは、人権基 盤や市民社会の参画、資源の公平な配分、累進 的な税制や国際支援を通じた必須社会サービス への普遍的アクセスなどの実現を、「成長支援」と 同等かそれ以上の比重を持って打ち出す必要。 昨日のHLP報告書では、普遍的人権に言及して いる点は高く評価するが、それを「人権基盤アプ 人権基盤アプ ローチ(RBA)」として実現することを期待。 ローチ( 5 日本政府への提言 日本政府は、私たちNGOとTICADやポスト2015年開発枠組みに関する意見交 換会を複数回積極的に開催し、今日の公開イベントにも参加した努力に敬意。 以下の点などについて、引き続き、一緒に議論を行うことを期待。 1) 「包摂的成長」と「不平等・格差問題」をいかに今後のTICADプロセスやポスト 2015年開発枠組み策定の議論に反映させるか、 2) 現行MDGsで果たせなかった、かつHLP報告書でも指摘されている先進国、 特に日本 政府の約束、特にODA拠出額をGNIの0.7%にするなど、途上国 の多くが関心を持っているものを今後果たしていくのか、 3) 日本のこれまでの経済成長の成功と、水俣病や現在も進行中の福島原発事 故のような課題の経験を、ど のように分かりやすく記録し、アフリカ諸国等と シェアし、その成長の促進と問題や災害の防止や縮小を図るのか、 傾聴、感謝! Thanks you!!