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子ども、授業者、歴史研究者をつなぐ 本を編み、会社を起こす

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子ども、授業者、歴史研究者をつなぐ 本を編み、会社を起こす
掲示された。
「そのときの状況、その後どんな影
人のコア=アドバイザーの献身的な支援無しには、
響を受けたか、具体的に書かれているので、心
学ぶ会教科書づくりは成立しなかった。校閲をお
に残る」
「今使っている教科書よりも長い文章だ
願いした歴史研究者は20名を超える。
けど、長いな~とは感じない」など、子どもた
ちの声に励まされてのスタートとなった。
コア=アドバイザーには、授業者の発想や教
材論に耳を傾けるとともに、教科書の根幹に関
この全体会で検討された「パンフレット第1集」
が12月には完成し、学ぶ会への参加を呼びかけ
る有力なアイテムとなった。2011年8月、第2
回の全体会の頃には会員数は200人を超え、現在
は600人ほどとなっている。
わる課題を提起していただいた。時系列の逆転
は理解を妨げる、
「オムニバス」
形式だけでは無理、
「窓」のような形のコラムを設定したらどうかな
どとの提言もいただいた。
通史としての叙述をどう保つかが、最大の論
点であった。学ぶ会では、時代像を描き、通史
子ども、
授業者、
歴史研究者をつなぐ
を綴るのは、
「学びを重ねる」
(
「パンフレット第
2011年に入って、古田氏を起点として次々に声
ていたが、このことは、コア=アドバイザーと
がかけられ、核(コア)となって助言・校閲してい
ただく歴史研究者の顔ぶれがそろっていった。家
永教科書裁判、一の谷中世墳墓群の保存運動な
どを通じて、歴史学の社会的責務を深く受けとめ
2集」2012年5月)子ども自身であると話し合っ
の議論を深めるべき課題となっている。
本を編み、
会社を起こす
ていた方々であった。東日本大震災の後、6月5
80回を数えた研究会で練り上げ、校閲を経た
日に、第1回コア=アドバイザー会議を開いた。8
4次稿をさらに調整した。膨大な時間をかけて、
紀元前1000年
第1部 原始・古代
第1章
紀元前 500年
原始・古代の
学習課題
文明のはじまりと日本列島
人類は,自然のなかで生きてきました。農耕や牧畜をはじめます。
国家が生まれ,古代文明が栄えました。宗教も広まります。
世界の原始・古代の学習からスタートし,日本列島に目を向けます。世界や日本では,
どのようなものが生みだされたのでしょうか。
動物とともに生きる
第1章の扉ページでは,動物とともに生きてきた人類のすがたに目を向けました。
さまざまな動物とともに
6000 年前ごろ,日本列島の人びとは,春は貝や山
カリブーやサケの群れとともに
菜,
夏はマグロ,
秋は木の実,
冬はイノシシをとってい
1万 5000 年前,人類は動物の群れを追って,ユー
ました。自然環境によって,サケを食べる地域,クリ
ラシア大陸からアメリカ大陸にわたりました。自然に
を食べる地域などさまざまでした。
感謝し,えものを必要以上に捕らないようにして生き
ていました。 紀 元
太平洋
赤道
▲カリブー
▲イノシシの土偶〈弘前市立博物館蔵〉
▲水鳥の彫刻(ホーレ・フェルス洞窟出土)
〈チュービンゲン大学蔵〉
空を飛ぶ鳥を見つめて
ドイツのほら穴で,3万年以上前の,水鳥をかたどったマン
500 年
北アメリカ大陸
モスの骨が見つかりました。自由に空を飛ぶ鳥は,古くから,
日本
世界各地で絵・ 彫 刻や物語の題材にされてきました。
オーストラリア大陸
ユーラシア大陸
▲玉でつくったゾウ
死後も動物とともに
1000 年
中国にゾウがいた
エジプトの人びとは,5000 年前,
人間だけでなく動物のミイラもつ
南アメリカ大陸
くりました。ネコやイヌをはじめ,
タカやフンコロガシなども,不思
黄 河の流 域には,ゾウのすむ森が広がっていました。
大西洋
赤道
議な力をもっていると考えて,ミ
気候が変わったり,人びとが森をきりひらいたりし
インド洋
▲黄 河(中国)
アフリカ大陸
たため,2000 年前には,森が失われました。川に
は土が流れ込んで,黄色くにごった水になりました。
イラにしたと考えられます。 ▲ネコのミイラ〈大英博物館蔵〉
海のめぐみとともに
1500 年
東 ティモ ール の人びとは,
4万 2000 年前には,小 舟
に乗って沖に出て,マグロを
ウシをあらわす土偶や土器をつくっていました。コ
ていました。古くから麦を育てて
010
9
貝塚がのこされています。
インダス川流 域の人びとは,4000 年前に,コブ
年前にはヤギやヒツジを家畜にし
ブウシは,現代のインドでも,神の使いとして,
パンをつくり,ミルクを飲み,肉
を食べてきました。
リア大陸には,1万年前の
コブウシとともに
メソポタミアの人びとは,9000
2000 年
捕っていました。オーストラ
▲コブウシの土偶〈岡山市立オリエント美術館蔵〉
さまざまな家畜とともに
(
『ウルのスタンダード』
)
▲モザイクでえがかれた家畜
〈大英博物館蔵〉
また家畜として大切にされています。
▲えさに群がるマグロ
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