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若桜町人口ビジョン(案)

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若桜町人口ビジョン(案)
若桜町人口ビジョン(案)
平成27年9月
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目
次
第1章 人口ビジョン策定にあたって
1.人口ビジョン策定の目的・背景 ・・・・・・・・・・・・・
2.人口ビジョンの位置付け ・・・・・・・・・・・・・・・・
3.人口ビジョンの対象期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1
1
第2章 人口の現状分析
1.人口 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)総人口と年齢3区分別人口の推移 ・・・・・・・・・・・
(2)出生・死亡、転入・転出の推移 ・・・・・・・・・・・・
(3)総人口の推移に与えてきた自然増減と社会増減の影響 ・・
(4)年齢階級別の人口移動の状況 ・・・・・・・・・・・・・
(5)地域ブロック別の人口移動の状況 ・・・・・・・・・・・
(6)性別・年齢別の人口移動の状況の長期的動向 ・・・・・・
2
2
2
3
4
5
5
(7)出生と合計特殊出生率の動向 ・・・・・・・・・・・・・
(8)未婚率の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(9)産業別就業者の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.人口の変化が地域の将来に与える影響の考察 ・・・・・・・
(1)住民生活に与える影響 ・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)地方財政に与える影響 ・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)地方経済に与える影響 ・・・・・・・・・・・・・・・・
7
7
8
8
8
8
9
第3章 人口の将来展望
1.将来展望に関する現状分析 ・・・・・・・・・・・・・・・ 9
2.将来人口推計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
3.将来展望に関する基本的方向 ・・・・・・・・・・・・・・12
4.人口の将来展望 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
[テキストを入力]
第1章 人口ビジョン策定にあたって
1.人口ビジョン策定の目的・背景
本町は城下町、宿場町としての趣を残しつつ、林業を中心として栄えてきました。しかし、
日本が高度経済成長時代に入ると林業の低迷に伴って、多くの若者が優秀な労働力として大
都市圏への流出が続いています。また、人々の価値観の多様化などにより、晩婚化、出生率
の低下など少子高齢化が進んでいます。
これまで、本町においても、地場産業の振興や住民福祉の向上、教育環境の整備など地域
の発展策を講じてきましたが、人口減少に歯止めをかけるには至っていません。
この人口減少問題は、東京圏を除く全国的な問題であり、労働力人口の減少や消費市場の
縮小、生活サービスの低下など地域経済や社会活動の維持が困難になりつつあります。この
ような状況を踏まえ日本創成会議が全国で 896 の市町村を「消滅可能性都市」として発表
をしました。これによりますと、2040(平成 52)年の若桜町の人口は 1,570 人で、20 代、
30 代の女性はわずか 57 人になるというショッキングな数字となっています。
このまま少子高齢化、人口減少が進むと、労働力不足による地域の活力低下など縮小経済
の中、社会保障費の増大など国自体の成り立ちが困難になることから、国においても人口減
少問題に取り組むため、
「まち・ひと・しごと創生法」が制定されました。
本町においても、将来にわたって町が存続するよう、人口減少に歯止めをかけ、地域の活
力を維持すべく積極的な施策を推進するため、若桜町の人口目標を定める「若桜町人口ビジ
ョン」を策定し、住民と行政が連携・協働し元気なまちを目指します。
2.人口ビジョンの位置付け
人口ビジョンは、本町における人口減少の推移や現状を分析し、広く住民の皆さんと人口
に関する認識を共有し、人口減少対策を積極的に推進することにより、今後目指すべき将来
の人口の展望を目指すものです。
また、今後5カ年の目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめる総合戦略において、
効果的な施策を企画立案するうえで重要な指標と位置付けるものです。
3.人口ビジョンの対象期間
人口ビジョンは、国の長期ビジョンの期間(2060 年)を基本として、本町においても同
年までの将来推計人口の試算を行いますが、中長期的な将来推計人口に重点を置き総合戦略
を策定する必要があることから、国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という。
)
の推計期間である 2040 年までを対象期間とします。
1
第2章 人口の現状分析
1.人口
(1)総人口と年齢3区分別人口の推移
本町の総人口は、1895(明治 24)年以降次第に増加し、1915(大正 4)年に 9,048 人と
なり、その後、大正末期から第二次世界大戦にかけ一時的に減少し、戦後のベビーブームと
いわれた出生人口の増加により、1960(昭和 35)年の 9,616 人がピークとなっています。
1960(昭和 35)年を境として人口は減少に転じています。これは、高度経済成長政策に
よる就業を目的とした関東・関西圏への流出や高学歴化の進展による大学等の進学を目的と
して転出したためであると考えられます。
年齢3区分別人口では、データの存在する 1970 年代以降、年少人口は緩やかに、生産年
齢人口は総人口の曲線と同様の傾向で急激に減少が続き、近い将来老年人口を下回ることが
予想されます。
一方、老年人口は生産年齢人口が順次老年人口に移り、平均寿命が延びていることも一因
として、近年は一定水準が維持されていますが、今後緩やかに減少していくと予想されます。
総人口と年齢3区分別人口の推移
(単位:人)
12,000
総人口
10,000
年少人口
生産年齢人口
8,000
老年人口
6,000
4,000
2,000
2040(平成52)年
2035(平成47)年
2030(平成42)年
2025(平成37)年
2020(平成32)年
2015(平成27)年
2010(平成22)年
2005(平成17)年
1995(平成7)年
2000(平成12)年
1990(平成2)年
1985(昭和60)年
1980(昭和55)年
1975(昭和50)年
1970(昭和45)年
1965(昭和40)年
1960(昭和35)年
1955(昭和30)年
1950(昭和25)年
1945(昭和22)年
1940(昭和15)年
1930(昭和5)年
1935(昭和10)年
1920(大正9)年
1925(大正14)年
1915(大正4)年
1910(明治43)年
1905(明治33)年
1900(明治28)年
1895(明治24)年
0
※1955 年以前は町史、1955 年~2010 年は国勢調査、2015 年以降は国立社会保障・人口問題研究所推計人口
※年齢 3 区分は、年少人口(0~14 歳)、生産年齢人口(15~64 歳)
、老年人口(65 歳以上)で区分されます。
(2)出生・死亡、転入・転出の推移
自然増減については、1985(昭和 60)年頃までは 60 人以上の出生があり一定の水準を
保っており、出生数が死亡数を上回る「自然増」の傾向でした。しかし、この時期以降は出
生数の減少に転じたことから、出生数が死亡数を下回る「自然減」の傾向となっています。
社会増減については、転入・転出ともに年による変動はあるものの、ほぼ一貫して転出超
過「社会減」の傾向が続いています。
2
出生・死亡、転入・転出の推移
(単位:人)
転入
500
転出
400
出生
300
死亡
200
100
0
※ 住民基本台帳
(3)総人口の推移に与えてきた自然増減と社会増減の影響
高度経済成長期の後半及びバブル期の手前(1986(昭和 61)年頃)まで、
「社会減」は高
い数値で推移していました。しかし、出生数は死亡数を上回っており、ほぼ一貫して「自然
増」の状況となっていました。
しかし、1987(昭和 62)年以降は「社会減」に加えて「自然減」の時代に入り、2003(平
成 15)年頃からは出生数の大幅な減少により「自然減」が「社会減」を上回るようになり、
人口ピラミッドは逆三角形を呈するようになっています。
総人口に与えてきた自然増減と社会増減の影響
(単位:人)
60
40
20
1966(始点)
-250
0
-200
-150
-100
-50
0
-20
(
自
然
増
-300
減
数
)
人
-40
影響曲線
-60
2013(終点)
-80
社会増減数(人)
3
※
住民基本台帳
自然増減と社会増減の推移
(単位:人)
100
50
0
-50
-100
-150
自然増減
-200
社会増減
-250
人口増減
-300
※
住民基本台帳
(4)年齢階級別の人口移動の状況
近年の人口移動の状況をみると、転出超過数に占める 20 歳代の割合が高い傾向にありま
す。これは、大学等を卒業した後も、町外での就職をする者が多いことが背景にあると考え
られます。
30~34 歳の人口移動の状況をみると、転出超過が次第に転入超過に転じています。これ
は、近年重要施策として取り組んでいる子育て支援や教育環境の充実により、UI ターン者
が増加していると考えられます。
(単位:人)
年齢階級別の人口移動の状況
40
90歳以上
85~89歳
20
0
-20
80~84歳
15~19歳, 2
0~4歳, -10
30~34歳, 3
0~4歳, -2
0~4歳, 1
15~19歳, -4
20~24歳, -4
25~29歳, -5
30~34歳, -5
15~19歳, -6
20~24歳, -12
20~24歳, -19
30~34歳, 5
75~79歳
0~4歳, 4
15~19歳, -8
70~74歳
20~24歳, -15
60~64歳
55~59歳
25~29歳, -3
25~29歳, -22
-40
65~69歳
25~29歳, -13
50~54歳
45~49歳
40~44歳
30~34歳, -12
35~39歳
-60
30~34歳
25~29歳
20~24歳
-80
2010年
2011年
2012年
2013年
4
※ 住民基本台帳
(5)転出者の地域ブロック別の状況
若桜町からの転出者は、中国地方及び関西地方への転出傾向が高くなっています。中国地
方への転出者の多くは、鳥取市、次いで八頭町への転出となっています。
国外からの転入が多いのは、町内事業所への就労が主なものと考えられます。
(4)の年齢階級別の人口移動の状況とあわせてみると、大学等卒業後の町外での就職も
多いですが、幅広い年齢層が転出していることから、家族での転出や介護施設入居や子ども
世帯への高齢者の転出なども大きな割合を占めていると考えられます。
地域ブロック別の人口移動の状況
(単位:人)
20
10
国外
0
-10
関西, -2
関西, -10
関西, -1
中国, -28
-20
九州・沖縄
四国
中国
-30
-40
関西, -11
中国, -48
中国, -28
関西
中部
中国, -47
東京圏
-50
北関東
-60
東北
-70
北海道
-80
2010年
2011年
2012年
2013年
地域ブロックの区分は下記のとおり。
北海道:北海道
東
※ 住民基本台帳
北:青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
中
部:新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知
中
国:鳥取、島根、岡山、広島、山口
四
北関東:茨城、栃木、群馬
関
東京圏:埼玉、千葉、東京、神奈川
西:三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
国:徳島、香川、愛媛、高知
九州・沖縄:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
(6)性別・年齢別の人口移動の状況の長期的動向
① 男性
10~14 歳から 15~19 歳になるとき、及び 19~24 歳から 25~29 歳になるときにみられ
る大幅な転出超過は、グラフにもばらつきがあるものの、高水準で推移しています。
1980(昭和 55)年→1985(昭和 60)年における、20~24 歳から 25~29 歳になるとき
では転入超過がみられます。景気もよく雇用の場があったことが背景にあると推測されます。
1985(昭和 60)年以降に、バブル崩壊や輸入自由化、地域経済の低迷など様々な影響が
あり、相対的には転出超過傾向が続いておりますが、近年は 40 代以上では改善が見受けら
れます。
5
年齢階級別人口移動の推移(男性)
40
20
純
移
動
数
(
人
)
0
-20
1980年→1985年
-40
1985年→1990年
1990年→1995年
-60
1995年→2000年
2000年→2005年
-80
2005年→2010年
-100
※ 住民基本台帳
② 女性
10~14 歳から 15~19 歳になるとき、及び 19~24 歳から 25~29 歳になるときに大幅な
転出超過が見受けられます。2005(平成 17)年→2010(平成 22)年における転出超過数
は減少していますが、転出者の減少よりも該当年齢の女性の絶対数が減少していることが大
きいものと考えられます。
1980(昭和 55)年→1985(昭和 60)年における、20~24 歳から 25~29 歳になるとき
では、男性と同様に転入超過がみられます。景気もよく雇用の場があったことが背景にある
と推測されます。
1985(昭和 60)年以降に、バブル崩壊や輸入自由化、地域経済の低迷など様々な影響が
ありましたが、男性に比べて生産年齢人口の流出が見受けられます。これは結婚など家庭的
要因、就労形態の変化などの影響が考えられます。
年齢階級別人口移動の推移(女性)
純
移
動
数
(
人
)
20
10
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
-70
-80
1980年→1985年
1985年→1990年
1990年→1995年
1995年→2000年
2000年→2005年
2005年→2010年
6
※ 住民基本台帳
(7)出生と合計特殊出生率の動向
本町の出生数は 1998(平成 10)年以降、2006(平成 18)年までは 20 人以上で推移して
いましたが、2007(平成 19)年以降は急に減少し 15 人以下で推移してきました。2013(平
成 25)年には遂に過去最低の 7 人となっています。
合計特殊出生率は出生数と比例して増減しており、2006(平成 18)年の 1.71 から 2013
(平成 25)年の 0.57 と年によって大きなばらつきがありますが、相対的に見ると低下傾向
にあります。このことは、子どもを産む方の 95%は 20 代と 30 代の女性であるとの統計数
値があり、本町においてはこの年代の減少が著しいと考えられます。
出生と合計特殊出生率
35
(単位:人)
1.80
1.60
30
1.40
25
1.20
20
1.00
15
0.80
0.60
10
0.40
5
出生数
合計特殊出生率(若桜)
合計特殊出生率(県平均)
0.20
0
0.00
※ 住民基本台帳
(8)未婚率の状況
出生と合計特殊出生率が低下している要因として、若年層の減少に併せ、晩婚化・未婚化
が考えられます。本町においては鳥取県や鳥取市の数値と比較して、特に男性の未婚率が高
くなっております。一方、女性は鳥取県、鳥取市と比較してもほぼ同じ数値を示しておりま
す。このように男性の未婚率が高いことが少子化に拍車をかけているものと思われます。
年 代
鳥取県
鳥取市
若桜町
男
女
計
男
女
計
男
女
計
25~29 歳
67%
56%
61%
66%
55%
61%
83%
56%
68%
30~34 歳
45%
32%
39%
44%
31%
38%
58%
31%
45%
35~39 歳
34%
20%
27%
33%
29%
26%
44%
24%
35%
40~44 歳
28%
15%
21%
27%
15%
21%
43%
16%
29%
全 体
43%
30%
36%
42%
29%
36%
54%
31%
43%
※ 国勢調査
7
(9)産業別就業者の状況
人口の減少に伴い就業者も減少しています。平成22年国勢調査によると、第1次産業で
ある農林業従事者が 195 人、第2次産業である鉱業・建設業・製造業 538 人、第3次産業
が 940 人となっており、第3次産業の割合が増加傾向にあります。
本町の産業別人口をみると、製造業が最も多く、卸売業・小売業、医療・福祉、建設業、
農業の順に多くなっています。
町内在住者の就業場所をみると、本町内の自営業者は 314 人ありますが、町内就業者を
含めても過半数には届かず、多くは鳥取市、次いで八頭町で就業されています。
産業別人口
(単位:人)
400
350
300
250
200
150
100
50
0
若桜町
※
国勢調査
2.人口の変化が地域の将来に与える影響の考察
(1)住民生活に与える影響
人口の減少が現状のまま推移した場合、様々な影響が考えられます。
例えば、医療や介護需要に対して供給との不整合、商店や金融機関等の不採算性による減
少、管理者不足による農地の荒廃、地域自治を担う人材の不足などが考えられます。
また、生産年齢人口の減少に伴い、自治体財政の収入が減少し、道路や上下水道施設など
の生活インフラの維持管理コストの増大や公共交通機関の維持困難、町民の民意を代弁する
合議制機関としての地方議会議員のなり手不足などの影響も懸念されます。
(2)地方財政に与える影響
2001(平成 13)年以降の財政状況を見てみると、本町の歳入歳出は、2003(平成 15)
年まで新若葉住宅整備やわかさ温水プール、生涯学習情報館等の整備が続き、年間歳出が約
39 億円まで上昇しました。その後、市町村合併をせず単独での存続を決め、行財政改革の
実施等により年間歳入歳出が約 30 億円前後で推移してきました。近年は地方債などを活用
しながら、年間歳入歳出が 35 億円前後で推移しています。
本町の積立金は 2001(平成 13)年に約 17 億円あり、2006(平成 18)年までに約 8 億円
まで減りましたが、その後は増加しており 2013(平成 25)年では約 19 億円となっていま
す。
8
本町の町税は 2001(平成 13)年で約 3 億円ありましたが年々減少を続けています。2007
(平成 19)年の税源移譲による税率改正に伴い、一時的に町税は増えましたが、2013(平
成 25)年で約 2 億 4 千万円まで減少しており、今後、生産年齢人口の減少が続けば税収の
更なる減少が見込まれます。
財政状況
(単位:百万円)
4500
4000
3500
3000
2500
2000
歳入総額
1500
歳出総額
1000
積立金現在高
町税
500
0
(3)地域経済に与える影響
人口の減少は、その地域で食料品や生活用品等の消費市場の減少につながります。消費が
減少することで、様々な業種の収益が下がり、事業の継続が困難となり、事業者や雇用の場
の減少が考えられます。
このことで就業の場所や利便性を求めて人口が流出し、更なる経済規模の縮小へとつなが
る悪循環になる可能性があります。
第3章 人口の将来展望
1.アンケート調査による現状分析
平成 27 年 6 月に 18 歳以上 50 歳未満の全町民を対象に「若桜町人口ビジョン及び総合戦
略策定に係るアンケート調査」を実施しました。
「若桜町は住みよい町か」との問いに対し、約 6 割の方が「住みよい」「どちらかといえ
ば住みよい」と答えています。また、「将来も若桜町に住み続けたいか」との問いに対し、
「今の場所に住み続けたい」
「町内の別の所へ移りたい」と答えた方が 48.1%、
「他の市町へ
移りたい」が 15.9%、
「わからない」が 35%となっています。
「若桜町から移りたい理由」としては、「交通が不便」「買い物が不便」「働く場の問題」
との答えが高くなっています。
9
「若桜町の人口が減少していくことについて」の問いに対しては、「人口減少はやむを得
ないが、なるべく減少に歯止めをかけるべきだと思う」と答えた方が、42.7%となっていま
す。
「人口減少によって影響が生じるか」の問いに対しては、「大きな影響がある」と答えた
方が 63.4%にのぼり、その影響や不安材料としては、「地域を支える担い手の不足や地域活
力の低下」が 46.6%、
「税収減となり、行政サービスが低下する」が 40.6%、「年金の減額、
社会保険料や医療費の増額など、社会保障に係る個人負担増」が 37.7%となっています。
アンケートに回答した既婚女性が考える理想的な子どもの数は 2.62 人ですが、現在の子
どもの数は 2.09 人にとどまっており、子どもの数が理想的な子どもの数より少ない理由と
しては、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」という答えが 61.1%となっています。
一方、独身の方への問いで「結婚することに利点があると思うか」に対しては、52.3%の
方が「利点があると思う」と回答しており、その理由として 58.2%の方が「自分の子どもや
家族をもてる」と答えています。結婚に対して気になる点として、「自分の生活リズムや生
活スタイルを保てるか」と答えた方は 62.7%となっています。結婚予定について、「いずれ
結婚するつもり」と答えた方は 60.8%となっており、
「現在独身でいる理由」として、
「適当
な相手にめぐり会わないから」と答えた方が 44.9%で最も高くなっています。また、独身者
が考える理想的な子どもの数は、2.04 人となっています。
2.将来人口推計
社人研の推計及び鳥取県の推計と町の独自推計により、将来人口推計を行いました。
☆基準人口は国勢調査による 2010(平成 22)年 10 月 1 日現在の人口
☆生存率は都道府県別生命表から算出された2005(平成17)年~2010(平
成22)年の生残率と、社人研全国推計(出生中位・死亡中位)により算出
された全国値との格差が2040(平成52)年まで0.5倍となるよう仮定
社人研推計
☆純移動率は2005(平成17)年から2010(平成22)年の移動を基準に、2010
(平成22)年から2015(平成27)年を約0.707倍に、2015(平成27)年
から2020(平成32)年を約0.5倍に逓減(その後は0.5倍に縮小した値を
一定と仮定)
☆出生は2010(平成17)年の子ども女性比(0~4歳人口と15~49歳人口の
比)について、全国と各市町村との格差が2040(平成52)年まで一定と
仮定
社人研推計をベースに、異なる仮定を設定
☆基準人口は鳥取県人口移動調査による 2013(平成 25)年 10 月 1 日現
鳥取県推計
在の人口
☆生存率は社人研推計に同じ
☆純移動率は 2008(平成 20)年から 2013(平成 25)年の移動を基準に、
2013(平成 25)年から 2018(平成 30)年を約 0.707 倍に、2018(平成
10
30)年から 2023(平成 35)年を約 0.5 倍に逓減(その後は 0.5 倍に縮
小した値を一定と仮定)
☆出生は合計特殊出生率が現在の水準(2013 年:1.62)のまま 2043(平
成 55)年まで一定と仮定
若桜町推計
(シミュレーション A)
若桜町推計
(シミュレーション B)
若桜町推計
(シミュレーション C)
☆基準人口は国勢調査による 2010(平成 22)年 10 月 1 日現在の人口
☆生存率は社人研推計に同じ
☆純移動率は 2040(平成 52)年まで段階的に逓減し、その後安定となっ
た場合を仮定
☆出生の数を 2014(平成 26)年の出生数(14 人)が、IJUターン者を含
めて毎年 2 人ずつ増加し、1 学年の子どもの数が 30 人で安定(2025(平
成 37)年)すると仮定。
☆基準人口は国勢調査による 2010(平成 22)年 10 月 1 日現在の人口
☆生存率は社人研推計に同じ
☆出生は直近 5 年間(2009~2013)の合計特殊出生率の最大値・最小値を除
いた平均値(0.98)と仮定
☆純移動率は今後 10 年をかけ段階的に逓減し、その後社会減がなくなっ
た(2025(平成 37)年以降)場合を仮定。
☆基準人口は国勢調査による 2010(平成 22)年 10 月 1 日現在の人口
☆生存率は社人研推計に同じ
☆出生の数を 2014(平成 26)年の出生数(14 人)が、IJUターン者を含
めて毎年 2 人ずつ増加し、1 学年の子どもの数が 30 人で安定する
(2025(平成 37)年)と仮定。
☆純移動率は今後 10 年をかけ、段階的に逓減し、その後社会減がなくな
った(2025(平成 37)年以降)場合を仮定。
4,500
社人研推計人口
県推計人口
シミュレーションA
シミュレーションB
シミュレーションC
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
11
3.将来展望に関する基本的方向
これまでの人口の現状分析から課題等を整理すると、本町は年少人口・生産年齢人口が減
少し、老年人口が維持・微減という人口減少段階の第2段階であり、社人研の将来人口推計
では老年人口も減少する第3段階を目前に控えています。
自然増減については、昭和の時代は出生・死亡数が均衡していたのに対し、平成の時代に
入ってからは徐々に出生数が減少し、自然減の傾向となっています。県内の25~29歳の
男女と比較してみると、男性の未婚率が高く、未婚化・晩婚化が出生に大きく影響している
と考えられます。
社会増減については、人口の減少とともに転入・転出の数も減っていますが、依然として
鳥取市や八頭町といった近隣市町を中心とした転出超過が続いており、転出年齢も20歳代
が多いことから年少人口、生産年齢人口の減少に拍車をかける要因となっています。
また、進学先が少ないことや、全国と比較して情報通信業や卸売業・小売業、学術研究、
専門・技術サービス業など職種が少ないことが、U ターン等の増加につながらない要因であ
ると思われます。
本町では、以前より人口減少に対する危機感を持ち、取り組みを進めています。少子高齢
化に伴う高齢者福祉はもとより、平成12年から町営住宅を8棟30戸整備し、子育て世代
への減免措置等により、常に満室の状況が続いています。平成24年に開校した若桜学園は、
時代に先駆けた施設一体型の小中一貫校であり、教育環境や指導体制の充実が高い評価を受
けています。また、平成24年から本格的に取り組んでいる移住定住事業は、空き家バンク
や移住定住相談員の設置、新築2棟のおためし住宅の活用、空き家の利活用に関する各種補
助制度等の実施により、相談件数・移住者ともに年々増加の傾向にあります。さらに、平成
25年に開園したわかさこども園は、幼保連携型の認定こども園で、平成26年度より保育
料無償化を実施しており、豊かな自然を通じた体験や子ども一人ひとりを大切にする教育と
相まって、U ターン者を中心に入園者数も増加しています。このような傾向は、人口減少の
一途をたどってきた現状に対して、希望のもてるものです。これまでの取り組みの内容をさ
らに高めながら、新たな施策を実施し、様々な分野で本町の特色を生かしていくことが求め
られています。
人口減少は先送りできない喫緊の課題であり、この現状に歯止めをかけるためにも少しで
も早く効果的な施策を行うことが必要です。本町の人口構造の課題である年少人口と生産年
齢人口の減少を、将来にわたって希望のもてる姿に変えていくには、子育て支援や教育環境
の充実、町外からの移住定住の促進、雇用の場及び機会の確保等、若い世代に対する重点的
な取り組みを進めることが最優先であると捉え、基本目標として3つの柱を定めることとし
ます。
基本目標
Ⅰ 住む人にやさしいまちづくり
Ⅱ 地域資源を活かしたまちづくり
Ⅲ 豊かな緑のなかで営むしごとづくり
12
4.人口の将来展望
これまでの分析や推計、調査などを考慮し、本町が目指すべき将来人口規模を次のとおり
展望します。
①
人口の減少に歯止めをかけ、2040(平成 52)年に 2,500 人以上を維持することを目指
します。
②
また、2014(平成 26)年の出生数(14 人)が、IJUターン者を含めて毎年 2 人ずつ増
加し、1 学年の子どもの数が(2025(平成 37)年)には 30 人で安定することを目指します。
③
年少人口及び生産年齢人口の増加により人口構造の若返りを図り、地域の担い手の確保
や安心・安全で活力のあるまちをつくります。
2040 年:2,533 人
目標人口
2060 年:2,275 人
《シミュレーションAによる 2040 年の人口構成》
0
50
100
150
200
90歳以上
80~84歳
70~74歳
60~64歳
50~54歳
40~44歳
30~34歳
20~24歳
10~14歳
0~4歳
200
男性2010年値
150
100
男性社人研推計
50
0
男性2040年値
女性2010年値
13
女性社人研推計
女性2040年値
250
《シミュレーションAによる 2040 年の年齢 3 区分別人口》
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
30.7% 28.1% 27.6%
39.8% 44.7% 46.5% 45.8% 43.9% 40.2% 37.6% 34.4%
49.3% 51.5% 51.7%
41.9% 43.8% 46.2%
51.9% 48.8% 46.3% 43.2% 41.4%
8.3%
6.5%
7.2%
19.4% 20.0% 20.4% 20.7%
11.0% 14.7% 17.9% 18.6%
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
0~14歳
2035年
2040年
15から64歳
2045年
2050年
2055年
2060年
65歳以上
(単位:人)
2010 年
2015 年
2020 年
2025 年
2030 年
2035 年
2040 年
2045 年
2050 年
2055 年
2060 年
0~14 歳
322
224
226
323
407
472
472
471
472
471
471
15~64 歳
2,009
1,676
1,450
1,265
1,144
1,106
1,109
1,125
1,162
1,187
1,177
65 歳以上
1,542
1,537
1,454
1,341
1,215
1,060
952
839
723
647
627
合計
3,873
3,437
3,130
2,929
2,766
2,638
2,533
2,435
2,357
2,305
2,275
14
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