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資料2-2 実在街区におけるシミュレーション結果
資料2-2 実在街区におけるシミュレーション結果 モデル街区におけるシミュレーションにより適応策の対策効果を検討するに当たって、実在街 区におけるシミュレーションを実施し、モデル街区におけるシミュレーション結果との対応を確 認した。 1.入力データの検討・作成 1)建物形状等の作成 新橋における建物や街路樹の形状を3D地図として作成した(図1)。作成に際しては市販の 3D地図を活用するととともに、航空写真から3Dデータを作成した。なお、街路樹の樹冠を 表現するため、葉が繁茂する時期に配慮して、用いる航空写真は 2008 年5月のものを使用した。 高さ:約 100m N 100m 【 凡 例 】 ■ 建物 空中に浮いた構造物 ■ 街路樹 □ 建物屋上の塔屋等 ■ 駅舎の屋根やひさし等 ■ 道路以外の敷地 ■ 鉄道高架など ■ 樹木 ■ 道路敷 図1 新橋の建物形状 95 2)メッシュデータの作成 作成した3D地図より、シミュレーションで用いるメッシュデータを作成した。メッシュ分 割に当たり、主要街路が南北東西に正対するよう、計算対象街区の方向を回転した。また、メ ッシュサイズについては、水平方向には新橋地区は5mとした。また、鉛直方向には上方に行 くに従い間隔が広くなる不均一メッシュとし、地表面から 300mまでの間で、66 分割した。詳 細を表1及び図2に整理した。 表1 解析領域と計算メッシュ数 地区名 新橋 解析領域 計算メッシュ 中心座標 領域幅 メッシュ メッシュ数 回転角 基準 Y(m)[*1] X(m)[*1] (度)[*2] 標高(m) 東西(m) 南北(m) サイズ(m) 東西(I) 南北(J) 鉛直(K) -7,100.74 -36,668.00 +21.0 5.5 1,060 1,340 5.0 212 268 66 総数 3,749,856 [*1]平面直角座標系第Ⅸ系,JGD2000 [*2]北を基準として時計回りを正とした 図2 鉛直方向のメッシュ分割 96 3)樹種の設定 地方公共団体の調査報告書やヒアリング調査、現地踏査の調査結果を踏まえ、基本ケースの樹 種を設定した。樹種の設定に当たっては、吉田他(2006)1によって樹木の日射透過性能及び風に与 える影響が既知の樹種を選定したが、実際に本数の多い樹種を各道路を代表する樹種として設定 する等により、できるだけ現況を踏まえた設定を行った。 樹種の設定に当たっては、下記のヒアリング及び報告書と現地踏査による調査を踏まえ、各道 路における主要樹種を設定した。設定した樹種を下図に示す。 ・東京都 第一建設事務所:ヒアリング ・東京都 東部公園緑地事務所: 「平成 20 年度 日比谷公園樹木予備点検調査報告書」 図3 各道路における樹種設定 1 吉田 伸治 , 中井 敦 , 大岡 龍三:樹木の成長,樹種の違いが樹冠の葉面積密度・光学的深さに及ぼす影響 : 実測に基づく街路樹の日射遮蔽効果の評価手法に関する研究,日本建築学会環境系論文集,605,2006 年7月 97 4)気象データ 入力する気象データは、東京気象台における 2010/7/22 の観測値を用いた。 解析時刻は日中とした。新橋において、2010/7/22 に太陽が道路方位を向いている時刻はお よそ 12 時であることから、12 時を解析時刻とし、観測値を入力値とした。 また、風速及び風向の入力値については、東京気象台の 10 分値における、解析対象時間の前 後約 30 分、計約1時間の平均値(データ数7)を入力値(風速 3.8m/s、風向 154 度)である。 日照時間 平均風向 降水量 平均風速 30 S 15 5 E 10 0 N N 2010/7/23 0:00 2010/7/22 21:00 10 2010/7/22 18:00 20 2010/7/22 15:00 15 W 2010/7/22 12:00 25 2010/7/22 9:00 20 2010/7/22 6:00 30 2010/7/22 3:00 25 図4 気象データの日変化(東京気象台) 98 風速(m/s)、日照時間(分)、 降水量(×0.1mm)、風向(方位) 気温 35 2010/7/22 0:00 気温(℃) 40 5)計算領域 人体温熱生理モデルにより計算される生理指標の値について感度分析を行うためには、下記 3点の条件を満たす領域で検討することが望ましい。 ①歩行経路のバリエーションがあること(東西道路、南北道路) ②十分な歩行距離が確保できること(1km 程度) ③信号待ちの歩行パターンを設定できる経路が確保できること したがって西新橋交差点を中心とした計算領域を設定することで、歩行経路として東西道路 (外堀通り:都道 405 号)と南北道路(日比谷通り:都道 409 号)を確保するとともに、交差 点における信号待ちが設定可能となる。②の歩行距離については、計算領域の端まで到達した ら、逆の端から出てくるといった歩行経路の工夫を行うことで、十分な歩行距離を確保するこ ととした。 :計算領域 (300m×300m) 日比谷 公園 日比谷通り 都道 409 号 虎ノ門駅 外堀通り 都道 405 号 新橋駅 西新橋交差点 至東京慈恵 会医大病院 公園 図5 感度分析の計算領域 99 6)実施ケース 感度分析のための検討ケースは、計算領域内で歩行経路を4経路設定し(図6:東西道路の 北側歩道・南側歩道、南北道路の東側歩道・西側歩道)、各経路について着衣量や歩行速度を変 えた8ケースを実施した(表2) 。 南北道路 西側 南北道路 東側 東西道路 北側 東西道路 南側 図6 歩行経路イメージ 表2 シミュレーションのケース設定(感度分析) 歩行速度(※3) 着衣量 遅い(3.2km/h) (※1、2) 信号待ち 有り (※4) 半袖シャツ ● 信号待ち なし 普通(4.3km/h) 速い(6.4km/h) 信号待ち 有り 信号待ち なし 信号待ち 有り ● ● ● 信号待ち なし ※1 着衣量(clo 値)及び対流熱伝達率は、風向によって着衣内の空気層の有無によって clo 値が変わる大黒他(2002)2の実験を参考に算出した。 ※2 全てに「下着(上下)」 「靴下」 「ズボン」「靴」を含む。 ※3 ASHRAE(2009)で代謝量との対応が分かる歩行速度を用いた。 (3.2km/h=2.0met、4.3km/h=2.6met、6.4km/h=3.8met) ※4 信号待ちの時間は、実測に基づき1分 40 秒とした。 2大黒 雅之 , アレンズ エドワード , デディア リチャード , チャン ウイ , 片山 忠久:気流下の着衣人体に おける各部位の対流熱伝達率と着衣抵抗,日本建築学会計画系論文集,561,pp.21-29,2002 100 7)シミュレーション結果 ①地表面温度分布 図7に地表面温度分布を示す。12 時の結果に着目すると、南北道路の南端に大きな樹冠が存 在し、この緑陰の形成に伴い、地表面温度が 35℃程度の低温域が形成されることが分かる。東 西街路では、街路南側と北側で建物群による日影の形成の有無により極端な温度分布の差異が 生じる。一方、19 時の結果については、日没後であるため、12 時の結果に比べて空間分布範 囲の狭い結果となるものの、それ以前の日射の受熱の影響に伴う温度分布の差異が見られる。 街路樹 街路樹 N 日射 (a) 12:00(太陽方位角 11.5◦、太陽高度 74.5◦) (c) 19:00(表示温度範囲変更) 図7 地表面温度分布 101 (b)19:00(日没後) ②風速ベクトル分布 図8に 12 時における高さ 1.5m における風速ベクトル分布を示す。上空風向は南南東である が、街路上では東西街路の東側、南北街路の南側より風が流入し、図中央の交差点で合流する。 解析領域南端、同東端に剥離による強風が見られるが、これは、本来どちらの方向にも建物群 が連続するところを切り取ったことにより、側方境界からの流入風が直接衝突するためである。 (m/s) + + 100m N 上空風向 き 図8 風速ベクトル並びにスカラー風速の水平分布(高さ 1.5m) ③歩行中の熱環境評価 次頁以降に人体温熱生理モデルによる計算結果を示す。評価項目として設定した、熱中症リ スクを評価する指標としての生理指標(深部体温、発汗量、皮膚温度)及び快適性を評価する 指標(SET*)について、その感度を検討する。なお、発汗量については、発汗面積率(全身に 対する発汗面積) 、分泌発汗量(全発汗量) 、無効発汗量(蒸発による熱放散に使われなかった 発汗量)について結果を示した。 (ⅰ)径路毎の熱環境の比較 図9に歩行速度 4.3km/h を想定した場合の各径路(図6参照)の結果の比較を示す(解析領 域内を4回通過した場合) 。東西街路の南側を歩く「西東-南」が最も皮膚温度、コア温度共に 低く、負担の小さい街路である事が分かる。一方、これと対を為す「西東-北」は SET*の変化 が大きく、快適感が大きく変動する事が分かる。南北街路を北から東に移動する経路では、東 西街路に比べると両脇の歩道(東側、西側)間の熱環境の差が小さいことがわかる。やや西側 を歩行する場合の発汗量が大きいのは、東側に比べて日当たりが良いためである。 102 35.4 36.8 35.2 36.6 36.4 34.8 34.6 北南-東 34.4 北南-西 34.2 西東-北 34 西東-南 コア温度 [◦C] 皮膚温度 [◦C] 35 36.2 北南-東 北南-西 36 a 35.8 西東-南 35.6 33.8 35.4 33.6 0 5 10 15 20 0 25 5 (a) 皮膚温度 15 20 25 (b)コア温度 80 46 70 44 60 42 50 北南-東 40 北南-西 30 西東-北 20 SET* [◦C] 発汗率 [%] 10 歩行時間 [分] 歩行時間 [分] 40 北南-東 38 北南-西 36 西東-北 34 西東-南 10 西東-南 32 0 30 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 10 15 20 25 歩行時間 [分] (c)発汗面積率 (d)SET* 100 20 90 18 80 16 70 14 60 北南-東 50 北南-西 40 西東-北 30 西東-南 20 累積発汗量 [g] 累積発汗量 [g] 西東-北 12 北南-東 10 北南-西 8 西東-北 6 西東-南 4 2 10 0 0 0 5 10 15 20 0 25 5 10 15 20 歩行時間 [分] 歩行時間 [分] (e)分泌発汗量(累積値) (f)無効発汗量(累積値) 図9 経路毎の熱環境の比較(歩行速度 4.3km/h の場合) 103 25 (ⅱ)歩行速度が経路中の温熱環境に与える影響 図10~図13に各歩行経路における歩行速度の差異が温熱環境に与える影響をまとめて 示す。各径路ともに歩行速度が速いほど発汗の分泌速度が速いことが分かる。最初の信号待ち の際の SET*の値がとりわけ高い値となる。歩行終了時の無効発汗の累積値に着目すると、東西 街路南側を歩行するケース(西東-南)以外のケースにおいて歩行速度 4.3km/h のケースの値 が高い結果となる。今回想定するケースでは、日照部を多く歩行する場合、その曝露時間と運 動強度(歩行速度)のバランスで無効発汗の程度が決定されることが分かる。経路「西東-南」 の場合、 最も歩行速度の速い 6.4km/h の場合と歩行速度 4.3km/h の場合の差が小さくなるのは、 この経路の多くが建物の影になるため、環境曝露に伴う日射受熱が少ないため、運動強度の影 響が強まるためである。 104 35.4 36.8 35.2 36.6 36.4 34.8 34.6 3.2km/h 34.4 4.3km/h 34.2 6.4km/h 34 コア温度 [◦C] 皮膚温度 [◦C] 35 36.2 3.2km/h 36 4.3km/h 35.8 6.4km/h 35.6 33.8 33.6 35.4 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] (a) 皮膚温度 20 25 46 70 44 60 42 50 40 3.2km/h 30 4.3km/h 6.4km/h 20 10 SET* [◦C] 発汗率 [%] 15 (b)コア温度 80 40 38 3.2km/h 36 4.3km/h 6.4km/h 34 32 0 30 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 10 15 20 25 歩行時間 [分] (c)発汗面積率 (d)SET* 100 20 90 18 80 16 70 60 50 3.2km/h 40 4.3km/h 30 6.4km/h 20 10 累積無効発汗量 [g] 累積分泌発汗量 [g] 10 歩行時間 [分] 14 12 10 3.2km/h 8 4.3km/h 6 6.4km/h 4 2 0 0 0 5 10 15 20 25 0 歩行時間 [分] 5 10 15 20 歩行時間 [分] (e)分泌発汗量(累積値) (f)無効発汗量(累積値) 図10 歩行速度差異が街路上の熱環境に与える影響(歩行街路:北南-東) 105 25 35.4 36.8 35.2 36.6 36.4 34.8 34.6 3.2km/h 34.4 4.3km/h 34.2 6.4km/h 34 コア温度 [◦C] 皮膚温度 [◦C] 35 36.2 3.2km/h 36 4.3km/h 35.8 6.4km/h 35.6 33.8 33.6 35.4 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 15 20 25 (b)コア温度 80 46 70 44 60 42 50 40 3.2km/h 30 4.3km/h 6.4km/h 20 10 SET* [◦C] 発汗率 [%] (a) 皮膚温度 40 38 3.2km/h 36 4.3km/h 6.4km/h 34 32 0 30 0 5 10 15 20 25 0 5 10 歩行時間 [分] 15 20 25 歩行時間 [分] (c)発汗面積率 (d)SET* 20 100 18 90 70 60 3.2km/h 50 40 4.3km/h 30 6.4km/h 累積無効発汗量 [g] 16 80 累積分泌発汗量 [g] 10 歩行時間 [分] 14 12 10 3.2km/h 8 4.3km/h 6 6.4km/h 20 4 10 2 0 0 0 5 10 15 20 0 25 5 10 15 20 歩行時間 [分] 歩行時間 [分] (e)分泌発汗量(累積値) (f)無効発汗量(累積値) 図11 歩行速度差異が街路上の熱環境に与える影響(歩行街路:北南-西) 106 25 35.4 36.8 35.2 36.6 36.4 34.8 34.6 3.2km/h 34.4 4.3km/h 34.2 6.4km/h 34 コア温度 [◦C] 皮膚温度 [◦C] 35 36.2 3.2km/h 36 4.3km/h 35.8 6.4km/h 35.6 33.8 33.6 35.4 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 15 20 25 (b)コア温度 80 46 70 44 60 42 50 40 3.2km/h 30 4.3km/h SET* [◦C] 発汗率 [%] (a) 皮膚温度 6.4km/h 20 40 38 3.2km/h 36 4.3km/h 6.4km/h 34 10 32 0 30 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 10 15 20 25 歩行時間 [分] (c)発汗面積率 (d)SET* 100 20 90 18 80 16 70 60 50 3.2km/h 40 4.3km/h 30 6.4km/h 20 10 累積無効発汗量 [g] 累積分泌発汗量 [g] 10 歩行時間 [分] 14 12 10 3.2km/h 8 4.3km/h 6 6.4km/h 4 2 0 0 0 5 10 15 20 25 0 歩行時間 [分] 5 10 15 20 歩行時間 [分] (e)分泌発汗量(累積値) (f)無効発汗量(累積値) 図12 歩行速度差異が街路上の熱環境に与える影響(歩行街路:西東-北) 107 25 35.4 36.8 35.2 36.6 36.4 34.8 34.6 3.2km/h 34.4 4.3km/h 34.2 6.4km/h 34 コア温度 [◦C] 皮膚温度 [◦C] 35 36.2 3.2km/h 36 4.3km/h 35.8 6.4km/h 35.6 33.8 33.6 35.4 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 15 20 25 (b)コア温度 80 46 70 44 60 42 50 40 3.2km/h 30 4.3km/h SET* [◦C] 発汗率 [%] (a) 皮膚温度 6.4km/h 20 40 38 3.2km/h 36 4.3km/h 6.4km/h 34 10 32 0 30 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 10 15 20 25 歩行時間 [分] (c)発汗面積率 (d)SET* 100 20 90 18 80 16 70 60 50 3.2km/h 40 4.3km/h 30 6.4km/h 累積無効発汗量 [g] 累積分泌発汗量 [g] 10 歩行時間 [分] 14 12 10 3.2km/h 8 4.3km/h 6 6.4km/h 20 4 10 2 0 0 0 5 10 15 20 25 0 歩行時間 [分] 5 10 15 20 歩行時間 [分] (e)分泌発汗量(累積値) (f)無効発汗量(累積値) 図13 歩行速度差異が街路上の熱環境に与える影響(歩行街路:西東-南) 108 25 (ⅲ)信号待ちの有無が経路中の温熱環境に与える影響 図14~図17に交差点における信号待ちの有無が各歩行経路の温熱環境に与える影響を まとめて示す。信号待ちの際に皮膚温度は上昇するが、コア温度は逆に低下する傾向が見られ える。皮膚温度の上昇は交差点での日射受熱の増加に反応する結果であり、コア温度の低下は 歩行から停止(立位)に伴う運動強度の減少によるものである。歩行終了時の分泌発汗、無効 発汗の結果は共に信号待ちありの場合の方が、環境への曝露時間が長いため、大きな値となっ ている。 109 35.4 36.8 35.2 36.6 36.4 34.8 34.6 34.4 信号待ち無 34.2 信号待ち有 コア温度 [◦C] 皮膚温度 [◦C] 35 36.2 信号待ち無 36 信号待ち有 35.8 34 35.6 33.8 33.6 35.4 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 80 46 70 44 60 42 50 40 40 信号待ち無 30 信号待ち有 10 32 0 30 15 20 信号待ち無 信号待ち有 0 25 5 10 15 20 25 歩行時間 [分] 歩行時間 [分] (c)発汗面積率 (d)SET* 100 20 90 18 80 16 70 60 50 信号待ち無 40 信号待ち有 30 累積無効発汗量 [g] 累積分泌発汗量 [g] 25 36 20 10 20 38 34 5 15 (b)コア温度 SET* [◦C] 発汗率 [%] (a) 皮膚温度 0 10 歩行時間 [分] 14 12 10 信号待ち無 8 信号待ち有 6 20 4 10 2 0 0 0 5 10 15 20 0 25 5 10 15 20 歩行時間 [分] 歩行時間 [分] (e)分泌発汗量(累積値) (f)無効発汗量(累積値) 図14 信号待ちの有無が街路上の熱環境に与える影響(歩行街路:北南-東) 110 25 35.4 36.8 35.2 36.6 36.4 34.8 34.6 34.4 信号待ち無 34.2 信号待ち有 コア温度 [◦C] 皮膚温度 [◦C] 35 36.2 信号待ち無 36 信号待ち有 35.8 34 35.6 33.8 35.4 33.6 0 5 10 15 20 0 25 5 15 20 25 (b)コア温度 80 46 70 44 60 42 50 40 40 信号待ち無 30 SET* [◦C] 発汗率 [%] (a) 皮膚温度 信号待ち有 38 信号待ち無 36 20 34 10 32 信号待ち有 30 0 0 5 10 15 20 0 25 5 10 15 20 25 歩行時間 [分] 歩行時間 [分] (c)発汗面積率 (d)SET* 100 20 90 18 80 16 70 60 50 信号待ち無 40 信号待ち有 30 20 累積無効発汗量 [g] 累積分泌発汗量 [g] 10 歩行時間 [分] 歩行時間 [分] 14 12 10 信号待ち無 8 信号待ち有 6 4 10 2 0 0 0 5 10 15 20 25 0 歩行時間 [分] 5 10 15 20 歩行時間 [分] (e)分泌発汗量(累積値) (f)無効発汗量(累積値) 図15 信号待ちの有無が街路上の熱環境に与える影響(歩行街路:北南-西) 111 25 35.4 36.8 35.2 36.6 36.4 34.8 34.6 34.4 信号待ち無 34.2 信号待ち有 コア温度 [◦C] 皮膚温度 [◦C] 35 36.2 信号待ち無 36 信号待ち有 35.8 34 35.6 33.8 33.6 35.4 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 15 20 25 (b)コア温度 80 46 70 44 60 42 50 40 40 信号待ち無 30 信号待ち有 SET* [◦C] 発汗率 [%] (a) 皮膚温度 38 信号待ち無 36 20 34 10 32 0 信号待ち有 30 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 10 15 20 25 歩行時間 [分] (c)発汗面積率 (d)SET* 100 20 90 18 80 16 70 60 50 信号待ち無 40 信号待ち有 30 累積無効発汗量 [g] 累積分泌発汗量 [g] 10 歩行時間 [分] 14 12 10 信号待ち有 6 20 4 10 2 0 信号待ち無 8 0 0 5 10 15 20 25 0 歩行時間 [分] 5 10 15 20 歩行時間 [分] (e)分泌発汗量(累積値) (f)無効発汗量(累積値) 図16 信号待ちの有無が街路上の熱環境に与える影響(歩行街路:西東-北) 112 25 35.4 36.8 35.2 36.6 36.4 34.8 34.6 34.4 信号待ち無 34.2 信号待ち有 コア温度 [◦C] 皮膚温度 [◦C] 35 36.2 信号待ち無 36 信号待ち有 35.8 34 35.6 33.8 33.6 35.4 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 15 20 25 (b)コア温度 80 46 70 44 60 42 50 40 40 信号待ち無 30 信号待ち有 SET* [◦C] 発汗率 [%] (a) 皮膚温度 38 信号待ち無 36 20 34 10 32 0 信号待ち有 30 0 5 10 15 20 25 0 5 歩行時間 [分] 10 15 20 25 歩行時間 [分] (c)発汗面積率 (d)SET* 100 20 90 18 80 16 70 60 50 信号待ち無 40 信号待ち有 30 累積無効発汗量 [g] 累積分泌発汗量 [g] 10 歩行時間 [分] 14 12 10 信号待ち有 6 20 4 10 2 0 信号待ち無 8 0 0 5 10 15 20 25 0 歩行時間 [分] 5 10 15 20 歩行時間 [分] (e)分泌発汗量(累積値) (f)無効発汗量(累積値) 図17 信号待ちの有無が街路上の熱環境に与える影響(歩行街路:西東-南) 113 25 8)モデル街区におけるシミュレーション結果との対応 新橋の実在街区による計算結果とオフィス街区モデルの計算結果の比較を行った。 熱ストレスの評価指標である累積分泌発汗量について、実在街区とモデル街区のシミュレーシ ョン結果を比較すると、その相対的な順序は、南北道路(西側歩道)>南北道路(東側歩道)>東西 道路(北側歩道)>東西道路(南側歩道)と実在街区とモデル街区で同様の順序であり、実在街区と モデル街区の結果に対応が見られることが確認できた。 100 90 80 東西道路(北側歩道)西→東 東西道路(南側歩道)西→東 南北道路(西側歩道)南→北 南北道路(西側歩道)北→南 南北道路(東側歩道)南→北 南北道路(東側歩道)北→南 200 70 60 北南-東 50 北南-西 40 西東-北 30 西東-南 20 累積分泌発汗量(g) 累積発汗量 [g] 建物境界 150 100 50 10 信号待ち 0 0 5 10 15 20 25 歩行 0 0 歩行時間 [分] 200 400 600 800 1000 歩行時間(sec) (a)実在街区(新橋) (b)モデル街区(オフィス街区) 図18 熱ストレス(累積分泌発汗量)の経路ごとの違いの比較 114 1200