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- 1 - 会議録(速報版)は、暫定的なものであるため、正式な会議録とは一
平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
会議録(速報版)は、暫定的なものであるため、正式な会議録とは一部異なり、今後訂正される場合
があります。
正式な会議録は、調製後「会議録の検索と閲覧」に登載されます。
○橋口海平君 皆さんこんにちは。自由民主党・熊本市第一選挙区選出の橋口海平です。この場に立つ
と相変わらず緊張しますが、最後まで頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回で5回目の一般質問ですが、過去4回は全て雨でございました。本日は、辛うじてまだ雨が降っ
ておりません。(発言する者あり)今降っていますか。外は雨でも、心が晴れるような答弁をしていただ
きたいと思います。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
まず初めに、建設産業における担い手確保と育成について質問します。
私は、県議に初当選以来、一般質問において、毎回、建設産業における担い手確保と育成についての
質問を行ってきました。それは、建設産業を取り囲む経済環境が大きく変化し、長く減尐を続けていた
公共事業費も、東日本大震災の復旧・復興事業を契機として底を打ち、アベノミクスによる経済対策に
より増加へ転じ、建設業界もやっと一息つける状況まで回復した中で、規模縮小を続けてきた建設業に
おける担い手不足や人手不足の課題が顕在化し、将来の地域経済や防災を支える地域建設業を再生する
施策が必要との強い思いで、毎回質問してきたところであります。
その間、県におかれましては、平成25年12月議会における知事の答弁で、「建設産業は、社会資本の
整備、既存インフラの老朽化対策、また、防災、減災などの担い手として期待されています、また、建
設産業が、防災等、地域の守り手としての重要な役割を担っています、そして、熊本の百年の礎や県民
の安全、安心を着実に築いていくには、建設産業を魅力のある産業として再生し、若年層の人材確保に
積極的に取り組む必要がある。」との答弁をいただきました。その答弁に沿って、県は、積極的な施策
展開をしていただいております。このことについて、まずもって感謝いたします。
ことし3月には、行政、教育機関、建設業界が参画した建設産業における人材確保・育成のあり方に
ついての検討結果が取りまとめられ、その中で、今後の建設産業の人材確保・育成のための15項目の方
向性が示されました。
これに基づき、今後、県や教育機関及び業界の具体的な取り組みが着実に実施されますようお願いす
るとともに、具体的に今年度から取り組まれる建設産業の鉄筋工等、急激に若年従事者が不足している
技能者の雇用促進事業や昨年から実施されている建設産業イメージアップ戦略事業についても、引き続
き積極的な取り組みをお願いします。
さて、今回の建設産業における担い手確保と育成についての質問ですが、先ほど触れました人材確
保・育成のあり方を取りまとめるに当たって、県土木部監理課が、昨年7月に、県内の建設系学科を持
つ県立高等学校の生徒436名にアンケート調査をしております。その調査結果によりますと、建設産業
への就職希望者が168名と一番多くなっていますが、それでも全体の38%にとどまっています。その中
でも、県内建設産業就職希望者は70名で、全体の16%でした。
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
本県の高等学校教育は、全国に比べてみても、実業系高等学校を多く残し、即戦力の新規就職者を社
会に送り出しています。
現在、アベノミクスによる経済の回復基調の中で、人口減尐の影響を受け、若年労働者不足が叫ばれ
ており、建設業界においても、全国的な人材不足で、大手建設業を含め、熾烈な新規就労者の獲得競争
が行われています。
県内建設業者においても、10年以上にわたる公共事業削減と競争激化による規模縮小から、やっと尐
し、将来の企業継続のため、新規高卒者の確保ができる状況になってきましたが、いざ新規高卒求人を
行ったが、長い期間新規学卒の採用の経験がないことや県外との競争により、非常に厳しい採用状況に
なっていると聞いています。
そこで、教育長にお尋ねします。
今回、初めて、県、教育機関、業界により、建設産業における人材確保・育成の方向性が取りまとめ
られ、具体的取り組みが示されています。県立高等学校として、県内企業へ優秀な人材を送り出すこと
も大きな使命と思いますが、土木・建築関係学科における県内企業への就職状況と、今後の建設産業
等、地元企業への就職活動へ支援が必要かと思いますが、今後の取り組みについてお尋ねします。
〔教育長田崎龍一君登壇〕
○教育長(田崎龍一君) まず、県内建設産業への就職状況についてお答えします。
県立高校の土木・建築系学科を有する11校においては、本年3月に卒業し就職した生徒304人のう
ち、建設産業へ就職した生徒は156人、全体の51.3%でした。また、そのうちの約6割の92人が県内の
企業に就職し、本県の建設産業の担い手として活躍する機会を得ております。
次に、今後の県内建設産業における担い手育成の取り組みについてお答えします。
まず、昨年度は、生徒が実地の就業体験を通して職業への理解を深めるインターンシップを、県の関
係部局との連携のもと、県内の建設産業105事業所で実施いたしました。また、熊本県建設業協会等と
も連携した経営者を招いての職業講話や高速道路のトンネル工事現場見学会などの取り組みは、生徒が
建設産業の魅力や地元産業が地域で果たしている役割などを学ぶ貴重な機会となっております。
将来の地域産業を担う人材の育成は、専門高校が果たすべき重要な役割と認識しております。今後と
も、県の関係部局や熊本県建設業協会等との連携を一層深め、高校で学んだ専門性を生かして、地元建
設産業に貢献できる人材の育成に努めてまいります。
〔橋口海平君登壇〕
○橋口海平君 教育長に御答弁いただきましたが、教育長の御答弁の中に就職の話がありました。約6
割という話ですが、しかし、土木・建築系学科の卒業生が382人いる中で、県内の建設産業に就職した
のは約24%です。
建設産業では、地元企業に就職している数は、平成25年度からはふえてきていると伺っているのです
が、まだまだ担い手不足の状況が続いているかと思います。もちろん、建設産業自体のイメージアップ
など、努力も必要かと思いますが、関係団体との連携をさらに深めていただきたいと思っております。
そして、地元建設産業と高校生の交流をふやし、ダイナミックな現場などを見学し、つくる楽しさを知
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
っていただきたいとも思っています。
今後、公共事業費がどのようになっていくかはわかりませんが、人材育成、担い手確保を進めていか
ないと、いざというときに復旧・復興作業ができないではいけないと思いますので、着実に進めていた
だきたいと思います。
次に、改正品確法の適切な実施についてお尋ねします。
建設産業において、長年にわたる建設投資の減尐や受注競争の激化により、ダンピング受注の発生、
建設企業の疲弊、そして現場の技能労働者等の就労環境の悪化に伴う若手入職者の減尐などにより、建
設産業の技術、技能の継承が危ぶまれる状況を背景に、公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわ
ゆる品確法の改正が、平成26年6月に公布、施行されました。
改正の主な内容は、現在及び将来にわたるインフラの品質確保と、その担い手の中長期的な育成、確
保を図ることを基本理念に追加したことと、具体的に、将来にわたる担い手の中長期的な育成、確保の
ための適正な利潤が確保できるよう、適正な予定価格の設定等の公共工事の発注者の責務が明確化され
たことです。
今回の改正により、国がいち早く取り組んでいるのが歩切りの根絶です。歩切りは、公共事業の発注
の際、市場の実勢価格等を調査して定められた資材単価や労務単価により算定された設計書金額の一部
を、理由なくして控除して予定価格を作成している行為を指します。平成26年9月30日に閣議決定され
た入札契約適正化指針で、違法行為であると明記されています。
この歩切りの見直し状況について、4月28日、国土交通、総務両省が、全地方自治体、1,788団体の
実施調査をした結果が報告されております。ことし1月時点で、約4割に当たる757自治体が歩切りを
実施していたが、うち3分の2の団体が見直す予定としていますが、一方、156団体は、未定や予定な
しなどと、見直しに否定的な見解を示しています。
国が違法と明記し、総務大臣、国土交通大臣から、知事、議長等を通じて厳に行わないよう通知して
いるにもかかわらず、このような状況です。
本県については、いち早く県町村会評議員会、副市町村長研修、県市長会定例会等を通じて首長に働
きかけを実施したとして、地方自治体における先進的な取り組みを実施した自治体として、調査結果報
告に掲載されています。
このように、品確法が改正されたとしても、品確法自体が理念法であり、それぞれの地方自治体は、
地方自治体の規定により入札契約事務を行っており、その方法は、市町村の首長の考えにより大きく左
右されます。
そのような意味もあり、法律により発注者の責務が明記され、各地方自治体や建設業団体等の意見を
聞いて、本年3月に発注業務の運用指針が策定されました。今後、いかに市町村長に理解をしていただ
き、法の趣旨を生かした発注業務を行っていただくことが、地域のインフラ整備、防災及び地域雇用を
支える建設産業の復興に必要と考えます。
県におかれては、平成26年度9月議会の森議員の質問に対して、土木部長は「法改正の趣旨が達成さ
れるよう、指針を踏まえ、適切な入札契約制度の運用に努め」ると回答されており、また、平成26年11
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
月7日開催されました建設常任委員会と建設業団体との意見交換会においても、改正品確法の趣旨が各
市町村に行き渡るよう、県において実態調査等を行い、議会において定期的に検証していくことに議
会、委員会として理解を示し、チーム熊本として担い手不足等の問題に取り組むとされたと聞いており
ます。
そこで、品確法運用指針で必ず実施すべき事項とされている歩切りの根絶について、土木部長に質問
します。
県の対応状況及び国が取りまとめた歩切りの調査時点での本県市町村の状況と、今後、歩切り根絶に
向けて、市町村に対して具体的にどのような取り組みを行っていくのか、お尋ねします。
〔土木部長猿渡慶一君登壇〕
○土木部長(猿渡慶一君) まず、県の状況についてお答えをいたします。
県では、これまで行ってまいりました予定価格の端数処理を見直しまして、本年4月1日から、予定
価格を設計金額と同一にいたしました。
次に、市町村の状況についてでございますけれども、本年1月1日時点の国の調査で、28団体が、い
わゆる歩切りを行っておりました。
このため、県では、改正品確法の施行直後から、県町村会や県市長会の定例会等を通じまして、市町
村長に働きかけてまいりました。また、本年2月から3月にかけて、国と連携をして、市町村長に直
接、歩切りについては見直しが必要であることなど、個別に説明してまいりました。
こうした施行直後からの取り組みの結果、本年4月1日の県の調査では、13団体が見直しを行い、残
りは15団体となっております。このうち、今後見直し予定が3団体、予定なしが12団体というふうにな
っております。
見直しの予定がない12団体につきましては、今後、市町村契約担当課長会議などの機会を捉えまし
て、再度働きかけを行うとともに、引き続き、県内建設業団体とも連携しながら、市町村長に直接見直
しの必要性を強く訴えてまいります。
〔橋口海平君登壇〕
○橋口海平君 土木部長に答弁いただきました。
熊本県内の市町村で、15団体が歩切りを行っているとのことですが、そのうち12団体が歩切りの見直
しを行わないとなっております。先ほども申し上げましたが、このことは違法行為であり、しっかりと
改正品確法の理念などを説明していただき、歩切りを根絶していただきたいと思います。
最初の質問でも、人材の担い手と育成について質問しましたが、改正品確法にも、担い手の中長期的
な育成、確保が追加されております。担い手の育成、確保のためにも、適正な利潤が確保できるよう、
予定価格の設定などの公共工事の発注者の責務も明確化されておりますので、担い手の育成、確保を
し、地域の守り手を育てるためにも、ぜひ各市町村に改正品確法を適正に実施するよう、働きかけをお
願いします。また、この品確法を守っていない市町村に対しても、ぜひ教えていただきまして、県議の
皆様方からも働きかけのほどよろしくお願いいたします。
次に、中小企業における受注機会の確保について質問します。
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
昨年、山口委員長のもと、議員提案において、熊本県中小企業振興基本条例が改正されました。今回
の改正では、小規模企業者に焦点を当てた改正となっております。
小規模企業とは、中小企業基本法の定義では、製造業では、従業員が20人以下、商業、サービス業で
は、従業員が5人以下の企業を小規模企業と定めてあります。
本県の86.9%の事業所が小規模企業となっており、県内経済の重要な一翼を担っていると言っても過
言ではないと思います。しかしながら、近年では、人口減尐、高齢化、海外との競争の激化等、経済の
構造的変化に直面しており、小規模企業は、企業数、雇用者数ともに大幅に減尐傾向にあります。
一般質問初日の氷室議員の質問にもありましたように、小規模企業は、平成11年に5万6,669者あっ
たのが、平成21年には5万57者と、10年で6,612者減っており、また、平成24年には4万6,424者と、3
年間で3,633者も減尐しております。このように小規模企業が減ってきており、県内の経済にも影響が
出てきているのではないでしょうか。
現在、アベノミクスが着実に進んでいるかと思いますが、しっかりとその果実を県内津々浦々まで届
け、地方創生に邁進していかなければなりません。そのためには、やはり小規模企業が元気にならない
といけないと思っています。
国も、地方創生のスタートとして、中小企業・小規模企業者対策のため、小規模事業者の持続化支援
や小規模事業者経営改善資金融資事業など、中小企業、小規模企業を応援するために、さまざまな取り
組みがスタートしたところであります。本県も、創業や事業承継の支援や人材育成などにも取り組んで
おります。
また、熊本県中小企業振興基本条例の第7条、基本方針の第2項第1号に「中小企業における製品等
の販路又は役務の提供範囲の拡大に資するため、県の発注する工事、物品及び役務の調達等に当たって
は、予算の適正な執行及び透明かつ公正な競争の確保に留意するとともに、官公需に関する施策を十分
認識した上で、中小企業者の受注機会の増大に努めること。
」となっております。
県発注の官公需の県内中小企業への発注割合は、この熊本県中小企業振興基本条例が策定された平成
19年は、件数ベースでは80.9%が、平成25年度は82.8%に、1.9%ふえております。また、金額ベース
では、83.3%だったのが86.0%に、2.7%ふえております。工事、物品、役務と分けてみても、工事、
役務でもそれぞれ増加しており、物品に関しては、件数では尐し減っているのですが、金額ベースにな
るとふえております。
経済産業省によると、地方公共団体の中小企業受注率を、都道府県と人口10万人以上の市及び特別区
を対象に調査した結果では、金額ベースではありますが、全国は74.4%、本県は86.4%と、全国で11位
と高い水準にあります。県も頑張っていることだと思います。
そのような中で、平成27年2月の定例会で、吉永議員が、中小企業の振興について、また、当時、九
谷議員が、小規模企業振興について質問をされました。吉永議員が「調達割合の検証と今後についての
検討をよろしくお願いしたい」また、九谷議員は「これまで以上に県内小規模企業の受注機会の増大の一
助となるよう、市町村初め公的機関への周知徹底をよろしくお願いいたします。」とおっしゃっており
ます。
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
また、九谷議員の質問に対し、答弁では「今後も、官公需施策に県みずからが率先して取り組むとと
もに、国と連携を図りながら、市町村や」「公的機関に対し、施策のさらなる周知と活用促進を図ってま
いります。
」と答弁されております。
そこで質問です。
ことしの2月の定例会にて答弁された「市町村や」「公的機関に対し、施策のさらなる周知と活用促進
を図ってまいります。」という部分について、今後どのように取り組んでいくのか、商工観光労働部長
に質問いたします。
〔商工観光労働部長髙口義幸君登壇〕
○商工観光労働部長(髙口義幸君) 県内の官公需における中小企業の受注機会をふやすためには、県み
ずからの努力はもとより、市町村等も含めた県内の自治体全体で取り組んでいく必要があります。
このことから、昨年12月議会での熊本県中小企業振興基本条例の改正を踏まえ、ことし3月には、条
例の周知徹底のためのパンフレットを作成し、県庁関係各課や出先機関、県内市町村、関係団体等に広
く配布したところです。
また、新たな取り組みとして、ことし5月には、玉名、八代、天草、熊本市で説明会を開催し、市町
村等に対して条例改正の趣旨等を周知するとともに、中小企業への受注機会の増大について依頼をいた
しました。
さらに、条例に基づく県の取り組みの状況や今後の施策について、よりわかりやすく整理をし、県の
ホームページ等を通じて広く周知を図ることとしております。
今後とも、あらゆる機会を捉えて、条例の趣旨や官公需施策について、さらに周知を図り、本県の中
小企業の受注機会の確保、ひいては中小企業の振興に努めてまいります。
〔橋口海平君登壇〕
○橋口海平君 この中小企業や小規模企業の支援の質問は、過去、多くの議員の皆様方が行っておりま
す。そのことを考えてみても、やはり本県を支えているのは中小企業、小規模企業だと思います。
小規模企業は、特にそれぞれの地域のつながりが強いと思います。ということは、県だけではなく、
各市町村ともつながりが深いと思います。その市町村に、条例の趣旨や官公需施策に周知していただい
て、中小企業、小規模企業の受注機会を拡大していただきたいと思います。また、各振興局において
も、人が尐なくなって大変かと思いますが、振興局ごとの発注割合なども調べて、検証していただきた
いと思っております。
次に、国際スポーツ大会にかける思いについて質問いたします。
ラグビーワールドカップ誘致に関しては、平成23年9月議会において、内野議員よりラグビーワール
ドカップ熊本誘致について質問をし、それに対し、知事は「県ラグビー協会と連携を図りながら、チャ
ンスがある限り誘致の可能性を追求して」いきたいと、本当にありがたい答弁をいただきました。
このことをきっかけに、ラグビーワールドカップ2019の試合会場誘致の機運が盛り上がり始め、ま
た、私も、過去、一般質問において、ラグビーワールドカップ2019での熊本の試合誘致について、質
問、要望をさせていただきました。
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
そして、ことし3月2日、アイルランドのダブリンの地において、開催地域の発表があり、日本は、
北から札幌市、岩手県釜石市、埼玉県熊谷市、東京都、神奈川県横浜市、静岡県、愛知県豊田市、大阪
府東大阪市、神戸市、福岡県福岡市、大分県、熊本県熊本市の12都市で行われることが決まりました。
熊本では、ホテルに会場を借りて、小野副知事を初め関係部局の方々、また、池田副議長、そして内
野議員とともに、その発表の一瞬を待ちました。今思い出しても、本当にどきどきとした緊張と期待に
胸高鳴る時間の中で、開催地に熊本と発表があった瞬間は、皆抱き合って喜び、大きな歓声に包まれま
した。
熊本県、熊本市、ラグビー協会を初め、多くの関係者が、まさにスクラムを組んで、力を合わせて熊
本大会を誘致することができたのだと思います。本当にありがとうございます。
また、同じ2019年12月には、女子ハンドボール世界選手権大会が熊本の地で行われます。女子ハンド
ボール世界選手権大会は、2年に1度行われている大会で、1997年には、男子の世界ハンドボール選手
権大会が熊本で行われております。県内の4つの会場、パークドーム熊本、熊本市総合体育館、山鹿市
総合体育館、八代市総合体育館で行われており、非常に盛り上がったと伺っております。
今回は、平成25年2月、国会議員による超党派ハンドボール振興議員連盟が、2019年女子ハンドボー
ル世界選手権大会を日本に誘致する決議を可決したことにより、県のハンドボール協会も、同年4月、
本県への誘致を決議しました。その後、知事が支援を表明、6月15日には、日本ハンドボール協会が世
界ハンドボール連盟に対して開催希望表明書を提出、9月2日に開催計画書提出、そして、平成25年10
月28日、カタールのドーハにて、小野副知事が最終プレゼンテーションを行い、同日に熊本での開催が
決定しました。
本県には、日本のトップチームとして活躍するオムロン女子ハンドボールチームがあります。その地
域特性を生かし、世界選手権大会における地元選手の活躍等により、熊本におけるハンドボール人気を
高め、競技力向上につなげられると思います。
2019年には、このように大きな世界大会が、2回立て続けにあります。ようこそくまもと観光立県推
進計画に、MICE等の誘致促進が掲げられております。これらの国際スポーツ大会の誘致は、その成
果であり、国内外からの新たな観光客層を開拓、獲得、本県の情報発信にも有効な手段です。
2019年9月から10月にかけてラグビーワールドカップ、そして、12月には女子ハンドボール世界選手
権大会、さらに、2020年には東京オリンピック・パラリンピックと、2019年、そして2020年は、熊本だ
けでなく、日本国中がスポーツで盛り上がることになると思います。それによる経済効果も大いに期待
するところですが、やはり県選出選手が一人でも多く活躍できることを期待しております。
そこで、知事にお尋ねします。
今年度より、商工観光労働部観光経済交流局観光課の中に、国際スポーツ大会推進班が設置されまし
た。これは、2019年に行われるラグビーワールドカップと女子ハンドボール世界選手権大会、それと、
2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックに向けた推進班の設置だと思いますが、この国際
スポーツ大会にかける知事の思いをお伺いいたします。
〔知事蒲島郁夫君登壇〕
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
○知事(蒲島郁夫君) 本県で国際スポーツ大会を開催することは、熊本の持つポテンシャルをさらに高
める絶好の機会であると認識しています。
多くの外国人旅行者の誘致が進むことに伴い、県民の国際感覚の醸成が図られ、国際人の育成にもつ
ながります。さらには、熊本が誇る歴史、文化、地域資源の磨き上げを進めるとともに、市町村や関係
団体等と連携し、この熊本が持つポテンシャルや優位性を世界中に発信していきたいと考えています。
若い世代の方が世界トップレベルのスポーツパフォーマンスに触れることで、競技力の向上やスポー
ツに親しむ県民の増加等が図られるほか、若者に夢に向かって努力する喜び、感動が生まれます。
また、これを契機として、スポーツ、観光、健康づくり等のさまざまな分野において、さらなる飛躍
に向けた取り組みが加速化されることが期待できます。
さらには、これらの大会が、県の活力はもちろんのこと、県民の夢や希望、誇りにつながり、県全体
が大きく飛躍するきっかけとなると確信しています。
そのためには、行政だけでなく、県議会を初め、経済界、県民などを交えて、県全体で取り組むこと
が必要です。今後とも、万全の体制で大会が迎えられるよう、スピード感を持ってしっかりと準備を進
めてまいります。
引き続き、県議会の皆様を初め、県民の皆様の御支援と御協力をよろしくお願い申し上げます。
〔橋口海平君登壇〕
○橋口海平君 知事に答弁いただきましたが、知事も大変大会を楽しみにしているかと思いますが、多
くの県民も、私もとても楽しみにしております。世界のトッププレーヤーが間近で試合するのを見られ
ることは、子供たちにも夢を与えることになると思います。また、世界各国から多くの人を呼び込むチ
ャンスでもあるし、また、熊本を世界に発信できる機会でもあります。
経済波及効果もかなりあると思います。過去行われた男子ハンドボール世界選手権大会では、64億4,
000万円程度の経済効果がありました。また、ラグビーワールドカップでは、九州で約300億円程度ある
と言われております。今からの取り組み次第で、この経済波及効果をさらにふやしていけると思いま
す。そのためにも、多くの県民を巻き込むような取り組みをしていただきたいと思います。
続きまして、女子ハンド、ラグビー、オリンピック、パラリンピックキャンプ誘致についての具体的
な取り組みについてです。
本県では、過去、1996年にワールドカップバレー、1997年に男子ハンドボール世界選手権大会、1998
年に日本陸上選手権大会、2002年にワールドカップサッカー・ベルギーキャンプなど、国際スポーツ大
会や全日本クラスの大会、また、海外からのキャンプも行われております。
4年後の2019年には、久しぶりに大きな大会が本県で行われるということで、県民の期待も高まって
きております。その期待に応えるためにも、大会に向けて、私たちはしっかりと取り組んでいかなけれ
ばなりません。
ラグビーワールドカップ2019は、アジアで初めて行われる大会であり、ラグビー伝統国以外でホスト
国を務めるという意味をしっかりと受けとめ、アジア地域でのラグビー普及、レベルアップ、真のグロ
ーバルスポーツとしてのラグビーの発展に貢献することで、熊本県の新たなスポーツステージが開ける
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
ものと思います。
ハンドボール世界大会は、男子、女子の違いはあろうかと思いますが、過去開催経験もあり、ノウハ
ウはあると思います。しかし、過去の本県における国際スポーツ大会の開催からはかなり年数がたって
おり、男子ハンドボール世界選手権も1997年の開催と、18年前のことになります。
国際大会開催に向けての準備なども、今のグローバルな状況に即して展開していかなければならない
でしょう。先ほども申し上げましたが、2019年には、9月、10月にかけてラグビーワールドカップ、そ
して、12月には女子ハンドボール世界選手権大会と、大きな国際大会が立て続けに熊本で開催されるわ
けですが、ラグビーワールドカップは4年に1度、女子ハンドボール世界選手権大会は2年に1度開催
されております。
ラグビーワールドカップ2015が、ことし9月からイングランドで行われますが、ぜひ大会関係者の方
々はイングランドに行き、大会を視察していただきたいと思います。これは、ラグビーだけではなく、
ハンドボールも、ことしのデンマーク大会や2017年のドイツ大会にも足を運んで視察していただいて、
4年後の大会に向け、準備を進めていただきたいと思います。
準備を進めていく中で、大会を県民に周知させ、盛り上げるために、さまざまなことを行っていかな
ければならないわけですが、例えばラグビーでは、9月に行われるイングランド大会、ハンドボールで
は、12月のデンマーク大会、2017年のドイツ大会に合わせて、パブリックビューイングをつくって県民
に広く見ていただくというのも、機運を盛り上げるための有効なツールの一つであろうかと思います。
また、それぞれの国際大会の前哨戦となるような国際試合なども積極的に誘致して、県内はもとよ
り、日本国内、世界に発信していかなければならないと思っております。
そこで、ラグビーワールドカップ等の世界大会に向けた取り組みについて、商工観光労働部長に2点
お尋ねします。
まず、2019年のラグビーワールドカップと女子ハンドボール世界選手権大会、また、2020年東京オリ
ンピック・パラリンピックのキャンプ誘致に向けて、具体的にどのような取り組みを行うのか。
次に、前哨戦となるような試合や大会の開催を考えているのか、伺います。
〔商工観光労働部長髙口義幸君登壇〕
○商工観光労働部長(髙口義幸君) ラグビーワールドカップ2019などの国際スポーツ大会の準備及び円
滑な運営には、複雑かつ多岐にわたる業務への対応が求められます。
そのため、実施計画の策定や更新、テストイベントの開催等を繰り返しながら、県全体で取り組む態
勢づくりを進めてまいります。
まず、国際スポーツ大会の開催準備についてですが、今年度は、熊本市や競技団体等とともに、各種
大会の視察等を通じて、大会の基本的な枠組みを検討してまいります。
あわせて、大会を盛り上げるプロモーション活動として、女子ハンドボール世界選手権大会のシンボ
ルマーク募集やパブリックビューイングなどを行います。
今後とも、実施計画及びその工程表の策定、更新を行いながら、大会の準備を着実に実施してまいり
ます。
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
また、東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ誘致については、希望する市町村及び関係団体
との連携を深めながら、キャンプ誘致の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。
次に、前哨戦となる試合や大会の開催については、1997年の男子世界ハンドボール選手権大会では、
2年前に熊本サマーカップ、1年前にジャパンカップを開催いたしました。これらの大会は、本大会前
に試合運営、輸送、警備等を検証する上で、非常に重要なものでした。
今回も、海外チームを交えた試合及び大会については、開催する必要があると考えております。本大
会に向けた検証及び盛り上げのためにも、競技団体等と協議をしながら、計画してまいります。
〔橋口海平君登壇〕
○橋口海平君 商工観光労働部長に答弁いただきましたが、ラグビーワールドカップに関しては、もう
間もなくイングランド大会が開催されます。ぜひ知事にも、大変かとは思いますが、現地に足を運んで
いただいて、強豪チームの試合やキャンプを誘致するためにも、しっかりとアピールしていただきたい
と思います。これは、ラグビーだけではなく、ハンドボールも同じでございます。
また、前哨戦に関しましては、本当はもっと踏み込んで、どの大会を誘致するとか、答弁していただ
きたかったのですが、例えばラグビーでは、アジアラグビーチャンピオンシップ、この大会は、アジア
ナンバーワンを決める戦いでもあります。ことしは日本が優勝しました。この大会もぜひ誘致していた
だいて、前哨戦を行い、ラグビーワールドカップの機運を盛り上げていただきたいと思います。
また、2019年に2つの世界大会があるというのをしっかりとアピールすることによって、東京オリン
ピック・パラリンピックのキャンプ誘致にもつながると思います。大会があるのは非常に喜ばしいこと
ですが、キャンプを行うと、地域の方々との交流などもございます。また、高校生などとの交流もあ
り、いろいろ指導をさせていただくようになります。そのようなことで、地域の方々も非常に喜ばれる
と思います。このことにも、各団体や市町村と連携をとりながら進めていただきたいと思います。
最後に、手話の理解を広める取り組みについて要望いたします。
聾者にとって、手話とは何でしょう。例えば、耳が聞こえないまま生れた子供は、母親が、はい、お
にぎりだよと話して聞こえない子供に与えても、おにぎりは見てわかるが、おにぎりという音声はわか
りません。しかし、母親がおにぎりをつくる姿を見て、おにぎりはこうすればできると、おにぎりをつ
くる動作を覚え、そして、その動作を示して要求することができる、これが手話の心です。視覚的情報
によって知り得た情報の形態や意味などを加えて、一定のサイン的形態を築いてきたのが手話であり、
聾者にとっては、手話は思考する武器であり、言語と言えます。
世界各国の手話は、聾学校の創立に起源して発展してきました。フランスの司祭、シャルル・ミシェ
ル・ド・レペーが、18世紀中ごろに、パリのアパートを借りて聾者教育を始めたことが世界初の聾学校
の設立であり、教育の始まりであります。その後、聾学校の設立が世界に広まり、日本においては、18
78年、古河太四郎が京都盲啞院を設立し、手話による我が国の聾教育が誕生しました。
しかし、1880年、ミラノで開催された聾教育国際会議にて、手話の使用が排除され、口話法教育が全
面的に採決、このことは日本にも影響があり、1993年ごろまで、口話法教育が普及推奨され、聾者の知
る権利、わかる権利などが侵害されておりました。
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平成27年6月25日
一般質問
橋口海平議員(速報版)
ミラノ会議で採決された口話法は、聞こえない者でも話せる人間に育成したいという考え方であり、
それは、裏返せば、話せない者は社会の仲間に入れないという差別的偏見社会を生み、そのため、手話
は長い間差別的な目で見られ、音声が聞こえず、わからない子供たちを苦しめてきた、つらい時代があ
りました。
しかし、2006年、国連総会において、あらゆる障害者の尊厳と権利を保障する障害者の権利条約を満
場一致で採決しました。この中に「「言語」とは、音声言語及び手話その他の形態の非音声言語をい
う。」つまり、手話は言語であると明記してあり、このことは世界中の聾者に大きな希望をもたらしま
した。
また、2010年にバンクーバーで開かれた第21回聾教育国際会議では、ミラノ会議の決定を覆し、「未
来への協定」の中で「国家が合法的に承認する言語に、自国のろう市民の手話を追加し、多数派である
聴者の言語と平等に取り扱うことを、すべての国家に要求します。」と宣言し、ここに新たな手話活用
の教育が始まりました。そして、現在では、聾者の団体では、日本手話言語法の制定に向けて活動をし
ております。
熊本県議会でも、平成25年12月議会で、「手話言語法」制定を求める意見書を国に対して提出しており
ます。県内の全ての市町村において、ことし6月までに、手話言語法制定を求める意見書を提出しまし
た。
このように、法制定に向けた取り組みが尐しずつ進んではおりますが、手話の理解を広める取り組み
については、まだまだの状況であります。手話通訳者の設置に関しましては、県内未設置の市町村もあ
ります。
県や市町村では、手話の講習会を行っておりますが、現在は講習を受ける人数が減ってきておりま
す。特に、若い人や男性が尐なくなってきており、この分野においても、若手の人材育成というものが
急務となってきております。
一人前の手話通訳になるには、5年、10年を要します。若手が育たない背景には、手話通訳資格を有
しても、採用できる環境にないことが大きな原因ではないかと思います。
また、手話通訳者派遣、意思疎通支援者の育成については、市町村と都道府県の必須事業となってお
りますが、現在、意思疎通支援者の依頼があった場合、依頼の内容に適した支援者を当たり、確保し、
派遣を調整し、その後の事務処理等、大変な労力を要します。こういったコーディネーターの人材育成
も必要だと考えます。
手話にも方言があり、各聾学校によって尐しずつ違うみたいです。この方言も大事にしていかなけれ
ばならないという話も聞きます。
そのような状況を踏まえ、今後、県には、県の行事等はもちろんですが、教育などでも手話を活用
し、理解を広める取り組みと手話通訳者の人材育成を大きく推進していただきたいと思います。
以上をもちまして、本日用意しておりました質問と要望が全て終わりました。
外は雨が降っているかと思いますが、心は曇りぐらいにはなったかと思います。今後とも頑張ります
ので、どうぞ――きょうは御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
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