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ASIC/FPGAの機能検証技術(PDF:22.7KB)
特集論文 ASIC/FPGAの機能検証技術 上野 仁* A Functional Verification Method for ASIC and FPGA Hitoshi Ueno 要 旨 デジタル機器のキーパーツであるASIC(Application 信用の失墜やブランド力の低下など,重大な影響を及ぼす。 Specific Integrated Circuit)/FPGA(Field Programma- このような状況により,ASIC/FPGA開発における機能 ble Gate Array)の開発では,半導体の微細加工技術の進 検証の重要性が増している。 歩に伴い集積可能な素子数が増大しており,搭載可能な機 本稿では,ASIC/FPGAの品質確保のキーとなる第三 能も増大し高機能化・複雑化している。このために,論理 者的機能検証技術についてダイレクト検証技術,ランダム 設計の負荷増大に加えて,機能検証負荷の増大が顕著であ 検証技術,カバレッジ測定技術といった要素技術を述べた る。このような背景の下,論理設計段階での機能不具合の 後,現状分析と課題整理を行い,問題解決に向けた取り組 除去が不十分となり,開発下流であるレイアウト設計段階 みとして検証結果の評価環境について述べる。検証結果の や製造段階,又はフィールドにおいて致命的な不具合が見 評価環境とは,意図した試験が確実に実施されたことを自 付かるおそれが増大している。製品開発フローの中で見付 動チェックする環境である。この環境を構築し汎用マイコ 特 集 かる不具合の除去にかかるコストは,下流になるほど増大 ンのCPU (Central Processing Unit)周辺回路検証に適用し À する。 A S I C を再作成する場合, 最先端プロセス( 9 0 ∼ た結果,テストプログラムの試験条件漏れを検出し検証漏 65nm) を使用するとマスク費用として数億円が必要である。 れの防止に効果があることを確認した。 また,フィールドで不具合が見付かった場合には,社会的 設計側 H/W仕様書 検証側 H/W仕様書リリース 検証仕様作成 (検証項目作成) 設計側と検証側とで項目レビュー実施 検証仕様書 (検証項目表) 論理設計 ダイレクト検証技術 ランダム検証技術 カバレッジ測定技術 設計データ 設計データリリース 検証環境構築 テストプログラム作成 シミュレーション実行 カバレッジ測定 追加テスト プログラム作成 論理修正 不具合情報連絡 NO 合否判定 充足判定 YES YES 完成した設計データ 下流工程へ NO 検証結果の評価環境 H/W:Hardware 検証完了 第三者的機能検証フロー 論理不具合を論理設計段階で確実に除去するためには,設計者の思い込みや勘違いを排除できるよう,客観性を持った機能検証を行うことが 重要である。したがって,機能検証は,検証専任の検証エンジニアを置いた第三者的機能検証フローに従って実施する。 * 設計システム技術センター 67 (671)