...

white paper cover

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

white paper cover
Software-Defined Radios: Mobile Architectures Come Full Circle
初めに
無線通信システムは単純な AM 変調から拡散技術による高度なデジタルシステムへと発展し、
最近では OFDM へと発展してきました。無線通信は既に、単一周波数、固定チャンネル幅の機
器からマルチモード、クワッドバンドの携帯電話にまで進化していますが、無線通信に対する
要求は毎年のように増大し続けています。しかも、その傾向は止まる様子がありません。無線
接続が消費者の生活の一部となる中で、生活必需品となった携帯電話に対する要求も増大する
一方です。
過去 20 年間の傾向を見ると、高度な ASIC が開発され、そして WiFi、GPS、Bluetooth、さらに
は FM といった新たな必要機能がシリコン上に追加されてきています。この方式は無線通信用
の部品に対する 2 つの重要な要求、つまり小型化と省電力化に有効でした。それに代わる方式
として、DSP によってモードとプロトコルに対応する「ソフトコア」方式が開発されています
。残念ながら、このソフトコア方式には、まさに ASIC 方式でも解決可能な小型化と省電力化の
2 点で限界がありました。
しかし今後は、市場のファンダメンタルズと技術進歩により、業界は ASIC 方式かソフトコア方
式かを改めて検討する必要に迫られています。今日では、802.11 規格の更新や 3GPP の最新リ
リースにおける新要件や新機能など、新しいプロトコルが毎年のように導入されています。そ
の結果、メーカーは多くの場合、競争に乗り遅れないように、リリース前の規格をサポートし
たデバイスを発売しています。つまり、新しい複雑な PHY レイヤー機能が短期間に導入される
環境では、これらの製品の基本となる柔軟性が従来よりもはるかに重要になってきています。
こうした複雑な設計には必ず調整や修正が必要になることを考慮すると、ソフトコア方式は非
常に魅力的なものになります。ソフトコア方式では新しいファームェアをアップロードすれば
よく、更新のためにチップを再設計する必要がないからです。完全に市場要求どおりの ASIC を
作ることは非常に難しく、再設計は最大 1 年間の製造遅れにつながることから、シミュレーシ
ョンや検証に膨大な作業が発生し、ASIC の開発サイクルが何年にも及ぶ可能性があります。
業界がソフトウェアモデム方式に移行するようになると、PHY の残り部分も柔軟でプログラム可能で
なければなりません。真に適応型のデバイスを実現するソフトウェアモデムの補完要素として、動的
で柔軟な RF フロントエンド (RFFE) は非常に重要です。新しい規格が実施、採用されても、
ソフトウ
ェアベースのシステムは容易に更新することができ、容易に機能を拡張することができます。
また
RFFE が柔軟であれば、規制当局によって新しい帯域が開放された場合にも、既に消費者が購入し
た携帯電話の中にある既存のデバイスを更新し、新しい周波数に対応することができます。
ただし、そうした RFFE、つまり周波数を 400 MHz から 3 GHz まで動的に変更でき、チャンネル幅を
0.5 MHz から 20 MHz まで切り換えられ、
しかもその周波数範囲の全域で厳格な性能要件を満たす
RFFE は、
「今日まで」存在しませんでした。Aviacomm は、
スマートアナログ・ソリューション製品群、
特に ARF シリーズの RFIC により、その難題に対応し、難題を克服しています。新しい種類のソフトウ
ェアモデムが市場に登場するにつれ、
システムの PHY レイヤーにも新しい世代の通信デバイスが
登場しています。それが、既存製品もソフトウェアのダウンロードによって更新可能な、汎用で適応
型のハードウェア・プラットフォームです。
ソフトウェアモデム ‒ 歴史を振り返る
1990 年代にモバイル通信システムが初めて導入された当時、その当時のASIC の機能や技術 IP、能
力から、携帯電話に ASIC を採用することは非現実的でした。
また、3GPP や 3GPP2 といった規格自
体も急速に進化していたため、消費電力の問題を抱えながらも DSP ベースのモデムが主流でした。
基本的な音声通話に関して言えば、当時の DSP は要求される単純な処理に対して十分すぎるほど
強力でした。
しかしシステムにデータ通信機能、つまりネットワーク機能が追加されるようになると、
デバイスや PHY レイヤー技術は次第に複雑になりました。CDMA や 3G の登場、
さらには GPS や
WiFi など、当時としては新規であったプロトコルをサポートする必要性から、当時のソフトウェア方
式では、サイズと消費電力の要求を満たす PHY レイヤーで音声とデータのニーズに対応することは
できませんでした。
今後のソフトウェアモデム
今日の典型的なスマートフォンは、最大 7 つの無線規格と少なくとも 6 つの周波数帯域に対応して
います。
これだけの機能を持った ASIC の設計は非常に困難なことから、開発サイクルは何年にもお
よび、
しかもその間にプロトコル自体が進化を続け、12 カ月ごとに新しい規格が公開されています。
当然ながら、
こうした環境から、柔軟でプログラム可能な方式が求められており、
ソフトウェアモデム
業界はそうした方式を提供し始めています。
アプリケーション・プロセッサー (AP) は次第に強力にな
っており、今日では 1.5 GHz のクアッドコア・プロセッサーが登場しています。
これらの AP は従来モ
デム内で処理されていた MAC レイヤーの大部分を処理できることから、モデムは単なる PHY レイ
ヤーのコンポーネント以上のものになります。機能を絞り、
より強力な処理と低消費電力のソフトコ
ア・モデムは、要件やプロトコルが急速に変化する環境の中で最適な地位を占めています。
デバイスにソフトウェアモデムを内蔵することにより、従来よりもはるかに短期間にデバイスを市場
投入することができます。
ソフトウェア機能を持つことにより、新しい規格が公開された場合にも、
ま
たバグや新しい機能に対応する場合にも、開発サイクルは大幅に短縮され、何年もかかった新規格
導入を数ヶ月で行えるようになります。
もし今、
プロトコルの切り換えや、
さらに重要な周波数の切り
換えもできるようにデバイスの機能を拡張できるならば、業界は究極の無線通信デバイス、つまり電
波環境の認識機能を備えたデバイスに向け、大きな一歩を踏み出したことになります。
今日、そうしたシステムは想像以上に現実に近づいています。ARF シリーズの RFIC により、700 MHz
、TVWS、3G 帯域、あるいは 45 種類の LTE 帯域のいずれでも動作し、その間をシームレスに切り換
えられるデバイスを今日でも構築することができます。
柔軟で広帯域の RFIC に加え、
コンポーネント・エコシステムの残り部分も電波環境の認識機能実現
へと向かっており、新たに広帯域機能が改善されています。今日のスマートフォンは周波数帯域ごと
に最大 7 つもの PA を持つ場合があります。
しかしこの分野における進歩により、将来はソフトウェア
モデムの柔軟性や Aviacomm の RFIC に対応した広帯域 PA が市場に登場するはずです。
まとめ
モバイル通信の初期の頃はソフトコア・モデムによる設計手法が主流でした。
しかしモデムに要求さ
れるプロトコルが増え、データ速度が高まるにつれ、そうした要求に応え、消費者や消費者の携帯機
器に要求されるサイズと消費電力に対応するために、ハードコーディングされた ASIC による手法が
必要になりました。将来に向けての理想的なハードウェア・プラットフォームは、新しい規格や周波数
、規制要件に対応して更新可能なものでなければなりません。モバイル・エコシステムの中でソフト
ウェアモデム業界が再び地位を確保しようとする中で、Aviacomm の ARF シリーズ送受信デバイス
を始めとする柔軟な広帯域 RFFE は、
ソフトウェアで設計される今日のデバイスにとって、そして電波
環境を認識する将来のデバイスにとって、決定的に重要な要素です。
Fly UP