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はじめに 次世代カンパニーに学ぶ 5 つのポイント

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はじめに 次世代カンパニーに学ぶ 5 つのポイント
はじめに
次世代カンパニーに学ぶ 5 つのポイント
バブル崩壊後も滞ることなく右肩上がりに成長し続け、「無印神話」とまで謳われていた株式会社良品計画。
次世代ワークスタイル研究レポートは、明日からすぐにでも企業で取り入れ、実践することができるようにと、
5 つの「ポイント」に分け、とりまとめた。また、ポイントに沿った具体的なエピソードや、次世代ワークスタイル
研究所の考察も一緒にご紹介する。
ところが 2000 年、
38 億円の赤字状態へと急降下。
「無印の時代は終わった」
と言われた。そんなどん底状態を乗り越え、
2001 年より売上を V 字回復させた重要人物こそ、今回ご講演いただいた松井忠三氏だ。
現在無印良品は国内 400 店舗、海外 24 カ国に 286 店舗を構え、日本を代表するブランドとして世界に進出している。
世界中から愛される「MUJIブランド」の背景には、様々な研究と実践を重ねた末に辿り着いた、徹底された現場
目線の「仕組み」と「風土」が存在していた。
ポイント 1
現場主義のマニュアル「MUJI GRAM」
次世代カンパニープロフィール
ポイント 2
全員チェック制の「デッドライン」
企業名/株式会社良品計画
代表取締役会長
松井忠三(まついただみつ)氏
1949 年静岡県生まれ。73 年東京教育大学(現・筑波大学)体育学部卒業後、
ポイント 3
無印生まれ・無印育ちから経営者へ「人材委員会」
西友ストアー(現・西友)入社。92 年良品計画へ。総務人事部長、無印良品
事業部長を経て、2001 年社長に就任。赤字状態の組織を“風土”から改革し、
業績のV字回復・右肩上がりの成長に向け尽力。07 年には過去最高売上高
ポイント 4
強い組織をつくる「異動」
(当時)となる 1620 億円を達成した。08 年より現職に就き、組織の「仕組み
づくり」を継続している。著書に、ベストセラーとなった『無印良品は、仕組み
が 9 割』『無印良品の、ひとの育て方』などがある。
調査研究事項
無印良品は仕組みが 9 割。
5% の低離職率を実現する企業風土づくり
1
ポイント 5
最後の勝負は「社風・風土」
2
ポイント 1
現場主義のマニュアル「MUJI GRAM」
ポイント 1−a
優良企業から技を盗む
MUJI GRAM の構想は、たくさんの優良企業の事例を参考にしている。
例えばキャノン電子は、毎日アップデートされるマニュアルを共有の文書 1 冊でまとめている。
無印良品の店づくりの基本ともいわれるマニュアル「MUJI GRAM」。経営から商品開発、接客方法まで全て
のノウハウが全 13 冊、2000 ページに詰まっている。一般に”マニュアル”という響きは「無機質で冷たい」
このようなスピーディーかつ効率的な部分に MUJI GRAM はとても影響を受けている。他社の優良事例を参考
にしながら、自社に合うよう再設計することで、より最適なマニュアル構想を築くことができる。
という印象や、日々決められた仕事をこなすルーティン作業の指示書のように感じるが、赤字 38 億円の窮地
から救うひとつの要因ともなった「MUJI GRAM」とは一体どのようなマニュアルなのだろうか。その一部を
かいつまんでみる。
エピソード 1
MUJI GRAM をつくったきっかけ
ポイント 1−b
現場主義のマニュアル化
トップダウン式のマニュアルは、現場スタッフにとって、非常に使いにくく浸透性が低い。そのため、インター
松井氏が事業部長に就任したころ、千葉県に新規出店が決まり、いよいよ明日から店舗オープンという現場で
ネットを通じて現場スタッフも改善提案ができるようにシステムを改変。また、本部に配属されるのは基本的
の出来事だ。
に元現場スタッフとし、より現場に寄り添った提案を可能にした。現場主義を徹底することによって、しっかり
とした実行力のあるマニュアルを構築することができる。
新任店長やスタッフらが店づくりを終え、一段落していた 18 時頃、他店のベテラン店長が応援にやってきた。
すると、新任店長の店づくりが気に入らず、次々に自分の方法で売り場を直しだし、とうとう 24 時を回っても
売り場が完成しないという経験をした。当初、「先輩のやり方を背中で覚える」という経験主義の風潮があった
ため、100 人の店長がいると 100 通りの方法があるという事態が起こっていた。つまり、経験やセンスによって
店舗ごとの店づくりに差が生まれていたのだ。
ポイント 1−c
頻繁なマニュアルの更新頻度
同じような事例で、売上の悪い店舗で販売スタッフと話をしていたときのこと。
「どうしてこの店の売上はこんなに悪いんだろう?」
と松井氏が聞いたところ、このような衝撃の答えが返ってきた。
「店長のやり方が悪いのではないだろうか。」
競合企業と戦っている中で、勝敗は店長で決まるという考え方が現場に定着していることに驚きを隠せなかった。
月に 20 ページを改正。
MUJI GRAM は月に 1 回の店長会議で 20 ページほど改正される。かつては半年∼ 1 年間同じ情報のものを使い
続け、現場で業務内容が変わってもマニュアルは変わらず、2 年サイクルで社長から業務改正の指示が来てから
内容が変更されるという繰り返しであった。
このような効率の悪い状況から脱却するため、現場主義に合わせ、流動的なマニュアルへと姿勢を変えた。
このような状況を目の辺りにし、これまで個人の経験やセンスに頼っていた店づくりを企業の財産にできるよう
仕組み化するべきだと痛感。一度売上の落ちた企業を再生させるためには、構造自体を変革しなくてはならない。
当時、無印良品は親会社であるセゾングループの影響を受けており、松井氏はその特徴である“ 計画 95%、
実行 5% ”という実行力の弱さを問題視し、「セゾンの常識は当社の非常識、当社の常識はセゾンの非常識」と
して強い実行力を持った組織改革を誓った。
次世代ワークスタイル研究所の考察
松井氏が「無印良品のマニュアルは教育」と断言しているように、決して MUJI GRAM はスタッフに対する指示書
ではない。ひとつひとつの作業に目的が書かれており、その目的を通じて、無印良品がめざす理念や哲学を
学んでいくという内容だ。
現在、中国エリアでは年間 35、6 店舗(日本の倍強)を新規出店するという展開スピードを維持しており、
毎年社員を 700∼800 名採用している。そこでも、現場主義の MUJI GRAM というスタンスは変わらない。
現場の意見を吸い上げるマニュアルは「取り組みたいと思っているが、実際に行動を起こすにはハードルが高い」
と感じている人も少なくないだろう。確かに、2000 ページものマニュアルをゼロから作ろうとするとかなりの
時間を要するかもしれないが、まずは MUJIGRAM の根底にある考え方を模倣することから始めてみても良い
MUJI GRAM
3
かもしれない。例えば、あらためて仕事の目的を見直す研修を開催したり、優良企業のノウハウを聞きに行く
ことも「仕組み化」に繋がる一歩となるのではないだろうか。
4
ポイント 2
全員チェック制の「デッドライン」
ポイント 2−c
「デッドラインの見える化」における効果
全員がデッドライン(期日の締切)を確認できることで、2 つの大きな効果がある。
デッドラインとは、あらゆる仕事で発生する期日の締切のことだ。どこの企業であってもスケジュール管理は
1、「共有」
非常に重要であるが、無印良品の場合はどのような仕組みになっているのだろうか。
自分が成すべき仕事以外を確認できることで、仕事の全体像を把握することができる。
さらに、わざわざ内容伝達の時間を取る必要がないため、時間の効率化にもつながる。
エピソード 1
実力主義かつ終身雇用型を理想に
海外での給料の支払われ方は、仕事内容に対して給料が支払われる「職務給」。
2、「意識向上」
常に見られているという意識が実行力の強い会社へと成長する種になる。
良品計画でも、海外で働く現地スタッフは職務給のため、必死になって仕事をした結果、自然と給料が上がる
ようになっている。
次世代ワークスタイル研究所の考察
一方で、日本は「職能給」。職能給の仕組みのうち、日本の終身雇用は社員にとって安心をもたらす非常に良い
仕組みであるが、働く年数が長ければ能力があると判断される年功序列型には疑問の声も多い。
良品計画では、実力主義かつ終身雇用型の仕組みづくりをめざしている。
実力主義化に向けた 1 つの方法として、「デッドラインの見える化」にこだわる。
ポイント 2−a
デッドラインは、締切だけが決まっている状態のため、途中過程は社員に委ねられている。つまり、
「いかにスピーディーかつ確実にこなせるか」
ということを社員自身が思考し、工夫する習慣が身につく。
さらに、進捗を確認しやすく、わざわざ報告と連絡を口頭でする必要もないため、
DINA(ダイナ)
効率化を図る作用としても大きい。
左図のように、社内ネットワーク上に DINA と
いうシステムを取り入れており、全部門で業務
の指示やデッドライン、連絡事項がわかるよう
になっている。
日本のビジネスマナーとして根深い「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」は、人の成長や思考能力を止めて
しまうと断言している松井氏。その発言から見えてくるのは、かつての経験から得た「実行力強化」の重要性だと
感じる。自社の仕組みだけでなく、
「デッドラインの見える化」は、他企業でもすぐにでも取り入れることができる
仕組みだ。社員人数の多い会社であればあるほど、この制度を取り入れることでほど良い緊張感が生まれ、会社
自体がスピードを持って成長することが可能となるだろう。
ポイント 2−b
デッドラインボード
デッドラインが記されたボードが部門単位で管理
され、仕事のタスクが出ると担当者と指示内容が
記される。デッドラインを守ることができれば、
その担当者と確認をした部門長がマルをつける。
逆に、守れなかった場合は × のままである。
5
6
ポイント 3
無印生まれ・無印育ちから経営者へ「人材委員会」
次世代ワークスタイル研究所の考察
この仕組みは、直属の上司からの個人的な感情をなくし、より多くの目で社員の能力を冷静にみることができる
ため、適材適所に人員配置が可能となる。このファイブボックスを使う人材委員会は半年に 1 回の開催頻度
経営者を育成するための人材配置を考える組織として、骨太の人事戦略を作るために人材委員会制度を設置。
外部からヘッドハンティングした人材を幹部に据えるのではなく、無印生まれ・無印育ちの社員を経営者として
育てていくという覚悟を示す委員会でもある。
なので、一度「Ⅴ」にはいったとしても、半年後には「Ⅲ」に異動することもある。それほど、柔軟かつ流動
的な仕組みだ。上司と部下との間で「合う・合わない」
の相性はもちろんあるだろう。そんなとき、
このファイブボッ
クスは、社員にとっても、本部にとっても安心できる仕組みなのではないだろうか。
現場スタッフから幹部クラスへ到達するまで、ある程度の年数を要するにも関わらず、本部のほとんどが現場
人材委員会構想のきっかけ
エピソード 1
出身という無印良品。大卒の約 3 割 が 3 年以内に離職してしまうというデータ(厚生労働省「新規学卒就職者の
在職期間別離職率の推移」平成 27 年 10 月発表)とは無縁のように感じる。
かつて業績が苦しくなっていた頃、社長が 2,3 年スパンで交代するという事態が起こっていた。交代して入って
自社でいきなり委員会を立ち上げるのは難しいかもしれないが、ファイブボックスを参考に、社員の育成方針
きた社長は前任社長の取り組みを全否定する姿勢で物事を見るため、現場が困惑してしまい、結果、社員 300人
の見直しをするだけでも社員の新たな一面を見つけ、離職率の低下へと繋げることができるかもしれない。
のうち約 1 割以上が辞職していくという人材の流出が起こった。
これでは、どれだけ頑張っても優秀な人間がいなくなってしまう…。
そう思った松井氏は、こうした問題を解決するべく人材委員会の設立を決心した。
ファイブボックス
ポイント 3−a
全役員(40 人の部長と 100 人の課長が対象)が人事異動を議論する際、判断基準のひとつとして上記の「ファイブ
ボックス」を使用する。ファイブボックスは、潜在能力とリーダー能力の半分が先天的なものという仮説に
加えて、現場でのパフォーマンスが追加された育成方針の仕組みであり、どのスタッフがどの位置に属して
いるかを判断する。ここで念押ししなければならないのが、
ファイブボックスは「育成方針を立てるため」に使われており、
「評価制度」と直結しているわけではない
ということである。
そのため、本人にはこの議論の詳細について公表することはない。
<ファイブボックス>
合格
潜在能力
高い
高い
合格
パフォーマンス
Ⅰ
Ⅱ
10 -15%
と な る 人材
明 日 の リ ーダー
10-15%
Ⅳ
Ⅲ
ト ッ プ・パ フ ォ ー マ ー
コ ア ・パ フ ォ ー マ ー
安定した市民
台 頭 す る 人材
次世代
50-70%
10 -15%
Ⅴ
低い
改善かローテーション
10%
表面的な部分に関しては、「パフォーマンス」という面で、
Ⅰ: 鍵となる人材プール
全体の 1 割もいないまれな人材で、
トップリーダーになる力量がある人。
Ⅱ: トップ・パフォーマー
1 ほどではないが、
高いパフォーマンスを上げている人。
Ⅲ: 台頭する人材・次世代
将来の希望の星でほとんどが部長以上になる人。
Ⅳ: コア・パフォーマー
全体の約 6 割で、普通に仕事している人。
元々の個人が持つ能力は、「潜在能力」という面ではかる
Ⅴ: 低い・改善かローテーション
ことになる。最も大事なのは、一番優秀な人を一番必要な
今ひとつ能力を発揮できていない人。
場所に移すことである。
7
8
ポイント 4
ポイント 5
強い組織をつくる「異動」
最後の勝負は「社風・風土」
今の時代は、ゼ ネ ラリスト(いろいろな分野の知識や能力をもっている人)とスペシャリスト(専門家)の両方を
業界の最前線を走り続けるためには仕組み化だけでなく、人として基本の「き」ができているかどうか、そして
めざすべきだと松井氏は言う。
「異動」によって得られるものや、考え方が良品計画を大きく成長させる種となって
良い社風や風土を保つことができているか、ということが重要になる。そして、それを「続ける」ことで強い組織
いることは間違いない。
へと成長する。
エピソード 1
あえて、逆境に送りこむ
エピソード 1
仕事量を減らし、生産性をアップ
32 歳でイギリス・ロンドンエリアの営業部長になり、3 年間現地で活躍した若者がいる。海外異動が決定したとき
かつて良品計画では、現場スタッフも本部の社員も毎日ほぼ終電で帰っていた。そのため社員の生活は、コンビニ
には英語を話すことができなかったが、赴任して半年 ∼ 1 年経つと、全く問題なく英語でコミュニケーションを
でカップ麺やお弁当を買って食べ、寝るためだけに帰るという荒れたものとなっていた。このように日々の業務
取れるようになり、そしてその 3 年後、日本人同士でも英語で会話するのが当たり前となった。さらにその 3 年後、
で疲弊しきってしまっては、新しい商品を生み出すためのインプットもできない。良い労働環境を生むため、
彼は本部へ異動し、宣伝クラスの部長に就任。そして、フランスの社長へと成長した。
残業ゼロの会社にするべく準備を進めた。
以前までは、英語を話せる人間を海外に派遣していたが、英語が話せることと仕事ができることの相関性は全く
いきなり残業ゼロにするには難しいので、まずは水曜日だけ。そして、その次は水曜日と金曜日…。このように、
ないということを痛感。上手くいかないケースも多かったため、話す・話せない関係なく毎年、課長となった
曜日を段々と増やす準備期間を経て、本格的に残業ゼロ制度の導入を図った。
者は海外に異動させ、育成している。
一度帰宅してからまた会社に戻ってくる人や、やるべき仕事を放って帰る人も出てきたが、そこは厳しく全ての
残業を禁止にした。そして、1 年間で今抱えている仕事の 1 割を減らそうと決断。結果的には、1 割の仕事量減少で、
生産性が 1 割上がり、定時に帰っても全く問題ない状態にまで変化した。
ポイント4−a
海外で働くことの意味
海外異動はグローバル化の意味だけでなく、組織自体のレベルアップにもつながっている。
ポイント 5−a
無印良品の海外異動は、現地スタッフ相手に無印の精神を伝えたり MUJI GRAM を共に作るケース、まだ事業所
がない地域に 1 人乗り込み、法人の立ち上げから行なうケースなど様々である。
残業禁止
限られた時間内で仕事を済ませようとすると、集中力が生まれ、仕事の優先順位をつけることができる。
どうしても残業が必要な場合は、17 時半までに残業申請をするように徹底。
いずれにせよ、社員は
“経営者視点を持つ”どころか“経営者”として一回りも二回りも大きく成長する
ことにより、無印良品の発展へとつながっている。
ポイント4−b
海外だけではなく、
国内でも流動的な異動を
人事異動によって、全ての仕事を「自分ごと」として多角的に捉えるようになると、より強い組織へと成長する
ことができる。また、MUJI GRAM には経理関係の業務内容から取引先の担当者の電話番号まで全てが入っている
ため、それほど抵抗もなくどの部門でも異動することが可能なのだ。
次世代ワークスタイル研究所の考察
エピソード 2
これまでレポートした MUJI GRAM やデッドラインボードなどの仕組みは「異動」とも深く結びついている。もし、
これらの仕組みがなければ、異動した先での仕事について一切無知のまま飛び込むことになるからだ。全員で知識
やノウハウを共有しているからこそ、ある程度の予備知識をもって飛び込むことができる。
9
指導は上から
あるとき、新入社員研修で不十分な部分があったので、新人スタッフにその理由を聞いてみると
「店長が出来てないから」
全ての企業で海外異動を実施することは難しいが、社員をあえて逆境に配置するなど工夫次第で定着に結びつけ
という答えがあがってきた。そのため、新入社員を研修するよりも店長から指導し直した方が良いという結論
られるポイントが多くあるのではないだろうか。
がでた。上司から教育しない限り、企業風土をつくるのは難しい。
10
エピソード 3
凡事を徹底すると非凡になる
毎朝半年間、試験的に会社の入り口で挨拶運動を実施したことがあった。最初は笑顔が出ない課長や部長も
たくさんいたが、1 時間ほど実施すると笑顔が出るようになった。当初、朝礼では 550 人中 2 人だけ挨拶が
できない人がいたので、翌朝から直属の上司を入り口に立たせて指導するなど、問題にぶつかっては改善を
繰り返し、凡事を徹底することで「非凡」へと変化させていった。
今でも挨拶運動は続いている。その「非凡」こそが会社の風土へとつながるヒントだ。
ポイント 5−b
挨拶のレベルを上げる
「挨拶」はコミュニケーションの基本。
仕事において結果が上手くだせないチームは、能力ではなく信頼関係の希薄さが要因となっている場合がほと
んどであるという。「おはようございます。」「お疲れ様でした。」という挨拶の積み重ねだけでも、信頼関係を
築くことはできる。
次世代ワークスタイル研究所の考察
離職率 5%を実現させるためには、仕組みづくりだけでなく、当たり前のことを当たり前に実行するというような
「社風・風土」の徹底が大事だということがわかる。これから社内改革の一歩を踏み出そうとしている方は、
松井氏のこの言葉をぜひ参考にしてほしい。
「意識改革」から始めるのではなく、
「仕組み」を変えることで「意識」が変わっていくのだ。
“
“
「意識」という曖昧な基準ではなく、失敗を恐れずにまずは改善のための「仕組み化」を実行してみてはいか
がだろうか。
数々の厳しい局面に立ち向かい、実践と失敗を繰り返しながら成長した良品計画。
だからこそ生まれた仕組みと風土を、ぜひ参考にしてほしい。
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