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多孔性舗装の進歩

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多孔性舗装の進歩
JXDA/09/09/02
多孔性舗装の進歩
—異なるタイプの材料と持続的な探求がより多くの選択を与えてくれるー
舗装は、特に市街地区域においては生活に不可欠なものであり、しかしながら固有の、ごくあたりまえのも
のである。そして、開発者や工業設備設置者、雨水流と水質に関連するガイドラインや条例に対処している
自治体などにとっては、水の問題を計画する際の最前線となっている。
「舗装は、人によって建設されるものの中で最も遍在する構築物である。それは、建物エリアの 2 倍を占領
する。都市流域で潜在的に不浸透性の表面に降る雨の 3 分の 2 は、舗装面に降り注いでいる。」と、アセンズ
にあるジョージア大学で教鞭をとり、同大学の環境デザイン校の校長も務めるブルース・ファーガソン教授
は言う。
「多孔性舗装は、空気と水をうまく通過させるようになっているものであるが、今日、すべての舗装設置に
対する多孔性舗装の割合は、まさにほんのわずかである。しかし、その人気はパーセンテージを根拠にすれ
ば着実に増加しており、今や、アメリカ合衆国のすべての地域で設置されている。」と、ファーガソンは言う。
「これは、自動車の発明以来、潜在的かつ都市流域で最も重要な発明である。自動車は、我々にこうしたす
べての舗装を造らせ、そして、我々が零すすべての油は自動車に所以する。我々が舗装の環境機能性を変化
させることができるならば、我々は、解決すべき水問題の 3 分の 2 を終えたといっても過言ではない。多孔
性舗装は、それが適切に使われるならば、車やトラックから出る油の生物分解を促進してくれる。そして、
雨水が土壌に浸透するのも後押しする。さらに、都市の加熱作用を減少させ、地下水を補充し、木の根が呼
吸するのを許し、雨水の総流出量(瞬間氾濫の大きさと頻度を含む)を減らしてくれるのである。」
バトンルージュにあるルイジアナ州立大学(LSU)の土木環境工学部で準教授を務めるジョン・サンサロー
ンによれば、雨水流(特に都市の流出水と融雪水)は 21 世紀になって認められた汚水のひとつであると言う。
そして流出水は、水の再利用がより必要になるにつれて、いつかは価値がある必需品として見られるように
なる、と彼は説く。
このことは、さらなる多孔性舗装を建設させ、将来に対する重要な技術である雨水管理に革命をもたらす可
能性を持っていると言える。
前述のファーガソンは、十年以上も多孔性舗装を研究している。ファーガソンは、彼の本(Porous Pavements
(2005))で、多孔性舗装を 9 つのカテゴリーに分類している。すなわち、デッキ、オープンセル型の舗装
グリッド、オープングレード型の骨材、オープン接合型の舗装ブロック、プラスチック・ジオ・セル、多孔
性アスファルト、透水性コンクリート、多孔性ターフ(芝生)、軟質舗装材料の9つである。
多 孔性 舗装 の カテ ゴ リ ー
JXDA/09/09/02
デッキ
デッキは、多孔性舗装の役目を果たす水平あるいは高台の木構造である。ファーガソンは、
「それは、歩行活
動に耐えて木の根の成長を妨げない。」と説く。
デッキは、既存環境のまわり、例えば湿地や海岸砂丘の上にも設置出来るので有益である。たとえば、砂丘
の場合、砂は床板の間に吹き寄せられて、そして、植物はスラットを通して成長することができる。この種
類の技術によって、あらゆる関係の生態系を保つことができる。と、彼はデッキに注目している。
オープンセル型舗装グリッド
オープンセル型の舗装グリッドは、間に助材のあるオープンスペースである。その潜在的に不利な点は、歩
き続けるのが難しくなることなのであるが、芝を生やすと、芝はグリッドとオープンスペースを覆って成長
するのに時間を必要とするが、よく機能するそうである。ちなみに、オープンセル型の舗装グリッドは、低
交通圏(例えば荷積みおろし域または緊急アクセス通路)で使うことができる。
オープングレード型アグリゲート
オープングレードアグリゲート(骨材)は、最も浸透性のある材料であり、手に入れやすい浸透性舗装材の
中では最も安価である。これには従来の高密度アスファルトも含まれる。ただし、これには、ちりを生み出
すという不利な点があった。今日では、単一の大きさのとがった小片から製造されており、使う前に洗われ
ている。オープングレードアグリゲートは、米国内のすべての地理的地域で利用できる。その材料のおよそ
30%∼40%は空隙であり、その透水性は毎時数千インチも測られると言う。
オープン接合型舗装ブロック
オープン接合型の舗装ブロックは、交通量の多いところにも耐える分節敷石である。これで作られる舗道は、
非常な重さにも耐え、いろいろな気候下でもその性能を発揮することができる。例えば
とファーガソンは、
オンタリオ(カナダ)の消防署への車道はこのブロックから成る、と例を提示した。
プラスチック・ジオ・セル
プラスチック・ジオ・セルは、リブに保持されて、骨材や芝を充填されるプラスチック・セルである。アッ
プルトンプレスト製品社(ウィスコンシン州にある Geoblock のメーカー)によると、プラスチック・ジオ・
セルは、緊急アクセス通路、予備の駐車場、トレイル、歩行者および車椅子用アクセス道路、ゴルフ・カー
ト通路肩、水叩などに使用することができる。
ファーガソンは、Geoblock は耐久性のある舗装材料であると言う。しかし、彼は、その中の若干のモデルは
重さがより軽いために、それらを多孔性舗道技術だと付加的に正当化するにはさらなる研究が必要であると
強調する。
多孔性アスファルト
アグリゲート(骨材)は、多くの場合に、単独での利用がプロジェクトにふさわしいのかもしれない。多孔
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性アスファルトは、1970 年ごろに既に開発されていたが、しかし、アグリゲートを保持するために硬化しな
いと言われていた元々のタール質のアスファルト・バインダー(目地のようなもの)が硬化したので、初期
の設置の中には失敗したものがあった。その原因は、アグリゲートが重力により下に移動して、多孔性アス
ファルトに詰まった層を作ったからである、とファーガソンは説明してくれた。
今日では、アグリゲートの移動を防ぐために、ポリマーがアスファルト・バインダーに加えられる。そして、
ポリマー強化性繊維を用いるならば、それは一緒にさらにアグリゲートを保持してくれるはずである。
また、それに加えて、アグリゲートには十分に大きな粒子が使われるので、たとえ垂直方向へその少しの移
動が生じたとしても、流出水の浸透を可能にするのに十分な大きさの開口は、アスファルトに残されるよう
になった。
多孔性アスファルトで最も普及した利用法は、今日、州間ハイウェイの上塗り層としてであった。中でも、
ジョージア州とオレゴン州のすべての州間ハイウェイは、多孔性アスファルトで舗装し直されている。これ
は、安全性のためにである。―つまり、よりよい排水、よりよい輸送、よりよい可視性のためにそうされる、
と、ファーガソンは説く。多孔性アスファルトにすれば、道路の拡幅という実費をかけずにハイウェイの収
容力を増やすと言う。
透水性コンクリート
次に、透水性コンクリートであるが、それも 1970 年ごろに開発された。イリノイ州スコキエにあるポート
ランドセメント協会によってである。2004 年に出版されたこの協会の本である『Pervious Concrete
Pavements:透水性コンクリート舗装』によれば、透水性コンクリートは、集合粒子のまわりで厚いコーテ
ィングを形成するペースト状のものを水とセメントのような材料を混合することによって作るのが元だと言
う。
この混合は、ほとんど砂を含まないもので、
「高い浸透性を持ち素早く排水する空隙を相互連結した」システ
ムを形成するものである。協会によると、硬化したコンクリートには、15%∼25%の空隙ができており、そ
して、出水率は、平均すると 480in/hr 前後であると言う。
透水性コンクリートは、また、EPA による最高の管理方法(BMP)としても提唱されている。それは住宅街
や固形状の廃材移動場所で使われている。そして、ポートランセメント協会は、公認の施工業者のリストを
持っている。
多孔性ターフ(芝生)
多孔性ターフ(芝生)は、現代の強化材であるだけでなく、単独でも使われている。それは降雨の間、芝生
を再生させることを可能にするもので、数少ないか連続的な利用によく適していると、コロラド州ゴールデ
ンに拠点を置く多孔性舗装材メーカーのインビジブルストラクチャー株式会社に籍を置くダスティン・ギリ
ストは強調する。
多孔性ターフの利用例としては、教会、学校、スタジアム駐車場などが挙げられる。ファーガソンによれば、
この技術を選ぶ際には、砂に根圏を定着させるための費用を考慮する必要があるとし、米国ゴルフ協会の研
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究を例として挙げている。
砂は、彼が説明するように粘土ほどはぎっしり詰まらない。
「それは、草の根と草の根に対するエアレーションによって、その透水性と浸透性を維持する。ターフベー
スのシステムは、能動的に蒸発散を行い、隣接した地域の温度を数度冷やす。その冷却効果は、例えばあな
たが、アスファルトの街路から芝生まじりのその舗装の駐車場に入ると感じるほど、卓越したものである」
以上は、ファーガソンの弁である。
軟質舗装材料
軟質舗装材料とは、ウッドマルチ、圧砕された貝殻、他の有機物材料などを含む材料のことである。これら
は、歩行者交通エリア(例えばウッドマルチを施した庭と遊び場)のために使われるものである。
ファーガソンによると、これらの材料の安全を判断する技術的な方法もあると言う。
問 題と 神話(風 説 )
多くの選択肢があり、雨水流 BMP としてこれらの技術の一部を推奨している EPA の後押しもあって、多孔
性舗装の利用は増加の一途をたどっている。このため、多孔性舗装についての新情報は、技術の耐久性と効
果について収集されている。しかし、それでもやはり懸念は残る。
ファーガソンはこれについて、
「多孔性舗装は技術的にやりがいのある分野だ。これはつまり、それだけの舗
装に対する無知と推測が横行しているということだ。」と言っている。
そこで、我々が多孔性舗装についてすべての角度から挑戦するためには、すでに広まっている多くの風説も
あるということを知るべきである。EPA によれば、1999 年に出した多孔性舗装上の雨水流に関する技術デ
ータシートでは、従来より多孔性舗装の破損率を 75%としている。しかし、その大部分は、不十分な建築技
術、低透水性土壌、激しい交通往来、無孔舗装材による再舗装などのひどい設計に起因していると言う
ファーガソンによれば、多孔性舗装を設置するにあたって、絶対になされなければならないことが3つある
と言う。それは、(1) 設置場所の選択、(2)デザインが正しいことを確認する、(3)適切な施工
である。
これらすべてを正しく行うならば、多孔性舗装の設置が失敗する理由など何もない。が、もしこれらのうち
のどれかのやり方を誤れば、失敗するということである。
しかし、一般的に言って、正確に多孔性舗装に関連づけられるわけではないが、多孔性の舗装には不利な点
(短所)が幾つかあるのは事実である。まずは、多孔性舗装の利用は、地下水汚染に結びつく可能性がある
という危険が指摘されている。この不安は、多孔性舗装によって、地表水があまりに速く地下水に浸透する
という意見に起因するもので、多孔性舗装の推進は汚染減少の機会とならないと述べている。これに対して、
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大部分の一般の潜在的に舗装に関連する汚染物質(例えば、重金属など)は、流出水が浸透する間に、急速
にそれから分離し、流出処理のいかなるレベル(特に道塩から塩化)にも影響しない、とジェニファー・レ
ビットとデリク・ブースによる APA ジャーナルの 1999 年夏の号の記事は書いている。
しかし、地下水汚濁に対する懸念は、次の 2 つの特定地域向けの状況では現実になると、ファーガソンは主
張する。第一に、それは、ブラウンフィールドである。ここには、有毒な残留物が過去の使用から残ってい
る。そこは、限られた定義可能な場所である。と、彼は言う。もうひとつは、土が甚だしく砂質か砂礫土壌
である場合で、それがダクトとなり、未処理水が地下水へと侵入してしまうところである。
他の土壌では、ほぼどんな土壌でも、雨水が浸透して、油や金属まじりの微細粒子を微生物によって分解す
るための十分な粘土、沈泥または微砂を持っている。その大きな表面積には、少しずつ水が滴ることで、多
孔性舗装構造(よくありがちなものは深さが最高で 10 インチのもの)は、汚染物質を濾過し、それらを生物
によって分解してくれる。そのため、浸透した流出水の滞留時間は長い。そして、舗装内環境は通気性があ
り、時々湿っている。それは、自然土壌で生じるのに類似した多様な生態系となっており、その結果、油は
二酸化炭素と水に分解されると、ファーガソンは説いている。
次の欠点は、多孔性舗装は、目詰まりを起こす傾向があるということである。が、目詰まりを起こすか否か
は、つまり、どのようにそれを設計するか次第であるとファーガソンは述べる。
詰まるのは、敷地の排水が低いところにとられている傾向がある。詰まらないものは、その上を流れる雨水
だけが流入するようになっている。多孔性舗装の設置は、あらゆる可能性のある方向で、舗装から水が抜け
るように設計されていなければならないと、彼は忠告している。
とはいえ、サンサローンによれば、多孔性舗装とその目詰まりの歴史を思い起こせば、詰まるということは、
元々大前提の懸念であるとも言える。エンド・ユーザは、どのような材料が浸透性として機能するか、それ
が最も維持できる方法と、その能力が特定の期間の後も復元され得る方法を理解することが重要である、と
彼は言う。
すなわち、多孔性舗装は BMP であり、保全情報はすべてのユーザーがすぐに利用できなければならない。
汚水処理プラントは、定期的なメンテナンスなしではきれいな放出を生じない。
維持管理の BMP は変わったものではなく、簡単なものである。
次に、多孔性舗装は、掃除機で掃除されるか、6 ヵ月おきに圧力で洗われる必要がある。ファーガソンによ
れば、彼が見た例では、目詰まりを起こした舗装は普通に洗浄しても防止の可能性はなかったと言う。
多孔性舗装を適切に設計することは、頻繁に掃除機で掃除したり洗ったりする需要を軽減することができる
というわけだ。
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で、次なる問題として挙げられることは、多孔性舗装は、あまりに高価であるということである。費用問題
は、非常に特定地域向けの問題でもあるが、場所、土地使用コンテクスト、雨水流必要性と選択肢に依存し
ている、とファーガソンは言う。
例えば、段階的オープングレードな仕様でアグリゲートを居住用車道で使うことができる、あるいは、駐車
で使うことができるとすると、その場合、それらは非常に安価である。
つまり簡単に言うならば、あなたが費用も気になるが多孔性舗装を宅地に取り入れたいとするならば、お金
を節約することのお返しに、屋外の舗道をできる限り建設する状況で、可能性があるもののうち最も多孔性
な浸透性材料を用いればよいということになる。
金属などの物質は、特定の舗道型には溜まるかもしれない。重金属は、通常、車のブレーキパッドあるいは
他の部分から外の地面へともたらされるので、言うなれば、一般的な舗装で起こりうることである。が、そ
れは、多孔性舗装あるいは地中ならば、捕らえることができると、ファーガソンは言う。
理論的には、長期間の後、重金属は有毒なレベルに溜まる可能性があると、彼は続ける。しかし、それは舗
装の中や下流の敷地に溜まる。これは、我々が自動車を使い、そのために我々が道路を造るという方法を続
ける限り、我々が取れる唯一の選択である。
多孔性舗装は、凍結溶解のサイクルや温度限界を取り扱うことはできない。
ターフベースのシステムは、アラスカ同等の北方でもうまく使われたと、ファーガソンは言う。しかしなが
ら彼は、最も重要なことは、気候と敷地のために、常に適当な技術を選ぶことであることを強調するのを忘
れない。
アグリゲートシステムはどんなに多くの熱でも取ることができると、彼は付け加える。多くの技術は、また、
氷点下の気温をよく処理することもできる。多孔性舗装は、例えば、オンタリオ(カナダ)でも設置されて、
成果を上げている。
使 用中 の多 孔 性舗 装
多孔性舗装の設置は、ますます多くなっており、そのための情報は、この技術が実際に機能する方法はどの
ようなやり方なのかなどが、利用できるようになっている。
以下に続く文章は、ターフ(芝生)、多孔性舗装、砕石と多孔性アスファルト適用の例である。
オレンジボウル
ターフベースのシステム(Grasspave2)が、2 つの主要な米国のフットボール・スタジアムで設置された。
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フロリダ州マイアミにあるオレンジボウルと、テキサス州ヒューストンにあるリライアント・スタジアムで
ある。
Grasspave2 システムは、Invisible Structures(メーカー名)によれば、砂質の砂利基層、吸水性ポリマー
(肥料を混ぜたもの)、Grasspave2 リングとグリッド構造、コンクリート砂、芝草の種または芝、で構成さ
れている。この Grasspave2 というシステムは、荷重支持強度を提供することで、車両重量による圧縮から
植物根系を保護することができるものである。それはまた、ヒートアイランドを軽減する、とグリストは言
う。
システムにある空隙は、根の発達と雨の貯蔵を可能にする。雨水流が Grasspave2 面を通過したり、あるい
はその表面全域を移動するうちに、流出速度は減速する、それは、浮流砂のドロップアウトを可能にして、
放出までの時間を長くさせる。
次の表 1 は、埴土におけるシステムに見積もられる貯蔵量を示す。
表 1. 予測される貯蔵量
基層深
降雨
2
量
3
量
2
3
2
2
量(gal/ft )
(in)
(in/ft )
(in /ft )
(ft /ft )
4
1.0
144
0.08
0.62
5
1.3
180
0.10
0.78
6
1.5
216
0.13
0.94
7
1.8
252
0.15
1.09
8
2.0
288
0.17
1.25
9
2.3
324
0.19
1.40
10
2.5
360
0.21
1.56
11
2.8
396
0.23
1.71
12
3.0
432
0.25
1.87
13
3.3
468
0.27
2.03
14
3.5
504
0.29
2.18
15
3.8
540
0.31
2.34
16
4.0
576
0.33
2.49
注意点:
JXDA/09/09/02
•
•
空隙係数 = 0.25 inch
直接表面に落ちた雨量だけが計算されるならば、雨量(1 平方フィー
トあたりの量:インチ単位)は設計雨量事象と等しい。
•
粘土土壌因子は、舗道下で心土への前濾過のための許容なしで保
存性の貯蔵量を判定するのに用いられる。
•
貯蔵量は、砂利または石の空洞や空隙に(直径 0.25 インチより大き
い石のおよそ 40%)蓄えられる水と同じという原則に基づく。
Source: EPA
合計 24,260 平方メートルの多孔性ターフのために、システムは、1995 年から始まる 3 つの段階で、最初に
オレンジボウルで設置された。ドライブレーンはアスファルトが敷かれる一方で、2,000 平方フィートの駐
車場は Grasspave2 で覆われた、とデール・サンドリン、オレンジボウルの敷地&ターフ管理者は言う。そ
の着想は車が芝の上に駐車できるようにし、雨水は土壌を通して浸透するというものであった。
ここには多くの雨が降り、多くのゲームが行われたと、彼は強調する。が、動けなくなった車は、一台もな
かった。また、轍のひとつもそこには付かなかった。
ファーガソンによると、システムは補足的な排水を処理する装備のない古い下水システムのエリアで、効率
的に地表水を除去すると言う。
全体として、サンドリンはシステムに満足だったと言う。しかし、彼はターフ・ベースの多孔性舗装システ
ムの設置の際には、材料メーカーの勧告に従うことが非常に重要であることも喚起している。
オレンジボウルの場合
と彼は続ける
施工業者は、勧告よりも厚く刈られた芝を購入することで、セル
の上にそれを置くことと、余分の土が空所を満たすように普通はそれを敷設した後に圧延する、という 2 つ
の作業を結合して簡略化した。
これは最初の年はOKに見えた、と彼はなおも続ける
しかし、すべてのセルに土が十分に充填されたわけ
ではなかったことがわかり、結局、補完的な目土が時折要求されることになった、と。
とはいえ、これにもかかわらず、オレンジボウル・プロジェクトはとてもよく実施されたようである。そし
て、2002 年には、スタジアムの建築家がどこかほかで多孔性ターフを適用するためにそれに目を向け始め、
土中への氾濫水の水抜きをより速くしたと、グリストは言う。
ところで、多孔性ターフの最も目をひく例は、2002 年にテキサス州ヒューストンの HOK アーキテクツが、
リライアント・スタジアムで世界最大の多孔性舗装の駐車場を設置した事例である。317,000 平方フィート
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にも及ぶ駐車場は、リライアント公園のまわりで
緑
なエリアへ貢献する部分となった。
このプロジェクトは、雨水流出を軽減し、都市ヒートアイランドの影響を減らすのに役立った。そのエリア
は、今まで最も熱い夏の間は使われなかった場所であるのだが、今は、日常の業務としてフェスティバルや
ロデオに使われている。そのシステムは、雨水管理 BMP にて維持されている。最高 60,000 立方フィートの
雨水流を保存して浄化することができ、洪水と面源汚染を防止するのに役に立っている。そのメーカーによ
ると、システムは、有毒な炭化水素滴下の混じった水を浄化して、清浄水を地下水へと再充電させるとのこ
とである。これは、従来のアスファルトまたはコンクリートの土地と対照をなす。なぜならそこでは、炭化
水素は流れ出て、地表水へ流れ込んでしまうのだから。
ジ ョル ダン 入 江プ ロジ ェ クト
コネチカット州ウォーターフォードにあるジョルダン入江プロジェクトで、EPA は、10.6 エーカーの従来の
方法で造られたエリアと雨水流出と汚染を減らすことを目的とする BMP を使って造られる 6.9 エーカーの
エリアで分けて、近隣住区を活発にモニターしている。
その BMP は路面では、浸透性のインターロッキング・コンクリート敷石(フロリダ州パームビーチガーデ
ンズにあるユニグループ USA の製品であるエコ・ストーン)を、道路表面、ドライヴウェイ、砕石ドライ
ヴウェイ、草低湿地、レインガーデン上で利用している。
ボストンの EPA 管区1の海洋沿岸防止団体の管理者であるメル・コートによれば、EPA の行ったモニタリ
ングでは、伝統的に造られたところと BMP によって設計された部分では、 昼夜 の差異が見られたと言う。
EPA の研究者とコネチカット大学は、アスファルト、砕石、エコ-ストーン、それぞれの透水性舗装で舗装さ
れたドライヴウェイからの流出量と汚染物質をモニターするために、2002 年から 2003 年の間、サブスタデ
ィを実施した。
その結果、透水性舗装は、最高の浸潤率(表 2)を備えていることが分かった。
表 2. 浸潤率
浸 潤率 (in/hr)
試験 (year)
アスファルト
エコストーン
砕石
0
7.7
7.3
一重円筒浸潤試
験(Infiltrometer
test)
2002
JXDA/09/09/02
一重円筒浸潤試
験(Infiltrometer
test)
0
6
5
0
8.1
2.4
2002
流浸潤試験
(Flowing
Infiltrometer
test)
2003
Source: EPA
透水性舗装と砕石は、流出の減少に関しては、アスファルトを大いに上回った
(アスファルト 1.8 ミリ、透水性舗装 0.5 ミリ、砕石 0.04 ミリ)
そして、流出における汚染物質を減らした。(表 3)
表 3. 多孔性舗装設置による汚染物質の削減
汚染物 質
アスファル ト
エコストーン
砕石
0.18
0.05
0.11
銅 (mg/L)
18
6
16
鉛(mg/L)
6
2
3
0.6
0.2
0.3
8
0.7
1.6
0.244
0.162
0.155
47.8
15.8
33.7
87
25
57
アンモニア窒素
(mg/L)
硝酸性窒素
(mg/L)
ケルダール窒素
(mg/L)
全リン
(mg/L)
全浮遊性物質
(TSS)(mg/L)
亜鉛(mg/L)
(C)EPA
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コンクリートの敷石は、美的な見地から望ましい、とコートは言う。それは開発において家の市場性を促進
するそうである。
透水性舗装は、近隣住区を通して 13%
15%の雨水を浸透させている。ユニグループ USA のドンナ・デヒ
ノは、エコストーンがアスファルトや無孔敷石より高価である点には注意しろと言う。しかし、他の雨水流
管理(例えば、調節池のために使われる土地の費用など)に費用が使われないと見越しているのならば、プ
ロジェクト1件にかかる総費用は同等か、浸透性敷石を利用した場合より低くなるそうである。
ジ ョー ジア州運 輸 省(DOT)
多孔性アスファルトは、水質汚濁制御だけでなく安全性のためにも使われている。多孔性舗装ならば、雨天
時には、その上でシート状に水が溜まるものよりも、交通往来についても他より好ましい、とファーガソン
は言う。
ジョージア州運輸省(DOT)は、1 日につき 50,000 台以上の車両の交通荷重を持つ州内のすべての道をオー
プングレードされた摩擦道(OGFC:アグリゲート、ポリマー改質アスファルト・セメント、安定繊維、水
和石灰と鉱物繊維を含む)で舗装することを要求している。OGFC は高速道路の騒音を減らして、地表排水
を増やす、と、ピーター・ウ(ジョージア州運輸省のアシスタント州材料エンジニア)は言う。
トラックの後について運転しなさい、そうすれば、あなたは多くのはねかえしを見なくてすむ。また、ウは、
いかなる安全統計学も見なかったと言うけれども、この舗装の有孔率は、ハイドロプレーニングの発生率を
大いに減らし、逃げ水をほとんど貯水池へと提供しないものである。だが、OGFC の最大の弱点は、それが
アスファルト(1 トンにつき 40 ドル)より著しくコストがかかる(1 トンにつき 65 ドル)ということであ
る。そして、両方の技術は同じ性能で同じ耐用年数(およそ 10 年)保つ、と彼は言う。
多孔質舗装技術の使用はアメリカ合衆国中で増加している。それは、その大きな潜在性が交通に耐えている
場所を復元するためにある。そして、すべての経済および交通含みで実行している市もある、とファーガソ
ンは言う。
ある土地のその同じ平方インチの上で、より良い地下水の水質と量に結びつくような雨水流浸透、小川保護、
木の根の生長が生じている可能性がある、と彼はその効用を説く。
多孔性舗装がもたらす都会生活と生態環境の統合は、実際に都市を造っていく際に、革命をもたらす方法で
ある。例として、ファーガソンは、ニューヨークのブルックリン中心部、メトロテックのビジネス改良地区
に注目している。
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メトロテックとは歩行者の広場で、多孔性舗装を特徴とする。舗装の下には、木の根が成長して舗装を通り
抜ける空気と水を活用する構造土がある。広場の上には木のキャノピーが広がり、それは屋外の快適さや空
気の質、生態系多様性を強化するものである。
将 来の 研究
多孔性の舗装に関しては、多くの仕事がまだ残されている。ルイジアナ州立大学(LSU)のサンサローンは、
工学の見地から広範囲に多孔性舗装を研究していたのであるが、多孔性舗装がどのように機能するか、そし
て、なぜ機能するかについては、まだまだ学ぶ必要があると言う。
彼は、また、孔の特性について、全体の間隙率ではなく、水流を透過させ汚染物質を濾過する有効空隙率の
定量化可能な分布をさらに定義したいと言う。その設計が理解され得るならば、より良い多孔材が造られる
はずである。
サンサローンによれば、研究範囲上における次の課題は、反応性多孔性舗装の開発である。それは舗装を通
して雨水流フローのろ過を処理するために、化学プロセスによって反作用的に働く舗装のことである。
また、リンや金属などの溶質材料は、多孔性舗装と反応する可能性があり、固定される。彼は、この技術の
ための試行敷地は 1 年以内の運営でなければならないと言う。
例えば、仮にあなたが今の舗装を除去することができるならば、(それは問題の一部分であるし)、解決の糸
口を作るためにその部分を修正すると良いだろう。そうすれば、実際に、多孔性舗装の何が、我々の仕事を
駆りたてるのかを、理解できるはずである。
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