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携帯電話のリサイクルを容易に(米国)(34KB)
NEDO海外レポート NO.1016, 2008.2.6 【環境特集】リサイクル 携帯電話のリサイクルを容易に(米国) 携帯電話のリサイクルを容易にしてほしいという米国内の要望に応えるかたちで、大手 携帯電話メーカー、サービス・プロバイダー、小売業者は、環境保護庁(EPA)と共同して 携帯電話のリサイクルサービスを始めた。これは「e サイクリングにプラグイン(接続) 計画」と称する EPA の取り組みの一環で、参加企業は AT&T ワイヤレス社、ベストバイ 社、LG エレクトロニクス社、モトローラ社、ノキア社、オフィス・デポ社、サムスン社、 ソニー・エリクソン社、スプリント社、ステイプルズ社、T モバイル社である。 「プラグイン計画に賛同してくれた企業の努力により、アメリカ国民は古い携帯電話を 早く、簡単にリサイクルできるようなった。環境保護の一助になる」と、EPA 固形廃棄物・ 緊急対応室アシスタント・アドミニストレーターのスーザン・ボダインは述べる。 「消費者 は店頭に持ち込むか、郵送するだけで、リサイクルが可能になった。 」 このキャンペーンを開始するにあたり、1 月 8 日、EPA は一連の公共サービス案内文書 の印刷版を公表した。これは「携帯電話をリサイクルしよう。それは簡単である。 」と題さ れ、携帯電話のリサイクルの容易さと、環境や社会面での利点が強調されている。さらに EPA は、携帯電話のリサイクルに関する多くの共通な質問に答えるため、ポッドキャスト 1 を導入する。 EPA がこの取り組みを始めた理由は、多くの消費者が使わなくなった携帯電話をどこで、 どうやってリサイクルしていいのかわからないという背景があったからである。携帯電話 のリサイクル率は毎年 20%に満たないというのが実情だった。 携帯電話のリサイクルを通じて、誰でも温室効果ガスの排出抑制や省エネルギー、資源 の保護に貢献できる。推計では 1 億から 1 億 3,000 万台の携帯電話が使われていないとさ れ、多くは物置で眠っている状態であろう。仮にアメリカ国民が 1 億台の携帯電話をリサ イクル(資源の回収等)した場合、年間 19 万 4,000 世帯以上の電力を節約できたことに なる。消費者がその携帯電話を再利用することができれば、環境面での節約はさらに大き く、年間 37 万世帯以上の電力を節約したことに相当する。 「e サイクリングにプラグイン計画」は、EPA と電子機器メーカー、小売業者、サービ ス・プロバイダーが自主的に連携した取り組みで、消費者が自分たちの電子機器を提供あ るいはリサイクルできる機会を増やすことをめざしている。2007 年には、同取り組みの一 環として、小売り事業者と電子機器メーカーは自主的に 4,700 万ポンドの電子機器(ほと 1 ウェブサイトから音声ファイルを携帯音楽プレーヤーに取り込んで聞くことができる技術。 55 NEDO海外レポート NO.1016, 2008.2.6 んどがコンピュータかテレビ)をリサイクルした。一例として、ステイプルズとオフィス・ デポ(共にオフィス用品全般の小売り)は、2007 年から全米の各店舗で、消費者がリサイ クル用に持ち込んだ製品を受け取るサービスを始めた。また、ソニーはウェイスト・マネ ジメント社(廃棄物処理企業)と提携し、地元市民がテレビをリサイクルできる機会を拡 大した。こうした取り組みを通じて、2003 年以降、 「プラグイン計画」は 1 億 4,200 万ポ ンドの電子機器のリサイクルを達成した。 図 1:携帯電話リサイクルキャンペーンのロゴ 原材料の 採掘・加工 携帯電話 の製造 携帯電話の 購入・使用 消費者がリサイクル 消費者が廃棄 資源の回収 (金、プラスチック、銅) 再利用/ 改修 焼却または 埋立て リサイクル 図 2:携帯電話のライフサイクル 出典:http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/dc57b08b5acd42bc852573c90044a9c4/ 489508efdf85e4f5852573ca0058bb98!OpenDocument 翻訳:京 希伊子 56