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農協金融の回顧と展望 - 独立行政法人農林漁業信用基金

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農協金融の回顧と展望 - 独立行政法人農林漁業信用基金
農協金融の回顧と展望
お
小
いち
一
目
はじめに
ほ
保
ゆう いちろう
裕一郎
他業態貸出金の動向
1
農協金融を取り巻く環境
(1)住宅貸付
2
家計の金融資産の動向
(2)地公体貸付
(3)農業資金
(2)個人預貯金の業態別動向
3
のせ
瀬
し
志
次
4
(1)概況
だ
田
農協貯金の動向
5
農協貸出金
(1)住宅貸付
(1)農協貯金の概況
(2)地公体貸付
(2)09年度の見通し
(3)農業資金
おわりに
はじめに
6割減の 4,010 億円となっている。また上場
本稿では、農協金融を取り巻く環境を整理
地銀全行で中間決算の最終損益が下方修正さ
し、農協信用事業の主な利用者である個人の
れ、2割強が中間赤字に転落した。不良債権
金融動向等を踏まえ、今後の農協金融を展望
処理費用の増加や、株価下落がもたらす保有
する。
株式等の評価損拡大が経営悪化の要因である。
1
農協金融を取り巻く環境
09 年度の農協金融を展望する上でのポイ
08 年9月以降深刻化した世界的金融不安
ントとしては、第一に景気悪化の影響がある。
の影響から、09 年度の日本経済は景気低迷が
これは貯貸業務の両方で農協信用事業への逆
続くとみられる。日銀は 08 年 12 月 19 日に政
風となると懸念される。また政策金利がゼロ
策金利を 0.1%に引き下げるとともに、長期国
金利に近い状況となったことが、個人の金融
債買入れ額の増加や CP 買入れの実施など、よ
行動に与える影響を考慮する必要がある。
り積極的な金融緩和策をとる方針を明らかに
した
(注 1)
第二に経済対策の影響である。与党は総額
2 兆円の定額給付金を 08 年度中に交付するこ
。
金融機関経営をみると、大手行 6 グループ
とを目指している。定額給付金のうち、仮に
の 08 年度中間決算は、連結最終利益が前年比
99 年度の地域振興券(交付額 6,193 億円)と
10
農業信用保証保険 2009・1
同程度の6割強が貯蓄にまわされるとすれば
一方、家計の貯蓄から投資の流れを牽引
(注 2)
した投資信託(以下「投信」という)残高
億円程度が滞留する可能性がある。そのため、
は、株価低迷により大幅に減少し、08 年9
09 年度中の家計の預金残高はその分下支え
月末では前年比△19.1%となった。投信へ
されるだろう。
の資金流入については、サブプライム問題
、給付金が振り込まれた口座に1兆2千
一方、09 年度税制改正で予定されている住
顕在化後も 08 年 7‐9 月期まではプラスを
宅ローン減税の拡充により住宅投資が促進さ
維持していたが、投資信託協会によれば、
れれば、住宅ローンの下支え要因にはなろう
契約型公募投信における 08 年9月以降の
が、預貯金を取り崩す動きに繋がることにも
資金流入額(設定額-解約額-償還額)は
なる。
マイナスで推移している。投信に関しては、
残高だけでなく資金流入額がマイナスにな
(注1) 詳しくは、農林金融1月号「2008 年度の内外経
済金融の展望」を参照。
(注2) 99 年度の地域振興券は、振興券の交付を受けた
世帯のうち約9千世帯を対象に旧経済企画庁が
実施したアンケート調査によると、6割強が貯蓄
に回されたとされる。
りつつある状況である。
07 年9月施行の金融商品取引法による
市場性金融商品販売への負の影響は一服し
たとみられる。しかし、家計は金融不安を
背景に資産保有における安全性志向を強め
2
ており、引き続き「貯蓄から投資へ」の流
家計の金融資産の動向
れは緩やかなものとなるだろう。
(1)概況
日銀の「資金循環統計」によると、07年
09 年度の家計の金融資産については、市
度下期以降の株価低迷により、家計の金融
場性金融商品の価格動向の影響が大きいが、
資産残高の減少が著しく、08年9月末の速
所得環境悪化もあり、残高は横ばい圏内で
報値で1,467兆円(前年比△5.2%)となった。
の推移が見込まれる。また預貯金などの安
残高の内訳をみると、現金・預金残高は
全資産志向も続くとみられる。ただし、政
07 年3月末以降前年比で増加しており、預
策金利が既に極めて低い水準となっている
金残高に関しては、07 年6月末以降前年比
ため、定期性預金への選好が弱まり、待機
プラスに転じ、徐々に増加額を拡大させて
性資金として流動性預金の伸びが高くなっ
いる(第1図)。預金残高拡大の中心は、06
たり、一部に割安感を伴った市場性金融商
年度下期以降、金利が上昇した定期性預金
品を買い増す動きが生ずるなど、個人の金
であり、08 年6月末以降は流動性預金の伸
融資産の動きが活発化する可能性がある。
また、家計の金融資産に関する安全性志
びを上回っている。
兆円
10
8
6
4
2
0
△2
△4
△6
向の強まりを背景に、金融機関経営の健全
第1図 家計の預金残高の前年比増加額
性が注目される可能性もあろう。
(2)個人預貯金の業態別動向
07 年度以降の個人預貯金の前年比増加
率を業態別にみると(第2図)、各業態とも
05年
06年
07年
08年
3月末 9月末 3月末 9月末 3月末 9月末 3月末 9月末
資料 日銀「資金循環統計」
(注) 08年9月末は速報値
流動性預貯金の増加率が低下し、定期性預
貯金の増加率が上昇している。定期性預貯
農業信用保証保険 2009・1
11
金の増加率の水準は、08 年9月末現在で国
貯金(1千万円以上)の前年比増加額が大
内銀行、信金、農協の順になっている。業
きかったことが 05 年度までとの相違であ
態ごとの投信預かり資産残高(2008 年 11
る。大口定期の中には公金貯金も含まれて
月 10 日付『ニッキン投信年金情報』)は、
いるが、公金貯金の前年比増加額は最大で
国内銀行、信金、農協の順であるから、預
0.1 兆円増(07 年3月末)であり、06 年度
かり資産残高が多い業態ほど、投信等市場
下期以降増加している大口定期の大半は、個
性金融商品から定期預金へのシフトも多く
人貯金であると考えられる。
なったと推察される。
ただし、市場性金融商品から預貯金への
シフトは、07 年下期以降既に一定程度生じ
たとみられ、また市場性金融商品のうちに
は相場変動の影響を受けにくい長期保有分
もあろう。それらを考慮すれば、資金シフ
第3図 農協の定期貯金の金額帯別前年比増減額
小口定期
大口定期
中口定期
公金貯金
トの影響による業態間の定期預貯金増加率
04年 09月 05年 09月 06年 09月 07年 09月 08年 09月
03月
3月
3月
3月
3月
資料 農協残高試算表
の差は徐々に縮小していくと考えられる。
07 年度末における貯金の前年比増加額
に占める財源別の割合を、当総研の「農協
第2図 業態別の種類別個人預貯金の前年比増加率
(%)
7
国内銀行
↓(定期性)
(注 3)
信用事業動向調査」
からみると、
「他金
6
5
4
3
2
信金(定期性)
融機関からの預け替え」が、06 年度から上
農協(定期性)
昇し 07 年度は 29.9%と第一位であり、「年
国内銀行
(流動性)
信金(流動性)
農協(流動性)
1
07年
3月末
6
9
12
08年
3月末
6
資料 農協残高試算表,日銀ホームページ
(注)1 国内銀行,信金は平残,農協は末残。
2 農協は一般貯金(貯金計から公金貯金と金融機関貯金を引いたもの) を個人貯金として用いて
いる。
3
金」(24.2%)が第二位であった。農産物価
格の低迷の中で、他金融機関からの預け替
0
えや年金収入は、農協貯金増加の財源とし
て相対的に重要度が高まっている。
これまでの他機関からの預け替えの中心
は、年間 10 兆円ペースで続いてきたゆうち
農協貯金の動向
ょ銀行からの貯金流出であると考えられる。
(1)農協貯金の概況
農協貯金の前年比増加率は 08 年1月に
2.5%に達した後、緩やかに鈍化し、直近で
は2%前後で推移している。
ゼロ金利政策が解除された 06 年下期以
降、農協貯金の増加を牽引したのは、定期
貯金残高の伸びであった。
金額帯別に定期貯金の前年比増減額をみ
たのが第3図である。06 年度下期以降の増
加額拡大期には、金額帯別には中口定期貯
金(300 万円~1千万円未満)と大口定期
12
兆円
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
△ 0.5
しかし、ゆうちょ銀行は、貯金の前年比減
少額を 08 年度は4兆円程度に縮小させる
見通しを出しており、ゆうちょ銀行を中心
とした他金融機関からの預け替え流入に関
しては環境が変化する可能性がある。
(2)09 年度の見通し
09 年度の農協貯金を展望すれば、定額給
付金の交付は一時的に貯金の増加率を高め
る可能性があるが、農業収入、農外収入と
も、貯金財源という面では厳しいものが見
込まれ、農協貯金の伸びを抑える方向に作
農業信用保証保険 2009・1
用しよう。その為、引き続き年金や他金融
19.4%下回った。耐震偽装事件を受けて、
機関からの預け替えが農協貯金残高の動向
マンション等の建築確認検査の厳格化を盛
を左右しよう。
込んだ改正建築基準法が 07 年6月施行さ
農協における公金貯金残高は前年比増加
れ、住宅着工戸数が落ち込んだことによる。
傾向が続いており、08 年8月末は 0.5%の前
金融機関の住宅貸付を日銀の資金循環統
年比増加率となっている。ただし、今後は
計でみると(第4図)、公的金融機関では、
景気悪化により、法人関係二税や住民税な
前年比増加率のマイナス推移が続き、08 年
ど歳入の4割を占める地方税税収が減少し、
9 月末には△8.1%となっている。一方、民
地方財政の逼迫が懸念される。また前回の
間金融機関では、07 年3月末に 3.4%であ
景気悪化期においては、地方公共団体(以
った前年比増加率が 08 年9月末には 2.8%
下「地公体」という)の積立金(ここでは
(速報値)へと低下している。
歳出決算積立金と歳計剰余金処分積立金の
ただし、民間金融機関では業態によって
合計)の積立額を、取り崩し額が上回って
住宅貸付の前年比増加率の推移に違いがみ
いた(02 年度、総務省『地方財政白書』)。
られる。国内銀行の前年比増加率が上昇す
今回も積立金において同様の動向がみられ
る一方で、信金、信組、労金などの中小企
るならば、農協の公金貯金残高にも負の影
業金融機関およびノンバンクの前年比増加
響があると思われる。
率は低下している。公的金融機関の住宅貸
(注3) 「農協信用事業動向調査」とは当総研が資金
観測農協を対象に年2回実施しているアンケ
ート調査である。本年度第 1 回調査は 370 農
協を対象に実施した。なお、同調査の結果に
ついては、一瀬裕一郎(2008)を参照。
付を代替して、業態に関わらず遍く民間金
4
融機関が住宅ローン残高を増加させた時期
は過ぎ、限られたパイを業態間で奪い合う
時期に入っている。業態間の住宅ローンを
巡る競争がより厳しくなる中で、国内銀行
他業態貸出金の動向
が他業態に対して優位に立ちつつあるとみ
(1)住宅貸付
07 年度の新設住宅着工戸数は 103.5 万戸
と な っ て お り 、 前 年 度 の 128.5 万 戸 を
られる。
09 年度には金利先高感が後退する中で、
足元の金利が低い変動金利型や固定期間選
(%)
第4図 家計部門への貸出金の
前年比増加率
択型の住宅ローンにおいて競争が強まると
住宅貸付
(民間)
↓
ンにおいては、利用者ニーズに合致した商
10
住宅貸付
(民+公)
↓
5
考えられる。競争が激しさを増す住宅ロー
品を揃え、業者営業などで商品性をアピー
ルしていくことが重要となろう。
0
△5
△ 10
↑
貸出金
↑
消費者
信用
(2)地公体貸付
住宅貸付
(公的)
↓
△ 15
02年
03
04
05
06
3月末 ・3
・3
・3
・3
資料 日銀「資金循環統計」
(注) 08年9月末の数値は速報値
企業向けや個人向けの貸出金が伸び悩む
中で、民間金融機関において残高が増加し
ている貸出先の一つに地方公共団体がある。
07
・3
08
・3
01 年の財政投融資改革以降に財政投融資
資金の縮小を受けて、地公体が資金調達先
農業信用保証保険 2009・1
13
を公的金融機関から民間金融機関へとシフ
業経営基盤強化資金(以下「L資金」とい
トさせてきたことが背景にある。
う)の業態別融資実行状況をみると、07 年
その流れを加速させる地方向け財政融資
度の合計額 1,000 億円のうち農協系統以外
資金の繰上償還にかかる補償金免除 ( 注 4 )
の民間金融機関は 140 億円程度に留まって
(以下「補償金免除繰上償還」という)が
いる(第5図)。農協系統以外の民間金融機
07 年度から実施されている。09 年度にも補
関は規模拡大意欲のある農業法人などに対
償金免除繰上償還が実施されるため、今後
象を限定して、短期の運転資金を融資して
も地公体借入金の政府資金から民間資金へ
いるとみられる。
の借換えが生じ、民間金融機関の地公体貸
付残高が引き続き増加するだろう。
5
(注4) 「財政融資資金の繰上償還にかかる補償金免
除」とは、地公体の財政負担を軽くすること
を目的として、徹底した行政改革・経営改革
の実施等を条件に、補償金なしでの公的融資
の繰上返済を認めた 07 年度から 09 年度まで
の3ヵ年限定の特例措置である。特例措置を
利用するには、
「抜本的な行政改革・事業見直
しが行われること」等の4条件を満たすこと
が必要となる。
(1)住宅貸付
農協残高試算表から住宅ローンの残高と
前年比増加率の月次推移をみると、残高は
直近まで積み上がり続けている。一方、前
年比増加率は 07 年3月末の 12.0%をピー
クとして以降低下し、08 年度には5%台で
推移している。前年比増加率が低下してい
る背景の一つには、07 年3月末の長期固定
(3)農業資金
農業貸出について(株)日本政策金融公庫
金利型から全期間金利優遇型への JA バン
(以下「政策公庫」という)と業務協力を
ク統一商品切替に伴い生じた駆け込み需要
締結し、協調融資を行う他業態民間金融機
の残高押上げ分が剥落したことがあるとみ
関が増加しており、08 年9月末で 200 機関
られる。
(農協系統の 36 機関を含む)となっている。
ただし、代表的な長期農業資金である農
地銀・信金・その他
50
40
58
57
4
63
5
準となったことで、変動金利型や固定期間
65
60
60
7
6
21
15
20 (33.2)
29
22
22
(26.1) (34.3)
(36.0) (36.5) (44.8)
30
20
10
37
33
(63.6) (58.1)
45
(45.0)
7
7
38
(59.6)
られ、住宅ローンの増加率は鈍化の方向と
なろう。また、09 年度には金利が再び低水
農林中金・信農連・農協
70
60
14
公庫直貸
80
めぐる業態間の競争が激しさを増すとみら
ローンを伸長させることは難しくなるとみ
100
100
90
先にみたように、09 年度には顧客獲得を
れる。農協においても、従前と同様に住宅
第5図 L資金の業態別融資状況
(実行額)
(十億円)
32
31
29
(52.7) (51.3) (44.4)
52
選択型の商品への借換提案が他行から増え
ることもあるだろう。したがって、競合他
7
行の動向に目を配りつつ、業者営業専任担
23
(43.5)
当者の配置やローンセンターの整備による
41
(41.2)
22
(42.2)
00年度 01
02
03
04
05
06
資料 農林業業金融公庫『業務統計年報』各年版
注 括弧内の数字はシェア
業者営業の強化が引き続き重要となろう。
(2)地公体貸付
0
14
農協貸出金
07
農協における地公体貸付の前年比増加率
はかつて国内銀行や信金より低い水準で推
農業信用保証保険 2009・1
移していたが、近年急速に上昇し 06 年度以
(注5) 若林(2008)を参照。
降には他業態と同水準となった。
07 年度には補償金免除繰上償還が実施
おわりに
され、地公体が政府資金を民間資金へ借り
以上述べてきたように、景気悪化が明確に
換えたことも、農協の地公体貸付の伸び率
なる中で、09 年度の農協信用事業を取巻く環
の上昇に寄与している。09 年度も補償金免
境は厳しさを増すとみられる。景気の悪化は、
除繰上償還が実施されることから、他業態
農協貯金残高の伸びを鈍化させるだけでなく、
と同様に農協においても地公体貸付が伸長
農協貸出金の与信費用を増加させるなど、調
するとみられる。
達・運用両面で農協信用事業に対して、マイ
(3)農業資金
ナスとなろう。
農協における農業資金の前年比増加率は、
農協では組合員の世代交代等による農協離
農業産出額が減少して、組合員の資金需要
れを防ぐべく、利用者基盤の拡充に取組んで
が乏しいことから、マイナスでの推移が続
きた。今後とも農協にとって新規の利用者を
いているが、農協系統は農業資金において
獲得することが大切なのは言うまでもない。
依然確固たる地位を占めている。例えば、
しかし、景気が後退し、他業態との競争が激
L 資金については、前掲の第5図に示した
化する中で、既存の利用者を農協に繋ぎとめ、
ように、農協系統の実行額は減少しておら
更に農協利用の拡充を図ることも重要な課題
ず、認定農業者向けの無利子化措置の影響
となるだろう。
もあって、07 年度には前年度比 190 億円増
の 410 億円となっている。
また、地域社会の疲弊が深刻化する中で、
農協利用者に対するきめ細かい金融サービス
金融危機の煽りを受けた原油および穀物
の提供を通じて、農業のみならず地域社会の
価格の大幅な変動が肥料や飼料等の農業生
維持・発展に貢献していくことが農協信用事
産資材価格にも反映され、生産コストが上
業に求められてこよう。
昇する等、農業経営環境は不安定な状況に
農協信用事業を取り巻く環境は当面厳しい
ある(注5)。厳しい経営環境にある組合員農
が、厳しい中でこそ、地域密着性、利益優先
家を支援するため、全農をはじめ農協にお
でない事業活動、民主的組織運営など、協同
いても独自の対策が打ち出されている。そ
組織金融機関の特性を発揮していくことが必
のような流れの中で、農協信用事業系統は
要であろう。それらを地域にアピールし、農
組合員農家を金融面から支援するため、運
協信用事業への理解を広めていくことも、重
転資金の利用者に対する利子助成事業を
要な課題となるのではなかろうか。
08 年 11 月に開始した。この事業では、組
<参考文献>
合員農家に対して貸付残高の 0.5%を助成
・ 一瀬裕一郎(2008)「平成 20 年度第1回農協信用
することにより、農業経営や農業生産基盤
・ 若林剛志(2008)「農畜産業における資材価格の変
の安定に資することを意図している。厳し
い環境が続く農家経営に対しては、農協系
統全体で支援を強化しつつあり、信用事業
事業動向調査結果」『農林金融』12 月号
化による経営収支への影響」『農林金融』11 月号
(農林中金総合研究所
もその一端を担っていく必要があろう。
農業信用保証保険 2009・1
調査第一部
研究員)
<はじめに、1~3>(小田志保)
<4~5、おわりに>(一瀬裕一郎)
15
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