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農協系統における JAカードと合わせて、 大手クレジットカード会社との

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農協系統における JAカードと合わせて、 大手クレジットカード会社との
ITライブラリーより (pdf 100冊)
http://www.geocities.jp/ittaizen/itlib1/
農協系統における JAカードと合わせて、
大手クレジットカード会社との提携強化の
メリットにつきまして
一般社団法人
情報処理学会 正会員
腰山 信一
[email protected]
本資料の関連資料は下記をクリックして
PDF一覧からお入り下さい。
ITライブラリー (pdf 100冊)
http://www.geocities.jp/ittaizen/itlib1/
目次番号 480番 他
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農協系統における JAカードと合わせて、
大手クレジットカード会社との提携強化のメリット
カード事業が持っている基本的機能である
「顧客認証機能=ID機能」の活用により
①第二世代、第三世代の組合員、准組合員との取引の深耕。
②この世代の組合情報の入手と体系化。
という点で大きな意味があると思います。
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近年の 「物あまりの時代」 においては、どの業種においても、如何に
してリピート客を囲い込むかという点も重要視されつつあります。
リピート客を囲い込む事とは、継続的に利用する顧客を確保維持することですが、
一方では組合員が真に望む欲求・ニーズを的確に捉えた商品・サービスを開発改
良することでもあり、従来までの商品・サービスの購買状況を中心とした顧客の行
動分析=IRFM(品目、直近取引日、購入頻度、購入金額)に加えて、顧客の属性
も加味した行動パターンを把握した上で効率的な推進活動が重要だと思います。
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流通系カード会社による会員増強、百貨店・量販店のハウスカード発行、航空会社の
マイレージ会員増強、ホテル等の会員制カードの発行は、まさにリピート客囲い込み
の手段として活用され、従来の商品・サービス重視の戦略から顧客重視の戦略に転
換しつつあることを意味していますが、最終的には商品・サービスの販売促進が目的
となって来ています。
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系統金融について考えた場合、農協法の関係で、取扱う商品数が少ないことを補う
意味でも、クレジットカードは、商品が継続的に利用されることにより一定の収益を
計上できる提携事業だと思います。
このクレジットカード提携事業は、商品・サービスの提供により、第二世代、第三世
代の組合員、准組合員への深耕をはかれる可能性が出てくると思います。
個々人の金融行動は消費行動と密接的に係わっている事に注目することにより、第
二世代、第三世代の組合員、准組合員がJAと直接取引は小額でも、クレジットカー
ドを通じた間接取引の情報活用により、第二世代、第三世代の組合員、准組合員の
組合員データベースの構築が可能になってくると思います。
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貨幣経済の下で、消費者は生活を維持していく上で消費活動を行う際に様々な
金融行動を行っています。
生活の糧である賃金を受取り、日常で生活する際には決済という機能が様々な場
面で活用されています。
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また、住宅の取得や自動車等の高額耐久消費財購入の際には貯蓄の取崩と借入
という金融機能が介在します。
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借入とは物の消費に対する対価の支払を長期間分割して支払う事に
ほかなりません。 また、老後資金として蓄えられる貯金は、老後の
消費行動の資金を事前に蓄えているだけだと考えられます。
これも貯蓄という金融機能は、将来の消費に対する
決済機能であるからだと思います。
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まさに、金融行動と消費行動は表裏一体の関係です。
第二世代、第三世代の組合員、准組合員の個々人のニーズ・欲求を的確に
把握するためには、その消費行動を把握しなければならないと思います。
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また、金融行動を決定付ける要因を考えた場合、所得水準・保有資産
残高・ライフステージ(又は家庭環境)・人生観の4点がポイントだと思います。
4つ目の人生観とは、まさに個々人のライフスタイルに他なりませんが、第三
者が他人の人生観やライフスタイルまで、正確に把握することは困難です。
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しかし、消費行動=日々の消費活動の情報を集約・体系化し、所得水準や
資産残高、更には家族構成等の情報との相関関係を見出すことで、人生観
とまでは行きませんが、第二世代、第三世代の組合員、准組合員のある度の
ライフスタイルは推測することが出来るでは と私は思います。
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顧客情報を最も多数保有しているのは金融機関です。
顧客の属性情報をはじめ、金融資産情報が蓄積されており、
普通貯金口座の動きからは、消費動向まで推測可能な情報も蓄積されます。
大手クレジットカード会社との提携強化により、第二世代、第三世代の組合員、
准組合員の消費行動に関する情報の収集が実現可能となります。
第一世代の組合員情報を含む従来の情報と消費情報を効率良く体系化し、活
用できる体制が整えば、農協系統は第二世代、第三世代の組合員、准組合員
に対し、独自のマーケティング戦略を構築することが可能となると私は思います。
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既存の金融情報同様、クレジット関連の情報には、申込書に記載されている
様々な属性情報が主体となる定性的な情報と、個々人のカードの利用実績が
主体となる定量的な情報から構成されています。
また、日本におけるクレジットカードの普及過程で見逃すことができない、
キャッシングやカードローンという金融サービスの利用情報も重要な要素と
なりますが、クレジットカード業務より取得できる消費関連情報について
以下の手法により体系化する事ができると思います。
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データベース情報の活用
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カード情報を 商品購入と キャッシングの両面から分析
商品(物品・サービス)購入顧客を金額別に10ランクに分類
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A分類
①年間利用金額
②年間利用件数
B分類
③連続利用月数
④直近利用月
10ランク分類
10ランク分類
10ランク分類
点数化
点数化
点数化
前月は10点、前々月は9点・・・・
10ランク分類
点数化
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A分類と B分類の組み合わせ から 30に分類する
この点数化と 分類方法は その後の商品購買動向・キャッシング
利用動向から、何度もシミュレーションして、常に改良して行く。
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ハードユーザー
総合ランク 1から 10
ミドルユーザー
総合ランク 11から 20
ソフトユーザー
総合ランク 21から 30
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信用リスク管理
重要視ライン
商品購買
ハード
ミドル
ソフト
ソフト
ミドル
ハード
キャッシング
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9つのセグメントを更に下記項目を基準に分類する
(年齢・性別・居住地) ・商品利用品目
加盟店へ分析データを還元
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農協系統側から見た クレジットカード会社との提携メリット ①
既存個人情報 + カード利用情報 = 総合的組合員情報の構築
既存組合員情報 = 真の組合員ニーズを把握するには限界
組合員の金融行動を決定付ける消費動向情報が必要不可欠
信用事業における統合リスク管理を実現できる
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JA側の今までの組
合員・准組合員
データベース
カード情報関連の
データベース
真の組合員
ニーズ
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農協系統側から見た クレジットカード会社との提携強化のメリット ②
顧客利便性による差別化
クレジットカード、キャッシュカードの一枚化
クレジット、デビット、プリペイド機能の付加
准組合員として組合加入してもらう事による顧
客囲い込み
組合員管理機能を活用した組合運営
の更なる強化
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ICカード化強化による機能付加
個人認証、偽造防止、情報管理
新規商品サービス企画ヘの適用
消賣者保護を実現する各種共済・補償機能
加盟店提携による地域の中小企業・個
人企業との取引の推進
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収益改善への即効性
カード事業収益の役務収益化
営業利益拡大
ROA・自己資本比率改善
決済性フロー資金滞留による利鞘改善
資産負債構造改革による資金利鞘の改善
には時間を要する
役務収益増強は効果的
リテールファイナンス業務集約による効率化
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カード機能を活用した三位一体リテールモデル
ID個人認証による顧客管理
地元加盟店機能による企業ネット
ワーク化
資金回収機能による多機能決済
3つの有機的結合
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加盟店サービス利用(地元の法人への提案に活用)
出張関連手続き一元化
事務用品購入~一括決済
各種団体保険~団体割引
福利厚生制度補完
法人カード活用メリットの提案
法人取引から社員
経理事務合理化サポート
個人取引へ、地元社員の
会計事務合理化サポート
准組合員としての組合加入
の促進
農協法上、難しい領域は三菱UFJニコ
ス㈱ のサービスとの併用提案。
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企業個人(~家計個人への架け橋)
職域提携カード(非金融サービス提供
による差別化)
付加価値提供によるメイン化
(企業側福利厚生制度対応)
家族も含めた総合サービス
法人カード゙と個人カードとの
ジョイントサービス
家計個人
高齢者向けトータルサービス
~決済、保障、医療、生活支援
共済連、厚生連との連携強化
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地域の法人への戦略
(資金集中~リスク判定)
地元企業
カード会員&加盟店
ID
従業員
オーナー
カード会員(利用者)
カード会員(利用者)
個人戦略
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金融行動と消費行動は表裏一体の関係
決済=過去の消費
貸付=現在の消費
貯蓄=将来の消費
全ての消費情報を結合するカード機能
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商品サービス提供機会提供
一般カード会員向販促
決済機能提供による利用促進
資金効率化
カード会社の決済ネットワークを活用
マーケティング情報獲得
第二世代、第三世代の組合員、
准組合員の利用データの活用
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ライフサイクルのそれぞれの
場面において、組合員属性から
来る消費行動を
分析及び予測
その組合員のライフスタイ
ルに合った消費・金融行
動をカード機能に
結びつける。
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農協系統のカード提携事業において、加盟店でより多くの金額を頻繁に利用
してくれる信用リスクの少ない第二世代、第三世代の組合員、准組合員と、
農協本来の各種事業において、取引の深耕をはかる事が、推進戦略上の重
要なポイントの1つであると思います。 共済推進の重要ターゲット顧客にも
なると思います。
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カード取引データから、第二世代、第三世代の組合員、准組合員の消費
動向を把握するための手段としてグルーピング手法を活用し、(総合事業に
おける JAポイント制度とからめて)
ハードユーザーに関してはキャッシュバック等の付加価値を提供し固定化を図る。
ミドルユーザーに対しては利用促進キャンペーンを施行することで親密化を図る。
ソフトユーザーに対しては利用パターンからランクアップセールスを展開する。
階層別な推進活動ができると思います。
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また、第二世代、第三世代の組合員、准組合員のセグメント化及び階層化され
たデータベースの活用により、信用リスクに関連する様々な情報の相関を把握
することで、低リスクで今後、第一世代組合員に続く、有望な正組合員を見
つけ出す事もできると思います。
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カード関連に関する情報を信用・経済・共済の取引情報同様に体系化し、JAとの
直接取引情報とカード情報を元にした消費関連情報の融合した組合員総合名寄せ
データベースの構築のメリットは大きいと思います。
この融合された組合員総合名寄せデータベースを、様々な角度から分析を行うこと
により、第二世代、第三世代の組合員、准組合員の行動と消費行動の特性を導き
出し、JAの各種事業(住宅ローン、カーローン、共済が有望)に対する欲求やニー
ズを推計、仮説を導き出すことで、第二世代、第三世代の組合員、准組合員向けの
新たな推進戦略、推進施策の策定が可能となると思います。
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農協系統と三菱UFJニコス株式会社(JAカード)をはじめとする
大手クレジットカード会社の提携強化は双方にメリットが
大きいと思います。
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実際の事例でも
30~40歳男性でキャッシング利用の高い層はカードローン利用率も高く
なる傾向があり、
40~50歳の男性でホテル/旅館/高速道路/ゴルフ場利用の高い層は証書
形式の無担保ローン利用が高く、
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反面、20~30歳の女性で海外旅行/百貨店利用の高い層は積立式預金商
品の利用が高いという特性があるなど、
従来の金融情報としては捉える
ことのできなかった特性を導き
出すことができると思います。
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また、カード関連情報は、第二世代、第三世代の組合員、准組合員に対する各種推進
活動に活用できる一方で、信用リスク面(住宅ローン、カーローン)の判断材料としても
有効に活用する事ができます。
この情報は、農協の中核事業でまだ取引の少ない「第二世代、第三世代の組合員、
准組合員」に対するリスク管理にとても有効だと思います。
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例えば、JAが保有する情報だけでは把握できないものとして、月間の平均的所得
金額と月間のカード利用金額があります。
請求金額を比較し、所得金額以上にカードを利用している組合員がいれば、その
顧客の過去1年間の月間利用状況や延滞状況を更に詳細に分析することで、与
信管理の判断材料、モデル構築情報として活用する事ができると思います。
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更に、見方を変えると、カード利用場所を提供する加盟店について、月間の
利用状況等を組合員に体系化することで、当該加盟店の売上高推移としての
動態情報として、既存の金融情報と組み合わせる事で地元の小売・サービス業に
対する事業性融資判断情報に活用する事も可能となります。
この事は、クレジットカード会社と提携する農協系統側にもメリットがあると
思います。
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まとめ
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農協系統側から見た クレジットカード会社との提携強化のメリット
既存個人情報 + カード利用情報惰報 = 総合的組合員情報の構築
既存組合員情報だけでは、真の組合員ニーズを把握するには限界
組合員の金融行動を決定付ける消費動向情報が必要不可欠
信用事業における統合リスク管理を実現できる
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