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3.景観ガイドラインにより実現した内容について
第二世代(5地区)の分析考察 3.景観ガイドラインにより実現した内容について 景観ガイドラインは、その地区のビジョンなどを示し、具体的な誘導を行うためのツールです。 第二世代の5地区について、景観ガイドラインにより実現した景観を整理しました。 沿道 街並み 外周部を含む、歩行者空間沿いは、必ず植 栽帯、並木、生垣等の植栽が設けられ、潤 いを感じる空間となっている。 ■アメニティスペース 沿道の歩道状空地、街区内貫通通路、辻広 場などが、快適で広がりを感じる歩行者空 間を生んでいる。 ■質の高い設え 歩道状空地等の、街区内に設けられる「共 空間」は、UR が施工した公道部分に設えを 併せている。元々、公道部分の舗装、ボラー ド、横断防止柵、照明等の質を高めていた ことで、民間施工部分の質も非常に高い空 間となった。 ■桜並木の保全 淡島通り沿道の従前の桜並木を保全。土地 の記憶を継承するとともに、力強い沿道風 景を生み出している。 ■北ノード部分のケヤキの保全 ノード部分のケヤキ巨木を保存し、ゲート ツリーとして活用している。。 ■ アメニティスペース 宮仲公園通り沿いの接地階に、店舗、集会室、 沿道アメニティを重視したデザイン。 ■ 宮仲公園通りの都市的な顔から、 後背地の住宅街に向けた街並みへと 変化のある景観 住棟エントランス等を集中的に設け、ガラ 街区中央を横切る中央歩行者通路が、宮仲 宮仲公園通り沿いの地区の顔となる都市的 ス壁面とすることで、人の動きが感じられ 公園通りから隣接する防災公園への動線を 空間、外周道路や中央歩行者通路の緑のに る空間がつくられている。 確保するために設けられている。「坂を上る じみ出す空間と、植栽、舗装方法に変化を 動機を導く仕掛け」として、植栽やベンチ 持たせている。 実施イメージ ■ 接地階用途により、まちの賑わいを 演出 歩道状空地、辻広場などの共空間により、 実施イメージ 等の要素がちりばめられている。 ■ 視点場からの眺めを意識した街並み 住宅街区に隣接して近隣公園が設けられて おり、開けた空間となっていることから、 建物の視認性が高い。公園側からの見え方 を意識し、建物高さに慎重な制限を設ける ことで、明快な建物ボリュームを実現して いる。また、建物形態と色彩を連携させる ことで、壁面を分節している。 め、街並みの検証は行っていない 西側の下瀬坂通り(メインエントランスと しての迎え入れるデザイン)、街区内を貫通 する避難通路の「ことばみち」(賑わいのデ ザイン)、北側の「いこい坂」(歩行者を意 識したリズミカルなシーン展開)のように、 通りの特性からデザインを展開。 南側公園への避難経路を意識した動線構成 により、地域の防災性を高めている。 地と隣接していることから、この通り沿い は建物高さを抑え、周辺との連携を図って いる。また、沿道に歩道状空地を設け、き め細やかで住宅地的な植栽を心がけること で、ヒューマンな景観を実現した。 ■従前の工場跡地の記憶を残す舗装材 舗装材料、横断防止柵、街路照明、街路樹 料の活用 など、道路の構成要素を景観的観点からトー 工場跡地に残されている、レンガ倉庫から タルに構成し、都市的な雰囲気の道路空間 着想を得た、焼成レンガ調の舗装材料を一 (道路部分のみの検証) 部街路で使用している。 (道路部分のみの検証) ■潤いのある歩行者空間の実現 ■周辺の中低層市街地との景観連携 沿道に歩道状空地、植栽帯を設置。都市的 周辺の中低層市街地とつながる街路の沿道 な雰囲気の南北軸、住宅外的雰囲気の緑道 接地階にダイレクトアクセス住戸を設置。 と、樹種や構成を変えて通りのテーマに対 応した。 辻部分には、植栽、ベンチ等を設置している。 (竣工済の一部街区に関する検証) 通りのスケール感を調和させた。 (竣工済の一部街区に関する検証) 実施イメージ ⑤青戸七丁目地区 め、街並みの検証は行っていない 敷地北側の街路を挟んで、低層の住宅市街 ■質の高い通りのエレメントの採用 を実現した。 ※ H 22現在、大部分の建物が未着工のた ■ 周辺の街並みに合わせた、いこい坂 (北側道路)の沿道空間 実施イメージ ※ H 22現在、大部分の建物が未着工のた ■ 通りごとの特性を意識した景観 シーン展開 実施イメージ ①太子堂三丁目地区 ②上池袋一丁目東地区 ③西ヶ原四丁目地区 ④ 葛飾区新宿六丁目地区 ■緑に被われた街並み 個性・地域性 第二世代(5地区)の分析考察―3.景観ガイドラインにより実現した内容について ①太子堂三丁目地区 実施イメージ ●街並み 緑に被われた街並み 西側道路 貫通通路 ●沿道空間 バルコニー形状の変化によ る建物低層部の視覚的分節 沿道に潤いを与える植栽帯 公道側の舗装パターンと、 歩道状空地の設えを連携 敷地境界線 南側道路 ●個性・地域性 地域のシンボル的桜並木を 保存することで記憶を継承 淡島通り沿いの桜並木(保存樹) 存在感のある巨木が避難通 路への入口を示す 北センターノードのケヤキ巨木(保存樹) 第二世代(5地区)の分析考察―3.景観ガイドラインにより実現した内容について ②上池袋一丁目東地区 実施イメージ ●街並み 4 階以下を通りに張り出させ、沿道に建 物が並ぶ都市的景観を実現 低層部分の色彩を変え、壁面の巨大さを 感じさせない工夫としている 1階に店舗、集会室、住棟エントランス が並ぶ。ガラスの壁面が内部の人の動き を感じさせ、通りの賑わいに貢献 宮仲公園研通りの沿道景観 ベンチの配置、植栽の変化、通路の雁行 等で、 「登ってみたくなる坂道」をつくっ ている ●沿道空間 防災公園へつながる中央歩行者通路 ●個性・地域性 西側道路 中央歩行者通路のベンチ 住宅街に接する周囲の通りは、緑がにじ み出す空間となっている 辻広場の天然石舗装 舗装材料の変化による場所性の創出 沿道の景観照明 貫通通路のレンガ舗装 第二世代(5地区)の分析考察―3.景観ガイドラインにより実現した内容について ③西ヶ原四丁目地区 実施イメージ ●街並み 3段階の高さ制限により、すっきりとし たスカイラインを実現 色彩による、建物壁面の巨大さを感じさ せない工夫 南側の公園からの中景 ●沿道空間 街の顔となる下瀬坂通りでは、ランドマーク住棟の配置、 接地階への店舗導入等により、街の賑わいを高めている 下瀬坂通り沿道景観 ●個性・地域性 築北側の市街地と防災公園をつなぐ避難通路 周辺の市街地に面する「いこい坂」では、細や かな変化のある植栽で、住宅街の景観を演出 「いこい坂」の沿道景観 辻広場 「いこい坂」の沿道は、建物高さを低く 抑え、圧迫感を軽減 第二世代(5地区)の分析考察―3.景観ガイドラインにより実現した内容について ④葛飾区新宿六丁目地区 ・平成 22 年現在、建物の建設が完了しているのは、高齢者福祉施設のみでああり、地区全体の 景観評価は行っていない。 ・地区全体の道路建設は完了している。ここでは主に地区内道路の景観について検証する。 ●沿道空間 水本回廊の自転車道を延伸 新宿北通り 水本回廊 新宿中央通り 街区内の舗装等を公道部分にあ わせるころで、一体感のある歩 行者空間が形成 ・舗装、防護策、照明、植栽を 一体的にデザインした道路 ・化粧蓋の設置 ●個性・地域性 レンガ倉庫の記憶を残す舗装材料の使用 中央回廊と レンガ倉庫 第二世代(5地区)の分析考察―3.景観ガイドラインにより実現した内容について ⑤青戸七丁目地区 ・平成 22 年現在、建物の建設が完了しているのは、一部街区(A街区、B -3 街区)のみでああり、 地区全体の景観評価は行っていない。 ・地区全体の道路建設は完了している。ここでは主に地区内道路及び建設完了街区の沿道の景 観について検証する。 ●沿道空間 生活軸(南北軸) 沿道に歩道状空地や植栽を設置し、潤い 生活軸(南北軸) を与えている(A 街区の南北軸) 辻空間に植栽、ベンチを設置 (B-3 街区の南北軸) 周辺戸建住宅との調和、緑道の延伸に配慮した 「住宅街的植栽」(A 街区の東側道路) 歴史さんぽ道(緑道) 歴史軸 ●個性・地域性 周辺のまちの景観になじむ、人の活動が にじみだすダイレクトアクセス住戸 A 街区南側道路