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1-8 大阪府(まいど子でもカード事業) 1-8
1-8 大阪府(まいど子でもカード事業) 1-8-1 実施体制と運用方法 (1) 事業の目的と経緯 ¾ 平成 19 年 10 月 10 日より開始。 ¾ 主な目的は、子育て世帯を社会全体で応援するという機運の醸成。 ¾ 大阪府では、①府民が結婚や出産を「躊躇」する要因をできるだけ取り除くこと、②少ない子どもを 健やかに育てることの 2 つの目標をたて、「出産や子育てを躊躇しないような社会づくり」を目指して いる。 ¾ こうした中で、個人給付やイベントなどに比べ広域で子育て支援を実施しやすい、広域連携による企 業参画型子育て支援事業を平成 18 年 11 月 13 日開催の関西 2 府 7 県が参加する「近畿ブロック 知事会議」にて提案し、子育て応援・関西キャンペーン(関西子育て世帯応援事業)の一環として、 「まいど子でもカード」事業をスタートさせた。 ¾ その他の目的や期待する効果は、子育て家庭を支援する企業・店舗のイメージアップおよび企業へ の子育て支援に関する啓蒙である。 (2) 制度の枠組み ¾ 対象世帯:18 歳未満の子ども 1 人以上の世帯 が対象(妊婦は対象外)。平成20 年1 月末時点 の対象世帯数は約 84 万世帯。 ¾ 登録方法:カードの配布は行っていない。利用 希望者は、インターネットあるいはハガキで登 録。 ¾ 対象家庭の認証方法:インターネットの場合、 携帯電話にシンボルマークをダウンロードし、 その画面を店頭で提示するか、パソコンでシン ボルマークをダウンロード、ページを印刷して 持参することで優待サービスを受けられる。ハ ガキの場合、シンボルマークが印刷され返信さ れたハガキを店頭で提示することで優待サー ビスを受けられる。 ※店舗やサービスによって、その他の条件(健 まいど子でもカードシンボルマーク画像(PC 版) 康保険証の提示など)を求める場合には、事前 に説明が必要となる。 ¾ 登録者数:平成 20 年 2 月 17 日時点で 6,574 人。 ¾ 有効期限:2009 年 3 月末日。 ¾ シンボルマーク:子育て応援・関西キャンペーン(関西子育て世帯応援事業)のシンボルマークを使 用。 ¾ 利用者:対象世帯であれば、誰でも使用可能。子ども同伴の必要はない。 62 (3) 予算 ¾ 平成 19 年度の予算は、23,369 千円。 ¾ 平成 19 年度の支出内訳は登録システム開発運営委託料(専用サイト、コールセンター、広報、ステ ッカー印刷等を含む)が 23,369 千円。提案公募し、運営、ホームページの作成、システム開発、企 業への声かけなどを合わせて凸版印刷株式会社に事業委託。 ¾ 委託事業者の選定では、次の 6 つの要素について総合的に評価をした。 ① 多くの店舗に協賛してもらうための効果的な手法 ② 多くの子育て世帯の登録を進めるための効果的な手法 ③ 利用しやすい登録・認証・クーポン・メール配信システム構築等 ④ 会員登録情報の流出・漏洩を防ぐための効果的な手法 ⑤ 本事業を効率的・効果的に運営・実施するための業務遂行体制 ⑥ 府の予算廃止後も自立して本事業を継続し ていくための手法 特に①については、凸版印刷(株)が持つ営業ツ ールが高く評価された。 (4) 運営主体(事務局) ¾ 所管課:大阪府生活文化部次世代育成支援室少 子対策課企画グループ ¾ 運営主体(事務局):大阪府子育て世帯応援事務 局。事務局では、利用者の登録、協賛店舗の登 録や問合せの対応等を行っている。 「トラックアド」を利用した PR 1-8-2 当事業の PR 方法および協賛店舗の募集 方法 (1) 事業の PR 方法 ¾ 事業の開始時には、府のテレビ・ラジオ広報を利 用しアピール。そして、トラックの物流車両の荷台 側面を利用したラッピング広告「トラックアド」を使 用し、事業の PR に努めている。 ¾ デパートやスーパーマーケット等、認知の高い企 業、そして子どもブランドや玩具店など、対象家庭 の利用度が高い企業・店舗について多く協賛を呼 び掛け、事業の周知に努めている。 (2) 協賛店舗の認知度向上に対する取組 ¾ インターネット検索:インターネット上では、エリア 別、カテゴリー別の検索が可能。協賛店舗の名前 や住所の他にシンボルマークの提示により受けら れるサービス内容を掲載している。 ¾ サービス内容の欄については、継続的に提供し ているサービスと期間限定で提供しているサービ スや商店街等でのイベントを書き込めるように 2 63 まいど子でもカード協賛店認定証 段構成になっている。また、ホームページについては、各店舗が ID とパスワードを発行されるため、 自由に内容を変えることができ、利用者は最新の情報をインターネットで確認できるよう工夫されて いる。 ¾ 協賛店舗にはステッカーと認定証を配布している。シンボルマークについては、企業広告・チラシで 使えるシステムになっている。 ¾ さらに、協賛店舗情報を掲載したパンフレットを年 2 回程度発行予定。 (3) 協賛店舗開拓の手法 ¾ 登録している「まいど子でもカード」利用者を新商品等のアンケートやモニター募集に使うことができ る。 ¾ これは、利用者に送られるメールマガジンを通じてモニター募集の情報を配信するやり方をとってい る。実際にどのようなサービスが利用者に喜ばれるのか悩んでいる企業もあり、利用者から企業に、 企業から利用者にといった双方向型の情報共有を目指している。 ¾ 事業の開始(平成 19 年 10 月 10 日)を挟んで 2 ヶ月間、利用者モニターを対象としたアンケート調 査を実施し、利用したいサービスなどについて情報を収集。これらの要望については、協賛店舗とも 情報共有をして利用者の満足度の向上に努めている。 ※主なアンケート結果:サービス利用に関しては、98.7%が利用してみたい(「ぜひ利用してみたい」 74.7%+「まあ利用してみたい」24.0%)と答えている。希望するサービスに関しては、90.4%が「そ の場で割引がある」をあげている。次いで、「子どもへのプレゼントがもらえる」(66.8%)、「会員限定 のプレゼントがもらえる」(51.5%)、「銀行で金利の優遇が受けられる」(50.9%)となっている。希望 するサービス提供場所に関しては、90.9%が「スーパーマーケットなどの量販店」、85.9%が「飲食 店」と答えている。 ¾ チェーン展開する企業にとっては、1 府県ではなく、広範囲で事業展開できるというのが魅力になっ ているようで、関西の場合 2 府 7 県でサービスを提供できるというのが協賛の開拓をするうえでのア ピールになっている。 1-8-3 優待サービスの利用実態および効果 (1) 協賛店舗等の傾向 ¾ 協賛店舗は、2 月 17 日現在、1,260 店舗ある。そのうち多くは、「日本マクドナルド」「大阪信用金庫」 「サトレストランシステムズ」「ミサワホーム」など、チェーン展開している企業である。 ¾ 大都市圏では、競争が厳しく、商店街や個店の体力が相対的に弱いことも、チェーン展開する企業 や店舗を中心に協賛店舗の開拓を行う一因である。 ¾ 割引などの金銭的なサービスが主流であるが、上新電機やハナテンによるキッズプレイスペースの 設置などの例も見受けられる。 64