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PDF報告版(みんなの広場に掲載)
を開催しました! 全国初の流域下水道事業を進める事務所として、昭和40年4月に「東部流域下水道事務所」の前身の 「大阪府広域下水道建設事務所」が門真市新橋町に設置され、今年度で50年を迎えました。 これを記念して、去る 11 月 28 日に、現役職員と大阪府下水道ボランティアの方々に来ていただき、「東部流 域下水道事務所 開設50年 記念イベント」を開催しました。 ■開催挨拶 東部流域下水道事務所 所長 山田 豊 ■第1部 「東部下水事務所 開設50年 記念講演」 ◇中須賀 剛三郎 さま(下水道室長) ◇手島 文隆 さま(元東部下水職員) ◇山本 正 さま(元東部下水職員) ■第2部 「大阪府下水道ボランティアと東部下水職員の意見交換」 第一部 ★山田所長 挨拶 この 50 年間の事業実績を少し紹介させていただきますと、 建設の総事業費は 8,300 億円 (166 億円/年) 処理場は 5 箇所で処理能力は 25m プール 2,700 杯分に相当する日量 100 万 m3 狭山池を 3 日で満杯にする能力を有しています。 昭和 47 年の供用開始から平成 25 年度末までに 70 億 m3 を高級処理してきており、 これは琵琶湖の貯水量(275 億 m3)の 1/4、狭山池(280 万 m3)の 2500 杯分となります。 また、ポンプ場は 19 箇所を整備し(中継P含む)、雨水ポンプは 83 台で毎秒 470 m3、25m プール 1.3 杯分の揚水能 力を有しております。管渠は増補幹線、直送幹線を合わせて 69 幹線、194km が整備済で、管内の普及率は 95.7%となっ ております。 これまでの 50 年は、府民の皆様には、トイレの水洗化や浸水の防除で、下水道の事業効果を実感していただけたところです が、施設の維持・更新に軸足を置く、これからの 50 年は、下水道の重要性をどうアピールしていくかが大切だと感じます。 ★中須賀室長 講演 東部下水との思い出はたくさんあります! まだ下水処理場に高度処理施設が認められていない中、渚処理場に礫間接触酸化池を導入。 黒田川に水質モニターを設置して連続測定。砂利が入って上手くいかない。黒田川の浚渫(しゅ んせつ)が当時日課だった。 鴻池処理場は水処理の上にトラックを入れられるようにして、上から直接資材を搬入できる仕様に。 工事について文句を言っていた地元の方が、話てみると実は同じ苗字で、工事を許してくれた。 竜華地区の計画で、アセスメントを作成するのに 3 か月間、休日なしで働きつづけました。 なわて水みらいセンター、竜華水みらいセンターの供用開始の約束が迫っていたので、試運転の通水を行った時点で「通水 式」を開催し、間に合わせた。 ★手島さま 講演 昭和 40 年、まだ事務所ができる前は中環の敷地内に、プレハブを建てた。すきま風がすごくて 寒かった。事務所は「広域下水道建設事務所」という名称で開設した。現在とは違い、維持管 理がなく建設のみだったから。 参加費を集め、上司を講師として呼び、勉強会を行った。「これからは広域じゃない。河川との 関わりが大切だから、流域だ。」と学んだ。 地下水で薬剤が流れてしまってシールドが途中で止まったことがあった。想定外のことだと思っていたが、他の事務所で以前にも あったことがあると知った。事前に知っていれば、この失敗は防げた。勉強会や講習会で失敗事例を共有する事は、想定外をな くすために、大切だと思った。 昭和 40 年~平成 5 年までの安パトの報告書を冊子にしてるので、みなさん読んでみてください。 ★山本さま 講演 平成6年、鴻池2期、門真寝屋川増補幹線を分割せずに発注した。当時の所長が大活躍 した。 下水道工事は段階工事だが、一括発注する際は設計ミスに充分に注意しなければいけない。 技術審査会等しっかりやってください。 何年か周期で同じような失敗が起こる。技術の伝承が上手くいっていないんだなぁと感じる。 近年、地域の課題を住民が自ら積極的に話し合う場をつくる、地域プラットホーム事業を耳にする。来年末に事務所を川俣 水みらいセンターに引っ越すというきっかけもあるので、安威川ダムに倣って、川俣 MC を地域のプラットホームとして構築してはどう か。 第二部 ★意見交換会 毎年恒例の OB(下水道ボランティア)との意見交換会を、記念イベントの第二部として行いました。 今年も時間オーバーしながら、現役は防戦一方の活発な意見交換(?)会となりました。 今年度の東部下水の重大ニュース、下水道ボランティアに協力いただいたイベントの報告から始まり、 「東部下水の維持管理の考え方」「ポンプ運転調整とは」等、意見を飛ばしあい、現役職員にとても良 い刺激になりました。 OB の皆様から貴重なご意見とアドバイスをいただき ました。特に失敗談はとても参考になりました。 東部下水は 50 年間、浸水の防除、下水道の普 及に努め、成果も目に見えてましたが、今後は如何に 下水道施設の機能維持・向上に努めていくのかが問 われます。下水道はあって当たり前、無くては困る施 設です。その重要性をどうアピールしていくかも大きな 課題です。 こんなこともやりました! についてブレインストーミングしました! 東部下水開設 50 年!!ということは、流域下水道開始から 50 年!! 11 月 28 日のイベントに先立ち事務所の現役職員のみで 11 月 12 日に「流域下水道事 建設関連 業のこれからの 50 年」についてブレストをしました! 耐震事業をどんどんやっているが、土木施設はボロボロになってきているので新しくつくるのもあり。これから人口が減って土地は空いてくる。 民間の力を借りて、民間に事業委託と言われているが、本当に民間に頼ってもいいのか。下水道事業は上水道と違い黒字にならないから民間はやらない。府 の技術力もなくなってしまう。 民間企業や府民ともっと協力していくことが必要。 過去 50 年を振り返ればものすごく技術は進歩している。50 年先にはもっとすごいものができているのかも。もっと単純で簡単な処理方式や、コンクリート に薬塗ったら復活するとか。 下水道に新しい目的が必要。寝屋川を絶対に破堤しないスーパー堤防にしてはどうか。下水道事業で海水淡水化の事業をやってはどうか。管渠を上に上げた らどうか。 下水道は止められる代替がないことが最大の強み。そういうところを訴えていく必要がある。 住宅を上に上げることなどまちづくりのやり方を変える方が安くすむかもしれない。 これから下水道事業が昔のように人々の生活を変えることは無理だと思われる。川の水やせせらぎ等、府民が見えるところに力をいれる。すごくキレイな川 があるが東部下水からの放流水のおかげであることを PR すべき。職員も知らない箇所がある。 50 年先よりも来年、再来年のお金がなく、目前の耐震事業ができなくなり、施設が壊れて環境破壊につながる恐れがあることを訴えていきたい。 技術力の低下が心配。積算業務に追われて現場に出られない状態になっている。現場を見ないと中が分からない。 ピンチはチャンス。このように危機感をもってみんなが考えていくことが大切。あとは誰が上に上げていくか。 維持管理関連 下水道が整備されて、大阪湾はすごくキレイになったが、漁業組合からは「お金を払って大阪湾の水をキレイにしてもらって、魚が獲れんようになった。」 と貧栄養化を嘆いている。これからは窒素やリンの放流量をコントロールすることが求められるのでは。 日本で初めての流域下水道ということで雨水も含まれてしまったが、運営面を見ると雨水をかかえるのはしんどい。 維持管理費を 3 下水で共有してはどうか。 キレイな水を PR しているのに、せせらぎの水を何故触ってはいけないのかと府民に言われた。触れる水を目指したい。 システムをどんどん合理化していくことが必要。雨水ポンプは自動化できないか。 さらに省エネを目指すなら、放流水質を落とせばできる。 最近の天気では、雨水ポンプ等の施設が負けてきているので、計画を見直す必要があるのでは。 50 年後の施設や経営を心配する声や、新たな目的を考える声がある中、事業費の削減や技術力の低下、計画以上の豪雨など、近年の心配をされる声もありました。 大阪府の下水道普及率が 95%を超え、府民が実感できる下水道事業はピークを過ぎたと思われます。しかし 30 年 40 年以上使用している施設が数多くあるため、施設の補 強あるいはつくりかえることが必要で、当たり前になった下水道を維持していくために仕事はなくなりません。府民に下水道事業の効果を新たに実感してもらうには、近年のゲリラ豪雨 等の異常気象に対応した施設をつくることや、せせらぎを利用した PR をより積極的に行っていくことだと考えます。 下水道に限らず古くなったインフラを再整備することは我々世代の土木職員が担っていることだと思いますので、工事の設計・積算に関わる際はそういった気持ちで取り組み、より 良いまちづくりのために自分なりのプラスアルファを残したいなと思います。 以上、一連の記念イベントについて作成しました。採用 2 年目 企画 G 松本