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堺支援の教育 - 大阪府教育センター
堺支援の教育 平成26・27年度(2014・2015) 大阪府立堺支援学校 まえがき 大阪府立堺支援学校長 山内 時彦 平成 26 年 1 月、我が国は、 「障害者の権利に関する条約」を批准しました。この条約は、障がい者の人 権を確保し、障がい者の権利を実現することを目的としています。 この目的を実現するため、 「合理的配慮の否定を含む障がいに基づくあらゆる差別の禁止」 「障がい者の 社会への参加・包容の促進」 「条約の実施を監視する枠組みの設置」等の措置を条約締結国等に求めていま す。 学校教育においては、インクルーシブ教育システムの構築という条約の理念を踏まえた特別支援教育の 在り方の基本的な方向性について、平成 24 年中教審特別委員会で「共生社会の形成に向けたインクルーシ ブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」の報告がなされました。 報告では、①共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築、②障がいのある子どもの就 学相談・就学先決定の在り方、③障がいのある子どもが十分に教育を受けるための合理的配慮及び基礎と なる環境整備、④多様な学びの場の整備と学校間連携の推進、⑤特別支援教育を充実させるための教職員 の専門性の向上等についてまとめられています。 上記のことを念頭に置き、教育課程の編成等の検討が必要です。 今回の「堺支援の教育」では教職員の専門性の向上についての取り組みが記載されています。教職員の 専門性の向上は、あらゆる方向から取り組む必要があります。本校での取り組みとして①研修、②授業研 究について述べます。 ① 研修については研究部が中心となり研修内容の重なりをなくす調整を行い系統だったものにする取 り組みを進めました。また、多方面からの外部講師を招き、専門性を高める取り組みも進めました。 ② 授業研究については、授業観察のためのチェックシートを作成し、参観者に記入してもらい授業者の 振り返りに役立てました。参観できなかった者のために授業をビデオ撮影し、それを見ることで授業 者に助言できる機会を広げました。また、ICT機器を使った授業実践集のまとめを作成し、活用で きるようにしました。 これからも教職員の専門性の向上を図るための実践を進め、子どもたち一人一人の能力を最大限まで 発達させる教育をめざしていきたいと思います。 平成 26・27 年度「堺支援の教育」を発刊するに当たり、ご一読いただき皆様からのご意見を賜れまし たらありがたいです。 目 次 ま え が き Ⅰ 本校の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 1 めざす学校像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2 沿革概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 3 学部の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 Ⅱ 各部の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 1 平成26年度・授業研究について・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 2 平成26年度・小学部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 3 平成26年度・中学部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 4 平成26年度・高等部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 5 平成27年度・授業研究について・・・・・・・・・・・・・・・・・29 6 平成27年度・小学部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 7 平成27年度・中学部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46 8 平成27年度・高等部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53 Ⅲ 1 平成26年度・本年度の重点課題より・・・・・・・・・・・・・・・55 2 平成27年度・本年度の重点課題より・・・・・・・・・・・・・・・58 Ⅳ 研修の記録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62 1 平成26年度・全校研修一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62 2 平成26年度・全校研修の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 (1)健康安全部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 (2)研究部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66 (3)自立活動部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68 (4)進路指導部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69 (5)支援ネットワーク部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70 3 平成26年度・各部署主催研修一覧・・・・・・・・・・・・・・・・72 4 平成26年度・校内新転任者研修・・・・・・・・・・・・・・・・・74 5 平成27年度・全校研修一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75 6 平成27年度・全校研修の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・76 (1)健康安全部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76 (2)研究部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79 (3)自立活動部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82 (4)進路指導部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・84 (5)支援ネットワーク部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85 (6)人権教育推進委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86 7 平成27年度・各部署主催研修一覧・・・・・・・・・・・・・・・・89 8 平成27年度・校内新転任者研修・・・・・・・・・・・・・・・・・90 あ と が き Ⅰ Ⅰ 本校の概要 本校の概要 1 めざす学校像 子ども一人ひとりの障がいの状態及び発達段階を十分に把握し、多様なニーズに応じた指導や支 援を行いながら、共生社会の中で、明るく、正しく、たくましく、生きていくための力を育成する。 さらに、特別支援教育のセンターとして、地域の学校や子どもたちへの支援を行う。 2 沿革概要 昭和27年 肢 体 不 自 由 児 教 育 の 実 践 的 研 究 の た め に 、 大 阪 府 立 盲 学 校 に 特 殊 学 級 (1)開 設 昭和28年 特 殊 学 級 (1)増 設 昭和29年 特 殊 学 級 (1)増 設 昭和31年 学 校 教 育 法 第 74条 に よ り 、 肢 体 不 自 由 児 の た め の 養 護 学 校 として大阪府立養護学校設置(前記特殊学級を吸収) 昭和31年 早 瀬 俊 夫 初 代 校 長 と し て 就 任 昭和31年 中 津 分 校 設 置 昭和31年 第 1 回 入 学 式 挙 行 昭和31年 開 校 式 挙 行 昭和31年 三 笠 宮 同 妃 両 殿 下 御 台 臨 昭和33年 中 学 部 設 置 昭和33年 第 2 期 増 築 工 事 竣 工 昭和34年 第 3 期 増 築 工 事 竣 工 昭和36年 高 等 部 設 置 昭和37年 第 4 期 増 築 工 事 竣 工 昭和40年 第 5 期 増 築 工 事 竣 工 昭和41年 第 6 期 ・ 7 期 増 築 工 事 竣 工 昭和41年 大 阪 府 立 堺 養 護 学 校 と 校 名 変 更 昭和42年 文 部 省 特 殊 教 育 実 験 学 校 の 指 定 を 受 く 昭和42年 大 手 前 分 校 設 置 昭和43年 第 8 期 増 築 工 事 竣 工 昭和47年 太 子 分 教 室 設 置 昭和48年 山 本 宏 校 長 に 就 任 昭和51年 向 井 富 徳 校 長 に 就 任 昭和54年 足 立 秀 雄 校 長 に 就 任 昭和55年 太 子 分 教 室 廃 止 昭和56年 植 原 清 校 長 に 就 任 昭和57年 文 部 省 教 育 課 程 研 究 指 定 校 と な る 昭和57年 第 1 期 改 築 工 事 着 工 昭和57年 第 1 期 改 築 工 事 竣 工 昭和59年 第 2 期 改 築 工 事 竣 工 昭和59年 中 津 分 校 改 築 工 事 着 工 昭和60年 羽 山 幸 雄 校 長 に 就 任 1 Ⅰ 昭和60年 昭和60年 昭和61年 昭和62年 昭和62年 昭和63年 平成元年 平成元年 平成 2年 平成 3年 平成 4年 平成 5年 平成 6年 平成 8年 平成 8年 平成13年 平成16年 平成16年 平成16年 平成17年 平成20年 平成20年 平成21年 平成23年 平成24年 平成25年 第3期改築工事竣工 創 立 30周 年 記 念 式 典 第4期改築工事竣工 第5期改築工事竣工 中津分校廃止 第6期改築工事竣工 大塚洋右 校長に就任 高等部生活課程設置 第7期改築工事竣工 第8期改築工事竣工 玄関ポーチ設置工事竣工 松本嘉一 校長に就任 プール新築工事竣工 創 立 40周 年 記 念 式 典 保関建典 校長に就任 杉本一三 校長に就任 空調設備改修工事竣工 奥野嘉彦 校長に就任 大手前分校移転 創 立 50周 年 記 念 式 典 大阪府立堺支援学校と校名変更 家門鉄治 校長に就任 山中矢展 准校長に就任 福祉的整備事業の整備開始 5号館新築工事竣工 須田正信 校長に就任 西上優子 准校長に就任 橋本輝幸 准校長に就任 山内時彦 校長に就任 2 本校の概要 Ⅰ 本校の概要 3 学部の概要 1 小学部 (1)学習指導の方針 ①正しい生活リズムを確立し、健康な心とからだの育成をめざす。 ②あそびや生活経験を豊かに広げて諸感覚および諸機能を高め、楽しく学習に取り組む意欲と基 礎的な学力の育成をめざす。 ③個性豊かに集団活動を楽しみ、社会性を養うとともに、日常生活の自立に向けて個別の課題に 努力して取り組む態度の育成をめざす。 (2)集団編成 今年度は、学年を主体とした学級編成で継続指導の強化を図るとともに、ブロックでの連携を 密にして多様な活動・経験が持てるような体制作りをめざした。学年を基礎としてクラスを編 成し、活動の基盤は「1・2年」(低学年)、 「3・4年」 (中学年) 、 「5・6年」(高学年)の各ブロ ックにおいて取り組んでいる。 (3)指導体制 (表1)小学部のクラス編成 (○は訪問教育対象児童) グループ 児童数 学年別人数 1年 2年 3年 4年 教師数 5年 6年 1組 6 6 5 2組 5① 5① 3 3組 5 5 4 4組 7① 7① 5 5組 7 7 6 6組 7 7 5 7組 6① 8組 6 6 4 9組 7① 7① 5 6① 3 ○表1の教師数に加えて、部主事1名・実習教員2名・時間講師5名・非常勤補助員1名が小学部 の授業や児童介助に入っている。 ○9組は一般学級在籍の児童を含むクラスである。 ○訪問学級在籍の児童に所属クラスの担任が中心となり、交替で訪問教育を行っている。 (週3回、 1~3名で実施) (4)授業展開 クラスでの授業や合同授業、自立活動など、2時間続きで授業ができる時間割りを組み、ゆ ったりと授業に取り組めるよう配慮している。 ①クラスでの学習 「朝の会」の他、クラス毎に「みる・きく」 「ことば・かず」 「せいかつ」 「ずこう」などの領域を 設定して取り組んでいる。また授業内容によって、個別の対応や、クラス内を小グループに分け るなどして「課題別」の授業を行なっているクラスもある。 ②合同学習 低・中・高学年の集団で取り組む授業で、 「たいいく」 「おんがく」 「ふれあいタイム」などに取り 組んでいる。 3 Ⅰ 本校の概要 ③自立活動 マンツーマン指導を基本とし、 クラス担任が中心に自立活動専任教諭と連携しながら実施している。 登校後の朝の時間や給食時間を自立活動と位置付け、ストレッチや摂食指導をしている。また週3 ~4回「からだ」 「て」 「ことば」の3領域、又はこれらを合わせた「統合」に分かれ、小グループ 単位で取り組んでいる。 (5)教科・領域 教科・領域については下記の通りである。 (表 2)小学部の教科・領域 教科領域 教科 国語 合科中心 ことばかず 算数 自立活動中心 みるきく (ことばかず) みるきく 生活 理科 教科 せいかつ 社会 家庭科 図工 ずこう 音楽 おんがく 体育 たいいく 特別活動 総合的な学習 朝の会、そうごう、行事、儀式など 道徳 ①日常衣生活における自立活動(学部での自立活動) 自立活動 ②自立活動の時間の授業(特設自立活動) (低学年は週 3 時間、中・高学年は週 4 時間) 《文責:小学部 大本和也》 4 Ⅰ 本校の概要 2 中学部 (1)中学部の方針(教育目標より) ①正しい生活リズムを確立し、健康な心とからだを育てる。 ②さまざまな集団の中で社会性を身につけ、豊かに生きていく力をつける。 ③自らの障がいを認識し、基礎的な学力を高め、自立に向けて努力する姿勢を育てる。 (2)集団編成 ①学年集団を基礎としている。 ②教科学習等は生徒の障がいや発達状況に応じた班を編成して実施している。 ③教科・分野によっては、班を合わせて行っている。 (3)教員数・生徒数(生徒数は平成28年1月13日現在) ①学年別教員数 ②班別生徒数 男子 女子 合計 1学年 5 4 9 2学年 3 4 3学年 10 部主事 合 計 A班 B班 C班 訪問 合計 1学年 2 1 8 0 11 7 2学年 1 4 4 0 9 7 17 3学年 4 5 12 2 23 1 0 1 合 7 10 24 2 43 19 15 34 計 (4)各班の授業展開 ①A班 ・中学校および下学年対応での教科学習を行う。 ・生徒の学習能力に応じて、教科により2グループに分けている。 ②B班 ・教科および教科前の学習内容で学習する。 ・話し言葉から書き言葉習得の生徒を対象とする。 ・合科学習あり。 ・生徒の学習能力に応じて、さらにグループ分けを行っている。 ③C班 ・自立活動を中心とした学習をする。 ・指導者と1対1の関係を基礎に、集団を意識しながら活動を行う。 ・意思表示の手段の獲得過程にある。 ④訪問 ・基本的に週3回の訪問を行い、個々の実態に合わせた教育内容を展開する。 (5)自立活動 ①各班とも個別の目標を設定して実施する。 ②学年の担当教員を中心に指導にあたる。自立活動専任スタッフとも協力する。 ③登校後の朝の時間や給食時間を自立活動と位置付け、ストレッチや摂食指導をしている。 5 Ⅰ 本校の概要 (6)2015年(平成27年)度時間割 ①HR(ホームルーム)は学年単位での活動を基本とした。内容としては、特別活動と道徳を行っ た。また、必要に応じて学部全体で行事の事前指導などにあてた。 ②C班は学年を基本に学習活動を行った。ただし、今年度は生徒数の関係から1年と2年との合同 学習も行った。 ③美術、技術・家庭については、A班、B班分けて学習活動を行った。体育、音楽、総合につい てはA、B班合同で行った。 ④訪問については各生徒の実態に合わせた学習内容で授業を行った。 《文責:中学部 杉谷昌彦》 6 Ⅰ 本校の概要 3 高 等 部 (1)高等部の方針(教育目標) たくましく(意) ①将来の社会人として、豊かに生きる力につながる知識と技術を学ぶとともに、主体的に行動できる 力を育てる。 ②いのちを大切にし、健康でたくましいからだと心を育て、新しいことにも挑戦できる力をつける。 ③自分の思いを表現し、集団の一員として、社会のルールを守り、みんなのことも考えられる力をつ ける。 (2)設置課程 ①普通課程・・肢体障がいを主障がいとする課程②生活課程・・知的障がいを主障がいとする課程 コース名 特 色 準拠法 週 3 回の訪問教育を原則としたカリキュラムを学ぶコース 訪問 E コース 自立活動を中心としたカリキュラムを学ぶコース A1 コース 高等学校の学習指導要領に準じ、教科学習を中心としたカリキュラムを学ぶコース 特別支 A2 コース 一部合科学習を含むが、教科学習を中心としたカリキュラムを学ぶコース 援学校 特別支援教育(知的障害)の学習指導要領に基づくカリキュラムを学ぶコース 高等部 特別支援教育(知的障害)の学習指導要領に基づき、自立活動を中心としたカリキュラ 学習指 ムを学ぶコース 導要領 F コース F2 コース G コース 職業コース。F コースの教育課程を基礎とし、現場(企業)実習を多く行なうコース(1 年生は 2 学期よりスタート) *商業課程及び A1コースは現在在籍者はなく、開講していない。 (3)集団編成 ①学級(各クラス)は、普通課程と生活課程で分離。 ②各教科等の学習は、課程ごとに発達段階や障がいの状況で、学習コースを設けて実施している。一 部両課程合同の授業も行っている。 ③教科、領域によっては、学習コースを細分化したり合併して学習したりしている。 (4)設置コース(障がいの状態や発達段階等を考慮して所属を決定する。 ) (5)生徒数・教員数(平成 26 年 1 月 1 日在籍) ①学年・男女・コース別生徒数及び教員数(教員数は再任用教員・部分休業者等含む) 訪問 E A1 男 女 男 女 子 子 子 子 1年 0 0 7 2 2年 0 1 4 3年 0 0 合計 0 1 コース 課程別 1 F F2 G 合 教 計 員 女 男 女 男 女 男 女 男 女 子 子 子 子 子 子 子 子 子 0 0 9 2 9 10 3 2 2 2 48 33 7 0 0 8 1 19 8 6 1 7 1 63 37 3 3 0 0 1 4 24 6 2 2 3 1 49 25 14 12 0 0 18 7 52 24 11 5 12 4 160 95 26 男子 A2 0 25 76 普通課程合計 52 16 生活課程合計 108 7 16 数 Ⅰ 本校の概要 (6)授業展開 ①C(商業課程)コース(現在、開講なし) ②A1コース ・教科は学年単位で高校普通科の科目を実施。 ③A2コース ・教科は学年単位で、障がいの状態・発達段階等に応じたグループで実施。 ④Fコース ・教科は学年単位で、障がいの状態・発達段階等に応じたグループで実施。職業は週6時間実施。 ⑤Gコース ・Fコースの生活の授業4時間を職業に代えて実施。職業の授業は週10時間実施。 ⑥Eコース ・学年単位で授業を展開している。 ⑦訪問教育は生徒個々に応じて取り組み、健康や保健についての内容も含む。 (7)特設自立活動 ・Eコースは、日々の流れを大切にするために2限目または4限目に帯状で実施。 ・A1コースについては1単位時間、A2コースについては2単位時間実施 *それぞれのグループ編成は以下の表を参照(現在の高等部2年生の時間割をもとに作成) クラス 1組 2組 生 課程 3組 活 ランニング・課題 国・数④ 5組 課 程 F(G) F2 コース 4組 6組 普 A2 ランニング④ ことば・かず④ 7組 通 課 A1 程 E 課題学習⑤ A 国語② ことば B 数学② かず④ C 英語① ④ D E 生活(社会・理科、英語、 生活④ 生活などを含む) A 理科② 理科② 自然 B 社会② 社会② 社会② 情報① 情報① C ④ D E 音楽② 学年・課程単位 音楽② ② 音楽② 音楽② 美術② 学年・課程単位 美術② ② 美術② 造形② 体育③ 学年・課程単位 (体育)F との 合同(②)あり 職業⑥ 学部と学年二つの ③ (職業)F との 園芸 合同(②)あり 縫製 ゆとり⑤ 集団がある 作業② 家庭② ⑥ 紙工芸・革工芸・清掃 総合② 食育、行事の事前学習、季節の行事など総合的な学習を行なう。 選択② 部全体のグループで14のとりくみから興味関心のある授業を選択する。 HR① 学年・クラスが主体 《文責:高等部 福田 徹》 8 Ⅱ 各部の取り組み Ⅱ 各部の取り組み 平成 26 年度 1 授業研究について 研究部では全教職員が自主的に研究課題を設定し、その実情や独自性を活かしながら実践的に研 究課題に取り組むことを尊重しつつ、共通認識がより深められるような研究と研修を企画・運営す ることを目標にしている。 これらの目標に従って授業研究に取り組んできたが、今年度より、小学部・中学部・高等部それ ぞれの学部の実態に合わせた形で授業研究を行うこととし、教材や指導事例の情報交換によりお互 いの力量を高め、教育内容の充実を目指してきた。さらに年度末には「実践報告会」を設け、実践 の交流と協議を全校的に行ってきた。 今年度の取り組みについては以下のとおりである。 (1) 研究テーマの設定 全校テーマ 「一人ひとりの子どもを大切にした授業づくり」 (2) 研究教科の設定 研究教科 「ものにはたらきかける授業、作業学習」 ※研究教科は、 「音楽」 「図工・美術」 「体育」 「みる・きく/ことば・かず/国・数」 「ものには たらきかける授業、作業学習」の順番で設定している。 (3)授業研究 ①授業見学 ・実施期間:平成26年6月30日(月)~7月11日(金) 全校の時間割を元に希望を取り授業見学を実施した。 ②研修「指導案の書式と記入上の留意点について」 日時:平成26年9月19日(金) 講師:内山誉利子・奥長康郎(本校指導教諭) ※①②は希望者のみの参加で行われた。 ③各学部での授業研究 《小学部》 ・教科会を毎月1回設定し、授業や教材等の交流を行った。 ・2学期に各クラスやグループで授業研究を行った。 《中学部》 ・2学期に研究授業を行った。 《高等部》 ・各学期に1回ずつ、各学年で5つのグループに分かれて研究を行った。 (生徒の実態把握や指導の連携も含め、教科指導で対応に困っていることにスポットをあ て、各グループで、話し合った内容・結果を簡単にまとめ、記録をとる。その後、研究 部研究係でとりまとめ、各学年へ報告し、授業研究とする。 ) 9 Ⅱ 各部の取り組み (4)実践報告会 研究部が主催する「実践報告会」は本年度で15回目を数える(平成12年度から実施) 。 今年度の研究教科である「ものにはたらきかける授業、作業学習」にかかわる各学部の一年間の 取り組みの中から、1つの実践例を報告する形式で行った。 日時:2015年2月13日(金)16:00~17:00 場所:図書室 内容:今年度の研究教科「ものにはたらきかける授業、作業学習」について、各学部より具体的な 実践例を報告しあい、交流を深める。 《小学部》 ・小学部6年生 齋藤純より 「お米づくりの取り組み」 《中学部》 ・中学部3年生 山田勇史より 生物(人体) ・物理(電気) ○iPad のアプリ紹介「Human Body」 「人体パズル」 「原子核」 ○授業報告 実験「回路の組み立て」 「ティッシュペーパーとストローの摩擦による静電気の発生実験」 《高等部》 ・高等部2年生 岩田佳菜江より 「生徒の個別対応からみる教科へのアプローチをしての授業実践報告」 (5)授業研究係としてのまとめと課題 今年度は全校で研究教科を「ものにはたらきかける授業、作業学習」とした。各部の実情に応じ て年間計画を立て、授業研究に取り組んだ。各学部の行事等に合わせた日程の調整が可能となり、 取り組み内容も、今年度の各学部の必要に応じて設定できた。前年度の課題であった、参加者数の 増加についても一定の成果が見られた。また、年度末には例年同様、全校で年間の取り組みを報告 し合った。他学部の授業内容がわかり、児童・生徒の成長を考えていけるよい機会となったという 意見も聞かれた。次年度も今年度同様に、各学部の実情に応じた形で工夫し、充実した授業研究が 行われるように計画をしていきたい。さらに、小学部・中学部・高等部と学校全体でより連携して 研究が深められる形を目指していきたい。 《文責:研究部 授業研究係 金児エリ》 10 Ⅱ 各部の取り組み 2 小学部 (1)事例報告会 低学年、中学年、高学年のブロックごとで各クラスの全児童について、小学部全体で訪問児童に ついて情報交換をした。各ブロックの報告会は各クラスから2、3人ずつ児童を決め、学期に 1 回 ずつ、計 3 回行い、訪問児童の報告会は 12 月に行った。 各クラスの児童の普段の生活の様子やその児童の長所、関わる時に教師が気をつけることなどを 発表者が中心になって報告し、なるべく参加者全員が話をできるように司会者が工夫をしながら行 った。その結果、毎回のアンケートに「他のクラスの児童の課題やがんばりが知れてよかった。 」 「と ても発言しやすく、楽しい場だった。 」 「ブロックで見るという意識にもつながった。 」という意見が たくさんあった。 (2)教科会 図工、生活、みる・きく/ことば・かず、音楽、体育の5教科について、毎月1回の教科会を行 った。各教科でチーフを決め、チーフが主になって教材交流や教材の整理などを行った。 各教科の取り組み内容は以下のとおりである。 《図工》 4月 ・チーフ、物品購入係の決定 ・教材庫の整理と補充物品のリストアップ ・教材の取り扱いについて、教科担当者から周囲へ指導していくことを確認 5月 ・年間指導計画の交流 1~10組の報告 ・小中美術担当者会の報告 教科での物品購入希望、泉北地区支援学校美術工芸展への参加について 7月 ・教材整理と補充物品の調査 9月 ・泉北地区支援学校美術工芸展への出展について ・2学期に向けての物品購入について報告 ・1学期の反省と課題 ・2学期の取り組みについて ①やりたい気持ちいっぱいなのに、思うように動かせない児童への支援の工夫 ②低学年でいろいろ取り組んできているけれど、図工が苦手な児童への工夫 10月・2学期の取り組み内容の報告 等 11月・各クラスの状況について、レジュメを持ち寄って交流 ①手・腕を動かしにくい児童②姿勢づくりが難しい児童へのアプローチについて ・ 『想いはあるが、身体の面でやりにくさがある児童に対し、どう工夫していくのか?』 各クラスから報告し、自立活動専任スタッフからアドバイスをもらい話し合いを行った 12月・教材庫の整理と補充物品のリストアップ 1月 ・肢体不自由の児童への配慮・授業の工夫について、実践してきたことの報告 ・3学期分購入希望物品について ・泉北地区支援学校美術工芸展への出展については今回は見送りとなった 2月 ・授業での工夫、配慮について(継続) ・来年度図工室の設置を希望 ・小中高美術科で話し合いがもて、各部の窓口、美術科での備品消耗品の購入希望を出すこ とができた 11 Ⅱ 各部の取り組み ・小学部の図工科の目標について、昨年度作成分に造形あそびの素材、使った道具について 追記していく ・今後の方向性については、引き続き取り組み内容を掘り下げて、若い教員と実践が深めら れるような会にしていく 《生活》 4月 ・肥料の在庫確認と購入 ・畑の畝の割り振り 5月 ・予算要望品の決定 ・年間指導計画を元に、取り組み内容を交流 6月 ・肥料、農機具の整理 7月 ・ビニールプールの点検と準備 ・登校日のビニールプール利用調査と割り振り調整 ・ボイラー設備整備(技師同伴)後、説明会 ・1学期の取り組みと2学期の予定を交流 9月 ・ビニールプール利用に関わる反省 11月・生活科の指導について、疑問に思っていることを討議 12月・2学期の事例交流と反省 ・3学期に向けて交流 1月 ・散歩マップに向けて、今年度の散歩の行き先を交流 《音楽》 4月 ・小学部音楽科管理の楽器やその保管場所を確認。整理 5月 ・各ブロックの年間目標を確認。目標設定にあった教材の選び方やグループ編成についてど う考えていくかの交流 ・小学部全体で授業内で校歌を歌うことを確認 7月 ・各ブロックの授業内容の交流。困っていることや悩んでいることの話し合い。 ・教材整理。歌詞カードを50音順に整理。 9月 ・各ブロックの授業内容の交流 ・2学期に授業で使用する予定の楽器を確認。核ブロックでの重なりがないか確認。 ・中学年が行う研究授業についての話し合い。 10月・各ブロックの授業内容の交流 ・小学部にあればよいと思う楽器や教材についての話し合い ・学習発表会で使用した音源を音楽科で保管していく 12月・2学期の授業反省と3学期の計画について ・今後購入を希望する楽器についての話し合い ・音楽の評価について、学習発表会の練習を音楽科として評価するかどうかの話し合い。 歌や楽器の練習が中心となった中学年は音楽科で評価し、台詞や動きを中心に取り組ん だ高学年は音楽科での評価はしないこととした。 1月 ・各ブロックの授業内容の交流 ・卒業式の歌について 2月 ・昨年度にまとめた教科年間目標を意識しながら授業に取り組めたかを反省。 年度初めにしっかりと教科の目標を確認した上で授業計画を立てていくことの大切さを 確認した。 12 Ⅱ 各部の取り組み 《体育》 1学期 ・各ブロックの指導目標、活動内容等の交流。 ・緩急授業の内容の検討。2学期に中学年で行う。友だちと一緒に身体をしっかり動かせ るような活動にしたい。 ・各ブロックの反省 ・2学期の『コロコロ大作戦』に向けて、今年度は体育で練習に取り組んではどうかとい う提案があり、体育科でルールの確認を行った。 2学期 ・授業交流 ○低学年 玉入れ、ジェットスライダーボウリング、傾斜台を使ったボウリング等、低ホールで リトミック ※工夫すること・・・スライダーを使う、マット上で体を動かす等、色々な課題を持 った児童が1つの場で活動を共有できるような取り組み ○中学年 イカイカイルカ、にゃんぷまさつ、しっぽとり ※工夫すること・・・研究授業に向けて、色々な実態の児童が活躍できる取り組みを 工夫 ○高学年 年間を通したダンス(みんなでわっはっは) 、パラバルーンゲーム ※工夫すること・・・待ち時間を減らし、それぞれの児童ができる動きを取り入れる こと。繰り返し取り組むことでルールを理解できるようにする。 ・2学期の反省 ○行事や学習発表会等の関係で、体育館が使えない期間が長かった。特に火曜日は使え ないことが多いので、高学年と体育の日を入れ替えるなどして調整する必要があった。 ○レクリエーション大会の練習を体育の中で取り組んだことで、見通しをもって大会に 参加できた児童が多かった。 3学期 ・3学期の授業交流 ○低学年 2学期後半からしているリトミックは教師、児童共に見通しをもって楽しく取り組ん でいる。 ○中学年 ボッチャ、かけっこ等に取り組んでいる。動きの出にくい児童には難しい内容ではあ るが、ここの児童の課題を教師がしっかり共有して取り組めば、よい活動になるので はないか。 ○高学年 筋肉体操、おしくらまんじゅう、ルールのあるゲームなど。ゲーム活動では、勝ち負 けを意識する、友達を意識する等の、児童に応じた課題を設定している。 《みる・きく/ことば・かず》 4月 ・教材庫の確認 5月 ・年間指導計画の交流 ○低学年 クラス単位で実施。感化に訴えるものなどを中心に。 ○中学年 13 Ⅱ 各部の取り組み 3グループに分けて。人とのやりとりをベースに。 ○高学年 グループに分かれて。電子絵本や iPad の活用。 ・予算要望物品の確認 7月 ・各クラス、グループの実践の交流 ・2学期の教科会の進め方についての確認 低、中、高学年それぞれの実践内容を、3回シリーズで動画や教材など具体物を使って交 流していく。 9月 ・教材庫の整理 10月・高学年の実践発表 発声を促す、じゃんけんのルールを理解する、数を数える、足し算など、実態に応じて 様々な取り組みを行っている。 11月・中学年の実践発表 触覚に訴える教材や実際にからだを動かしてすもうの話を体感する授業の紹介、数の学 習の紹介など。 12月・低学年の実践発表 電子絵本や絵本の内容に即した感覚あそびの実践の紹介、立体的な人形を用いてお話を 展開する授業の紹介など。 1月 ・年間の各クラス、グループの反省 ・今年度の教科会についての反省 昨年の設定した目標の検証ができなかったのが残念であったが、iPad を利用した学習の 話が聞けてよかった。動画や実際の教材を見ながら授業交流ができてよかった。 ◎今年度の全校研究教科は「ものにはたらきかける授業、作業学習」であった。小学部では生活を 研究教科とし、全校の実践報告会で年間の取り組みを報告した。 《2月13日(金)実践報告会》 「お米づくり」の取り組み 小6年(10 組・齊藤) ① 動機、目標 ・身近な作物である「お米」を育ててみたい。 ・6年生でたまたま広いスペースの畑を割り振 ってもらえた。 (教室の目の前に田んぼを作る場所ができた) ・お米を育てる過程で、いろいろ な体験ができる。 (籾播き、田植え、かかし作り、稲刈り、クッキング、… ) ・小学部の最高学 年として少し難しい課題に取り組んでみたい。 ① 10組「生活」の「2014 年度_栽培カレンダー」 4月 お米づくり 他の畑の作物づくり 4/16 籾播き 4/21 トマトの苗植え 4/30 サツマイモの苗植え 5月 (田んぼづくり) 5/7 キュウリ、ナス、ピーマン苗植え 6月 6/2 代掻き+田植え 6/16 じゃがいも芋掘り (水やり、草引き、…) (キュウリ、ナス、トマトなどの収穫) 14 Ⅱ 7・8月 (水やり、草引き、防鳥、…) 7/9 じゃがいもクッキング 9月 9/3 かかし作り (ゴーヤの収穫) 各部の取り組み 9/11 稲刈り 10 月 11 月 10/11 脱穀、籾摺り 10/20 花壇にチューリップ、ビオラ植え 10/15 稲穂のほうき作り 10/24 さつまいも芋掘り 11/12 お米+サツマイモクッキング 12 月 12/17 大根の収穫 ② 「お米づくり」の取り組み内容 <籾播き(苗代)4/16> プランターの底に栓をして、水が溜まるようにして苗代にした。児童がホースで水を入れ、土をど ろんこになるまでシャベルで掻き混ぜたあと、籾をパラパラ播き、その上に軽く土をかけた。 (籾は インターネットで取り寄せた。 ) <田んぼづくり> 水の管理が一番むずかしい問題で、いろいろな情報があったが、結局少し深く耕し、周囲を田んぼ 用のプラスチック製波板(畦波シート)で囲うことで、かなり水を溜めることができた。水道水に 頼る必要があるので、あまり大きくしないで、3m四方程度にした。 <代掻き・田植え 6/2> 立位のとれる児童は裸足で田んぼに入り、レーキやスコップで代掻き・苗植えした。立位のとれな い児童は、田んぼに長椅子を置き、教師が後ろから抱きかかえて座り、苗植えした。 <水やり・草引き> 一日5分程度、水道水で水やりした。 (児童も一部、昼休みなどに教師と一緒に水やりした)雨水を バケツやポリ製ゴミ箱等に溜めることも試みた。 草引きは小さい田んぼなので、手作業でした。病気や害虫の被害もそれほどなかった。 <防鳥、…> 早生の品種で7月下旬には稲の出穂(しゅっすい)が始まり、8月に入ると実りはじめた。スズメ が沢山来るようになった。キラキラテープなどで防鳥したが、あまり効果なく、ネットをかけるこ とにした。8月下旬には倒伏(とうふく)が起こり始めた。 <かかし作り 9/3> 夏休みで、かかし作りが間に合わず、9月に入ってすぐにかかしを作った。 (7月から準備しておく べきだった。かかしの効果は…?) <稲刈り 9/11> 9月に入ると稲刈りできるような状態で、田植えから3ヶ月ほどでの稲刈りになった。 (かかしは一 週間ほどの活躍に終わった)鎌で、手作業で刈り取りした。 <脱穀、籾摺り(もみすり)10/11> 脱穀(穂から籾を外す作業)は、櫛・割り箸・牛乳パックなど様々な方法で試みた。籾摺り(籾か ら籾殻を取る作業、脱稃(だっぷ) )は、すり鉢にソフトボールでこする方法が一番効率的だった。 籾殻と玄米をより分けるのに、 「唐箕(とうみ) 」という古い道具を藤井寺支援に貸していただいた。 児童が授業で取り組んだのは収穫したお米のごく一部で、残りは農家の方に依頼して精米していた だいた。全部で13合になった。 (9㎡で約 2kg) <稲穂のほうき作り 10/15> 籾を取った後の稲穂の茎で、小さな「ほうき」を作った。学習発表会の作品展に出品し、 「一休さん」 の舞台発表でも使った。 15 Ⅱ 各部の取り組み <クッキング 11/12> とれたお米でご飯を炊いて、おにぎりを作った。おいしく出来て、みんなで食べることができた。 (サツマイモの茶巾絞りと一緒に作った。 )残ったお米は、児童1人1合ずつ程度、家に持ち帰った。 (家でおかゆなどにして食べたとの連絡があった。 ) ③ 反省とまとめ ・児童にとって、新しい体験がいろいろできたことは、とてもよかった。 (近くに農家や田んぼなど もないので、とても新鮮な教材だった。 ) ・稲作には素人ばかりで、田植えから収穫まで何とかたどり着けたが、専門家や経験者からのアド バイスが得られればもっとよかったと思う。 (籾も小粒で、面積当たりの収穫量は全国平均<10 ㎡ 当たり 4~5kg>の半分程度だった。 ) ・水の確保や田んぼの土の管理も難しく、今後につなげるには課題も沢山あった。 (3)年間指導計画とまとめ 各教科の担当者で計画とまとめをデータ入力・保存し、1部のみ冊子を作成した。冊子は6年間 保存する。 (4)授業研究 ①授業見学:6月30日~7月11日に全校授業見学の期間を設定し、希望制で実施した。 ②研修「指導案の書式と記入上の留意点について」 :9月19日・9月24日 本校の指導教諭が講師となり、新しい指導案についての研修を行った。 ③研究授業(2学期) 各クラスまたは学習グループで9月の指導案の研修を元に指導案を作成し、 研究授業を行った。 ○1組 (1年・2年) 図工:10月17日(金) ○7組 (5年) 生活:12月 8日(月) ○8組 (5年) 図工:10月 8日(水) ○9組 (5年) 図工:12月17日(水) ○4・5・6組(3年・4年) 体育:12月 2日(火) ○4・5・6組(3年・4年) 音楽:12月18日(木) 16 Ⅱ 各部の取り組み 「図工」学習指導案 府立堺支援学校 指導者 安田 朱里 1.日時 2.場所 平成26年12月17日(水) 第2・3時限(10:00~11:30) 第5学年9組 教室 3.学部・学年・組 小学部 第5学年(9組) 4名 4.単元名 ダンボール紙素材あそび「クリスマスリースをつくろう」 5.単元目標 ・加工するなかで質感の変化に気付く ・道具を使ったり、材料に触れたりする活動に意欲的に取り組む 6.児童観 9組には男子2名、女子2名、計4名の児童が在籍している。独歩が可能な児童、車いすでの移動を 主としている児童がいる。また、手の操作面では、物を指先でつまんだり握ったりできる児童、興 味のある物には自分から手を伸ばして触れたり握ったりできる児童、教師の介助で物に触れたり握 ったりできる児童といったように実態はさまざまである。 触れた質感によっても “もっと触りたい” といった表情や発声をしたり、 “これは苦手”といった不快な表情や発声をしたりといった様子が見 られる。9組では今までに和紙や CD-R、発砲スチロール等の素材を使って授業をおこなってきた。 また、活動のなかで電熱線カッターやアイロン等といったさまざまな道具を用いて活動をおこなっ てきた。これまでの授業の様子から、9組の児童は今後もさまざまな質感の材料に触ったり、握った りすること、道具を使う経験を積んでいくことのできる授業を展開していきたい。 7.教材観 9 組では、 『素材を感じわける』 、 『主体的に表現してつくり出す喜びを味わう』 、 『より多くの道具 の使い方を知り、慣れる』ことを 1 年間の目標としている。本単元では、日常生活のなかで身近に あるダンボール紙を使用する。ダンボール紙は切る、折り曲げる、破る、剥がす等、児童でも簡単 に加工することができる。また加工する際にはカッター等の道具を使用する機会もある。ダンボー ルを切ったり、剥がしたり等の素材遊びをおこなうことにより、児童が質感の違いを楽しみながら 且つ道具も使用できる教材としてダンボール紙は適していると考える。 8.指導観 指導するにあたって、それぞれの児童が個々の力を発揮し、意欲的に活動に取り組めるように支 援をすることが重要であると考える。児童が自分で触れることによって質感の変化に気付くことが できたり、道具を使って自分の思ったように表現したりできるようにするために、児童が素材と向 き合う時間を大切にしたいと考えている。 また、 道具を使うことでさまざまな道具の使い方を知り、 正しく道具を使うことのできる知識を身につけることができるよう指導することも大切である。児 童が道具を使う際には怪我の無いように十分注意しながら授業を展開したい。 9.単元の評価規準 関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技能 知識・理解 ①変化していくダンボー ル紙の質感や感触に注意 ①ダンボール紙を切ろ うとする、破ろうとす ①自分が置きたいと思 ったところに物を置く ①道具の使い方を知 る。 を向けようとしている。 ②自分や友だちの作品に ることができる。 ②ダンボール片や飾り ことができる。 ②道具を使うことがで ②道具の使い方を理解 している。 注目しようとしている。 等の配置場所を意識す ることができる。 きる。 17 Ⅱ 各部の取り組み 10.単元の指導と評価の計画(全10時間) 評価規準 次 時 学習内容 関心・意欲 思考・判断 技能 知識 ・態度 ・表現 ・理解 ① ① ② ①② ② ①② ①② ② ①② ①② 素材(ダンボール紙)に触れる ①ダンボールカッターを使って切る 第 一 ②表面の紙をめくって片面ダンボー 4 ル紙をつくる 次 ③手で破る リースをつくる 第 二 ①円形のダンボール紙に片面ダンボ 4 ール紙を貼る 次 ②絵の具で着色する ③スプレーを使って飾りに着色する 第 三 次 第 四 次 ・リースを飾る 1 (本時) 自分で飾りを選んでリースに接着す る ・鑑賞 1 ①できあがった作品を飾りつける (本時) ②クリスマスの音楽を聴きながら作 ② 品を鑑賞する 11.本時の展開 (1) 本時の目標 ①自分で飾りの配置場所を決め、置くことができる。(思考・判断・表現)(技能) ②グルーガンを使って飾りを接着することができる。(技能)(知識・理解) ③自分や友だちの作品に注目することができる。(関心・意欲・態度) (2) 本時の評価規準 ①自分で飾りの配置場所を決め、飾りを置くことができる。 ②グルーガンを正しく持って、飾りを接着することができる。 ③自分や友だちの作品に注意を向けることができる。 (3) 本時で扱う教材・教具 前時でつくったリース、飾り(ベル・綿・着色した松かさ)、グルーガン、LED チェーンラ イト、クリスマス音楽 CD 18 Ⅱ 各部の取り組み (4) 児童生徒の実態と本時の目標 児童生徒の実態 A 左利き。両手を使って物を操 本時の目標 評価方法 ①自分が飾りを配置したい場 ①手に持った飾りをリースの 作することができる。発声や動 所に飾りを置くことができる。 上に置くことができる。 作で気持ちを表出することが ②道具を正しく使うことがで ②火傷に注意しながら、グルー できる。活動の見通しが持てな きる。 ガンを握って接着剤を搾り出 いと不安になり、怒ったり泣い ③自分や友だちの作品に注目 すことができる。 たりしてしまうが、活動に見通 することができる。 ③自分や友だちの作品に注意 しが持てると落ち着いて取り を向けることができる。 組むことができる。 B 左利き。左手のみで物を操作 ①飾りを握り、リースの上に置 ①自分から飾りを持ち、リース することが多い。興味のある物 には自分から手を伸ばして触 くことができる。 ②道具を正しく使うことがで の上に置くことができる。 ②教師と一緒にグルーガンを れたり、握ったりすることがで きる。 持ち、接着剤が出てくることに きる。 ③自分や友だちの作品に注目 注目することができる。 することができる。 ③自分や友だちの作品に注意 を向けることができる。 C 左利き。左指は自力で動かす ことができ、声かけで握った ①飾りを掴み、リースの上で離 すことができる。 ①教師の声かけで指先を動か して飾りを掴んだり、離したり り、力を緩めたりすることがで ②道具を正しく使うことがで することができる。 きる。左腕は伸ばす、自分のほ きる。 ②教師と一緒にグルーガンを うへ引き込む動きをすること ③自分や友だちの作品を飾り、 握ることができる。 ができる。周りの声や音をよく クリスマスの雰囲気を楽しむ。 ③展示スペースに注意を向け 聞いており、視線を移したり、 口を動かしたりして自分の気 ることができる。 持ちを伝える。 D 右利き。手元にある素材を指 先で引っかくように触ること ①飾りを握り、リースの上に置 くことができる。 ①自分から飾りを持ち、リース の上に置くことができる。 ができる。一緒に握る等の介助 をおこなうと自力で腕を動か ②道具を正しく使うことがで きる。 ②教師と一緒にグルーガンを 持ち、接着剤が出てくることに そうとすることができる。 ③自分や友だちの作品を飾り、 注目することができる。 クリスマスの雰囲気を楽しむ。 ③展示スペースに注意を向け ることができる。 (5) 本時の学習過程 時間 5分 導 入 学習内容・学習活動 指導上の留意点及び支援のてだて等 評価規準・評価方法 ・あいさつをする ・実際につくったものを見せながら ・自分や友だちの作品に注目し ・前時の振り返りをす る 振り返りをおこなう ようとしている。(関心・意欲・ 態度) 19 Ⅱ 40分 各部の取り組み ・リースに飾りをつけ ・実際に一度飾りを配置し、児童が出 ・ 自 分 で飾 りの 配置 場所を 決 る 来上がりのイメージを膨らませるよ め、飾りを置くことができる。 展 開 ・飾りの配置場所を決 める うにする ・火傷に注意しながらグルーガンを (思考・判断・表現)(技能) ・グルーガンを正しく持って、 ① ・グルーガンを使って 持たせるようにする 飾りを接着することができる。 ・作品が出来上がった児童から必要 (技能)(知識・理解) 接着をする 40分 ・休憩 に応じてお茶やトイレを済ませる ・展示スペースに作品 ・展示したい場所を自分で決め、作品 ・自分でリースの展示場所を決 を飾る を置くように促す め、リースを置くことができ 展 開 る。(思考・判断・表現)(技能) ・作品を鑑賞する ・音楽や電飾でクリスマスの雰囲気 ② ・自分や友だちの作品に注目し をつくり、展示した作品に注目を向 ようとしている。(関心・意欲・ けられるようにする 5分 ま ・本時、本題材のまとめ ・それぞれの児童の頑張りを発表し を聞く あう と め 態度) ・今後の活動に意欲的に向かえるよ ・あいさつをする うな声かけをする (6)教室配置等(正面を上にして、児童生徒や教員の位置、準備した教材・教具の位置、配置等 を示す。 ) 【展開①】 黒板 S A C D S M B 【展開②】 黒板 作品展示スペース C A S M B D S 《文責:研究部 授業研究係 金児エリ》 20 Ⅱ 各部の取り組み 3 中学部 1 授業研究 (1) 「理科」学習指導案 府立堺支援学校 指導者 山田 勇史 1.日時 2.場所 平成26年10月8日(水) 第3時限( 10:50 ~ 11:30 ) I 教室 3.学部・学年・組 中学部 A1班(第1学年~3学年合同クラス) 4名 4.単元名 「静電気を起こしてみよう」 5.単元目標 ・静電気にどのような性質があるのかを理解する。 ・静電気の力の規則性を理解する。 6. 生徒観 A1班は主に教科書に沿った授業展開をしている。教科書にはすでに小学校で学習した内容を基盤 として説明されている箇所があるが、 生徒の中に小学校にあまり通えていなかった生徒もいるため、 既に学習したものとするのではなく、その部分を補う必要がある。教科書に書いてある文章を読む ことはできるが、そこに書いてある現象や実験内容を読むだけで理解するのは難しいため、実演し て視覚的な支援から理解する必要がある。 授業中の発問に対しては、 積極的に答える生徒が多いが、 集中力を持続させる工夫は必要である。また教師とのやり取りが盛り上がると、自分の発言が中心 となり人の意見を聞かなくなる傾向があるので、発言したことを見逃さずキャッチし、生徒が何を 言ったのかを別の生徒に伝える必要がある。 7.教材観 静電気は日常良く見られる現象である。本時は発生方法や 2 種類の電気(正と負)が存在するこ となど、静電気の性質について学習したい。発生の原理については iPad(タブレット端末)のアプリ を用いて、原子を具体的にイメージし、摩擦する物質の間で起こっている現象を理解する。またス トローに電荷を帯びさせ、ストロー同士が近づいたり、離れたりする現象を観察し、2種類の電気 が存在することを理解する。教科書に書いてある実験を実際に再現し、観察する集中力を養う。静 電気を理解することで、落雷といった自然現象に興味をもち、科学の面白さを感じてほしい。 8.指導観 静電気は体験的に知っていたとしても、 なぜその現象が発生するかを理解している生徒は少ない。 電気は普段目にする事がほとんど無いので、教科書の文章だけではなかなかイメージしにくい。そ こでパソコンのアニメーションを用いたり、 実験観察をしたりすることで、 より理解しやすくなる。 また前で実演することで、集中力を欠くことなく、問題に取り組むことができる。授業中に出てき た疑問は全員でシェアし、みんなで考えることで協調性も育てたい。動作や発言に時間のかかる生 徒もいるので、しっかり配慮し、全員が活躍できる環境設定を行う。 9.単元の評価規準 自然事象への 科学的な思考・表現 観察・実験の技能 自然事象についての 関心・意欲・態度 知識・理解 ・日常生活で見られる静 ・実験の結果から、静 ・静電気を発生させ、 電気による現象に興 電気による力の規 はたらく力の規則性 ・静電気による力の規 則性について理解 味をもち、具体例を指 摘しようとする。 則性を指摘するこ とができる。 を調べる実験を行う ことができる。 21 し、知識を身につけ ている。 Ⅱ 各部の取り組み 10.単元の指導と評価の計画(全7時間) 評価規準 次 第 時 学習内容 自然事象への 科学的な 観察・実験の 自然事象につい 関心・意欲・態度 思考・表現 技能 ての知識・理解 ○ ○ 本時 静電気を起こしてみよう ○ ○ 2 電流の正体は何か ○ ○ 一 次 ○ 第 二 3 導線を流れる電流 ○ 次 11.本時の展開 (1) 本時の目標 ・静電気が発生する仕組みは原子同士の摩擦であることを理解する。 ・静電気には正と負の 2 種類があり、同種の電気は退け合い、異種の電気は引き合うことを知る。 (2) 本時の評価規準 ・実験観察から静電気の力が2種類あることを理解する。 (3) 本時で扱う教材・教具 教科書、板書プリント、TV、パソコン (4) 生徒の実態と本時の目標 生徒の実態 A 本時の目標 評価方法 ・ 実験を観察し、静電気には2 ・ 日常生活で見られる静電気に 種類の力が存在することを よる現象に興味をもち、具体 知る。 ・ はっきりと大きな声で発表 例を指摘しようとする。 ・ 実験の結果から考えられるこ 的に取り組む。集中力はあり、 する。 興味をもつ内容ならば、長時 ・ 自分の言いたいことをしっ とをしっかり発言できる。 ・ はっきりと周りにも聞こえる 集団の中にいると緊張して しまい、声が小さくなったり、 話すのにかなりの時間がかか る。興味があることには意欲 間同じ作業ができる。 B C かりと相手に伝える。 ように発表できている。 落ち着きがなく集中力が続 ・ 実際によって発生した静電 ・ 静電気を発生させ、はたらく かない。しかし発問にはかな り積極的に答えるため、クラ 気の規則性に気づき、発表 する。 力の規則性を調べる実験を行 うことができる。 スでは良いムードメーカーで ある。質問をすると、その答 ・ 周りの生徒と授業中にコミ ュニケーションがとれる。 ・ 他の生徒の意見を聞いたりし て、周りをしっかり見ている えとは別に、自分の知ってい ・ 日常のどの場面で静電気の ることをよく話す。D とゲーム 力を感じるか連想し、発表 の話でよく盛り上がる。 する。 人の話しをよく聞き学習意 欲はかなり高い。前回に学習 した内容を忘れていることが ・ 静電気の力が2種類あるこ とに気づく。 ・ 質問された内容に対して、 22 か。 ・ 静電気による力の規則性につ いて理解し、知識を身につけ ている。 Ⅱ 多々ある。記号で答える質問 自分が知っていることを整 に対して、単語の名前を言っ 理してから発言する。 各部の取り組み ・ 前回学習した内容をしっかり 覚えている。 たりと、質問の意図を把握で きていないことがある。文章 題の問題になると式を立てる ことが難しい。 D 小学校で学習した内容に関 ・ ストローが離れたり、近づ ・ 実験の結果から、静電気によ して、やったかやっていない いたりする結果から、2種類 る力の規則性を指摘すること かをよく覚えている。しかし、 の静電気が存在し、規則性 ができる。 その内容の結果までは覚えて があることを理解する。 いない。自分が分かる質問に ・ 他の生徒の意見を聞いたりし ・ 周りの生徒の意見をしっか 対しては自信をもって答え りと聞く。 て、周りをしっかり見ている か。 る。学習意欲は高いが B とゲ ームの話で盛り上がると集中 力が切れることがある。 (5) 本時の学習過程 時間 学習内容・学習活動 指導上の留意点及び支援のて だて等 5分 ・ 始まりの挨拶をする。 ・ 本時の予定を伝え、見通し ・ 疑問を投げかけた時に積極 をもちやすくする。 導 ・ 本時の流れを聞く。 入 の発生場所、発生動作につ え、人の意見を聞くように 待つなどで授業に参加して いるかを判断する。 促す。 いて質問する。 ・ 教科書で確認する。 的に答えているか。意見が 出にくい生徒は指名する、 ・ 発言した答えを全体に伝 ・ 日常生活で見られる静電気 評価規準・評価方法 ・ 人の意見をふまえているか ・ 教科書に載っているもの 意外でも静電気の発生を ・ 落雷やガスコンロの自動着 確認することができるの で、たくさん発言を促し、 火装置にふれ、それらが静 電気によるものであること 静電気のイメージを膨ら ませ、身近なものであるこ を確認する。 とを理解するよう促す。 23 を確認する。 Ⅱ 30分 展 開 ・ iPad(タブレット端末)のア 各部の取り組み ・ 実験をした後、パワーポイ ・ 実験の結果から、静電気に プリを用いて、目に見えな ントでもう一度起こった よる力の規則性を指摘する い原子のモデルを提示し、 摩擦による静電気が発生を 現象を確認し、実験内容 や、実験の結果を覚えてい ことができる。 具体的にイメージする。 るか確認する。またもう一 ・ 静電気による力の規則性に ・ 〔実験〕ストローとティッ シュペーパーを摩擦し、静 度静電気の性質について ついて理解し、知識を身に 確認する。 つけている。 電気を発生させる。その後 ストロー同士、ティッシュ ・ 静電気とは帯電した物体 に静止している電気であ ペーパーとストローを近づ ることを学習する。 け、静電気が2種類あること を実験から理解する。 5分 ・ 学習した内容について、質 問する。 をしていない生徒を中心 ま と ・ 全体を通してあまり発言 ・ 静電気の発生方法・規則性 を理解している。 に指名する。 ・ 終わりの挨拶をする。 ・ 周りの意見をしっかり聞い め ている。 ・ 連絡帳を書く。 (6)教室配置等(正面を上にして、幼児児童生徒や教員の位置、準備した教材・教具の位置、配 置等を示す。 ) 黒板 教師 TV 教卓 A B C 24 D Ⅱ 1 静電気 ◇ 静電気の発生◇ ・この世の中に存在する物体はすべて( ・ ( 各部の取り組み )と( ・物体どうしをこすり合わせると( )からできている。 )の数は同じである。 )の電気を帯びた電子が移動し静電気が起こる。 [実験]図のように消しゴムにゼムクリップをさし、ストローA をティッシュでこすって、 ゼムクリップにかぶせる。 ①ストローB をティッシュでこすり、 ②こすったティッシュをストローA に ストローA に近づけるとどうなるか? 近づけるとどうなるか? [結果] ①ストローAとストローBが( ) ②ストローAとティッシュが( ) ☆この実験から電気の性質について3つのことがわかる☆ ①( ) ②( ) ③( ) 25 Ⅱ 各部の取り組み (2)授業研究当日の反省会より 10 月 10 日(金)、J 教室で中学部の研究授業の反省会を行いました。授業の映像を観ながら、山田 から授業の概要、生徒の様子を説明していただきました。 「日頃からテーマとして、 『理科』を身近 なものとして捉えることができるように授業を組み立てています。今回は、今までの積み重ねより 『静電気』を扱い、起こりから他のものにも関心が芽生えてほしいと授業を設定しました。ポイン トとしては、実験を行ったり iPad で映像を見たりすることで、実際には目に見えないものをイメ ージし、身近に捉えることができるようにしました。 」と説明がありました。 授業を見学された先生方からは、 「理科という教科の他教科とは異なる面白さを感じました。生徒 と一緒に学びたくなりました。 」 「実験に興味を持って取り組んでいる生徒の予想・発見・驚き・喜 びの表情が見られて良い授業でした。 」 「生徒に自由に話をさせているかのようだが、一線を越える ことなく、本題に近づけていたと思います。 」 「iPad の利用で、視覚的な教材のよさ、分かりやすさ、 映像の効果を感じました。自分の授業でも活かしていきたいと思います。 」 「場面の切り替えや集中 してとりくむための改善点もあったと思います。 (不要な物は片付ける等)端的に結論づけた方がよ いと思います。 「授業の改善点も自分にも言えることであるので、 」 参考にしたいと思います。 」 など、 たくさんの感想やご意見をいただきました。 2 中学部部内研究 中学部では、部内研究として教科会と授業研究を行った。教科会を持つことで、より教科の実態 把握ができ、授業研究・実践報告会の準備をスムーズに進めることができた。 (1)第 1 回教科会について (平成 26 年度 部会より) ○1 学期中に各教科で集まって教科会を行う。日程・時間が難しい場合は、前後してもかまわない。 ○各教科で話し合われた内容を各教科のフォルダに入れる。内容は、1 学期を終えて。2 学期に向 けて・・・その他どんな内容でもいいので、フォルダ「第 1 回教科会」に入力する。 ○7 月 8 日(火)16:45 に、今年度の授業研究のテーマに該当する教科「ものにはたらきかける授業、 作業(自活(て) 理科 社会 技術・家庭 総合 生活 朝の会)」で集まり、授業研究・実践報告 会に向けて話し合う。場所は後日。 ・授業研究: 「授業研究教科・日程・内容」について ・実践報告会(2月13日(金)予定): 「報告教科・報告内容」について (2)部内研究について 授業研究(2 学期実施)の教科の持ち回りについて 平成 26 年度 部会より 昨年度までは、 「音楽」 「ずこう、美術」 「体育」 「ことば・かず」 「ものにはたらきかける授業、作業 学習」の順番で行っていた。(今年度は「ものにはたらきかける授業、作業学習」)となっている。 各教科を5つのグループに分け、グループ内で相談をして授業研究の教科を決定する。 ☆「ものにはたらきかける授業」の解釈 →中学部では、今まであたっていない授業とする。 音楽・・・音楽 うた・リズム みる・きく ↓ ずこう、美術・・・ふれる・つくる ↓ 美術 26 Ⅱ 各部の取り組み 体育・・・体育 からだ 自活(からだ) ↓ ことば・かず・・・自活(ことば) ことば・かず 国語 英語 数学 ↓ ものにはたらきかける授業、作業(中学部では、①から④以外の教科と解釈する) ・・・自活(て) 理科 社会 技術・家庭 総合 生活 朝の会 の順で毎年まわることとする。今年度は、理科:山田が担当した。 3 実践報告会(全校 2 月) 各年のグループの教科から報告する。 担当教科・発表内容は各年の持ち回り教科内で相談し進める。 今年度は理科:山田が実践報告を行う予定。 《文責:中学部授業研究・部内研究係 高岡明子》 27 Ⅱ 各部の取り組み 4 高等部 (1)部内研究 生徒の実態把握や指導の連携も含め、 日頃の教科指導で対応に困っていることにスポットをあて、 研究したいと考える。 ○教科としてのアプローチからみる生徒指導のあり方 ○生徒の個別対応からみる教科へのアプローチ ○教材の研究 などをテーマに各学年で5つのグループに分かれて、研究を行った。 研究は、学年会で協議内容が少ないときに30分程度時間をそれに充てた。回数としては、学期に 1回を目安として、①6~7月頃に1回、②12月頃に1回、③1月に1回(まとめ会)とする。 各グループで、話し合った内容・結果を簡単にまとめ、記録をとる。その後、研究部研究係でとり まとめ、学年会で報告した。また、実践報告会を2月13日(金)に行った。 (2)研究グループについて 研究グループとは、F・F2・A1・A2・E のグループのことである。 授業研究は、下記の授業に該当するものとし、本年度は網掛け部分が研究の対象教科となる。 研究の対象教科の主担者はその研究グループに入っていただき、対象教科の主担者でない方は、ど のグループで研究を行うか希望をとる。 F・・・・ 「物に触れる」 ⇒生活・職業 「体育」 「音楽」 ⇒体育 ⇒音楽 「ことば・かず」⇒国・数 「美術」 ⇒美術 F2・・・ 「物に触れる」 ⇒生活・職業 「体育」 ⇒体育 「音楽」 「ことば・かず」⇒ことば・かず ⇒音楽 「美術」 ⇒美術 A1・・・ 「物に触れる」 ⇒理科・社会・家庭科 「体育」 ⇒保健・体育 「ことば・かず」⇒国語・数学・英語 「音楽」 ⇒音楽 「美術」 ⇒美術 A2・・・ 「物に触れる」 ⇒生活・作業 「体育」 ⇒保健・体育・自立活動「ことば・かず」⇒国・数 「音楽」 ⇒音楽 E・・・・ 「物に触れる」 ⇒自然社会 「体育」 「音楽」 「美術」 ⇒自立活動 ⇒音楽 ⇒美術 「ことば・かず」⇒ことば・かず 「美術」 ⇒造形 を 5 ヵ年で研究し、全校のテーマ「一人ひとりの子どもを大切にした授業づくり」を継承して いく。 (3)実践報告 高等部 2 年生Fグループより、実践で役立てた授業内容について報告した。 <文責:高等部 研修研究係 上西晶子> 28 Ⅱ 各部の取り組み Ⅱ 各部の取り組み 平成 27 年度 5 授業研究について 研究部では全教職員が自主的に研究課題を設定し、その実情や独自性を活かしながら実践的に研 究課題に取り組むことを尊重しつつ、共通認識がより深められるような研究と研修を企画・運営す ることを目標にしている。 これらの目標に従って、小学部・中学部・高等部それぞれの学部の実態に合わせた形で授業研究 を行い、教材や指導事例の情報交換によりお互いの力量を高め、教育内容の充実を目指してきた。 年度末には「実践報告会」を設け、実践の交流と協議を全校的に行う計画をしている。 今年度の取り組みについては以下のとおりである。 (1) 研究テーマの設定 全校テーマ 「一人ひとりの子どもを大切にした授業づくり」 (2) 研究教科の設定 研究教科 「音楽」 ※研究教科は、 「音楽」 「図工・美術」 「体育」 「みる・きく/ことば・かず/国・数」 「ものには たらきかける授業、作業学習」の順番で設定している。 (3)授業研究 ①授業見学 ・実施期間:平成27年6月29日(月)~7月10日(金) 全校の時間割を元に希望を取り授業見学を実施した。 ②各学部での授業研究 《小学部》 ・教科会を毎月1回設定し、授業や教材等の交流を行った。 ・各クラスやグループで授業研究を行った。 《中学部》 ・各学期に1回教科会を行い、生徒に関する情報共有や授業内容に関する意見交換 等を行った。 ・今年度の研究教科である「音楽」の授業研究を行い、授業研究後に反省会を行い、 反省会で出た意見の中から、課題を見つけ、その課題を克服する為の手立てをア ンケートにし、そのアンケート結果を部内で共有した 《高等部》 ・各学期に1回ずつ、各学年でのグループ研修を行った。 (生徒の実態把握や指導の連携も含め、教科指導で対応に困っていることにスポットをあ て、各グループで、話し合った内容・結果を簡単にまとめ、記録をとる。その後、研究 部研究係でとりまとめ、各学年へ報告し、授業研究とする。 ) 29 Ⅱ 各部の取り組み (4)実践報告会 研究部が主催する「実践報告会」は本年度で16回目を数える(平成12年度から実施) 。 今年度の研究教科である「音楽」にかかわる各学部の一年間の取り組みの中から、実践例を報告 する形式で行う計画をしている。 日時:2016年2月19日(金)16:00~17:00 場所:図書室 内容:今年度の研究教科「音楽」について、各学部より具体的な実践例を報告しあい、交流を深め る。 《小学部》 ・小学部低学年:永岡、中学年:桑尾、高学年:木曽より 「各ブロックの音楽の取り組み」 《中学部》 ・中学部1・2年生:中筋、草山より 「中学部1・2C うた・リズムの取り組み」 《高等部》 ・高等部2年生:諸石より 「F、F2、A2、3コース3様の取り組み」 (5)授業研究係としてのまとめと課題 今年度は全校で研究教科を「音楽」とした。昨年度より、各部の実情に応じてそれぞれの学部で 年間計画を立て、授業研究に取り組んできた。各学部の行事等に合わせた日程の調整ができ、参加 者数が増加してきたことにより、多くの意見交換が行われ、新たな課題や今後深めていきたい研修 内容についても話し合うことができた。また、年度末には例年同様実践報告会を行い、全校で年間 の取り組みを報告し合う予定である。他学部の様子を知り、3年間・6年間・12年間を通した児 童・生徒の成長を考えていけるよい機会にしたいと考える。次年度は今年度の研修で得られた成果 を引き継いで、各学部の実情に応じた形で工夫し、充実した授業研究が行われるように計画をして いきたい。さらに、小学部・中学部・高等部と学校全体でより連携して研究が深められる形を目指 していきたい。 《文責:研究部 授業研究係 金児エリ》 30 Ⅱ 各部の取り組み 6 小学部 (1)事例報告会 今年度も昨年度に引き続き、低学年、中学年、高学年のブロックごとで各クラスの全児童につい て、小学部全体で訪問児童について情報交換をした。各ブロックの報告会は各クラスから1、2人 ずつ児童を決め、年にそれぞれ計4、5回行い、訪問児童の報告会は 12 月に行った。(今年度は、 昨年度の反省を受け、児童の人数と時間の都合で、報告会の回数が多くなった。 ) 今年度も各クラスの児童の普段の生活の様子やその児童の長所、関わる時に教師が気をつけるこ となどを発表者が中心になって報告し、なるべく参加者全員が話ができるように司会者が工夫をし ながら行った。今年度は、高学年のブロックの報告会で性教育についての報告もあった。 今年度は年度末にまとめてアンケートを行った。 「他クラスの子どものことが分かり、参考になっ た。 」 「教員みんなが気軽に発言できる雰囲気が定着したと思う。 」 「児童の具体的な様子や取り組み の紹介から「性教育」として全体への問題提起が出てきたことはよかった。 」という意見がある一方、 「今後も児童の話をざっくばらんにできる場は設定してほしいが、回数が多くて大変だったので、 発表、報告のテーマを決めるという意味で研究授業の反省の時などに実態等を一人一人報告すると いうのもよいのではないか。 」という意見や日程の改善についての意見もあった。これらの意見を参 考に来年度どのようにしていくか検討したい。 《文責:研究部 事例報告会係 神矢 正和》 (2)教科会 図工、生活、みる・きく/ことば・かず、音楽、体育の5教科について、毎月1回の教科会を行 った。各教科でチーフを決め、チーフが主になって教材交流や教材の整理などを行った。 各教科の取り組み内容は以下のとおりである。 《図工》 4月 ・チーフ、物品購入係の決定 ・教材庫の整理と補充物品のリストアップ担当の決定 ・教材の取り扱いについて、図工担当者から周囲へ指導していくことを確認 ・中学部、高等部の美術科との連携について確認 5月 ・年間指導計画の交流 1~9組の報告 ・ 『H.25 年度図工会~まとめ~』についての確認 低学年・中学年・高学年の目標と具体的な活動の方向性についてと、発達段階に幅のある 児童への個別の指導目標との関連について確認をした 6月 ・授業交流等 (5組)泡遊びではおろし器を使って固形石鹸を細かくし、食紅で色をつけ布で泡を作って 遊んだ取組みが紹介された。他クラスから泡を沢山作る工夫など意見交流ができた (8組)いろいろな種類のはさみやスライダー式カッター、シュレッターなどで“紙を切る” ことを個々に合わせて継続している取組みを紹介 (7組)紙遊びからぬたくり遊び、のりのつけ方貼り方など、みんなで作ることは意識でき、 友だちからも学べるように円になって行った“スワンボート”づくりの取組みを紹介 (4組)発泡スチロールを割ったり色をつけたりして、音や様々な感触を感じ取る取組みを 紹介。視覚障がいのある児童を含めた“描くこと”の活動について問題提起された 31 Ⅱ 各部の取り組み 7月 ・教材整理と補充物品の調査と教材庫の整理 ・授業交流等 (1組)身体全体を使っての感触遊びを紹介。今までにない声や表情など新たな児童の発見 ができたことが報告された (2・3組)ころがし絵の取組みから、図工が苦手な児童へのアプローチの仕方を紹介。苦 手なことは短時間で取組み、継続すること。繰り返し行うことの効果を確認しあった。 (9組)トイレットペーパー粘土を使っての魚作りの紹介。 “イメージづくりをどうおこなう か”で意見交流ができた。 9月 連絡・検討事項、取り組みの確認 ・アクリル絵具の使い方について:児童への感触遊びなどで間違って使用しないよう周りへ の注意喚起 ・2学期取り組みたいこととして、新しい素材や技法などの紹介や研修があげられた 11月・泉北ブロック美術工芸展への出展について確認と検討 12月・教材整理 ・2学期の反省と課題 ・児童の実態が多様で、どの様にすればみんなで楽しみながら取組めるのか、目標の内容 や設定に悩んでいる ・低学年は感触遊びの延長で作品を作ることが多い。十分に感触遊びに取組むと、作品が つくりにくい ・低学年で感触遊び中心の取組みをすることで、中・高学年になるにしたがってどの様に なっていくのか ・ 「海」というテーマを決め、イメージ作りを丁寧に行い、ぬたくりや塗り絵などにも取組 むことで、実態に幅がある集団でも“みんな”で取組めた。 ・学期毎にテーマをもち、繰り返し取組むことで成果が見えるようになった ・道具を使って“切る”ことに継続的に取組んでいる 1月 ・3学期の予定等の交流 《生活》 4月 ・チーフ決め、メンバーの顔合わせ ・教材確認 ・肥料の在庫確認と購入 ・畑の畝の割り振り 5月 ・ 「生活科」の目標の確認 ・予算要望品の相談 ・年間指導計画を元に、取り組み内容を交流 ・さんぽマップの相談 6月 ・ビニールプールの点検と準備、計画 ・家庭科室使用簿のついて ・肥料代の割り振り ・さんぽマップの作製 7月 ・ビニールプールの計画 ・給湯ホース接続作業 ・授業の情報交換 ・さんぽマップ完成 夏季休業 ・ビニールプール実施(7月登校日)と片付け ・次年度へ向けての確認作業 9月 ・ビニールプールの反省、アンケートのまとめ、今後の応相談 ・各クラス授業の情報交換 ・研究授業の予定相談 10月・教材整理等(学習発表会準備のため、会議はもたず、各担当で教材整理のみ行った) 11月・次年度の予算要望の相談 ・畑の割り振りについて(畑を一部高等部に譲るかどうかを相談) ・各クラスの授業交流 ・研究授業の参観、反省会 12月・小学部の畑について(一部を高等部に譲ること、全体で草引き作業をすることを部会で提 32 Ⅱ 各部の取り組み 案する) ・追加予算の使い方について ・授業研究の参観、反省会 1月 ・作業日を設けて、小学部全体で畑の草引き作業を実施 ・年間の生活科の活動記録について ・研究授業、各クラス授業の情報交換 《音楽》 4月 ・チーフ決定 ・教材確認 ・小学部音楽科管理の楽器やその保管場所を確認。整理 5月 ・教科の目標について ・年間指導計画の交流:各ブロックの年間目標を確認 ・年間の使用曲を年度末にリストアップし、今後の選曲の参考にすることを確認しあった ・研究授業の進め方 7月 ・1学期の反省 ・各ブロックの授業内容の交流 9月 ・授業交流 ・各ブロックの授業内容の交流 ・歌詞カードの整理 ・各クラスの視聴覚機器の状況と、修理する物品・処分する物品の確認を行った 10月・授業交流 ・各ブロックの授業内容の交流 11月・備品アンケート:小学部にあればいいと思う備品についての話し合い ・視聴覚機器の整理:不要な視聴覚機器の処分を行った 12月・2学期の反省 ・実践報告会(研究部)の発表内容について ・小学部にあればいいと思う消耗品の話し合い 1月 ・各ブロックの授業交流 ・実践報告会(研究部)の各ブロックの内容の確認 《体育》 4~6月・年間指導計画を確認 ・体育科の目標を確認し、年間目標として統一 ○友だちとの関わりを楽しむ中で簡単なルールを知る ○体を動かす様々な活動をする ○体力・筋力の向上を図り、健康の保持・増進を図る』 ・体育科の物品を確認 ⇒スロープ横、エレベーター前、倉庫 ・予算で要望する品物を検討 ⇒ブラインドボール、大きな風船、キンボール、 体操やふれあい遊びのDVD 7月 ・1学期の授業交流&2学期に向けて ・各ブロックの取組み、反省などを報告 ・レクレーション大会<コロコロ大作戦>に向けて、ゲームのルールを確認 ⇒2学期の体育で練習 9~11月・2学期の授業交流 ⇒各ブロックの取組み、反省などを報告 《みる・きく/ことば・かず》 4月 ・チーフ決め ・教材の確認 ・必要物品(予算要望)の確認 5月 ・教科の目標について ・年間指導計画の交流(ブロック毎にグループ編成とねらい等と取り組み予定を確認) 33 Ⅱ 各部の取り組み 低学年・・・学年で実施。1つの単元にじっくり取り組む 中学年・・・ブロック内をねらいで4グループに編成 高学年・・・学年で実施。6年生は更にグループと個別の編成 6月 ・今後の教科会の取り組み予定を組む ・年間目標について文言の統一を3学期に部会提案 ・教科名について検討( 「ことば・かず/みる・きく」 ) ・2学期は実践報告を行う ・教材整理等 7月 ・ブロック毎に1学期の取り組みについて報告、反省と課題 ・欠席のため積み重ねが難しい ・グループ毎の実施のため、他グループの実施がむずかしい ・授業時間数の不足を感じる児童もいる 9月 ・授業交流等 ・村田によるによる、パネルシアター講座 ⇒実践と教材の紹介 10月・授業交流等 ・中学年の実践報告(iPad による映像で2グループ報告) ・自分のテーマソングがあり、名前よびの前にテーマソングを流す取組みや感覚刺激に訴 える教材、友だちとの関わりにねらいをおいた取組みを実施している ・初任の授業研究(ことばかずで実施) 11月・授業交流等 ・初任の授業研究(ことばかずで実施) ・低学年の実践報告 ・物語の世界を体験し、人とのやりとりや意思表出をねらいにした取組みを実施している 12月・高学年の実践報告 全グループを映像で報告。教科書で教科学習や、やりとりを含めた数の学習、物語の世界 を体験しながら、やりとり経験する学習に取組んでいる。子どもの発想から授業が展開す ることもあった 1月 ・教科の目標について 《文責:研究部 教科会係 平石 久美子》 (3)年間指導計画とまとめ 各教科の担当者で計画とまとめをデータ入力・保存し、1部のみ冊子を作成した。冊子は6年間 保存する。 (4)授業研究 ①授業見学:6月29日~7月10日に全校授業見学の期間を設定し、希望制で実施した。 ②研究授業 各クラスまたは学習グループで、指導案を作成し、研究授業を行った。各教科の教科会担当者を 中心に授業見学を行い、アドバイザーを招いて反省会も行った。 また、今年度は、自立活動部と連携して、スーパーバイズの活用も行い、2・3組、4組、7組 の授業について、大阪大谷大学の小田教授よりアドバイスを頂いて、授業改善を行った。 ○2・3組 ○4組 (2年) (3年) みる・きく:10月23日(金) 生活:12月10日(水) 34 Ⅱ ○5組 (4年) 生活: 1月28日(木) ○4・5・6組 (3・4年) 体育:12月17日(水) ○7組 ○8組 (5年) (6年) 生活: 1月19日(火) 音楽:10月15日(木) ○9組 (6年) 図工:10月26日(月) 各部の取り組み 【研究授業指導案① 今年度の研究教科「音楽」 】 「音楽」学習指導案 府立堺支援学校 指導者 1.日時 平成27年10月15日(木) 第5・6時限( 13:40 ~ 14:30 ) 2.場所 第6学年8組 教室 安田 朱里 3.学部・学年・組 小学部 第6学年(8組) 6名 4.単元名 「リズムにあわせてからだを動かそう」 5.単元目標 ・いろいろな音楽に親しむ ・音楽に合わせて楽しみながら身体を動かす ・音楽に合わせて口を開けたり、声を出したり、歌ったりする 6.児童観 8組には男子3名、女子3名の計6名の児童が在籍している。独歩が可能な児童、歩行器や介助歩行 で歩行が可能な児童がいる。意思表示の方法としては、発声やコミュニケーションカードを用いて 相手に伝えることができる児童である。 本クラスでは授業中や日々の生活の中で児童たちが関わることによって互いに影響を与え合い、 共に成長していく姿が見られる。 また、 アニメーションや風景等の映像や音楽が好きな児童が多く、 様々な場面で TV に映された映像や音楽に集中して見たり聴いたりすることができる。また、児童は 音楽の授業をはじめ、様々な授業でたくさんの音楽に触れてきている。自分や周りの友だち、教師 が出す音に耳を傾け、自分なりの方法で歌ったり、楽器を鳴らしたりすることができるようになっ てきている。これまでの経験を活かして、今後もさまざまな音や楽器に触れる機会をたくさん作る ことができる授業を展開していく。 7.教材観 本クラスは高学年ということもあり、1学期から外国の音楽に触れる機会を多くもってきた。他教 科の授業内でも英語の曲を使用しており、日本語以外の歌にも興味をもつことができるようになっ てきている。日本だけではなく世界各国の音楽に触れることで、使用されている楽器の音色やテン ポの違い等を感じることができると考える。季節の歌を取り入れることで、季節の雰囲気を味わう ことができる。リズムあそびでは、リズムを活かしたあそびを取り入れることによって、よりリズ ムを意識できるようになると考える。 8.指導観 児童一人ひとりが音やリズムを感じることができ、どの児童も楽しみながら意欲的に活動に取り 組めるような指導や支援をおこなうことが重要であると考える。 そのため、 『やきいもグーチーパー』 ではじゃんけんパネルを使用して、児童全員が友だちと楽しくじゃんけんができるように配慮した り、タイミングよくパネルを出すことができるように児童の実態に応じて「じゃんけんぽん」のか け声の速さや声の調子を工夫する。また、本クラスには難聴の児童も在籍しているため、 『コロブチ カ』や『If You’re Happy』では TV を使用し、聴覚的だけでなく、視覚的にも情報を取得できるよ 35 Ⅱ 各部の取り組み うにすることで、どの児童も楽しみながら活動できるようにする。 9.単元の評価規準 関心・意欲・態度 思考・判断・表現 ①曲や映像に興味を持 技能 知識・理解 ①流れている曲や映像 ①曲や歌を聴く姿勢が ①じゃんけんのルール ち、発声したり歌った を観て授業のはじまり 身についている。 がわかって勝敗を考え り、踊ろうとしてい を意識することができ ②曲の途中で、身体表現 ることができる る。 る。 をすることができる。 ②リズムを意識し、タイ ②教師のかけ声やリズ ミングよく拍打ちを ムに合わせてじゃんけ しようとしている。 んパネルを出すことが できる。 10.単元の指導と評価の計画(全2時間) 評価規準 次 時 学習内容 関心・意欲・ 思考・判断・ 態度 表現 技能 知識・理解 ① ① ・ 『コロブチカ』の映像を見たり、 友だちと踊ったりする。 ・ 『はじまりのあいさつ』をする。 1 第 (本時) ・ 『はじまりの歌』を歌う。 ・季節の歌『やきいもグーチー ① ①② パー』を聴いたり、歌ったりし 一 て曲に親しみ、友だちとじゃん 次 けんをする。 ・英語版『しあわせなら手をた 1 (本時) たこう』の曲に合わせてリズム 打ちをする。 ② ② ・ 『おわりのあいさつ』をする。 11.本時の展開 (1) 本時の目標 ①外国の曲やダンスを観たり聴いたりして興味を持つ。 ②リズムを感じ、違いを意識しながら楽しく身体を動かす。 ③曲に合わせて手拍子をしたり、友だちと触れ合う。 (2) 本時の評価規準 ①普段聞きなれない曲や歌詞に興味を示すことができる。 ②リズムにのって歌を歌ったり、タイミングよくじゃんけんができる。 ③2拍目と3拍目の拍打ちでタイミングよく手拍子したり、足踏みしたり、声を出すことが できる。 (3) 本時で扱う教材・教具 歌詞カード『はじまりのうた』 『やきいもグーチーパー』 、じゃんけんパネル、TV、iPad、ギター 36 Ⅱ 各部の取り組み (4) 児童の実態と本時の目標 児童の実態 A 本時の目標 評価規準 発声や動作で気持ちを表出 ・テレビの映像や曲に興味を持 ・映像や曲に興味を持ち視聴し、 することができる。活動の見 通しが持てないと不安にな ち、身体を動かして踊ることが できる。 踊ることができる。 り、怒ったり泣いたりしてし まうが、活動に見通しが持て ・かけ声に合わせて友だちとじ ・教師の支援でじゃんけんのかけ ゃんけんをする。 声に合わせて、パネルを持つ腕を ると落ち着いて取り組むこと ができる。音楽に合わせてか 動かすことができる。 ・楽しく踊ることができる。 らだを前後に揺らして踊るこ とができる。 B ・自分なりの方法で、声を出した り身体を動かして踊る。 介助歩行、SRC 歩行が可能。 ・友だちとじゃんけんをする。 友だちの様子を見たり、自分 ・教師のかけ声に合わせてじゃん けんのルールがわかってできる。 から関わろうとする。歌が好 きで、じっと聞き入ることが ・曲や歌に興味を示し静かに聴 く。 ・曲に集中して聴くことができ る。 ある。リズムの良い曲では、 SRC ウォーカーに乗り笑顔で ・自分なりの方法で、手を叩い ・曲の途中で、身体表現に切り替 たり足踏みをしたり、声を出す。 えて拍打ちができる。 ピョンピョンしたり、歩いた りする。鈴やマラカスを振っ ・楽しく踊ることができる。 ・ロシアのダンスを見て身体を揺 らして踊ることができる。 たり、バチを握り続けて打楽 器を鳴らすなど、楽器に応じ た使い方がわかって音を鳴ら すことができる。 C 発声や動作で気持ちを表出 ・テレビに映し出された世界の ・曲に興味を持ち、聴くことがで することができる。高い音や 踊りの映像に興味を持ち、見る アップテンポな曲が特に好き ことができる。 で、曲に合わせて声を出し、 歌う様子が見られる。興味の ・自分なりの方法で声を出し、 ・声を出し、身体を動かして踊る 身体を揺らして踊る。 ことができる。 ある楽器には自ら手を伸ば ・友だちとじゃんけんするとき ・教師の支援を受けて、じゃんけ し、指先で触れたり、掴んで 手を出すことができる。 振ったりすることができる。 特に鈴、太鼓、マラカスの音 きる。 んのかけ声にあわせ手を出すこ とができる。 色を好む。 D 発声や身振りを用いて気持 ちを表出することができる。 初めに周りの児童や教師の様 ・興味を持って音や映像を視聴 ・曲に興味を持ち聴くことができ し、自分から踊る。 ・授業の始まりを意識すること る。 ・気持ちを整えて着席できる。 子を見ると、楽器の使い方が ができる。 わかり、鳴らすことができる。 ・教師のかけ声に合わせて友だ ・じゃんけんのルールがわかりじ 教師の動きを模倣しながら音 楽に合わせて踊ることができ ちとじゃんけんをすることがで きる。 ゃんけんができる。 る。 ・外国語の歌に興味を示す。 ・タイミングよく手拍子をした り、足踏みができる。 37 Ⅱ E 姿勢保持不可。筋緊張によ 各部の取り組み ・教師の動きに自分の動きを沿 ・教師が足や腕を支えて、手を叩 る不随な動きがあるが、友だ わせて、手を叩いたり、足踏み いたり足踏みをしたり、声を出 ちや教師の様子を見て同じよ うに活動しようとする。活動 したりできる。 す。 ・リズムに合わせてじゃんけん ・じゃんけんのルールがわかって の内容はよく理解して取り組 パネルを提示し、友だちとじゃ 教師と一緒にパネルを提示でき もうとする。曲の違いを理解 んけんをする。 る。 し、テンポの良い曲を好む。 SRC ウォーカーや介助立位な ・曲や歌に興味を示し静かに聴 く。 ・曲に集中して聴くことができ る。 どでダンスをすることができ る。 ・楽しく踊ることができる。 ・SRC ウォーカーでロシアのダン スを踊る。 バチを握り、腕を振って打楽 器を叩くことができる。鈴や マラカスなどを振り鳴らすこ ともできる。 F テレビにとても興味を持って ・声を出し、身体を動かして踊 ・テレビに映し出された世界の踊 いて、長時間集中して視聴す ることができる。 りの映像を見て、授業のはじまり ることができる。 を意識する。声を出したり、身体 気に入った曲に合わせて、膝 を揺さぶり踊る。 を曲げ、肩を上下させて、リ ・歌にあわせて、友だちと握手 ・曲に興味を持ち、聴くことがで ズムをとることができる。 することができる。 曲に合わせて声を出し、歌う ・友だちとじゃんけんすること ・教師の支援受けて、じゃんけん 様子が見られる。 ができる。 のかけ声にあわせ、じゃんけんす 鈴やマラカスを振ったり、バ チを振って打楽器を鳴らした りすることができる。 きる。 ることができる。 ・歌のことばの違いを感じるこ ・ことばの違いを感じることがで とができる。 きる。 (5) 本時の学習過程 時間 学習内容・学習活動 指導上の留意点及び支援のてだて等 評価規準 5分 ・世界の踊りを視聴する ・授業開始までの間、TV を観たり、 ・曲や歌を聴く姿勢が身につい 『コロブチカ』(ロシア) 踊ったりするように促す。 ている。 (技能) 導 入 ・音や映像を視聴して自分なりに踊れ ・普段聞きなれない曲や歌詞に るように肘や腕を介助する。 興味を示すことができる。(関 心・意欲・態度) ・はじめのあいさつをす ・当番が前に出てはじめのあいさつを ・発声したり、歌ったりしてい る できるように介助をおこなう。 ・はじまりの歌をうたう ・当番が一人ひとりと握手ができるよ うに、座っている児童側は当番に手を 伸ばす声かけや介助をおこなう。 38 る。 (関心・意欲・態度) Ⅱ 15分 展 開 各部の取り組み ・季節の歌をうたう ・じゃんけんで出すものを自分で三択 ・リズムにのって歌を歌ったり、 『やきいもグーチーパ の中から選べるように声かけや提示 タイミングよくじゃんけんがで ー』 をして促す。 きる。 (関心・意欲・態度) (思 考・判断・表現) ① ・じゃんけんのルールがわかっ て勝敗を考えることができる。 (知識・理解) 10分 休憩 ・児童の必要に応じてお茶やトイレを 済ませる。 15分 ・リズムあそびをする ・リズムに合わせて手拍子や足踏み等 ・2拍目と3拍目の拍打ちでタイ 展 開 『If You’re Happy』 ができるように肘を支える、足に触れ ミングよく手拍子したり、足踏 る等の介助をおこない、児童の動きを みしたり、声を出すことができ ② 促す。 る。 (関心・意欲・態度) (技能) 5分 ・本時のまとめを聞く ・それぞれの児童の頑張りを発表しあ ま と う。 ・おわりのあいさつをす ・当番が前に出ておわりのあいさつを め る できるように介助をおこなう。 (6)教室配置等(正面を上にして、児童生徒や教員の位置、準備した教材・教具の位置、配置等 を示す。 ) 【展開①】 M B A C D E F S S S S 【展開②】 M E A C D B F S S S S 39 Ⅱ 各部の取り組み 【研究授業指導案②】 小学部4組は、学部の中でも重度の障がいを有する児童が多い集団である。その集団特性故に対 大人の関わりが主になりがちである。そのような中、せいかつの授業では、1年間を通して、集団 の中での子どもたちの成長を促しながら、友だちの存在への意識を高めたり、友だちとの関わり合 いを深めていくというねらいで取り組んだ。 授業を進めるにあたって、いくつかの疑問点が出てきたため、1学期後半に自立活動スーパーバ イズを利用してアドバイスを頂き、授業改善を行った。 ○スーパーバイズで相談したこと ①身体障がい、知的障がいが重度である児童集団において、子ども同士の関係を深めていくために 有効なアプローチ方法。 ②上記の児童への指導の際に、友だちに対する意識を深めていく、等の目標に対して、具体的な評 価を行うための適切な規準。 ○スーパーバイズでもらったアドバイス ①についてのアドバイス ○教員同士のミュニケーションが大切 ・教員同士が楽しみながらコミュニケーションすることでモデルを示すことで、子どもたちの周り 対する意識づけや、他者に対する肯定的な感覚を育てることにつながる。冒険の場面では、次の 人に交代する時に、 ST同士がハイタッチしてみせるなどして、 次の人を意識できるようにする。 そこから、子ども同士でのバトンタッチの仕方を工夫し、子ども同士での活動を取り入れてみて はどうか。 ○相互主観的な関わりを ・教員が、児童を介助するという認識ではなく、その児童の動きを共有する相互主観的な関わりが 大切である。そうすることで、児童の小さな変化に気づいたり、発表時の代弁が変化してくる。 また、児童が教員の代弁を聞くことで、その気になったりすることもある。STの問いかけにM Tが一緒に答えたり、お母さんの登場にSTも一緒に喜ぶなど、積極的に関わることが大切。 ②についてのアドバイス ST が相互主観的な関わりをすることにより、児童の細かな反応を ST が感じることができる。こ まかな児童とのやりとりの中で ST が児童を評価していくことが必要になってくる。 「自立活動(せいかつ) 」学習指導案 大阪府立堺支援学校 指導者 井上 妃呂子 1.日時 2.場所 平成27年12月10日(木) 第2・3時限(10:10~11:10) 第3学年4組 教室 3.学部・学年・組 小学部 ・第3学年4組 5名 4.単元名 「どんぐりころころ」 5.単元目標 ・お話を集中して見聞きし、お話の世界を味わう ・集団の中で自分の意思や気持ちを表現する経験を積む ・友だちを意識し、手と手で触れ合う経験を積む 6.児童生徒観 4組の通学籍の児童5名は、医療的ケアを必要とする児童が4名、他1名の児童も移動には車椅 40 Ⅱ 各部の取り組み 子を用いており、日常生活も全介助が必要であり、全員が重度の心身障がいを有する児童の集団で ある。 コミュニケーションでは、 全員が自分なりの方法で呼名や問いかけに返答することができる。 障がいが重度であるために、対大人の関わりが主になり、友だちへの意識や、子ども同士の関わり が生まれにくい状況がある。 そのような中で、子ども同士の関わり合う力を育てるために、1学期から、 “自分自身が周囲から 肯定的に受け止められていることを感じること”またそのことを通して、 “友だちを肯定的な存在と して認識すること”を目標に取り組んできた。友だちのことを感じたり考えたりする時間を持つ中 で、友だちの表現に注目したり、友だちの様子を見て感じたことを教師と共有したりする様子が見 られるようになってきた。また、友だちに注目される中で、自分の意思を表現する力が一層ついて きている様子が見られる。一方で、友だちとの適切な関わり方ができずに教師が止めてしまう場面 も見られる。 そのようなことから、友だちへの意識をより高めていくこと、集団の中で自分を表現したり友だ ちの表現を受けとめたりする力をより一層つけていくこと、友だちとの適切な関わり合い方を経験 していくことが目標とされる児童集団である。 7.教材観 4組の児童はお話や歌が好きで、絵本の読み聞かせや歌を集中して見聞きする様子が見られる。 上記の実態と課題がある児童に対して、親しみやすいお話と歌でお話の世界を味わうこと、また お話を楽しんだ後に、お話遊びの中で登場人物になって友だちと適切に関わり合う場面を設定して いきたい。 題材には、児童が必ず聞いたことがある「どんぐりころころ」の歌詞を基にアレンジを加えたお 話をペープサートで行う。寂しくて泣いたどんぐりが同じように泣いているどんぐりと出会い、一 緒に遊ぶ中で寂しい気持ちが楽しいに変化する内容とし、友だちと一緒に何かをすることの意義を 少しでも感じられるような内容にしていきたいと考え、この題材を設定した。 8.指導観 お話では、難聴の児童がいるため、視覚的にも分かりやすい方法としてペープサートで行う。ま た、視覚障がいのある児童もいるため、ペープサートの動きや声色等、できるだけ多くの感覚刺激 に訴えかけられるようにし、集中を高め、お話の世界を味わえるようにする。ペープサートの後の お話遊びでは、どんぐりの役を児童が担い、どんぐりが転がる場面では教師の介助で回転イスに座 って回転の刺激を受け、全身の感覚を用いて取り組むようにする。そのことで全身の覚醒を高める と共に、どんぐりの役に入り込みやすくなるようにする。その後、お話の中で二人のどんぐりが行 った「みんななかよし」の手遊びを実際に行う。この活動を通して、手と手の触れ合いの経験を積 むと共に、お話に即して、 “一緒に遊ぶことで楽しい気持ちになる”という流れを体感し、手と手の 触れ合いに対して肯定的な意識を育てていきたい。 この単元では、自立活動の視点においては、内容区分「4、人間関係の形成(1)他者との関わ りの基礎に関すること」をねらいとして指導していきたい。 41 Ⅱ 各部の取り組み 9.単元の評価規準 関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技能 知識・理解 ①集中してペープサー ①お話遊びの際に、教師 ①手に触れられる刺激 ①お話の流れを理解し、 トを見聞きしようと の問いかけに対して意 に対して、力を抜いて受 触れ合い遊びに臨む体 する。 思を伝えることができ け入れることができる。 制をとることができる。 ②お話遊びに意欲的に 取り組もうとする。 る。 ②友だちの手に触れよ ②クラス全体の触れ合 ②ふれあい遊びの後に、 うとすることができる。 い遊びの際に、友だちや ③友だちとのふれあい 遊びに意欲的に取り 教師と一緒に感想を発 集団に注意を向けるこ 表することができる。 とができる。 組もうとする。 10.単元の指導と評価の計画(全6時間) 評価規準 次 時 学習内容 思考・判断・表現 技能 知識・理解 ② ① ① ① ③ ② ② ② 関心・意欲・態度 第 一 「お話を知ろう!」 1 ① 次 「どんぐりになってみよ 第 二 う!」 2 次 「どんぐりの友だちを作 第 3 三 (3-3が 次 本時) ろう!」 11.本時の展開 (1) 本時の目標 ・触れ合い遊びに意欲的に取り組む ・集団の中で自分の気持ちや意思を表現する (2) 本時の評価規準 ・触れ合い遊びの際に、友だちの手に触れようとする ・触れ合いあそびの後に、教師と一緒に感想を発表することができる (3) 本時で扱う教材・教具 ・学習カード ・ペープサート ・歌詞カード ・回転椅子 ・音源 (4) 児童の実態と本時の目標 児童の実態 A 本時の目標 評価規準 視覚障がいがある。両股関節や肘関節 ・触れ合い遊びに意欲的 ・触れ合い遊びで、友だちに向 脱臼のため、関節可動域がせまい。関 に取り組む。 わりに対し、快の場合は力を抜いて受 かって、教師と一緒に力を抜い て手を伸ばすことができる。 42 Ⅱ 各部の取り組み け入れる。瞬きや舌の動きで意思表示 ・ふれあい遊びの後に、 ・近くにいる教師の問いかけに をする。友だちの話題についても積極 感想を発表することがで 答えながら、活動の感想を述べ 的に答える等、周囲への意識は高い。 B きる。 る。 両股関節脱臼による痛みのため、身体 ・触れ合い遊びに意欲的 ・触れ合い遊びで、友だちに向 を動かす感覚に非常に敏感である。瞬 に取り組む。 かって、教師と一緒に力を抜い きや口の動き、時には発声によって意 て手を伸ばすことができる。 思表示をする。友だちからの関わりで ・ふれあい遊びの後に、 ・近くにいる教師の問いかけに も、優しく触れられると落ち着いて受 感想を発表することがで 答えながら、活動の感想を述べ け入れる様子が見られる。一方で、音 きる。 る。 刺激に敏感なため、友だちが不快な音 を出すと嫌な気持ちを教師に訴えるこ ともある。 C 笑顔や発声で“YES” 、険しい表情や手 ・触れ合い遊びに意欲的 ・触れ合い遊びで、友だちの手 を払う動きで“NO”を伝える。友だち に取り組む に向かって自分の手を伸ばし と関わりたい気持ちが強く、床上では て触れる。 寝返り等で友だちの側まで移動し、手 ・ふれあい遊びの後に、 ・近くにいる教師と相談しなが で触れる様子が見られる。力の加減は 感想を発表することがで ら、活動の感想を述べる。 難しい。 D きる。 何事にも意欲的に取り組む。意欲と共 ・触れ合い遊びに意欲的 に筋緊張も高まるため、緊張状態をコ に取り組む。 ・触れ合い遊びで、友だちに向 かって、教師と一緒に力を抜い ントロールすることが課題である。笑 て手を伸ばすことができる。 顔や表情で意思を伝える。問いかけに ・ふれあい遊びの後に、 ・近くにいる教師の問いかけに 対しては必ず自分なりの答えを伝える 感想を発表することがで 答えながら、活動の感想を述べ 等、やりとりにも意欲的に臨む様子が きる。 る。 見られる。友だちへの意識は高い。 E 聴覚障がいがあり、補聴器を使用して ・触れ合い遊びに意欲的 ・触れ合い遊びで、友だちの手 いる。一定時間以上座っていることは に取り組む。 苦手である。気持ちの波が大きい。感 に向かって自分の手を伸ばし て触れる。 覚遊びが好きで、大人に遊びを求める ・ふれあい遊びの後に、 ・近くにいる教師と相談しなが ことができる。大人に対する意識が強 感想を発表することがで ら、活動の感想を述べる。 いが、最近友だちの様子を見たり、手 きる。 で触れようとする様子も見られるよう になってきた。力加減が難しい。 43 Ⅱ 各部の取り組み (5) 本時の学習過程 時間 学習内容・学習活動 15 ①はじ まりのあいさ ①授業の始まりを意識できるように ①当番に注目する。 つをする。 する。 ②本時 の学習内容を ②カードを用いて視覚的に分かりや ②説明を見聞きする。 導 確認する。 すいように工夫する。 入 ③「す てきなともだ ③歌っている友だちが分かるよう ③・自分の歌の際に、呼名に対して ち」を歌う。 に、写真カードを用いて提示する。 返事をする。 分 指導上の留意点及び支援のてだて等 評価規準 ・友だちの歌の際に、その友だちに 意識を向けたり注目したりする。 35 分 ①ペープサート ①・全ての児童にお話の雰囲気が伝 ①・ペープサートに集中する。 「どんぐりころころ」 わるように、ペープサートの動き、 ・歌の場面で、教師と一緒に手拍子 お話の声量や声色等を工夫する。 展 開 をしたり、身体を動かしたり声を出 ・お話の楽しい雰囲気が感じられる したりする。 よう、 「どんぐりころころ」の歌を盛 り込みながら進める。 ②お話あそび ②・ 「やりたい人?」の問いかけを行 ②・問いかけに対して自分なりの方 「どんぐりころころ」 うことで、意欲を促し、意思表示の 法で意思表示をする。 場面を設定する。 ・回転では、身体の状況に応じて身 ・リラックスして回転の刺激を受け 体的支援を調節しながら、安全に行 入れたり楽しんだりする。 えるようにする。 ・待っている児童が教師と歌を歌う ・歌の場面で、教師と一緒に手拍子 ことで、全員が活動に参加し続けら をしたり、身体を動かしたり、声を れるようにする。 出したりする。 ・触れ合い遊びを行うことで友だち ・力を抜いて手と手の触れ合いを受 への適切な触れ合い方を経験できる け入れる。 ように、適宜言葉かけ等で活動の評 ・自ら友だちに対して手を伸ばす。 価をしていくようにする。 ・自ら友だちの手に触れようとする。 ・ふれあい遊びの後に感想を発表す ・一緒に活動をした教師を相談しな る場面を設定する。 がら感想を発表する。 ・最後に全員で触れ合い遊びをする ・触れ合い遊びをしながら集団全体 ことで、一体感を感じられるように を意識する。 する。 10 ①みん なの前で授業 ①・カードを選択することで発表内 ①・カードを選ぶ。 分 の中で 楽しかったこ 容を選べるようにする。 とを発表する。 ・サブティーチャーと一緒に発表す 発表する。 るようにする。 ②終わ りのあいさつ をする。 ・授業の終わりを意識できるように ②当番に注目する。 する。 ま と め 44 ・サブティーチャーと相談しながら Ⅱ 各部の取り組み (6)教室配置等(正面を上にして、児童生徒や教員の位置、準備した教材・教具の位置、配置等 を示す。 ) ついたて(学習カード・歌詞カードを貼る) ペープサートのパネル MT 回転イス A ST B ○ C ST D ○ ST E ○ ST スーパーバイズを活用し、授業改善を行いながら1年間のせいかつの授業を行った。授業中での 児童の変化としては、友だちの様子をじっと見つめたり、優しく手に触れたりという意識の仕方や 関わり方ができるようになってきている。 また、授業以外の場面でも、友だちへの興味関心が高まっている様子が感じられる。友だちの活 動に興味を持つことで、一人の活動が全体の活動に広がったり、友だちと同じことをしたい、とい う思いから活動の幅が広がっている児童もいる。そのような様子から、障がいが重度である集団に おいても、友だちを意識したり関わりを深めることを通して、個々の成長と集団としての成長が随 所に見られた。今後もそのような視点で指導を深めていきたい。 《文責:研究部 授業研究係 金児エリ》 45 Ⅱ 各部の取り組み 7 中学部 1 授業研究 (1) 「3C うたリズム」学習指導案 指導者 教諭 T1高岡 明子 教諭 T2小島 良平 教諭 T3、T4、T5、T6、T7、T8 1. 日 時 平成 27 年 10 月 5 日(月) 第 3・4 校時 (10:50~11:30) 2. 場 所 図書室 3. 対 象 中学部 4. 単元名 5. 単元設定の理由 ① 生徒観 本グループは、男子7名、女子4名、計11名からなる3年生の学習グループである。教師は 8名(うち2名が音楽担当)で担当する。7名は車椅子で移動し、ウォーカーでの歩行が可能な生 徒もいる。吸引など医療的ケアが必要である生徒が在籍し、常に健康状態への配慮が必要である。 4名は不安定ではあるが独歩で移動することができる。本グループの生徒は、自分の思いを言葉 として表出することが困難なため、自分の要求や気持ちを視線、発声、表情、ゆび指しを組み合 わせて周囲とのコミュニケーションを図っている。また、どの生徒も音楽に合わせて体を動かす ことを楽しみにしている。運動面での制限がある生徒もいるが、支援の方法を工夫することで音 楽に合わせて身体を動かしたり、楽器に触れ親しんだりすることができる。実物や絵・写真が用 意されている場合、自分から手に取って選択することができる生徒もいる。興味・関心は個々の 生徒により異なるが、授業の流れに見通しを持ち、落ち着いて取り組むことができるようになっ た。音楽を介した集団活動の中で、さまざまな表現方法の体験を通して信頼関係を深め、生徒自 身のコミュニケーション力を更に高めていく。 3年 C 班(12名) 「季節を感じて表現しよう」 ② 教材観 ・ 「バスにのって」 (作詞作曲:谷口國博)では、音源とともに映像を使用し、音楽や映像に合 わせて楽しい雰囲気を味わえるよう取り組む。 ・ 「もみじ」 (作詞:高野辰之、作曲:岡野貞一)では、歌い聞かせをしながら、模造紙の木 に生徒一人一人が紙で作った落ち葉を貼り、 より具体的に歌詞の理解を深められるよう工夫した。 ・ 「トーンチャイムとツリーチャイム(器楽) 」では、5 音音階(移調されたヨナ抜き音階)を 使用する。音楽療法の観点から、教師や友だちと一緒にトーンチャイムとツリーチャイムの演奏 を体験する。自然の音(川のせせらぎや鳥の声)の中で、個々の出す音の一音一音、または全体 の音の響きを味わう。教師や友達を意識し、信頼関係を深める。生徒自身のコミュニケーション 能力を高め、生徒自身が満足感や達成感が得られるように取り組みたい。 46 Ⅱ 各部の取り組み ③ 指導観 本単元の授業では、 毎回同じ流れで学習活動をすることにより見通しが持てるようにしている。 「バスにのって秋の散策に出かける」といったストーリー性を感じられるよう「バスにのって (身体表現) 」と「もみじ(歌い聞かせ) 」と「合奏」(トーンチャイムとツリーチャイム)の3 曲を続けて学習する。 「トーンチャイムとツリーチャイム(器楽) 」では、5音音階(移調さ れたヨナ抜き音階)を使用し、独特な響きを味わう。自分の奏でる音や友達の奏でる音を意 識し、友達との一体感を味わうことができるようサポートする。 6.単元の目標 ・音楽に合わせて身体を動かしたり声を出したりする。 ・好きな楽器を選び、音楽にのって元気よくリズムを刻む。 ・音楽の雰囲気を感じ取り、自分らしい表現方法で表現する。 ・さまざまな表現方法を通して、コミュニケーション能力を高める。 7.指導計画(全7時間) (*本時を示す) 評価規準 次 時 学習内容 関心・意欲・態度 第 1 一 次 2 バスにのって バスにのって もみじ 思考・判断・表現 技能 知識・理解 ○ ○ ○ ○ もみじ 3 トーンチャイムとツリーチャイム ○ ○ ○ ○ 第 二 4 次 5 第 6* 三 次 バスにのって もみじ トーン チャイムとツリーチャイム バスにのって もみじ トーン チャイムとツリーチャイム バスにのって もみじ トーン チャイムとツリーチャイム ○ ○ ○ ○ ふりかえり 7 ○ ○ 8.生徒の実態と個人目標 実 態 目標 評価 A 音楽を聴きながらジャン ・声や楽器の音に関心を ・教師の声かけや音楽に意 プをしたり楽器の音を耳元 持ち、楽器を鳴らした 識を向けて活動し、友達と で鳴らし楽しんだりするこ り、声を出したりする。 の繋がりを意識すること とができる。楽器を口に入れ ができたか。 てしまうので注意が必要で 47 Ⅱ 各部の取り組み ある。 B C D E F G H I リズムを感じて手首を前 ・声や楽器の音に関心を ・教師の声や音楽に意識 後に動かし、打楽器を演奏 持ち、楽器を鳴らしたり を向けて活動し、教師や することができる。 身体を動かすことがで 友達との繋がりを意識す ることができたか。 きる。 音楽が聞こえると、笑顔で ・声や楽器の音に関心を ・教師の声かけや音楽に意 手拍子することができる。友 持ち、音楽に合わせて 識を向けて活動し、友達と 達が踊る様子を見て、楽しむ 楽器を鳴らしたり、声 の繋がりを意識すること ことができる。 を出したりする。 ができたか。 音楽に合わせて両手を使 ・声や楽器の音に関心を ・教師の声かけや音楽に意 い、一定のリズムを取ること 持ち、音楽を聴いて楽器 識を向けて活動し、教師や ができる。楽器を口に入れて を鳴らしたり、声を出し 友達との繋がりを意識す しまうことがあるので注意 たりする。 ることができたか。 が必要である。課題に集中で きる環境づくりが必要な時 がある。 さまざまなことに興味が ・声や楽器の音に関心を ・教師の声かけや楽器の音 あり意欲的である。口に物を 持って聴き、楽器を鳴ら 色に意識を向けて活動し、 入れてしまうこともあるの したり、声を出したりす 友達との繋がりを楽しむ で注意が必要である。iPad ることができる。 ことができたか。 が好きである。 楽器の音に意識を向けて ・声や楽器の音に関心を ・教師の声かけや楽器の音 聴くことができる。教師と一 持って音を出そうとする に注意を向けて活動し、友 緒に楽器の音を鳴らすこと ことができる。 達との繋がりを楽しむこ ができる。 とができたか。 楽器の音やメロディーを ・声や楽器の音に関心を ・教師の声かけや楽器の音 聞いた時に声を出すことが 持ち、体を動かしたり声 に注意を向けて活動し、友 ある。楽器を持って教師と一 を出したりすることがで 達との繋がりを楽しむこ 緒に鳴らすことができる。 きる。 とができたか。 音の鳴る方向に顔を向け ・声や楽器の音色に関心 ・教師の声や楽器の音色に ることができる。音楽を聴き を持って楽器を鳴らした 意識を向けて活動し、友達 ながら教師と一緒に体を動 り、声を出したりするこ との繋がりを楽しむこと かすことができる。発作が起 とができる。 ができたか。 こることがある。 好きな曲や映像が流れる ・声や楽器の音に関心を ・教師の声かけや音楽に注 と、集中して鑑賞することが 持ち、自分で楽器を鳴ら 意を向けて活動し、友達と できる。音楽を聞きながら声 したり、声を出したりす の繋がりを楽しむことが を出すこともできる。 る。 できたか。 48 Ⅱ J 各部の取り組み 音の鳴る方向に視線を向 ・声や楽器の音に関心を ・教師の声かけや楽器の音 けることができる。音楽を聴 持ち、体を動かしたり声 に注意を向けて活動し、友 きながら右手を動かすこと ができる。 を出したりする。 達との繋がりを楽しむこ とができたか。 K 音やメロディーに意識を ・声や楽器の音に関心を 向けて聴くことができる。音 持って音を出そうとする ・教師の声かけや楽器の音 に注意を向けて活動し、友 の鳴る方向に目を向けたり、 ことができる。 達との繋がりを楽しむこ 口を開けたりすることがで とができたか。 きる。 9.本時の目標 ・授業に関心を持って取り組む。 ・自分の音や友達の音を聞き、音の重なりを楽しむ。 10.本時の展開 過程(時間) 学習内容 学習活動 指導上の留意点 導入 ・ 「はじまりの ・1 列に並んで「は ・生徒が音楽を聞いて授業 (10分) うた」 じまりの歌」を聞 の始まりを意識できるよ き、授業の始まり う、教師が生徒と一緒に歌 を意識する。 う。 ・ 「出席のうた」 ・リズムに合わせ ・生徒がリズムに合わせて て 名 前 を 呼 ば れ 楽器に触れることができ た ら 楽 器 を 鳴 ら るよう、身体の向きや楽器 ・ 「イキイキ体 す。 の位置を工夫する。 操」 ・歌に合わせて教 ・生徒がリラックスしなが 師 と 一 緒 に 身 体 ら身体を動かすことができ を動かす。 るよう、留意する。 評価の観点 ・授業の始まり を意識できて いる。 ・意欲的に楽 器に触れるこ とができる。 ・音楽に合わせ て楽しく身体 を動かすこと ができる。 展開 ・ (身体表現) ・歌に合わせてダ ・危険のないよう、教室内 ・「ゴーゴー」 (20分) 「バスにのっ ンスする。 て」 に広がる。 の部分を意識 ・左右の確認やガタガタ道 す る こ と が で の時の身体の動かし方、か きる。 け声「ゴーゴー」の意識付 けをする。 ・バイク役の生徒を決める。 ・バイク役の生 ・曲の最後にTVの反対側 徒 に 注 目 す る (ホワイトボード)の方に ことができる。 向く。 ・ (歌い聞かせ) ・歌を聞きながら 「もみじ」 ・前曲との繋がりを意識で きるよう「もみじ」を学習 ・歌詞の雰囲気 紙 で 作 ら れ た 落 する。 を感じること ち 葉 を 模 造 紙 の ・歌を聞きながら、紅葉を ができる。 木に貼る。 木に貼れるよう支援する。 49 Ⅱ 各部の取り組み ・貼った後、木を ・マイクを生徒の口元に近 ・声を出すこと 鑑 賞 し な が ら 歌 づけて、歌いたい気持ちを を 楽 し む こ と う。 引き出す。 ができる。 ・生徒が歌を意識できるよ う、教師全員で歌う。 (器楽) ・ 「トーンチャ ・自然の音(川の ・トーンチャイムを鳴らし ・各自の音色や イムとツリー せ せ ら ぎ や 鳥 の やすいように高さを調節す 音 の 重 な り の チャイム」 声)の中で、音の る。 美しさを味わ 響きを味わう。 うことができ る。 まとめ ・ ふ り か え ・本時の活動を振 (10分) り ・授業の活動内容を振り返 ・本時の活動に り返る。 ることができるよう、全員 関 心 を 持 っ て ・ おわりの の頑張りを確認する。 いる。 歌 11.準備物 ○ピアノ○音源(映像)○TV・PC○スネアドラム○カスタネット(台付き)○スロープ2台 ○歌詞カード○落ち葉(折り紙)○模造紙(木)机○マイク○アンプ ○ホワイトボード○トーンチャイム○ツリーチャイム○タオルを巻いた棒 12. 配置図 ホワイトボード 机 机 教師 D A B C E F G スロープ H I スロープ TV 13. その他 50 J K Ⅱ 各部の取り組み (2)授業研究当日の反省会より 10 月 9 日(金)、図書室で中学部の授業研究の反省会を行いました。小島・高岡からは、 「授業の テーマとしては【秋】を題材にストーリーを持たせることを意識した。木を生徒とともに作ること で、授業を積み重ねるごとに紅葉していく木を目でその変化がわかるようにという思いで作った。 」 「積み重ねによって授業に対して深みを出すことができ、 また、 教員間での話し合いを持てたので、 今までよりもチームで授業をすることができた。 」と授業研究をした感想をいただいた。 授業を見学された方からは、 「秋を感じる工夫がされており、葉を貼る取り組みが歌との関連付け としてうまくいっていた。トーンチャイムの音色と自然音の調和もよかった。 」 「子どもたちが毎回 の授業を通じて見通しを持って楽しめているのを感じた。 」 「トーンチャイムの使い方で子どもたち が自由に音を鳴らすという取り組みが面白い。 」 「緊張感を感じることができた。 」 「仕方ないことで はあるが、音楽の授業であるのに、場所が音楽室ではなく、図書室であることが残念。 」 「友だちと のつながりを評価するのが難しい中、きめ細かな指導・支援をしていると感じた。 」 「伝えたいこと を誰に伝えるかきちんとするべき。一つひとつを生徒に感じてもらうようにするのであれば、もっ と丁寧な声掛けが必要。 」 「生徒に聴いてほしい音を生徒は聴けているのか。 」など、たくさんの感想 やご意見をいただいた。 2 中学部部内研究 中学部では、部内研究として教科会と授業研究、授業研究アンケートを行った。教科会を持つこ とで、生徒に関する情報共有や授業内容に関する意見交換等をすることができた。また、授業研究 の反省会から出た意見の中から、課題を見つけ、その課題を克服する為にはどのような工夫が考え られるかをアンケートにした。アンケートにすることで多くの意見をいただき、出た意見を部会で 報告することで、意見を共有することができた。 (1)教科会について ○各学期に各教科で集まって教科会を行う。 ○各教科で話し合われた内容を各教科のフォルダに入れる。 ○今年度の授業研究のテーマに該当する教科「音楽、うた・リズム、みる・きく」で集まり、授業 研究・実践報告会に向けて話し合う。 ・授業研究: 「授業研究教科・日程・内容」について ・実践報告会(2月19日(金)予定): 「報告教科・報告内容」について (2)部内研究について ○授業研究反省会から(授業研究アンケート) 「授業の中で生徒に聴いてほしい音や見てほしい物を生徒に聴いてもらう・見てもらうためには どのようにしたらよいか。普段の授業の中で工夫している点は何か」 アンケートの回答として、 「黒板周辺の掲示物は子どもにとって視覚的ノイズとなるので避ける。 」 「生徒の視線を対象物(音を鳴らす楽器等)に合わす。 」 「一つの教材の中に複数の課題を盛り込む のではなく、 一つの課題が明確に提示できる教材を選ぶ。 「五感を刺激するような授業を行う。 」 「音、 」 声を聴かせるために、大きな音で聴いたり、わざと小さくしたり、強弱をつけたりすることで、生 徒に集中させるようにしている。 」など、多くの意見をいただくことができた。この意見を部会で報 51 Ⅱ 各部の取り組み 告し、中学部として共有することができた。 3 実践報告会(全校 2 月) 各年のグループの教科から報告する。 担当教科・発表内容は各年の持ち回り教科内で相談し進める。 今年度は音楽:中筋・草山が実践報告を行う予定。 《文責:中学部授業研究・部内研究係 岩田佳菜江》 52 Ⅱ 各部の取り組み 8 高等部 (1)部内研究 生徒の実態把握や指導の連携も含め、 日頃の教科指導で対応に困っていることにスポットをあて、 研究したいと考える。今年度は、前述にもあったように「音楽」について研究した。 ○グループ授業のアプローチからみる生徒指導のあり方 ○生徒の個別対応からみる歌唱・合奏等の指導のあり方 ○教材研究 などをテーマに各学年で5つのグループに分かれて、研究を行った。 研究は、学年会で協議内容が少ないときに30分程度時間をそれに充てた。回数としては、学 期に1回を目安として、①6~7月頃に1回、②12月頃に1回、③1月に1回(まとめ会)とす る。各グループで、話し合った内容・結果を簡単にまとめ、記録をとる。 (1学期、2学期は(※)授業の様子を撮った映像を使っての討論会、3学期は報告会) ※授業見学が困難であるため その後、その各グループで話し合った内容を研究係でとりまとめ、学年会で報告した。1月のまと め会では、各学年のグループ研究の内容を報告した。 (2)研究グループについて 研究グループとは、昨年より実施した F・F2・A1・A2・E のグループのことである。 授業研究は、研究の対象教科(今年度は、 「音楽」 )の主担者はその研究グループに入って、対象教 科の主担者でない者は、どのグループで研究を行うか希望をとった。 (3)研究報告まとめ 日頃の生徒指導や教科指導で困っていることを上記の3つのテーマにスポットをあて、授業や授 業以外での生徒の様子や生徒との関わりから、支援方法を考えた。 ① 教科としてのアプローチからみる生徒指導のあり方 授業で実施したことを学習発表会で披露し、自信をもつことができた。 仲間意識が高まり助け合うことができ、積極性が生まれた。 グループによっては、縦割りでの授業展開となるので、3年生がお手本となり下級生が活動し やすい。 ② 生徒の個別対応からみる教科へのアプローチ 一人ひとりが理解し、実施できるように教員が協力し、生徒たちがお互いに教えあう場を提供 できた。 大きな音などを気にする生徒もいるが、決まった授業の流れのため、落ち着いて取り組めるよ うになった。 楽器準備や片付けなど、 (事前に導入をしている)積極的にできるようになってきた。 人数の少ないグループでは、集団での楽器演奏やグランドピアノでの(特別教室の使用上)演 奏が期待できない。 ③ 教材の研究 授業の始まり・内容・終わりのメリハリをつけ、楽器作りや特性に合った楽器や教材を選ぶこ とで生徒が活き活きと授業に取り組める工夫をした。 生徒の興味を引くような教材を使用し、授業への期待感が感じられる。他の授業やH・R活動 ではみられない様子が見られ、発見がある。 53 Ⅱ 各部の取り組み 情緒の安定を図るようなスローな曲から始まり、落ち着いて取り組めるように考えられた授業 の流れを作っている。 決まった楽器などを使い、生徒によっては、見通しがつけやすい。 (4)実践報告 高等部 2 年生音楽科より、実践で役立てた授業内容について報告があった。 《文責:高等部 研修研究係 上西晶子》 54 Ⅲ 本年度の重点課題 Ⅲ 本年度の重点課題 平成 26 年度 自立活動組織の改編に伴う自立活動専任スタッフの取り組み 1 はじめに 本校では、昭和 31 年の開校以来 50 年余、小学部・中学部・高等部と並列で専門部・自立活動 部を設け、自立活動(過去は養護・訓練、機能訓練、治療体育等)の指導を行ってきたが近年、 転勤や退職により経験豊富な教員が減少したこともあり、専門性の維持が大きな課題として挙げ られてきた。また、自立活動の時間の指導担当及び「個別の指導計画」の作成者が自立活動部員 であるため、担任が自立活動の指導を行うという意識が薄れてきた。このような面からも、新し い人材の育成という課題が指摘され、早急な対応が必要となった。 そこで平成 24 年度から、全教員が自立活動の指導を行うことを目的に、自立活動部を分掌化す るとともに、自立活動に関する専門性を有する経験者(自立活動専任スタッフ)を支援者として 配置し、担任との協力と連携により総合力を高める体制で取り組むこととなった。 本年度は、新体制のひとつである自立活動専任スタッフ(以下専任スタッフ)の業務について 振り返りたい。 改編から 3 年目となり、あらたな取り組みとして「より学部のニーズにそった支援とは何か」 について校長・准校長、 ・担当首席・専任スタッフとで、懇談会をもち、具体的な業務内容の報告 を通して、成果と課題を検討した。 2 本年度の取り組み (1) 計画的かつ系統的な支援の展開 ① 巡回目的の明確化 ・相談巡回 初年度と比べると、 「ここきてシート(相談巡回申し込み表) 」が知られてきて、 相談件数も増えている。1度相談した教員が、その後も相談をあげる“リピーター 活用”や、同じクラスの教員が新転任教員に活用を勧めるケースもあり、教員が専 任スタッフをうまく活用するようになってきたといえる。 ・全校巡回 「自立活動の時間における指導」を中心に行っている。今年度は、もれなく相談 を受けられるように、学年・グループの担当を決めて巡回する形態をとった。巡回 先の授業の場で質問や相談を受けることがあり、このような相談スタイルは毎年一 定の件数がある。困り感や疑問にタイムリーかつ気軽に対応できるメリットを、活 用する教員側も感じていることから、 “全校巡回”システムも有効であると思われる。 また最近、自立活動以外の授業で、 「自立活動エリアの教材を借りたい。 」という 依頼が増えた。国数などの教科の授業で工夫しようというあらわれである。今後は、 生活課程における「自立活動の指導(日常生活および教科における自立活動の視点)」 についても対応できるようにしたい。 *給食巡回 今年度の重点課題として校長から提示された「摂食指導」を、巡回テーマの1つ 55 Ⅲ 本年度の重点課題 に決めて取り組んだ。 形式:全学級を巡回対象とし、年間の巡回スケジュールをたてた。また、学級等の 指導スケジュールに支障が出ないよう、学年単位で巡回日程を事前連絡した。 方法:専任スタッフ作成の紙面をもとに、観察と担任聞き取りを行い、個々の実態 や課題を「給食指導プロフィール」としてまとめた。 成果:食事指導に関する情報の共有と、新たな“気づき”の機会を提供できた。 (2) 学部ニーズに対応できるシステム作り ・目標および課題設定のための自立活動6区分チェックツール(データ)の作成 個別の教育支援計画・個別の指導計画の様式変更に伴い、自立活動6区分の視点 での実態把握が提唱された。昨年度の〈個別の教育支援計画・個別の指導計画委員 会〉からの要請もあり、自立活動6区分26項目から実態把握と指導目標をたてる チェックツールの活用方法=初任者にも役立つ“目標しぼりこみ例”の提示をめざ し、検討を行っている。 ・視覚支援ツールの提案・提供 ことばや場面・状況の理解が難しい児童生徒の、 “わかりやすさ”の支援ツールと して、今年度は、保健室や情報部と協力し、各種校内検診の手順表の提供や、iPad による AAC 機器活用に取り組み、保護者にも好評を得た。また、支援N部と連携し、 時間割表のシンボル化にも取り組み、データを PC 上に保存して全校的に活用でき るようにした。 ・高等部生活課程への支援 高等部生活課程からも相談があがってくるようになったことから、いろいろな難 しさをもった生徒が増える中で、専任スタッフとして支援できることを来年度に向 けて検討中である。 (3) 学部および児童生徒情報の共有 ・連絡窓口の設置(各学部の部会参加、諸連絡の窓口) 今年度より小2名、中1名、高2名の連絡係を設け、学部会・朝の各部連絡会に も出席している。連絡の窓口が明確になったことと、学部会への出席により、指導 に関連する様々な情報の共有がよりスムーズになっている。 (4) 専門性の活用・指導方法の発信 ・研修の実施(プール指導、紙上研修、など) 新転任者向けに、入水時の注意や指導ポイントについて大型 TV で放映した。 また、紙上研修(レジュメの回覧)では、 「脱臼について」等をテーマに展開した。 ・楽スタ推進 今年度より導入し、分掌自立活動部が管理・運営している。当初は専任スタッフ が実施にあたり、研修を経て自立活動部員も実施者として立ち会う体制をとった。 その後、学部教員も実施者となったことで、楽スタを体験した児童生徒が増えて きている。分掌主催研修(びわこ学園:高塩PT)も開催し、全校的な活用推進の 取り組みを行っている。 ・教室開放(スヌーズレンなど環境紹介) 7月23日~30日の登校日期間に、自立活動教室に、感覚・運動ゾーン、スヌ ーズレン的環境を設定し、来室利用をよびかけた。小・中学部、高等部普通課に加 56 Ⅲ 本年度の重点課題 え、高等部生活課程の一部生徒も利用し、全体的に好評であった。 ・リーフレット配布(H25年度作成分) 自立活動および肢体不自由教育の理解・推進を目的に作成したリーフレットを、 研修会などにおいて配布した。地域の諸園校等に在籍のこどもの支援につなげたい。 3 新年度に向けて 創立以来、専門部・自立活動部を中心に取り組んできた自立活動の指導組織の転換を平成 24 年度実施し、初年度は学期ごとに新自立活動部によるまとめやアンケート調査を行い、課題を 明確にしてきた。そして、2 年目に課題の整理をし、3 年目に 8 回に及ぶ校長との懇談会をも ち、課題に1つ1つ丁寧に取り組みながら、計画、実践、検証を繰り返してきた。その中で、 専任スタッフの役割等が明確になり、巡回等の動きもみえやすくなり教員への理解や啓発がす すみ、教員の自立活動に対する意識が変わってきていると考えられた。自立活動は本校の柱で あり、今後も自立活動の指導スキルの基礎を作り、裾野を広げていきたい。 《文責:首席 稲谷 明美》 57 Ⅲ 本年度の重点課題 Ⅲ 本年度の重点課題 平成 27 年度 学校教育計画「本年度重点となる教育目標・計画」の取り組みについて 1 はじめに 本校の学校教育計画は、Ⅰ めざす学校像、Ⅱ 学校教育活動の方針、Ⅲ 本年度重点となる教育 目標・計画、Ⅳ 校務分掌で構成されている。しかし、長年にわたる歴史の中で、 「学校教育活動 の方針」と「本年度重点となる教育目標・計画」の内容が不明確になり、集中した取り組み意識 が持ちにくい状況になってきていた。また、 「学校教育計画に基づいて、その年度の教育活動を評 価し、その成果、問題点、今後の課題を明確にして、次年度の教育計画の立案ならびに教育活動 の充実に役立てる。 」ことを目的に行っている、 「教育まとめ会議」の意義を問われることも少な くなかった。 そこで、昨年度(平成 26 年)の学校教育計画では、 「本年度重点となる教育目標・計画」の中 から、毎年取り組んでいる内容を「学校教育活動の方針」に移す作業を行った。さらに本年度は、 時系列計画と評価指標を盛り込んだ、計画-評価表を作成することで課題意識を高め、より充実 した取り組みが進むように工夫した。 2 本年度の取り組み (1) 目的 全教職員が本校の課題を認識する 「教育まとめ会議」において1年間の取り組みを報告する (2) 本年度重点となる教育目標・計画 目 標 教 育 内 容 の さ ら な る 充 実 と 一 貫 教 育 の 推 進 取組内容 1 キャリア教育の推進 ① 高等部を中心に、 「仁徳陵」周辺の清掃活動、校外のアンテナショップ(地域の商店街) への定期的な出店などに取り組み、生徒の可能性を引き出し、育てる。 ② 就労支援コーディネーターの取り組み成果を整理し、職業コース以外で活用できる参 考事例を探る。 2 環境教育の充実 「カワニナ」の飼育、 「田辺大根」の栽培の取組も継続する。また、完成したビオトー プを活用し、自然や身近な生物、環境問題への関心を深める。 3 高等部生徒の活動の充実 部活動、生徒会活動、ボランティア活動、昼休みの活動等で、興味関心のある生徒が 集い、楽しく交流できる場を設定する。 4 「情報モラル教育」 、 「性に関する指導」の充実 指導計画を作成し、生徒の状況に応じた「情報モラル教育」、「性に関する指導」を実 施する。 58 Ⅲ 本年度の重点課題 5 道徳教育の充実 本校における道徳教育について再確認し、これからの学習指導内容等の検討を進め、 全体計画を作成する。 6 「個別の指導計画・個別の教育支援計画」の検証と保護者との連携促進 ① キャリアステージ表の各段階で示された内容を教育内容にどうつなげていくか検討 を進める。 ② 児童生徒、保護者のニーズがより反映されるよう、作成マニュアル等を再確認する。 ・ 安 全 安 心 ・ き れ い な 学 校 づ く り の 推 進 開 か れ た 学 校 づ く り の 推 進 1 防災計画の再検討 昨年度当初に立てた備蓄計画等を再検討し、より実行性のあるものとする。災害後早 期学校再開に向けたBCプランの作成を進める。 2 ヒヤリハット、インシデント事例の検証 ヒヤリハット、インシデントの報告様式を改善し、認識等の整理を行い、事故防止の 意識を高める。 3 医療的ケアの充実 新転任者・医療的ケアの未経験者の研修をすぐに役立つ内容から始め計画的に実施す る。 4 教職員への人権意識の涵養 教職員を対象に学期に1回の人権研修を実施し、啓発活動を行う。 1 地域等との連携強化と情報発信 避難訓練において地域防災士の協力を求めるとともに、地域、PTAと連携し、本校 における事業継続計画(BCP)を作成する。 2 学校ホームページの充実 本校ホームページの中のブログを活用し、学校内外のできごとや児童生徒のようす等 をわかりやすく発信する。 3 福祉関連機関との連携 「個別の指導計画・個別の教育支援計画」を活用し、増加する放課後デイサービス機 関との連携を深める。 1 校内研修の充実 ① 年間テーマを設定し、平成 29 年度までの 3 年計画で系統的な研修を進める。 ② ICT の活用環境を図るためにも、引き続き活用研修を行い、実践事例のまとめを作成 する。教材教具の好事例の発表や他校での実践研修に積極的に参加し、発表する機会 を設け、専門性向上をめざす。 専 門 性 の 向 上 2 校内支援の充実 ① リーディングスタッフ、コーディネーターと自立活動専任スタッフを中心に校内支援 を組織的に行う。 ② 得意分野のアンケート活用方法を検討し、助言を得られるようなシステムの構築をす る。 3 人材育成 ① 初任者育成のバディー制度を作り、2~3年目の教員とマンツーマンでの支援体制を 行う。 ② 指導教諭、首席による校内初任者研修を定期的に実施する。 ③ 実際の現場で困った「支援教育関係の用語」を自分たちのことばで解説する用語集を 作成し、学校ホームページに掲載する。 59 Ⅲ 本年度の重点課題 1 校内組織の機能的な運営 分掌の仕事内容を集約し、各係のスムーズな運営を図るとともに、必要に応じて業務 学 校 運 営 等 を移行する。 2 教育まとめ会議の充実 「教育まとめ会議」において、この「本年度重点となる教育目標・計画」の評価を行 い、その成果、問題点、今後の課題を明確にして、次年度の教育計画の立案ならびに教 育活動の充実に役立てる。 (3) 取り組み計画と日程 時期 内容 備考 6月 各項目別に担当部署決定 職員会議 1学期中 目標の具体化 【計画‐評価表】を作成 取り組み計画作成 評価指標の設定 夏季休業中 取り組み 2学期 2月 評価、結果 【計画‐評価表】の提出 「教育まとめ会議」報告 ※ すでに動き出している内容も含める ※ 2年計画の場合は、計画に記載する ※ 内容によっては、分割して取り組むこともある(目標別、部署別等) (4) 【計画‐評価表】 (例) 取 組 内 容 教職員への人権意識の涵養 教職員を対象に学期に1回以上の人権研修を実施し、啓発活動を行う。 担 当 部 署 研究部、人権教育推進委員会 具 体 的 目 標 研修の目標 ・体罰をおこさせない校内体制の工夫やシステムづくり ・障がいのある子どもの様々な行動における気持ちと適切な対応方法を学ぶ ・怒りやストレスの対処法を学ぶ 計 画 5月 研修日程と概要の検討 ・学期に1回以上実施 ・計画を府教委に報告 6月~2月 研修内容の具体化、実施、アンケート集約 ・アンケート集約を毎回、府教委に報告するとともに、教職員でも確認 する 研修予定日 6/12 評 価 指 標 8/28 12/2 研修アンケート 60 2/29 Ⅲ 本年度の重点課題 評 価 研修アンケート集計結果 大いに 質問項目 結 果 そう思う そう思う あまり まったく 思わない 思わない 研修で、子どもの人権を尊重する指 1回 19.9% 74.4% 5.7% 0.0% 導・支援(業務)について、理解が深 2回 23.0% 71.3% 5.1% 0.6% まったか 3回 5.7% 60.3% 31.0% 2.9% これまで、自分は子どもの人権を尊重 1回 9.8% 85.6% 4.6% 0.0% した指導・支援をしていたと思うか 2回 7.3% 90.4% 2.2% 0.0% 3回 7.5% 87.9% 4.6% 0.0% これまで経験したチームティーチング 1回 14.7% 83.1% 1.7% 0.6% による指導・支援において、子どもの 2回 9.6% 88.2% 2.2% 0.0% 人権を尊重していたと思うか 3回 8.1% 86.1% 5.2% 0.6% 第4回は 1 月 29 日に変更して、個人情報保護についての内容で実施予定。 全4回の研修に全教職員が参加し、グループで学部を超えた意見交換ができた。 アンケートの結果からも研修の目標は、ほぼ達成できたと考える。 3 まとめと課題 全 23 項目について、担当部署(複数担当の場合もある)による取り組みを行い、年度末に評価 と結果報告を作成することができた。 「教育まとめ会議」においてはその中から 9 項目(11 部署) に絞って報告し、質疑応答を行い、教職員で共有することができ、 「全教職員が本校の課題を認識 する」という目的も、概ね達成できた。 来年度に向け、本年度の課題がほぼ達成できた項目は、学校教育活動の方針に組み入れる、課 題が残る項目は、新たに重点課題とする等を行い、課題対応のサイクルを形成していきたい。学 校教育計画の策定については、府立学校に対する指示事項と学校経営計画に基づき、直近の課題 を明らかにし、項目を絞る方向で、さらに取り組み意識を高めていきたい。 《文責:首席 61 吉田 勝》 Ⅳ 研修の記録 Ⅳ 研修の記録 1 平成 26 年度全校研修一覧 研修日 1 5/9(金) 2 5/20(火) 3 4 6/20(金) 7/28(月) 研究題目・内容 講師 部署 奥長康郎 指導教諭 画の作成と活用について 内山誉利子 (本校指導教諭) 支援ネット ワーク部 救急救命法講習 心肺蘇生法やAEDの使用法 奥長康郎 (本校指導教諭) 健康安全部 自立活動について ~これが知りたかった!授業づくりの 大阪大谷大学 教育学部教授 ポイント~ 小田浩伸先生 個別の教育支援計画・個別の指導計 ユニバーサルな視点からの授業実践 ユニバーサルな支援 5 8/25(月) ~よりよい児童生徒との関わりを めざして~ 6 8/29(金) 体罰・暴力行為防止研修 自立活動部 稲谷明美 研究部 (本校主席) 人権係 プール学院大学准教授 支援ネット 松久眞実先生 ワーク部 ワークショップ形式 研究部 人権係 本校校医 7 9/1(月) 重症心身障がい児における栄養 保護者対応・支援について 8 12/19(金) ~SSW 視点・法的視点からのアセスメン ト、プランニングのポイント~ 9 1/23(金) 10 1/30(金) 防犯研修 福祉事業所(作業所)の事業形態や 内容について 清恵会病院 小児科 東川幸嗣 健康安全部 弁護士 峯本 耕治氏 研究部 警察署より 健康安全部 特定非営利活動法人 ひこばえ いずみ 所長 上野 典子氏 進路指導部 《文責:研究部全校研修係 伊佐木翠》 62 Ⅳ 研修の記録 2 全校研修の概要 (1) 健康安全部 研修テーマ:救急救命法講習 「心肺蘇生法やAED使用法」 日 時:2014 年 6 月 4 日( 火 ) 16:00~17:00 場 講 所:本校 体育館 師:本校 指導教諭 奥長康郎 氏 研究内容 本校では、救急救命法の実技講習会は学校全体研修に位置づけられている。全職員が心肺蘇生法 の手順を理解し、技術を習得することは、本校の特性やプール学習、朝のランニングやマラソン大 会等の各行事の指導場面を考えると、必要不可欠である。 講習の内容は、心臓突然死についての知識、一次救命処置等救急法の基礎的な知識・技術について のものであった。また、心肺蘇生法の実際とAEDの使用方法についてのビデオと同時に、マニュ アルを参考にしながら、手順の詳しい確認を行った。各班には体育科の教師が評価者として配置さ れることにより、意見交換や質問がやりやすかった。 今年度は約90名の受講者がいたが、マニ ュアルを基とした実習後の一連の流れの確認、昨年度同様校内の教員による講習だったため、分か りやすかったという評価が得られた。一次救命処置の実技の際には、男女別のグループに分かれて 班を作ることによって、一人ひとりがより積極的に、より実践に近い形で取り組むことができた。 毎年 5 月に開催されている大阪府教育委員会等の主催する講習会を受講した上、AEDの使用法を 含む救急救命法に精通した本校の教員の参画を含め、講習会の充実を図っていきたい。 さらにこの講習内容に加え、本年度から酸素ボンベ、アンビューバッグの使用方法についての講 習を、体育科教員、対象教員に行なった。より安心で安全な学校作りにつながると考えている。 《文責:健康安全部 体育大会・プール係 森田新一》 研修テーマ:重症心身障がい児における栄養 日 場 時:2014 年 9 月 1 日( 月 ) 16:00~17:00 所:本校 図書室 講 師:本校校医 清恵会病院 小児科 東川幸嗣 1 研修目的 本校教職員の医療的ケアにかかわる内容についての知識向上のため 2 研修内容 (1)重症心身障がい児と食事 重症心身障がい児の中には、日常的に多くの医療・看護を必要とする子どもたちも存在する。ま た、重症心身障がい児には栄養障がいが起こりうることもあり、栄養士からの視点が必要となって くる。食事とは、生きるために必要な栄養源を取り込むための行為であり、成長に伴い臓器も成熟 63 Ⅳ 研修の記録 し心身ともに健康になっていくための手段であるとともに、社会や家庭生活のなかで培われていく ものである。楽しくなければ食事ではなく、治療食においても同様であると考える。 (2)食事のプロセス 通常、生後‘哺乳機能’が発揮され、生後 5 か月頃から固形食や水分摂取するときに使う‘摂食 機能’が発達していく。重症児では、その発症が生後 1 年未満であることから、基本的摂食機能の 発達・獲得が阻害され、うまく食事できないことも多い。むせ、消化不良、更に栄養不良になるこ ともあるので、成長にあった食材を選び、食事の形態を調整する必要がある。 (3)食事ケアのポイントと食事の形態 食事に際し、安定した姿勢をとり得るか否かが摂食機能には重要であるため、姿勢や筋緊張異常 に注意する。食事は楽しみの一つであり可能な限り経口からの摂取を考慮すべきであるが、誤嚥に よる呼吸器感染の繰り返しや、むせはしないが頻回に起こる原因不明の発熱は Silent-Aspiration を考慮し、経管栄養法への検討が必要な時もある。 重症心身障がい児の食形態は、固形食、きざみ食、ミキサー食、押しつぶし食などがある。どの 形態の食事でも調理や盛り付けに工夫をし、食欲をそそるように努力する必要がある。 (4)栄養基準への考え 重症心身障がい児の中には側わんや変形拘縮などのため一般的な身長測定は困難であることもあ り、そのため栄養基準は重症心身障がい児の体格や状態、食事摂取量など栄養評価を総合的に行い ながら検討する必要がある。重症心身障がい児は、同じ食事を食べても消化や代謝が異なるのか、 肥満やるい痩にいたるケースがあり、栄養管理には個別対応が必要である。 濃厚流動食は食品に属するものと薬品に属するものがあり、1kcal/ml に調整されているものが多 く、長期にわたる場合はミネラルや微量成分にも配慮する必要がある。栄養補助食としても経口摂 取されるときもあり、栄養成分以外にも味や風味などについても知っておく必要がある。 (5) 食行動異常と消化器疾患 食行動異常には拒食、大食、異食、偏食、反芻、嘔吐、呑気などがある。消化器疾患の一つであ る胃食道逆流(GERD)は、重症心身障がい児に多い。筋緊張の亢進や咳嗽による腹圧の上昇、努力 呼吸による胸腔陰圧の増強などによって起こり、 嘔吐や吐物誤嚥による咳や肺炎を招くこともある。 嘔吐による低栄養や発育障がいも心配される。また、便秘は寝たきりや水分摂取不足、抗てんかん 薬の影響などでも起こることがある。その他、消化性潰瘍やイレウス、下痢などもあげられる。 (6)ホルモン・代謝障がい 重症心身障がい児は重度の中枢神経系の障がいをもち、身体発育は不良で、性発育や骨成熟の遅 れを伴うことが多く、成人では老化も早い。抗痙攣剤などの長期投与による副作用や栄養不良など による障がいもあり、また個人差も多い。身長増加、肥満度、骨成熟、二次性徴の有無、月経の規 則性や閉経の時期、老化に伴う生活習慣病や骨粗鬆症などのチェックも必要である。 (7)医療的ケア(栄養に関するもの) 胃ろうとは、内視鏡を使って「おなかに小さな口」を造る手術のことである。口から食事のとれ ない人や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい人に、直接胃に栄養を入れる栄養投与の方 法である。カテーテルは抜けないように、胃内固定版と体外固定版で止めており、胃内固定版はバ ルーン型とバンパー型の 2 タイプがあり、体外固定版はボタン型とチューブ型の 2 種類がある。 64 Ⅳ 研修の記録 (8)栄養障がい―微量栄養素の欠損― 重症児に経管栄養を長期投与中に経験した合併症は、下痢や貧血、消化管出血、呼吸器感染など があげられる。微量栄養素の欠損としては、例えば亜鉛が欠損すると、蛋白合成や免疫機能調節な どに作用し、欠乏症状としては皮疹や脱毛、味覚障がいなどを引き起こす。銅の場合は骨代謝や統 合組織代謝、造血などに作用し、貧血や中枢神経障がい、骨粗鬆症などの症状があらわれる。これ らは、母乳やミルクの代替の栄養剤でもこのような症状を引き起こすとされている。 (9)まとめ 重症心身障がい児には生命維持だけが課題ではなく生活援助が必要で、 医療看護ケア以外に教育、 リハビリテーション、社会福祉援助などが幅広く必要とされ、多職種の介入により正確な評価や対 応を行うことが望ましい。学校においては児童生徒のいつもと異なる変化に気づくことは重要で、 この点について保護者とのやりとりは重要である。 《文責:健康安全部 医療的ケア係 柏原瑞枝》 研修テーマ: 「防犯研修」 日 場 時:2015 年 1 月 23 日( 金 ) 所:体育館 講 師:大阪府警 堺警察署員 15:45~16:45 2 名 研修内容 本校では平成 21 年度より隔年に防犯研修や防犯教室ならび防犯訓練などを実施している。 防犯計画についてはまだまだ検討が必要であるが、防犯教室や防犯研修を積み重ねることで その時代にみあった防犯意識を高めることをより具体化していきたい。今年度の防犯研修は、 堺警察による指導のもとに以下のような内容で実施した。 防犯研修 (堺警察署員による研修) 児童・生徒下校後実施 (1) 警察署員の講話 不審者発見時の初動対応 (2) サスマタ実技研修 できるだけ一人対応はさけて、複数人対応で取り押さえる。また警報機なども使用して 周囲に注意喚起をする。 身近にある箒や椅子等でも応用し対応できる。 緊急時対応 ・非常ベルなどを鳴らし周囲の人に知らせる。 ・不審者が危険物(武器、刃物)などを携帯している場合はサスマタなどを使用し抑止行動をとる とともに、早急に警察に連絡したのちに校内放送で緊急事態にあることを全職員に知らせる。 ・事態状況に合わせて児童生徒を速やかに非難させる。 《文責:健康安全部 環境安全係 森永和己》 65 Ⅳ 研修の記録 (2) 研究部 研修テーマ:ユニバーサルな視点からの授業実践 日 時:2014 年 7月 28 日( 月 ) 13:30~15:00 場 講 所:本校 図書室 師: 稲谷 明美 1.研修目的 人権についての知識を深め、実際の授業の様子を見ながら、教師に必要なスキルや言葉がけ、ユ ニバーサルな授業について知る。 2.研修内容 (1)人権とは 人権教育とは 人権とは誰もが生まれながらにして持っている人間として幸せに生きていくための権利。 人権教育とは①生命の尊さを知る②個性を認め合い共に生きる③自己肯定感を育てる (2)教師に必要なスキル 熱意とやる気・思いやりと愛情・優しさだけでは、 「甘やかし・なれあい・迎合」になる。そうす ると教師は、生徒からなめられ、指示が通らなくなり、その結果、怒鳴ったり、力で押さえつけよ うとしなければならなくなる。クラスは秩序がなくなり、暴言、暴力、トラブル、けんか、いじめ、 偏見といった環境になり、発達障がいの子の居場所がなくなる。 熱意とやる気+「冷静な分析」と「職人技の技法」が必要である。しゃべり方、注意の仕方、立 ち振る舞い、毅然とした指示などが重要なポイントである。子どもを信じ、あたたかく思いやる気 持ち、疑ったり決め付けたり責めない言い方『好意に満ちた語りかけ』を意識して接することが大 事である。 (3)ユニバーサルデザイン すべての学習者が学習に対する知識、技能、やる気を得ることを可能にするカリキュラムを設定 するための枠組みを作る必要がある。 授業構成の工夫、指示・説明・発問の工夫、板書と机間支援の工夫、視覚情報や作業・動作の活 用がポイントになる。 (4)ユニバーサルデザイン実践事例 高等部のクラスの授業実践をビデオで視聴した。高等部 3 年生F・A2コースの国数の授業は① 授業のお約束②宿題点検③復習④教科書⑤漢字の成り立ち、 10の合成の内容で授業が行われ、 高 等部1、2、3年生Eコースの国数の授業は、①始まりの歌②出席のはんこ押し③手遊び歌④『に じいろのはな』読み聞かせ⑤作品作り⑥劇遊び⑦大きな虹をかけるという内容で授業がおこなわれ ていた。 最初に、授業の約束とルールを生徒たちが分かりやすい形で示すことで、生徒たちが安心して授 業を受けられる場ができていて、授業の形がしっかりと整い、生徒たちの学習が積み重なっていた 様子を見ることができた。 《文責:研究部 研修係 神矢正和》 66 Ⅳ 研修の記録 研修テーマ:体罰・暴力行為防止研修 日 時:2014 年 8 月 29 日( 金 ) 10:15~11:00 場 講 所:本校 図書室 師: 稲谷 明美 1.研修目的 暴力的指導に頼らない、人権を守りながら、望ましい人間関係を構築し、人格の尊厳に根ざした 指導方法の確立を目指す。 2.方法 ①一旦、図書室に集合し、研修の目的と概要の話を聞く。②その後、班に分かれ、指定された教 室に移動。③各班に簡単な自己紹介を行い、司会、記録、報告者を決める。④事例について話し合 う。⑤図書室に全員集合し、報告者が簡単にまとめて発表する。⑥校長による総括。 3.事例について 肢体不自由児らが通う支援学校の A 教諭が、 授業中に生徒が騒いでいたため 「静かにするように」 と指導したが、生徒はいうことを聞かずにしゃべり続けたことに立腹し、平手で側頭部を1回たた いた。生徒にけがはなかった。他の教諭が目撃していて発覚した。その教諭はこれまでも強い口調 で生徒に接するなど、問題視される指導があった。同校は臨時の保護者集会を開き、 「不適切な指導 があった」と謝罪した。 4.研修内容について 研修後、研修内容についてアンケートを実施した。今回、グループワーク形式をとったことに関 して、参加した教員からは「他学部の教員と交流(意見交換)ができて良かった」 、 「様ざまな視点か ら意見を聞くことができて良かった」などの意見を多くいただいた。 「もう少し意見交換を行うのに 時間が必要だと感じた」などの意見もいただいたが、概ねグループワーク形式の研修は好評であっ たように思われる。今後も、このような形式を取り入れた研修を持つ機会を作っていきたい。 《文責:研究部 人権係 坂下奈緒》 研修テーマ:保護者対応・支援について 日 ~SSW 視点・法的視点からのアセスメント、プランニングのポイント~ 時:2014 年 12 月 19 日( 金 ) 15:45~17:00 場 所:本校 図書室 講 師:峯本耕治弁護士 1、研修目的 スクールソーシャルワークからの視点や法的な視点から子どもたちの生活指導や生徒指導、また 保護者への対応におけるポイントを学ぶ。 2、研修内容 67 Ⅳ 研修の記録 (1)子どもたちの生活指導、生徒指導において 子どもたちが抱える問題や課題の環境的理由、原因が不明のまま対処療法的に指導を続けてい くと、子どもも教師もどんどんしんどくなり、指導が萎縮的になってしまう。そこでスクールソ ーシャルワークの視点を取り入れ思考方法を転換していくことで、指導が確実に楽になる。 子どもの生徒指導上の課題に直面した際は、 「環境的原因」によって形成されてきた「愛情・不 安課題」と「発達課題」の表現と見て、具体的内容についてアセスメントを行う。課題に対して どのように対応していくか、つまり、愛情保障と発達保障を具体的にどのように行っていくかと いう視点でプランニングを行うことで指導が確実に楽になっていく。 (2)保護者対応について 保護者対応のこじれなどにより教員が疲弊してしまわないために、 「教育の視点、子どもの最善 の利益の視点」 、 「スクールソーシャルワークの視点」 、 「法的視点」 、 「子育て支援の視点」の 4 つ の視点をもっておくべきである。 保護者対応において大切なポイントは、保護者アセスメントを行うこと、保護者とのつながり を大切にしながら合理的な限界設定をしておくこと、社会常識や子どもの最善の利益、成長発達 の保障、学校制度における合理的な限界などに基づく誠実な対応と、それをきちんと保護者に説 明できること、一人で抱え込まずチームで対応することが挙げられる。 《文責:研究部 全校研修係 伊佐木翠》 (3) 自立活動部 研修テーマ:自立活動について ~これが知りたかった!授業づくりのポイント~ 日 場 時:2014 年 6 月 20 日( 金 ) 16:00~17:00 所:本校 図書室 講 師:小田浩伸先生(大阪大谷大学 教授) 1 研修目的 本校の「個別の教育支援計画」 「個別の指導計画」が新様式に改訂されて2年目になる。その作成 補助資料として、昨年度作成した、自立活動6区分 26 項目の観点で実態把握と課題設定を行うため の「課題設定のためのチェックツール」を、パソコンで入力できるなど今年度はさらに改訂を加え た。しかし、教員自身が自立活動の観点について理解し実態把握や課題設定ができなければ、この チェックツールも意味を成さない。昨年度の同じ時期に小田先生の講演をお願いしたが、 「自立活動 の考え方について話が聞けてよかった」と概ね好評だった一方、スーパーバイズでは「グループ指 導の中、子どもたちの発達の幅が広くて、授業の目標設定に困っている」 「子どもに授業を集中させ るにはどうしたらよいか」という授業に関する教員からの質問が多くある。 そのため、今回の研修では、自立活動とはなにか、特に大切にすべき観点について、また小田先 生によるスーパーバイズの中で相談された方に好評を得ている「授業づくりの 3 つの視点」につい て、高等部生活課程の授業場面を実際に見ながら参加者自身が実感できるような研修を行った。 2 研修内容 1)講義 「自立活動の意義と自己肯定感を高める授業の工夫」 ・自立活動は、特別支援学校の目的の達成するために特別に設けられた指導領域である。 ・特別支援学校の教育とは、発達段階に即した内容(教科等)と障がいによる学習上又は生活上 68 Ⅳ 研修の記録 の困難を改善・克服するために必要な指導(自立活動)の二本立てで成り立っている。 ・障がいの捉え方は、ICF の考え方を踏まえ、つまずきや困難のみに視点を当てるのではなく、 できることや環境を整えればできること等に一層視点を当てる必要がある。子どものストロン グポイントの把握が必要である。 ・自立活動と各教科の関連について、考えていく必要がある。 ・特別支援学校でのキャリア教育の推進について、キャリア発達の 4 領域は自立活動にも連動し ている。今授業等で行っていることにキャリア教育の軸を置いていくとよい。 2) 「授業を見ながら考えよう!-授業づくりのポイント」 高等部生活課程の授業場面の録画映像をもとに、小田先生に講演していただく。 (講演内容) ・根拠に基づく効果的な実態把握のためにチェックツールを活用する。 効果:実態把握におけるエビデンスの確保 チェック項目の観点が「行動観察」に活きる 的確な目標・内容設定のための根拠とヒント情報を収集する ・授業構成を考える 3 つの視点「構造化」 「視覚化」 「協働化」 ・わかる授業のステップとステージ 認知的理解(聞いてわかる)→体験的理解(体験してわかる)→実用的理解(なっとくできる、 定 着する)→人に教えることができる ビデオ ・本校高等部生活課程の授業場面 《文責:自立活動部 研修係 桑名京子》 (4) 進路指導部 研修テーマ:福祉事業所(作業所)の事業形態や内容について 日 時:2015 年 1 月 30 日( 金 ) 15:45~17:00 場 所:本校 図書室 講 師: 特定非営利活動法人ひこばえ いずみ 所長 上野 典子 1 研修の目的 本校高等部の卒業後の進路先として、毎年、8割程度の生徒が、福祉事業所を選択し、決定して います。現在、障害者総合支援法の下、堺市内及び本校校区の他市、また周辺地域において、200 箇所近い福祉事業所があり、その中から、保護者・生徒が、進路先である福祉事業所を選択し決定 することは、容易なことではありません。 そのような現状のなか、本校には、生徒が高等部卒業後に豊かな社会生活を営むことができるよ うに、本人・保護者のニーズや実態を踏まえ、必要に応じて関係機関と連携しながら適切な進路指 導を行う必要があります。そのために必要な、福祉事業所の基本的な知識から、実態、選択のポイ ントについて知り、担任教員が保護者・生徒の実態に応じて、進路選択への助言や指導を行うこと ができるように、今回の研修を実施しました。 2 研修の内容 1)事業所種別について 福祉事業所の種別は「就労する場」と「訓練する場」の大きく2つに分けられる、「就 69 Ⅳ 研修の記録 労する場」としては、就労継続支援 A 型と就労継続支援 B 型がある。 「訓練する場」とし ては、就労移行支援・生活介護支援・自立訓練がある。それぞれの事業所が、目的や事業 の形態に応じて、特色のある事業内容や支援、サービスを提供している。 事業によっては、利用期間に年限や、卒業後にすぐ利用できない、支援区分による利用 の可否など、様々な条件がるので、確認が必要である。 2)運営主体について 各事業所の運営主体についても、社会福祉法人、特定非営利活動法人、一般社団法人、 株式会社、医療法人など、成り立ちに応じて様々な形態がある。 一つの事業所や運営主体が、複数の事業を行っている場合がり(多機能型) 、日中活動 の場から居住の場まで、一つの運営主体で行う場合もある。 (自己完結型) 事業種別と同じように、各運営主体にも特色があり、親の会や後援会への参加、寄付金 の有無など、確認が必要である。 3)選ぶときのポイント ・作業や活動の内容をツールと理解し、目的が定まっていること。 ・職員の入れ替わりが少ない ・施設長やサービス管理責任者がネットワークを持っている ・当事者のライフステージの検証(ライフステージに応じて事業所を変わっていく) 《文責:進路指導部 研修係 岸田大輔》 (5) 支援ネットワーク部 研修テーマ: 「個別の教育支援計画・個別の指導計画の作成について」 日 時:2014 年 5 月 9 日( 金 ) 16:00~17:00 場 所:本校 図書室 講 師:本校指導教諭 奥長康郎 内山誉利子 本校の「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」は、一昨年度にプロジェクトを立ち上げ改 訂作業が行われ、昨年度より新様式で実施されている。その詳細については、昨年度紀要「本年度 の重点課題より」に記載した。 昨年度の全校研修では、新たになった書式について記入見本も含めて説明会を行った。今回の研 修では、特に優先課題の設定や目標の設定などについて以下の 3 点について研修を行った。 1 「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」の「二つ」の計画 計画の理念等について説明を行った。またインクルーシブ教育における合理的配慮につい て具体的なものをあげた。 2 「個別の教育支援計画」の作成について、 教育的支援とは・ICF を使った視点・生活地図や支援マップの紹介・他期間への引継ぎ等 について講義を行った。 3 「個別の指導計画」の作成 目標の設定・優先課題・優先課題設定の理由・長期目標・短期目標 の作成の流れについて 講義を行った。 今後も研修等を通じて、特にPDCAのサイクルでの目標の設定や評価等の充実を図っていく必 70 Ⅳ 研修の記録 要がある。 《文責:支援ネットワーク部 奥長康郎》 研修テーマ:ユニバーサルな支援 ~よりよい児童生徒との関りをめざして~ 日 時:2014 年 8 月 26 日( 月 ) 15:00~17:00 場 講 所:本校 多目的室 師:松久 眞実氏 (プール学院大学准教授) 1 研修目的 本校は肢体不自由の学校であるが、高等部生活課程だけでなく他の学部においても多様な支援を 必要とする子ども達が増えてきている。地域の諸園校においても様々な課題のある子ども達が多く 在籍している。特別支援教育における地域のセンター校として、情報提供および障がいの理解推進 をはかり、地域の諸園校・関係機関との連携を深め、お互いによりよい支援ができるよう今回の研 修を実施した。 2 研修内容 発達障害を持ちながら大学生活を送ることができるという大学での支援のあり方の紹介、ユニバ ーサルデザインとは、トークンの効用、いじめについて、明日から無理なくとりくめる学級での取 り組み、スモールステップでの取り組みなど、多岐にわたり話された。 ユニバーサルデザインというものは、視覚的支援・スケジュールの提示・教室の構造化などのハ ード面だけでは上手くいかないものである。ユニバーサルデザインを取り入れても学級運営が上手 くいかなというケースでは、ソフトということにも目を向けるべきである。児童生徒の褒め方や叱 り方・わかりやすい指示の出し方・教師を信頼、尊敬できるようになる対応なども重要である。ハ ード面とソフト面、どちらか片方だけでは上手くいかない、車の両輪のような関係である。 発達障害を持つ児童生徒、特に自閉的な障害を持つケースの支援は、オーダーメイドであり、同 じような障害にみえても同じような支援ではなく個々に応じた支援で対応していかなければならな い。 学生が考えた 「いじめのスモールステップ」 の紹介もあり、 被害者の気持ち・加害者の気持ちなど、 両者の気持ちを汲み取り、居心地のよいクラス作りの重要性についても触れられた。 大学では、発達障害を持つ学生にどのように支援をしているか具体的な事例を通じ、自尊感情が さがらなければ、高等教育の場でもやっていけるということの紹介があった。自尊感情を大切にす るためには、常に好意に満ちた話かけを行うこと・子供からどのような態度をとられても好意で返 していくことなどが大切であると述べられている。 日々の学級運営上、子供をやる気にさせるためには「ぴかぴかタイム」 「記念日遊び」 「今日の宝 くじ」など、明日からすぐできるアイデアもたくさんいただけた。 参加者からは、将来的な姿・支援の話がきけてよかった・教室ですぐ実践できる内容が参考にな った・好意に満ちた言葉かけを実践していこうと思う、など2学期からもがんばろうという前向き な感想が多くあげられた。 《文責:支援ネットワーク部 園山暁子》 71 Ⅳ 研修の記録 3 平成 26 年度各部署主催研修一覧 研修日 研究題目・内容 講師 部署 4/15(火) 1.WISCⅢ研修会① 本校教職員 支援 ネットワーク部 4/17(木) 5/20(火) 2.遠城寺式乳幼児分析的発達検査 KIDS乳幼児発達スケール 酸素ボンベ・アンビューバックの使い方 5/23(金) 2.WISCⅢ研修会② 6/23(月) 本校教職員 (保健室) 本校教職員 「目に見えやすい不便」と「目に見えに くい不便」~その支援について~ 支援 ネットワーク部 健康安全部 支援 ネットワーク部 本校教職員 (本校指導教諭) 支援 ネットワーク部 本校教職員 情報処理部 教職員のメンタルヘルスについて 本校校医 保健係 15:45~17:00 奥野正景氏 安全衛生委員会 本校教職員 自立活動部 ICT機器の教育活用 15:45~17:00 7/10(木) 本校教職員 やるなら今でしょ学習会 15:45~16:45 8/25(月) やるなら今でしょ学習会 本校教職員 自立活動部 8/29(金) やるなら今でしょ学習会 本校教職員 自立活動部 本校指導教諭 9/19(金) 指導案の書式と記入上の留意点について 内山誉利子 指導教諭 奥長康郎 大阪川﨑リハビリテ 9/19(金) 重度肢体不自由障がい児のコミュニケー ション実践例紹介 ーション大学 言語聴覚専攻 自立活動部 教授 木村秀生先生 10/16(木) 10/23(木) 保護者との良き関わりのために 関係発達論に学ぶ支援を考える 常磐会学園大学 教授 佐谷力先生 支援 ネットワーク部 ベルデさかい 理学療法士 自立活動部 岸本眞先生 12/3(水) 楽スタ実践研修 12/18(木) 動きが生まれるための 支援を考える びわ湖学園 高塩先生 ベルデさかい 理学療法士 岸本眞先生 72 自立活動部 自立活動部 Ⅳ 研修の記録 12/22(月) ICT 機器の教育活用 本校教職員 情報処理部 特定非営利法人 堺相談支援ネット 西区障害者基幹相談 支援センター 1/21(水) 教育と福祉の連携 センター長 支援 ~多様な相談と支援の形~ 福井 恵美子氏 ネットワーク部 特定非営利法人 はな来楽部 理事 相談事業所 所長 岸本 千影氏 1/29(木) 2/9(月) 2/20(金) 障がい児のSSTについて YMCA主任講師 支援 加藤 義弘先生 ネットワーク部 明日からできる! 大阪大谷大学 「わかりやすい授業の作り方」~堺支援 の相談事例から~ 教育学部教授 小田浩伸先生 自立活動部 発達障がいの子どもをもつ 阪南病院臨床心理士 支援 親へのかかわりと支援 吉川先生 ネットワーク部 《文責:研究部 全校研修係 伊佐木翠》 73 Ⅳ 研修の記録 4 平成 26 年度校内新転任者研修 今年度も春季休業中を含め、2学期までに研修を終了した。 今年度の対象者は42名だった。 回 月 日 曜 4/2(火) 15:30~17:00 『本校の概要』 『各部の概要』 『教員の心構えと服務』 『本校におけるコンピューター/視聴覚機器 1 の利用について』 3 4 5 6 7 8 9 14:00~15:00 4/7(月) 15:30~16:00 4/11(金) 13:30~14:30 4/11(金) 16:00~16:30 4/11(金) 16:45~17:00 4/14(月) 16:00~16:45 4/26(土) 14:00~14:30 4/26(土) 14:45~15:30 情報処理部 講義 適宜 各部主事 講義 『発達障がいについて』 60 支援ネットワーク部 講義 (支援学校〈知的〉未経験者及び希望者のみ) 『日常生活の援助について』 『本校の医療的ケアについて』 分 60 『本校の子どもの健康状態』 分 『食事場面での援助について』 30 (支援学校〈肢体〉未経験者及び希望者のみ) 分 15 『緊急時の対応について』 分 『支援ネットワーク部の役割について』 45 分 30 『自立活動の捉え方と役割』 分 『二次調理器研修』 45 (未経験者及び希望者のみ) 『進路指導について』 分 30 (支援学校〈肢体〉未経験者及び希望者のみ) 6/27(金) 7/30(水) 10 講義 『各部に分かれて』(各部対応) 11 13 各部主事 指導教諭 『通学バス同乗』 7/11(金) 分 分 6/18(水) 6/30(月)~ 教頭 教頭 10 12 50 形態 10 (初任者のみ) 4/7(月) 講師等 分 『初任者に向けて指導教諭の紹介』 2 時間 分 自立活動部 分 講義 講義 実習 支援ネットワーク部 講義 健康安全部 実習 自立活動部 実習 (バス運行) 45 実習 講義 分 適宜 講義 健康安全部 総務部 分 『校長・准校長講話』 保健室 90 60 『校内授業見学』 自立活動部 講義 進路指導部 講義 実習 研究部 見学 校長・准校長 講義 《文責:研究部 新転任者研修係 瀧野由美子》 74 Ⅳ 研修の記録 5 日時 1 4 月 25 日(土) 平成 27 年度全校研修一覧 研究題目・内容 講師 部署 個別の指導計画から授業づくりへ 大阪大谷大学 小田浩伸先生 自立活動部 支援ネット ワーク部 2 5 月 26 日(火) 救急蘇生法訓練(AED 含む) 奥長康郎 健康安全部 3 6 月 12 日(金) 子どもの人権尊重について 本校教員 人権教育 推進係 1 4 6 月 26 日(金) 堺市における障がい児・者の 相談支援体制について 5 7 月 27 日(月) 生徒理解・障がい理解について 6 8 月 28 日(金) 子どもの人権尊重について 7 8 月 28 日(金) 堺市子ども青少年局 子ども家庭課障害児支援係 雁野雪保氏 堺市健康福祉局 障害福祉部障害者支援課 森繁樹氏 本校卒業生 山本栄治氏 進路指導部 研究部 人権係 本校教員 人権教育 推進係 支援教育の動向とユニバーサルデ ザインを授業に生かす 大阪人間科学大学 須田正信先生 支援ネット ワーク部 保健係 安全衛生委 員会 2 8 9 月 10 日(木) 教職員のメンタルヘルス 大阪府立精神医療センター 医務局長 野田哲朗医師 9 10 月 2 日(木) てんかんの病態と対応について 医師講師 東川幸嗣医師 医ケア係 10 10 月 21 日(水) 楽スタに関する内容 びわこ学園 高塩純一先生 自立活動部 11 11 月 5 日(木) 発達に特性がある児童・生徒への 支援の考え方 大阪 YMCA 主任講師・言語聴覚士 加藤義弘先生 支援ネット ワーク部 12 12 月 2 日(水) 本校教員 人権教育 推進係 府立視覚支援学校教諭 首藤浩先生 府立聴覚支援学校教諭 尾家弘子先生 研究部 全校研修係 本校教員 人権教育 推進係 子どもの人権尊重について 3 聴覚・視覚に障がいのある生徒の 理解を深める 13 12 月 18 日(金) 14 1 月 29 日(金) 15 2 月 19 日(金) 実践報告会 本校教員 研究部 授業研究係 16 3 月 17 日(木) 一年間の自立活動の取り組みに ついて振り返る 大阪大谷大学 小田浩伸先生 自立活動部 支援 N 部 子どもの人権尊重について 4 《文責:研究部全校研修係 75 伊佐木翠》 Ⅳ 研修の記録 6 全校研修の概要 (1) 健康安全部 研修テーマ:救急救命法講習 「心肺蘇生法やAED使用法」 日 時:2015年 5月 26日( 火 ) 16:00~17:00 場 所:本校 体育館 講 師:本校 教諭 奥長康郎 氏 研究内容 1 研修について 本校では、救急救命法の実技講習会は学校全体研修に位置づけられている。全職員が心肺蘇生 法の手順を理解し、技術を習得することは、本校の特性やプール学習、朝のランニングや冬季ス ポーツ大会等の各行事の指導場面を考えると、必要不可欠である。 2 講習の内容について (1)一次救命処置等救急法の手順と変遷について (2)AEDの使用方法と注意点について (3)スクーマンを使用した心肺蘇生法の実践について 心肺蘇生法の実践では、各班に体育科の教師が評価者として配置されることにより、意見交換 や質問がしやすい環境設定を行なった。AEDの使用方法の確認については、視聴覚機器をしよ うした手順の詳しい確認を行った。 3 講習を終えて 今年度は約100名程度の受講者がいたが、マニュアルを基とした「速やかな通報→良質な心 肺蘇生→速やかな電気ショック→専門家の治療」の一連の流れを確認するとともに心肺蘇生法の 実践などで、昨年度同様、校内の教員による講習だったため、分かりやすかったという評価が得 られた。一次救命処置の実践の際には、男女別のグループに分かれて班を作ることによって、一 人ひとりがより積極的、実践的な形で取り組むことができたと考える。毎年5月に開催されてい る大阪府教育委員会等の主催する研修を受講した上、AEDの使用法を含む救急救命法に精通し た本校の教員の参画を含め、講習会の充実を図っていきたい。より安心で安全な学校作りにつな がると考えている。 《文責:榛村 卓浩 健康安全部 体育大会・プール係 》 研修テーマ: 「教職員のメンタルヘルスについて」 日 時:2015年 9月 10日( 木 ) 16:00~17:00 場 講 所:本校 図書室 師:野田 哲朗 兵庫教育大教授 ・ 保健管理センター教授 1.研修目的 教職員のメンタルケアを目的にメンタルヘルスやストレスについての講演を実施した。 76 Ⅳ 研修の記録 2.研修内容 (1)ストレスについて ①現代社会におけるストレス 過剰なストレスが引き起こす労働力の低下や燃え尽き症候群などが大きな問題となって いる。 特に教育現場、看護、福祉の職場で起こりやすく最終的には離職につながり、対人サービ スの低下 に陥っている。 ②ストレッサーとストレス反応 ストレッサーには「トラウマティックイベント」 「ライフイベント」 「デイリーハッスル」 などがあるが、このような外からの圧力を元にはね返す力(レジリエンス)を鍛える必要 がある。 また、ストレスで生じる思考の悪循環(脳の機能不全→認知の狭窄→不安感→不眠)に陥 らないようにするには周囲の者からのソーシャルサポートが不可欠である。 ③認知の影響 ある出来事に対して自然と浮かぶ考え(自動思考)を活性化するものにはスキーマと呼 ばれるものがある。スキーマとは心の奥底に常に存在する自分特有の絶対的な世界観・価 値観で、潜在的な心のルールとして影響することがある。 各個人の考え方の癖として「先読み」 「べき思考」 「思い込み・レッテル貼り」 「深読み」 「自己批判」 「白黒思考」などがある。自分自身の癖を把握しておくことが大切である。 (2)メンタルヘルスについて ①ストレスへの対処 まず、いろいろな人と相談しながら適切な解決方法を考え、一つ一つできることに前向 きな姿勢 で取り組むのがよい。他人のせいにしたり一人で悩んだり、非生産的な行動に逃げるのは よくない。 ②リラクセーション ストレスに対しては「自律訓練法」 「漸進的筋弛緩法」 「軽い運動」 「ぬるめの入浴」 「音 楽」などのリラクセーションを身につけるとよい。音楽は最初に気分同調性音楽を使用す るのがいい。 (3)ストレスと精神疾患について ①精神疾患と性格 「仕事熱心」 「凝り性」 「徹底的」 「正直」 「模範的人物」など執着性格の人ほどうつ病にな りやすいので気をつける必要がある。自分の性格を把握しておくとよい。 ②うつ病のタイプ 「大うつ病」 「双極性障害(躁うつ病) 」 「気分変調性」 「気分循環性」 「非定型うつ病」など がうつ病のタイプとしてあげられる。双極性障害は診断が難しく見逃されがちである。 (4)自閉症スペクトラムについて ①自閉症スペクトラム(ASD) 中核群である自閉症から、その周辺群であるアスペルガー障害や特定不能の広汎性発達 77 Ⅳ 研修の記録 障害、小児期崩壊性障害が含まれる。適切な配慮や教育により、行動上の問題が減った り、理解が伸びたりコミュニケーションなどのスキルが向上することがある。 《文責:健康安全部保健係 吉崎 裕》 研修テーマ:てんかんの病態と対応について 日 時:2015 年 10 月 2 日( 金 ) 16:00~17:00 場 講 所:本校 図書室 師: 社会医療法人清恵会病院 小児科 東川 幸嗣 1 学校生活の中で<児童・生徒の実態に合わせた教育・指導を進める>において、 「てんかん発作」 の基本的知識・正しい理解を深めるために研修会を開催した。 (出席 71 名) 2 てんかんの定義(WHO・国際抗てんかん連盟 ILAE;2005) (1) てんかん発作とは・・・脳の過剰なもしくは同期した、異常神経活動に基づく一過性の徴候・ 症状の発現である。 (2) 原因・・・脳にある神経細胞の電気的活動が異常興奮を起こす、例えると「ショート」を起 こしている状態。 ① 脳に異常興奮しやすい素質がある場合(特発性てんかん) ・・けいれんを起こしやすい「脳 のけいれん素因」が原因であり、つまり遺伝的な素因と外的因子が一致してけいれん発作 を起こしやすくなる。 ② 脳に病気が存在し脳が興奮しやすくなる場合(症候性てんかん) ・・様々な合併症の一つと して、てんかん発作が認められる。検査では異常が見つからないが、おそらく症候性てん かんではないかと思われる場合(潜因性てんかん)としている。 (3) てんかん発作分類(1981 年) ① 部分発作・・・○単純部分発作―意識(+) ・・運動症状を伴う・体性感覚を伴う・自律神 経症状を伴う・精神症状を伴う ○複雑部分発作-意識(-)バタンと倒れる、けいれん 発作 ○二次性全般化発作 ② 全般発作・・・○欠神発作、非定型欠神 ○ミオクロニー発作 ○間代発作 ○脱力発作 ○強直間代発作 (4) てんかん発作の誘発因子 ① 起きているときのみ起こる型 ②寝ているときのみ起こる ③突発性全般てんかん・・睡 眠不足時、疲労時、起きかけに起こりやすい ④月経、光刺激、白黒の模様など。 (5) 治療 ① 薬物療法 抗てんかん薬 ② 外科治療 側頭葉てんかん発作で 80~90%の発作寛解率 てんかんの病巣が切除可能な部位にある場合にも手術が積極的に行われる。③ 食餌療法 ケトン食療法 ④ 生活習慣 などがある。 3 発作時の救急処置 ② けいれん発作を見た場合には、慌てず衣服をゆるめ、ゆったりと呼吸が出来るような状態 を作り、静かに危険でない場所に寝かせる。この時吐くこともあるので、顔は横向きにす る。物をかませたり、割り箸を差し込んだりするのは、喉を刺激して吐くことを誘発した り、窒息につながることもあるので危険などでしない。 ③ どのような発作なのか、持続時間、意識確認など発作の様子をよく観察・記録し主治医に 78 Ⅳ 研修の記録 報告する。数分で終了することが多い。5~10 分以上発作が続いた時には救急車を呼ぶこ ともある。搬送先はかかりつけの病院へ運んでもらう。 《文責:健康安全部 医ケア係 池谷満里子》 (2) 研究部 研修テーマ:生徒理解・障がい理解 日 時:2015 年 7 月 27 日( 月 ) 13:30~15:00 場 講 所:本校 図書室 師: 本校卒業生 山本栄治 1.研修目的 当事者の経験や実践を知り、障がいに対する理解を深め、障がいのある子どもの支援のあり方を 考える。 2.研修内容について 本校卒業生である山本栄治さんを講師として招き、障がいを持って生まれて、どのように障がい と向き合ってきたか、また社会と関わってきたかを山本さんの生活史を中心に伺い、障がいについ て理解を深め、支援のあり方を考えた。 (1)出生~小学校入学前まで 障がいがあるがゆえに幼稚園での遠足や、地元の小学校への入学の際に「なんで自分だけ皆と同 じようにいかれへんねん!」という思いが強くなり、 「何でも皆と同じようにしたい」という思いが よりいっそう強くなる。この頃の出来事が山本さんの障がい者観の礎になったと話されていた。 (2)小学校時代 小学校入学後は幼稚園時代と変わらず、歩行器で学校中を走り回り、友だちとドッジボールやキ ックベースをするなど、活発に過ごした。小学校にはエレベーターがなかったため、階段を自力で 上り、教室まで行っていた。雨の日以外は、歩行器で自宅から学校まで自力で通学するようになっ た。3年生の時には学級委員、高学年になると児童会役員も務め、出来ることは何でもやろうと思 っていた。 (3)中学校時代 地域の中学校に入学後も、小学校の時と同じように「出来る限り何でも皆と一緒に」という思い で中学校生活を送っていた。山本さんが中学校2年生の時、美術の時間に看板を制作する(カッター を使ってダンボールを切る)授業があった。それまでカッターを使った経験が十分になく、正しい使 い方をすることが出来なかった。すると、美術の教員から「なんで上手く使えないんや!」と厳し く叱責された。 手の麻痺のこと、 カッターの使用に不慣れなことなど説明しても理解してもらえず、 初めて学校に行きたくないと思うと同時に、改めて「障害」を持っていることに気づいたという。 この時、地図を把握することが出来ない、パズルを作ることが出来ないといった空間認識に弱さが あることに初めて気づいた。 (4)高校時代 79 Ⅳ 研修の記録 希望する学校に進学を考えていた山本さんだったが、通学面で難しい状況が多く断念せざるをえ なかった。入学後もそのことを引きずり、悶々とした日々を過ごしていたが、毎日楽しく過ごす友 人や、不登校気味だったクラスメイトが山本さんと交流する中で毎日学校に来られるようになり、 山本さん自身もそれまでの悶々とした気持ちから前向きな気持ちに変わっていったそうだ。 そして、 このことがきっかけで自分も役に立つ同じような立場の人の支援に携わっていきたいという思いが 強くなり、大学へ進学することを決意する。 (5)大学時代 大学入学後は、障がいを持つ仲間と学内のバリアフリー化を推進する有志の会に所属し、精力的 に活動する。学内の教室の車イス専用席の増設を実現することができた。そこには、障がいを持っ ていても他の学生と同じように自由に席を選んで授業を受けるといった当たり前の大学生活を送り たいという思いがあったからだと山本さんは話されていた。また、大学の友だちと遊びに出かけ、 朝帰りすることもあった。家に帰ると母親が泣いており、心配かけてしまったことを謝ると、母親 から返ってきた言葉は山本さんにとって予想に反するものだった。 「あんたが友だちと遊びに出かけ、 しかも朝帰りまで出来るようになるとは思わなかった。 」と言われたのだ。 (6)就職してから 堺市の学校事務職の仕事に就いた山本さんは、教員の給与の支給事務や学校の予算管理等の事務 をしていた。仕事の幅が増えるにつれ、やりがいを感じることが出来たが、その一方で、手先に麻 痺がある山本さんにとって、書類をファイルに綴じたり、インデックスシールを貼ったりすること は困難を伴い、仕事内容によっては時間をかけてもどうしても難しい仕事があった。特に、来客者 対応では、仕事先の先輩に校門まで迎えに行ってほしいと頼まれたが、視知覚障害である山本さん にとって、頭の中に事務室から校門までの地図を描くことができず、校門で待つ来客まで辿り着く ことが出来なかった。また、そういった面を同僚の人たちに伝えてもなかなか理解してもらえず、 「給料をもらっているんやから最後まで一人でやれ」と言われたことが大変辛かったと話されてい た。 (7)最後に 山本さんはご自身のことを振り返り、話す中で、 「障がいがあることによって、出来ないことはあ るかもしれない。 しかし、 どうやったらみんなと一緒にできるようになるかを一緒に考えてほしい」 と言葉に強い思いを込めていた。これからの展望としては、これまでの経験を活かして、自分と同 じように障がいがあることで悩んでいる人や、自立を目指している人たちの力になりたいと思って いると語っていた。 今回、山本さんの生活史を話していただく中で、一貫して「みんなと同じようにしたい」という 思いを持っており、壁にぶつかる度にどのようにしたらみんなと同じようにできるのかを考え、取 り組んできた姿を知ることができました。そして、視知覚障害のような見た目にはわかりづらい障 がいで、 周囲の人に理解してもらいにくいしんどさを抱えていることを認識することができました。 山本さんのように、自分の思いや考えを伝えることができる人もいれば、障がいの状態によって自 分の思いを伝えることが難しい人もいます。参加者からは、当事者にしかわからない心情を聞くこ とができてよかったといった感想が多くあげられました。山本さんは、 『障がいによってみんなと同 じように出来ないこともあるけれど、それでもみんなと同じようにやりたいんだ』という思いを、 諦めず周囲の人たちに訴え続けてきました。山本さんの「みんなと同じようにしたい」という思い を、単なる不満と捉えてしまうのではなく、 「当たり前の思い」と受け止め、どのようにして実現し 80 Ⅳ 研修の記録 ていったらいいのか、一緒に考えることから生徒の支援につながると感じました。今回、山本さん の「障がいがあることによって、出来ないことはあるかもしれない。しかし、どうやったらみんな と一緒にできるようになるか一緒に考えてほしい」という思いを参加者で共有することができ、改 めて生徒一人ひとりの気持ちを考えるとても良い機会になったと思います。 《文責:研究部 人権係 坂下奈緒》 研修テーマ:生徒理解・障がい理解~聴覚・視覚障がいのある生徒の理解を深める 日 時:2015 年 12 月 18 日( 金 ) 15:45~17:00 場 所:本校 図書室 講 師: 首藤 浩(府立視覚支援学校教諭) 尾家弘子(府立聴覚支援学校教諭) 1.研修目的 本校では、今年度から3年間、共通の研修テーマを設定した。そのテーマは「授業力の向上」で あり、1年目は「生徒理解・障がい理解」 、2年目は「様々な指導法」 、3年目は「授業作り、教材 作り」と段階的に設定し、 「授業力の向上」につながるようにした。1年目のテーマに沿って、本校 の児童にも関係があるが、研修を受ける機会の少ない「視覚障がい、聴覚障がい」にスポットを当 て、視覚障がい、聴覚障がいのある児童・生徒についての基本的な知識を学ぶため視覚支援学校、 聴覚支援学校から教員を講師に招き、研修を行った。 2.研修内容 (1)視覚障がいについて ひとがものを見る仕組みや、視覚とは、眼球がビデオカメラで、視神経がコード、大脳視覚野が コンピューターの役割をしているなど、人が物を見る仕組みを例えで分かりやすく教示された。そ れを知った上で、視覚障がいとは、眼球、視神経および大脳視中枢などに障がいがあるために、永 続的に視機能の低下をきたしている状態であり、治療を行っても機能の改善が認められないで、見 ることが不自由になっている状態であるとの説明があった。 視覚障がいの原因や、 視機能について、 視力障がいのある人の見え方を映像で映された。光覚障がいについても説明され、視覚障がいの分 類、弱視児への配慮と指導、視力評価の方法なども実物を用いて説明され、大変分かりやすかった。 (2)難聴児とのかかわりについて まず、堺聴覚支援学校の紹介で、聴覚支援学校ではどのような設備があり、どのようなことが行 われているか説明された。そのあと、耳のしくみや難聴についての説明があった。伝音性難聴と感 音性難聴があることなど、それぞれの特徴、補聴器をつけた時の効果もパワーポイントを使って分 かりやすく教示された。肢体不自由児の聴覚についての説明も聞くことができた。聴覚障がいの児 童、生徒にとって視覚支援が重要になってくること、聴覚支援学校で行っている視覚支援の取り組 みや、実際の授業風景を見せていただけたり、さまざまなコミュニケーション方法(聴覚口話法、 指文字、キュード、手話、筆談、空書、身振り)があることを教わった。最後に、耳の聞こえない 人とのコミュニケーションにおいて、相手の人の条件やその場の状況、話題などに応じて、もっと もよい方法を選択し、組み合わせて、コミュニケーションの効果を高めようとする考え方、方法を 「トータルコミュニケーション」といい、それが大事であるということを学んだ。 81 Ⅳ 研修の記録 本校では肢体不自由や発達障がいについての研修はよく行われているが、この分野に焦点を絞っ た研修はあまりなく、職員にとって新鮮で興味深い内容だったことがアンケート結果からもわかっ た。 「支援の工夫やポイントを学びたい」 、 「短い時間だったので、もう一度次の所や深めた所を聞き たい。 」 という意見もあったので、 これらの意見を参考に来年度の研修につなげていきたいと考える。 《文責:研究部 研修係 神矢正和》 (3) 自立活動部 研修テーマ:個別の指導計画から授業づくりへ ~自立活動 6 区分の視点をふまえた実態把握から~ 日 時:2015年 4月25日( 土 ) 14:00~15:30 場 所:本校 図書室 講 師:小田浩伸先生(大阪大谷大学教授 特別支援教育実践研究センター長) 1 研修目的 本研修は支援ネットワーク部と自立活動部の共催研修として行った。両分掌での共催については 過年度より実施に向けて模索し、今年度実現の運びとなった。両分掌ともに重要な業務の一つに、 “教職員の指導力向上に向けた情報の発信”が挙げられる。今年度は研究部の掲げる研修テーマ: 児童生徒理解に沿って研修の方向性を一つにし、年度当初の本研修と年度末(1月29日実施)の 全校研修を両分掌共催で行うこととした。また、年度当初の研修による提案を全校で共有・実践し、 年度末に検証する機会を持つように計画した。併せて実践の部分については、二学期に両分掌が独 自に研修テーマを設定しての全校研修を行うことで研修に広がりを持たせることができる構成とな っている。 そのような位置づけの中、今回の研修は“個別の指導計画” “自立活動” “授業作り”の3つのキ ーワードで構成し、 個別の指導計画作成に発展させるための方法や支援学校の柱である 「自立活動」 の捉え方と、 自立活動6区分 26 項目の観点での実態把握と課題設定の必要性についても講演を依頼 した。この時期にその内容をおさえることで全教員が自立活動の正しい理解を深めるとともに、作 成した「課題設定のための6区分チェックツール」の活用促進も目指している。同時に本研修は、 校内の新転任者研修を兼ねて設定しており、 「本校の自立活動」についても学ぶ機会とした。 2 研修内容 (1)講義「特別支援教育の展開と課題」 ・特別支援教育の新たな展開について(国際的及び国内の動向) ・H26年「障害者の権利に関する条約」の効力が発生し、H28年4月に「障害を理由と する差別の解消の推進に関する法律」が施行される。その中で取り上げられる『合理的配 慮』とは、一人一人のニーズに即した支援であり、 『基礎的環境整備』はその土台となるべ きもので、学校や市町村単位での全体的な支援を指している。 ・ 「基礎的環境整備」と「合理的配慮」は一般の小中学校と支援学校において、内容や割合が 変わってくる点は理解しておくべきである。 (2) 「自立活動の基本的な考え方」 ・教育基本法の『特別支援学校の目的』の中で、自立活動の定義が述べられている。 “発達段 82 Ⅳ 研修の記録 階に即した指導(教科等) ”と“障害による学習上または生活上の困難を改善・克服するた めに必要な指導(自立活動) ”の二本柱で構成されるのが特別支援学校の教育課程である。 ・自立活動の展開については、 “学校の教育活動全体を通して行うもの(自立活動の指導) ” と“時間を特設して指導を行うもの(自立活動の時間における指導) ”の二つの間に密接な 関連を持つことが重要である。 ・自立活動の内容については、6区分26項目の要素で考えていく。 「人間として基本的な行 動を遂行するために必要な要素」と「障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服す るために必要な要素」を総合して考え、それらを6区分26項目に分類整理する。その上 でそれらを関連付けて目標を設定することで適切な目標設定に結びつけることができる。 (3)共感からはじまる「わかる」授業づくり ・特別支援学校における授業づくりの工夫として「個別性と集団性における目標の明確化」 「教材・教具の工夫と活用」 「児童生徒どうしの関わり場面の設定」 「チームティーチング の機能強化」が重要である。 ・授業構成を考えるにあたり、 「視覚化」 「構造化」 「協働化」の 3 つの視点で考えることが大 切である。 ・わかる授業のステップとして、 「認知的理解(聞いてわかる))→「体験的理解(体験してわか る)」→「実用的理解(納得できる、定着する)」というステージを意識していくとよい。 《文責:自立活動部 研究・研修係 井上妃呂子》 研修テーマ:もっと楽しく、もっと自由に、楽スタ!!~本校児童生徒の実践より~ 日 場 時:2015年10月21日( 水 ) 15:45~17:00 所:本校 図書室 講 師:高塩純一先生 (びわこ学園) 1 研修目的 本校に楽スタが導入されて2年目となる。今年度、1台追加し、総計2台、使用方法によっては 同時に3名が使用できる環境が整った。そのことにより、昨年度よりも多くの児童生徒が楽スタの 体験・学習ができるようになっている。同時に、楽スタに携わる教職員も増えてきた。そのような 環境の中で、楽スタによる実践の実例や指導のバリエーションについて知り、様々な指導の展開が できるようになることが必要となっている。そのため、今年も昨年度同様、楽スタの第一人者であ る高塩先生に実践指導及び講義をお願いした。 2 研修内容 (1)ビデオセッション―指導の様子を撮影したビデオと、担任のコメントへの助言 ①小学部(1年生男子)②中学部(2年生女子)③高等部(1年生女子) (2)講義「Spider を用いた自立活動の取り組み」 (以下、要点を抜粋) ・センス(その人なりの意味)とミーニング(誰によっても承認される意味)の違いを理解し た上で、センスに重きを置いたセラピーの重要性を考えていく。 ・センスに重きを置いたセラピーとは?⇒共に何かを感じる一体感の中で、個々によって感じ ることの異なる部分がある。その違いを受容した上で自分なりの感じ方を相手に伝え、相手の 感じ方を受け取る。その対話を通して自分も相手も承認できるミーニングを作っていくこと。 83 Ⅳ 研修の記録 ・人も環境の一部である。そのため、子どもたちにとって分かりやすい対応が必要。 ・できない部分に目を向けるのではなく、得意な部分にも注目し、そこを活かしていくことが 大切である。 ・失敗すると、そこでやめてしまうことがある。成功できるように段階付けも必要。 ・子どもたちが「やりたい」と思ったことが、成功すること、そして自信につながるようにつ なげていく。 《文責:自立活動部 研究・研修係 井上妃呂子》 (4) 進路指導部 研修テーマ:堺市における障がい児・者の相談支援体制について 日 時:2014 年 6 月 26 日( 金 ) 16:00~17:00 場 所:本校 図書室 講 師: 堺市子ども青少年局 子ども家庭課 障害児支援係 雁野 雪保 氏 堺市健康福祉局障害福祉部 障害者支援課 森 繁樹 氏 (1)堺市における障がい児の現状 (2)堺市の障がい児支援 ①相談の窓口 ②障がい児支援と福祉サービス ③障がい児の保護者支援 (3)障がい児支援の強化 ①障がい児相談支援の強化 ②障がい福祉サービス等利用計画の作成 ③通所給付決定の流れ ④堺市における障がい児支援申請窓口 (4)堺市が目指す障がい児支援 堺市における障害児・者制度について、上記の4つの項目について説明があった。 本校に在籍する児童・生徒の生活に密接している障がい児・者の福祉制度について、堺市におけ る障がい児数の推移や現状の説明からスタートし、制度の基本的な内容から、障がい児福祉サービ スの種類とその内容についてと、相談の窓口について説明があった。 現在の制度では、障がい児に対する様々な福祉サービスや支援体制があり、本人・保護者のニー ズに応じて、それらを上手に組み合わせ、利用することで、よりよい社会生活を営むことや、成長 を促すことができる。また、堺市独自の取組みとして、 「あい・のーと」 「あい・ふぁいる」を活用 した情報提供と、支援の強化体制についての説明があった。 また、後半では平成 27 年度4月より、障がい児・者相談支援事業が本格的に実施され、児童・ 生徒のニーズだけなく、実態に応じた適切なサービスの利用と提供をするための計画相談がスター トし、児童・生徒の生活全般や現状と将来を意識した計画の作成が必要となった。 学校教育だけでなく、地域の福祉と連携しネットワークの構築を行い支援していくことの必要 性が高まっている中、本校において、児童・生徒のニーズや実態に応じた支援を行っていく上で、 保護者だけでなく、教員が福祉制度や福祉サービスについての知識を得、理解することは大切なこ とである。 《文責:進路指導部 研修係 岸田大輔》 84 Ⅳ 研修の記録 (5) 支援ネットワーク部 研修テーマ:支援教育の動向とユニバーサルデザインを授業に生かす 日 場 時:2015 年 8 月 28 日( 金 ) 15:00~17:00 所:本校 多目的室 講 師: 大阪人間科学大学 特任教授 須田 正信 (1)特別新教育の全国的な動向とその後の推移 (2)障がい者全般を巡って大きく変化したことと、今後の在り方(法改正等) ①「障がい者の権利に関する条約」について ②障がいと合理的配慮について ③就学先決定の変更(学校教育法施行令)について (3) 「共生社会」の実現に向けて (4)新たな教育のシステムの構築 (5)ユニバーサルデザインを生かした授業の工夫 (6)発達障がいのある生徒の事例と支援の方策 上記の六つの視点からの話題提供があった。 前半は、支援教育の今までとこれからに向けてという大きなテーマでの内容である。これからの 社会を展望し「共生社会」を目指した特別支援教育にむけて、物理的・制度・文化、情報・意識など に関してバリアフリーが必要であるということや障がい者に関する法律についてわかりやすく教示 された。また障がいのある子どもの指導の際には、対応する指導・支援者の様々な感性や指導技能が あるが「スキル」に頼らない「マインド」を持った対応が優先されるべきであるという、私たちの 心構えともなる話もあった。 後半は、授業に関する内容であった。授業の質を高めるためには、①子ども理解②授業計画③教 材活用④授業展開⑤授業分析の 5 項目について分析し授業評価を行うことや授業のユニバーサルデ ザイン化を行うことが有効である。ユニバーサルデザインの観点としての授業作りのポイントとし ては、 ①授業に見通しがもてる工夫②授業・説明をわかりやすく工夫③目で見てわかる手がかりを工 夫④個人差を考慮し、個の特性に合わせた配慮をするとともに、基礎と発展を明確に工夫する。と いう4つがあげられる。など基本的な考え方が示された。 最後は、具体的事例が多数取り上げられ、あすからの実践に使えそうな内容が多く紹介された。 《文責:支援ネットワーク部 公開研修係 園山暁子》 研修テーマ:発達に特性がある児童・生徒への支援の考え方 ~ SST を意識した教材作りと指導を踏まえて ~ 日 時:2015 年 11 月 5 日( 木 ) 15:45~17:00 場 講 所:本校 図書室 師:大阪 YMCA 講師 加藤 義弘 先生 話の流れとして (1)巡回を通じて感じること (2)指導の方向性でまず考えること 85 Ⅳ 研修の記録 (3)教材作成の手順と工夫 (4)YMCA の指導の流れ (5)教材の紹介 (6)クラスや生活の中で意識できること 上記の六つの視点からの具体的な内容で話を聞くことができた。 巡回を通じて感じることとして、 「理解力がどの程度、児童生徒に備わっているか」 「形だけの指 導になりがちではないか」 「表面的に見えていることだけを対処していないか」 「0 から 100 かの考 えになりがちではないか」 「支援ではなく、介助になっていないか」 「今だけの支援になっていない か」などの視点が話され、私たちの日々の教育の場面でどうなのかと考えさせられた。 どのような環境で指導すべきかという話題も提供された。知的に大きく遅れのない児童生徒であ れば、 「考える」時間を意図的にたくさん作り、肯定的な自己理解を促していくよう、似たような課 題を持つ小集団で取り組むのが望ましい。知的に大きく遅れのある児童生徒であれば、マンツーマ ンでルールとして伝えたり、理解しやすいツールを活用していくことが望ましい。指導の中で児童 生徒が変わっていけば、その支援を変化させ、はずしていくということも考えていかなければなら ない、という内容も、将来を見据えた支援という観点では参考になった。 具体的な教材の話では、実際 YMCA で作成したプリントやその利用の仕方、発展のさせ方など もあり、参考になることが多かった。 アンケートにも、 「すぐに使えるテクニックの紹介があり、支援を減らすことの意味が理解できて よかった。 」 「実際に使うプリントをどう使っているかや、指導方法について丁寧に聞くことができ てよかった。 」 「児童生徒への支援について考えるときの参考になった。将来、何が必要かを考えさ せられた。 」 「今、担当している児童へは直接すぐには返せないけれど、自分の児童への関り方につ いて工夫していけるヒントが得られた。 」など、すぐに活かせる、考え方として参考になったなどの 感想が多くよせられた。 《文責:支援ネットワーク部 公開研修係 園山暁子》 (6) 人権教育推進委員会 研修テーマ:子どもの人権尊重について (1) 体罰は重大な人権侵害 (2) 子どもの気持ちに寄り添うとは (3) アンガーマネージメントの意義 日 (4) 個人情報の保護、情報セキュリティについて 時:(1) 2015 年 6 月 12 日(金) 16:00~16:30 (2) 2015 年 8 月 28 日(金) 11:00~12:00 (3) 2015 年 12 月 2 日(水) 16:00~16:50 (4) 2016 年 1 月 29 日(金) 16:00~16:50 場 所:(1) 各学級 講 (2)~(4)図書室、中美術室、多目的室、紙工室 師:グループワーク 1 研修目的 平成 26 年度、複数の府立支援学校において体罰が生起した。併せて、著しく配慮を欠く指導・ 支援についても複数の報告があった。また、大切な個人情報の紛失や誤配付も相次いだことから、 86 Ⅳ 研修の記録 大阪府教育委員会から、学期に 1 回以上の悉皆研修を実施するよう依頼があった。それに応え本校 では、教育において最も基本となる「子どもたちの人権を尊重する」という観点に立ち、すべての 教育活動を改めて点検・検証するとともに、グループワークを中心とした研修を 4 回にわたり、実 施することとした。 2 研修内容 回 (1) 内 容 方 法 活用資料 ・体罰は許されない行為であると ・学級、学年のグループで「体 ・人権教育リーフレット5 いうことを再確認する 罰事例」について、個人作業と 【子どもへの体罰】 ・子どもの気持ちを理解する グループ討議を行う ・体罰事例ワークシート ・子どもの行動を分析して、適切 ・アンケートによる振り返りを (2) な指導方法を考える 行う ・体罰をおこさせない校内体制の ・学部を交えたグループで「体 ・【体罰防止マニュアル】 工夫やシステムづくりの意識を高 罰事例」について、個人作業と ワークシート める グループ討議、発表を行う ・保護者との連携の大切さを知る ・アンケートによる振り返りを ・子どもの行動を分析して、適切 行う な指導方法を考える (3) ・怒りの感情を意識することで、 ・学部を交えたグループで「体 ・【体罰防止マニュアル】 感情の動きを冷静に受け止める力 罰事例」について、個人作業と ワークシート をつける。 グループ討議、発表を行う ・怒りの感情の対処方法 ・自分の怒りの気持ちをコントロ ・アンケートによる振り返りを (4) ールする方法を学ぶ 行う ・個人情報の定義を知る ・個人情報とは何かを学習する ・岡山県総合教育センター ・情報セキュリティの意識を高め ・学部を交えたグループで「情 作成の情報セキュリティ研 る 報セキュリティ、紛失事例」に 修パッケージを使用 ついて、個人作業とグループ討 ワークシート 議、発表を行う ・アンケートによる振り返りを 行う 3 アンケート結果 大いに そう思う そう思う あまり まったく 思わない 思わない 研修で、子どもの人権を尊重する指導・支援(業務) 1 回 19.9% 74.4% 5.7% 0.0% 2回 23.0% 71.3% 5.1% 0.6% 3回 5.7% 60.3% 31.0% 2.9% これまで、自分は子どもの人権を尊重した指導・支 1回 9.8% 85.6% 4.6% 0.0% 援をしていたと思うか 2回 7.3% 90.4% 2.2% 0.0% 3回 7.5% 87.9% 4.6% 0.0% これまで経験したチームティーチングによる指 1回 14.7% 83.1% 1.7% 0.6% 導・支援において、子どもの人権を尊重していたと 2回 9.6% 88.2% 2.2% 0.0% 思うか 3回 8.1% 86.1% 5.2% 0.6% について、理解が深まったか 87 Ⅳ 研修で、個人情報や情報セキュリティについて、理 研修の記録 4回 解が深まったか これまで、自分は個人情報の扱いに充分注意をして 4回 いたと思うか 学年、学部、学校は、個人情報の扱いに充分注意を 4回 していたと思うか 4 研修の成果 全教職員が参加することができ、アンケートの自由記述の内容も自らの行動を振り替えっての反 省、学校組織としての取り組み方についての意見も出され、研修目標は、ほぼ達成できたと考える。 《文責:人権教育推進委員会 吉田 勝》 88 Ⅳ 研修の記録 7 平成 27 年度各部署主催研修一覧 日時 研究題目・内容 講師 部署 1 4 月 14 日(火) WISCⅢ説明会① 本校職員 支援 N 部 2 4 月 16 日(木) 遠城寺式・KIDS 説明会 本校教員 支援 N 部 3 5 月 22 日(金) WISCⅢ説明会② 本校職員 支援 N 部 4 7 月 15 日(水) 情報機器に関して 本校教員 情報処理部 5 7 月 21 日(火) やるなら今でしょ学習会 1 本校教員 自立活動部 6 8 月 24 日(月) やるなら今でしょ学習会 2 本校教員 自立活動部 7 8 月 25 日(火) やるなら今でしょ学習会 3 本校教員 自立活動部 8 12 月 21 日(月) 本校教員 情報処理部 9 12 月 21 日(月) アップルTVとLAN教室の 使い方について 作業療法士との上手な付き合い方 ベルデ堺 作業療法士 自立活動部 《文責:研究部 全校研修係 伊佐木翠》 89 Ⅳ 研修の記録 8 平成 27 年度校内新転任者研修 ・今年度の研修対象者は 19 名。 ・バス同乗研修を廃止し、バス非常口の取り扱いに関する研修を、過去三年間の新転任者対象で行 った。 回 月 日 曜 研修内容 時間 『本校の概要』 『教員の心構えと服務』 40 分 『各部の概要』 1 4/2(木) 15:00~17:00 『初任者に向けて指導教諭の紹介』 10 分 (初任者のみ) 『本校におけるコンピューター/視聴覚機器 の利用について』 『PCの使い方について』 (各学部に分かれて説明) 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 4/6(月) 13:15~14:15 4/6(月) 14:15~15:00 4/6(月) 15:15~15:45 4/6(月) 16:00~16:30 4/10(金) 13:30~14:30 4/10(金) 16:00~16:30 4/10(金) 16:45~17:00 4/25(土) 14:00~15:30 4/25(土) 16:00~16:45 5/15(金) 16:00~16:45 『発達障がいについて』 (支援学校(知的)未経験者及び希望者のみ) 『支援ネットワーク部の役割について』 『日常生活の援助について』 (支援学校(肢体)未経験者及び希望者のみ) 講師等 教頭 各部主事 教頭 指導教諭 講義 30 分 情報処理部 講義 60 分 支援ネットワーク部 講義 30 分 支援ネットワーク部 講義 45 分 自立活動部 30 校長 分 准校長 60 分 保健室 30 分 自立活動部 『緊急時の対応について』 15 分 健康案全部 『自立活動とは』 (全校研修) 90 分 『食事場面での援助について』 (支援学校〈肢体〉未経験者及び希望者のみ) 『二次調理器研修』 講義 情報処理部 『准校長講話』 『本校の子どもの健康状態』 講義 10 分 『校長講話』 『本校の医療的ケアについて』 形態 自立活動部 支援ネットワーク部 講義 実習 講義 講義 講義 実習 講義 実習 45 分 健康案全部 実習 『進路指導について』 45 分 進路指導部 実習 『通学バスの非常口について』 15 分 バス部 実習 研究部 見学 (未経験者及び希望者のみ) 6/17(水) 12 7/24(金) 7/28(火) 13 6/29(月)~ 7/9(金) 『校内授業見学』 《文責:研究部 新転任者研修係 伊佐木翠》 90 あとがき 大阪府立堺支援学校 准校長 藤原 彰子 「これから、堺支援学校の紹介をしたいと思います。」 「まず、堺支援学校の良いところは・・・」 「とにかくみんな仲がよい!」 「給食がおいしい!」 「学校が広い!」 「自然がいっぱい!」 「優しくて、面白い先生がいる!」 「それになんといっても・・・学校の敷地内に古墳があります。 」 「古墳というのは、3 世紀後半から 7 世紀前半に造られた位の高い人や権力者のお墓です。 」 「有名な古墳に仁徳天皇陵や履中天皇陵があり、堺支援学校はその有名な 2 つの古墳の間にあり ます。 」 「堺支援学校の敷地内にある古墳の名称は銭塚古墳といいます。 」 「これは 5 世紀の中ごろに作られたもので、百舌古墳群の中でも 14 番目の大きさの古墳です。 」 「当時このあたりを治めていた王様のお墓だろうと考えられていて、1000 人の人が 1 年間かけて 造られたとされています。 」 「堺支援学校の敷地内にはこのような歴史的に価値のある古墳があり、とても魅力的な学校です! みなさんにも堺支援学校の魅力を知っていただけたらと思います!」 仁徳天皇陵 堺支援学校 履中天皇陵 銭塚古墳 5月に台湾の支援学校の生徒、保護者、教員のみなさんが堺支援を訪問された際、本校の生徒が 自作したスライドで、上記のような学校紹介を行いました。 古くから歴史や文化を育んできた「堺」の地で、子どもたちは学び巣立っていきます。 出会い、感じ、大切に受け止めること、自然の中に、歴史の中に、多様な文化の中に、子どもた ちが未来へ受け継いでいくものは、尊い一人一人の「命」とともに、世界にあふれています。 一日一日の「堺支援の教育」が、子どもたちの輝く未来の糧となることを願っています。 「職業」の授業で生徒が製作した 堺支援学校「銭塚古墳のどんぐりストラップ」 91 堺支援の教育 平成27年度 発行日 平成28年 発行者 大阪府立堺支援学校 〒590-0803 堺市堺区東上野芝町1-71 TEL 072-241-0288 FAX 072-241-6140 http://www.osaka-c.ed.jp/sakai-y/ 92