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ハイブリッド クラウド:
デジタル ビジネス向けプラットフォーム
デビッド・ゴールデンとの対話
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インタビュー ハイ
ハイブリッド クラウド:デジタル ビジネス向けプラットフォーム
デビッド・ゴールデンとの対話
現在、企業は、プロセスのデジタル化、カスタマー エクスペリエンスのパーソナ
ライズ、これまでにないペースでの革新が必要であることを理解しています。し
かし、それらの目標をサポートできるテクノロジー プラットフォームを利用して
いる企業はわずかです。ハイブリッド クラウドはデジタル ビジネスを実現できる
プラットフォームとして普及しつつあります。
EMC 情報インフラストラクチャ製品部門
CEO デビッド・ゴールデン
「MCKINSEY と EMC
両方の分析により、
ハイブリッド クラウド
に移行している企業は
IT 運用コストを 24%
削減できることが
分かっています。」
そのビジネス オポチュニティを探るため、EMC 情報インフラストラクチャ製品部
門の CEO(最高経営責任者)であるデビッド・ゴールデンとハイブリッド クラウ
ドについて話し合いました。テクノロジー業界で 30 年の経験があるデビッドは、
EMC で新規ビジネス開発と各国のカスタマー オペレーションを担当し、CFO(最
高財務責任者)の役割も務めています。
現在ハイブリッド クラウドが企業にとって重要なのはなぜですか ?
DG:ハイブリッド クラウドは企業が対処する必要のある重要事項により適切
に対処します。企業はパブリック クラウドでアプリケーションやサービスを
利用すると同時に、コンプライアンスや管理も維持する必要があります。プ
ライベート クラウドまたは従来のインフラストラクチャ内のレコードのコア
システムに接続し、それらとデータを交換するには、このようなパブリック
クラウド サービスが必要です。新しいブラウザーやモバイル ベースの顧客向
けアプリケーションのタイム トゥ マーケットを迅速化する必要もあります。
また、多額のコスト、手動による作業、エラーの発生を抑えて、コンピューティ
ングおよび通信プラットフォームを統合および運用する必要があります。
ハイブリッド クラウドにより、企業は革新を迅速に促進するだけでなく、エ
ンタープライズ クラスのパフォーマンス、復元性、セキュリティも実現する
ことができます。ハイブリッド クラウドは現在利用可能な未来のコンピュー
ティング プラットフォームであるといえます。
ハイブリッド クラウドの導入を促進する要因は何ですか ?
DG:多くの実装で直接の促進要因となっているのは、コストの削減です。
McKinsey と EMC 両方の分析により、ハイブリッド クラウドに移行している企
業は IT 運用コストを 24% 削減できることが分かっています。これはかなり大
きな削減率です。つまり、ハイブリッド クラウドの他のメリットとなる人材
やプロセスの変更のための資金を得ることができます。
2 つ目の促進要因はデジタル ビジネスです。テクノロジーの進化と情報の可
用性によって顧客の利益への期待が変化しています。顧客は、必要なデバイ
スで必要なときに必要なことを、すばやく簡単にパーソナライズされたサー
ビスによって実現できることを期待しています。顧客にサービスを提供する
企業は、変化の激しい新世代のアプリケーションで顧客の期待に対応する必
要があります。
3 つ目の促進要因は、俊敏であることと、その俊敏性を維持する必要性です。
デジタル ビジネスは一時的なイニシアティブでも、単なる新しいアプリケー
ションのセットでもありません。これは、通常と異なる方法での作業、すば
やい適用、より迅速な反復のための永続的な取り組みです。テクノロジーに
対応し、データに基づき、完全であるための取り組みです。このような俊敏
性を実現するには、俊敏なプラットフォーム、つまりハイブリッド クラウド
が必要です。
これら 3 つの促進要因を順番に取り上げ、さらに詳しく見ていきましょう。ま
すコストについて説明してください。
DG:IT 運用コストを削減する絶好のオポチュニティです。24% という数字が
どのような根拠で導き出されるか説明します。管理を効率化することで、ハー
ドウェア、電気通信、施設のコストが削減されます。プラットフォームの運
用が統合、合理化、自動化されるため、ソフトウェア ライセンスとソフトウェ
アの保守においてはさらに大幅にコストを削減できます。ハイブリッド クラ
ウドの実装は、インフラストラクチャ管理ソフトウェアを合理化し、使用率
の低いまたは不要なソフトウェアを廃棄するきっかけとなります。
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インタビュー ハイ
ハイブリッド クラウド:デジタル ビジネス向けプラットフォーム
消費者向けから産業用まであらゆるビジネスがそのサービスをデジタル テクノ
ロジーとソフトウェアを通じて表現するようになってきています。これは企業
消費者間(B to C)環境および企業間(B to B)環境ではさらに顕著な顧客の期
待に対応するための唯一の方法です。市場を理解し、顧客へのサービスの提供
方法を予測するには、すべての人がビッグデータと高度な分析を活用しなけれ
ばなりません。
「デジタル ビジネスで
はセルフサービス IT を
さらに進める必要があ
り、そのためには基に
なる自動化および
絶対的な信頼性が
求められます。」
EMC の「インフォメーション ジェネレーション」プログラムで実施された調
査により、デジタル時代に多くの企業が求める機能が明らかになりました。
それらの機能には、予想どおり、カスタマー エクスペリエンスをパーソナラ
イズするための 24 時間 365 日の可用性とリアルタイムでの運用が含まれてい
ます。また、新たなオポチュニティを予測したり、俊敏な方法で革新を推進
したり、透過性や信頼性を示して案件を獲得するための機能も含まれます。
しかし、最大のコスト削減は運用予算で最も大きな項目に対するものです。
ハイブリッド クラウドの自動化により、新しいアプリケーション ソフトウェ
アを導入したり、インフラストラクチャを監視、操作、調整したりするため
に必要な労働力が大幅に削減されます。これまで数日かかっていたタスクは
数分または数秒で実行されます。手動の作業を自動化するハイブリッド クラ
ウドにより、IT 運用コストを大幅に削減することができ、コスト削減した分
を新しい価値の高い IT イニシアティブに活用することができます。
もちろん、可能なコスト削減は現在の構成によって異なります。コスト削減
のオポチュニティを徹底的に評価し、ビジネス ケースを作成するまで約 4 週
間必要ですが、この間に CIO(最高情報責任者)、CFO、また CEO もハイブリッ
ド クラウドの ROI のオポチュニティをじっくり検討するこができます。ただ
し、1 つ注意点があります。ハイブリッド クラウド テクノロジーの導入は必
要ですが、コスト削減を実現するにはそれだけでは不十分です。インフラス
トラクチャ管理からアプリケーションやサービスの提供まで、IT を新しい方
法で運用する必要があります。こうすることで実際の変化が起こります。
デジタル ビジネスは企業のアジェンダにおける最優先事項です。それについ
てどう思いますか ?
DG:多くの企業はビジネス モデルのデジタル化に悪戦苦闘していますが、現
在さまざまなデジタル ビジネスの例があります。Nest の製品は単なるおしゃ
れなサーモスタットではなく、ホーム サービスの新しいプラットフォームです。
車の自動運転について考えてみてください。メジャーなアメリカのステータス
シンボルがアプリケーションになりつつあります。General Electric のような老
舗企業がモノのインターネットを活用して、ジェット エンジン、機関車、ウィ
ンド ファームの開発、サービス提供、最適化の方法を変革しています。
それでは、ハイブリッド クラウド プラットフォームはどの部分に適合するの
でしょうか。これは新しい「第 3 のプラットフォーム」である顧客向けアプリ
ケーションのタイム トゥ マーケットを迅速化すると同時に、
「第 2 のプラット
フォーム」であるアプリケーションやデータとの相互運用も可能にします。さ
らにその背後では、コンピューティング プラットフォームを手動で運用して
いる場合、デジタル スピードでビジネスを運用、革新、変更することはでき
ません。デジタル ビジネスではセルフサービス IT をさらに進める必要があり、
そのためには基になる自動化および絶対的な信頼性が求められます。IT 面では、
デジタル ビジネスをサポートすることが、ビジネスの成長を促進するうえで
も、そのビジネス バリューを向上させるうえでも最も優れた方法です。
次は俊敏性の要件について説明してください。これは常に定義が難しい目標
ですね。
DG:ビジネスの俊敏性は常に進化の基盤であるため、取り組む価値があります。
しかし、現在はこれまでになく規模が大きくなっています。デジタル ビジネ
スはその顧客の要望に対応し、該当する市場に関する予測が可能でなければ
なりません。より多くの意思決定とアクションをすぐに実行する必要があり
ます。また、競合企業に勝つためには革新を進めて、その革新を迅速に市場
に投入する必要もあります。
それには、広範囲にわたる俊敏性が必要です。人材にはすばやい対応、創造性、
柔軟性が求められます。プロセスには適用性と拡張性の高さが求められます。
サイロ化した組織構造から脱却しなければなりません。管理には、データとテ
クノロジーを常に活用できるデジタルな発想が必要です。またデータとテクノ
ロジー プラットフォームには、ビジネス オポチュニティやテクノロジー オプ
ションの変化に合わせてすばやく変化できる俊敏性も必要です。ビジネスの革
新と運用のためのプラットフォームでなければなりません。
テクノロジー インフラストラクチャがあまりにも長い期間、頻繁に企業を窮
地に追い込んだため、企業は十分に変化できないできました。しかし仮想化
のアーキテクチャおよびインターネットとクラウドにより、私達はより柔軟
に状況に対応する方法を知ることができました。ハイブリッド クラウドは、
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インタビュー ハイ
「ハイブリッド
クラウドは企業が
将来に変化を促進し、
デジタル市場で
繁栄するための
能力を大幅に
拡張します。」
ハイブリッド クラウド:デジタル ビジネス向けプラットフォーム
変化に対応するよう設計されたアーキテクチャとプラットフォームです。し
たがって、俊敏性の目標はそれほど困難ではなくなってきています。
CIO そして IT 組織の視点からハイブリッド クラウドにはどのような意味があ
ると思いますか ?
DG:これは、いつでも歓迎されるコスト削減のオポチュニティです。作業負
荷を特定して最適な状態で実行できる場に移行することで、継続的な効率性
と柔軟性を実現するオポチュニティでもあります。しかし最も重要なのは、IT
をビジネス アクション、つまり第 3 のプラットフォームであるアプリケーショ
ンの配信、クラウド サービスの仲介、デジタル ビジネスの実現および促進の
中心に据えることです。これにより、IT の貢献度が変化し、その価値が高ま
り、関連性が強固になります。しかし、前にも述べましたが、何よりも重要
なのは自動化です。IT は実際に ITaaS(サービスとしての IT)モデルを取り入れ、
スキル、プロセス、目標、基準を変化させる必要があります。
多くの企業はハイブリッド クラウドについて話題にしますが、完全に実装し
ている企業はそれほど多くありません。企業はなぜためらっているのでしょ
うか ?
DG:多くの企業はハイブリッド クラウドをあまり活用していません。それは
企業がハイブリッド クラウドがどのようなもので、ビジネスにどう活用でき
るか、また繰り返し使える形で構築する方法を十分に理解していないからで
す。EMC では、オン プレミスでまたはパートナーを介したマネージド サービ
スとしてすばやく導入することができる、完全にエンジニアリングおよびテ
参照:
http://japan.emc.com/cio
ストしたソリューションを提供しています。そのため、お客様は開始時点で
目標の 70% の地点まですでに完了していることになります。わずか 28 日間で
動作し、ミッション クリティカルなアプリケーションに対応できます。クラ
ウドの構築や統合方法ではなく、クラウドの利用方法に集中することができ
ます。
EMC は、企業が追い求めるビジネス面でのメリットを、最短の、最も直接的で、
最も積極的な方法で得られるよう支援したいと考えています。そのために、大
量のエンジニアリングと経験を、Federation Enterprise Hybrid Cloud の組み込み
型のプロセス、標準サービス、自動管理と最適化に取り入れています。これら
の組み込み機能と自動化を通じてコスト削減と柔軟性が実現されます。
企業はなぜためらっているのでしょうか ? 要するに、多くの企業はハイブリッ
ド クラウドをどれだけ迅速に実装できるかや、ハイブリッド クラウドを使用す
るまでコストや機能をどれだけ棚上げしているのか理解していないだけです。
まとめとして、ハイブリッド クラウドのビジネス ケースの概要を説明してく
ださい。
DG:まず、前に説明した価値の提案を明確にします。それは、デジタル ビジ
ネスを促進すると同時に、コストを削減し、俊敏性を高めることです。ハイ
ブリッド クラウドはこれら 3 つのビジネス要件に同時に対応します。
2 つ目として、これはハイブリッドの世界であり、企業はハイブリッド クラ
ウド機能の構築をすでに試しています。この取り組みは、多くの手動による
作業、関係のないテクノロジー、不完全な結果という困難な方法で行うことも、
完全にエンジニアリングされたハイブリッド クラウドでより簡単に行うこと
もできます。私が「より簡単に」と述べたのは、人やプロセスおよび IT の運
用方法にはまだ大きな変化が必要であるからです。ただし、これらすべての
変更が必要になるのはデジタル ビジネス向けのコンピューティング プラット
フォームを構築する場合です。
3 つ目は、ハイブリッド クラウドは多くの IT 投資とは異なるということです。
ハイブリッド クラウドを新しいテクノロジーへの賭けとは考えないでくださ
い。これはより効率的で柔軟な運用のための戦略的な投資です。CIO は、ビ
ジネスが 3 年間で必要な目標に到達できるように、利用するテクノロジーを
現時点で明確に決定する責任があります。ハイブリッド クラウドは企業が将
来に変化を促進し、デジタル市場で繁栄するための能力を大幅に拡張します。
さらに、ハイブリッド クラウドにより運用コストとコスト構造を下げること
ができます。したがって、これは将来的な価値につながるものとして採算が
取れるビジネスとテクノロジー面における決断です。
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