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鳥羽市国民健康保険事業計画

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鳥羽市国民健康保険事業計画
平成28年度
鳥羽市国民健康保険事業計画
平成28年3月
市民課
平成28年度 鳥羽市国民健康保険事業計画
1. 計画の目的
市町村国保は、国民皆保険制度の根幹としての重要な役割を担って運営しており、誰もが安
心して医療が受けられるための受診機会の確保や健康の保持・増進に寄与しています。今後も
進展する少子・高齢化社会において、より一層重要な役割となっていきます。
しかしながら、市町村国保が抱える問題は、被保険者の減少に伴う保険税収入の低下の中で
被保険者の高齢化や医療技術の高度化などによる医療費が増加傾向であり、財源の確保が大変
厳しい状況となっています。また、被保険者には、所得に対する保険税の負担割合が高くなる
ものの、これら保険者の運営努力だけでは解決できない構造的な問題として全国的にも厳しさ
が増しているところです。
本計画は、このような状況のもと、国民健康保険事業運営の健全化に向けて効果的かつ効率
的に事業を推進し、被保険者の健康の保持・増進を図るとともに、必要な保険給付を行うため
に必要な事項及び取り組みについて定める。
2. 基本方針
本市では、これまで基金等の財源を活用して国民健康保険事業の運営を行ってまいりました
が、その財源も枯渇したため、必要最小限の保険税率の改定と基準外の繰入により国保財政を
運営してきました。
今後も厳しい財政状況が見込まれる中で平成28年度においては、平成27年度に策定した
鳥羽市国民健康保険データヘルス計画を踏まえながら、引き続き健康づくりなどの保健事業を
推進するとともに、国の社会保障制度や国保の県営化など制度改正の動向を見据えつつ、給付
と負担のバランスを考慮しながら必要な財源の確保を図り、国保事業運営の健全化と安定化に
努めるものとする。
3. 主な取組内容
(1)被保険者の健康の保持・増進と医療費の適正化
継続した保健事業を実施することで、被保険者の健康の保持・増進を図るとともに、
疾病又は重症化の予防を実現し、被保険者の負担軽減及び医療費の適正化に努める。
① 特定健康診査の実施
『鳥羽市特定健康診査等実施計画 第2期』に基づき、生活習慣病の発症や重
症化を予防するため、特定健康診査を実施する。
【具体的な取り組み】
○受診票を送付するとともに、行政放送等を活用して周知に努める。また、医療
機関に対し、事前説明を行う。
-1-
○保健事業で行う人間ドック受診者には、受診票を送付しない。
○心電図や眼底検査等の追加検査は、医師の判断により行う。また、必須項目へ
の取り組みを検討する。
○受診率向上を図るため、引き続き受診料の本人負担分の無料化を行うとともに、
国保データベース(KDB)システムなどを活用して受診率の低い年代への対策を
検討し、全未受診者に勧奨する。(初回:通知、2回目以降:電話)
○特定保健指導の対象とならなかった方への状況把握や重症化予防に関する取り
組みを検討する。
【特定健康診査受診率】
平成28年度目標
平成26年度実績
57.0%
48.6%
② 特定保健指導の実施
『鳥羽市特定健康診査等実施計画 第2期』に基づき、動機付け支援及び積極
的支援に階層化された方(利用者)を対象に生活習慣の改善を促し、生活習慣病
の予防に努める。
【具体的な取り組み】
○利用者には、個人通知により案内するとともに、未利用者に電話等で参加勧奨
を実施する。
○利用者のニーズに応えるため、個別指導及び集団指導を実施する。
(離島や遠方地域の参加、利便性向上を図る)
○健康づくり事業の紹介、勧奨を行う。
【特定保健指導実施率】
平成28年度目標
平成26年度実績
50.0%
25.4%
③ 健康普及事業の実施
被保険者の健康の維持・増進に寄与するため、健康づくりを実施する。
【具体的な取り組み】
○ドック事業の実施に際し、公平な受診機会を創出する。また、広報等で実施の
案内をするとともに、受診対象者に決定通知を送付する。
○水中運動による健康づくりセミナーについては、今年度は休止するが、次年度
以降の実施について委託先と協議する。
-2-
④ レセプト点検の実施
医療機関から請求されるレセプト(診療報酬明細書)の内容や国保資格を点検
し、適正な医療費の請求に努める。
柔道整復患者に対する内容の調査を実施し、適正な医療費の請求に努める。
【具体的な取り組み】
○国保データベース(KDB)システム及び県国保連合会が作成するリストを活
用し、関係部署と連携した指導・相談を実施する。
○レセプト・柔道整復患者に係る点検(重複・頻回等を含む。)を外部委託によ
り実施する。
⑤ 医療費通知の実施
被保険者の健康意識の向上と医療費の適正化を図るため、医療費通知書を送付
する。
【具体的な取り組み】
○医療機関等で受診した内容を世帯主に通知する。
3か月診療分を1回とし、年4回通知する。(1年間分となる)
○レセプト・柔道整復患者に係る点検を外部委託により実施する。
⑥ 後発医薬品の普及促進
被保険者の負担軽減と医療費の抑制を図るため後発医薬品の普及促進に努める。
【具体的な取り組み】
○後発医薬品差額通知書を1回送付する。
(11月診療分を2月に送付する)
○ジェネリック医薬品希望カードを全世帯に配布する。配付方法は、保険証の切
り替え発送時(9月)に、ジェネリック医薬品希望カードを同封する。また、
各施設に希望カードを設置し、窓口での配付にも努める。
⑦ 第三者行為求償事務の取組強化
第三者による不法行為(以下「第三者行為」という。)に対する保険給付が適
正に執行されるように取り組みを強化する。
【具体的な取り組み】
○広報等を利用して第三者行為の届出義務について周知を図る。
○損害保険関係団体との覚書締結により提出された届出状況等を把握する。
○消防署から提供される出場記録を活用し、関係機関やレセプト等を確認する。
○必要に応じて個人賠償責任保険等への照会を行う。
-3-
(2)国民健康保険税の適正な賦課・徴収
国民健康保険事業の健全な運営を図るため、保険税の財源確保並びに収納対策による
収納率の向上及び負担の公平性を確保し、適正な賦課・徴収に努める。
① 財政状況及び税率改定の分析
国民健康保険制度の安定的な運営と被保険者の医療機会を確保するため、国保
財政の状況を把握するとともに、財源の確保に必要な税率の見直しについて分析
を行う。
【具体的な取り組み】
○医療費の推移に注視し、必要な財源の確保に努める。
○被保険者数等の推移に注視し、保険税の収入確保に努める。
○国や県の制度改革の動向に注視し、税率改定等の必要性を検討する。
② 収納率向上対策の実施
国民健康保険制度の趣旨及び税負担の公平性確保の観点から、引き続き収納率
向上のための取り組みを実施する。
【具体的な取り組み】
○県の収納率向上特別対策事業の目的に沿った事業を実施する。
○口座振替の促進やコンビニ収納を実施する。
○納税者の利便性と収納率向上を図るため、夜間窓口を設置する。
【収納率】
区 分
現年度分収納率 滞納繰越分収納率
平成27年度見込み
93.87%
24.75%
平成28年度目標
94.00%
23.00%
県広域化支援計画目標
94.30%
20.60%
③ その他適正な賦課の実施
賦課に必要な所得の把握に努めることで、被保険者の負担軽減を図るほか、居
所不明な被保険者の実態を調査し、適正な賦課に努める。
【具体的な取り組み】
○所得を把握できない被保険者に対して、住民税申告又は簡易申告を求める。
(未申告者は、軽減措置が講ぜられない)
○『鳥羽市国民健康保険居所不明被保険者資格喪失確認事務取扱要領』に基づき、
居所不明者については、適切な処理に努める。
-4-
(3)国民健康保険の被保険者資格の適正化
国保資格の取得・喪失管理に努め、国保運営の健全化を図る。
① 被保険者資格の適正化
住民異動届や国民年金被保険者情報を活用して資格適用を行うとともに、資格
喪失者の把握による届出勧奨を行う。
【具体的な取り組み】
○戸籍係が作成する住民異動届により、取得・喪失手続きを行う。
○被用者保険加入などによる喪失者に喪失届の勧奨を促す。
② 退職被保険者資格の適用
退職者医療制度は、制度終了に伴い新たな資格取得者の適用はなくなるものの、
必要に応じて振替作業等を継続して行う。
【具体的な取り組み】
○年金受給者一覧表等を活用し、対象要件を満たした場合は被扶養者を合わせて
職権適用し、振替作業を行う。
③ 短期証等の発行
被保険者間の負担の公平を図るため、短期被保険者証及び被保険者資格証明書
(以下「短期証等」という。)を交付する。
【具体的な取り組み】
○税務課と密に連携し、『鳥羽市国民健康保険短期被保険者証及び被保険者資格
証明書交付基準』に基づき、短期証等を発行する。
○交付時は、対象者との折衝、納付相談に努めたうえで、短期証等を発行する。
(4)その他国民健康保険の適正な運営への取り組み
国保事業の円滑な運営及び被保険者への制度周知に努めること。
① 国や県への対応
国等の制度改正に注視し、国保事業に必要な財源の確保に努める。
【具体的な取り組み】
○国に対し、必要に応じて要望・提言を行う。
○県に対し、制度内容の把握に努めるとともに、必要に応じて要望・提言を行う。
② 被保険者への情報提供
国保財政の状況及び制度の概要について、広報とばやホームページを通じて、
-5-
市民に広く周知する。
【具体的な取り組み】
○国保の財政状況を広報とばに掲載する。
○国の制度改正の概要や保険税の改正を広報とばや行政放送等を利用して、分か
りやすく周知する。
-6-
参考資料
被保険者数と保険給付費の推移
(人)
(千円)
2,100,000
9,000
8,800
8,600
8,400
8,200
8,000
7,800
7,600
7,400
7,200
7,000
2,080,000
2,060,000
2,040,000
2,020,000
2,000,000
1,980,000
1,960,000
被保険者数 平成21年度
一般
8,506
退職
387
合計
8,893
増減
保険給付費
被保険者数
(単位:人)
平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
8,210
7,853
7,630
7,411
7,164
444
509
536
524
473
8,654
8,362
8,166
7,935
7,637
-239
-292
-196
-231
-298
国民健康保険事業状況報告書(事業年報A表)より抜粋
(単位:千円、人)
保険給付費 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
一般
1,886,479
1,891,023
1,887,111
1,898,708
1,925,511
1,905,879
退職
117,651
170,720
164,016
162,575
151,975
141,587
小計
2,004,130
2,061,743
2,051,127
2,061,283
2,077,486
2,047,466
審査支払手数料
5,723
5,714
5,674
5,613
5,534
5,094
合計
2,009,853
2,067,457
2,056,801
2,066,896
2,083,020
2,052,560
被保険者数
8,893
8,654
8,362
8,166
7,935
7,637
一人あたり保険給付費
226
239
246
253
263
269
国民健康保険事業状況報告書(事業年報)B表(1)より抜粋
保険税の収納状況
700,000 (千円)
650,000
600,000
退職
550,000
一般
500,000
450,000
400,000
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
保険税
一般
退職
合計
増減
(単位:千円)
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
603,603
536,764
609,531
576,913
574,314
619,830
39,741
46,325
49,094
50,413
48,612
49,877
643,344
583,089
658,625
627,326
622,926
669,707
△ 7,797
△ 60,255
75,536
△ 31,299
△ 4,400
46,781
鳥羽市の国保((2)保険税の収納状況)より抜粋
-7-
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