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(3) 湖沼における水質特性とプランクトンに関する研究 (第13報)

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(3) 湖沼における水質特性とプランクトンに関する研究 (第13報)
(3) 湖沼における水質特性とプランクトンに関する研究 (第13報)
信里
匡昭
新村 行雄
的場 義典
湖沼の理化学的な水質とそこに生息するプランクトンの特徴から、総合的な水質特性を評価
するため、上市川第二ダム湖において調査を行った。
理化学的な水質については、有機汚濁指標である化学的酸素要求量(COD)が2.5mg/lで環境
基準のA類型、湖沼の富栄養化と関係の深い全窒素及び全りんが、それぞれ0.43mg/lでⅣ類型、
0.011mg/lでⅢ類型に相当する水質であった。
プランクトンの出現状況は、種属数、量ともに理化学的水質に比べ、若干少ない状況であっ
た。
上市川第二ダム湖は、栄養塩等の水質特性及びプランクトンの生物相からみて中栄養湖であ
ると考えられる。
1
はじめに
2.2
水生生物は、水質、地質等の環境の影響を受
け、環境に適応した群集を形成しており、その
生物の実態を把握することにより、環境要因を
調査地点及び調査時期
調査地点を図1に示す。
調査は湖中央の水深0∼15m(11月は20m)間
の5層について実施した。また、参考のため、
より累積的に評価することができる。このよう
な観点から、理化学的な水質に加え、プランク
流入河川において2ヶ所、流出河川において1
ヶ所についても調査を実施した。調査時期は夏
トンを調査し、総合的な湖沼の水質特性につい
て検討を試みることにした。
これまでに県内主要13湖 沼 に つ い て 調 査 を
期(平成16年8月)、及び秋期(平成16年11月)の年
2回とした。現場写真を図版Ⅰに示す。
行っており 、引き続き16年度は上市川第二ダム
湖について調査を行った。
2
調査の概要
2.1 対象湖沼
上市川第二ダム湖の概況を表1に示す。
調査対象の上市川第二ダム湖 は、上市川を堰
き止めてつくられた人工湖で、1985 年に完成
し、築後 19 年が経過している。
表1
項
上市川第二ダム湖 の概況
目
諸
元
集 水 面 積
38.7k ㎡
湛 水 面 積
0.39k ㎡
ダ ム 高 さ
67.0m
有効貯水量
7,800 千m3
ダ ム 型 式
ロックフィルダム
利 用 状 況
洪水調節、農業用水等の
安定供給、河川環境の保
全、発電
図1
上市川第二ダム湖 及び流入・流出河川に
おける調査地点
2.3
降水量と湖水の滞留日数
湖水の水質や、生息するプランクトンは、湖
盆形態、天候、降水量、水位変動などによって
23
大きな影響を受ける。
3500
上市川第二ダム湖における年降水量及び月降
3000
水量の変化を図2 、図3に示す。
2500
降水量(mm)
年、月降水量について、過去 2年間の結果と
比較すると、8月の降水量は少なめであったが
その他の月は、多めであった。
2000
1500
1000
平成16年における上市川第二ダム湖 の総流入
500
量は41,228千m3 、総放流量は143,447千m3 であ
0
り、年平均滞留日数は105日、回転率は3.5回で
2002
2003
日、2.7回 であり、16年は、滞留日数が短かく 、
図2
回転率は大きくな っている。
上市川第二ダム湖 における年降水量
(冬期間は、積雪 のため一部欠測。)
調査項目及び調査方法1 )
2.4
2.4.1
水質
800
(1) 採水方法
2002
2003
2004
700
湖水は各水深よりバンドン採水器を用い採水
600
降水量(mm)
した。pH、導電率は直ちに測定し、他項目は
試験室に持ち帰り、処理を行った。水温は、サ
ーミスター温度計を用い水深1m毎に直接測定
500
400
300
した。
200
(2) 測定項目及び測定方法
100
0
測定項目及び測定方法を表2に示す。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
月
測定項目は、湖の富栄養化の状態と理化学的
水質特性を検討するため、 C O D 、窒素、りん
図3
等の26項目とした。
表2
2004
年
あった。過去2年間の平均では、それぞれ139.3
上市川第二ダム湖 における月降水量
(冬期間は、積雪 のため一部欠測。)
測定項目及び測定方法
測 定 項 目
測
定
方
法
測 定 項 目
測
定
水温
pH
湖沼環境調査指針9.5.1
JIS K 0102 12
HCO3 溶解性 SiO2
JIS K 0101 25.1
JIS K 0101 44.2
RpH
水質調査法 7.4
SO4 2-
JIS K 0102 41.3
DO
JIS K 0102 32.1
-
Cl
JIS K 0102 35.3
アルカリ度
上水試験方法Ⅳ-1 14.2
Na+
JIS K 0102 48.3
酸度
上水試験方法Ⅳ-1 14.3
+
K
JIS K 0102 49.3
SS
環境庁告示第 59号付表8
Ca2+
JIS K 0102 50
2+
JIS K 0102 51
方
法
溶解性蒸発残留物
JIS K 0102 14.3
Mg
EC
JIS K 0102 13
T-Fe
JIS K 0102 57.2
COD
JIS K 0102 17
T-Mn
JIS K 0102 56.2
JIS K 0102 43.2.5
JIS K 0102 45.2
T-Al
クロロフィルa
JIS K 0102 58.2
湖沼環境調査指針9.5.12.1
JIS K 0102 46.3
透明度
NO3
T-N
T-P
-
24
上水試験方法Ⅳ-15
2.4.2 生物
植物プランクトン2)3)及びネットプランクトン
(3) pH及びRpH
pH及びRpHの垂直分布を図5に示す。
3)4)
について深度別に、種属の分類と計数を行
った。
植物プランクトンについては、各水深(0∼15
pH , RpH
6.5
7.0
7.5
8.0
8.5
9.0
0
m(11月は20m)間の5水深)よりバンドン採水器
を用いて採水し、ルゴール溶液で固定したもの
水深 (m)
を 試 料 と し た 。 こ の 試 料 を3 ml採り、 Settling
chamberに入れて、倒立顕微鏡を用いて種類ごと
に細胞数を計数した。
10
pH(2004.8)
pH(2004.11)
RpH(2004.8)
RpH(2004.11)
ネットプランクトンについては、各層(0∼15
m(11月は20m)間の4層)より網地 NXX18の閉鎖
20
式定量プランクトンネットを用いて採集し、グル
タルアルデヒド溶液で固定したものを試料とし
た。この試料を3ml採り、Settling chamberに入れ
図5
(4) DO飽和度
て、倒立顕微鏡を用いて種類ごとに個体数を計
数した。
3
DO飽和度の垂直分布を図6に示す。
8月は、水深に比例した低下が見られ、 5m以
結果及び考察
3.1
下で、低下が急激になっていた。11月は、水深
水質
に比例した低下はあまり見られず、全深度で、
3.1.1 湖沼の水質
水質測定結果を表3に示す。
ほぼ一定であった。
DO飽和度(%)
(1) 透明度
8月の透明度は、1.6m、11月は、0.3mであった。
(2) 水温
8月は、表層では24.9℃で10m付近まで徐々に
下がり水深12m付近に水温躍層を形成し、下層で
は15.6℃となっており、停滞期と考えられる。一
方、11月は表層では10.6℃で、下層でも10.0℃と、
ほとんど変わらず、循環期と考えられる。
水温(℃)
15.0
25.0
0
水深(m)
湖水の動態を知るための基本的な因子である
水温の垂直分布を図4に示す。
5.0
pH及びRpHの垂直分布
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
図6
50
100
DO (2004.8)
DO (2004.11)
DO飽和度の垂直分布
35.0
(5) SS、溶解性蒸発残留物及び導電率
0
SSの垂直分布を図7に、溶解性蒸発残留物及
5
水深(m)
び導電率の垂直分布を図8に示す。
10
SSは、8月が5m以下で急激に増加していた。
11月は、全深度で、ほぼ一定であった。
15
20
25
図4
溶解性蒸発残留物は、8月の最下層を除き、ほ
水温(
2004.8)
水温(
2004.11)
ぼ一定の値であった。導電率は、8月の下層が上
層と比較して低く、11月は、表層を除いてほぼ
一定であった。
水温の垂直分布
25
(7) 全窒素
全窒素の垂直分布を図10に示す。
SS(mg/l)
水深(m)
0
20
40
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
60
80
100
120
8月、11月、ともに5m層で高く、それ以深は低
くなっており、これは藻類の繁殖による影響と
考 え ら れ る 。 全 層 で は 、8 月 が 0.18∼ 0.61mg/l
SS(2004.8)
SS(2004.11)
(平均:0.35mg/l)、11月が0.50∼0.92mg/l(平
均:0.66mg/l)であった。
8月、11月の表層の値を平均すると、0.43mg/l
で、湖沼の環境基準の類型にあてはめると、Ⅳ類
型に相当する水質であった。
図7
SSの垂直分布
全窒素(mg/l)
溶解性蒸発残留物(mg/l)
及び導電率(μS/cm)
50
100
0
150
5
水深(m)
水深(m)
0
10
15
20
溶解性蒸発残留物(2004.8)
溶解性蒸発残留物(2004.11)
EC(2004.8)
EC(2004.11)
図8
8月は、ほぼ水深の増加に伴って高くなってお
り、11月は、5m層を除けば、水深による顕著な
差はみられず、ほぼ一定であった。全層平均で
類型に相当する水質であった。
全りん(mg/l)
5.0
水深(m)
水深r(m)
全窒素の垂直分布
よる顕著な差は見られなかった。
8月、11月の表層の値を平均すると、0.011mg/l
で、湖沼の環境基準の類型にあてはめると、Ⅲ
にあてはめると、 A類型に相当する水質であっ
た。
COD(2004.8)
COD(2004.11)
図9
T-N(2004.8)
T-N(2004.11)
5m層より以深で急激な増加 がみられた。11月が
0.012∼0.015mg/l(平均:0.013mg/l)で、水深に
は、それぞれ2.8mg/l、2.1mg/lであった。
2回の調査の平均は、2.5mg/lで、湖沼の類型
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
1.00
(8) 全りん
全りんの垂直分布を図11に示す。
8月が0.007∼0.059mg/l(平均:0.024mg/l)で、
(6) COD
CODの垂直分布を図9に示す。
COD(
mg/l)
3.0
0.50
図10
溶解性蒸発残留物及び導電率の垂直分布
1.0
0.00
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
0.000
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
0.020
図11
CODの垂直分布
26
0.040
0.060
0.080
T-P(2004.8)
T-P(2004.11)
全リンの垂直分布
(9) 陰イオン
炭酸水素イオン、溶解性ケイ酸、硫酸イオン 、
素イオンの濃度が最も高かった。他の項目は特
に顕著な差異がみられなかった。
2004.8
HCO3D-SiO2
SO42Cl-
60
50
(mg/l)
K+
Ca2+
Mg2+
20.0
18.0
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
0
図15
40
5
10
水深 (m)
15
20
陽イオンの水深別濃度(11月)
30
(11) 鉄、マンガン、アルミニウム
鉄、マンガンの垂直分布を図16に、アルミニ
20
10
0
0
図12
2.5
5
水深 (m)
10
ウムの垂直分布を図17に示す。
8月は、鉄、アルミニウムともに、水深の増加
に伴い高くなっており、マンガンは、水深によ
15
陰イオンの水深別濃度(8月)
2004.11
る顕著な差は見られず、低い値であった。
11月は、鉄、アルミニウムともに、 10m層か
HCO3D-SiO2
SO42Cl-
40
35
30
(mg/l)
(mg/l)
塩化物イオンの水深別濃度を図12、図13に示す。
8月、11月ともに炭酸水素イオンが、下層で
やや低く、また、全層で陰イオンのうち炭酸水
Na+
2004.11
ら以深で値がほぼ一定であり、マンガンは、8月
と、同様に全層で低かった。
25
20
15
0.00
0
10
5
2
0
図13
5
10
水深 (m)
15
20
4
水深(m)
0
陰イオンの水深別濃度(11月)
6
8
12
14
16
18
ウムの水深別濃度を図14、図15に示す。
8月、11月とも、カルシウムが非常に高く、
その他の項目は、カルシウムと比較してすべて
20
図 16
全層で低かった。
0.00
0
鉄及びマンガンの垂直分布
アルミニウム(mg/l)
1.00
2.00
3.00
T-Al(2004.8)
T-Al(2004.11)
6
8
10
12
14
16
0
図14
2
4
水深(m)
(mg/l)
Na+
K+
Ca2+
Mg2+
20.0
18.0
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
T-Fe(2004.8)
T-Fe(2004.11)
T-Mn(2004.8)
T-Mn(2004.11)
10
(10) 陽イオン
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシ
2004.8
鉄 及び マンガン(mg/l)
2.00
4.00
2.5
5
水深 (m)
10
18
15
20
図 17
陽イオンの水深別濃度(8月)
27
アルミニウムの垂直分布
(12) クロロフィルa
3.2
地質由来物質
水質を構成している成分のうち地質に由来す
クロロフィルaの垂直分布を図18に示す。
8月は表層及び2.5m層で3.1μg/lと高く、5m層
る物質(Na+ 、K+ 、Ca2+ 、Mg 2+ 、HCO3- 、SO42- 、
以深で減少していた。11月は、8月ほど、水深に
Cl- )のトリリニヤー・ダイヤグラムを図19、パ
よる顕著な差は見られず、全層で、8月よりも低
ターン・ダイヤグラムを図20に示す。
かった。
上市川第二ダム湖、流入水及び流出水の水質
0.0
1.0
クロロフィルa(μg/l)
2.0
3.0
は、アルカリ土類炭酸水素塩区 に属し、カルシ
4.0
ウム−炭酸水素塩型であった。カルシウム−炭
水深(m)
0
2
酸水素塩型の水質当量濃度は、流出水<上市川
4
6
8
10
12
14
16
第二ダム湖<流入水の順で高くなっていた。こ
れは、富山県内の他の多くの湖沼と同様の傾向
であった。
クロロフィルa(2004.8)
クロロフィルa(2004.11)
18
20
図18
クロロフィルaの垂直分布
3.1.2
流入河川及び流出河川の水質
上市川第二ダム湖への流入河川水及び流出河
川水の水質測定結果を表4に示す。
上市川第二ダム湖 とこれに流入する主要な2
河川の水質を比較すると、流入水の値が低い項
目は、C O D、溶解性ケイ酸、鉄、マンガン、ア
ルミニウムであった。逆に流入水の値が高い項
目は、アルカリ度、溶解性蒸発残留物、導電率、
DO、硝酸イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、
塩化物イオン及びナトリウムイオンであった。
Ⅰ
アルカリ土類炭酸水素塩区
Ⅱ
アルカリ炭酸水素塩区
Ⅲ
アルカリ土類非炭酸水素塩区
Ⅳ
アルカリ非炭酸水素塩区
その他の項目については、差が見られなかった 。
また、流出水の水質について比較してみると、
流出水の値が低い項目は、アルカリ度、COD、
全窒素、カルシウムイオン、炭酸水素イオン、
マンガン、クロロフィルa、であった。
逆に、流出水の値が高い項目は、溶解性蒸発
残留物、全リン、硫酸イオン及び塩化物イオン
であった。
28
図19
水質のトリリニヤー・ダイヤグラム
Chlamydomonas sp.が多い傾向であった。
(2) ネットプランクトン
出現した種属と量をみてみると、8月は、繊
毛虫 類の Paramecium sp. ワムシ網の Polyarthra
trigla、甲殻類のCyclops sp.等が多く、出現種属
数は約12種属であった。
11 月 は 、 繊 毛 虫 類 の Paramecium sp. 及 び
Epistylis sp. が多くなり、出現種属数は約13種属
で、8月に比べて全体的に出現個体数が減少した。
(3) 理化学的水質測定結果との関係
上市川第二ダム湖では、窒素、りん等の栄養
塩類が、それぞれ湖沼の環境基準のⅣ類型、Ⅲ
類型に相当し、中栄養湖相当であった。植物プ
ランクトン 及びネットプランクトン とも種属数、
量ともに理化学的水質に 比べ若干、少なめであ
った。
4
まとめ
上市川第二ダム湖について次の知見が得られ
た。
(1) 有機汚濁指標であるCOD及び富栄養化と
図20
水質のパターン・ダイヤグラム
関係の深い全窒素、全りんについて、湖沼の環
境基準と比較してみると 上市川第二ダム湖の水
3.3
湖沼の生物
質は、C O Dが2.5mg/lで環境基準のA類型、全窒
植物プランクトンの水深別分布状況を表5、
素が0.43mg/lで環境基準のⅣ類型、全りんが、
ネットプランクトンの分布状況を表6に、それ
0.011mg/lでⅢ類型に相当する水質であった。
らの一部の写真を図版Ⅱに示す。
(2)
(1) 植物プランクトン
プランクトンの出現状況は、植物プラン
クトンでは、8月、11月とも褐色鞭毛藻類が優占
出現した種属を細胞数でみてみると、 8月は、 種で、出現種属数は、それぞれ11及び8種属、ネ
2.5m層より上層で、褐色鞭毛藻類のChroomonas
ットプランクトンでは、8月、11月とも繊毛虫類
sp.が最も多く、次いで緑藻植物のChlamydomonas
が優占種で、出現種属数は、それぞれ 12及び13
sp.が多かった。また、5m層より下層で、緑藻植
種属で、種属数・量ともに理化学的水質に比べ 、
物のChlamydomonas sp.が最も多かった。出現種
若干少なめの状況であった。
属数は合計約11種属であった。
(3)
11 月 は 、 10m 層 よ り 上 層 で 、 緑 藻 植 物 の
水質の測定結果及びプランクトンの生物相
からみて、 上市川第二ダム湖は中栄養湖であ
Chlamydomonas sp.が最も多く、次いで、褐色鞭
ると考えられる。
毛藻類のChroomonas sp.が多かった。また、15m
(4)
地質に由来する物質のトリリニヤー・ダイ
層より下層で、褐色鞭毛藻類 のCryptomonas sp.
ヤグラムからみて上市川第二ダム湖の水質は、
や緑藻植物のChlamydomonas sp.が多かった。 出
本県の湖沼で最も 多く見られる アルカリ土類
現種属数は、合計約8種属であった。
炭酸水素塩区に属し、カルシウム−炭酸水素
8月及び11月の2回の調査を通じて緑藻植物の
塩型であった。
29
謝 辞
2)廣瀬弘幸:日本淡水藻図鑑 、㈱内田老鶴圃
本調査研究をとりまとめるにあたり、上市川
(1981)
第二ダム湖 の降水量、流況等のデータについて
3)水野壽彦:日本淡水プランクトン図鑑、
は、上市川ダム管理事務所よりご提供いただき
(株)保育社(1984)
ました。心からお礼申し上げます。
4)水野寿彦、高橋永治:日本淡水動物プラン
クトン検索図説、東海大学出版会(2000)
参
考
文
献
5)ウラディミール・スラディチェック:淡水
1)(社)日本水質汚濁研究協会:湖沼環境調査指
指標生物図鑑、(株)北隆館(1991)
針、公害技術同友会(1984)
Characteristics of water quality and plankton in Lakes(ⅩⅢ)
Masaaki Nobusato
Yukio Shinmura
Yoshinori Matoba
To estimate water quality from the species of planktons living in lakes,living planktons
and water quality of the second dam reservoir in Kamiichi river were examined.
Types of the water quality were A for COD (2.8mg/l),Ⅲ for total nitrogen (0.40mg/l),
and
Ⅱ
for total phosphorus(0.010mg/l). The species and their number of the planktons depended on
chemical water quality.
The second dam reservoir in Kamiichi river was regarded as a mesosaprobic lake when the lake
is classified by the amount of nutrient salts and the species of planktons.
30
31
32
33
34
図版Ⅰ
上市川第二ダム湖 湖中央付近
上市川第二ダム湖 堰堤付近
流入河川①から上市川第二ダム湖を望む
流入河川① 上流側
流入河川②から上市川第二ダム湖を望む
流入河川② 上流側
流出河川
上市川第二ダム湖放流口から流出河川へ
35
図版Ⅱ
Bosmina sp.
Cyclops sp.
Nitzschia sp.
Paramecium sp.
Epistylis sp.
Polyarthra trigla
36
Fly UP