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〈研究ノート〉集団的自衛権に関する論点整理

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〈研究ノート〉集団的自衛権に関する論点整理
浄土真宗総合研究 9
竹
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研究ノート﹀集 団的 自衛 権 に関す る論点 整 理
し
︻
冒
〓
日︼
本
了
悟
宗教者として現状に即した平和 への方策を考えるために、正確な情報を把握す ることは重要 である。本稿 では、
現在、注目され ている集団的自衛権 に ついてまとめる。現在 の日本政府 の集団的自衛権 に対す る定義は、 ﹁
死活的
と いう集団的自衛権が国際連合憲章 にお いて初め て言及された際 の定義 に基づくも のと言える。
一方、
利益防衛説﹂
国際連合 に報告された集団的自衛権行使 の報告事例に基づく定義として考えられる ﹁
他 国の防衛説﹂とは相違 して
いる。宗教者として平和を考 える際 に、本稿 によ って提示した客観的な事実 に基づく情報をもとに、集団的自衛権
の容認に賛成か反対かと いう対立を ひとまず置 いて、平和と安全を構築す るため の方策を模索す る端緒とした い。
O.はじめに
二〇 一四年七月 一日、日本 の平和と安全を考える上 での重大な閣議決定がなされた。安倍晋 三内 閣は、近年 の北
朝鮮 の挑発行為や中国の隣国に対する脅威などを受け、日本 の安全保障環境は厳しさを増し ていると いう認識 のも
の、
一九八 一年 に鈴木善幸内 閣 の答弁書 によ って示された ﹁
我が国が、国際法上、 このような集 団的自衛権 を有
している ことは、主権国家 であ る以上、当然 であるが、憲法第 9条 の下にお いて許容 され て いる自衛権 の行使 は、
7
我が国を防衛するため必要最小限度 の範 囲にとどまるべきも のであると解しており、集団的自衛権を行使する こと 9
〈研究ノー ト〉集団的 自衛権に関する論点整理
8
は、その範囲を超えるものであ って、憲法上許されな い﹂とする政府 の憲法解釈を変更し、新 三要件 のもと集団的 9
自衛権 の必要最低限度 の行使を容認すると の閣議決定をした のである。
この決定を受け て、日本国内 では賛否両論 が激 しく飛び交 い、 いく つか の宗教 団体や宗教者 からも声 明がださ
れた。 これら の様 々な賛 否 の見解 を眺 め てみると、議論 が噛 み合 わな いなか で多種多様 な意 見が提 示され て い
る。そ こで本稿 では、日本 の平和を考 える際 の基礎作業 の 一つとし て、集 団的自衛権 の定義 に ついて整 理す るこ
、藤 田
とを目的 とす る。 国際法 におけ る集 団的自衛権 の法的性 質 に ついての学説 は、浅 田 ︵二〇 一三、四二〇︶
、鈴木 ︵
二〇 一一、三三︶に依ると概ね次 の三 つに分類される。
︿一九九八、二九五︱二九六︶
A ﹁
個別的自衛権 の共同行使説 ︵
犠牲国と支援 国の共同防衛︶
﹂
一国に対する武力攻撃が行われる ことによ って、他 の諸国も各自 の個別的自衛権を共同して行使す る、又は地
域的安全保障 に基づ いて共通 の危険 に対処するための共同行動をとるか、 いずれかの場合とする定義 である。
他国の防衛説 ︵
支援国が犠牲国を防衛︶
B ﹁
﹂
他国の武力攻撃 に対して、自国の実体的権利が侵されていなくとも平和及び安全 に関する 一般的利益や被攻撃
国の国際法上 の権利 ︵
領土保全 ・独立等︶を守 るために被攻撃国の自衛行動を支援する権利 であるとする考え
方 である。
C ﹁
死活的利益防衛説 ︵
犠牲国の安全と独立が死活的 である支援国が犠牲 国を防衛︶
﹂
自国と密接な関係にある他国に対す る攻撃を、自国に対する攻撃とみなし、自国の実体的権利が侵されたとし
て、他国を守るために防衛行動をとる権利 であるとす る考 え方 である。
以下、国連憲章︶
これらの分類を踏まえ つつ、第 一章 では、集 団的自衛権およびその初出 でもあ る国際連合憲章 ︵
死活的利益防衛説﹂として定義す ることが適切 である ことを指摘し、第 二章 では、
の成立背景を踏まえた場合、C ﹁
浄土真宗総合研究 9
国際連合 ︵
他国の防衛説﹂が有力 であること
以下、国連︶ へ報告された集 団的自衛権 の行使 の実例 にお いてはB ﹁
を指摘する。また、第二章 では、日本政府 の集団的自衛権 に関す る解釈を時系列 でまとめ、そ の解釈 には変遷があ
死活的利益防衛説﹂に基づ いていることを確認する。
り最終的に安倍晋三内閣ではC ﹁
以上 の手続きを通して、現在 の日本政府 の集 団的自衛権 に対す る定義 は、集 団的自衛権が初め て言及された際
の定義 に基づくも のと言えるが、集団的自衛権が行使 された実例 に則した定義とは相違 している ことを指摘す る。
宗教者として平和を考える際 に、本稿 によ って提示した集団的自衛権 に関する客観的な事実 に基づ いた情報をもと
に、集団的自衛権 の容認に賛成か反対かと いう対立を ひとまず置 いて、平和と安全を構築す るため の方策を模索す
る端緒とした い。
〓 国連憲章 に基づく集団的自衛権 の成立背景からみる定義
集 団的自衛 権が文言 とし て初 め て登場 す る のは、第 二次世 界大戦 ︵一九 二九年 ∼ 一九 四五年 ︶が 終 わ った
一九 四五年、国連 によ って示された国連憲章 の第五 一条にお いてである。
この憲章 のいかなる規定も、国際連合加盟国に対 して武力攻撃が発生 した場合 には、安全保障 理事会が国際
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を害 するも のでは
の平和及び安全 の維持 に必要な措置をとるま での間、個制
な い。 この自衛権 の行使 に当 って加盟国がと った措置は、直ち に安全保障理事会 に報告 しなければならな い。
また、 この措置は、安全保障理事会が国際 の平和及び安全 の維持または回復 のために必要と認める行動を いつ
9
国連憲章第五 一条、
9
でもとるこの憲章に基く権能及び責任 に対 しては、 いかなる影響も及ぼすも のではな い。 ︿
く
研究ノー ト〉集団的自衛権に関する論点整理
下線 は筆者 によ る︶
そ こで本章では、集団的自衛権 の初出 である国連憲章 の成立背景を見通す ことにより、集団的自衛権および個別
的自衛権と集団安全保障 の定義 に ついて確認する。
国連加盟国間 の条約 である。
安保理︶を中心として国際 の平和 の維持を図る、
安全保障理事会 ︿
以下、
国連憲章は、
第 一次世界大戦 ︵一九 一四年∼ 一九 一八年︶および第 二次世界大戦と いう 二度 の大戦を踏まえて国連 の求めると こ
ろは、国連憲章前文および国連憲章第 一章第 一条 に示されるにあるように、国際 の平和及び安全を維持す ることに
ある。また、その方法としては、共同 の利益 の場合を除く外は武力を用 いな いことを原則とし つつ、有効な集団的
措置と平和的手段によ って実現しようとしている。
われら連合国の人民は、われら の 一生 のうち に二度まで言語に絶す る悲哀を人類 に与 えた戦争 の惨害 から将来
の世代を救 い、基本的人権と人間 の尊厳及び価値と男女及び大小各国 の同権とに関する信念をあらためて確認
一層
し、正義 と条約その他 の国際法 の源泉 から生ず る義務 の尊重 とを維持する ことが できる条件を確立 し、
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の受話と方法 の設定 によ って確保し、すべての人民 の経済的 及
大きな自由 の中 で社会的進歩と生活水準 の向上とを促進する こと 並び に、 このために、寛容を実行し、且 つ、
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び社会的発達を促進するために国際機構を用 いることを決意し て、 これら の目的を達成するために、われらの
努力を結集することに決定した。よ って、われらの各自 の政府 は、サ ン ・フラ ンシス コ市 に会合し、全権委任
100
浄土真宗総合研究 9
状を示してそれが良好妥当 であ ると認められた代表者を通じて、 この国際連合憲章 に同意した ので、 ここに国
際連合と いう国際機構を設ける。 ︵
国連憲章 前文、下線は筆者 による︶
国際 の平和 及び 安全を 維持 す る こと。 そ のた め に、平和 に対 す る脅 威 の防止 及び 除 去 と侵 略 行 為 そ の他 の平和
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並び に平和を破壊す るに至 る虞 のあ る国際的 の紛争 又は
の破壊 の鎮 圧とのため一
国連憲章第
事 態 の調整 ま た は解決 を 平 和 的 手 段 に よ っ て且 つ正義及び 国際法 の原則 に従 って実現す る こと。 ︵
一章 第 一条 、 下 線 は筆 者 によ る︶
さらに国連憲章第 二章第 四条 では、すべての加盟国に対し平時 は武力を用 いる行動をしてはならな いと定め てい
。
る︶
すべての加盟国は、そ の国際関係 にお いて、武力による威嚇 又は武力 の行使を、 いかなる国の領土保全 又は政
治的独立に対するものも、また、国際連合 の目的と両立 しな い他 のいかなる方法 によるも のも慎まなければ な
らな い。 ︿
国連憲章第 二章第 四条︶
しかしながら、様 々な国益を持 つ主権国家 からなる国際社会 に紛争が持ち上がることは、 これま での歴史を見 て
紛争 の平和的解決﹂を原則とし つつ、第七章 に
も避けがた いことである。そこで紛争が起 こ った際 には、第六章 ﹁
お いて ﹁
平和に対する脅威、平和 の破壊及び侵略行為 に関す る行動﹂として集団安全保障と いう制度 によ って対応
することが示されている。
101
〈
研究ノー ト〉集団的自衛権に関する論点整理
集団安全保障とは、今♪郵鯨耶﹁る脅鰤﹁ 嶽力獣野蠍 は侵昭行邪微g撥0コ螂殺Чで、ぞ0日瀾団節剰﹁‘巴嘱加
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は国連加盟国の全部又は 一部によ ってとられる︶であり、最も厳しい措置としては武力を用いることとなる。ただ
し当然のことながら、集団安全保障を実行するには、国連 の決議機関である安保理の決議が必要となる。しかしな
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がら、この安保理の決議方法に大きな困難がある。安保理は、常任理事国として刑国創烈国 ・
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州国の五大国、それに加えて非常任理事国として総会で加盟国から選ばれた 一〇箇国によ
り構成され、常任理事国には拒否権がある。︿平和に対する脅威、平和 の破壊 又は侵略行為 の存在﹀と考えられる
ような事態が起 こったとしても、相互の国益が絡み合うなかで五大国のいずれかが拒否権を発動することにより、
東西冷戦期にお いて顕著であ ったように、実際 には集団安全保障による武力制裁決議をすることは極めて困難なの
である。
この五大 国 の拒 否権 によ る困難 さを先 見的 に指 摘 した のが、国連 憲 章 草案 が協 議 され る同時 期 に米 州諸 国間 で の
相 互援 助条約 に ついて協 議中 であ った ラ テ ン ・米 国諸 国 であ った。 ラ テ ン ・米 国 の地域 問題 に対 し て五大 国 の拒 否
権 が 発動 され、安 保 理が機 能せず 集 団安全 保障 が実 施 さ れ な い場 合 に、 ラ テ ン ・米 国諸 国が相 互援 助 の行 動 を と る
ことが でき る制度 を 国連憲 章 に設 け る必 要性 を指 摘 した。 これを受 け て 一九 四五年 サ ンフラ ンシ ス コ会 議 で集 団安
全 保障 に関す る国連 憲 章第 七章 の末 尾 に、先 に挙 げ た第 五 一条 が 設 け ら れ、 国家 が 固有 に持 つ権 利 と し て個 別的 自
衛権 お よび 集 団的自 衛 権が 明示さ れ た の であ る。
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まず自衛権とは、個別であれ集団であれ、第五 一条に示される通り、今一
る場合ヌ﹁教螂型螂﹃召受出引= 日曹ヨ一加盟劇飛割緻召螢ヨ一
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利のことである。その内、武力攻撃を受けている国連加盟国が
独自で自衛のために行動す
102
浄土真宗総合研究 9
る 権 利 の こ と を 個 別 的 自 衛 権 と い う 。 こ れ に 対 し て 集 団 的 自 衛 権 と は 、 Z>︼〇、 ワ ル シ ャ ワ 条 約 機 構 、 日 米 安 保 条
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約 な ど 、 国 連 憲 章 第 八章 で規 定 さ れ る ﹁
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取 り 決 め ︶ を 交 わ し て い る よ う な 、 翻 螢 ョ一
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こ と で あ る 。 た だ し 、 こ れ ら の 自 衛 権 に は 第 五 一条 に 示 さ れ る 通 り 、 C コ﹁
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会 に報告 しな ければ ならな い義 務 が あ る。
人 平和 に対 す る脅 威 、 平 和 の破 壊 又は侵 略 行 為 の存 在 ﹀ か ら 国連 加 盟 国 に対 し て武 力 攻 撃 が 発
関す る制度 の こと 。
国全 体 ﹀が集 団 で国際 の平 和 及び 安全 を維 持 し 又は 回復 す るため に実 施 す る勧 告 お よび 措 置 に
人 平和 に対 す る脅 威 、 平 和 の破 壊 又は侵 略 行 為 の存 在 ﹀ に対 し て、 そ の存 在 以外 の ︿国連 加 盟
以下 に、改 め て集 団的自 衛 権 に関 し て国連 憲 章 の成 立背 景 に添 った各 用語 の定 義 を提 示す る。
集 団安全 保 障 ・
自 衛 権 ・ ・・・
生 し た場 合 に、武 力 攻 撃 を受 け て いる国連 加 盟 国が武力 を含 め自 衛 のた め に行 動 す る権 利 の こ
と。
個別的自 衛権 ・ ・自衛権 のうち、武力攻撃を受け ている国連加盟国が独自 で自衛 のために行動する権利 のこと。
集 団的自 衛権 ・ ・密接な関係 にある複数 の国家 による集団によ って、武力攻撃がその集団に対するも のであると
して、集団で自衛 のため に行動する権利 のこと。
集団的自衛権 の集団を設立背景から考 えるならば、第八章 で規定 される ﹁
地域的取極﹂ ︵
取り決め︶を交わす複 Ю
く
研究ノー ト〉集目的自衛権に関する論点整理
数 の国家と見るのが自然 であろう。第八章第五 二条 には、集団の設立 に対して国連 の目的および原則との 一致と い
、
う条件が加 えられている。実際 に これを受け て z”︼o、>zNc∽条約、 ワルシ ャワ条約機構 日米安全保障条約な
ど の地域的取極 に基づく集団の条文中 には、第 五 一条 に言及する条項が存する。
この憲章のいかなる規定も、国際 の平和及び安全の維持に関する事項で地域的行動に適当なものを処理するた
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国連憲章第 五二条、下線は筆者 による︶
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めの地域的取極又は地域的機関が存在することを妨げるものではな い。但し、da劇翻一
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下線は筆者 による︶
は、終止しなければならな い。 ︵
前記 の武力攻撃及びその結果として執 ったす べての措置は、直ち に安全保障理事会 に報告 しなければならな
い。その措置は、安全保障理事会が国際 の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執 つたとき
直 ち に 執 る こ と に よ り 、 そ の 攻 撃 を 受 け た 綿 約 国 を 援 助 す Z勾こと に 同意 す る。
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み な す こ と に 同 意 す る 。 し た が つ て 翅m
締 約 国 は 、 ヨ ー ロ ッ パ 又 は 北 米 国 に お け る 一又 は 二 以 上 の 締 約 国 に 対 す る 武 力 攻 撃 を 全 締 約 国 に 対 す る 攻 撃 と
北 大 西洋 条 約 第 五条 ︶
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104
浄土真宗総合研究 9
>zNc∽条 約 第 一条
締 約 国 は、 国 際 連 合 憲 章 に 定 め る と こ ろ に 従 い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段 によ っ
て国際 の平和及び安全並び に正義を危うくしな いように解決し、並び にそれぞれの国際関係 にお いて、武力 に
よる威嚇 又は、武力 の行使 を、国際連合 の目的 と両立 しな いいかなる方法 によるも のも慎む ことを約束する。
︵
下線は筆者 による︶
>zNc∽条約 第 四条
各締 約 国は、太 平洋地域 にお け る いず れ か の締 約 国 に対 す る武 力 攻 撃 が 、自 国 の平 和 及び安 全 を 危 う く す るも
の であ る こと を 認 め F 自 国 の憲 法 上 の 手 続 に 従 って共 通 の危 険 に対 処 す る よ う に 行 動 す る こ と を 宣 言 す る 。
前記の武力攻撃及びその結果とし て執 ったす べての措置は、直ちに国際連合安全保障理事会 に報告しなければ
ならな い。その措置は、安全保障理事会が国際 の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執 っ
たときには、終止しなければならな い。 ︿
下線 は筆者 による︶
ワルシャワ条約 第四条
ヨー ロッパにおける締約 国 の 一又は 二以上 の国 に対する いず れか の国若 しくは国家群から の武力攻撃 の場合
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下線 は筆 者 によ る︶
︵
武 力 の 行 使 を 含 む c︶ に よ り 、 即 時 の 援 助 を 与 え な け れ ば な ら な いて ︵
105
〈
研究 ノー ト〉集団的 自衛権 に関する論点整理
日米 安全保 障条 約 第 五条
る
α て 歩.
ことを 記 ど
、自国の憲法上 の規定及び手続 に従 って共通の危険 に対処するように行動
各 締 約 国 は、 日本 国 の施 政 の下 にあ る領 域 に お け る 、 いず れ か 一方 に対 す る武 力 政 學 が .自 国 の平 和 及 び 安 全
を危うくす る も
することを宣言する。
﹁直ち に国際
創瓢綱痢ョ﹁
﹁
期一
丙ョ鍋月日畑
側到︲
前記の武力攻撃及びその結果とし て執 ったす べての措置は、国園口﹁
連合安全保障理事会 に報告しなければならな い。その措置は、安全保障理事会が国際 の平和及び安全を 回復し
下線は筆者 による︶
及び維持するために必要な措置を執 ったときは、終止しなければならな い。 ︵
以上、集団的自衛権 の成立背景に ついて、そ の根拠となる国連憲章を中心に見てきたが、集団的自衛権が地域的
取極との深 い関連 のなかで規定されたと見る場合、地域的取極 による集団とは、集団のうち の 一国が武力攻撃を受
死活的利益防衛説 ︵
犠牲 国の安全と
けるとそれを直ちに集団全体に対する武力攻撃として振舞う ことになり、C ﹁
独立が死活的 である支援国が犠牲国を防衛︶
﹂による理解が最も適切 であると考えられる。
一﹁ 集 団的自衛 権 行 使 の国際連 合 への報 告 事例 から み る定 義
先 に三 つの集 団的自 衛権 の学説 を 示 し たが 、 いず れ の学説 に基 づ いて運 用す るか は、実 際 の集 団的 自 衛 権 のあ り
方 に大 きな 影響を与 え るも のであ る。 し か しな が ら 、国連憲 章 には実 際 の集 団的自 衛 権 の行 使 にあ た って の具体 的
な 要件 は明 記さ れ て いな い。 そ こで本 章 では、集 団的 自 衛 権 の行 使 が 安 保 理 に報告 さ れ た次 に挙げ る 一五 の実 例 を
通 し て、集 団的自衛 権 のあ り方 お よび 行使 要 件 に ついて示 した 下中 ・樋 山 ︵二〇 一五︶ に基 づ いて、 これ ま で の国
106
浄土真宗総合研究 9
際 社 会 にお け る集 団的 自 衛 権 の実 際 に つ い て整 理 す る。
集団的自衛権 の行使が安保理に報告された事例
、︵
、 ︵c︶英
︵a︶ソ連が ハンガリーに派兵 ︵一九 五六年報告︶
b︶米国がレバノンに派兵 ︵一九 五八年報告︶
、 ︵e︶米 国、
国が ヨルダ ンに派兵 ︵一九 五八年報告︶、︵
d︶英国が南 アラビ ア連邦を支援 ︵一九六 四年報告︶
、︵
オー ストラリア及び ニュージーラ ンドが南ヴ ェトナムを支援 ︿一九六 五年報告︶
f︶ ソ連がチ ェコス ロヴ ア
、︵
、︵
キアに派兵 ︿一九六八年報告︶
g︶ ソ連がア フガ ニスタ ンに派兵 ︵一九八〇年報告︶
h︶キ ューバが ア
、 ︵i︶リビ アがチ ャドに派兵 ︵一九八 一年報告︶
、 フラ ンス及び米 国がチ ャ
ンゴラを支援 ︵一九八三年報告︶
、 フラ ンスがチ ヤドを支援 ︿一九八六年報告︶
、︵
ドを支援 ︵一九八三年報告 ︶
j︶米国がホ ンジ ュラスを支援
、︵
、︵
︵一九八八年報告︶
k︶米国及び英 国がペル シャ湾地域を支援 ︵一九九〇年報告︶
1︶ ロシアがタジキ ス
、︵m︶ジ ンバブ エ、アンゴ ラ及びナミビアが コンゴ民主共和国を支援 ︵一九九八
タ ンを支援 ︵一九九 二年報告︶
、︵n︶英国、 フラ ンス、オー ストラリア等が米 国を支援 ︵
、︵o︶米国等がイラクを
年報告︶
二〇〇 一年報告︶
。
支援、 シリアで軍事行動 ︵
二〇 一四年報告︶
下中 ・樋山 ︵
二〇 一五︶は、各事例 に ついて概略を紹介し、それらを分析した結果として、実際 には、各 国が安
保理に説明する際にいずれの学説 に依拠したか、又は依拠していな いかは明確 ではな いとし つつも、少なくとも外
形上は②他国の防衛説に近似すると の結論を出している。
特 に、日本 の同盟国であり、集団的自衛権 の行使 の相手として想定される米国は、全 一五事例 のうち最多 の七事
例という集団的自衛権を行使 してきた実績がある。以下に、米国の事例 に ついて下中 ・樋山 ︵
二〇 一五︶から の跛 Ю
研究ノー ト〉集団的自衛権に関する論点整理
く
文 により簡 潔 に提 示す る。
︵
b︶米国がレバノンに派兵 ︵一九 五八年報告︶
米国は、レバノンの要請に基づき、同国の 一体性と独立を守 るために派兵したと述 べ、国連憲章が固有 の権利
とする、すべての国がその独立を守 るために協働す る権利に則 って、米国は行動していると説明した。
︵e︶米国、オー ストラリア及び ニュージーラ ンドが南ヴ ェトナムを支援 ︵一九六五年報告︶
米国は、安保理 への 一九六五年 二月七日付書簡 にお いて、ヴ ェト コンの南ヴ ェトナム ヘの攻撃は、北ヴ ェトナ
ムが命令したも のであるとし、米国と南ヴ ェトナムは北ヴ ェトナム南部 の軍事施設に対し共同で攻撃したと述
べた。さらに、南ヴ ェトナムとその要請 に応 じた米国等は、ヴ エト コンからの継続的な侵略を受け ているとし、
北ヴ ェトナムによるヴ ェト コンの増強は この侵略に不可欠 であ るため、その増強を外部から停止するため の対
抗措置は自衛 の措置として正当化されると説明した。
︵
i︶ フラ ンス及び米国がチ ャドを支援 ︵一九八三年報告︶
米国は、自衛権を行使するチ ャド の援助要請 に応えるにあた って他国と協働 したと述 べた。
︵
j︶米国がホンジ ュラスを支援 ︵一九八八年報告︶
米国は、部隊 の緊急配備を命 じる ことで友好国ホ ンジ ュラス政府 から の明白な要請 に応じたと述 べ、同国 の要
請は二月 一六日付プ レスリリー スにお いて述 べられているとし、部隊 の展開はサ ンデ ィ ニスタ軍による領域侵
108
浄土真宗総合研究 9
犯 に直 面 した ホ ンジ ュラ ス ヘの強 力 な支 援 を 示す た め に計 画 さ れ たも の であ った と説 明 した。
k︶米国及び英国がベル シャ湾地域を支援 ︵一九九〇年報告︶
︵
米国は、安保理 への八月九 日付書簡 にお いて、国連憲章第 五 一条 に 一致し、クウ ェート及びサウジアラビ アの
援助要請に応じて固有 の自衛権を行使するために、ベルシャ湾地域 に部隊を派遣したと述 べ、 この固有 の権利
は決議第六六 一号にお いて確認され ているとした。
︵n︶英国、 フランス、オー ストラリア等が米国を支援 ︿二〇〇 一年報告︶
国連総会は九 。ニ テ ロを非難す る決議第五六/ 一号を採択 した。同日の安保理はテ ロ防止 への国際社会 の協
力を要請する決議第 一三六八号を採択した。決議第 一三六 八号 の前文 は、国連憲章 に従 って固有 の個別的及び
集団的自衛権を確認した。
固有 の個別的及び集 団的自衛権 に則 って、米 軍は米 国 に対す るさらなる攻撃を防止するため の行動を主導 し
たと述 べ、 この行動 にはアルカイダ のテ ロリ スト訓練施設とタリバ ンの軍事施設 への措置が含まれるとした。
英国も安保理 への同日付書簡 にお いて、同様 の説明を行 った。安保理 への書簡 にお いて、カナダ、 フラ ンス、
ドイ ツ及びオランダ は、国連憲章第 五 一条 に基づき部隊を派遣 したと述 べ、 ニ ュージ ーラ ンドは国連憲章第
五 一条 に基づき米国に軍事的貢献を行う意思があると述 べた。オー ストラリアは、安保理 への 一一月二三日付
書簡 にお いて、同国軍派遣 の根拠として、国連憲章第 五 一条 のほか、>ZNC∽条約 の適用を九 月 一四日に決定
した ことも挙げた。
109
く
研究ノー ト〉集団的自衛権に関する論点整理
二〇 一四年報告︶
︵o︶米国がイラクを支援、 シリアで軍事行動 ︵
米国は、安保理 への九月二三日付書簡 にお いて、ある国に存在する脅威が、その国のみならず外部 へ攻撃を行
うような場合に、当該国がそれを防ぐ意 思と能力を有 しな いのであれば、国連憲章第五 一条 にも反映されてい
るように、各 国は固有 の個別的及び集 団的自衛権 に従 って自 国を防衛す ることが可能 でなければ ならな いと
し、米国はイラク政府から の要請 に基づき ︼
∽F の脅威を排除す るために、 シリアにお いて必要か つ均衡 のと
れた軍事行動を主導したと報告した。
他
死活的利益防衛説﹂として理解するよりも、B ﹁
個別的自衛権 の共 同行使説﹂やC ﹁
これらの事例は いずれも、A ﹁
国の防衛説﹂として見ることが適切 であるように考 えられる。
このことを踏まえて、日本 の集団的自衛権 の行使を考えた場合、国際社会にお いて周辺国からは、 日本が集団的
他国 の防衛説﹂として行使されることが前提 にあると認識される可能性が高 いと考え
自衛権を行使する際 にはB ﹁
られる。
〓﹁ 日本政府の集団的自衛権解釈 の変遷
本章 では国会答弁をもとに日本政府 の集団的自衛権 の解釈とそ の定義 の変遷を時系列 でまとめる。なお、引文 に
︱
︲ ︲︶
、定義 に ついては波線 ︵
︶を付し、定義 に当 てはま ると思わ
集団的自衛権 の解釈に ついては下線 ︵
れる学説を ︻⇒ ︼と表記した。
110
浄土真宗総合研究 9
は、直接 には自衛権 を否定 し て いな い ︵
第九〇 回帝 国議会衆議院議事速記録第六号、
① 一九 四六 ︵
昭和 三 一︶年 六 月 二六 日、吉 田茂 首 相 の発 言。
戦 争 放 棄 に関 す る規
八 一頁 ︶
② 一九 四九 ︵
昭和 二四︶年 一二月二 一日、西村熊雄外務省条約局長 の発言。
今 日国際法 の学者 の方々の間に非常 に
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議論が多 い点 であり、利湖
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第七回国会衆議 院外務委員
,
会議録 一号、七頁︶
③ 一九 五〇 ︵
昭和二五︶年 二月三日、吉 田茂首相 の発言。
集団的自衛権という問題は、 日本 の独立後、おそらく 一番重大な問題にな ってく る問題だろう。 ︿
中略︶集団
的自衛権と いうものを総 理大臣はお認めになるか。 ︵
曽根康弘議員 の発言︶当局者とし ては、倒綱馴山
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第七 回国会衆議院予算委員 会議録第七号、七頁︶
④ 一九五 一 ︵
昭和二六︶年 二月二二日、西村熊雄外務省条約局長の発言。
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一つの武力攻撃が発生した場合に、その押
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︼と解釈するのが 一番穏当かと思われる ︵
第 一〇回国会参議院外 務委員会会議録第六号、二頁︶
111
く
研究ノー ト〉集団的自衛権に関する論点整理
昭和 二六︶年 一一月七日、西村熊雄外務省条約局長 の発言。
⑤ 一九 五 一 ︵
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を堅持する限りは、御懸念 のような ことは断じてや っては いけな いし、また他国が日本 に対 してこれを要請す
第 一二回国会参議院平和条約及び 日米安全保障条約特別委員会会議録第 一二
ることもあり得な いと信ず る。 ︵
号、五頁︶
昭和二九︶年六月二日、下田武三外務省条約局長の発言。
⑥ 一九五四 ︵
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第 一九 回国会衆議院外務委員会議録第五七号、四︱五頁︶
がな い以上は、自衛権 の名 にお いて発動し得な い。 ︵
中略︶ 日本自身 に対す る直接 の攻撃あ るいは急迫した攻撃 の危険
締 結 さ れ る か ど う か と いう と . で き な い。 ︵
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112
浄土真宗総合研究 9
⑦ 一九六〇 ︵
昭和三五︶年三月三 一日、岸信介首相 の発言。
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昭和 三 四︶ 年 三月 一六 日、林 修 三内 閣法 制 局長 官 の発 言。
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◎ 一九 六 〇 ︵
昭和 三五︶年 三月 三 一日、岸信 介 首 相 の発 言 。
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第 三 四回国会 参 議 院 予算 委 員会 会
⑩ 一九六〇 ︵
昭和三五︶年三月三 一日、林修三内閣法制局長官 の発言。
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第 二 一回国会参議院予算委員会会議録第 一一号、 二七頁︶
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研究ノー ト〉集団的自衛権に関する論点整理
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議録第二三号、二四頁︶
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昭和四四︶年三月五日、高辻正巳内閣法制局長官 の発言。
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昭和四七︶年 一〇月 一四日、提出資料。
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浄土真宗総合研究 9
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を 防 衛 す る た め 必 要 最 小 限 度 の範 囲 に と ど ま る べ き も の であ る と 解 し てお り 、 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 す る こ と
第 九 四 回国会 衆 議院 稲葉 誠 一議 員提 出
は 、 そ の範 囲 を 超 え る も の で あ っ て ゴ 層 法 上 許 さ れ な い と考 え て いる ︵
の質 問主意 書 に対 す る答 弁 書 [
内 閣衆 質 九 四第 二 二号 ]︶
⑭ 一九八 一 ︵
昭和五六︶年六月三日、角 田穫次郎内閣法制局長官 の発言。
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第九 四回国会衆議院法務委員会議録第 一八号、八頁︶
,
⑮ 一九八三 ︵
昭和五八︶年 二月 二二日、角 田趙次郎内 閣法制局長官 の発言。
集団的自衛権 の行使を憲法上認めた いと いう考え方があり、それを明確 にした いと いう ことであれば、憲法改
正と いう手段を当然とらぎ るを得な いと思う。 ︵
第九八回国会衆議院予算委員会議録第 一二号、 二八頁︶
⑩ 二〇 〇 一 ︵
平成 一三 ︶ 年 五 月 九 日、 答 弁 書 。
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憲 法 九 条 の下 にお いて許 容 さ れ て いる自 衛 権 の行 使 は 、 我 が 国 を 防 衛 す る た め 必 要 最 小 限 度 の範 囲 に と ど ま る
べ き も の で あ る と 解 し て お り 、 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 す る こ と は 、 そ の範 囲 を 超 え る も の で あ って 、 憲 法 上 許 さ
115
く
研究 ノー ト〉集団的自衛権に関する論点整理
劉刻国と考えてきている。憲法は我が国の法秩序 の根幹 であり、特 に憲法第九条 に ついては過去五〇年余 にわ
たる国会 での議論 の積み重ねがあ るので、その解釈 の変更 に ついては十分 に慎重 でならなければならな いと考
第 一五 一回 国会
の ではな いか と考 え て いる。 ︵
幅広 い議論が行われる ことは重要であり、
世 の中 の変化も踏まえ つつ、
憲法 に関する問題に ついて、
える。他方、
集 団的 自 衛 権 の問 題 に つ い て、 様 々 な 角 度 か ら 研究 し て も
内閣衆質 一五 一第五八号]︶
衆議院土井たか子議員提出 の質問主意書 に対する答弁書 [
平成 一八︶年九月二九 日、安倍晋三首相 の発言。
⑭ 二〇〇六 ︵
大量破壊兵器やミサイルの拡散、テ ロと の闘 いと い った国際情勢 の変化や、武器技術 の進歩、我が国の国際貢
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献に対す る期待 の高まりなどを踏まえ、 日米 同盟がより効果的 に機能し、平和が維持 されるようにするため、
いかなる場合が憲法 で禁止されている集団的自衛権 の行使 に該当するのか.個別具体麟
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第 一六五回国会衆議院会議録第二号、三頁︶
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︵
中略︶憲法第九条の中で日本がとるべきではな いと言 っている集団的自衛権 の発想だと思 っており、その意
たして日本がそれに対して武力行使と いうものを行 ってよいかどうかと いう発想がある。そういった発想が、
平成二 一︶年 一一月四日、鳩山由紀夫首相 の発言。
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死活的利益防衛説﹂
他国の防衛説﹂もしくはC ﹁
同盟関係を結んでいる 一方のアメリカの本土が、例えば、何らかど こかの国によ って攻撃を受けたときに、果
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116
浄土真宗総合研究 9
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て現在 のと ころ変 える つもりはな い。 ︵
一四頁︶
会衆議院予算委員会議録第 三号、
⑩ 二〇 一四 ︵
平成 二六︶年七月 一日、閣議決定。
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る と いう急 迫 、 不 正 の事 態 に対 処 し 、 国 民 の これ ら の権 利 を 守 るた め のや む を 得 な い措 置 と し て初 め て容 記 さ
れ る も の で あ り 、 そ の た め の必 要 最 小 限 度 の 一
武 力 の 行 使 ﹂ は 許 容 さ れ る で これが 、憲 法 第 九 条 の下 で例 外 的
武力の行使﹂に ついて、従来から政府が 一貫して表明してきた見解 の根幹、 いわば基本的な論
に許容される ﹁
理であり、昭和四七年 一〇月 一四日に参議院決算委員会に対し政府から提出された資料 ﹁
集団的自衛権と憲法
との関係﹂に明確に示されていると ころである。︿
中略︶これまで政府は、この基本的な論理の下、﹁
武力 の行使﹂
罰刈引
中略︶刹洲副日口
が許容されるのは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合 に限られると考えてきた。 ︵
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に お い て、 これ を 排 除 し 、 我 が 国 の 存 立 を 全 う し 、 国 民 を 守 る た め に 他 に 適 当 な 手 段 が な いと き に 、 必 要 最 小
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武力 の行使﹂ には、他国 に
死活的利益防衛説﹂︼
対する武力攻撃が発生した場合を契機 とするも のが含まれるが、憲法上は、あくま でも我が国 の存立を全うし、
国民を守るため、すなわち、我が国を防衛するため のやむを得な い自衛 の措置として初め て許容されるも ので
117
〈
研究ノー ト〉集団的自衛権に関する論点整理
あ る。 ︵
国家 安全 保 障会議決 定 、 閣議 決定 ︶
①∼⑤︶は集団的自
以上 の通り、時系列を追 って政府 の集団的自衛権 に関する解釈をみ てきた。憲法制定当時 ︵
死活的利益防衛説﹂とも
他 国 の防衛説﹂ともC ﹁
衛権 の定義は明確 にされていなか ったも のが、⑥∼⑪ では、B ﹁
⑩︶が集団的自衛権 の行使を限定的 に容認する立場 に
とれるような曖味な定義が提示され、第 二次安倍晋 三内閣 ︵
死活的利益防衛説﹂として定義されるようにな って いる。
お いて、明確 にC ﹁
他
⑩ ︶ では、B ﹁
日本政府 のいわゆる従来 の集団的自衛権 の定義とされる 一九 八 一年 鈴木善幸内閣 の答弁書 ︵
我が国を防衛
死活的利益防衛説﹂ とも とれるような定義 にお いて集団的自衛権 の行使が ﹁
国 の防衛説﹂ともC ﹁
死
⑩︶では明確 にC ﹁
するため必要最小限度 の範囲﹂を超えるも のであ ると解釈していたも のを、安倍晋三内閣 ︵
必要最小限度 の実力を行使す る ことは、従来 の政府見解 の基本的な論
活的利益防衛説﹂と定義することにより、﹁
理に基づく自衛 のため の措置として、憲法上許容される﹂と解釈した のである。 つまり、憲法 の解釈を変更したと
いうよりも、集団的自衛権の定義を変更したと見ることが妥当と いえる。
四.おわりに
、B ﹁
他国の防
犠牲国と支援国 の共同防衛︶
個別的自衛権 の共同行使説 ︵
﹂
集団的自衛権 の定義 については、 A ﹁
、C ﹁
死活的利益防衛説 ︵
犠牲国 の安全 と独立が死活的 であ る支援国が犠牲国を防
衛説 ︵
支援国が犠牲国を防衛︶
﹂
衛︶
﹂ の三説が学説としてしめされ ている。 これら のうち、集団的自衛権 およびその初出 でもあ る国連憲章 の成立
、国連 へ報告 された集
第 一章︶
死活的利益防衛説﹂とし て定義す ることが適切 であり ︵
背景を踏まえた場合、C ﹁
118
浄土真宗総合研究 9
、現在 の日本政府 の集団的自衛権
団的自衛権 の行使 の実例 にお いてはB ﹁
他 国の防衛説﹂が有力 であり ︵
第 二章︶
死活的利益防衛説﹂ に基づ いている こと ︵
に関する解釈はC ﹁
第 二章︶を指摘した。以上 のことから、現在 の日本
政府 の集団的自衛権 に対す る定義 は、集 団的自衛権 が初め て言及された際 の定義 に基づくも のと言 えるが、実際
に集団的自衛権が行使された実例 にあ った定義とは相違 し ていると見ることが でき る。また、現在 の日本政府は、
従来 のB ﹁
他国の防衛説﹂とC ﹁
死活的利益防衛説﹂による定義 から、明確 にC ﹁
死活的利益防衛説﹂と定義する
ことで、実質的に自衛 のため の措置 の範 囲を拡大したと考えられる。
︻
参考文献 一覧 ︼
。引 用は ﹁
本論 の主要参考文献 は次 の通り ︵
五十音順︶
著者名 ︵
出版年 、該当 頁数 ︶
﹂ と表 記した。
浅 田正彦著 ﹃
国際法 第 2版﹄、東信堂、 二〇 一三。
、新潮社 、 二〇 一四。
石破茂著 ﹃
日本人 のための ﹁
集 団的自衛権 ﹂入門﹄
伊勢綺賢治著 ﹃
日本人は人を殺 し に行く のか 戦場 から の集 団的自衛権 入門﹄、朝 日新聞出版 、 二〇 一四。
小川和久著 ﹃
日本 人が知らな い集 団的自衛権﹄、文集新書、 二〇 一四。
奥平康弘 ・山 口二郎編 ﹃
集 団的自衛権 の何が問題 か 解釈改憲批判﹄、岩波書店 、 二〇 一四。
集 目的自衛権容認 の深層 ︱平和憲法をな きも のにす る狙 いは何 か﹄、 日本評論社 、 二〇 一四。
綴顧厚著 ﹃
香 田洋 二著 ﹃
賛成 ・反対を言う前 の集目的自衛権 入門﹂、 幻冬舎、 二〇 一四。
小林節著 ﹃
自熱講 義 ︱集団的自衛権﹂、パ^ベ スト セラーズ 、 二〇 一四。
佐瀬 昌盛者 ﹃いちば んよくわか る!集 目的自衛権﹄、海竜社、 二〇 一四。
、レ フ アラ ンス、 二〇 一五。
下中菜都 子 ・樋山千冬著 ﹁
集 目的自衛権 の援 用事例 ﹂
鈴木尊紘著 ﹃
憲法第 9条と集 団的自衛権 ︱国会答弁 から集 団的自衛権 の変 遷を見 る ︱﹄、レ フ ァラ ンス、 二〇 一一。
豊 下楢彦 ・古 関彰 一著 ﹃
集団的自衛権 と安全保障﹄、岩波新書 、 二〇 一四。
半 田滋著 ﹃
日本 は戦争をする のか ︱集 目的自衛権 と自衛隊﹄、岩波新書 、 二〇 一四。
119
く
研究 ノー ト〉集団的自衛権に関する論点整理
一九九 八.
藤 田久 一著 ﹃
国連法﹄東京大学出版会、
北海道新聞社編 ﹃
集団的自衛権行使 に反対す る 声 明 ・決議 ・意 見書﹄、北海道新 聞社 、 二〇 一四。
柳 澤協 二著 ﹃
自分 で考 える集団的自衛権 若者と国家﹄、青灯社 、 二〇 一四。
︻
註︼
憲法、国際法 と集 目的自衛権﹄
衆議院議 員稲葉誠 一君提出 ﹃
︵1︶ 一九 八 一 ︵
昭和 五六 ︶年 五月 二九 日、鈴木善幸内閣 で閣議決定 された ﹁
。
に関する質 問に対す る答弁書﹂
自衛 の措 置と
︵
2︶﹁
国 の存立を全 うし、国民を守 るため の切 れ日 のな い安全保障法制 の整備 に ついて﹂ の 一間 一答 にお いて示され た ﹁
。 ○我 が国 に対す る武力攻撃 が発生 した こと、 又は我が 国と密接な関係 にあ る他 国に対 す る武力攻
し ての武力 の行使 の新 三要件﹂
撃 が発生 し、 これ により我が国 の存立が脅 かされ、 国民 の生命、自由 及び幸 福追 求 の権 利が根底 から覆され る明白な危険 があ る
こと。○ これを排除 し、我が国 の存立を全 う し、 国民を守 るため に他 に適当 な手 段が な いこと。○必 要最小 限度 の実力 行使 にと
とま るべき こと。
、
、
、
、
二〇 一四︶を参考 にまとめた。
香田 ︵
二〇 一四︶
伊勢崎 ︵
石破 ︵
二〇 一四︶
二〇 一四︶
小 川 ︵二〇 一四︶
︵
3︶第 一章 にお いては、
佐藤 ︵
安全保障 理事会 は、 そ の決定を実施 す るため に、兵力 の使 用を伴 わな いいかな る措 置を使 用す べきか
︵
4︶根拠 となる条文を挙げ る。﹁
経済 関係 及び鉄道、
且 つ、この措 置を適 用す るよう に国際連合加 盟国 に要請 す る ことが できる。この措置 は、
を決定す る ことが でき、
国
﹂︵
航海、航空、郵便、電信、無線通信そ の他 の運輸 通信 の手段 の全部 又は 一部 の中 断並び に外交 関係 の断絶を含む ことが でき る。
安全保障理事会 は、第 四 一条 に定 め る措 置 では不充分 であ ろうと認め、 又は不充分な ことが判明 した と認め る
連憲章第 四 一条 ︶ ﹁
ときは、 国際 の平和 及び安全 の維持 又は 回復に 必 要な空 軍、海 軍ま た は陸 軍 の行動 を と る ことが でき る。 この行動 は、 国際連合
加盟国の空軍、海軍 又は陸軍による示威 、封鎮 そ の他 の行動を含 む ことが できる。
﹂
︵
5︶︵
国連憲章第 四二条︶
︶を使 用した。
F8ヽ>o棗 貫a ︼
国会会議録検索 システム﹂国立 国会 図書館 ホームベージ ︵
︵
6︶国会答弁 の抽出 に当 た っては ﹁
“●む ヽ
二〇 一一︶を参考に した。
二〇 一四︶、鈴木 ︵
︵
7︶まとめに際 しては、小川 ︵
3年版 防衛 ハンドブ ック﹄朝雲新聞社 、 二〇 一一、
六六 五︱六六六 頁。
︵
8︶﹃
平成 2
120
浄土真宗総合研究 9
集 団的自衛権、国際連合憲章 、集 団安全保障
︻
キー ワード︼
121
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