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事業報告書2011(次年度計画含む)

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事業報告書2011(次年度計画含む)
2011
Annual Report
日本YMCA同盟事業報告書
2011年度
日本YMCA同盟
日本YMCA基本原則
私たち日本のYMCAは、
イエス・キリストにおいて示された愛と奉仕の生き方に学びつつ、
世界のYMCAとのつながりのなかで、次の使命を担います。
私たちは、
すべての人びとが生涯をとおして全人的に成長することを願い、
すべてのいのちをかけがえのないものとして守り育てます。
私たちは、
一人ひとりの人権を守り、正義と公正を求め、
喜びを共にし痛みを分かちあう社会をめざします。
私たちは、
アジア・太平洋地域の人びとへの歴史的責任を認識しつつ、
世界の人びとと共に平和の実現に努めます。
1996年 6 月15日
第106回日本YMCA同盟委員会採択
横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横
横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横
チャレンジ21
第3至福千年期への発端となる新しい世紀を迎えようとするこのとき、私たちは、1855年に
採択された「パリ基準」をYMCA使命表明の基礎として確認しつつ、つぎのように宣言する。
YMCAはイエス・キリストのもとに立ち、宗教宗派の違いを超えて協働する、自由意志で
参画するボランティアの運動であって、老若男女を問わずすべての人に開かれた、特に青年の
参画を強調する、世界に広がるキリスト教運動である。またYMCAは、すべて被造物のいの
ちが豊かに守り育てられ、愛に基づく正義と平和と和解に満ちた人間性溢れる社会を建設する、
キリスト者の理想を人びとと分かちあうことを追求する。
それゆえ、すべての加盟各国YMCAは、それぞれの現実状況のなかで選択される固有のさ
まざまな課題解決に向けて努力を集中するようにと招かれている。これらの課題は、カンパラ
原則の新しい展開として、つぎの事柄を含むものである。
・イエス・キリストの福音を分かちあい、個々人が霊的にも知的にも身体的にも良好であり、
調和のなかに人間性が豊かに保持される有機的総体としての地域社会の創出に努める。
・すべての人びと、とくに青年と女性がより大きな責任をもち、あらゆるレベルで指導的役割
を果たし、公正な社会をめざす働きに共に参画するよう、その指導力を高め、必要な権限を
持つ。
・女性の権利を唱導してその向上をめざし、また子どもの権利を支持する。
・信仰や思想信条を異にする人びととの対話・協力を推進し、人びとの文化的アイデンティ
ティを認め、また、文化の革新にむけて努力する。
・貧しい人びと、奪い取られた人びと、追い立てられた人びと、また人種的・民族的少数者ゆ
えに抑圧のもとにある人びとと連帯し、行動する。
・紛争状態にあるところで調停者、和解の仲保者となることに努め、また、人びとが自己決定
のできる状況を創り出す運動に効果的に参画し、そのことによって彼ら自身が強められ高め
られるように働く。
・神の被造物をあらゆる破壊から守り、きたるべき世代のため、地球資源の保持・保護に努め
る。
これらの挑戦に立ち向かうため、YMCAは、自己自身を持続し、また自己決定を可能なら
しめる、あらゆるレベルでの協力の形態を開発・強化する。
1998年 7 月 第14回世界YMCA同盟委員会採択
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横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横
YMCAの願い
YMCAでは活動をとおして次のことを学びます。
「自分のいのちとみんなのいのちを大切にすること」 「家族、地域のひとりとして責任があること」
「世界と地球を見つめ、考え、行動すること」
「ボランティア精神とリーダーシップを身につけること」
「すこやかな心とからだを育むこと」
YMCAでは、これらを実現するために、
「思いやり」「誠実さ」「尊敬心」「責任感」を
すべての場面で大切にしています。
2006年 2 月 第119回全国YMCA総主事会議
横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横
横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横
YMCAウエルネス事業の目指すもの
YMCAのウエルネス事業は、一人ひとりの全人格的な成長を促し、すこやかな心と体を
育み、いのちを守ることの大切さを学びます。そして、ボランティアとして活動する機会
を通してリーダーシップを学び、コミュニケーションの力を養います。
YMCA英語教育の目指すもの
YMCAの英語教育は、世界と地域を見つめ、考え、行動する「地球市民」を育てます。
そのため、世界のさまざまな人たちと対話ができるコミュニケーション力と、すべての人々
がともに生きる仲間であることを学びます。
YMCA日本語教育の目指すもの
YMCAの日本語教育は、日本語と日本文化を学ぶことによって、様々な国の人々の相互
理解を促し、共に生きる社会の実現に貢献する人を育てます。
YMCA専門学校の目指すもの
YMCAの専門学校は、ボランティア精神を持ったリーダーシップを発揮し、社会に貢献
する専門職を育成します。そのために、自己学習能力、人間関係を豊かにする能力、サー
ビス提供者にふさわしい姿勢や態度を身につけます。
YMCA福祉の目指すもの
YMCAの福祉は、子どもから高齢者のすべてが、すこやかな心と体を育み、いつも喜び
と希望を持ち、充実した人生を送ることを目指します。そのため、一人ひとりが家族、地
域とのつながりを通して、共に生きることができるように支援をします。
YMCA国際活動の目指すもの
YMCAの国際活動は、世界の国と地域にひろがるYMCAによる、豊かな出会いを通し
て、平和をつくりだすことができる人を育てます。そのためにも、アジア太平洋地域の歴
史をはじめ、国や地域にあるさまざまな問題について学びます。
2006年10月 第121回全国YMCA総主事会議
横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横
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横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横横
日本YMCA同盟事業報告書 2011年度
2011年度総括報告
……………p.
1
2011年度日本YMCA同盟事業方針・計画
……………p.
8
全国協力
国内協力事業
15
……………p.
東日本大震災救援・復興支援
……………p.
20
海外災害被災地支援
……………p.
23
学生YMCA
24
……………p.
国際協力事業
……………p.
26
研修・研究
32
……………p.
資格
34
……………p.
第17回日本YMCA大会
……………p.
35
広報活動
36
……………p.
史料室
……………p.
37
YMCAユース・ファンド
……………p.
38
法人業務
……………p.
40
国際青少年センター東山荘
……………p.
41
日本YMCA主事退職金中央基金・職員年金基金
……………p.
43
国際賛助会(FCSC)
……………p.
44
助成・支援
……………p.
46
関係団体報告
……………p.
47
委員会報告
……………p.
50
日本のYMCA現勢
……………p.
57
2012年度日本YMCA同盟方針・計画
……………p.
58
2011年度諸委員名簿
……………p.
64
2011年日本YMCA同盟組織
……………p.
66
英文事業概要報告
……………p.
68
2011年度総括報告
中川 善博
島田 茂
日本YMCA同盟
日本YMCA同盟
理事長
総主事
2011年度を振り返って
2011年度は同盟4カ年中期計画の最終年度
であった。公益法人制度改革の移行期間と重
なる中期計画は、
「青年のために、
青年と共に」
をテーマに、ユースリーダーシップの育成を
最重点課題に掲げ、加盟YMCAの公益法人
移行申請支援、ボランティアによるキリスト
教青年運動としての一致、加盟YMCAの強
化等を目標に取り組んできた。
中期計画の期間中に起きた大きな出来事と
して、リーマンショックによる世界的な金融
危機がYMCAの経営状況にも深刻な影響を
及ぼしたこと、さらにその回復をみないまま
2011年3月11日に未曾有の東日本大震災が発
生したこと等が挙げられる。公益法人移行に
関しては、NPOによる東日本大震災救援復
興活動を促進するために認定NPO法人に対
する税制優遇制度の拡大と認定の緩和等が行
われ、新たな公益法人としての選択肢にNP
O法人が加わった。このような急激な環境変
化への対応策として、全国YMCA総主事会
議・戦略会議は中期計画の最終年度である
2011年度から2013年度までを、緊急対応の3
カ年として位置づけ、中期計画で取り組んだ
公益法人への移行と財政的危機にあるYMC
Aの支援に加えて、東日本大震災救援復興活
動を最重要課題とする方針を別途打ち出すこ
ととなった。
こうした背景のもと、2011年度の重点的な
取り組みを振り返ると、第1に、全国加盟Y
MCAの運動強化に関しては、新公益法人の
認定を受けた大阪・東京・神戸の各YMC
Aが2011年4月に公益財団法人に移行した。
2011年10月には京都YMCA、12月に東京大
学YMCAが移行し、2012年4月には、認定
を受けた熊本、横浜、とちぎ、同盟が新法人
に移行する。一方で、経済環境の悪化に加え
て東日本大震災発生など、加盟YMCAにも
深刻な影響が現れ、いくつかのYMCAでは
財団法人として存続して行くことが難しく
なっている。そのため、全国YMCA戦略会
議及び国内協力委員会では、公益法人移行に
向けた加盟YMCAの経営強化のために、公
益法人移行期間に限定した振興資金特別供与
を制度化し、盛岡、埼玉、金沢、山梨、福岡、
長崎、沖縄の各YMCAに対して供与を実行
した。姫路YMCAは、財団法人を解散しN
PO法人を選択し、事業を野外・キャンプ事
業に特化した。被災地にある仙台YMCAは、
救援復興活動の中心として地域から高い評価
をされたが、日常の事業活動への影響が大き
く、財政的に極めて困難な状況を迎えた。同
盟は、仙台YMCA理事会の要請に基づき、
国内外からの震災支援を受ける仙台YMCA
の存続のために協力することを決めた。
第2に、YMCA運動としての組織整備に
関しては、モデル会則・規則等を策定し加盟
YMCAの基準を整備した。全国加盟YMC
Aの新会則・規則等の整備状況は、検討作業
中のYMCAが多く、持ち越しの課題となっ
た。社会の意識や環境が変化する中で、YM
CAのミッションを共有化するために、第17
回日本YMCA大会を開催した。
1
第3に、ユースリーダーシップ育成に関し
2011年度事業計画と報告 ては、2008年からYMCA地球市民育成プロ
ジェクトを大学教員や開発教育協会などの協
A.全国YMCA運動の連絡・調整/助言指導
力を得て検討を重ね、2009年には第1回目を
A-1 加盟YMCAの健全な運営のための
東北アジアのユースも招いて東山荘で開催し
協力
た。このプロジェクトは、アジア・太平洋地
1.加盟YMCA支援
域におけるYMCA地球市民育成の先駆け
2011年度は6つの大規模YMCA(東京、
となり、2010年の世界YMCA大会(香港)
、
横浜、大阪、神戸、広島、熊本)総主事と総
そして2011年のアジアYMCA大会(マレー
主事会議副会長(名古屋)によって構成され
シア)での日本のユースの活躍にもつながっ
る全国YMCA戦略会議を定例の年3回の他
た。2011年度は東日本大震災があったため、
東日本大震災支援対応等緊急会議を含め計6
形を変え国内の過去参加者のフォローアップ
回開催した。内容は、被災地と被災YMCA
と「世界に目を向け、
地域で活動するユース」
救援復興支援計画の検討、加盟YMCAの経
の具体的な活動の場を支援した。また、学生
営強化、人材養成、全国展開事業などを推進
YMCAの強化に力を注ぎ、2008年から計6
した。被災地の災救援復興計画では3億円の
大学で新たに学生YMCAが新設・再興し、
募金目標を掲げ、年度末までにほぼ目標を達
夏期ゼミナールには100名近い学生・シニア
成し、救援復興活動を全国YMCAとワイズ
が集うまでとなった。
メンズクラブの協働で行うことができた。懸
全国YMCAのユースリーダーシップ育成
案である青少年の社会的な課題への取り組み
や課題をもつユースを支援するためのユース
に関しては、被災した青少年の支援活動が中
ファンドは、各界で活躍する幹事による献身
心となり、事業計画にある調査研究や行政・
的な協力の下に、この4年間で全国より多く
企業等からの情報収集と連携及び共同プログ
の寄附を寄せられたことに感謝したい。2011
ラムの実施には至らなかった。
年度は東日本大震災の影響により募金や寄附
公益法人申請を控え経営強化を必要とする
の使途先が復興支援事業に集中した。一方、
7つのYMCAに対しては、振興資金の新た
震災を機に企業の社会貢献の機運が高まり、 な供与制度を用いた支援を実施した。全国Y
大きな寄附や社員へのボランティア活動の機
MCA戦略会議、国内協力委員会で検討を重
会提供など企業との協働が促進されることと
ね、具体的な支援の方針と計画を決定するこ
なった。
とができた。昨年度に続いて、地区総主事会
2011年度を含む、中期計画の4年間を通
議が全国3地区で定期的に行われ、地区内外
して、国際賛助会による障がい児支援募金、
のYMCAの情報交換、人材交流、研修、課
ユースファンド、東山荘100周年記念事業募
題への研究などに取り組んだ。
金、国際協力募金、東日本大震災支援募金等
2.事業推進 に寄せられた多くの募金とボランティアとし
全国のYMCAは、長期的に被災された
て参画頂いた個人・企業・団体等に対し深く
方々に寄り添う活動を継続することを決断し
感謝したい。なお、2013年は日本YMCA同
た。被災地の子どもたちが思いきり外で遊べ
盟結成110周年であり、2015年には国際青少
るキャンプを行うなど、身体と心のケアを大
年センター東山荘が、開設100周年を迎える。
切にし、やがては救援・復興の活動を通して、
このような節目に立って、2014年からは新た
若い人々がこれからの復興を担うリーダーと
な中期4カ年計画をも策定する予定である。 して育って行く活動方針と計画を決定した。
これまでの献身的な支援等に感謝すると共に、 2011年度は、特に三菱商事の寄附によって、
今後ともさらなるご支援・ご協力をお願いし
被災した子どもたちと家族を対象に、三菱商
たい。
事YMCAフレンドシップキャンプを全国各
「初めから終わりまで、信仰を通して実現
地のYMCAとの協働により実施した。
されるのです」
2011年度は、キャンプ90周年キャンペーン
(ローマの信徒への手紙1章17節)
事業として、全国YMCAのキャンプ場共同
2
パンフレット、リーダー募集共通リーフレッ
ト、そして、共通ロゴを製作した。また、日
本キャンプ協会、日本YWCA、ボーイスカ
ウト日本連盟、ガールスカウト日本連盟と協
働で、2011年4月23日に三菱商事の協力に
よって第1回「出会いと体験の森へ」シンポ
ジウム「キャンプで人は育つか?」を開催し
た。この震災によって、期せずしてYMCA
キャンプが社会から期待される震災支援の最
も有効な活動となった。
3.新しいYMCA設立
鹿児島YMCAは、一般財団法人の認可を
受けて活動を始めたが、事業母体であるイン
ターナショナルスクールが2010年末に閉校し
た。その後、2011年4月から新たな事務所が
与えられ、新しく役員体制を整えて地域活動
を行っている。2010年、2011年と二年続いて
チャリティーランを開催、海岸清掃などのボ
ランティア活動や体操教室・チアダンスなど
の活動を行い、今後同盟加盟申請へ向けて事
業基盤の構築に励んでいる。
A-2 公益法人制度改革とYMCAの組織
の再検討
1.コンサルテーション機能
同盟内に、公益認定されたYMCAの担当
スタッフ、公認会計士及び行政書士等で構成
する専門家タスクチームよる公益コンサル制
度が発足し、沖縄、北九州、福岡、滋賀、姫
路、奈良等のYMCAへ出向きコンサルを実
施した。また、戦略会議の決議に基づき、仙
台・前橋・長崎については、全額同盟負担に
てコンサルを実施することとした。
2.共同事務センター
ICT担当者会議が進めいている全国共通
のウェブ受付システムが、保守費用削減と機
能拡張の目的で、クラウド・コンピューティ
ングを活用したシステムに構築変更し、具体
的運用が開始された。クラウドが利用できる
環境が整ったことで、
Google Apps(インター
ネットを利用したコミュニケーションツー
ル)が全国一斉に導入され、メールシステム
や情報の共有方法が標準化された。会計の標
準化に関しては、公益法人制度が財務諸表の
標準化に寄与した形となり、分析等が容易に
なった。
3.同盟の公益法人申請
同盟の公益認定申請手続きは、2010年度中
を予定していたが、特別会計および資産区分
の取り扱いについての見解がまとまらず調整
を要したが、整理する必要性が明らかとなっ
たため、2010年度決算を経て申請をすること
とし、ようやく2011年11月24日に申請した。
その結果、2012年2月23日付で公益法人移行
に関する答申を得た。
A-3 学生YMCAの働きの強化と将来像
の共有
1.運動・活動の見直し
2008年に学Y120周年記念フォーラムを実
施 し120名 の 参 加 を み た が、 全 国 学 生 Y M
CA夏期ゼミナールは、その後も年々拡大
し、2011年第39回夏期ゼミには、22大学から
90名が参加した。特に、現役学生数の増加が
著しい。テーマは、原発事故から提起された
エネルギーの問題、またセクシャルマイノリ
ティという進取の課題にもチャレンジできた。
2013年の学Y125周年に向けて準備を開始し、
3.11以降の生き方を問う学Yのありようを検
討している。
また、
2009年度5つの学生YMCAの新設・
再興に続き、2011年2月6日の学生部委員会
で九州ルーテル学院大学YMCAの設立が承
認された。10ある学生YMCA寮の新入寮生
募集に尽力し、共通パンフの作成等新しい試
みの成果が上がった。震災支援活動では、全
国の学生YMCAシニアの牧師や対人援助職、
NGO関係者などのネットワークが有機的に
働いた。新たに「学生YMCA聖書研究ハン
ドブック」を作成し配布した。
2.組織整備
新設・再興の学生YMCAが増え、学内活
動形式の学生YMCAの学生が増加傾向にあ
り、学生や大学をめぐる状況も変化し、学生
YMCAにおける学問と信仰という根幹的な
側面と若者の居場所としての今日的なニーズ
とのバランスの中で、学生YMCAのあり方
が多様化している。寮は歴史のなかで多くの
人材を輩出しているが、建物の老朽化やリー
ダーシップの高齢化などの課題もあり、中長
期展望を共有するために、寮関係者協議会を
開催し、理事による運営の課題、寮生のYM
3
CA活動の活性化などについて協議した。財
団法人格を有する東京大学YMCAは、2011
年12月公益財団法人としての認定を受けた。
岡山大学YMCA操山寮は閉寮し、岡山YM
CAファミリーホーム操山寮として新しいス
タートを切った。
B 人材養成
B-1 スタッフ養成
1.ステップⅡ
ステップⅡは、2011年度は7名(内女性2
名)の参加であったが、30代の参加者が増加
するようになった。全国YMCAスタッフリ
ストによる長期的な研修参加者派遣計画依頼
は今後の課題として残った。
2.スタッフ発掘
加盟YMCAから若手スタッフをインター
ンとして継続して受け入れた。また大学生を
インターンとして受入れ、YMCAでの活動
の準備、運営の補助、事務などの経験を積む
機会を提供した。学生YMCA出身者が、都
市YMCAの職員として奉職するようになっ
た。
共同採用に関しては、同盟ウエブサイト上
で全国の採用状況を一覧にする形で広報を実
施したが、採用窓口(連絡先)は加盟YMC
Aのままであり、制度整備までには至ってい
ない。
3.スタッフ養成
協力部にユースインターンを採用し、YM
CA地球市民育成プロジェクトや全国学生Y
MCA夏期ゼミナールの業務を担った。FC
SC分野でも大学生インターンを今年度も採
用した。なお、国際協力担当として、2008年
度から加盟YMCAからインターンスタッフ
を受け入れている。
4.人事制度・その他
加盟YMCAの、職員構成及び人事・研修
制度の実態調査及び総合人事制度の見直し等
は未着手である。
B-2 ユース育成
1.意思決定過程への参画促進
2010年 の 世 界 Y M C A 大 会 に 引 き 続 き、
2011年 の ア ジ ア Y M C A 大 会 及 び ユ ー ス
フォーラム、アジア・太平洋YMCA同盟常
4
任委員会等に、ユースの参加を促進し、彼ら
のリーダーシップが発揮された。
2.ユース参画のための仕組み
YMCA地球市民育成プロジェクトは、
2009年度に第1回、2010年度に第2回を実施
したが、2011年度は震災の影響によりアジア
からの参加者が見込まれず年間研修としては
実施を見送った。地域でのアクションプラン
実行のフォローアップと震災に関する「ユー
ス宣言」などを行い、ユースが主体的に地域
と世界の課題に取り組む活動を支援した。
C 情報発信 広報及び寄付文化の推進
C-1 広報
1.広報
活動に参加する側と支援する側を対象に青
と赤の二種類のYMCAプログラム紹介パン
フレットを作成し、全国での活用を促した。
ホームページを大幅にリニューアルし、タイ
ムリーなプレスリリース配信が可能になった。
トップページに「YMCAって何だろう?」
というリンク元を設け、多岐にわたる活動か
ら、一般にはわかりにくいとされるYMCA
の全体像がつかめるよう改善した。2011年度
は特に震災に関する報告を頻繁に更新し、多
言語での震災支援報告に取り組んだ。
「私に
できること、ユース宣言」というページを作
り、ユースが震災後を如何に生きるかという
ことに対する参加型の新しい試みもなされた。
また同時に東山荘のホームページを刷新して
統一感を持たせ、関係性の表現と情報の整理
を行いイメージアップを図った。目標として
いた広報専門家研修や動画配信、放送局など
は実施にいたらなかった。日常的な活動の発
信や震災時の連絡方法としてフェイスブック
やツイッターの活用にも着手した。
2.出版
「それぞれの日本YMCA運動史」Ⅱを、
今井鎮雄氏と坂口順治氏の対談形式で発行し
た。
C-2 YMCAユースファンド
1.ファンドレイジング
ユースファンドは、全国YMCAでファン
ドを集めるという流れを作れていないことに
加え、2011年度は震災の影響を受け、ユース
ファンド・FCSC・国際協力募金等で従来
の寄附・募金が集まらなかった。一方震災支
援の募金は、救援復興活動に対しては目標を
達成した。また、YMCAキャンプを通した
被災児童の支援活動に対して三菱商事等企業
からの大きな支援が寄せられ、被災した多く
の青少年と家族が心と身体の回復をすること
ができた。全国YMCAが公益財団法人に移
行していく過程で、全国戦略としてファンド
レイジングを強化していく方向性を検討した。
2.社会貢献
ゴールドマン・サックス証券の支援による
聖路加国際病院形成外科との協働プログラム、
患者家族を対象とした富士山ぐうぐうキャン
ププロジェクトは、震災の為に延期になった
が、夏期に東山荘で全国YMCAの協力に
よって実施することができた。参加した児童
はこれまで機会のなかったキャンプを経験
し、一緒に参加した家族と共に成長のきっか
けとなった。フロストバレーでの研修など指
導者養成もこのプロジェクトの一環で行うこ
とができた。チャリティーランは、当年度も
FCSC国際賛助会との協働によって、従来
から支援頂いている三菱商事に富士通がスポ
ンサーとして加わるなど協賛企業の参画が広
がった。
D 代表機能(国際窓口・他団体・加盟YM
CAの第3者機関として)
D-1 アジア・世界のYMCA運動への協力
1.国際協力
アジア・太平洋YMCA同盟総主事に山田
公平氏を送り出して3年目となる。ユース
リーダーシップの育成やYMCA運動強化な
どのプロジェクトが始動し、日本も各国との
協力と連帯を強めることができた。9月にマ
レーシア・ペナンで開催されたアジア・太平
洋YMCA大会に47名、うちユース25名と過
去最多の参加者を派遣した。APAYユース
委員の活躍も目立ち、大会では震災報告、地
球市民報告などを行った。
夏には第3回中国・四川地震被災地ワーク
キャンプ(奈良Y主管)
、
第5回インドネシア・
ジョグジャカルタワークキャンプ(岡山Y主
管)が実施し、全体の事前研修として全国Y
MCA国際研修会も実施した。
東北アジアの緊張が高まるなか、日韓YM
CA連絡委員会(京都)を実施し、日本から
は震災支援活動、韓国からは社会起業活動に
ついても学び、平和の取り組みについての協
働の活動を協議することができた。
東日本大震災にYMCAのネットワークを
通して海外各国から支援が寄せられ、アジ
ア・太平洋YMCA同盟がとりまとめを担っ
た。今回の震災によって、多額の支援を頂い
たアメリカYMCA同盟の国際担当者会議や
JCCCNC(北カルフォルニア日本文化セ
ンター)25周年記念式典(サンフランシス
コ)で経過報告する機会が与えられた。また、
ロ ン ド ン に 本 部 を 持 つ H A I(Help Age
International)Asiaを通じての高齢者に向け
た支援など、これまで支援することの多かっ
た側から、支援を受ける立場を経験した。
2.平和教育の実現
核のない平和な世界の実現を目標に2009年
度に全国YMCAで実施した『Yes !キャ
ンペーン』の次なる取り組みとして、広島平
和文化センター理事長Steven Leeper 氏をリ
ソースパーソンに企画されている新キャン
ペーン『プロジェクトNOW!』への協力を
全国YMCAとして決議した。
3.その他
The YMCA、APAY等のニュースレ
ターの受信・翻訳発信等を継続して実施した。
特に、被災支援に関しては、頻繁にEmailを
通して情報を発信した。
D-2 ワイズメンズクラブとの協働
1.相互理解・協力
東日本大震災救援・復興活動では、東西ワ
イズメンズクラブが仙台YMCAボランティ
ア支援センター、盛岡YMCA宮古ボラン
ティアセンター、東京YMCA石巻支援活動
や各県における被災者支援活動などに積極的
に支援頂き、多大な貢献をされた。震災後い
ち早く物資の支援を行い、YMCAとワイズ
メンズクラブの連携が被災地支援に顕著な役
割を果たすことができた。クラブ単位でも現
地のYMCA・ワイズメンズクラブと連携し
活動を継続的に実施している。
ワイズメンズクラブとの協働の理解のため
に、地区大会では、ワイズメンズクラブ担当
5
者会を行うことができ、目標の共有化を図る
ことができたが、震災のためユースファンド
の協力依頼は積極的に推進することができな
かった。
D-3 行政、他団体、教会等との協力
1.行政
震災後、YMCAを始め
「広がれボランティ
アの輪」連絡会議参画の12団体が常任世話団
体となり、東日本大震災全国ネットワーク
(J
CN)が結成され約700団体が登録した。こ
のネットワークは、被災した人々に支援の手
が届くように、行政や議会と連携し、制度作
成や情報の発信に協力した。一方で、日本Y
MCA同盟として独自に、各省庁、国会議員
等に対する活動報告や政策提言等についての
働きかけは出来なかった。また、課題のある
青少年への支援活動などYMCA事例の情報
発信を組織的に推進するまでには至らなかっ
た。
2.他団体等
全国協力の一環として、
「広がれボランティ
アの輪」連絡会議の参画団体として、主にN
PO・NGOとの連絡・調整の役割を担って
きた。また、
全国社会福祉協議会
「ボランティ
ア国際年+10」推進委員として、ボランティ
アの推進に努めた。
全国社会福祉協議会の推薦によって、厚生
労働省から発達障がい支援事業に対して表彰
を受けた。
中青連は、副会長の役割を担い、組織の再
編に積極的に協力した。NCCなどの青少年
関連団体、キリスト教関連団体への人的協力
(派遣)を継続して行った。
D-4 主事退職中央基金・職員年金基金
1.主事退職中央基金および職員年金基金
年金や退職金の資金運用が中央三井アセッ
ト信託銀行(株)を通して行われ、今年度も
厳しい資金運用を強いられたが、資金運用委
員会の適切な対応により、震災やギリシャ経
済破たん問題などがある中で、年間利回りは
予算を若干上回ることとなった。加入者数に
ついては退職金・年金ともに若干の増加を得
た。持続可能な制度の検討を進め、本年度は、
全国YMCAの承認のもとに定年10%割増規
6
程を廃止する等制度改善に努めた。
E.調査・研究及びプログラム開発
E-1 調査・研究とプログラム開発
1.調査・研究
平和教育に対する継続的な調査と研究に関
しては、全国総主事会議で本年も研修を実施
し、
『プロジェクトNOW!』の全国YMC
A実施につながった。歴史教科書をめぐる問
題について研修を実施した。
2.プログラム開発支援
不登校・ひきこもり等課題にあるユースを
支えるために、振興資金制度及びユースファ
ンドを活用し、大阪YMCA通信制高校のサ
ポート校として、奈良・福岡YMCAのプロ
グラム開発を支援した他、富山・仙台YMC
Aを通してカフェによる就労支援事業を支援
した。キャンプ90周年キャンペーンの一環で、
全国キャンプ場合同リーフレットとボラン
ティアリーダー募集のチラシを全国のYMC
Aが活用した。ミッション委員会は、開催す
ることができなかったが、日本YMCA大会
を通して震災後のミッションの確認を行った。
3.受託事業研修
本年は、受託事業の事例研究は実施しな
かった。
4.調査・研究
同盟史料室では、毎週火曜日に退職主事5
名のOB(齋藤氏、田中氏、毛利氏、井口氏、
市川氏)が継続して奉仕され、史料室で研究
や整理を行った。
F.国際青少年センター東山荘
F-1 プログラム強化とグランドデザイン
の検討
1.全般
今 年 度 は、 震 災 に よ る 影 響 に よ り 目 標
32,000人に対して30,433人の利用にとどまっ
た。特に、震災後は計画停電等の影響もあり、
殆どの宿泊予定者がキャンセルした。一方、
避難者を3月後半以降4月初めまでに22名受
け入れることに始まり、三菱商事YMCAフ
レンドシップキャンプなど延3,264名の被災
児童及び家族を受け入れた。
2.施設
老朽化した本館の建替えを目標に東山荘全
体のグランドデザインを再度検討し、より時
代状況や環境に適したものとして行く方針を
決定した。ディーン・リーパーメモリアル
ロッジ、ネイチャーセンター、
新バーベキュー
場などの新施設を生かして、震災支援のため
の主催キャンプなど新たな形態のプログラム
発信をおこなった。中期的な施設改善計画に
関しては、新グランドデザインに伴い計画的
な改修の実施を図っていく。2011年度は、震
災による利用者の減少によりスタッフ体制を
増員することなく、職員全体が清掃や塗装を
するなどして外注支出を削減し、快適な施設
を創り出すために一丸となって施設を支えた。
3.プログラム
日帰りプログラムであるネイチャープログ
ラム、クラフトなど、多彩なプログラムを行
い、6,863名の利用があり、前年度より1,442
名利用者が増えた。ネイチャープログラムで
は、自然や地球環境の大切さを子どもたちに
伝える機会となった。キャンプなどのプログ
ラムでは、地域の方がボランティアとして参
加し、活動を支えて頂いた。また、昨年に引
き続き東山荘を会場にした熱海YMCA主催
チャリティランに協力した。
小学校を対象に、ネイチャープログラムを
セットにした分かり易い料金体系の宿泊学習
パンフレットを当年度末に作成し約1,200校
に送付した。
7
2011年度日本YMCA同盟事業方針・計画
ざかり、倫理観・学習意欲を持てず、無気力
に育っていることが問題になっている。また、
2011年度方針
「無縁社会」という言葉で現代の社会が描か
れ、児童虐待や家族間の絆の崩壊など、人と
「目を覚ましていなさい、
信仰に基づいてしっ
人との繋がりが希薄となった日本社会の問題
かり立ちなさい。雄々しく強く生きなさい。
がクローズアップされてきた。
何事も愛をもって行いなさい。
」
こうした中で、全人的な成長を目指すYM
(コリントの信徒への手紙一 16:14)
CAとしては、子どもたちが自然の中で遊び
育つ「時間と空間」を取り戻し、家族の絆と
【方針】
地域社会の人と人との繋がりを支援し、環境
2011年度は同盟4カ年中期計画の最終年度
にあたる。同盟中期計画は、「青年のために、 や平和など地球規模の課題から社会を変革す
る地球市民の育成に、総力で取り組んで行か
青年と共に」をテーマにユースリーダシップ
なければならない。そのために、全国YMC
の育成を最重点課題に掲げ、公益法人改革へ
A戦略会議・総主事会議等で、YMCAが取
の移行、任意(ボランティア)組織によるキ
り組むべき日本社会の課題と目標・役割を明
リスト教青年運動の一致、加盟YMCAの強
確にし、行政・企業・NPO等とも協働して
化等を目標に取り組んできた。
青少年への取り組みを推進して行きたいと考
中期計画を3年経過した中で、YMCAに
えている。
関わる最も大きな出来事は、言うまでも無く
中期計画では、日本YMCA同盟が、全国
2008年12月に施行された公益法人改革とリー
加盟YMCAに先駆け公益法人への移行を計
マンショック後の長期化する円高とデフレに
画してきたが、加盟YMCAとは事業形態が
よる不況である。全加盟YMCAの財政状況
異なり、特定資産の会計処理方法など幾つか
は、財団法人で収入が減少し、収支差はマイ
解決しなければならない課題があり、申請予
ナスとなっている。学校法人でも、収入が減
定がずれ込んでいる。同盟としては、2010年
少し、収支差はマイナス傾向が続いている。
度決算を新法人の会計方式に変更し、決算手
加盟YMCAの財政や事業の状況は、少子高
続き等の終了後に申請し、2012年4月には公
齢化による社会・経済の環境変化、柱となる
益法人として移行出来るよう計画を修正する。
事業の不安定性、公益法人移行問題等が加わ
従って、2011年度中の公益法人の移行申請を
り、大変厳しい現状にある。
確実に行っていきたい。
全国YMCA総主事会議は、このような状
全国のYMCAでは、2010年末に大阪YM
況に対して、2011年度から3カ年かけて集中
CAが公益法人認可を得ることができ、4月
的に対応して行くため、緊急3カ年戦略計画
には、YMCAとして始めての公益認定法人
を策定することを決断した。
がスタートする。また、神戸・東京・熊本・
社会では今日、経済の先行き不安な中で大
京都などのYMCAが引き続いて認可を得る
学卒業者の就職率は、2010年末時点でも60%
ことになる見込みである。しかしながら、法
台と低い水準で、前年度と比較すると過去最
人移行をひかえ、中小YMCAにとっては、
大の下げ幅となり、若者の将来に対する不安
組織整備、財務体質や事業基盤の強化等の課
感は増大している。一方で就職した若者に対
題を始め、移行準備等の作業が十分進んでい
して、企業は、コミュニケーション力の低下
ない状況もうかがわれる。先行YMCAの事
に問題がある等の指摘があり、人との交わり
が苦手な、孤立した若者の姿が浮かんでくる。 例を踏まえ、緊急3カ年計画等により、相互
の協力・支援によって対応を急ぎたい。
昨年末、全国の成人を対象とした調査で、
公益法人移行に伴い、加盟YMCAの機関
幼少期に自然の中で遊んだ経験とその後の学
設計及び会則・規則等が変更される。公益法
歴・年収には相関関係が見られるという調査
人制度改革に伴い、全てのYMCAが移行す
結果が発表された。子どもたちが自然から遠
8
る2013年までの3年間は、公益又は一般財団
法人として認可を得たYMCAと特例民法法
人のままでのYMCAが混在する。したがっ
て、同盟には、法人移行を済ませ新たに任意
組織としての会則・規則を整備したYMCA
と特例民法法人として従来どおりの寄付行為
施行細則による会則で規定されたYMCAと
が混在して加盟する形になる。
さらに従来、同盟では、それぞれのYMC
Aが「任意団体」であるキリスト教青年会と
して加盟していくという方針であったが、各
YMCAの歴史・組織作りの経緯、適用法制
度等によって、法人と運動の関係を規定する
あり様が異なってきている。代表理事を総主
事とするか否かという機関設計に対する、考
え方も一律ではない。こうした組織が多様化
する中で、同盟としては、この3年間をYM
CA運動の一致を目指しつつ、それぞれの機
関設計、会則・規則に対する加盟のための基
準や条件を整備して行く必要がある。
2013年には、各YMCAの移行申請が終了
し、全国YMCAが新たな法人格として足並
みを揃えて再スタートすることになるが、こ
の2013年は、同盟にとっても、結成110周年
と重なる年でもある。
2011・2012年の両年度は、全国の加盟YM
CAの新法人移行期間として、また同盟110
周年に向けての準備期間として位置づけし、
YMCAのミッションを再確認しつつ、日本
YMCAの新たなブランド戦略の策定を目指
しつつ、2013年度からスタートする新たな中
期4カ年計画の策定作業に着手して行きたい。
【重点目標】
Ⅰ.全国加盟YMCA運動強化のための緊急
3カ年計画の策定と推進
1)振興資金供与による財政支援
2)公益法人移行支援と人事交流の促進
3)共同プロジェクトの実施支援
Ⅱ.YMCA運動としての組織整備
1)YMCAミッションの共有化-日本
YMCA大会の実施
2)モデル会則・規則及び加盟基準の整
備
3)全国加盟YMCA新規則・会則の確
認
Ⅲ.ユース支援の継続強化
1)地球市民育成プロジェクト3年目の
実施と評価
2)ユースファンドの推進
3)学生YMCA支援の継続
Ⅳ.同盟公益財団法人移行申請の確実な実行
Ⅴ.国際青少年センター東山荘経営強化と環
境に配慮したグランドデザインの見直し
2011年度日本YMCA同盟事業計画
A.全国YMCA運動の連絡・調整/
助言・指導
A-1.加盟YMCAの健全な運営のための
協力
①日頃より問題となり得る状況について把
握し、対応できるシステムを作る。
②同盟及び近隣地域のYMCAが分担、協
力して支援できる体制を作る。
1.加盟YMCA支援
1)日本における青少年の社会的な課題に対
して、全国YMCAで共同プロジェクトを
推進できるよう調査研究し、行政・企業
CSR、新しい公共等NPOネットワークか
らの情報収集と連携に努め、全国総主事会
議・全国戦略会議で成案化する。
2)年3回程度全国戦略会議を実施し、YM
CA運動の推進と事業実施の迅速化を図る。
①緊急3ヵ年戦略計画の策定と推進支援-
全国共同プロジェクトの実施
②人材養成・人事交流を具体的に進めてい
く。
③情報の開示を進めるとともに、課題のあ
るYMCAの早期把握と効果的な支援策
の検討。
④新公益法人への移行を支援・促進する。
⑤共同プロジェクトの推進を通し全国運動
を展開する。
(地球市民育成・キャンプ90周年・子育
て支援)
3)新公益法人移行申請期間に限定し、振興
9
資金新制度(供与)の効果的な支援を実施
する。
①対象YMCAのコンサルテーションの実
施と評価。
②次年度継続支援の選定検討
4)課題のあるYMCAに対してコンサル
テーションを行い、具体的な支援を行う。
①人材交流を推進し各YMCA運動・事業
の活性化を図る。
②共同事業を推進し全国運動の向上と活性
化を目指す。
③新公益法人会計の導入支援及び会計諸表
の基準化を進める。
2.その他
①全国YMCA戦略会議の下に、従来の事
業推進会議を事業担当者会としてプログ
ラムの共同化を推進し、各事業のブラン
ドマネージメントを行い、スケールメ
リットを生かした全国事業展開を支援す
る。
②今日的なユースの課題に応えるために、
ユースファンド・FCSCなどファンド
レイジングと呼応して、全国YMCA戦
略会議を通して、全国共同事業の推進を
支援する。
3.新しいYMCA運動の種を植える。
①加盟退除・組織検討委員会において加盟
退除規程の改正を行う。
②新しいYMCA作りのためのYMCA運
動紹介ツールを作成する。
在り方等の支援を行う。
②既に認定されたYMCAスタッフ及び公
認会計士及び行政書士等の専門家でタス
クチームをつくり、新法移行支援を行な
う。
③モデル会則・規則に添った形で、加盟Y
MCAの会則・規則等への助言や指導を
行っていく。
④加盟・退除規程を新同盟規則に沿って改
訂する。
2.共同事務センター
ICT推進会議が進めているクラウドコン
ピューティング・グーグルアップスを活用
し、情報を共有化し、広報、受付業務など
を推進する。
3.同盟公益法人移行申請
①移行申請のため未収金・特別基金等を整
理し、新会計での財務処理を進める。
②同盟諸規則の改訂及び作成整備
②将来を見据えた同盟組織・機能機構の検
討を進める。
A-2.公益法人制度改革とYMCAの組織
の再検討
①新法の研究を充分に行い、効果的な対応
を進める。
②同盟が公益認定情報を収集整理し、加盟
YMCAの新法人移行について助言指導
を行なう。
③公益認定が困難なYMCAや法人格をも
たないYMCAの在り方について検討す
る。
1.運動・活動の見直し
①各学生YMCAの運動強化の支援、紹介
ツール(広報)を強化し、新設再興事例
等から新しい方向性の開拓と大学教員
ネットワークを形成する。
②YMCA出身の牧師のリストを活用し、
「学生YMCAの神学/キリスト教」を発
信する。新たに設置されるミッション委
員会や、YMCAキリスト教基盤強化の
ための活動に協力する。
③学生YMCAと都市YMCAが互いに理
解を深めるために、双方へ働きかけを行
う。夏期ゼミナールへの若手スタッフの
研修参加や学生YMCA出身のOB・O
Gの都市YMCA紹介などを行う。
1.中小規模YMCA・学生YMCAに対し
新公益法人移行支援コンサルテーションの
実施
①新法に移行が困難なYMCAへの新たな
10
A-3.学生YMCAの働きの強化と将来像
の共有
①学生YMCA120年を機に、運動を評価
し、今後の展望を見出す。
②クリスチャン・リーダーシップ養成の意
味づけを再確認し、強化する。
③地域での都市YMCA、学生YMCAの
交流を促進し支援する。
2.組織整備
①学生YMCA寮の新公益法人への対応を
検討し、財団法人格を有する早稲田大学、
東京大学等の対応と任意団体の9寮へは
個別に対応する。理事会の運営強化と情
報交換のために、理事長・代表者会議を
全国及び各地区で実施する。
②新設・再興学生YMCAのための学生Y
MCA運営マニュアルの作成や、夏期ゼ
ミナール招待など工夫を計り、学生YM
CA新設・再興の可能性があるミッショ
ン系大学等へ働きを強める。
(上智大学、
岡山清心、四国学院等)
B.人材養成
B-1.スタッフ養成
①YMCAの使命実現に責任と必要なスキ
ルをもつスタッフを養成する。
②ステップⅡの対象、位置づけを検討する。
③スタッフ発掘、養成について多様なあり
方、可能性を検討する。
1.ステップ研修制度
①ステップⅡ参加第1次申込を早めるなど
参加促進のための環境整備と方策を講ず
る。
②全国スタッフリストに基づき、各YMC
AのステップⅡ派遣計画の作成を依頼す
る。
③聞き取り調査に基づいた研修方針を実施
する。
④調査内容に基づき研修内容を見直し、研
修体系の改訂案を作成する。
⑤中小YMCAスタッフの研修機会を確保
するため、既存の制度や新たな仕組みを
検討する。 2.スタッフ発掘
①新インターンの採用のシステムを整備す
る。
②全国採用共同広報を継続的に実施する。
(WEB上)
3.スタッフ養成
①大規模YMCAのステップⅠ研修を地区
別総主事会にてシェアーして、近隣YM
CAへの研修参加を促す。
②インドスタディコースを見直し、
アジア・
太平洋同盟を通して貧困にある国のYM
CAスタディコースへの改編を検討する。
③アメリカ・スタッフ研修の継続実施、ア
ドバンス・スタディコース参加を促す。
④リーダーシップ発展資金を活用し、中小
Yスタッフの海外研修を推進支援する。
4.人事制度・その他
加盟YMCAの職員構成及び人事・研修制
度の実態を調査する。
B-2.ユース育成
①ユースのリーダーシップ養成、担い手会
員育成の働きを支援する。
②意思決定過程へ参画するための課題を調
査し、支援の仕組みを整備する。
1.意思決定過程へのユース参画促進
アジア・太平洋YMCA大会ユースフォー
ラムにユースを派遣し、日本のユースの意
識・意見を反映できるよう参画を促す。
2.ユース参画のための仕組み
①ユースプロジェクトに関連する担当者が
事業分野を超えて、情報の交換や成功事
例の共有、YMCA地球市民育成プロ
ジェクトの促進などを行えるしかけを作
る。
②YMCA地球市民育成プロジェクトの第
3期研修を行い、評価した上で今後のア
ジアの国際プロジェクトとしての開催の
方向性を決定する。今回は特に若いス
タッフの参加を促し、全国YMCAのプ
ロジェクトとしての認識を拡げる。
③国際分野におけるユースインターンの可
能性をアジア・太平洋YMCA同盟と連
携して、欧州YMCAへの派遣も含めて
効果的に派遣できるよう計画立案する。
C.情報発信
広報及び寄付文化の推進
C-1.広報
①YMCA運動強化のための成功事例を共
有しイメージアップを図る。
②公益性が問われる中、ミッションとアク
ションの一致を明確化する。
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1.広報
①ホームページの刷新にともない、ボラン
ティアを活用し動画情報発信・フェース
ブック・ツイッターなど多角的な広報を
進める。
②同盟が行う各種ファンドレイジングに対
応する広報策を総合的に検討し進める。
③ICT担当者会議を通して情報発信力の
強化策を遂行する。
2.出版他
①「それぞれのYMCA運動史」Ⅱ及びⅢ
を発行する。
②「それぞれのYMCA運動史」を増刷し
活用を進める。
C-2.YMCAユースファンド
①寄附文化を高め、加盟YMCAにおける
寄附収入の割合を高めるよう支援する。
②YMCAの働きを、寄附者・企業に理解
を求め、協力を得る仕組みを作る。
③特定公益増進法人枠にユースファンド、
東山荘、FCSCを組み入れ、募金を強化
する。
1.ファンドレイジング
①ユースファンド・FCSCをまとめ、全国
戦略会議のタスクチームとともにファン
ドレイジング部門を統括して、国内協力
事業のもとに再編する。同盟の総力を挙
げて取り組む課題と位置付ける。
②東山荘募金を強化する。
③CSR・コーズ・リレーティットマーケ
ティングなど企業のファンド戦略を取り
入れる。
④WEBでの募金を可能にする。
⑤遺贈制度を施行する。
⑥ファンド戦略を策定し、総主事・役員
トップリーダーシップへの学習を行い、
CSR及びファンドに対する理念・戦
略・戦術を継続的に確立し、
「新しい公
共」としてのYMCAを打ち出す。
⑦総務担当者へのファンドレイジング研修
会を実施し、将来的には加盟YMCA担
当者の組織化を検討する。
⑧同盟の財務基盤を強化するため、
負担金・
自主財源の確保、ファンド等の活用化等
12
多角的に検討する。
2.社会貢献
①加盟YMCAに於いて、若者の課題に取
り組んでいる特徴ある事業(プロジェク
ト)を収集・分析・紹介等を組織的に進
める。
②全国のYMCAで行われるプロジェクト
を的確にHPなどで情報発信していく。
③企業の社会貢献とファンドレイジングを
確立し、企業人が参加できるプロジェク
トを提案する。
D.代表機能(国際窓口・他団体・加盟
YMCAの第3者機関として)
D-1.アジア・世界のYMCA運動への協力
①世界YMCA同盟、アジア・太平洋YM
CA同盟への協力を継続する。
②加盟YMCAの国際協力活動を支援する。
1.国際協力
①世界YMCA同盟、アジア・太平洋YM
CA同盟の働きに連なる。特にアジア・
太平洋YMCA大会への参画や、アジア
規模の課題である地球市民育成、平和構
築や気候変動、ジェンダーや高齢社会に
対して日本の経験や人的資源等による貢
献・協力・支援等の働きを推進する。
②アジア・太平洋YMCA同盟の働きを
支援し、特に課題を抱える国を複数国
で 支 援 す る P S G(Partner's Support
Group)に積極的に参画する。
(東ティ
モール、インドネシア、カンボジア、ベ
トナム等)
③頻発する災害に迅速に情報収集と発信に
務め、被災地支援を呼びかけると共に、
特に子どもと青年に関わる中長期支援を
立案していく。
④YMCA国際協力募金を強化すべく、使
途の適正化と開示等の透明化に向けて分
析や研修の機会を持ち、加盟YMCAに
も理解と協力を呼びかける。フォトコン
テストの継続強化などイメージ向上も図
る。
⑤国際協力資金を用いて在日外国人のため
の支援や核廃絶のためのキャンペーンな
ど、
他団体とも協働し、
取り組みを進める。
2.平和教育の実現
①日中韓での平和のための協同プロジェク
トを推進する。
②オータナティブツーリズムの紹介と開発
への協力。
③Yes キャンペーンの次に企画されてい
る新キャンペーンへの協力。
3.その他
①The YMCA、APAY等のニュース
レターの受信・翻訳発信等を継続して行
う。
②発信先の拡大(世界YMCA同盟、関連
他団体等)のためにデータや方法につい
て整備する。
D-2.ワイズメンズクラブとの協働
①ワイズメンズクラブとYMCAの協働を
推進する。
②東西理事、事務局と連携し、相互の協力
を強化する仕組みを作る。
1.相互理解・協力
①ワイズメンズクラブ担当者会を継続的に
実施する。
②新設クラブや新人ワイズへのYMCA理
解のために研修派遣を行う。
③ワイズメンズクラブにユースファンド協
力依頼を積極的に推進する。
D-3.行政、他団体、教会等との協力
①全国YMCA運動の代表として、全国団
体や組織と連携し、情報交換、協力を行
なう。
②加盟YMCAに有効な情報を発信する。
1.行政
①文部科学省、厚生労働省、外務省、国会
議員等へ活動情報を提供し政策提言を行
う。
②YMCA事例を情報発信する。
(記者ク
ラブの活用)
2.他団体等
①中青連、NCC等と連携し、新たにNG
O・NPOとの連携を検討する。
②継続的に情報受発信力を強化していく。
D-4.主事退職中央基金・職員年金基金
①主事退職中央基金・職員年金基金につい
ての改革を検討し、2010年以降の制度を
提案する。
1.主事退職中央基金
加入者の拡大を図るとともに、シミュレー
ション等を行い将来の在り方を検討する。
2.職員年金基金
健全な年金運営を図るとともに、シミュ
レーション等を行い将来の在り方を検討す
る。
E.調査・研究及びプログラム開発
E-1.調査・研究とプログラム開発
①社会動向を見据え、将来にわたるYMC
Aのあり方(YMCA像)を調査・研究
する。
②加盟YMCAが推進できるプログラム開
発の材料を提供する。
1.調査・研究
①平和教育を継続的に実施する。
②他団体との協働を計画的に進めていく。
③大学と協働調査を行い事業開発に活用す
る。
2.プログラム開発支援
①ミッション委員会を開始し、日本YMC
A基本原則に基き今日の社会的な課題に
ついてYMCAが取り組むべき使命を検
討する。
②キャンプ90周年キャンペーンの一環とし
てキャンプシンポジウムを他団体と共同
して開催し、今後の協働プロジェクトを
検討する。
③子育て支援事業を通して新たな展開を探
る。
④不登校・ひきこもり等課題のあるユース
プログラムの取り組みを支援する。
3.その他
①受託事業の事例研究を実施(年1回)し、
評価・課題のまとめを行う。
②同盟史料室の働きを維持し、全国運動の
歴史を将来に残し、伝える仕組みを支え
ていく。
13
F.国際青少年センター東山荘
F-1.プログラムの強化とグランドデザイ
ンの検討
①100周年(2015年)に向けてグランドデ
ザインの再検討と修正計画をつくり、ソ
フト・ハード面での充実を図る。
②100周年記念募金の手法を見直し、新し
い東山荘をアピールする方向での積極的
な営業展開ととらえて、これを実施する。
③青少年の環境、野外、国際教育など、学
びの場としてのプログラムと施設の更な
る充実を図る。
1.施設
①グランドデザイン方針を再度検討し、よ
り社会状況・環境に適したものにしてい
く。このための修正計画を作成する。
②ディーン・リーパーメモリアルロッジ、
ネイチャーセンター、新バーベキュー場
などの新施設を生かした新たな形態のプ
ログラム発信をおこない、これによる利
用者増を図る。
③中期的な施設修繕計画を作成し、計画的
な修繕の実施を図っていく。
④より快適な施設を創り出すための職員意
識の改革と、この実施のための具体策を
創り出す。
2.プログラム
①環境問題に取り組む施設としての具体的
な改善と、これにふさわしいプログラム
を実行する。
②地域のリソース(自然、人材等)を更に
活用し、より地域に密着した活動を推進
していく。
③御殿場・小山を中心とした地元の青少
年・人々により親しまれるプログラムを
計画・実施する。
④FCSC・ユースファンドの支援、チャ
リティーランの実施などにより、障がい
児対象のプログラムを実施する。
⑤施設の安定的な運営が図れるよう、営業
活動を強化し利用団体・利用者の増加を
図る。
14
全 国 協 力 Program Services
国 内 協 力 事 業
<個別YMCAへの協力・支援>
日本YMCA同盟では、国内の各YMCA
への支援協力を行うことが重要な役割である。
事業・財政・人事等、様々な側面から、全
国YMCAと協働し、運動の推進に努めてい
る。
盛岡YMCA
盛岡YMCAは、2011年3月11日の東日本
大震災以降、宮古市の日本基督教団宮古教会
への支援から始まり、YMCA宮古ボラン
ティアセンターとして宮古教会と協働して支
援範囲を地域に広げて活動を継続している。
国内協力事業として、全国協力スタッフ派遣
調整とセンター運営費を募金から支援してい
る。また、前潟地区へ学童保育を新たに展開
するための人件費補助として振興資金の供与
を行った。
仙台YMCA
仙台YMCAでは2011年3月11日の東日本
大震災発生後は、いち早く避難所開設、近隣
避難所との協力による支援活動を展開し、仙
台YMCAボランティア支援センターとして、
全国YMCA協力スタッフを受け入れ、仙台
市災害ボランティアセンターの運営支援を
行ってきた。国内協力事業として、全国から
の支援スタッフ派遣調整、センター運営費を
募金から支援している。
茨城YMCA
東日本大震災によって、活動拠点であるつ
くばクリスチャンセンター会館が被災し、建
て替えが必要となった。東日本大震災復興・
支援募金からの支援と日本YMCA同盟振興
資金からの貸付金により全面改修を行い、運
動を発展的に継続することができた。
埼玉YMCA
米国から英語チャイルドケアの講師を招聘
し、事業強化を進めた。日本YMCA同盟振
興資金への申請に対し、国内協力委員会の審
議を経て供与を実施した。
在日本韓国YMCA
東日本大震災による外国人・国内宿泊客の
減少により、基幹事業であるホテル事業収入
が減少した。事業強化のため、日本YMCA
同盟振興資金施設拡充資金より貸付を行い、
施設の充実を図った。
山梨YMCA
公益財団法人移行へ向けた日本YMCA同
盟振興資金特別支援の2年目の供与を行った。
所有する土地・建物が都市計画に伴う区画整
理に重なった。建物の改修もしくは移転、事
業の拡大、法人の移行など大きな転機が訪れ
ている。
金沢YMCA
総主事・スタッフレスYMCAとして、理
事の方々に支えられた運動を続けている。学
童保育事業の拡大に伴う人員補強のための日
本YMCA同盟振興資金特別支援の2年目の
供与を行った。学童保育からキャンププログ
ラムへ参加する人がいるなど、支援によって
運動が広がりつつある。
福岡YMCA
2010年度より総主事を迎え、運動の求心力
強化を図っている。2011年度は日本YMCA
同盟振興資金特別支援の2年目供与を行った。
研修を目的とした1年間のスタッフ交流を大
阪YMCAとの間で行い、事業安定と拡大に
向けて体制を整えている。
長崎YMCA
熊本YMCAの協力により中堅スタッフを
受け入れ運動を推進している。さらに地元に
根ざした人材を採用し、事業を安定して運営
できる人材育成を図っている。日本YMCA
同盟振興資金より中小YMCA支援、特別支
援の供与を行っている。
沖縄YMCA
理事長が交代し、新たな体制でスタートし
た。公益法人認可に向けたコンサルテーショ
ンの申請が出され、全国協力のもと指導・支
援を行った。日本YMCA同盟振興資金から
特別支援の供与を行い、事業の安定的な運営
と運動の継続を図っている。
総主事・スタッフレスYMCA協議会
2年に一度開催されている協議会を行った。
15
熱海YMCA、金沢YMCA、福知山YMC
A、鳥取YMCA、松山YMCAより理事長
や運営を担う方が参加され、公益法人への具
体的な申請条件・方法、NPO法人の認定N
PO法人化への条件などについて協議を行っ
た。
盛岡YMCA総主事
濱塚有史氏が新たに就任した。
富山YMCA総主事
松田誠一氏が新たに就任した。
<全国YMCA総主事会議関連事項>
1.全国YMCA総主事会議
廣田光司会長、上久保昭二・加藤明宏副会
長のもと、全国の総主事が集まる総主事会議
を実施した。
2011年6月19日~20日、第135回全国YM
CA総主事会議が国際青少年センター東山荘
で行われた。震災支援への全国協力、公益法
人改革への対応について協議した。
2011年10月3日~5日、第136回全国YM
CA総主事会議が京都YMCA主管により関
西セミナーハウスで行われた。
スティーブン・
リーパー氏による平和への取り組み「NOW
キャンペーン」
、日本ファンドレイジング協
会常務理事鵜尾雅隆氏による「YMCAの経
営を強めるための学び」の時間を持った。特
に鵜尾氏は、ファンドレイジングとは何かを
具体的な事例を多く挙げながら説明され、日
本の寄附文化醸成、YMCAのファンドレイ
ジングへの取り組みに向けて多くの学びを得
ることができた。
2012年2月13日~15日、第137回全国YM
CA総主事会議が東京YMCA主管、在日本
韓国YMCAを会場として開催された。
「Y
MCAの経営を強めるための学び」を引き続
きのテーマとして、エーザイ株式会社相談役
中井雅博氏を講師として招いた。また、教科
書ネット21俵義文氏からは「平和への学び」
として、歴史教科書についての問題を学んだ。
その他、年間を通じて加盟YMCAの課題な
どを共有し、報告・協議を行った。
2.全国YMCA戦略会議
全国YMCA総主事会議の元に置かれた会
16
議体として、東京、横浜、大阪、神戸、広
島、熊本の6大YMCA総主事と中小YMC
Aを代表して名古屋YMCA総主事、同盟総
主事が集まり、⑴ 全国共同事業の推進、⑵
国内協力委員会との調整の上、運営が困難な
YMCAへの支援、⑶ 人材育成(人材採用・
人事交流)
、⑷ 全国YMCA経営分析につい
て協議を重ねた。特に、国内協力委員会が全
国YMCA総主事会議へ諮問する日本YMC
A振興資金申請内容検討について協議を行い、
総主事会議へ答申した。
3.総務担当者会
(会長:本田真也、副会長:松野時彦
担当総主事:末岡祥弘)
6月8日~10日 神戸YMCA(6月8日
~9日午後まで拡大担当者会)
、および六
甲山YMCA
新公益法人制度への対応を含めて、①公益
法人移行YMCA報告(東京-本田真也、大
阪-魚住秀雄、神戸-坂本庸秀)②神戸YM
CAの働き(水野雄二)③公益法人申請中リ
ポート(京都-加藤俊明、横浜-友廣高也、
熊本-大塚幸一)④多様化する雇用形態にお
ける留意点(社会保険労務士-岸川守、廣井
典子)等々担当者からの発題及び意見・情報
交換を行った。
9月26日~28日 仙台YMCA
前回に引続き、新公益法人制度への対応を
中心に会議を進めた。①公益法人申請中リ
ポートと質疑(京都-加藤俊明、横浜-友廣
高也)②公益法人移行後リポート(本田真也)
③同盟機能機構・負担金検討委員会報告(宗
行孝之介)④主事退職金中央基金・職員年金
基金・職員互助会の運営について(宗行孝之
介)⑤滋賀YMCAの事例に学ぶ(祝部康二)
⑥寄附税制について(宗行孝之介)⑦震災復
興状況現地視察(大野浩悦)等々担当者から
の発題及び意見・情報交換を行った。
4.全国YMCAウエルネス担当者会
(会長:堀 雄二、担当総主事:神﨑清一)
今年度は、1)全国YMCAの連携を図り、
プログラム運営を実践する。2)プログラム
のクオリティを高めるための取り組みを推進
する。3)公益団体として必要な取り組みを
継続して実践していく。という3つの方針を
柱として役員会を中心に担当者会が運営され
た。
2011年9月26日~27日、六甲山YMCAに
て全国YMCAウエルネス担当者研修会が開
催され、全国11YMCAより28名の参加者が
あり、学びと交流の時間を持った。2009年度
より続いてきた
「ウエルネスマーケティング」
の実践による成功事例として、横浜YMCA
「ブランドマーケティング」
、
京都YMCA
「プ
ログラムとリーダーのクオリティ強化」
、東
京YMCA「行政との協働:グランチャ東雲
事例」について学び、協議する研修を行った。
これに引き続き、9月27日~28日、10YMC
Aより20名が参加し担当者会を行った。全国
大会実施・運営、年間・季節プログラム募集
について、それぞれ報告と課題について協議
された。
これらの事業はプログラムで用いられるア
クアティックワッペン、ジムナスティック
ワッペン、スキーワッペンの売り上げの一部
によって積み立てられた健康教育事業振興資
金による補助により実施された。
5.全国YMCA専門学校担当者会
(会長:小林一郎、
担当総主事:上久保昭二)
2011年5月9日~10日、大阪YMCAを会
場として全国YMCA専門学校担当者会が開
催された。「東日本大震災被災学生支援奨学
金制度」の設置について協議され、全国協働
で実施されることとなった。結果として2012
年度入学者を仙台YMCAで6名、全国YM
CAで2名受け入れることができた。
2011年12月1日~2日、仙台YMCAで第
2回担当者会が開催された。被災地の視察を
行い、さらなる全国協働による支援活動を協
議した。南三陸町の地元NPOと協働し、被
災女性に対する就労支援として、
「ホームヘ
ルパー2級取得講座」を実施するため全国福
祉系専門学校講師をボランティアで派遣する
活動を行った。
留学生への説明用の全国YMCA専門学校
一覧ツールを作成した。専門学校自己点検と
募集強化、留学生を中心とした学校運営につ
いて情報共有することができた。
6.英語教育担当者会
(会長:山根一毅、担当総主事:堤 弘雄)
2011年度担当者会は、6月6日~7日に日
本YMCA同盟にて行われた。また、9月12
日、2月6日の2度にわたって役員会を開催。
担当者会で協議された内容を掘り下げる機会
とした。
2011年度の主な取り組みは、以下の3つで
ある。
1.全国統計の報告と分析:2011年度も5月
末と12月末の2度、データの収集と分析を
行った。地域によっては、2011年度スター
ト時の東日本大震災の影響も見られたが、
年間を通して在籍者が増加傾向のYMCA
もあった。増加の要因としては、生徒や保
護者に対する手厚いカウンセリングの実施
や、独自の内容・特徴あるプログラムの開
発等が挙げられる。
2.ECP(English Communication Project)
:
2011年度も公益財団法人日本英語検定協会、
御殿場市教育委員会、御殿場市国際交流協
会からの後援をいただき、全国の中高生を
対象としたプロジェクトを実施した。12月
26日~29日にYMCA国際青少年センター
東山荘を会場として行い、16名の参加者を
得ることができた。プロジェクトの目的は、
身近にあるグローバルな課題に目を向け理
解すること、それに対する自分の意見を英
語で表現し伝えることである。プログラム
内容は、ミニ・スピーチの発表、テーマ別
のグループによるプレゼンテーション、コ
ミュニケーションをテーマとしたワーク
ショップ等であった。
コミュニケーションについてのワークショップ(ECP)
17
3.コアティーチャーズ・ミーティング:1
月27日に日本YMCA同盟にて、会長と3
名の講師によるミーティングを実施、全国
YMCAティーチャーズマニュアル作成に
向けての協議を行った。ここでの協議をも
とに、全国YMCAで活用することができ、
常勤・非常勤を問わず全ての講師がYMC
Aで期待される役割を理解し担えるよう、
マニュアルの作成を進めている。
7.日本語教育担当者会
(会長:田中眞一、担当総主事:水野雄二)
2011年度は7月15日~16日に熊本YMCA、
1月27日~28日に広島YMCAにて、2度の
全国担当者会を行った。担当者会は、各校の
統計資料の収集と分析、各校の情報交換、海
外広報と募集の協働にテーマを絞って進めら
れた。
全国の日本語教育機関と同様、YMCA日
本語学校も東日本大震災や円高の影響を大き
く受け、2011年度は春期・秋期共に、学生数
は前年度に及ばなかった。しかし、健闘して
いるYMCAもあり、成功事例を学びながら
更なる学生募集のために全国協働を行った。
2011年度の主な取り組みは、以下の3つで
ある。
1.台湾YMCAとの協働:2011年度も台湾
YMCAの協力を得て「台湾YMCA合同
留学説明会」を9月16日~17日に台北・彰
化・台中の3YMCAにて、3月16日~18
日には、これに高雄・台南を加えた5YM
CAにて開催した。
2.韓国YMCAとの協働:2010年度にワー
クショップ・日本留学説明会を韓国で開催
したが、その後、経済環境の変化や大震災
の影響で大きく学生数を減らしたため、今
後、日韓各YMCAのパートナーシップや
ソウルセンターの働きが更に学生募集へと
つながるよう、韓国YMCAに継続的な働
きかけを行っている。
3.全国YMCA専門学校との協働:YMC
A日本語学校卒業生がYMCA専門学校に
入学する場合には、入学金免除の措置がと
られる。YMCAで日本語を習得した学生
が、YMCA専門学校に進学して技術や資
格を得るというケースが定着するよう、広
18
報にも力を入れている。
8.高齢者支援担当者会
(会長:立山道男、担当総主事:秋田正人)
11月14日~16日、広島YMCA主管による
担当者会・研修会が実施された。6YMCA
より14名の参加者があった。福山YMCAの
学校法人によるウエルネスと連携したデイ
サービス事業視察、大竹のゆうあいホーム視
察など、広島YMCAの高齢者支援事業の概
要を知る機会となった。東日本大震災発生時
のとちぎYMCAの対応について報告がされ、
生活に必要な物資の整っている高齢者施設は、
非常時に地域への貢献度が高く、地域施設と
の連携、行政との連携を図っていくことが有
効であることが確認された。
高齢者支援事業は日本社会全体の課題であ
る。フォーマルな制度に則った支援だけでは
なく、あらゆる世代・地域・行政を巻き込み
ながら「地域を作る」ことが課題であること
を担当者間で確認した。また、新規参入を検
討しているYMCAを全国で支援していくこ
とも確認した。
9.チャイルドケア担当者会
(会長:板崎淑子、担当総主事:田口 努)
チャイルドケア担当者会・研修会を1月27
日~28日、東京YMCAのしののめYMCA
こども園にて10YMCAより48名の参加者を
得て実施した。1日目は「新システムとこれ
からの保育」として、大豆生田啓友氏を講師
に招いた。新システムの成り立ちと展望、さ
らに施設運営自己点検の意味と効果について
など幅広い学びの時間となった。また「子ど
も園の運営と実践報告」と題して、大阪YM
CAと東京YMCAの子ども園運営事例を学
んだ。2日目は、事業が拡大し続ける学童保
育に焦点を当て、岡山YMCAと神戸YMC
Aの事例発表が行われた。人間形成の重要な
時期を担う保育・学童事業は、子どもたちへ
の直接的な指導はもちろん、地域・保護者・
行政との関わりが大切であり、全国協働で
様々な事例を共有していくことが確認された。
10.発達障がい支援担当者会
(担当総主事:桒原道子)
2011年度はブロック別担当者会、研修会を
充実させて実施した。東日本地区、中日本地
区、西日本地区それぞれにおいてスタッフの
研修会や発達障がい児・者を取り巻く周囲の
理解を深める啓蒙セミナーなどを開催した。
継続した課題として、プログラムのデータ
ベース化、プログラム開設支援マニュアルの
作成については引き続き協議を続けていくこ
ととなった。
震災を覚える日として、今後も継続して行わ
れる予定である。
<2011年度開催した会議、その他>
日時:2011年7月9日(土)
ICT担当者会役員会
議題 「今年度ICT担当者会について」
(於:日本YMCA同盟)
(役員5名)
日時:2011年7月
全国 ICTアンケート実施
日時:2011年8月11日(木)
ICT担当者会直前スカイプ会議
(役員5名)
11.ICT担当者会
(会長:上田潤一、担当総主事:太田直宏) 議題 「担当者会への事例報告、災害時の情
e-YMCAシステムがクラウド型に変更、
報共有について」
2011年度より稼働がスタートした。Google
日時:2011年9月23日-24日
Apps(Education Edition)の全国共通のコ
ICT担当者会
(於:在日本韓国YMCA)
ミュニケーションツールとしての利用も開始
(担当者18名)
し、全国会議資料の共有化もクラウドを用い
議題 「e-YMCAシステム、Google Apps、
て行った。
稟議システム、災害時情報共有につ
システムのクラウド化が可能になったこと
いて他」
で、全国YMCAにワークフロー(稟議案件
日時:2011年11月11日
システム)が、横浜YMCAより提供された。 情報共有のための防災訓練実施
使用を開始する予定のYMCAは準備を行っ
(参加実績 24YMCA)
ているが、使用開始が待たれているところで
日時:2011年11月16日(水)
ある。
防災訓練実施評価スカイプ会議
各YMCAのe-YMCAシステムに対する
(役員5名)
分担金は今年度も滞りなく集められ、次年度
日時:2012年1月17日
より新たに東京YMCAがe-YMCAシステ
情報共有のための防災訓練実施
(参加実績 27YMCA)
ムの導入に加わることとなった。
日時:2012年3月11日
また、6年ぶりに全国ICTアンケートを
情報共有のための防災訓練実施
実施し、全国YMCAの現在のICT環境と
(参加実績 26YMCA)
その個々の取り組み情報を担当者会でシェア
し今後の発展のために分析を行った。
さらに新しく、全国YMCAに提案し実施
したこととして、情報共有を主眼とした防災
訓練の実施がある。昨年の東日本大震災を経
験した中で、大きな災害や緊急時の情報共有
について全国のYMCAからその手段確保を
強く求める声があった。それに応える形で、
情報共有のための方法(システム・ツール)
を検討、実際の使用に備えるために訓練日を
設け、ICT担当者会主導で開催した。
(実
施日:11月11日、1月17日、3月11日)これ
は総主事会議を経て、全国YMCAの取り決
9月開催ICT担当者会の様子
めとされ、年に2回(9月11日、3月11日)
19
東日本大震災救援・復興支援
2011年3月11日に発生した東日本大震災の
被災者支援に対して、日本YMCA災害ボラ
ンティア支援・同盟本部を組織した。
「未曾
有の困難に祈りをもって立ち向かう」という
想いを携え、全国のYMCAが協力し合い被
災者支援のために様々な活動を行っている。
ワークキャンプ(仙台)
<日本YMCA災害ボランティア支援・同盟
本部>
2011年3月14日、日本YMCA同盟総主事
を本部長として、日本YMCA災害ボラン
ティア支援・同盟本部を設置した。日本YM
CA同盟理事会、全国YMCA総主事会議と
連携しながら、支援活動方針策定、全国協力
による支援活動連絡・調整、募金ガイドライ
ン設定などを行った。
在東北YMCA(盛岡YMCA、仙台YM
CA)へ派遣する被災支援協力スタッフ・ボ
ボランティア活動前に入念なオリエンテーションと
打ち合わせを行う(宮古)
20
ランティアの連絡窓口として情報交換・共有
を行った。
全国YMCAの支援活動について、リーフ
レットを作成し報告を行った。
<東日本大震災救援・復興募金>
震災の被災者支援募金として、
「東日本大
震災救援・復興募金」を設置した。2011年3
月12日には大阪YMCAと福岡YMCAのプ
ログラム内で募金活動が始められた。3月14
日のとちぎYMCA、大阪YMCAを皮切り
に全国で街頭募金を開始、3月29日までの約
2週間に14,000,000円を超える募金が寄せら
れ、延べ2,400名のYMCA関係者が街頭に
立ち募金を呼びかけた。街頭募金などで寄せ
られた募金は、被災地域の救援・復興活動の
ために用いられている。一方で、被災した加
盟YMCA存続のために用いられる「被災Y
MCA支援募金」も設置した。
2012年3月までに全国のYMCAを通して
寄せられた募金は、222,720,032円(①YMC
A青少年救援・復興募金:201,979,058円、②
被災YMCA支援募金:20,740,974円)となっ
た。また海外のYMCAや団体からも、総額
72,871,533円の募金が寄せられた。
海外の団体では、阪神淡路大震災でも支援
をいただいた北カルフォルニア日本文化コ
ミュニティセンター(JCCCNC)から盛
岡、仙台、とちぎ、神戸YMCA及び日本Y
MCA同盟に対して全体で95万ドルの寄付を
頂戴し、9月中旬にはサンフランシスコで開
催された心のケア研修にも、各YMCAの担
当者を招いてくださった。またアジア・太平
仮設住宅での「餅つき交流会」準備も交流の場(宮古)
<仙台YMCAボランティア支援センター>
震災直後は保育園で備蓄していた食料で炊
き出しを行い、電気・ガス・水道の止まった
地域の人々の緊急避難所として受入れを行っ
た。3月末からは全国協力スタッフ・ボラン
ティアの継続的派遣を行った。自ら被災しな
がらも地域支援を続ける行政や地元社会福祉
協議会からの要請・協働により、塩竃市七ヶ
浜、東松島市、多賀城市、仙台市宮城野区、
仙台市若林区の災害ボランティアセンター運
<盛岡YMCA宮古ボランティアセンター>
営の支援を行った。YMCAスタッフ・ボラ
被災した日本基督教団宮古教会の救援のた
ンティアが通常の活動の中で培ったリーダー
め、全国協力による支援スタッフ、登山家に
よるボランティアグループの派遣を行った。 シップが発揮され、一般のボランティアの働
きと被災者のニーズを結びつけ課題の解決を
図った。また、独自の支援活動として、東松
島市野蒜小学校のレクリエーション活動支援
「がんばろう!のびるっ子」
、山元町いちご農
園復興支援、南三陸町での炊き出し・レクリ
エーション指導、石巻で被災し亡くなった元
アメリカYMCAメンバーで石巻小学校英語
教師テーラー・アンダーソン氏を記念した
「テーラー記念奨学金」設置による専門学校
進学支援などを行っている。石巻には、より
被災地に近い場所として東京YMCAと協働
による拠点を設置し、長期的な支援活動を実
ボランティアによるホットカーペットの配布
施している。とちぎYMCAより日下部拓氏、
寒くなる季節を前に手から手へ(宮古)
広島YMCAスタッフ大村祐司氏、和歌山Y
MCAスタッフ黒田敦氏が全国協力として派
泥に浸かった会堂を清掃し、再び礼拝を行え
遣された。
るようになった後は、宮古教会と協働で地域
支援活動を継続して行った。2011年3月末か
らは一般のボランティア受入れを始め、岩手
大学、青山学院女子短期大学などの継続的な
学生ボランティアなど1年間の活動で延べ
1万人を超えるボランティアの受入れを行っ
た。住居床下のヘドロかき出し清掃、家具清
掃、避難所への炊き出し、仮設住宅訪問・炊
き出しによるコミュニティ形成支援、冬の寒
さをしのぐためのホットカーペットの配布な
ど、地域の様々なニーズを見つけ出し応えて
いる。センター長として、元大阪YMCAス
タッフ池田勝一氏、ディレクターとして横浜
炊き出しの準備をするボランティア(仙台)
YMCAスタッフ大塚英彦氏が派遣され、1
<東日本大震災YMCA募金管理委員会>
年間にわたり被災者に寄り添う支援活動を続
国内外から寄せられる募金の使途について
けるセンター運営の任を担った。
社会へ説明責任を果たしていくために、レイ
パーソンとスタッフによる管理委員会を設置
洋YMCA同盟の仲介により、イギリスを
本部とする高齢者支援のNGO、Help Age
Internationalから、とちぎYMCAと日本Y
MCA同盟に対して被災された高齢者支援の
ために22万ドルの助成金を戴いた。
海外から寄せられる募金の受入れ窓口とし
て、支援金受領の報告、使途・活動報告を、
ホームページを通して行っている。
21
した。募金使途の正当性、透明性を確認し、
使途計画についても助言を行った。
サッカークラブの小中学生
活動の再開はボランティア活動から(仙台)
<三菱商事フレンドシップキャンプ・キッズ
スカラーシップ>
1920年以来、人々の全人的な成長の場とし
ての野外活動の発展において、常に先駆的役
割を果たしてきたYMCAキャンプの実績と、
「人のいのちを育む」YMCAの総合的な特
色をあわせ、東日本大震災で被災した子ども
たちとその家族、発達障がい児、聴覚障がい
児を対象とした心身のリフレッシュキャンプ
が、三菱商事株式会社より総額2億6千万円
の寄附を受けて行われた。2011年7月より全
国YMCAで展開し、実施されたキャンプは
32都道府県で223回、参加者数は総勢2,624名
であった。
リフレッシュキャンプは、
「三菱商事YM
CAフレンドシップ・キャンプ」として、各
YMCAが被災児童とその家族のために特別
に行う2泊から1週間程度のキャンプと、日
リフレッシュキャンプ
22
本全国でYMCAが活動をしているというス
ケールメリットを生かした、被災地及び全国
各地に移住・一時避難する被災児童とその家
族を対象に、通常YMCAが行っている野外
活動を中心とした、日帰りから1週間程度の
シーズンキャンプに参加し、被災者のリフ
レッシュと地域の子どもとの交わりや保護者
も含めたネットワーク作りを支援する「三菱
商事キッズ・スカラーシップ」の二つの形態
で展開している。
<現地コーディネーター会>
被災地域で支援活動に従事、または参画す
るスタッフによる現地コーディネーター会を
実施した。
スタッフ同士のつながりを強化し、
より綿密な情報共有、連携した活動を行える
ように工夫された組織となっている。
第1回 2011年5月17日開催(参加 17名)
第2回 2011年10月17日開催(参加 10名)
第3回 2012年1月12日開催(参加 16名)
泥出しを行った山元町いちご農園の
ビニールハウスの前で(仙台)
海外災害被災地支援
<インドネシア・ジャワ島中部地震・火山噴
火被災地支援>
2006年5月27日地震発生
2010年10月26日火山噴火
9月14日~21日に岡山YMCAが主管とな
り第5回インドネシア・ジョグジャカルタ
ワークキャンプが実施された。このキャンプ
は2010年度よりムラピ山噴火被災地支援とし
て継続している。日本からは都市YMCA・
学生YMCAより12名が参加し、地元の青年
とともに、被災児童を対象にレクリエーショ
ン活動を行なったほか、ホームステイして現
地の生活や文化に触れ、地域の人々と交流し
た。また火山噴火を想定しての避難訓練にも
参加した。このキャンプのため、国際協力募
金から現地費用として670,000円、ユース派
遣費用として250,000円を支援した。
IDS・貧困の子ども達のケア、青年職業訓
練、高齢者のケア等を行っている。 <中国・四川地震被災地支援>
2008年5月12日発生
7月20~26日に奈良YMCAが主管となり
第3回中国・四川地震ワークキャンプが実施
された。日本からは3名が参加した。キャン
プでは自然災害を最小限にとどめる環境をめ
ざし、現地ユースと諸外国からの参加者を得
て、砂漠での植林活動を行った。国際協力募
金からキャンプ実施の現地費用として5千ド
ル(410,100円)と、キャンプ運営補助とし
て340,000円を支援した。今回をもって当初
予定の3回のキャンプが終了した。2012年度
以降は中国のYMCA主導によりアジア各国
を対象に環境をテーマとしたキャンプが実施
予定であり、日本としても派遣支援等を行う
予定である。
植樹ワークには80名ほどが参加し、松を植えた
-中国・四川地震ワークキャンプ-
レクリエーションを楽しむ村の子ども達
-インドネシア・ジョグジャカルタワークキャンプ-
<ミャンマー・サイクロン被災地支援>
2008年5月3日~4日発生
サイクロンによる洪水等により両親を亡く
した子ども達が生活するパテインYMCAの
孤児院支援を継続して行っている。横浜YM
CAが12月にミャンマーへ渡航した際に、現
地の視察及び2011年度の被災孤児支援費用
として、全国から寄せられた募金の中から
1万ドル(806,900円)を手渡していただい
た。施設には約200人の子ども達が生活を送っ
ており、全ての生活費を募金でまかなってい
る。公衆衛生が改善され、食事もきちんと摂
られている。YMCAではこの他HIV/A
<ハイチ地震被災地支援>
2010年1月12日発生
ハイチのYMCAでは引き続き近隣諸国Y
MCAと協力しながら復興支援活動を行って
おり、ユースリーダーも増え、新たに拠点と
なる支援センターが開設した。職業訓練など
が行われ、被災者の自立支援に期待が寄せら
れている。日本として引き続き現地の活動に
協力し、ユースを日本へ招聘することも含め
てリーダーシップ養成や交流を軸とした支援
の方向を検討していく。復興の担い手育成の
観点から、2012年4月にミャンマー・ヤンゴン
にて行われるアジア・太平洋YMCA同盟主
催の災害対策ワークショップにグェナエル・ア
ポロン氏(ハイチYMCA総主事)と若いディ
レクターを招聘することが、2012年1月の国際
協力委員会にて承認された。
23
学 生 YMCA
鈴木一弘(関西)
、小山哲夫(九州)両共
働スタッフ、竹佐古真希連絡スタッフ(北海
道・東北)、森小百合学生YMCA専従職員
の下、全国および各地域の活動を強化し、ま
た海外プログラムへの呼びかけ、派遣、報告
会の実施を積極的に行った。
東日本大震災により、東北大学YMCA渓
水寮が被災したが、当日中には全寮生の無事
が確認され、建物被害も亀裂やひび割れなど
の軽微にとどまった。震災後、東北大学YM
CA渓水寮の寮生や東北・関東在住のOB・
OGを中心に、全国の学生YMCAネット
ワークの下、被災地の情報発信や救援物資の
収集・運搬などが行われた。特に、被災地や
その近隣の学生YMCA出身の牧師や、臨床
心理士、教育関係者、NGO関係者など、学
生YMCAの多岐に渡る連携を活かした支援
活動が行われた。
学内活動形式の学生YMCAの全国メン
バーが約340名、10大学の寮のあるYMCA
メンバーが約140名となっている。学生や大
学をめぐる状況が変化する中、全国の学生Y
MCA活動を持続可能な運動として強化して
いくこと、特に、近年再興・新設した学生Y
MCAに対して、継続した活動や新規メン
バー募集などをサポートし、各地区・全国の
運動へとつなげていくことが課題である。さ
らに、大学卒業後の若い社会人OB・OGの
居場所づくり、活動やつながりの場づくりの
ために、都市YMCAとの協働によるネット
ワーク形成なども検討している。
学生パネルディスカッションでは4日間を振り返り、
それぞれの思いを語り合った
鎌仲氏の講演では、原子力発電所建設に反
対する山口県祝島の人びとの姿を撮影した
「ぶんぶん通信」を上映し、福島第一原子力
発電所の事故に伴う放射能の影響や内部被曝
の危険性、さらにエネルギー政策としての原
子力発電の問題性などについて講演を聞いた。
また歌川氏からは「セクシュアルマイノリ
ティの歴史と未来」と題して、日本における
性的少数者たちによる運動の歴史や、フラン
スのパックス法(民事連帯契約法)を例にあ
げつつ、多様な生き方の選択や「自分らしく
生きる」ことなどについて、当事者の視点で
語られた。
新免氏の聖書研究では、マルコによる福音
書4章1-9節「種まきのたとえ」を共に読
むことができた。新免氏のキリスト教や聖書
との出会い、福島に生きる人々の声が語られ
る中で、自ら「まかれた種」として、このい
のちをどう生きるのかを考え語り合う時間を
持った。
今日、多くの学生たちが、忙しい大学生活
の中で不安や疑問を抱えながら生活してい
る。日常の場では語りにくいことでも、共に
<第39回全国学生YMCA夏期ゼミナール>
その課題や問題に向き合おうとする仲間や先
第39回を迎えた全国学生YMCA夏期ゼミ
輩の存在を知ることが、学生にとって大きな
ナールは、9月16日~19日に日本YMCA同
励ましや力となる。夏期ゼミとは、東北大学
盟青少年センター東山荘で行われた。全国22
大学から学生、シニア89名の参加があった。 YMCAの寮生が震災の経験から礼拝で語っ
全国から選出された委員が企画・運営を担い、 た「兄弟の輪」をつなげ、共に生きる世界を
作り出す担い手として、社会の課題と生き方
今回は「今、立ちどまり共に考える~多様性
を学びあう場である、と改めて感じさせられ
と向き合う勇気を~」をテーマに、鎌仲ひと
た。
み氏(ドキュメンタリー映画監督)
、歌川泰
参加大学YMCA:北海道大学、東北大
司氏(漫画家)
、新免貢氏(宮城学院女子大
学教授)を講師として招き学びの時を持った。 学、宮城学院女子大学、東京大学、早稲田大
24
学、立教大学、中央大学、山梨英和大学、京
都大学、神戸女学院大学、聖和大学、関西学
院大学、神戸市外国語大学、九州大学、熊本
大学、九州ルーテル学院大学、長崎純心大学、
東京女子大学大学院、明治学院大学、鳥取大
学、慶應義塾大学、国際基督教大学(シニア
出身大学含む)
<学生YMCA寮運営の強化>
学生YMCA寮は、全国・各地区の学生Y
MCA運動の重要な拠点であり、自治を基本
とした共同生活を通して、自主性と協調性を
培い、イエス・キリストの精神に触れ、互い
に学び支え合いつつ多くの社会的リーダーを
輩出してきた。
全国の学生YMCA寮運営を互いに支え合
い協働する目的で、2005年から再開した寮関
係者による一泊協議会が、5月21日~22日、
10寮から38名の理事長・代表学生・学生部委
員らが出席して行われた。協議に先立ち、
「地
域医療の再生の取り組みから―学生YMCA
寮の経験を踏まえて」と題して、
森俊介氏(長
崎大学YMCA副理事長・国立病院機構長崎
病院院長)より卓話いただいた。課題ある寮
への個別アプローチ、若手・中堅理事の発掘・
橋渡しの場が必要であることが確認され、寮
の将来像の検討や共通の課題について、各寮
より推薦された在京のメンバーによる寮将来
像構想在京委員会の発足が確認された。
7月2日、寮将来像構想在京委員会の準備
会が同盟にて行われ、4寮から在京委員と学
生部委員ら8名が出席し、特に、学生YMC
A寮の意義・魅力の発信、寮運営・YMCA
運動の担い手の育成、寮生募集のための全国
協力、10年後を見据えた新しい展開の可能性
などが課題として確認された。これらを受け
て、全寮共通の寮生募集チラシを作成し、全
国のYMCAやキリスト教各諸教派関係者へ
の呼びかけ・情報発信を行った。さらに在京
委員やスタッフを寮生募集のサポートとして
派遣した結果、全国各寮に新入寮生が確定し
成果を得ることができた。
東京大学YMCAが公益財団法人格を取
得、早稲田大学YMCAは申請を行った。な
お、岡山大学YMCA操山寮は2011年3月31
日を持って閉寮となった。岡山YMCAファ
ミリーホーム操山寮として新たに歩むことと
なり、4月29日にファミリーホーム内見会と
閉寮式が執り行われた。
この他、2012年2月22日~3月10日に第17
回学生YMCAインドスタディキャンプが開
催され、全国から6名の学生が参加した。現
地では、インドSCMとアンブマナイ・ボー
イズホーム、セント・ボニファス・アンバハ
ムへの訪問を軸に、マザーテレサブランチ、
現地のYMCAのストリートチルドレンプロ
ジェクトや農村開発センターを訪問した。ま
たインドの社会や経済成長の課題などを学び、
平等で持続可能な生き方とは何かについて深
く考える機会となった。
セント・ボニファス・アンバハムの子ども達と
-インドスタディキャンプ-
「聖書を読む会」は、関東地区、関西地区、
九州地区それぞれで定期/不定期的に行われ
ている。今年度は特に、各地区・各大学で行
われている聖書を読む会を連動させ、その成
果を全国に発信するために、
「学生YMCA
年間聖書箇所」を設定した。また、シニア・
関係者に執筆を依頼した「学生YMCA聖書
研究ブックレット」を発行し、各地区やプロ
グラムでの聖書を読む会で活用された。これ
らの大学を超えた聖書の読む場の存在は、学
生・シニア・都市YMCA・教会関係者等の
よい交わりの場となっている。
25
国 際 協 力 事 業
<世界YMCA同盟関連>
2010年の世界YMCA総会を経て新体制と
なった世界YMCA同盟は、2011~2014年の
新しい戦略計画『NEW WAY』を策定し
た。世界YMCA同盟は各国加盟YMCA同
盟、各地域YMCA同盟と協働しつつ、
「ユー
ス・エンパワーメント開発」
、
「YMCAの運
動強化」、
「リソース・モビリゼーション」
、
「ブ
ランド力の強化と情報発信」
、
「制度と組織運
営の進展」という5つの戦略的目標を明確に
し、世界規模のYMCA運動を効果的に促進
する。これについては第121回同盟委員会を
はじめ、全国YMCA総主事会議にて共有し
ている。
YMCAの日(10月11日)にちなみ、2012
年10月13日(土)に初の試みとして「YMC
Aワールド・チャレンジ」への取り組みが呼
びかけられた。全世界で総勢500万人の参加
を目標としている。日本でも全国のYMCA
で取り組むべく準備を進めている。
世界YMCA同盟常務委員会は、2012年3
月28日~4月3日にケニア・ナイロビで開催
された。
<アジア・太平洋YMCA同盟常務委員会>
2012年3月6日~10日、アジア・太平洋Y
MCA同盟総主事会議及び常務委員会が香港
中華YMCAにおいて開催された。アジア・
太平洋YMCA同盟には、25の正加盟と、政
治的な事情により未加盟であるモンゴル、中
国を含め、合計27の国と地域のYMCAがか
かわっている。常務委員会には20カ国から
102名が出席して行われた。日本からは、常
務委員 岡戸良子氏、ジェンダー委員 中村あ
ずさ氏、ユース委員 黒澤伸一郎氏、橋崎頼
子氏、島田総主事の5名が出席した。
会議での主たる決定・承認事項は下記の通
りである。
・2011年9月の第18回アジア・太平洋YMC
A大会および第2回ユース・アッセンブ
リーでの議論を踏まえた2012~2015年の4
カ年計画が策定された。
・アジア・太平洋YMCA同盟の組織運営強
26
化を目指して新設された理事(2名)とし
て、マレーシアYMCAのユース委員とス
リランカYMCAのジェンダー委員が選出
された。
(報告及び日本に関連する事項)
・以下、アジア・太平洋YMCA同盟の取り
組みとして強化する。
〇ユース支援のためのリソース・モビリ
ゼーション
〇YMCA地球市民育成プロジェクト
〇オルタナティブ・ツーリズム、環境問題
に取り組むグリーン・チーム
〇高齢化社会対応
〇ジェンダー及び移住労働者支援への取り
組み
〇平和学校の開催
○ガバナンス(組織運営)強化
・YMCA運動間強化(PSG)として、日
本は継続してインドネシア、東ティモール、
カンボジア、ベトナム(現在中断中)に協
力していく。
なお、日本からアジア・太平洋YMCA同
盟運動強化支援の2011年度分として2万ドル
(1,555,800円)を国際協力資金より送金した。
2011年度はアジア・太平洋YMCA同盟が
行う以下の各種会議・ワークショップに派遣
した。
①YMCA地球市民トレーナーズ・トレーニ
ング 7月4日~10日
(フィリピン・マカティYMCA)
中川真理子氏(神戸女学院大学YMCA)、
植村温子氏(神戸女学院大学YMCA)、
田中千尋氏(岡山YMCAスタッフ)
、中
村絵乃氏(開発教育協会/DEAR事務局
長、リソースパーソンとして)
、佐々木美
都氏(日本YMCA同盟インターン)
②YMCAリーダーシップ円卓会議 12月17
日~19日
(シンガポール・メトロポリタンYMCA)
島田茂氏(日本YMCA同盟総主事)
<第18回アジア・太平洋YMCA大会および
第2回ユース・アッセンブリー>
9月3日~6日に第2回アジア・太平洋Y
MCA同盟ユース・アッセンブリーが、引き
続いて6日~10日まで、第18回アジア・太平
洋YMCA大会がマレーシア・ペナンで行わ
れた。本大会には、20の国・地域から480名
(うちユース約80名)が参加し、
「壁を乗り越
え、変革を人と社会とYMCAに」をテーマ
に、基調講演、7つの課題に関する戦略対話
などが活発に行われた。日本からは46名が参
加し、うち29名がユースで、礼拝・発表など
その活躍が目立った。
アジア・太平洋YMCA大会 日本からの参加者
これからのYMCAや社会変革について語り合った
選挙では新たに会長としてヤウ・チュンワ
ン氏(香港中華YMCA)が選出され、各サ
ブ・リージョンからの副会長と、財務理事も
選出された。今後4年間のアジア・太平洋地
域のYMCA運動の方向性は、
「ユース・エ
ンパワーメントと参画」
、
「社会の課題に対す
るYMCAの責任」
「YMCA運動強化」の
3つに集約され、地球市民育成、環境問題へ
の取り組み、資源の有効活用(リソース・モ
ビリゼーション)
、国や地域において社会的
インパクトのある働きへのチャレンジ、ブラ
ンド力や寄附の強化などを通したYMCA運
動の継続的強化が示された。
日本からは、3月11日に発生した東日本大
震災を受けて感じたユースの声を発信する機
会を持ち、写真等の展示や募金のアピールを
行ったほか、日本のジェンダー状況とYMC
Aの取り組みを報告した。
ユース・アッセンブリーでは、ハイYメン
バー(高校生)から、学生YMCAメンバー
やユース・ボランティア(大学生~社会人)
、
スタッフ等212名が、次世代のYMCA運動
を担う者として、環境、平和、地球市民育成
等について学び、話し合い、また友情を育ん
だ。最終日には、開催地ペナンへの奉仕プロ
グラムとして、全2,000本のマングローブを
植林した。日本から参加したユースの多くは、
他国のYMCAで盛んな環境問題や平和実現
への取り組みについて知り、言語という壁を
乗り越えようとしながら自分の考えを表現す
るなど、アジア・太平洋地域のYMCAの
ユースたちや理事・スタッフ等と直接触れ合
うことで多くの刺激を受けた。
<YMCA地球市民育成プロジェクト>
2006年の世界YMCA大会で、全世界に広
がるYMCAのネットワークを活かし、世界
に目を向けた思考力、地域で実践する行動力
を備えた青年を「YMCA地球市民」として
育成していくことが決議され、日本では「地
球市民育成プロジェクト」が2009年から始
まった。このプロジェクトは通年のもので、
事前研修、合宿研修である日本YMCA地球
市民研修、研修後活動報告を経て、研修生は
「日本YMCA地球市民」として認証される。
2011年度は東日本大震災の影響により海外か
らユースを招聘して行う合宿研修を含む年間
カリキュラムは実施せず、地域でのアクショ
ン実行に力点を置き、関東、関西各地でフォ
ローアップ研修や、震災や原発事故に対する
ユースの学びと発信等ワークショップを行っ
た。結果的に地域で都市YMCA、学生YM
CA、ワイズメンズクラブ、教会関係者の緩
やかなネットワークができ、
「ユース宣言」
など主体性、内発性が引き出された。
神戸で行われたワークショップの様子
経験を分かち合い、
「自分たちに出来ること」を考えた
27
開催された研修の日程・概要は以下のとお
り。
・YMCA地球市民育成プロジェクト-ワー
クショップ:今、私たちに出来ること-
日程:8月27日~28日
場所:神戸学生青年センター
地球市民1、2期生13名に、京都YMC
Aと神戸YMCAのキャンプリーダーや国
際リーダー、京都大学YMCAからの計7
名、講師、スタッフ含め23名が集った。3.11
をふりかえる時間を持ち、震災発生当日か
らの身の周りの不安などについて話し合っ
た。
・関東・中部チーム主催:
「わくわく地球市
民研修」
日程: 11月19日~20日
場所:在日本韓国YMCA、日本YMCA
同盟
千葉、横浜、東京、名古屋YMCAと学
生YMCAから23名の参加があった。持続
可能な社会を創りだす担い手としての生き
方やエネルギー問題への関心などユースが
共通して考えていきたいテーマを顕在化す
ることができた。
・神戸チーム主催:
「震災に学ぶ」ワーク
ショップ
日程: 11月23日
場所:神戸YMCA 三宮カレッジ
名古屋インターアクトクラブ、大阪、京
都、神戸の各YMCAと学生YMCAから
13名が参加した。震災当時の様子を知る、
自分たちにできることを考える、共有する、
という3ステップを通じて、自分の地域を
見つめなおす活動を行った。車田誠治牧師
(日本基督教団龍野教会)を招き、阪神大
震災当時の経験と、震災後に職や住まいを
失い、これまでのコミュニティーから移動
せざるをえない状況におかれた人々との出
会いや住まいのサポート活動についてお話
を伺った。
2011年9月に行われたアジア・太平洋YM
CA大会でも、Global Citizenship Education
28
(GCE)は最優先事項とされ、GCEは今後
世界大のYMCAユースムーブメントとして
より強調されていく。
なお、2012年度は、年間研修という従来の
形態に戻し、夏期研修には海外からのユース
を招聘する予定である。
本研修に支援を頂いたYMCAユースファ
ンドに感謝する。
<パレスチナ・東エルサレムYMCA支援>
東エルサレムYMCAの運営する難民のた
めの職業訓練所を設立当初より支援してきた
が、2011年度も運営支援として国際協力募金
から1万ドル(777,900円)を送金した。10
月15日~24日に実施された「パレスチナ・オ
リーブ収穫プログラム」には、横浜YMCA、
学生YMCAより参加者2名を派遣し、世界
から集った参加者や現地の住民と共にオリー
ブの実の収穫作業を行い、パレスチナをめぐ
る課題について学びを深めた。オリーブの木
キャンペーンには全国のYMCA・ワイズメ
ンクラブ他よりオリーブの苗木165本分とし
て495,000円の募金が寄せられた。1月にイ
スラエル政府によりベイトサフールYMCA
のスタッフが行動制限を受ける事態が発生し
た。在日本韓国YMCAを中心に、軍令撤回
のアドボカシー活動を行った。今後も正義あ
る平和の実現を願い支援を続けていく。
炎天下でのオリーブ収穫作業
検問所により畑への移動もひと苦労、
地元住民の困難さがうかがえる
<アフガニスタン難民支援事業>
2003年よりアフガン難民支援としてパキス
タン・ラホールYMCA小学校の運営支援を
行ってきた。12月11日~16日、島田茂氏(日
本YMCA同盟総主事)と岩垂竜太郎氏(広
島YMCAスタッフ)
、
神代大輔氏(元ペシャ
ワール会スタッフ・学生YMCAシニア)の
3名がパキスタン・ラホールYMCAとYM
CA小学校を視察した。ごみ処理場でテント
生活を送るアフガン難民は300~400世帯で、
劣悪な生活環境にはここ10年変化はなく、政
府は一切介入していない。
トラリアが支援している。日本からは東ティ
モールYMCAの設立支援として、国際協力
募金から1万ドル(779,800円)と、
東ティモー
ルからアジア・太平洋YMCA大会への参加
のため2千ドル(155,480円)の支援を行っ
た。
現地では、
3つの拠点でコミュニティワー
ク、ユースリーダー育成、子どものサッカー
クラス等がYMCA活動として行われ、地域
の人々が集う貴重な場所となっている。2011
年度、東ティモールワークキャンプは実施し
ていない。
<日韓YMCA連絡委員会>
11月23日~25日、京都・関西セミナーハウ
スにて開催され、韓国からは11YMCAより
13名、日本からは15YMCAより18名が参加
した。学びとして、
「東日本大震災後の日本
―子どもたちの心身に及ぼす影響を中心に」
と題し、大野浩悦氏(仙台YMCA総主事)、
新林智子氏(臨床心理士・学生YMCAシニ
野菜の煮こみとチャパティの給食
ア)の経験を共有した。日本からは「YMC
小学校には3学年75名が通学し、アフガニ
Aの災害支援活動から」
、韓国からは「YM
スタンの言語と英語の読み書き、算数、イス
CA社会起業の取り組み」をテーマとして発
ラム教を、工場跡地の建物を利用して学んで
題が行われた。この他人材交流、協力事業等
いる。近隣はごみ処理のにおいが立ち込め、
について活発な意見交換が行われた。
水道やトイレの施設もない。そのような中で、 次回は、
2013年、
韓国にて開催の予定である。
清潔な水、給食、週一回の診療も提供される
スクールは地域の信頼、ニーズ共に高く、子
どもたちも懸命に勉強している。訪問の際、
2011年度分の支援として国際協力募金から
1,000,007円を手渡した。また、ラホールYM
CA総主事サミュエル・パーバス氏と今後の
方針について協議し、施設の改善、パキスタ
ンの教育水準と同等の5学年制への移行、教
師の強化、栄養改善、女性看護師の派遣、教
日本と韓国から31名が集い
材・文具の提供等よりよい生活と学習環境に
活発な意見交換が行われた
向け双方が協力して進めることを確認した。
指定募金を用いての支援は2011年末で終了
<2011年度全国YMCA国際事業担当者会>
し、今後3カ年は広島YMCAや関係団体の
2012年1月23日~24日に2011年度全国YM
協力を得ながら一般募金による支援の主たる
CA国際担当者会を在日本韓国YMCAで行
柱と位置づけ、支援を継続する。
い、一部国際協力委員会と合同して、13YM
CAから22名、委員・リソースパーソン6名
<東ティモールYMCA支援>
が出席した。パキスタン・ラホール小学校支
東ティモールYMCAはアジア・太平洋
援(アフガニスタン難民支援事業)に関する
Y M C A 同 盟 の P S G(Partners Support
現地視察報告及び今後の支援と小学校運営の
Group)対象国として、日本、韓国、オース
あり方に関しての提案、地球市民育成プロ
29
もし100人の村だったら」を行った。
ジェクト2011の地域ごとの取り組みについて
その後、各種派遣プログラムごとに分かれ
の報告、在日外国人支援・かながわ外国人す
て、事前の学び、準備事項の確認など行った。
まいサポートセンター事例からYMCAの在
日外国人支援の提案、東日本大震災・原子力
<YMCA国際協力募金>
発電所事故後の福島の子どもたちのおかれて
2010年度に全国のYMCA・ワイズメンズ
いる環境についての共有などの情報交換等が
クラブ他を通して寄せられた一般の国際協力
行われた。また、社会起業(ソーシャルビジ
募金が、2011年度の国際協力事業のため用い
ネス)動向について、大森佐和氏(国際協力
られた。
委員・国際基督教大学准教授)より、
ソーシャ
募金活動は昨年度に引き続き「子どもが
ルビジネスに関する「社会的企業・社会起業
未来を創る-かけがえのない いのちと平和」
家・BOP:国際公共政策の立場から」とい
をテーマとし、子ども・青年たちの育成のた
うプレゼンテーションがなされ、社会的企業
の要素や今後の重要性について学びを持った。 めの青年海外派遣や国内での研修実施の支援
(1,946,395円)
、アジア・太平洋YMCA同盟
島田茂氏(日本YMCA同盟総主事)からは
の行うアジア地域のYMCAの基盤強化プロ
世界・アジア地域のYMCAの新しい方向性
ジェクト、自立支援などへの協力(3,632,290
と近況報告、問題提起、および日本のYMC
円)等を行った。この他、東エルサレムYM
Aの基本方針の説明がなされた。
CAによるパレスチナ難民職業支援(777,900
全国のYMCAまた同盟ではすでに多岐に
円)
、世界YMCA同盟によるアフリカYM
わたる国際協力事業を行っているが、時代の
CA同盟支援(779,800円)及びユースリー
変化のなかで、ソーシャルビジネス、在日外
ダ ー 開 発 事 業 支 援(779,800円 )、 国 際 協 力
国人等の国内の課題なども視野に入れ、どの
募金のツールやパネルの作成(1,552,469円)、
ように取り組み、アピールしていくのか、多
災 害 緊 急 支 援(217,490円 ) 等、 計9,724,309
くのヒントと示唆を与えられた会となった。
円の支出となった。
(指定募金については国
際事業および災害支援の関連項目に記載)
国際協力事業の取り組みについて情報交換がなされた
<全国YMCA国際研修会>
7月31日、国際分野における人材養成を強
調点として、アジア・太平洋YMCA大会お
よびユース・アッセンブリー等海外派遣の事
前研修をユース、ゲスト、リソースその他合
わせて35名で行った。
「YMCAと国際事業」
と題したAPAYユース委員の黒澤伸一郎氏、
橋崎頼子氏のセッションの他、特定非営利活
動法人 開発教育協会/DEAR事務局次
長・西あい氏によるワークショップ「世界が
30
国際協力募金ツールとして募金箱、
ポスター、リーフレット等を作成
<YMCA地球市民国際フォトコンテスト>
全国のYMCAで取り組まれている国際交
流・協力の写真を通して、新たな出会いや活
動が生まれることを願って実施し8回目を迎
えた。今年度は「分かち合おう!あの瞬間、
この思い」をテーマとし、東日本大震災で失
われた多くの尊い命に思いを馳せながら、
様々な写真に映し出されたかけがえのない
「いのち」の姿と共に撮影者の経験、思いを
分かち合う機会として開催した。前回に引き
続き4つの企業・団体等の協賛・協力を得て、
15のYMCAより79点の応募があった。YM
CA賞には横浜YMCA戸室あずさ氏の「第
18回国際ボランティアinタイ」で撮影され
た作品が選ばれた。この他金賞2点、銀賞3
点、特別賞6点、協賛企業賞に12点が選ばれ、
審査員からは写真を通して貴重な経験を伝え
ることへの期待が寄せられた。これらの作品
はYMCAの国際事業をアピールするものと
して機関紙、ホームページ等に掲載し、国際
協力募金のリーフレットやポスターなどの
ツールに活用する。
中国・成都YMCAより
ぎっしり書かれたメッセージ
が寄せられている。なかには、2008年に四川
大地震の被害を受けた中国・成都YMCAの
子どもたち、2004年のスマトラ沖大地震・イ
ンド洋津波で被害を受けたスリランカYMC
Aの子ども・ユースたち、また占領下に置か
れているパレスチナ・ガザYMCAの子ども
たち等からの絵やメッセージもある。現在、
一部を被災者対象のキャンプが開催される東
山荘にて展示している(香港YMCA・国際
幼稚園、中国・成都YMCA、台湾・台北Y
MCA、パレスチナ・ガザYMCA、スリラ
ンカYMCA)
。
YMCA賞 戸室あずさ氏(横浜YMCA)
<東日本大震災・海外からの支援>
2011年3月11日に発生した東日本大震災の
救援・復興募金には、海外のYMCAおよび
関連団体、YMCAにつらなる個人等から
も多大な支援が寄せられている。日本YM
CA同盟への2012年3月までの海外YMC
A・関連団体他の募金総額は72,871,533円で
あり、内訳は①YMCA青少年救援・復興募
金:45,627,422円、②被災YMCA支援募金:
27,244,111円となった。アメリカYMCAか
らの多大な支援のほか、アジア・太平洋地域
のなかでもミャンマー、スリランカ、パキス
タンのYMCA、また遠く南米のウルグアイ
からも募金が寄せられ、これまで日本のYM
CAが世界各地の災害支援をしてきたことが
信頼へとつながった。
また、海外のYMCAからは、子どもたち
や保護者、ユースたちからもメッセージや絵
香港YMCA国際幼稚園より
31
④YMCAと国際/ジェンダー
(武田寿子氏)
研 修 ・研 究
⑤開発教育とYMCAの国際協力
<ステップⅡスタッフ研修>
(田中治彦氏)
目 標:YMCA運動の担い手としての自覚
4.プログラム開発とマーケティング(10)
と連帯の形成及び、業務管理・計画
①YMCAとマーケティング(棟方信彦氏)
能力の養成
②YMCAプログラム開発 (錦織一郎氏)
期 間:2011年9月20日~12月3日 75日間
5.組織の管理と運営(31)
(茂木 雄氏)
会 場:日本YMCA同盟国際青少年セン
①管理者と人事管理
②YMCAスタッフの自己革新
ター東山荘/在日本韓国YMCA
(山根誠之氏)
参加者:入職後3年以上の3~4級職員
③NPOのマネジメント (島田 恒氏)
6YMCAより7名
(関山孝雄氏)
松本 法判(とちぎYMCA)
④YMCAの財務
⑤YMCAとICT
池田麻梨子(東京YMCA)
(上田潤一氏)
⑥YMCAとファンドレイジング~企業と
立山 英展(大阪YMCA)
(徳永恵美子氏)
菅田 斉(大阪YMCA)
の協働
⑦公益法人制度改革
櫻井 英治(神戸YMCA)
(宗行孝之介氏)
美時 智子(岡山YMCA)
⑧行政とYMCAの協働 (五十嵐理郎氏)
6.人間関係能力の開発と自己開発(12)
冨森 靖博(熊本YMCA)
①人間関係トレーニング (荒川純太郎氏)
履修学課と講師 ( )内は単位時限数
②TOEIC IPテスト
1.オリエンテーション(10)
③英語カウンセリング (吉岡スーザン氏)
開講時:生活、研修全体の理解、研究生
7.自己研修(17)
の相互理解他
8.特別講義(2)
中間時:前半の評価と後半への方向付け、
YMCAとワイズメンズクラブ
(東西日本区役員)
及び修了論文指導、中間報告会
9.その他
閉講時:⑴修了論文発表演習、発表会
朝のつどい(研究生が交替で担当)
⑵研修全体の評価、帰任に向け
キリスト教会聖日礼拝出席
て
2.YMCAの使命とキリスト教基盤(23)
①聖書からのメッセージ (山本俊正氏)
②日本YMCA史
(米良重徳氏)
(金 秀男氏)
③日韓YMCA史
④日本YMCA同盟の働き
(島田 茂・森 小百合)
(関田寛雄氏)
⑤キリスト教概説
⑥日本キリスト教史
(中道基夫氏)
3.社会の課題と地域ニーズへの対応(25)
①YMCAの現状と課題 (神﨑清一氏)
②フィールドスタディー
(コーディネーター:佐久間眞人)
ステップⅡ 閉講式にて
訪問先:YMCA宮古ボランティアセン
ター、盛岡YMCA
<海外スタッフ研修>
仙台YMCAボランティア支援
1.米国YMCAスタッフ研修
センター、仙台YMCA
2000年度から実施されている米国研修は、
③子ども・青年と社会教育(萩原建次郎氏)
2003年度より従来の延長上に「日本YMCA
32
同盟結成100周年記念リーダーシップ養成事
業」として6年実施され、
2009年度からはリー
ダーシップ発展資金のスタッフ海外研修枠よ
り補助が支出されている。
目 標:参加者の経験、専門および関心に
従って研修領域を選択し、米国YM
CAのもつプログラム内容、運営手
法を学ぶ。
受 入:米国YMCA同盟
期 間:2011年8月4日~9月3日
参加者:川本かおる(大阪YMCA)
訪問先:米国同盟、カンザスシティ・シリコ
ンバレーYMCA
2.総主事・シニアスタッフ米国研修
目 標:米国同盟ならびに、米国内のローカ
ルYMCAを訪問し、プログラムや
マネージメントに関する視察、トッ
プリーダーとの意見交換など、経営
責任をもつ者として、米国YMCA
の手法を学ぶ機会とする。
受 入:米国YMCA同盟
期 間:2012年1月30日~2月6日
参加者:鷹箸久泰(とちぎYMCA)
山添 訓(横浜YMCA)
立山英展(大阪YMCA)
訪問先:米国同盟、シカゴ・サンコーストY
MCA
3.米国YMCA EXPO-DITION
2012
目 標:米国YMCAにおけるプログラム運
営の最新事情について情報収集する
とともに、EXPO会場に近いYM
CAを実際に訪問し、関係者と交流
し、日本で行っている同様のプログ
ラムとの比較、情報交換をする。
受 入:サンアントニオYMCA、米国YM
CA同盟
期 間:2012年2月12日~2月20日
参加者:平山大輔(仙台YMCA)
長田光玄(横浜YMCA)
訪問先:サンアントニオYMCA
4.アジア・太平洋YMCA同盟主催 第29
回アドバンスコース
目 標:アジア地域の直面する市民社会の課
題を、各々のYMCAが取り組んで
いる課題と絡めながら、YMCA運
動をどのように作り上げ、またYM
CAミッションをいかに共有してい
くのかを学ぶ。
日 程:2011年11月14日~12月10日
場 所:香港(香港中華YMCA ウーカウ
シャ・ユース・ビレッジ)
参加者:小林直樹(大阪YMCA)
フロリダ州クリアウォーター市
市長Frank Hibbard氏を訪問
33
資 格
主事資格認定委員会において下記の資格の
審査を行い、研究所運営委員会により認定、
認証した。
<主事資格認定>
2011年6月1日付けで9名を、YMCA主
事にふさわしい者として認定した。主事認定
を受けた者及び主事論文タイトルは下記のと
おり。
<2011年6月1日認定者>
太田 聡(埼玉)
「YMCA発達障がい支援事業の一考察
―埼玉YMCA特別支援プログラム10年の
歩みを通して」
高村 文子(横浜)
「地域に必要とされるYMCAとは
~コミュニティネットワークにおけるYM
CAの役割の分析から~」
加藤 誠(横浜)
「YMCAのコミュニティ・マネジメント
の一考察
~地域とつながり、地域と広げるYMCA
~」
藤田 りか(和歌山)
「中小YMCAにおけるE ‐ YMCAシス
テム活用に関する考察」
佐久間眞人(神戸)
「YMCAユースリーダーシップ事業の新
たな方向性
―かかわりの場としてのユースリーダー活
動のあり方―」
永井 道子(神戸)
「神戸YMCA国際交流活動の変遷
~ユース活動を中心に~」
石田 勇治(広島)
「YMCAにおける宿泊事業の意義と役割
―これからの宿泊事業の在り方―」
奥村 洋充(福岡)
「使命から見る福岡YMCAの自己評価
~成果を出す
『骨太のプロフェッショナル』
な組織を目指して~」
真鍋 泉(同盟)
34
「日本YMCA基本原則における使命の検
証 ―21世紀の日本YMCA同盟の働きを
通して―」
第17回日本YMCA大会 10月29日~30日、日本YMCA同盟国際青
少年センター東山荘にて第17回日本YMCA
大会が開催された。21の都市YMCA、2の
学生YMCA、またゲストを含め103名の会
員、ワイズメン、学生、リーダー、スタッフ
が集い、YMCAミッションを確認すると同
時に、多くの学びの機会が与えられた。東日
本大震災からの復興を願うという意味を込め、
大会聖句をエレミヤ書6章1節より、
「テコ
アで角笛を吹き鳴らし、ベト・ハケレムに向
かってのろしを上げよ」とした。
初日の午後は、プログラム1として、パネ
ルディスカッション「今、YMCAの原点に
立ち返ろう」と題し、スタッフやレイパーソ
ンのパネリスト4名を招き、YMCAが時代
の中で受け継いできた「根っこ」に関するお
話をいただいた。発題とパネリストは、①
「“YMCAの”キャンプ」青山鉄兵氏(桐蔭
横浜大学助教、東京YMCA野尻学荘プログ
ラムディレクター)
、②「社会における弱者
に寄り添って」山中奈子氏(横浜YMCAオ
ルタナティブ事業本部長)
、③「伊勢湾台風
災害支援活動から始まった私のYMCAへの
一歩」武田寿子氏(神戸YMCA理事長、日
本YMCA同盟副理事長)
、④「東日本大震
災の中のYMCA運動」池田勝一氏(盛岡Y
MCA宮古ボランティアセンター長)であっ
た。4人からの発題の後、
参加者が4つのテー
マ別に分かれ、さらに4~5名の分団(小グ
になれ!
ループ)となり、自分自身のYMCAの原点
とテーマに沿った思いについて話し合った。
夜のプログラム2では、
「今、思いをひと
つに」というテーマでキャンプファイヤーを
行った。年齢やかかわり方は異なれどもYM
CAに集う全員が、YMCAの原点のひとつ
でもあるキャンプファイヤーを囲み、富士山
にまつわるゲームや歌などで親睦を深め、Y
MCAのミッションやYMCAへの思いを分
かち合った。
2日目の午前中のプログラム3では、分団
から、パネルディスカッションの4つのテー
マごとに全20人前後がまとまり、明日に向
かって自分たちがとるべきアクションについ
て話し合い、各テーマごとの代表が壇上にあ
がり、2日間に考えたことについて報告をし
た。
1泊2日という短い日程ではあったが、Y
MCAの原点や、参加者それぞれの原点に今
一度立ち返り、それぞれの場での働きを強め
るきっかけとなる会となった。
「今、思いをひとつに」 参加者全員でキャンプファイヤーを囲んだ
35
東京YMCA江東区東雲児童館、富山YMC
A萩浦保育園、広島YMCA保育園)
広 報 活 動
6月号
「被災者と共に…東日本大震災における復
全国加盟YMCAの協力を得て、情報の収
(仙台YMCAボランティア支
集・加工・提供を行い、広報業務を遂行した。 興支援活動」
援センター、盛岡YMCA宮古ボランティア
センター)
<機関紙の発刊>
7・8月号
1.機関紙「THE YMCA」
(B4版4
「キャンプで人は育つか?」第1回「出会
ページ、月刊)
いと体験の森へ」シンポジウム(日本キャン
プ協会事務局長 吉田大郎氏、基調講演 明
石要一氏)
9月号
「YMCA国際協力募金キックオフ ‐ 子ど
もが未来を創る」
(パキスタン・ラホール ア
フガン難民小学校、ハイチYMCA、パレス
チナ・ガザ地区の子ども達からのメッセー
ジ)
10月号
「復興に向けた歩みを、共に ‐ 夏のキャン
機関紙 「THE YMCA」
プから」
(仙台YMCA・がんばろう!のび
るっ子!ファミリーキャンプ、
東京YMCA・
のんびり親子リフレッシュキャンプ、大阪Y
以下の編集方針にしたがって編集・発行し
MCA・六甲山親子キャンプ、日本YMCA
た。
同盟・のびのびキャンプ)
⑴ 日本YMCA基本原則を基盤としつつ、
11月号
地域を見つめ世界に生きる、市民社会の
「高齢社会におけるYMCAウエルネスの
公益に寄与するYMCAの働きを全国に
実践」
(東京YMCAグランチャ東雲、大阪
伝え、今日的課題を分かち合い、YMC
YMCA中高齢者事業部、川崎YMCA、熊
A間の相互理解と成長を図る。
本YMCA学院生涯スポーツ科)
⑵ YMCAの会員、ユース、参加者、保護
12月号
者はもとより、他団体や行政も含め、対
「今、YMCAの原点に立ち返ろう」第17回
象を幅広く想定し、YMCAの願いと働
日本YMCA大会 ▽になれ!(発題 青山
きを伝える媒体として読みやすさを心が
鉄平氏、山中奈子氏)
け、運動・活動の活性化を促す問題提起
1.2月号
も行う。
「今、YMCAの原点に立ち返ろう」第17
回日本YMCA大会 ▽になれ!後編(発題
主な特集記事:
武田寿子氏、池田勝一氏、開会礼拝メッセー
4月号
ジ 太田春夫氏)
「ユース・リーダーシップを育む」
(駒澤
3月号
大学総合教育研究部准教授・萩原建次郎氏、
「ユースからの発信 ‐ 私達の活動、私達
中日本地区YMCAグローバル教育研修会、 (東日本大震災被災地復興支援活動、
ユースボランティア・リーダーズフォーラム、 の思い」
全国学生YMCA夏期ゼミナール、第17回日
アジア・太平洋YMCA同盟 ユース委員会)
本YMCA大会、アジア・太平洋YMCA大
5月号
会/第2回ユースアッセンブリー)
「子どもの心の育ちを支える」
(埼玉YMC
A野外活動、岡山YMCAウエルネス倶楽部、
36
2.インターネットの活用
・電子メールによる情報配信
『YMCAインフォメーション』
各地の動き、最新ニュース、お知らせ、
研修会の案内 等(電子メール版/FAX
版) 『アジア・太平洋YMCA同盟ニュースレ
ター』
「APAY eNews」日本語版(翻訳
スタッフ:永岡美咲・佐々木美都)
・ホームページ
新着情報の中にプレリリースのカテゴ
リーを作成し、メディアに活動を訴えた。
震災支援情報については、情報提供だけで
なく、説明責任の視点から3カ国語での発
表を行った。新たに『私のユース宣言』と
いうページを設け、全国のユースに共鳴を
アピールした。
史 料 室
内外のYMCA運動に関する先人の貴重な
足跡を体系化して保存する作業が進展し、未
整理の史資料について分類・整理・データ
ベース登録および保存のプロセスが定着した。
資料数・内容が膨大であるので着実な作業が
続けられている。他方グループの若返りにつ
いても協議を継続している。
また、過去にYMCAが実施した事業や人
物についての外部からの問い合わせにも多く
対応した。
史料室ワーキンググループ:齋藤総衛、田
中義宣、毛利俊雄、井口延、市川邦雄
<内部向け出版活動>
出版活動は引き続き、既刊の出版物の在庫
管理をするとともに、加盟YMCAへの受注
販売、YMCA内部向けのテキスト等の出版
活動を行った。
・「それぞれの日本YMCA運動史 Part
Ⅱ(対談集)‐ 育てる、祈る、分かち合う
YMCA運動」
2011年8月 新刊
・ 世界YMCA/YWCA合同祈祷週パン
フレット「影響を与える声 ‐ 若者は権利
と正義を呼び求める」新刊
・ 2012年版YMCA手帳 新刊
YMCA内部向けに出版活動を行った
37
YMCAユースファンド YMCA Youth Fund
2011年度ユースファンドは、
「YMCA地
球市民育成プロジェクト」
「課題を抱えるユー
ス支援プログラム」
、
及び「全国YMCAユー
スボランティアリーダーシップ育成支援プロ
グラム」への支援を行った。
【支援プログラム】
◆YMCA地球市民育成プロジェクト
2011年度は東日本大震災の影響により、例
年とは異なる形式にてプロジェクトが実施さ
れ、YMCAユースファンドは以下のような
国内外での研修を支援した。
<海外研修>
7月4日~10日
アジア・太平洋同盟主催:トレーナー
ズ・トレーニング
<国内研修>
8月27日~28日
日本YMCA同盟主催:ワークショップ
「今、私たちに出来ること」
11月19日~20日
関東・中部チーム主催:
「わくわく地球
市民研修」
11月23日
神戸チーム主催:
「震災に学ぶ」ワーク
ショップ
◆課題を抱えるユース支援プログラム
課題を抱えるユースを対象としたプログラ
ム開発を促進するために、2010年度より継続
して、以下の7つのプログラムに対する支援
を行った。
①仙台YMCA
就労支援塾「チャレンジカフェ」
期 間:4月1日~2012年3月31日 場 所:仙台YMCA
内 容:発達障がい等の理由により就職活
動のサポートを必要とする若者を
対象に、コミュニケーショント
レーニングやカフェでの実践を通
して、就労支援を行った。
支援額:1,000,000円
38
仙台YMCA チャレンジカフェ
②富山YMCA
Y'sさくらカフェにおける出会いの場作り
期 間:4月1日~2012年3月31日 場 所:富山YMCAフリースクール、
Y'sさくらカフェ
内 容:課題を抱えた子どもや若者の就労
支援の場として、また不登校児童
のフリースペースとして、カフェ
の活動を行った。
支援額:1,000,000円
③大阪YMCA
青少年のためのヒップホップダンス教室
期 間:7月16日~2012年3月3日、
年間20回
場 所:大阪YMCA
内 容:不登校や引きこもり経験のある若
者が、ダンスを通して自己と出会
い、仲間を得る中で、自信を回復
する場作りを行った。
支援額:250,000円
④奈良YMCA
不登校・高校中退者サポート オルタナ
ティブスクール
期 間:4月1日~2012年3月31日
場 所:奈良YMCA
内 容:発達障がいなどの理由により、従
来の学校以外の場を必要とする青
少年を受け入れ、学習と成長のサ
ポートを行った。
支援額:1,000,000円
⑤岡山YMCA
◆全国YMCAユースボランティアリーダー
ファミリーホーム「操山寮」
シップ育成支援プログラム
期 間:4月1日~2012年3月31日
2011年度は、以下の5YMCAへ指定寄付
場 所:岡山大学YMCA操山寮跡
が寄せられ、ユースボランティアリーダー
内 容:発達障がい等何らかの課題を持ち、 シップ育成のために用いられた:
社会的擁護を必要とする子ども達
北海道、とちぎ、滋賀、和歌山、沖縄の各
を受け入れ、家庭的な環境の中で
YMCA
ケアを行った。
【2011年度寄付】
支援額:1,000,000円
・YMCA地球市民育成プロジェクト指定寄
1,705,195円
⑥北九州YMCA
付
・指定寄付
きらぴか体操クラス(発達障がい児対象)
2,450,000円
期 間:4月1日~2012年3月31日
・一般寄付
394,000円
4,549,195円
場 所:北九州YMCA
合計
内 容:発達障がい児を対象に、基礎体力
【2011年度プログラム支出】
づくりやコミュニケーションスキ
・YMCA地球市民育成プロジェクト
ルの習得等を通して成功体験を積
み、自信をもって進級できるよう
716,168円
6,690,000円
なサポートを行った。
・課題を抱えるユース支援
・ユースボランティアリーダー育成支援
支援額:300,000円
1,662,500円
⑦福岡YMCA
合計
不登校・高校中退者サポート オルタナ
9,068,668円
ティブスクール開校
期 間:4月1日~2012年3月31日
【2011年度収支】
場 所:福岡YMCA
<収入>
14,170,855円
9,621,564円
内 容:4月に単位制・通信制高校をス
前年度繰越金
寄附、雑収入
タート。発達障がい等の理由によ
4,549,291円
り、従来の学校以外の場を必要と
<支出>
9,401,088円
9,068,668円
する青少年を受け入れサポートを
プログラム支出
運営費支出
行った。
332,420円
4,769,767円
支援額:1,000,000円
<収支差(次年度繰越金)>
内訳:地球市民育成支援
4,597,683円
一般寄附
172,084円
福岡YMCA オルタナティブスクール
【総評】
2011年度は東日本大震災の影響により、幹
事会の開催を控え、またユースファンド寄附
の呼びかけも抑える傾向にあった。しかしな
がら、12月8日の「YMCAニュースレター
No. 9」の発行により、今年度も継続して支
援を行ってきたユースプログラムを報告する
ことができた。
その結果、ユースファンド寄附を呼びかけ
ることにも繋がり、2012年度から全国のユー
ス支援を更に強化していく足がかりとなった。
39
法 人 業 務 General Affairs
<公益法人制度改革>
同盟は公益財団法人への移行をめざし準備
を進めてきたが、11月24日内閣府に対し公益
法人移行の電子申請を行い、2012年3月21日
付で公益認定を取得した。2012年4月1日登
記に伴い新たに公益財団法人日本YMCA同
盟としての歩みを始めることになった。これ
にともない行政庁は文部科学省から内閣府に
変更となる予定である。
<特定公益増進法人>
「特定公益増進法人(特増)
」認定を4月8
月に再取得した。東日本大震災復興支援活動
寄附者のみなさまのご厚志に応えることがで
きた。
公益財団法人として認定
40
国際青少年センター東山荘 YMCA International Youth Conference Center
<運営状況>
3月15日発生の東日本大震災は、東山荘に
も大きな影響をもたらした。大きな揺れは
あったものの、大きな被害は無く、3月15日
の静岡県東部地震でも数枚のガラス破損にと
どまった東山荘本体ではあったが、これに引
き続く断続的計画停電とさらに余震の恐れな
どが、学校、団体、教会などに大幅な計画の
変更を引き起こし、4月~5月で昨年比3,092
名減の危機的状況を呈した。
しかし、たまたまかかってきた電話にス
タッフが誠実に対応したことから始まった、
延べ155名に上る被災者受け入れ、また三菱
商事のご協力による、被災者対象のフレンド
シップキャンプの全国最初の取り組みなどが、
東山荘利用者数としても、また社会的インパ
クトのあるプログラムのアピールとしても大
きな効果をもたらした。これらは、東山荘が
この事態に何とかできることを行いたいとい
う思いが形となっての表出であったと振り返
る。夏より戻ってきた利用者数の増加も加わ
り、年度末では昨年比1,837名減の30,433名と
いう利用者数となった。また、職員の危機意
識の高まりなどからの経費削減努力も功を奏
し、財務内容的には昨年度を上回る結果を得
ることが出来た。
まさしく劇的な一年であったが、東山荘の
今後につながる大きな方向性を示された年で
あった。
<プログラム>
これまでのネイチャープログラムだけにと
どまらず、東日本大震災発生を受けて、被災
地域の方々を対象とした支援プログラムを多
数開催した。福島県からの参加者が多く、日
常的な不安から離れて心身ともにリフレッ
シュする機会をこれらのプログラムにより提
供することができた。支援プログラムは長期
滞在型キャンプへのニーズが高く、これまで
に培ってきたネイチャープログラムやYMC
Aのプログラムに相乗効果的に加わった、支
援企業からのボランティアリーダー派遣や地
域の人材のプログラム協力等もあり、新たな
協働形態が現れてきた。
東山荘利用の主目的としてのプログラム需
要は震災前と変わらずに高い傾向にある
(127
団体9,294名/昨年度比6団体199名増)
。宿
泊利用者だけでなく、日帰り利用団体も結果
的に増加傾向のまま年度を終了した。地域の
学校、幼稚園、保育園との協働の機会が増え
ている。スタッフが出向いてプログラム指導
をしたり、学校や幼稚園の行事に利用してい
ただくことを通して、YMCAに身近に親し
んでいただく機会を設け、将来的な東山荘の
利用を促す機会であると捉えている。
東日本大震災被災地域の方々を対象とした
リフレッシュキャンプ
<2011年度主催プログラム>
4/9~10
東山荘・花の集い
12名
4/23
デイワークキャンプ 春の巻
23名
4/29~5/1 こどもチャリンコキャンプ
44名
5/14~15
春のこども自然キャンプ 42名
7/9~10
夏のこども自然キャンプ 53名
富士山ぐうぐうキャンプ
8/12~14
106名(新規)
こどもチャリ登山キャンプ
8/15~19
(新規)
53名
9/2~3
おとな富士登山キャンプ 10名
10/22~23 秋のこども自然キャンプ 31名
12/10~11 皆既月食キャンプ
36名
12/30~1/4 第46回年末年始家族パーティー
1/20~22
日本農村青年塾
34名
3/3~4
冬のこども自然キャンプ 73名
3.
11揚がれ!!希望の凧
3/11
(新規)
in 御殿場
80名
41
3/31
6年生&プリンスリーダーさよ
ならデイキャンプ 82名
(新規)
<2011年度震災関連プログラム>
やまのこキャンプ
18名
4/23~24
7/22~29
のびのびキャンプ①
690名
8/7~12
アカデミーキャンプ① 287名
(新規/プロジェクト結と共催)
8/16~20
アカデミーキャンプ② 247名
おやこリフレッシュキャンプ①
8/20~21
62名
8/21~26
アカデミーキャンプ③ 252名
のびのびキャンプ②
464名
8/19~26
10/22~23 おやこリフレッシュキャンプ②
31名
11/11~13 おやこリフレッシュキャンプ③
96名
おやこリフレッシュキャンプ④
1/6~8
148名
アカデミーキャンプ④ 205名
1/4~8
2/17~19
おやこリフレッシュキャンプ⑤
96名
389名
3/24~4/1 のびのびキャンプ④
管した東山荘では、全国YMCAの職員研修
としてのステップⅡ、ロータリー財団の奨学
生研修の受け入れ、学Y夏季ゼミナール、Y
MCA農村青年塾、ワイズメンズクラブの新
会長研修会が実施された。YMCA同盟とし
ての合同職員研修では、東日本大震災を契機
に、主に経験の浅い職員に重点を置いたYM
CAの基本を理解するための話し合いを中心
とした研修を実施し、参加者自身の自覚度と
YMCA理解度を増した。
<将来計画>
2015年の東山荘創立100年にむけての将来
計画は、グランドデザイン第1次計画を終了
し、次の段階に入ってきた。
東日本大震災と、その後の様々な地震の頻
発を受け、建物の耐震性がいよいよ重要度を
増しているこの時に、本館の耐震診断を行い、
100周年のグランドデザイン第2次計画の中
心となる本館のリニューアルを目指して、そ
の動きは加速を速めている。新年度中にその
姿が明らかになるべく、最終的な協議が進め
られている。
100周年募金は募金申し込み総額4,380万円
となっており、大変感謝申し上げたい。
<ユースボランティア認証>
全国23のYMCAより694名のユースボラ
ンティア申請があり、東山荘運営委員会にて
認証を行った。1994年度から始まったこの認
証制度により、全国に13,027名の認証者が生
まれた。将来のYMCAのリーダーシップを
育てるひとつの取り組みとして今後も実施し、
有効なものとなるように検討を進めていく。
落葉の山にダイブ リフレッシュキャンプ
<施設の整備>
新バーベキュー場が完成し、利用者が増え
ている。5号館内装の改修、本館・1号館の
ボイラー修理などの整備を行なってきたが、
施設全体を見据えての充分な計画的改修を進
めることが、ここに来てますます急務となっ
てきている。
<研修・交流活動>
日本YMCA同盟研究所機能をほぼ全面移
42
親子でそりを楽しむ のびのびキャンプ
日本YMCA主事退職金中央基金・職員年金基金
主事退職金中央基金・職員年金基金は、Y
MCAに働く職員を支える大切な役割を担っ
ている。基金は包括一括信託で運用している
が、内外の厳しい投資環境にもかかわらず、
資金運用委員会の適切な対応により、当初予
算とほぼ同じ運用利回りが確保できたことは、
感謝である。
2011年度は主事退職金中央基金・職員年金
基金制度検討委員会が設置され、現在の厳し
い運用環境の中で、両基金の財政基盤を安定
させるための制度改善策を答申した。
それにともない、主事退職金中央基金規程
の一部を改定する答申を行い、加入YMCA
の同意を得て2012年度より規程改定がなされ
て施行されることとなった。
引き続き同検討委員会において職員年金基
金の規程を2013年度に改定すべく、制度見直
しの検討が行われる。
主事退職金中央基金
2011年度の新規登録者は8名、脱退者は10
名で、このうち60歳に達した脱退者が4名い
た。年度末の登録者数は168名である。次年
度の登録申込者は38名で2012年度の期首の総
数は206名になった。正味財産は、1,579,855
円減少した。
職員年金基金
2011年度の新規加入者は81名、脱退者は61
名で、期末の加入者総数は858名である。次
年度の新規加入者総数は59名で2012年度期首
の総数は917名となる。正味財産は25,292,893
円減少した。
職員互助会
傷病見舞金・療養給付金は昨年に比べ減少傾
向である。また厚生貸付金・住宅貸付金の貸
付も減少した。
43
国際賛助会 Foreign Community Support Committee(FCSC)
国際賛助会(Foreign Community Support
Committee)は、日本に住む外国人と大使に
よりYMCAの経済的支援を目的に1958年に
設立されたボランティア組織で、現在は4名
の駐日大使と16名のビジネス・エグゼクティ
ブの方々により運営されている。
全国23のYMCAで実施する「肢体・知的・
発達障がい児」のためのプログラムと不登校
の子どもたちを対象とするフリースクール・
プログラムを支援している。
1.イベント
◎チャリティ・コンサート
従来の障がいのある子どもたちに加え、震
災で困難の中にある子どもたち支援も対象
に、八芳園において2011年7月7日にチャリ
ティ・コンサートを実施。ポール・フローレ
ア氏(ヴァイオリニスト)
、モレノ・ブッソ
レッティ氏(アコーディオニスト)
、家田紀
子氏(ソプラノ歌手)の演奏に約80名のゲス
トが来場、チャリティ・オークションの売り
上げと併せて約60万円の収益となった。
◎チャリティ・ジャズ・コンサート
聖路加国際病院の患者さんのためのキャン
プ(協働プログラム)へのファンドレイズを
目的としたコンサートをNPOグローヴィル
の協力の下、2012年2月25日、聖路加国際病
院トイスラーホールを会場に実施。約70名の
ご来場者があり約24万円の収益となった。
約70名のゲストが来場した
チャリティ・ジャズ・コンサート
44
◎インターナショナル・チャリティーラン
2011年5~12月において、全国16カ所のY
MCAで開催。ランナー・ボランティア・観
客を合わせて12,381名が参加。約2,800万円の
収益となった。
2.コーポレート・スポンサーシップ
三菱商事株式会社/YMCAインターナショ
ナル・チャリティーラン・全国スポンサー、
震災復興支援ご寄付
富士通株式会社/ YMCAインターナショ
ナル・チャリティーラン・全国スポンサー
クレディスイス証券株式会社/横浜YMCA
震災復興プログラム支援
ジョンソンコントロールズ株式会社/事業所
近隣の全国13カ所YMCAへの経済的支援、
社員募金
ステートストリート信託銀行/全国5YMC
Aのフリースクール、フリースペース・プロ
グラム支援
在日米国商工会議所(ACCJ)/東京YM
CA発達障がい児キャンプ支援、震災復興プ
ログラム支援
メルセデスベンツ・日本株式会社/障がい児
プログラムへのバスご提供、社員募金
三菱ふそうトラック・バス株式会社/障がい
児プログラムへのバスご提供
メルセデスベンツ・ファイナンス株式会社/
障がい児プログラムへのバスご提供
ブルガリホテルズ&リゾーツ 東京レストラ
ン/埼玉YMCA特別支援クラス職業体験プ
ログラム、チャリティ・イベントへのご協力、
震災復興支援
キャセイパシフィック航空株式会社/全国16
箇所YMCAチャリティーランへの物品ご支
援
アメアスポーツ・ジャパン株式会社/全国16
箇所YMCAチャリティーランへの物品ご支
援
日欧商事株式会社/震災復興支援、チャリ
ティ・イベントへの物品ご寄付
レッドロブスタージャパン株式会社/震災復
興支援募金
株式会社セリュックス/震災復興支援募金
FCSC 2011年度収支
名 目
主催イベント
収 入
支 出
差 額
11,263,653
5,320,343
5,943,310
2011年度チャリティー・ラン
9,627,835
4,537,219
5,090,616
チャリティ・コンサート
1,259,293
631,457
627,836
305,096
63,382
241,714
71,429
88,285
△ 16,856
254,000
0
254,000
個人寄付金収入その他
2,255,548
1,666,510
589,038
個人寄付
1,755,678
0
1,755,678
プログラム費
499,870
0
499,870
その他の経費
0
1,666,510
△ 1,666,510
30,471,313
670,524
29,800,789
全国YMCA障がい児プログラムへの拠出金
0
32,816,284
△ 32,816,284
日本YMCA同盟への拠出金
0
2,690,216
△ 2,690,216
44,244,514
43,163,877
1,080,637
チャリティ・ジャズコンサート
その他
その他イベントによる寄付金収入
コーポレート・スポンサー ※
合計
※ ご支援いただいた企業は以下のとおり。
三菱商事株式会社
ACCJ(米国商工会議所)
富士通株式会社
ジョンソンコントロールズ株式会社
ステートストリート信託銀行
メルセデスベンツ・日本株式会社
メルセデスベンツ・ファイナンス株式会社
三菱ふそうトラック・バス株式会社
クレディスイス証券株式会社
聖路加国際病院との協働プログラム
インターナショナル・チャリティーラン(横浜YMCA)
45
助 成 ・支 援
(財)日本宝くじ協会
日本各地のYMCAにおいて、地域奉仕活
動や各種イベントの開催を通じた青少年プロ
グラムの円滑実施、地域サービスの充実のた
めの集会用テントに対して財団法人日本宝
くじ協会から総額8,700,000円の助成を受けた。
集会用テントは全国16YMCAの41拠点に2
号型テント1張、4号型テント12張、また、
折りたたみ式集会用テントT-33型5張、T-36
型26張の合計44張が新たに配置された。各Y
MCAの地域センター、野外キャンプ場、保
育園や幼稚園の現場から、テントを活用した
プログラムを通しての、地域社会との連携の
強まり、交流の活性化が報告されている。
日本宝くじ協会から助成を受けたテントで
湖での野外活動を楽しむ(山梨YMCA)
46
ワイズメンズクラブ国際協会
YMCAの活動をサポートする目的で設立
されたワイズメンズクラブは、現在、東日本
区・西日本区の2区、16部、156クラブとな
り、
会員総数は2,833名(2012年1月1日現在)
となっている。
今期は、
「全国YMCA国際研修会」
「第17
回学生YMCAインドスタディキャンプ参加
費補助」
「中日本地区グローバル研修会参加
交通費補助」
「第39回学生YMCA夏期ゼミ
ナール」
「第42回全国リーダー研修会参加旅
費補助」
、さらに、震災の影響により従来の
海外研修生を招いての年間計画は中止し、こ
れまでのアクションプランのフォローアップ
と震災や原発事故に対するユースの学びと発
信に重きをおいた活動を行った「地球市民育
成プロジェクト2011国内研修交通費補助」の
6事業について、東西日本区から総額200万
円の支援をいただいた。また、メネット事業
の一環として、東日本区からは東日本地区Y
MCAのチャイルドケアプログラムへの絵本
寄贈の支援を、西日本区からは中日本・西日
本地区YMCAより震災復興支援に派遣され
るユースボランティアの派遣費用の支援をい
ただいた。
全国16会場で開催されているYMCAチャ
リティーランは、YMCAとワイズメンズク
ラブ共催で行われている。今後も価値が共有
され、ますます開催地域が拡大することが望
まれている。
YMCAにとってワイズメンズクラブは非
常に重要な存在である。2011年度は東日本大
震災被災者支援活動が年間を通じて行われた。
街頭募金、支援物資の集積・発送、現地への
ボランティアワーク派遣など、盛岡YMCA、
仙台YMCA支援を中心として、多くの場面
でワイズメンズクラブとYMCAの協働が多
く行われた。これまで以上に連携を強化し、
長きにわたる支援活動を継続していきたい。
関係団体報告
世界YMCA同盟 (World Alliance of YMCAs)
アジア・太平洋YMCA同盟 (Asia and Pacific Alliance of YMCAs)
世界YMCA同盟は、1855年パリで各国代
アジア・太平洋YMCA同盟は27の国と
表が集まり、パリ基準をその共通の使命とし
地域から構成されている。アジア・太平洋Y
て採択した。現在、125の国と地域のYMC
MCA同盟には、25の正加盟と、政治的な事
Aで構成され、4,500万人の会員を有してい
情により未加盟であるモンゴル、中国を含め、
る。ジュネーブに本部を置き、国連の認める
合計27の国と地域のYMCAがかかわってい
NGOの一つとして登録されている。また、
る。近年連絡が困難な太平洋地域の島嶼部に
YMCAは世界の6大青少年団体(YWCA、 ある小さな国のYMCAには、山田公平総主
スカウト、青少年赤十字などと共に)として
事(日本YMCA同盟前総主事、2009年7月
も国連に登録されている。世界YMCA同盟
就任)が直接現地を訪問している。また、ア
総会(World Council)は4年ごとに行われ、
ジア・太平洋YMCA同盟には常務委員会及
常務委員や役員、総主事の任期も4年となっ
び8つの下部委員会があり、年1回の常務委
ている。
員会を3月香港で行い、委員会も同時開催さ
2010年の第17回世界YMCA同盟総会での
れている。常務委員は約30名で、役員のほか、
新体制や決議事項を受け、
新しい戦略計画
『N
各YMCAから1名ずつ選出されている。積
EW WAY』を策定し、
「ユース・エンパ
極的に加盟国のYMCAを訪問して活動状況
ワーメント開発」
「YMCAの運動強化」
、
「リ
、
を把握し、運動強化の仕組みとしてPSG
ソース・モビリゼーション」
、
「ブランド力の
(Partner's Support Group)
、APP(APAY
強化と情報発信」
、
「制度と組織運営の進展」 Partner's Project)が行われている。
という5つの戦略的目標を明確にした。
9月に、第18回アジア・太平洋YMCA大
世界YMCA同盟の常務委員の一人に再選
会および第2回ユース・アッセンブリーがマ
された、同盟常議員の長尾ひろみ氏がアジア・
レーシア・ペナンで行われた。本大会は20の
太平洋地域と日本の声を反映させている。
国・地域から480人(うちユース約80人)が
2011年度世界YMCA同盟負担金 85,000
参加し、
「壁を乗り越え、変革を人と社会と
スイスフラン(約744万円)
。
YMCAに」がテーマとされ、基調講演、7
つの課題に関する戦略対話などが活発に行わ
れた。役員選挙では新たに会長としてヤウ・
チュンワン氏(香港中華YMCA)が選出さ
れ、各サブ・リージョンからの副会長と、財
務理事も選出された。
常務委員会下の委員会には、日本からは岡
戸良子氏(横浜YMCA常議員)を「YMC
Aミッションと現代社会との関連」
、黒澤伸
一郎氏(横浜YMCA)
、橋崎頼子氏(神戸
YMCA)を「ユースの参画とリーダーシッ
プ開発」
、中村あずさ氏(日本YMCA同盟
常議員)を「ジェンダーの公正」に派遣して
いる。
2011年度アジア・太平洋YMCA同盟負担
金は 46,000USドル(約370万円)
。
47
社団法人 中央青少年団体連絡協議会
(中青連)
中青連は、1951年に制定された世界人権宣
言の精神に基づき、国内及び国外の青少年団
体相互の連絡と連携を図り、青少年活動の発
展に寄与することを目的として設立された。
その目的のために、全国組織を有し、かつ活
動を展開する主要な青少年団体の連絡調整の
ための機関として設立され、YMCAはこの
発足時に発起人として関わっている。
その後、1990年には、社団法人として認可
されており今日に至っている。現在は、正会
員20団体と協力育成会員団体により構成され
ている。団体相互の連絡協力を図るとともに、
青少年教育に関する情報の収集や提供等を行
い、それらに関する事業を通じて青少年団体
活動の発展を図り、そのことにより生涯学習
の振興に寄与することを目的としている団体
である。YMCAは、発足以来、理事、副会
長などの要職を担ってきている。中青連にお
ける研修会や各委員会に参加することにより、
行政や他団体の青少年活動に関しての情報や
学びを得ることが全国のYMCA活動にとっ
て有益となっている。また同時に、各団体と
の交流を通じてネットワークが広がり、新た
な協力関係や協働での事業推進、支援者の獲
得など全国のYMCA運動にも貢献している。
2011年度には、以下の諸事業にYMCAと
して参画した。
1.「少年少女自然体験交流―ミクロネシア
諸島自然体験」実行委員会に職員が国際交
流委員会委員長として担当した。また、東
京YMCA、とちぎYMCAから2名の参
加があった。
2.青少年の国際交流に関する事業として
「日
韓青少年交流事業」の計画を協議した。
3.内閣府青年国際交流事業として、青少年
社会活動コアリーダー育成プログラムの受
入を同盟にて行い、ドイツ、ニュージーラ
ンド、フィンランドなどからの参加者に対
して職員が日本YMCA同盟の働きなどに
ついてのレクチャーを行った。
4.常務理事会に職員が参加し、事業方針・
計画など全般の協議に参画した。
48
世界学生キリスト教連盟(WSCF)
世界学生キリスト教連盟は1895年に世界の
学生キリスト教運動(SCM)によって結成
され、日本の学生YMCAは、日本のエキュ
メニカルな学生・青年キリスト教運動の窓口
となり、WSCFアジア・太平洋地域との連
帯を強め、その活動に参加・協力している。
WSCFアジア・太平洋地域では総主事の
異動があり、ネクタ・モンタス氏が、2011年
12月でその職を終え、新たに地域女性コー
ディネーターであったスニータ・スナ氏を総
主事として迎えた。
SCM協力委員会
日本の学生YMCA、在日本大韓教会、日
本キリスト教団教育委員会、聖公会、神戸・
名古屋学生青年センターなどで構成する。近
年は日本キリスト教協議会(NCC)青年委
員会を中心とする学生・青年によるエキュメ
ニカルな取り組みとも連動し、日本YMCA
同盟学生部委員会も協力団体として「学生青
年エキュメニカル協議会」を行っている。
SCM釜ヶ崎・生野現場研修も34回目を迎
え、多方面からの参加者があった。
日本キリスト教協議会(NCC)
YMCAは、超教派(エキュメニカル)運
動という側面を持って1844年にイギリスのロ
ンドンで生まれた。YMCAの正章の中心に
ある「みんなのものが一つになるように」
(ヨ
ハネの福音書17章21節)という聖句は、キリ
スト教の一致による平和と全ての人への救い
の理念がこめられている。YMCAが創設の
理念に基づいて、世界のキリスト教の教派を
超えて、繋がりあうことができるのは、この
理念があるからである。
日本キリスト教協議会(NCC)は、1923
年に「日本基督教連盟」として成立した。日
本の福音主義と認められるキリスト教諸団体
を以って組織され、日本におけるキリスト教
運動の親和協同を図り全世界のキリスト教会
と一体した活動を目指した。国家の宗教政策
の下で1941年に日本基督教団が設立されると
共に解散されたが、これが現在のNCCの前
身である。日本基督教連盟は、戦後、日本基
督教団から旧教派の教会が離脱することに
よって、再び国内の教会間の連絡役と海外の
教会との窓口が必要となり、1948年に日本基
督教協議会ができた。ここでは教会だけの集
りではなく、教会(教団)とYMCAのよう
なキリスト教関係団体を含んでおり、33の正
加盟と准加盟の教会(教団)
・団体によって
構成されている。NCCは、1948年の設立か
ら数えて1998年に50年を迎えた。世界の多く
のNCCが「教会協議会」と呼んでいるのに
対して日本のNCCは「キリスト教協議会」
と呼ばれる。キリスト教(者)が少数者であ
る社会の中で、教会・キリスト教関係団体が
共に宣教の課題を担っていくことを目ざして
いる。NCCは、日本国家によるアジア・太
平洋地域への侵略戦争に協力した日本基督教
連盟から続く過去の歴史を自らのものとして
受け止め、神とアジア・太平洋地域の人々に
なした罪責を告白し、正義と信頼に基づいた
平和な関係を築く努力を続けている。また、
弱くされた人々、苦しみにある人々との「い
のちの痛みに」共感する生き方を求めていく。
NCCの活動は、
「一致」
「平和」
「人権」
「国
際関係・国際協力」
「諸宗教との対話協力」
などにより進められる。
NCCの組織には、複数の委員会が運営さ
れており、日本YMCA同盟からそれらの委
員会に職員が委員として参加している。また、
常任常議員、常議員としても参加し、外へ向
けた活動の推進に寄与している。第37回総会
において、日本YMCA同盟から役員の書記
として元学生YMCA協力主事である有住航
氏(日本基督教団早稲田教会伝道師)を、財
務委員長に元東京YMCA副総主事桃井明男
を、会計監査に前賛育会常務理事古田和彦氏
を推薦し選任された。4月から始まる3年間
の総会期は、議長に小橋孝一氏(日本基督教
団常議員、新島教会牧師)
、副議長に吉高叶
氏(日本バプテスト連盟栗ヶ沢教会牧師)と
渡部信(日本聖書協会総主事)
、有住氏とも
う一人の書記に平岡仁子氏(ルーテル学院専
任講師)が就任した。
49
委 員 会 報 告
財団理事会・同盟常議員会・同盟委員会
■財団理事会
開催日:2011年4月16日(土)
・5月21日(土)
・6月19日(日)
・7月30日(土)
・
9月17日(土)
・11月12日(土)
・2012年1月28日(土)
・2月22日(水)
・
3月24日(土)
主な報告・議題:
<臨 時> ①仙台YMCAに対する緊急協力資金適用の件
②振興資金の件
③公益法人移行準備に伴う会計措置の件
④新同盟規則暫定運用の件
⑤災害募金委員会(仮称)設置および第1次募金計画の件
<第290回> ①2010年度日本YMCA同盟事業報告の件
②2010年度日本YMCA同盟決算の件
③2011年度日本YMCA同盟更正予算の件
④第121回同盟委員会の件
⑤第122回同盟委員会・第1回同盟協議会日程の件
⑥その他
<第291回> ①東日本大震災に伴う事業計画追加および更正予算の件
②その他(振興資金貸付申請の件)
<第292回> ①振興資金貸与・供与の件
②国際協力資金支出の件
③東山荘土地一部処分の件
④その他
<第293回> ①振興資金供与の件
②2012年度人事の件
③日本YMCA大会の件
④緊急協力資金の件
⑤定款変更の案の件
⑥その他
<第294回> ①前期損益修正の件
②予算補正(更正予算)の件
③その他
<第295回> ①同盟負担金の件
②2012年度方針・計画(案)の件
③2012年度予算(案)の件
④姫路YMCA財団解散の件
⑤仙台YMCAに関する件
⑥公益法人移行申請に係る件
⑦役員報酬規則の件
⑧退職金・年金等規程改定に係る件
⑨東山荘土地の件
⑩振興資金申請の件
⑪その他
50
<臨 時> ①仙台YMCAへの同盟職員派遣の件
②振興資金申請の件
③仙台YMCA再建委員会(仮称)への協力の件
④仙台YMCAに対する同盟債権放棄の件
<第296回> ①2012年度日本YMCA同盟事業方針・計画の件
②2012年度日本YMCA同盟予算の件
③2012年度人事の件
④姫路YMCAに係る債権についての取り扱いの件
⑤仙台YMCAに係る債権についての取り扱いの件
⑥仙台YMCA主事退職金中央基金未預託分の処理の件
⑦規程に関する件
⑧振興資金申請の件
⑨指定正味財産に関する件
⑩総主事候補推薦委員会の件
⑪表彰委員会設置の件
⑫第1回同盟協議会・第122回同盟委員会の件
⑬その他
■同盟常議員会
・6月19日(日)
・9月17日(土)
・11月12日(土)
開催日:2011月5月21日(土)
2012年1月28日(土)
・3月24日(土)
主な報告・議題:
<第321回> ①2010年度日本YMCA同盟事業報告の件
②2010年度日本YMCA同盟決算の件
③2011年度日本YMCA同盟更正予算の件
④第121回同盟委員会の件
⑤第122回同盟委員会・第1回同盟協議会日程の件
⑥仙台YMCAに対する緊急協力資金適用の件
⑦公益法人移行準備に伴う会計措置の件
振興資金申請の件(追加議案)
⑧新同盟規則暫定運用の件
⑨災害募金委員会設置および第1次募金計画の件
⑩その他
<第322回> ①東日本大震災に伴う事業計画追加および更正予算の件
②その他(振興資金貸付申請の件)
<第323回> ①振興資金貸与・供与の件
②国際協力資金支出の件
③東山荘土地一部処分の件
④2012年度人事の件
⑤日本YMCA大会の件
⑥緊急協力資金の件
⑦定款変更の案の件
⑧その他
<第324回> ①前期損益修正の件
②予算補正(更正予算)の件
③その他
51
<臨 時> ①同盟負担金の件
②2012年度方針・計画(案)の件
③2012年度予算(案)の件
④姫路YMCA財団解散に関する件
⑤仙台YMCAに関する件
⑥公益法人移行申請に係る件
⑦役員報酬規程の件
⑧退職金・年金等規程改定に係る件
⑨東山荘土地の件
⑩振興資金申請の件
⑪その他
<第325回> ①2012年度日本YMCA同盟事業方針・計画の件
②2012年度日本YMCA同盟予算の件
③2012年度人事の件
④姫路YMCAに係る債権についての取り扱いの件
⑤仙台YMCA再建委員会の件
⑥仙台YMCAに係る債権についての取り扱いの件
⑦仙台YMCA主事退職金中央基金未預託分の処理の件
⑧規程に関する件
⑨振興資金申請の件
⑩指定正味財産に関する件
⑪総主事候補推薦委員会の件
⑫表彰委員会設置の件
⑬第1回同盟協議会・第122回同盟委員会の件
⑭その他
■同盟委員会
開催日:2011年6月18日(土)~19日(日)
主な報告・議題:
①2010年度同盟事業報告および決算報告の件
②2011年度同盟事業方針・計画および予算の件
③モデル会則の件
④第122回同盟委員会・第1回同盟協議会日程の件
⑤その他
運営委員会
■東山荘運営委員会
開催日:2011年7月23日(土)
・12月16日(金)
主な報告・議題
<第1回> ①東山荘運営状況報告
②100周年記念事業第1次計画進捗状況について
<第2回> ①東山荘運営状況報告
②本館耐震診断進捗状況について
③東山荘次年度計画について
④ユースボランティア認証について
52
■主事退職金中央基金・職員年金基金運営委員会
開催日:2011年5月19日(木)
・9月14日(水)
・2012年1月16日(月)
・3月15日(木)
主な報告・議題:
<第1回> ①2010年度事業・決算報告の件
②2010年度監事報告
<第2回> ①2011年4月~8月事業・決算報告の件
②2011年10月職員年金基金新規加入の件
<第3回> ①2010年4月~12月事業・決算報告の件
②2012年度予算の件
③制度検討答申の件
<第4回> ①2011年4月~2012年2月事業・決算報告の件
②2012年4月主事退職金中央基金・職員年金基金新規加入の件
③主事退職金規定改定の件
④仙台YMCA退職金掛金処理の件
⑤AIJ巨額損失問題に関わる件
常置委員会
■学生部委員会
開催日:2011年7月3日(日)
・2012年2月5日(日)
主な報告・議題:
<第104回> ①東日本大震災被災地支援関連
②学生YMCA寮運営関連
③全国学生YMCA夏期ゼミナール
③コンセンサス会議・聖書研究ハンドブック他
<第105回> ①学生YMCA寮運営関連
②新設・再興学生YMCA継続支援と今後の展開
③3月11日以降の学生YMCA運動のあり方
④2012年度方針・計画について
■国内協力委員会
開催日:2011年7月2日(土)
・9月3日(土)
・12月3日(土)
・2012年2月18日(土)
主な報告・議題:
<第34回> ①加盟YMCA現況報告と支援策の協議
②日本YMCA振興資金 現状報告と申請の件
<第35回> ①加盟YMCA現況報告と支援策の協議
②日本YMCA振興資金 現状報告と申請の件
③リーダーシップ発展資金 報告と申請の件
<第36回> ①加盟YMCA現況報告と支援策の協議
②日本YMCA振興資金 現状報告と申請及び規程見直しの件
<第37回> ①加盟YMCA現況報告と支援策の協議
②日本YMCA振興資金 現状報告と申請の件
③リーダーシップ発展資金 報告と申請の件
53
■国際協力委員会
開催日:2012年1月24日(火)
主な報告・議題:
<第24回> ①日本YMCA同盟全般報告
②2011年度YMCA国際協力募金報告
③YMCA国際協力資金関連報告及び規程改定の件
④YMCA地球市民育成プロジェクト報告等
⑤アジア・太平洋YMCA同盟報告等
⑥世界YMCA同盟報告等
⑦2012年度日本YMCA同盟国際事業の件
■研究所委員会
開催日:2011月6月6日(月)
・11月21日(月)
・2011年2月6日(月)
主な報告・議題:
<第26回> ①2012年度ステップⅢ研修企画(案)について
②2011年度主事資格認定委員会報告
③2011年度日本YMCA同盟スタッフ研修について
④『新YMCA戦略』発行について
<第27回> ①研究所派遣の海外スタッフ研修について
②2011年度主事資格申請について
③2011年度研修実施状況
④『それぞれの日本YMCA運動史パートⅡ』発刊の報告
⑤『新YMCA戦略』発行について
<第28回> ①2012年度ステップⅡカリキュラムの件
②2012年度研修計画(案)の件
③2012年度研究所年間予定(案)の件
④トップリーダーシップセミナー開催について
⑤主事資格関連
⑥2011年度ステップⅡ研修評価について
⑦海外スタッフ研修について
⑧『新YMCA戦略』発行について
他の委員会
■同盟機能機構・負担金検討委員会
開催日:2011年5月31日(火)
・2011年7月16日(土)
・2011年9月12日(月)
主な報告・議題
<第1回> ①同盟現況報告(決算概要、事業計画、予算概要)
②同盟に求められている機能と優先順位づけ
③同盟機能についての意見交換
<第2回> ①同盟の機能機構の再検討
②同盟機能機構の課題抽出
③負担金について
<第3回> ①理事会答申案の検討
54
■第17回日本YMCA大会運営委員会
開催日:2011年8月20日(土)
・9月17日(火)
・10月20日(木)
・12月2日(金)
主な報告・議題:
<第1回> ①委員長互選
*第17回日本YMCA大会運営委員長として、黒澤伸一郎氏が選任された。
②第17回日本YMCA大会日程、会場、テーマ、プログラムについて
<第2回> ①大会テーマについて
②プログラム内容について
③役割分担
<第3回> ①プログラム内容確認
②大会進行確認
<第4回> ①会計報告
②大会参加者内訳、アンケート結果
③大会評価
④次回への申し送り事項他
■東山荘創立100周年記念募金委員会
開催日:2011年7月23日(土)
・12月16日(金)
<第7回> ①100周年募金進捗状況について
②100周年募金今後の進め方について
<第8回> ①100周年募金進捗状況について
②100周年募金今後の進め方について
■東山荘協議会
・3月3日(土)
開催日:2011年9月9日(金)
<第1回> ①本館耐震診断の進め方について
②グランドデザイン第2次計画の方向性について
<第2回> ①本館耐震診断について
②第2次計画今後の進め方について
■主事退職金中央基金・職員年金基金制度検討委員会
・8月29日(月)
・11月21日(月)
・2012年2月20日(月)
開催日:2011年7月7日(木)
主な報告・議題:
<第1回> ①委員長互選
②退職金制度の課題
③年金制度の課題
<第2回> ①退職金制度の課題
②年金制度の課題
<第3回> ①退職金制度の課題
②年金制度の課題
<第4回> ①退職金制度の課題
②年金制度の課題
55
■主事退職金中央基金・職員年金基金資金運用委員会
開催日:2011年4月21日(月)
・5月19日(木)
・6月15日(水)
・7月13日(水)
9月14日(水)
・10月18日(火)
・11月21日(月)
・12月26日(月)
2012年1月17日(火)
・2月17日(金)
・3月16日(金)
主な報告・議題:包括信託資金運用報告確認
■日本YMCA主事資格認定委員会
開催日:2011年5月11日(水)
主な報告・議題:2010年度申請の主事資格審査
■東日本大震災YMCA募金管理委員会
開催日:2011年6月1日(水)
・7月29日(金)
・11月11日(金)
主な報告・議題:
<第1回> ①東日本大震災発生からの支援取り組みへの状況報告
②募金報告(救援・復興募金、被災YMCA支援募金)
③募金管理委員会の設置目的について
④募金管理委員会の役割と機能について
⑤募金管理委員会のゴール設定について
<第2回> ①被災地支援の活動報告
②企業からの支援報告
③募金収支報告(救援・復興募金、被災YMCA支援募金)
④YMCA救援・復興募金による今後の支援について
<第3回> ①被災地支援の状況報告
②企業からの支援報告
③募金収支報告(救援・復興募金、被災YMCA支援募金)
④募金管理委員会の今後の予定
56
日本のYMCA現勢
世界の国・地域YMCA
125
日本加盟・登録・加盟準備YMCA 36(同盟含む)
上記YMCAが運営している法人・団体
28(公益財団:3、一般財団:1)
・財団法人
・学校法人
14
・社会福祉法人
10
6
・NPO法人
・任意団体
5
38
学生YMCA
2011年6月1日
プログラム会員数(野外活動、教育事業の年間登録会員)
(YMCAの目的に賛同し、会費を支払い支えて下さった方)
賛助会員〔個人〕
賛助会員〔法人〕
146,997名
9,217名
672法人
職員・教員(常勤)
職員・教員(非常勤)
ポリシーボランティア(方針決定に関わるボランティア)
ユースボランティア(野外活動、青少年活動、障がい児、国際などのプログラムで
子どもたちを指導するボランティア)
予備校
高 齢 者 ケ ア
YMCA地域活動センター等
199
3
学習クラス
16
日本語学校・教室
27
語学学校・外国語教室
63
2,588名
3,907名
1,832名
6,676名
老人ホーム・グループホーム
6
デイサービスセンター
在宅介護支援センター
(相談業務)
在宅介護・看護センター
12
31
8
5
チ ャ イ ル ド オルタナテ
ケア ィブ教育
8
医療系学科
4
社会体育系学科
9
語学・ビジネス系学科
8
キャンプ・野外活動
ホテル・観光系学科
7
キャンプ場・キャンプ施設
24
その他の学科
7
研修センター
11
発達支援
専 門 学 校
福祉系学科
介護予防プログラム
軽度発達障がい児対応
(LD児他)
障がい児プログラム
(野外・プール・アート)
ウエルネスセンター
59
47
62
101
幼稚園
15
ホテル・貸会議室・ユースホステル
18
認可保育園
30
国際活動
64
チャイルドケア
49
賛助会
17
アフタースクール
44
地域活動・ボランティアセンター
102
フリースペース・スクール
7
生涯学習・文化教室・聖書研究
86
単位制高校・技能連携校
8
その他
18
インターナショナルスクール等
4
(同盟含む)
57
2012年度日本YMCA同盟方針・計画
2012年度方針
「見よ、今は恵みの時、見よ、今は救いの日
である。」
(コリントの信徒への手紙Ⅱ 6章2節)
【方針】
2012年4月からは、全国のYMCAで構成
する日本YMCA同盟が、公益財団法人とし
て装いを新たにスタートする。
2012年度の事業方針・計画では、世界YM
CA結合の基準であるパリ基準と日本YMC
A基本原則に則り、東日本大震災で被災され
た方々に寄り添う活動を継続しつつ、世界の
YMCAとのつながりの中で、行動する地球
市民としてのユースのリーダーシップを育成
して行くことを柱としたい。 また、同盟を構成する各YMCAの運営基
盤を強化するとともに、行政、企業や他団体
等と協働し、
「社会を変える」働きに貢献し
たい。
2011年は、東日本大震災とそれに伴う原発
事故の未曽有の経験をした。被災された人々
は、家族、財産、仕事、さらに、町そのもの
失い、子どもたちは目の前で人が流される光
景を見るなど心に深い傷を負っている。原発
事故は、放射能汚染の深刻さから将来に対す
る不安を抱えるなど、震災からの復興・再生
には多くの時間と費用がかかることが予想さ
れる。
さらに、日本経済は震災等による風評被害
に加え、円高や世界的な経済不況、政情不安
によるエネルギー資源の高騰などにより景気
は低迷し、失業問題等はさらに深刻さを増し
ている。
いま私たちは、さまざまな社会的な課題を
解決し、持続可能な世界を築いて行くために、
「生き方を変え」
、力を出し合い、
「社会が変
わるために行動すること」が求められている。
社会を、そして地球を変えるために、
「つな
がりあう」ことに希望がある。
YMCAは、世界125の国と地域と連帯し
て、地球温暖化や自然災害などの地球規模の
58
課題に対して行動し、地域と世界を変革す
るリーダーシップを育成していくミッショ
ンを担っている。2011年9月にペナンで開
催されたアジア・太平洋YMCA同盟の第
18回 総 会 の テ ー マ は、
“Breaking Barriers,
Transforming Lives”
「壁を乗り越え、変革
を人と社会とYMCAに」であった。YMC
Aは、
キリスト教に基づいた「生き方」をベー
スに、青少年の全人的な育成に取り組んでき
た。特に、YMCAのキャンプでは、子ども
たちに自然の中で共同生活の経験を通して、
神が創造された自然を大切にして生きること
を学んできた。地球や地域社会の課題に取り
組んでいる多くのリーダーは、YMCAキャ
ンプを通して自然の美しさや人との絆の喜び
を経験して育った。そのようなYMCAの活
動を活かした救援と復興事業のために、国内
のみならず海外の人々も被災地の人々に思い
を寄せ、多くの募金や支援が寄せられている。
今回の震災で私たちは、
「生きること」の意
味を問い直し、物質的な豊かさではなく、人
と人との「絆」の大切さにあらためて気づか
された。
一方、全国YMCA総主事会議・戦略会議
は、中期計画の最終年度である2011年度から
2013年度までを、緊急対応3カ年として位置
づけ、公益法人への移行、危機的状況にある
YMCAの支援、そして東日本大震災救援復
興活動を最重要課題と取り組むこととした。
その2年目に当たる2012年度は、特に公益法
人移行のリミットである2013年11月まで残す
ところ2年を切っており、特例民法法人格に
あるYMCAの移行に道筋をつけたい。
また、2013年は日本のYMCA同盟結成
110周年にあたる年であり、あらためて全国
のYMCAとの恊働を、YMCA運動の推進
という原点から確認していく。そして、運営
が困難なYMCAへ引き続き支援を行い、健
全運営を目指したい。事業に関しては、東
日本大震災で芽生え始めた、
「寄附文化」を
さらにYMCA内外に醸成していく仕組みを
造っていく。
【目標】
「青年と共に、青年のために」
“With Youth, For Youth”
1)自分のいのちとみんなのいのちを大切
にすること。一人ひとりが自分というか
けがえのない存在であることに気づき、
お互いのいのちを大切にし、生きる力を
身につける。
2)家族、地域のひとりとして責任がある
こと。人と人とのつながり、地域と人と
のつながりを通して共に仕え合う責任が
あることを学ぶ。
3)世界と地球を見つめ、考え、行動する
こと。お互いの違いを認め合って、ひと
つの地球に生きるすべての人のいのちと
平和、そして私たちが生かされている自
然を守るために行動することを学ぶ。
4)ボランティア精神とリーダーシップを
身につけること。お互いに助け合い、支
えあう心を育み、人々が生き生きと暮ら
す地域を守り育てる働きかけが、進んで
できる生き方を学ぶ。
5)健やかな心とからだを育むこと。いろ
いろな人との交わりと活動を体験するこ
とにより、すこやかな心とからだを育み、
いつも喜びと希望を持ち、充実した人生
を送ることを目指す。
3)公益法人移行申請支援
4)課題にあるYMCA支援
3.東日本大震災救援復興支援活動
1)長期ビジョンに立った復興プロセスの
実現-岩手・宮城・福島それぞれの継続
的な取り組み
2)各YMCA救援活動支援
3)同盟としての東山荘を活用した救援活
動の実施
【重点課題】
1.地球市民としてのユース(青少年)リー
ダーシップの育成
1)地球市民教育の基礎としてのキャンプ
事業の拡大
2)日本YMCA同盟地球市民教育及び
ユースリーダーシップの育成(研修と認
定)
3)国内外の青少年を支える事業の支援
4)社会の課題と生き方を学びあう学生Y
MCAの拡大
5)ユースリーダーシップ育成を実現する
ファンドレイジングの強化
2.YMCA運動の強化
1)YMCA運動を強化する人材の開発と
育成
2)YMCAガバナンスの強化
59
事 業 計 画
Ⅰ.日本YMCA国際青少年センター東山荘
を通した青少年健全育成事業
日本YMCA国際青少年センター東山荘に
おいて自然体験・宿泊体験をとおして、青少
年及び青少年指導者が相互の交わりの中で自
然・他者・自らのありように気づき、地域社
会および地球に生きる一人の市民として、そ
れぞれの課題に取り組み平和で公正な社会を
目指す人材を育む。
1.学校及び青少年団体受入れ事業の拡大
2.青少年指導者研修の実施
3.地域の自然体験プログラムの実施(日
帰りプログラム)の強化
4.震災で被災した児童の心のケア及び健
全育成事業
2)ワークキャンプ事業
日本YMCA同盟に加盟する全国のYM
CAを代表する事業としての主催事業(東
ティモールユースワークキャンプ・学生Y
MCAインドスタディキャンプ・パレス
ティナオリーブ収穫プログラム)および全
国YMCAを代表し、実施を主管YMCA
に委託する事業(中国・四川地震被災地
ワークキャンプ・インドネシアジャワ島
ワークキャンプ)を現地のYMCAの青少
年および指導者と共同して実施する。
3)被災地支援事業
世界各地の災害被災地および難民等への
支援プロジェクトの企画運営に日本の青年
が関わり、また、活動原資を全国事業であ
る国際協力募金事業から拠出し実行する。
・ラホール・アフガン難民小学校運営支援
・ハイチ地震支援
・ミャンマー水害孤児医療支援
Ⅱ.国の内外において健全な青少年を育成す
る事業
2.国内協力事業
青少年に対しバランスの取れた心身の発達
1)国際協力募金事業
と全人格の向上を図ることを目的として、
「国
年末から年始にかけて、全国のYMCA
際協力事業」および「国内協力事業」を通して、
で「国際協力募金」を実施する。各YMC
国内外におけるリーダーシップの資質を養う。
Aの施設のほか、近隣の商店等に募金箱の
青少年が世界に目を向け国際理解を深めるこ
設置・管理をお願いし、青少年を中心とし
とにより、広い視野を持つリーダーシップを
たボランティアを募り、街頭募金を実施。
育成する。
この活動の前後には、学習会を実施し、募
金の使途となる相手国の状況や支援の具体
1.国際協力事業
的内容等について、経験者の話を交えて学
1)研修啓発事業
びの機会を設ける等、草の根の国際理解を
日本YMCA同盟に加盟する全国のYM
図って行く。なお、この募金活動事業によ
CAを代表する事業として、青少年育成事
り得られた募金は、前掲の災害救援および
業を実施する。
国際協力・交流事業の原資となる双方向性
・国際的な視野と展望を持ったリーダー
の事業でもある。
シップの養成
・地域において具体的に行動できるリー
2)広報啓発事業
ダーシップの養成
青少年団体として機関紙「The YMC
・「平和を作り出すもの」として「共に生
A」を年10回各14,000部発行し、全国のY
きる世界」の実現
MCAのみならず関係団体に配布する。執
の三点を学びあう三つの事業(地球市民育
筆は、各界の学識経験者・有識者にお願い
成プロジェクト・全国学生YMCA夏期ゼ
し、青少年健全育成に資する情報提供およ
ミナール・全国YMCA国際研修)を展開
び提言等を引き続き行う。また、青少年健
する。
全育成に関する書籍を随時発行するととも
に、関連情報をホームページ、およびメー
60
ル通信により、適時に掲載、配信する。
3)課題を抱えるユース支援事業
家庭や地域に居場所がないと感じる青少
年や発達障がいなど目に見えない障害のた
めに周囲の理解が得にくく、結果的に居場
所を失う青少年に対し、全国のYMCAは
フリースクール、フリースペース、発達障
がい児支援、就労支援等のプログラムを
行っている。しかし、域社会のニーズが高
い反面、プログラム運営に多額の費用を要
するため、必ずしも低廉な参加費用とはな
らない実態にあり、これらに対する支援を
行うことにより、地域社会の課題を抱える
青少年の門戸をさらに広げる。
4)障がい児支援事業
全国の障害児(知的障がい・肢体障がい・
発達障がい)に対するYMCAのプログラ
ムを支援する。全国のボランティアを結集
しインターナショナル チャリティランを
全国各地で実施するなど、草の根の資金調
達と支援を行う。
布を調査し、世代交代やユースが参画す
るために必要な環境整備などを検討する。
④YMCA地球市民育成プロジェクトの強
化
アジアや世界のYMCAが推進する地
球市民育成プロジェクトを、実施3年目と
して構成YMCAの協力を得て参加者を
増やし、さらに充実を図る。大学との協
働モデルとしてパイロット化を検討する。
⑤ユース育成団体としてのブランディング
戦略
広報素材「YMCA発“人間力”
」
(仮
称)のカラーブックレットを作成する。
⑥ユースへのキリスト教ミッションの共有
ユースがリーダー会等で活用できるキ
リスト教や聖書研究ブックレット等を作
成するとともに、SNS等のツールを通
してのメッセージ発信などのニーズを調
査する。
⑦世界につながるユースの働きの強化
海外派遣プログラムへのユース派遣を
進める他、10月13日のYMCAワールド
チャレンジに全国で2000名以上のユース
が参画し、地域の子ども達なども巻き込
む機会とする。
5)ユースリーダーシップ育成支援事業
全国の地域社会の全ての青少年を対象に
6)震災救援・復興事業
ユースボランティアリーダーを育成する。
2011年3月11日に発生した東日本大震災
全国YMCAのキャンプ、障がい児支援、
に対し、仙台YMCAおよび盛岡YMCA
子どもの仲間作り支援、被災地救援復興活
を中心として地域コミュニティの再生に、
動などさまざまな活動を通して地域社会に
全国のYMCAと協力して青少年を中心と
奉仕する体験を深めると共に、結果的には
した震災救援復興事業を、長期的な計画の
自らがよき市民として、地球市民として成
もとに実施する。また、全国各地に避難し
長することを目指す。リーダーシップをよ
ている福島の青少年を、各地のYMCA
り充実させるために、ボランティア育成プ
キャンプなどのプログラムを通して、心の
ログラムを支援する。
ケアや復興を担う将来の指導者として育成
①学生YMCA強化
することを支援する。この原資として、全
学生YMCA寮の運営支援と夏期ゼミ
国規模で市民・企業等に対するYMCA震
ナールの更なる充実を図る。 災復興募金を行い、有識者による募金管理
②ユース世代によるボランティア活動の機
委員会と連携し事業を展開する。
会拡大
ユースボランティアリーダーをはじめ、
Ⅲ.宿泊事業・貸室事業・物品販売事業
国際協力活動・東日本大震災支援活動な
1.宿泊事業 どの領域において、ボランティア活動の
日本YMCA国際青少年センター東山荘
機会を拡大する。
において、YMCAが提供する一般の宿泊
③ユースの意思決定過程参画の推進に向けて
者に対する自然体験やリクレーション活動
構成YMCAの常議員・委員の年齢分
61
を通して、自然に対する尊厳、他者に対す
るいたわりや共生、自分の体と心への気づ
きなどを、双方向的に学ぶ環境や機会を提
供する。
2.物品販売事業
日本YMCA青少年センター東山荘にお
いて、土産物等販売を行う
3.貸室事業
日本YMCA同盟・四谷会館の地下およ
び1階等の賃貸しを行う
Ⅳ.全国YMCA協力・支援事業
全国YMCAを代表して、国内外で実施す
る事業及び全国YMCA運動の連絡/調整を
行い、同盟を構成する各YMCAの活動を支
援する。日本のYMCAの代表機能を果たす
事業を行うとともに、日本のYMCAを代表
して世界YMCA同盟およびアジア太平洋地
域YMCA同盟に加盟し、世界の青少年の人
材養成と健全育成に貢献する。また、構成Y
MCAの国際活動を支援する。
1.全国YMCAの運動強化・事業強化
1)経営強化と公益法人化支援
公益法人化に伴い、正味財産ベースでの
会計基準化を進め、特に困難を抱えるYM
CA及び総主事がいないYMCA・スタッ
フレスYMCA等の課題を明確にし、全国
協働での対応力をつける。なお、公益法人
申請コンサルに関して、コンサルタント
チームを組み、既に公益法人に移行したY
MCAが、今後申請するYMCAを支援す
る仕組みを整える。
①正味財産増減計算書での月次決算及び資
金繰り表(キャッシュフロー)の精度及
びデータ分析の向上
②各YMCAの実情の把握と開示
③トップリーダーシップセミナーまたは全
国YMCA理事長・議長・総主事協議会
の実施
④総主事会議において経営力向上のための
研修の継続
⑤事業の統廃合及び新事業の開発力の強化
⑥地区総主事会議の三地区での共通課題の
確認調整(スタッフ研修・共同事業など)
⑦経営コンサル(公益法人申請コンサル)
62
の実施
⑧負債・支出の削減策の研究・提案と情報
の開示
⑨全国YMCA戦略会議での中小YMCA
経営統合の検討
2)各事業分野の強化
全国YMCA事業の強化のために、同盟
は各事業担当者会の運営支援を行い、各事
業の目標と実績を全国のYMCAで共有する。
3)人材の育成
①全国YMCA若手リソースパーソンの発
掘
②若手スタッフの国際化の推進(海外での
インターン、派遣等の推進)
③地区別スタッフ研修会の位置づけ、全体
のステップ研修制度の見直し。
④人事交流の推進
⑤全国YMCA中堅スタッフのリストの更
新
⑥ステップⅡ、Ⅲの充実
⑦スタッフ海外研修の継続的な実施
4)寄附文化の醸成(ファンドレイジング)
公益法人への移行に伴い、税制優遇をわ
かりやすく解説し、寄附文化を醸成するこ
とをYMCAの重点戦略とする。特に寄附
文化が開花したと言われている今をとらえ
て、
「YMCA」に寄附することの価値を
高め、ブランドイメージを周知していく。
①加盟YMCAによる、地域の企業・個人
の寄附を通した参画推進を支援する。
②YMCAネットワークを生かしたブラン
ディング構築に向けて、YMCAの「子
どもの全人的な育ち」支援を集約する
メッセージを統一(ブランディング)に
着手する。
(子育て支援、ユースボラン
ティアリーダー育成、震災被災支援、地
球市民教育、国際協力、発達障がい支援、
課題にある青少年支援等)
③チャリティーランで培ってきた、各加盟
YMCAの運営準備・広報、運営実施、
運営報告への一連の流れをマニュアル化
して、広報・実施・報告のスタンダード
を構築する。
④YMCAユースファンドについては、
2012年度を暫定期間とし、今後のありよ
うについて各YMCAの公益法人化への
移行やファンドレイズの状況によって検
討する。
⑤同盟として、全国YMCA国際協力募金
の回復、FCSC他企業から支援強化、
東日本大震災への国内外からのプロジェ
クト支援獲得を進める。
5)環境問題への取り組みの推進
脱原発や環境問題への全国YMCAの取
り組みを支援する。
①電気を15%削減する。
②職員・会員への環境教育を推進する。
③ワイズメンズクラブなどYMCAに連な
る団体と協働して取り組む。
2.全国YMCA運動としての一致と協働化
全国の財団法人格を有するYMCAは、
2013年11月の公益法人申請締め切りに向け
て、認定済みのYMCAと申請段階にあるY
MCA及び未だ申請準備に至っていないYM
CAがある。YMCAの法人移行にあたって
は、公益財団、一般財団、NPO法人、認定
NPO法人、任意団体等の選択肢があるが、
各YMCAの法人格や経営状況など形態・実
態が異なっている。各YMCAが機関設計や
新会則・規則を整備する中で、全国YMCA
運動としての一致、同盟に加盟することの意
味、そして、新たなYMCA運動の在り方な
ど、全国YMCAのトップリーダーが協議す
る場が求められている。また、存続の危機に
あるYMCAの実態に対する理解を共有化し、
全国YMCA運動としての共通の問題として
理解を深め、全国YMCA運動としての対応
を検討したい。
1)第122回同盟委員会及び第1回同盟協議
会及びトップリーダーシップセミナー
公益財団法人になってからの初めての同
盟委員会・協議会であるため、今後同盟を
司る組織=理事会、評議員会、常議委員会、
代議員会の関係性と、スケジュールを示し
ていくためのオリエンテーションを実施す
る。なお、トップリーダーシップセミナー
は、テーマ「新YMCA戦略-百年公益法
人の挑戦-(仮題)
」として実施する。
2)全国YMCA理事長、議長、総主事協議
会の実施
各加盟YMCAの名称、機関設計、会則
(規則)
、日本YMCA同盟への加盟主体に
関する共通理解などを、全国のYMCAの
理事長、議長とそれぞれのYMCAの業務
執行の責任を担う総主事とで共有し、YM
CA運動を推進していくための協議会を開
催したい。
3.同盟機能の強化
1)東日本大震災支援
盛岡YMCA宮古ボランティアセンター、
仙台YMCAボランティア支援センター、
東京YMCA石巻センター等を通しての活
動支援を継続して行う。2012年度の全国Y
MCAの募金総額の目標を一億円とする。
2)広報・情報発信強化
同盟ホームページの刷新カード決裁等
ファンドレイズ対応や職員用ページへの
データベース作成等)やY-informationを
通してのアドボカシー(政策提言)強化を
進める。なおTHE YMCAの有効活用案
を提示する。
3)世界・アジアYMCA運動への連帯
アジア・太平洋YMCA同盟方針計画
(2012-2015)に基づき、PSG支援(カン
ボジア、インドネシア、東ティモール、ベ
トナム)を進め、リソースモビリゼーショ
ン、ユースエンパワーメント等の主たる重
点項目を全国と共有し、具体化していく。
4)主事退職金中央基金・職員年金基金の運
営支援
5)東山荘運営強化
本館機能の刷新を進め、2012年6月を目
途に、講堂、食堂、フロント事務所機能の
在り方を含むプラン・デザインを策定し、
2014年度中の完成を目標とする。
以上
63
2011年度諸委員名簿
◎は長を示します
1.理事ならびに監事、常議員
理事(6名)
◎中川善博、武田寿子、野村秋博、吉本貞一郎、笈川光郎、島田 茂(常務理事)
監事(2名)
郡山千里、進 宏一
常議員(17名)
◎勝田正佳、桑田隆明、瀬口昌久、大森佐和、黒澤伸一郎、清水弘一、正野隆士、長尾ひろみ、
中道基夫、中村あずさ、橋爪良和、南出和余、山本俊正、黄 崇子、神﨑清一、田口 努、
宗行孝之介
2.運営委員会
A.東山荘運営委員会(6名)
◎桑田隆明、青鹿博明、池谷洋子、野田 徹、青野 武、長谷川等
B.主事退職金中央基金・職員年金基金運営委員会(5名)
◎勝田正佳、徳久俊彦、諏訪治男、末岡祥弘、本田真也
3.常置委員会
A.学生部委員会(5名)
◎瀬口昌久、黄 崇子、今村建二、新免 貢、小川健一郎
B.国内協力委員会(5名)
◎橋爪良和、笈川光郎、堤 弘雄、末岡祥弘、田口 努
C.国際協力委員会(5名)
◎長尾ひろみ、大森佐和、大江 浩、橋崎頼子、加藤明宏
D.加盟退除・組織検討委員会(6名)
◎野村秋博、郡山千里、齊藤皓彦、茂木 雄、金 秀男、本田真也
E.研究所委員会(5名)
◎山本俊正、上條直美、神﨑清一、廣田光司、上久保昭二、
4.特別委員ならびにその他の委員
A.主事退職金中央基金・職員年金基金制度検討委員(3名)
◎本田真也、堀尾 仁、友廣高也、
B.主事退職金中央基金・職員年金基金資金運用委員(4名)
◎勝田正佳、徳久俊彦、藪田安晴、久保田貞視
C.東山荘創立100周年記念募金委員会(6名)
◎野村秋博、桑田隆明、樫村好夫、井口 延、渡辺 巌、大野嘉弘
D.主事資格認定委員会(5名)
◎水野雄二、祝部康二、桒原道子、金 秀男、井之上芳雄
E.主事論文審査委員(6名)
宮崎善昭、田中治彦、棟方信彦、沖 利柯、松岡信之、八杉光春
F.同盟機能機構・負担金検討委員会(5名)
桑田隆明、正野隆士、廣田光司、吉本貞一郎、佐竹 博
G.東日本大震災YMCA募金管理委員会(10名)
勝田正佳、野村秋博、中川善博、廣田光司、神﨑清一、水野雄二、藤井寛敏、宗雪雅幸、
北城恪太郎、西田浩子
H.第17回日本YMCA大会運営委員会(2名)
中道基夫、黒澤伸一郎
64
国際賛助会(FCSC)メンバー2011
名誉役員:
カナダ大使
チェコ大使
ニュージーランド大使
イギリス大使
H.
H.
H.
H.
E.
E.
E.
E.
委員長:Mr.
副委員長:Mr.
Mr.
Mr.
Mr.
会員:Mr.
Ms.
Mr.
Mr.
Ms.
Mr.
Mr.
Mr.
Ms.
Mr.
Mr.
Mr. Jonathan T. Fried-Ambassador of Canada
Ms Katerina Fialkova-Ambassador of the Czech Republic
Mr. Ian Kennedy-Ambassador of New Zealand
Mr. David Warren-Ambassador of the United Kingdom
Nick Masee
Mark Cutler
Lance E. Lee
Brian Nelson
Roland C.F. Thompson
Toby Bartlett
Barbara Allen
Thierry Cohen
Tony Grundy
Judith Herd
Greg Irwin
Toshiaki Yokozawa
Richard E. Cropp
Midori Kaneko
Hiroyuki Usui
James R. Weeks
65
2011年日本YMCA同盟組織
日本YMCA同盟組織図
(2012年3月31日現在)
盟
委
員
会
運営委員会
同
東山荘運営委員会
資金運用委員会
退職金年金基金運営委員会
制度検討委員会
学生部委員会
事
会
常置委員会
理
国内協力委員会
国際協力委員会
加盟退除・組織検討委員会
主事資格認定委員会
研究所委員会
主事論文審査委員会
特別委員会
常 議 員 会
東日本大震災YMCA募金管理委員会
他の委員会
同盟機能機構・負担金検討委員会
東山荘創立100周年記念募金委員会
第17回日本YMCA大会運営委員会
66
* 同盟業務組織 *
国際青少年センター
東山荘
予約・フロント
プログラム
営業
施設・客室・管理
庶務・会計
研修
総 主 事
全
国
協
力
法 人 業 務
総主事室・総務・財務
IT推進室
退職金・年金基金
ユースファンド
国際協力
国内協力
研修・調査
学生YMCA
広報・史資料
FCSC
ワイズ東・西日本区連絡
* 2011年度日本YMCA同盟職員体制 *
部 門
全 般
全国協力
法人業務
全 般
研 究 所
学生YMCA
広 報
国際協力
国内協力
FCSC
全 般
総主事室
総 務
財務全般
氏 名
主 務 者
職 員
嘱託・パート
総主事
島田 茂
主任主事
光永尚生
主任主事
大和田浩二 小橋香子
横山明子
森 小百合
主任主事補佐 横山由利亜 小橋香子
市来小百合
永岡美咲
市来小百合 杉野歌子
主任主事補佐 小野 実
徳永恵美子 パート1名
統括
宗行孝之介
主任主事補佐 保坂弘志
山田紀久美
濱口妙子
波多尚子
内山素子 村上直子(育休中)
退職金・年金・
互助会事務局
波多尚子
人事・労務
IT推進室
濱口妙子
山田紀久美
庶 務
山田紀久美
濱口妙子
波多尚子
内山素子 村上直子(育休中)
白鳥美貴
滝口敦子
横山明子
長田智美
遠藤 舞
ユースファンド
国際青少年
センター
東山荘
2011年7月1日現在
全 般
フロント
主任主事
主任主事補佐
所
長
ナイトフロント
予 約
営業企画
プログラム
メンテナンス
客 室
庶 務
会 計
100周年
光永尚生
真鍋 泉
大和田浩二
主任主事補佐
横山征士 宮澤晃司 桑原八郎
佐久間眞人
鈴木貴子
眞田真由美
野木千賀世
野木千賀世
白鳥裕之
勝俣多賀子
阪田朋紀 パート1名
山田 仁 藤田英一
勝又由佳里
他パート6名
67
The National Council of YMCAs of Japan
2011 Annual Report
Shigeru Shimada, National General Secretary
The fiscal year of 2011 was the final year of the Four-Year Plan, with its theme of“For
Youth, With Youth”. The National Council of YMCAs of Japan focused on the important
issue of expanding youth leadership to support YMCAs in Japan and strengthening member
movements as a voluntary Christian association. This overlapped with the applications for
recognition as a Public Interest Incorporated Foundation.
In the midst of the four-year plan, many unforgettable events occurred in Japan, as well
as in the rest of the world. One was the global financial crisis, influenced by the bankruptcy
of Lehman Brothers, that caused many YMCAs to face financial problems which they have
not yet recovered from. On March 11, 2011, the Eastern-Japan Earthquake and Tsunami hit
the Tohoku region, located near the coast of the Pacific Ocean. Related to the application for
“Public Interest Incorporated Foundations”, the Japanese government decided to facilitate
relief and rehabilitation work in the affected areas through‘Approved Specified Nonprofit
Corporations’(certified NPO organizations), which allowed NPO Foundations to benefit from
preferential tax treatment. Therefore, some YMCAs were able to be redefined not only
as a Public Interest Incorporated Foundation but also as an Approved Specified Nonprofit
Corporation. In order to respond to these rapid changes of the system, the General
Secretaries’Meeting and the YMCA Strategic Planning Meeting decided to call these three
years, from 2011 to 2013 (the last three years of the four-year plan): The Years to Improve
Emergency Response. In addition to the changeover to a Public Interest Incorporated
Foundation and supporting YMCAs with financial difficulties, YMCAs in Japan determined
that the most important issue to address is disaster relief and rehabilitation work.
Looking back at some significant changes in 2011, firstly, member movements have
been strengthened. Osaka, Tokyo and Kobe YMCAs were approved as Public Interest
Incorporated Foundations in April 2011. Also Kyoto YMCA was accredited in October
2011 and the University of Tokyo YMCA in December 2011. In April 2012, Kumamoto,
Yokohama, Tochigi YMCAs and the National Council of YMCAs of Japan were approved
as Public Interest Incorporated Foundations. On the other hand, however, because of
the financial crisis and the natural disasters that occurred in 2011, some YMCAs have
been suffering from difficulties and may lose their status as Incorporated Foundations.
Consequently, YMCA strategic planning and domestic cooperation committees supplied
special funds to strengthen these movements in their efforts for transition to Public Interest
Incorporated Foundations. Support is being offered to Morioka, Saitama, Kanazawa,
Yamanashi, Fukuoka, Nagasaki and Okinawa YMCAs. Himeji YMCA, as an Incorporated
Foundation, was dissolved and restarted as an NPO Foundation focusing on outdoor and
camp activities. Even though highly recognized as the hub of the relief and rehabilitation
work, Sendai YMCA, located in the disaster-affected area, is also suffering from a severe
financial crisis caused by the suspension of regular programs due to the disaster. According
to a request from the Sendai YMCA Board of Trustees, the National Council of YMCAs of
Japan decided to support Sendai YMCA with the great amount of donations they received
within and outside Japan.
Secondly, the National Council of YMCAs of Japan revised the constitution and terms of
68
reference so that member YMCAs can govern themselves better. Many member YMCAs
are in the process of modification so these changes will take place down the road. Adapting
to the mindset of today’
s society and the changing environment, the 17th General Assembly
of YMCAs of Japan was held to reaffirm the YMCA’
s mission,
Thirdly, the National Council of YMCAs of Japan, in its endeavors to promote youth
leadership development, held the 1 st Global Citizenship Education Project for youth
participants from north-east Asia at the International Youth Center Tozanso in 2009. The
project had been in the planning since 2008 in cooperation with university professors and
the specified nonprofit corporation Development Education Association and Resource
Center /DEAR. This was a pioneer project in the Asia and Pacific region and encouraged
youth participation to the 17th World Council of YMCAs in Hong Kong, 2010 and the 18th
General Assembly of the Asia and Pacific Alliance of YMCAs in Malaysia, 2011. The followup project scheduled for 2011 was cancelled due to the disaster in eastern Japan but some
similar activities were held for former participants of the project under the theme“Youth,
with eyes to the world and active in the community”
. Also, strengthening of Student
YMCAs was successful with six Student YMCAs becoming active or re-active from 2008.
More than 100 students and former members gathered at the National Summer Seminar.
We are thankful for all the generous contributions from various people to the Youth
Fund that supports youth leadership development and youth with difficulties in YMCAs in
Japan. In 2011, most of the donations and funds were used for the Eastern-Japan Earthquake
and Tsunami Fund. At the same time, as companies in Japan have adopted the idea of
Corporate Social Responsibility, we received generous donations and many employees as
volunteers.
We greatly thank all of you for the generous contributions during 2008-2011, including
donations and volunteering from individuals, companies and organizations. These include
the Fund for Disabled Children contributed by the Foreign Community Supporting
Committee, the Youth Fund, the Fund for the 100th Anniversary of International Youth
Center Tozanso, and the Eastern-Japan Relief and Rehabilitation Fund. In 2013, the National
Council of YMCAs of Japan will celebrate the 110th Anniversary of its formation, and 2015 is
the 100th year since the establishment of the International Youth Center Tozanso. The new
mid-term four-year plan will also be decided soon. We appreciate all your unfailing support
and look forward to your continuing cooperation.
For in the gospel the righteousness of God is revealed—a righteousness that is by faith
from first to last (Romans 1: 17) 69
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