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我が国企業の戦略的な海外展開における調査・分析 報 告

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我が国企業の戦略的な海外展開における調査・分析 報 告
平成23・10・28財通第1号
平成23年度内外一体の経済成長戦略構築
にかかる国際経済調査事業
我が国企業の戦略的な海外展開における調査・分析
報 告 書
平成24年3月
経
済
産
業
省
委託先:新日本有限責任監査法人
平成 23 年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業
我が国企業の戦略的な海外展開における調査・分析
報
告
書
目 次
はじめに ................................................................................................................................... 3
1.
ヒアリング内容の取りまとめ ............................................................................................. 4
2.
情報収集 ........................................................................................................................... 19
2.1
21 カ国の国別基礎情報 ................................................................................................. 19
2.1.1 調査の内容 .............................................................................................................. 19
2.1.2 調査結果概要........................................................................................................... 20
2.1.3 各国データ .............................................................................................................. 30
2.2 3 カ国の国別詳細情報 ..................................................................................................... 72
2
はじめに
今般、先進国の経済が低迷する一方、アジアをはじめとした新興国の台頭が顕著であり、
世界情勢は米国を中心とした一極集中からアジアを中心とした新興国に多極化している。
我が国としては、経済はリーマンショック以降停滞し、国内産業は、
「円高」
「法人税」
「新
興国の低賃金」
「環境制約」
「経済連携の遅れ」
「電力供給不足」といった「6 重苦」を背負
い、深刻な行き詰まりに直面している。さらに、少子高齢化という構造要因のため、内需
拡大は限定的となる可能性が高く、中長期的な国富の増大には外需を取り込んでいく必要
がある。
従って、当事業を通じて、今後のわが国企業の海外展開促進を含めた新たな対外政策を
検討し、本報告書に取りまとめた。
3
1. ヒアリング内容の取りまとめ
本調査事業では、調査期間中(平成 23 年 11 月 7 日~平成 24 年 3 月 30 日)に 49 社・
機関に対してヒアリングを実施した。
まず 11 月中には、海外に積極展開をする一般事業会社(大企業中心)および関連機関に
対してヒアリングを実施し、海外展開の現状等についてヒアリングを実施した。その後、2
月以降はサービス業や金融機関等を中心にヒアリングを行った。
以下、ヒアリングした内容について、
「インフラ輸出」、
「工業団地」
、「金融支援」、
「サー
ビス業の海外展開」
、
「ジャパンブランド」、「グローバル人材」、「JETRO」、
「その他」に分
けて、取りまとめた。
A.インフラ輸出
①
インフラの重要性
日本企業の海外展開にあたっては、進出先のインフラ未整備が進出の際のボトルネック
になるという指摘が多い。
特に、日本の製造業は、電力を大量に消費する産業が少なくなく、各国の電力インフラ
の整備状況については各社が関心を持っている。また、大企業を中心に多くの日本の製造
業が、アジア地域全体で生産ネットワークを構築していることから、道路や港湾といった
インフラ整備の動向も注目が集まっている。
例えば、多くの企業は、将来の大消費市場としてインド市場への参入機会をうかがって
いるが、同地の道路や電力といったインフラに対して不安を漏らす企業がある。

一部の専門家からは、インフラとして貨物・旅客両方の直行の航空便の重要性を指
摘する声もある。
こうした中で、あるアジアの日系の工業団地では、
「外貨獲得につながる輸出加工型の産
業が集積していることもあってか、計画停電の対象外になっている」との声も聞かれる。
後述するが、日本企業の進出先として工業団地が有力な一つの選択肢になっている背景に
は、こういったインフラ面での支援も大きいと考えられる。
②
日本政府によるインフラ整備支援
この間、日本政府によるインフラ整備支援や、日本の官民合同でのインフラ整備参画に
4
期待する声が聞かれる。
現在、日本政府は、開発拠点を定めて、そこにリソースを集中しようとしている。ヒア
リングした企業からは、
「こうしたモデルについては、かつての日本の成長モデルに沿った
ものであり、この日本モデルをアジア等の途上国に適用することによって、経済成長を支
える」と期待するコメントがあった。さらに、日本政府に対しては、ODA を利用して途上国
のインフラ整備を実施することにより、現地で事業を展開する企業を支援してほしいとの
希望も聞かれた。
日本の民間のインフラサプライヤーで海外に展開して成功している例は限定的。専門家
からは、日本のインフラサプライヤーは、毎年、安定的な収益を得られる、インフラ・マ
ネージメントのビジネスの良さを認識していないのではないかとの声もあった。また、イ
ンフラビジネスの運営に関しては、民間企業だけでなく、日本の地方公共団体などもオペ
レーターとして参画できる可能性があるとの指摘もあった。
③
リスク
海外インフラビジネスに置いて、日本勢の活躍が限定的な背景には、上述のようにイン
フラビジネスの良さに関する事業者の側の認識不足もあるとは考えられるが、現実的には、
各種リスクがあることから、そもそも海外インフラ事業に積極的に踏み出せていないとい
う面も大きいと考えられる。
こうした中で、例えば、商社からは、相手国政府との交渉の中で 50 年を超える保証を求
められたりすることがあるなど、
「民間事業者にはリスクが高すぎるケースがある」として、
官民一体での展開を歓迎する声が聞かれた。また、社会安定の観点から、一部の国では、
「電
力料金等のインフラの使用料が低く抑えられているために、なかなか民間事業者が参入す
るのが難しい」ため、政府に対して交渉の後押しを求める声もあった。
この間、全ての分野において、日本企業にコスト競争力があるわけではないため、
「政府
主導で All Japan で展開することはなかなか容易ではないのではないか」との意見も聞かれ
た。
B.工業団地
①
工業団地
日本企業の海外進出に向けた動きが積極化する中で、進出先の受け皿となる工業団地に
5
注目が集まっている。日本企業が運営に関与している工業団地については、最近、特に日
系企業の関心が高く、団地の需給がひっ迫している模様。
特にインフラに不安がある国や地域の工業団地では、「既に入居者が満杯で空きがない」
ため、進出意欲のある企業を受け入れることができないとしている。
②
中小企業のニーズ
特に中小企業にとっては、日本に近い環境で事業ができる工業団地は、進出先として魅
力的。最近では、大きなスペースを必要としない中小企業向けに、小規模のレンタルスペ
ースを準備する工業団地もある。
大企業の場合は、後方支援がしっかりしているものの、中小企業の場合は、語学の面等
で問題があるケースが多く、工業団地側が日本語で対応し、場合によっては進出企業の総
務的な仕事を代行することが必要になるケースもある。こうした場合、日系の工業団地で
は、十分にサポートを得られやすい。
また、進出企業の中には「同郷の他企業と一緒にまとまって海外に進出しようとする動
きもある」とされる。関係者の中には、今後、地方自治体や地方の商工会がリードする形
で、地方の中小企業がまとまって一か所の工業団地に進出するケースが増えるのではない
かという声が聞かれた。
③
輸出について
なお、中小企業については、海外展開の前に輸出の可能性を探ることの重要性を指摘す
る声もあった。
実際に、海外に進出しようとする中小企業の中には、競争力があり、専門家からは、イ
ンターネット等を通じて、自社の製品を紹介することによって、事業を拡大することが出
来る企業が我が国には多いとする指摘があった。なお、一部には、本邦企業が過度に海外
に展開することについて、疑問を呈する声もあった。すなわち、
「安易に海外にシフトする
ことを考える前に、日本国内で頑張る努力も必要」とのことである。
④
工業団地のインフラ
日本企業が運営に関わる工業団地については、インフラの面で整備が行き届いているこ
とから高い評価を受けている。ただし、今後、途上国への企業進出が進み、経済が拡大す
6
ると、こうした工業団地でも、電力供給などの面でボトルネックが発生する可能性がある。
こうしたボトルネックを予め回避するために、インフラ整備を進める必要があるか。
例えば電力については、工業団地一つを対象に日本企業が保有する大規模な火力発電所
の技術を使って、低コストの電力を供給することは難しい。こうしたケースでは、ある程
度のまとまった規模で電力を販売することが必要になり、地元の電力公社との調整等が必
要になる。その際には、
「日本政府の関与が必要」との声もあった。
⑤
工業団地のビジネスモデル
工業団地の運営自身はリスクの大きいビジネス。周辺の住宅等の入居者の環境整備のた
めに必要となるコストも大きい。
一般に工業団地の造成から販売までの期間は長く、3~4 年はかかる。すなわち、開発業
者は、リードタイムの間、リスクを丸抱えすることになる。場合によっては、工業団地の
完成時に景気が悪化し、入居者が入らない可能性がある。
また、地域によっては、工業団地の開発を決めても、土地の収用が困難なケースなども
ある。こうしたことから、工業団地の開発にあたっては、現地の優良なパートナーと共同
で開発する例が多い。
日本企業が開発する工業団地については、日本人が常駐するなどサポート体制が整って
いることから、日本企業が関心を示している。しかし、開発者側からすれば、こうした日
本企業のために、宿泊施設、日本料理店、医療サービス施設等を誘致ないし運営する必要
が生じることがあり、これらの整備は必ずしも収益を生まず、コストセンターになる可能
性がある。
このように様々なリスク、コストを伴うことから、工業団地の整備等に対して、日本政
府の後押しを期待する声があった。工業団地の運営に関する公的関与については、シンガ
ポール政府の積極的な取り組みについての言及が幾つかあった。シンガポール政府の関係
企業は、ベトナムやインド等で積極的に工業団地の開発に乗り出している。シンガポール
政府が乗り出すことによって、相手国政府との調整がスムースになるとの見方もあった。
この間、サービス業の中には、こうした工業団地でビジネスを展開する可能性に関心を
示す先もあった。
7
C.金融支援
(1)資金需要等の企業側の金融機関に対するニーズ
①
企業の資金繰りについて
今回の調査で実施したヒアリングでは、特にサービス業企業からは、
「現時点で、海外展
開に関して資金繰りにはあまり困っていない」との声が一定数聞かれた。
海外進出を企図する企業に対しては、各種の政策的支援ツールが用意されているほか、
最近、海外展開に積極的なサービス業の場合は、フランチャイズ等の形態で進出するとこ
ろが多く、こうした先では、
「そもそも進出に際して必要な初期投資のコストは大きくない」
としている。特に外食産業では「より大きな資金を必要とする独資を避けて、フランチャ
イズや合弁形態での展開が多い」と指摘された。
また、初期投資資金が必要な先でも自己資金で賄えているところも少なくない。こうし
た先では、
「基本的には自己資金。ただし、条件が良ければ、親子ローン等の借り入れも検
討する」などとしている。
ただし、金融機関の関係者からは、将来的には「店舗投資が必要な小売業等のサービス
業も海外進出を拡大することに伴い、大きな初期資金が必要になり、金融機関の融資に頼
る先が増える」との声もあった。
②
資金調達に窮する先について
他方で、海外展開のための資金調達に苦労しているとする指摘もあった。こうした先で
は、地方銀行等の融資能力の向上を求める声もあった。
特にサービス業の場合は、
「製造業の工場のような担保を設定することが難しいため、必
要な資金を用立てられない先もあるのではないか」という見方があった。地方銀行や信用
金庫では、審査能力に限界があるため、
「信用保証協会などがこうした先のリスクを取って
ほしい」との期待も聞かれた。
また、実際に海外進出のための融資を受けるのに苦労した企業からは、本邦の金融機関
について、
「成功する保証がない時に国内金融機関は融資をしないという姿勢が課題ではな
いか」という指摘があった。
なお、資金調達で苦労する先には、会社の規模が政策支援の対象から外れていることを
ポイントとして指摘する声があった。すなわち、
「政策支援の手厚い中小企業の定義の範囲
8
から外れた場合に、公的な支援を受けにくい企業が多い」とのことである。
また、
「大企業でも中小企業でも海外進出におけるスタートラインは同じはずなのに支援
が受けられないというのはおかしい」として、大企業が支援されないことも不公平である
との指摘が一部にはあった。
③
金融機関のスタンス
民間の金融機関自身は、様々な方法を使って、積極的に企業の海外展開に対応する姿勢
をみせている。例えば、幾つかの金融機関では「駐在員事務所等のため銀行業務が行えな
い国では、地場金融機関と提携して日系企業へのサポート対応」を実施している。また、
直接、地場の金融機関を経由して融資せずに、親子ローンや、日本国内から直接融資を実
行するケースもある。
ただし、後述の通り、必ずしも全ての金融機関が、顧客の海外進出に対して、万全の体
制が構築できているわけではないとする声も、顧客、金融機関の双方から聞かれるところ。
この間、政府系金融機関でも、企業の海外進出の動きが前向きになっていることを認識
し、融資の申し込みに対して前向きに対応している。
④ 為替
企業側からは、企業経営に激しい為替変動が影響を与えていることについて不満を漏ら
す先も多い。ただし、これについては金融機関で対応できることに限界がある。企業から
は、日本政府に対して「六重苦問題は全てが絡み合っているが、円高、電力、何でもいい
からやれるところから解決していってほしい」といった声も聞かれた。
為替については、金融機関からは中国等の外債枠に関する言及もあった。すなわち、
「外
債枠のある中国、ベトナム、タイに関しては、何らかの官のサポートがあればありがたい」
と日本政府の対応に期待する声が聞かれた。
(2)地方銀行等地域金融機関のニーズ
地方銀行は、自行の顧客が積極的に海外展開を進める中で、積極的に支援をしなければ
ならない状況にある。しかし、現状、地方銀行には人材等の面で不足しており、必ずしも、
全ての地方銀行が万全の体制を整えているとは言えない。地方銀行の行員自身からも「一
9
段の体制整備が必要であるのではないか」といった声が聞かれる。また、海外のネットワ
ークの不足について、地方銀行同士で支援し合う必要性も指摘された。
一部の金融機関からは、信用保証協会の保証枠の拡大や、政府自身による融資保証など、
顧客の海外進出を支援するために政府に支援を求める声があった。
なお、現在、JETRO が地方銀行等、金融機関の研修生を受け入れて、金融機関の国際人
材の育成を支援している。
(3)外国銀行連携
顧客の海外展開を支援する際に、自行単独での支援には限界があると考える本邦の金融
機関は、積極的に外国銀行との連携をはかっている。提携を持ちかける側については、日
本側からのものもあれば、外国銀行の側からのものもある。
日本の金融機関側の外国銀行に対する希望は、情報提供やスタンドバイクレジット融資
などによる自行の顧客の支援。ただし、外銀の対応については、必ずしも満足していない
との声が聞かれる。一方、外銀の側からは、日本の金融機関との提携が、実際の案件に結
び付いていないという不満も聞かれる。この点については、地方銀行の側からも、提携後
の実ビジネスにつなげるための努力が必要であるとの指摘もある。
一方、提携を行う外国銀行のスタンスは「外銀によりかなり温度差がある」とされ、ま
ちまち。また、外銀側からは、日本側に対して、低利の外貨支援を求める声が聞かれてい
る。
こうした中で、提携について日本政府の支援が期待されている。現在、国際協力銀行が、
外国銀行と日本の地方金融機関の提携支援を実施していることについては一定の評価があ
ったが、一部の地方銀行からは、
「ミャンマーやバングラデシュなど、これまでにあまり提
携実績のない国でこうした取組を行ってほしい」との意見があった。
(4)M&A
M&A に関しては、中小企業が積極的に活用するようになってきている。かつては、M&A
による企業の売買に対して、一部には抵抗感があったが、関係者によると、全体として、
我が国でも M&A に対する抵抗感が低下しているとしている。
一方で、大企業では、これまで積極的に M&A を利用してきたものの、「今後は M&A の
限界を踏まえて、慎重に進める」とする先もあった。また、一部企業は、
「M&A に対応で
10
きる手法、体制、資金、人材が十分ではない」と認めている。例えば、買収した後の、PMI
(Post Merger Integration)について、人材不足を指摘する声が聞かれる。
その他、M&A に関しては「日本も中国のように割り切ってカネだけ出す方針で行けばよ
いのだが、日本には買収先から学ぶ姿勢がない。中国企業は、あまり買収先の経営には口
をはさまない」といった意見もある。
D.サービス業の海外展開
(1)多店舗展開型企業の一号店支援
①
一号店の重要性
サービス業の多店舗展開型企業の海外進出については、
「一号店の出店が最も重要でかつ、
困難である」とする企業が多い。進出した先で、一号店に続いて多店舗展開できることが、
収益拡大のカギになるため、企業側も一号店に注力する。例えば、「1 号店だけの出店であ
ればいつでもどこでも出せる。しかし、
『戦略的に今後の展開のカギとなる役割が果たせる
1 号店』の展開は難しい」とするコメントが聞かれた。
②
物件情報
最初の出店で苦労する点としては、
「出店のための物件情報」を挙げる先が多い。あるサ
ービス業は、
「1 店舗目の出店時に難しいのは物件探し。多少は高く掴まされる」としてい
る。
こうしたことから、多くの企業では、一号店の展開にあたって、情報収集等について政
府の支援を期待する声がある。企業からは、
「市場調査を支援する仕組みがあればありがた
い」とか、
「現地パートナーの信用リスクへの対応」等について国のサポートを求める声が
聞かれた。なお、韓国政府は、一号店の展開にあたって、補助金の支援を実施していると
される。
なお、市場調査の具体的な項目としては、多くの企業が「法律、税務、労務関連のリス
クと、展開に当たっての手続き」など、一般的な内容を挙げていたが、企業によっては、
「ラ
イバルの動向」や「現地人の嗜好」といった細かい情報への期待もある。
11
(2)日本式医療の海外展開
① 現地在住日本人への対応
日本企業の海外展開に伴って、海外で勤務する日本人に対するヘルスケアも注目されて
いる。すなわち、工業団地等で医療設備を設置するなど、現地在住の日本人に対する健康
面でのバックアップが必要とされている。
② 日本の医療技術の活用
また、日本の医療関連技術の海外への展開の可能性も十分にあると考えられる。例えば、
中国に関しては、
「今後、40 歳以上人口が増加傾向にある中で、逆に進出しない方がリスク」
として、進出を積極化する健康関連企業もある。
(3)パートナー
① 現地パートナーの重要性
ヒアリングしたほぼ全ての企業が、
「進出する際の現地パートナー選びが極めて重要であ
る」ことを、異口同音に指摘している。すなわち、
「海外進出の際の壁となるのは、現地で
適切な提携先を見つけること」とか「これまで成功してきた海外進出の例をみると、有力
なローカルパートナーの発掘ができたために持続的な事業展開ができている」など。
一方、専門家によると、かつて幾つかのメーカーは「アジアに最初に出て行った時にパ
ートナーと組んだが、そのパートナーが伸びきらずに足かせになることがあった。結局、
独資に切り替える等の対応にせざるをえず苦労した企業もあった」としている。
②
パートナー選びのポイント
パートナーを選ぶ際には、既往の実績、現地の市場動向に詳しい企業等が選択の際の重
要項目。顧客データベースを保有していること、大企業よりも伸び盛りの企業などをポイ
ントとして挙げる企業があった。
特にサービス業の場合は、店舗物件の情報が重要。そのため、パートナーは外資系企業
ではなく、財務的に安定し、豊富な経験を有する現地企業をパートナーとして選ぶ傾向が
ある。
12
なお、現地パートナーとは、提携に入る前に、予め、条件、利益配分等について詰めて
おく必要がある。「パートナーを決めた後、どこで(日本、生産、販売)利益を出すのか、
付加価値を分けるのかを最初に戦略でしっかり決めないといけない。後でもめて日本に戻
せないとかいうことや、相手のインセンティブが下がったりするということがありえる」
と専門家は指摘する。また、実際に事業化をした後でも、日本からの経営チェックは不可
欠。
パートナー選びの方法は、相手先からの申し込みのほか、ジェトロや、現地の商工会議
所、日系企業の紹介など様々。
③ その他
成功のカギは、現地パートナーのトップが、提携する日系企業の商品を良く理解してい
ることが重要とされる。例えば、外食などでは、日本に現地パートナーのトップが来日し
た際に、そこで提供される商品・サービスを気にいり、フランチャイズ契約を結び、成功
している例などが聞かれている。すなわち、
「パートナーのトップが当社のことを理解して
いること」が重要である。
また、成功している現地パートナーは、
「日本ブランド」を評価しているという声も聞か
れる。その結果、
「日本ブランドを前面に打ち出す差別化戦略」も可能になるといえる。
一方で課題としては、出店計画に関する認識の違いなどの問題などが挙げられた。一部
には、現地パートナー自身が「複数の日系企業の FC 展開を手掛けているため、当社は One
of them として扱われる」ため、出店計画における認識のずれがあるとの声が聞かれた。
(4)流通・販路開拓
現地パートナーの確保も重要であるが、サービス業が海外に展開するに当たっては、バ
リューチェーンの構築も重要な成功ポイントとなる。その際には、M&A の活用もポイント
になると考えられる。
特に外食産業やコンビニエンスストアでは、食材の調達等が事業成功の重要なカギとな
る。
なお、製造業からは、日本政府が日本の小売業の現地進出を後押しすることによって、
日本製品・サービスの販売が拡大するとして、日本の小売業に対する支援を期待する声も
13
聞かれた。韓国政府は、
「自国企業のために、自ら流通網の開拓に注力しているのではない
か」という指摘も一部企業からは聞かれた。
E.ジャパンブランド
ジャパンブランドについては、東南アジアを中心に世界で高く評価されているという認
識が一般的。製造業では、日本製品に対する品質の高いイメージを維持できている。
「アジ
アでは日本ブランドへの信頼は高いが、欧州でも同様。日本ブランドは積極的に打ち出し
ている」とする企業があった。
また、製造業だけではなく、サービス業でも、ジャパンブランドに関しては、
「清潔」、
「安
心」といったブランドイメージが出来ており、そのイメージを積極的に活用して外食など
は海外展開を図っている。この間、一部には、自社ブランドに似せた看板を掲げて事業を
行うニセモノ対策に頭を抱える企業もある。
なお、外食に関しては、日本の味を重視するケースと、進出先に合わせるケースの二つ
のパターンがある。その他の企業でも「日本的であることが重要だが、今後は多少フレキ
シブルに対応するかもしれない」などと、進出先に適宜柔軟に対応することを選択するこ
とを示唆する先がある。
また、一部には、海外展開していることがブランド力として国内にもプラスの材料とし
て働いているという声があった。
こうした中で、韓国のブランドイメージが急速に高まっていることを指摘する声も多い。
また、シンガポールや香港などがアジアの中で注目されつつあることから、日本のブラン
ド力が相対的に低下しているとの声もあった。なお、地域によっては、歴史的な経緯から
反日感情が根強いために、日本ブランドを前面に出しにくい先もあることに留意する必要
がある。
政策要望としては、ブランド力のある企業に対して、日本政府の積極的な後押しが必要
であるとの意見が幅広く聞かれる。
「韓国政府の積極的な取り組みや企業の意思決定の早さ
を見習うべきである」という声もある。具体的な方策としては、
「政府が、特定の拠点をし
ぼって、集中的に日本企業を展開させることが、効果的な政策として考えられるのではな
いか」との意見があった。また、ジャパンブランドを支援するためのクールジャパンの取
り組みについては、ある程度、期間を長めにとって展開することが重要であるという指摘
もあった。すなわち、
「日本のサービスを浸透させようとするのであれば、例えば、1 年く
らい場所を借りて、日本の外食産業等に事業を展開させるのが良いと思う」など。
14
F.グローバル人材
(1)現地人材
大手企業を中心に、経営の現地化を推進している。また、現地化を進める上で必要な、
将来の幹部候補生の採用、育成に積極的に対応している。

現地化については、専門家からは、
「完全に経営を現地に任せるということではない」
という指摘がある。同専門家は、「今後の経営のポイントは本社機能強化。完全に現
地にオペレーションを任せてしまうと利益が出ても国内に戻ってこなくなることが
ある。本社を人材、知識、情報のハブとして対応することが必要。Integration に日
本企業は今後力を入れるべき」としている。
こうした中で、一部には、優秀な現地幹部の確保に苦労している先がある。
「ワーカーク
ラスは応募が多すぎるくらいで苦労はしていないが、マネージャー、店長クラスの人材は
確保が難しい」という声がしばしば聞かれた。
人材育成については、各社が積極的に取り組んでいる。現地に専門家を派遣するほか、
日本の経営を学ばせるために、日本で研修を実施することの重要性について指摘があった。
特にサービス業では、
「日本の接客を教えるのが大変」とされる。
政府が実施している研修の補助制度については必ずしも認知度が高いとは言えない。そ
の他では、人材育成に関して、途上国に技能検定を日本政府の力で導入することへの期待
が聞かれた。これは、労働者の給与水準を決定する際の尺度として利用が可能であるため。
また、現地のスタッフの指導にあたってコミュニケーション上の課題(韓国語-日本語
等)に直面している企業もある。さらに現場労働者ベースでは、企業間で労働者の取り合
いが発生しているという指摘もある。
(2)日本人
現地化を進めたとしても、技術指導などで日本人の果たす役割は大きい。しかし、日本
人の海外人材不足については深刻な問題。生産、営業など特定の職種に限らず、全般的に
海外人材が不足している姿となっている。
特に中小企業クラスの場合、日本人の海外派遣、人材の育成にあたって、政府の支援が
必要とする声がある。中小企業の場合は、人的資源に限りがあり、海外展開に要員を充て
ると国内の経営に影響が生じる可能性がある。
15
なお、海外の現地法人を経営することで経営者としての育成にもつながる可能性がある
ことを指摘する声も聞かれた。
日本人人材の育成ポイントとしては語学力の強化。英語研修などを実施する企業は少な
くないが、国際ビジネスを展開するために必要な人材育成は緒に就いたばかり。
なお、一部には、日本人を使うことにこだわりのない先もある。また、語学力以前に、
積極的に現地に溶け込もうとしないことを悲観する声が、国内関係者だけでなく、外国企
業の関係者からも聞かれた。
「日本人同士で固まる結果、現地でのビジネスの拡大に支障が
出ている可能性」がある。
なお、専門家によると、経営の現地化が進む中で、プロフェッショナルサービスが増え、
日本と海外のローテーションが重要になると指摘している。ローテーションの中で企業カ
ルチャーを共有し、ネットワークを形成させる。さらに、海外展開を積極的に進めると、
Diversity Management も重要になり、日本企業の日本人は、国ごとに国民性を学ぶ必要
があろうとしている。
G.資金還流
日本は、投資立国のフェーズを迎えつつあるとみられるが、海外で得た利益の資金還流
についての考え方は、
「現地で得られた利益の循環については各企業によって異なる」とさ
れる。全部ないし一部を日本に還流させるとしている先もあれば、一方、現地に資金を滞
留させ、各地域内で効率的に活用するとする先もある。また、社内で、利益をルールに従
って、あるいは状況に応じて、日本国内と海外に振り分けることを決めている先もある。
なお、各企業の資金還流に関する判断は、政策によって左右される部分が大きい。二重
課税等の問題については、日本政府の支援を求める声がある。例えば、製造業からは、「経
済産業省には、二国間での不利な競争条件がある場合への対応や、投資規制、租税条約等
の点で、日本企業に対する支援をお願いしたい」という声が聞かれた。
H.JETRO
今回の調査では、JETRO の役割に関するコメントも多く聞かれた。具体的に挙げられた
JETRO に対する期待としては、
「情報提供」、
「マッチングサービス」、
「中小企業の進出支
援」など。
16
(1)情報提供のニーズ
特に JETRO に期待する役割として情報提供を挙げる声が大きい。ただし、現状につい
ては、評価する声と、否定的な声が二分されている。
「JETRO 殿には、進出の制度情報提
供等で大変お世話になっている」と評価する声が広く聞かれる一方で、否定的な意見の中
には「提供する情報に偏り(例えば製造業が多く、サービス業が少ないなど)がある」と
か、
「国によって、あるいは担当者によって、JETRO が提供する情報の濃淡が大きい」と
いった声があった。
なお、具体的に充実を要望された情報は、制度、市場、経済成長、現地コンサルティン
グ会社の情報等。
(2)マッチングサービス
情報提供と同様に JETRO に期待が寄せられるのは、現地企業とのマッチングサービス
(見本市の開催や現地パートナーの紹介等)
。欧米や韓国なども公的機関が、自国企業のた
めに積極的にマッチング支援に乗り出している。
ただし、今回のヒアリングではマッチングサービスについては「相手先のことも分から
ずに紹介するのは、紹介する側も難しい」としてサービスそのものが簡単ではないという
ことを指摘する企業があった。
(3)中小企業に対する海外展開サポート
また、中小企業に対して広範に海外展開を支援する機能を期待する声も聞かれた。大手
企業の場合、海外展開をほぼ自前で実施できる先が多いものの、中小企業の場合、特に初
めて海外に展開するような企業は、外部の支援が不可欠である。中小企業の場合、企業に
よっては、海外進出の成否が企業全体の業績に大きな影響を及ぼすケースもあるため、
JETRO への期待は大きい。
なお、JETRO 以外に中小企業の海外展開を支援している先としては、中小機構のほか、
商社、銀行、地方自治体などがある。
17
I.その他
その他のコメントについては、まず、インドで実施されている政府間対話など、経済産
業省の取り組みに対して評価する声があった。
この一方で、六重苦ともいわれる我が国の事業環境の改善についての要請は強い。「現地
州政府との問題など、細かい部分まで国にしていただくことはできないかもしれないが、
他国とイコールフィッティングにはしてほしい。他国は協定等を締結するスピードが速い。
それに比べ日本は遅い」等の意見が聞かれた。
また、FTA、EPA の交渉の行方には注目が集まっている。日本政府のより積極的な経済
外交を期待する声は大きい。
18
2. 情報収集
2.1
21 カ国の国別基礎情報
2.1.1 調査の内容
情報収集については、計 21 カ国に関する情報を収集した。
地域毎には、アジア 9 カ国、南米 4 カ国、欧州・CIS2 カ国、アフリカ 3 カ国、中東 2 カ
国、という内訳である。すなわち、中国、インド、インドネシア、ブラジル、ロシア、南
アフリカ、トルコ、ナイジェリア、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、フィリ
ピン、パキスタン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、メキシコ、アルゼン
チン、ベネズエラ、ペルーを対象として調査した。
【図表 調査対象国】
アジア(9 カ国)
中国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、シンガポール、
マレーシア、フィリピン、パキスタン
南米(4 カ国)
メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ、ペルー
欧州、CIS(2 カ国) ロシア、トルコ
アフリカ(3 カ国)
南アフリカ、ナイジェリア、エジプト
中東(2 カ国)
アラブ首長国連邦、サウジアラビア
調査項目は、下記の項目である。
①所得階層別比率
②人口構成
③消費額
④自動車シェア
⑤テレビシェア
⑥小売シェア
⑦犯罪率
⑧日本との協定締結状況(投資協定、租税協定、社会保障協定)
⑨FTA 締約国
⑩外資労働規制
⑪日本との関係
19
2.1.2 調査結果概要
a. 所得階層別比率
2010 年の全人口における中間層・富裕層の比率を示したのが図表 1 である。
中間層・富裕層が人口全体の 50%以上となっている国が 17 カ国ある一方、中間層・富裕
層が人口全体の半数以下しかいない国は 4 カ国(インド、パキスタン、ベトナム、ナイジ
ェリア)存在している。
また、中間層・富裕層が人口全体の 90%以上を占める国も 6 カ国(アラブ首長国連邦、
サウジアラビア、トルコ、シンガポール、ベネズエラ、メキシコ)ある。特に、アラブ首
長国連邦及びシンガポールでは、富裕層の比率が高いのが特徴(アラブ首長国連邦 95%、
シンガポール 70%)となっている。
【図表 1 中間層・富裕層の比率(2010 年)
】
アラブ首長国連邦
サウジアラビア
トルコ
シンガポール
ベネズエラ
メキシコ
ロシア
ブラジル
アルゼンチン
マレーシア
エジプト
タイ
ペルー
南アフリカ
中国
フィリピン
インドネシア
インド
パキスタン
ベトナム
ナイジェリア
95%
37%
25%
61%
73%
70%
21%
71%
20%
70%
8%
80%
17%
69%
12%
73%
12%
72%
3%
75%
4%
66%
7%
62%
10%
49%
3%
48%
2%
48%
2%
48%
2%
45%
2%
34%
1% 21%
1%15%
0%
20%
40%
富裕層
60%
5%
28%
80%
100%
中間層
(出典:Euromonitor を基に新日本有限責任監査法人作成)
20
120%
次に、中間層・富裕層比率について、2020 年の予測値を示したのが図表 2 である。
これによると、ナイジェリア以外の全ての国において、50%以上が中間・富裕層である国
に該当する。また、中間層・富裕層が人口全体の 90%以上を占める国が 11 カ国(アラブ首
長国連邦、サウジアラビア、トルコ、エジプト、ロシア、シンガポール、ベネズエラ、メ
キシコ、ブラジル、マレーシア、アルゼンチン)と、2010 年より 5 カ国増加する予想であ
る。2010 年時点よりも富裕層比率が高くなっているのも特徴であり、50%以上が富裕層で
ある国も 4 カ国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコ、シンガポール)ある。
【図表 2
サウジアラビア
アラブ首長国連邦
トルコ
エジプト
ロシア
シンガポール
ベネズエラ
メキシコ
ブラジル
マレーシア
アルゼンチン
タイ
ペルー
インドネシア
パキスタン
インド
中国
フィリピン
南アフリカ
ベトナム
ナイジェリア
中間層・富裕層の比率(2020 年予測)
】
74%
10%
55%
26%
99%
88%
39%
59%
80%
36%
59%
35%
60%
35%
60%
27%
65%
20%
70%
14%
73%
14%
69%
5%
77%
4%
76%
5%
74%
13%
66%
6%
68%
13%
51%
2%
52%
1% 27%
0%
20%
40%
富裕層
1%
45%
60%
18%
80%
100%
中間層
(出典:Euromonitor を基に新日本有限責任監査法人作成)
21
120%
2010 年の中間・富裕層を人口でみたのが図表 3 である。これによると、中国・インドが
それぞれ 6 億 7,800 万人、5 億 4,500 万人と圧倒的に多い。また、1 億人を超える国も 4 カ
国(ブラジル、ロシア、インドネシア、メキシコ)あるが、5,000 万人未満の国も 12 カ国
と過半数を占める。
【図表 3 中間・富裕層人口(2010 年)
】
中国
インド
ブラジル
ロシア
インドネシア
メキシコ
トルコ
エジプト
パキスタン
タイ
フィリピン
アルゼンチン
南アフリカ
サウジアラビア
ベネズエラ
ナイジェリア
マレーシア
ペルー
ベトナム
アラブ首長国連邦
シンガポール
(単位:百万人)
172
125
115
104
72
64
63
49
47
35
30
27
27
26
24
20
20
7
5
0
100
200
678
545
300
400
500
600
700
(出典:Euromonitor を基に新日本有限責任監査法人作成)
22
800
他方、2020 年の中間・富裕層の人口予測を示したのが図表 4 である。2020 年も引き続
き中国・インドの中間・富裕層は増加し、ともに 10 億人を超える予想となっている。また、
その他の国についても、1 億人を超える国が計 9 カ国となり、中間・富裕層が 5,000 万人未
満の国も 6 カ国と大幅に減少する見込みである。このように、新興国全体として、中間・
富裕層人口が大幅に拡大する見込みとなっていることが見て取れる。
【図表 4 中間・富裕層人口(2020 年予測)】
中国
インド
インドネシア
ブラジル
パキスタン
ロシア
メキシコ
エジプト
フィリピン
トルコ
タイ
ナイジェリア
ベトナム
アルゼンチン
サウジアラビア
南アフリカ
ベネズエラ
マレーシア
ペルー
1,090
1,051
205
200
166
136
122
94
81
80
64
56
53
41
34
34
32
30
27
0
200
400
600
800
1,000
(出典:Euromonitor を基に新日本有限責任監査法人作成)
23
1,200
b. 消費額(一人平均)
2010 年の一人平均消費額を示したものが図表 5 である。1 万ドルを超えているアラブ首
長国連邦とシンガポールの 2 カ国の消費が突出して多い。また、5,000 ドル~1 万ドルの間
に該当する国は 7 カ国あるが、5,000 ドル以下の国も 12 カ国と過半数を占める。特に、イ
ンド、パキスタン、ベトナム、ナイジェリアの 4 カ国は 1,000 ドル以下となっている。
【図表 5 消費額(2010)
】
アラブ首長国連邦
シンガポール
ベネズエラ
トルコ
ブラジル
メキシコ
サウジアラビア
アルゼンチン
ロシア
マレーシア
南アフリカ
ペルー
タイ
エジプト
インドネシア
フィリピン
中国
インド
パキスタン
ベトナム
ナイジェリア
(単位:ドル)
7,493
7,427
6,425
5,823
5,318
5,121
5,101
4,345
4,214
3,286
2,612
2,123
1,670
1,506
1,448
800
785
782
664
0
5,000
10,000
15,652
15,000
20,000
(出典:Euromonitor を基に新日本有限責任監査法人作成)
24
22,406
25,000
c. 自動車シェア
日本製自動車のシェア(2005 年、2010 年)を表示したのが図表 6 である。これによる
と、日本車のシェアが 2005 年から 2010 年の間に拡大している国が 7 カ国、縮小している
国が 10 カ国、増減なしが 3 カ国となっている 1。
特に、ベトナムでは 2005 年の 66%から 2010 年の 39%へとシェア縮小が著しい。また、
中国でも、2005 年の 35%から 2010 年の 19%へとシェア縮小が著しい。他方、シェア拡大
については、著しい増加は見られず、新興国市場でのシェアは日本メーカー全体としてや
や押され気味であることが見て取れる。
【図表 6 日本製自動車のシェア(2005, 2010)
】
98%
89%
95%
95%
92%
90%
パキスタン
インドネシア
タイ
フィリピン
シンガポール
アラブ首長国連邦
ベトナム
52%
53%
45%
42%
40%
42%
39%
メキシコ
38%
サウジアラビア
ペルー
インド
29%
南アフリカ
マレーシア
27%
20%
25%
19%
ベネズエラ
中国
18%
24%
15%
12%
11%
12%
9%
9%
7%
8%
エジプト
ロシア
トルコ
ブラジル
アルゼンチン
0%
20%
64%
69%
64%
63%
79%
82%
66%
37%
37%
37%
35%
40%
2010
60%
80%
100%
2005
(出典:海外自動車統計年鑑を基に新日本有限責任監査法人作成)
1
データのないナイジェリアを除く 20 カ国を対象とした。
25
120%
d. テレビシェア
日本製テレビのシェア(2005 年、2010 年)を表示したのが図表 7 である。これによる
と、日本製テレビのシェアが 2005 年から 2010 年の間に拡大している国が 7 カ国、縮小し
ている国が 11 カ国となっている 2。
特に、ベネズエラ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、アラブ首長国連邦、エジ
プトでは、10%以上のシェア縮小が見られており、テレビ市場での日本製品の苦戦が著し
い。他方で、国によっては 5%以上のシェア拡大が行われている国も 5 カ国(メキシコ、タ
イ、ロシア、ベトナム、トルコ)あり、国によって明暗が分かれてはいるものの、全般的
には自動車以上にテレビ市場で日本勢が苦戦している様子が見て取れる。
【図表 7 日本製テレビのシェア(2005, 2010)
】
75%
ベネズエラ
52%
50%
51%
インドネシア
マレーシア
メキシコ
40%
34%
38%
34%
アルゼンチン
シンガポール
フィリピン
31%
タイ
31%
22%
ブラジル
南アフリカ
アラブ首長国連邦
21%
エジプト
ロシア
ベトナム
トルコ
0%
インド
6%
9%
9%
7%
中国
0%
65%
49%
52%
29%
31%
28%
26%
27%
32%
27%
サウジアラビア
50%
90%
49%
44%
20%
14%
19%
18%
20%
20%
40%
2010
60%
80%
100%
2005
(出典:Euromonitor を基に新日本有限責任監査法人作成)
2
データのないパキスタン、ペルー、ナイジェリアを除く 18 カ国を対象とした。
26
e. 日本との協定締結状況(投資協定、租税協定、社会保障協定)
日本との協定締結状況を示したのが図表 8 である。租税協定を過半数の 16 カ国と締結し
ており、また投資協定も 7 カ国と締結している一方、社会保障協定は 21 カ国のうちいずれ
の国とも締結されていない。
【図表 8 日本との協定締結状況】
投資協定(7 カ国)
租税協定
(16 カ国)
社会保障協定
中国、ベトナム、シンガポール、パキスタン、ロシア、トルコ、
エジプト
中国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、シンガポール、マ
レーシア、フィリピン、パキスタン、ロシア、ブラジル、メキシ
コ、アルゼンチン、トルコ、アラブ首長国連邦、南アフリカ
-
(出典:外務省)
f. 進出日本企業数
2001 年、2010 年の進出日系企業数を図示したのが図表 9 である。
これによると、2001 年と比較して 2010 年での中国の伸びは 2 倍以上、数では 5000 社超
が進出しており、伸び率及び進出数ともに、日系企業の進出先として圧倒的であることが
確認される。続くタイ・シンガポールも堅調に伸びており、1000 社以上の日系企業が進出
するなど、堅調に推移している。
他方で、ベトナム・インドは、2001 年時点と比較して、2010 年の進出件数が 3 倍以上、
ともに 400 社を超える日系企業が進出するなど、この 10 年での伸びが著しく、近年日系企
業の進出が伸びていることが確認できる。
27
【図表 9 進出日本企業数(2001, 2010)
】
中国
5,345
2,066
タイ
1,128
1,675
1,025
799
シンガポール
773
654
マレーシア
692
528
インドネシア
ベトナム
454
158
フィリピン
425
334
インド
407
146
ブラジル
286
207
メキシコ
262
155
122
27
ロシア
アラブ首長国連邦
72
28
南アフリカ
56
36
アルゼンチン
39
26
トルコ
38
14
サウジアラビア
34
17
ベネズエラ
26
20
ペルー
20
13
パキスタン
15
12
エジプト
12
7
9
8
ナイジェリア
0
1,000
2,000
2010
3,000
4,000
5,000
6,000
2001
(出典:東洋経済「海外進出企業総覧」に基づき新日本有限責任監査法人作成)
28
g. 日本への評価
日本に対する対象国の評価を示したのが図表 10 である。
これによると、インドネシア及びフィリピンでは日本に対して肯定的な回答が 80%超と、
たいへん親日的な国家であることが確認できる。また、ブラジル、タイ、ナイジェリア、
ロシア、トルコ、ペルー、アラブ首長国連邦においても、肯定的な回答が 60%超となって
おり、比較的親日的であることがわかる。
他方、中国では否定的との回答が 70%を超えるなど、日本への評価は厳しい。また、メ
キシコでも 34%が否定的な回答となっている。しかし全般的にはその他の国では日本に対
して否定的な回答は 30%未満となっており、日本に対する評価は全般的にはよいものであ
ると考えられる。
【図表 10 日本への評価】
85%
7%
84%
12%
66%
16%
66%
20%
65%
14%
65%
7%
64%
21%
64%
10%
60%
14%
52%
14%
42%
5%
41%
17%
39%
13%
35%
14%
34%
15%
24%
34%
18%
71%
インドネシア
フィリピン
ブラジル
タイ
ナイジェリア
ロシア
トルコ
ペルー
アラブ首長国連邦
エジプト
サウジアラビア
南アフリカ
インド
アルゼンチン
パキスタン
メキシコ
中国
0%
20%
40%
肯定的
60%
80%
100%
120%
否定的
(出典:BBC Country Rating Poll を基に新日本有限責任監査法人作成)
29
2.1.3 各国データ
対象 21 カ国について、各国毎のデータ詳細を以下より記載する。
(1)中国
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
1,448 ドル (2010 年)
※乗用車シェア
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2010 年
2005 年
30
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
2,066 (2001) → 5,345 (2010)
・日本への評価に関する国民アンケート (2011)
:
肯定的:18%
否定的:71%
 外資・労働規制
・
「外国投資産業指導目録」
(2007 年 12 月 1 日施行・改正)により制限、禁止業種を指定。
・工商投資分野の重複を避けるため投資禁止リスト(99 年 9 月~)を発表。
・合弁企業は、外国投資者の出資比率が 25%以上。25%を下回る場合、法律、行政法規に
別途規定がある場合を除き、いずれも現行の外商投資企業設立の審査認可及び登記手続に
従って審査認可と登記を行わなければならない。
 FTA 締約国
アジア
ASEAN、香港、マカオ、シンガポール、パキスタン、APTA、ECFA
北米・南米
チリ、ペルー、コスタリカ
欧州
ノルウェー、スイス(共に交渉中)
オセアニア
NZ、オーストラリア(交渉中)
アフリカ
-
 日本との協定締結状況
投資協定
○
租税協定
○
 犯罪率
殺人件数:1.1 /10 万人(2008)
31
社会保障協定
-
(2)インド
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
800 ドル(2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
32
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
146 (2001) → 407 (2010)
・日本への評価に関する国民アンケート(2011) :
肯定的:39%
否定的:13%
 外資・労働規制
・ネガティブ・リストにより外国直接投資が禁止・規制されている業種・形態、上限出資
比率がある業種、外国投資促進委員会(FIPB)の個別認可が必要な業種などが規定されて
いる。
・外国直接投資はネガティブリストに該当しなければ、出資比率 100%までの直接投資が自
動認可される。
 FTA 締約国
アジア
日本、ASEAN、APTA、ブータン、アフガニスタン、マレーシア、
ネパール、シンガポール、スリランカ、韓国、SAFTA、SAPTA、
BIMSTEC(交渉中)
北米・南米
チリ、メルコスール
欧州
EC(交渉中)
、EFTA(交渉中)
オセアニア
-
アフリカ
SACU(交渉中)
その他
GSTP
 日本との協定締結状況
投資協定
-
租税協定
○
 犯罪率
殺人件数:3.4 /10 万人(2008)
誘拐件数:2.1/10 万人(2006)
33
社会保障協定
-
(3)インドネシア
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
1,670 ドル (2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
2005 年
34
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
528 (2001) → 692 (2010)
・日本への評価に関する国民アンケート (2011)
:
肯定的: 85%
否定的:7%
 外資・労働規制
・投資禁止/規制業種の一覧を改めた 2010 年ネガティブリストにて、20 種の事業分野につ
いて外国投資ばかりでなく内国投資も禁止している。
・ネガティブリストには内資 100%に限られる事業分野(外国投資が禁止される分野)も挙
げられている。
・外国企業はインドネシア進出にあたって、インドネシア企業との合弁(進出方式により
外資の出資比率規制あり)
、あるいは外資 100%出資、のいずれも選択できる。
 FTA 締約国
アジア
日本、ASEAN-中国、ASEAN-インド、ASEAN-韓国、AFTA
北米・南米
-
欧州
EFTA(交渉中)
オセアニア
ASEAN-豪-NZ
アフリカ
-
その他
GSTP
 日本との協定締結状況
投資協定
-
租税協定
○
 犯罪率
殺人件数:8.1 /10 万人(2008)
35
社会保障協定
-
(4)ブラジル
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
6,425 ドル (2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
2005 年
36
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
207 (2001) → 286 (2010)
・日本への評価に関する国民アンケート(2011) :
肯定的: 66%
否定的:16%
 外資・労働規制
以下の業種に外資が参入することは禁止または規制や出資比率制限がある。
【原則禁止】
・核エネルギー開発関連
・保健医療サービス、
・郵便・電報業
・航空宇宙産業
【規制あり(出資比率制限等)
】
・テレビ、ラジオ、新聞の経営・所有
・国内航空業、
・CATV
・金融機関、
・国境周辺での活動
・沿海輸送サービス
・鉱物・水資源の開発・調査
 FTA 締約国
アジア
メルコスール―インド
北米・南米
LAIA、メルコスール
欧州
-
オセアニア
-
アフリカ
-
その他
GSTP、PTN
 日本との協定締結状況
投資協定
-
租税協定
○
 犯罪率:殺人件数:22.7 人/10 万人(2009)
37
社会保障協定
-
(5)ロシア
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
5,101 ドル (2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2010 年
2005 年
38
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
27 (2001) → 122 (2010)
・日本への評価に関する国民アンケート (2011)
:
肯定的: 65%
否定的:7%
 外資・労働規制
・特定産業(軍需工業、旅客航空業、保険業、地下資源の開発など)については、外国企
業による事業(活動)が禁止されている。
・私有化への参入、外資の出資比率、役員等の国籍要件などに制限がある。
・ただし特定産業以外は、外国投資法において、100%外資出資の現地法人設立が可能。
 FTA 締約国
アジア
-
北米・南米
-
欧州
アルメニア、グルジア、キルギス共和国、ウクライナ、EFTA-ロ
シア・べラルーシ・カザフスタン(交渉中)、CEZ、CIS、EAEC
オセアニア
-
アフリカ
-
 日本との協定締結状況
投資協定
○
租税協定
○
 犯罪率
殺人件数:11.2/10 万人(2009)
誘拐件数:0.5/10 万人(2008)
39
社会保障協定
-
(6)南アフリカ
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
4,214 ドル
(2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2005 年
2010 年
40
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
36 (2001) → 56 (2010)
・日本への評価に関する国民アンケート (2011)
:
肯定的:41%
否定的:17%
 外資・労働規制
・銀行/保険などの金融業は政府認可が必要。
・外国人による新設銀行の株式保有は 15%に制限
・通信事業は南ア通信規制局、鉱業は鉱業省の認可が必要。
・一部業種を除き、合弁企業設立の際、その出資比率に関する規制なし。
 FTA 締約国
アジア
インド―SACU
北米・南米
-
欧州
EC、EDTA-SACU
オセアニア
-
アフリカ
SACU、SADU
 日本との協定締結状況
投資協定
-
租税協定
○
 犯罪率
殺人件数: 33.8/10 万人(2009)
41
社会保障協定
-
(7)トルコ
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
7,427 ドル
(2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2010 年
2005 年
42
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
14 (2001) → 38 (2010)
・日本への評価に関する国民アンケート (2011)
:
肯定的:64%
否定的:21%
 外資・労働規制
・原則すべての業種・分野が外資に解放。
・ただし、放送メディア分野における外資比率は最大 25%。また、民間航空、国内海運、
港湾業務、大学以外の教育システムでは最大 49%に制限されている。
・鉄道輸送インフラ部門は、トルコ国有鉄道協会のみが運営でき、漁業(除く生産)には
外資参入は認められていない。
 FTA 締約国
アジア
-
北米・南米
チリ
欧州
EC、ECO、EFTA、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、
クロアチア、マケドニア、グルジア、モンテネグロ、セルビア
オセアニア
-
アフリカ
エジプト、モロッコ、チュニジア、シリア、ヨルダン、パレス
チナ、イスラエル
その他
PTN
 日本との協定締結状況
投資協定
○
租税協定
○
 犯罪率
殺人件数: 3.3/10 万人(2009)
誘拐件数:14.2/10 万人(2008)
43
社会保障協定
-
(8)ナイジェリア
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
664 ドル (2010 年)
※データなし
テレビシェア(2005 年・2010 年)
小売シェア(2005 年・2010 年)
※データなし
2005 年
44
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
8(2001 年) → 9(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2011) :
肯定的:65%
否定的:14
 外資・労働規制:
・ 禁止業種は次の 4 業種。
1.武器・弾薬等の製造業
2.麻薬および向精神薬の製造・販売業
3.軍、警察、税関、入国管理局、刑務所用制服・装具製造業
4.国内水路を利用した船舶輸送
・外資出資比率に関する制限は特にない。
 FTA 締約国
アジア
-
北米・南米
-
欧州
-
オセアニア
-
アフリカ
ECOWAS
その他
GSTP
 日本との協定締結状況
投資協定
-
租税協定
-
 犯罪率
殺人件数: 12.2/10 万人(2008)
45
社会保障協定
-
(9)タイ
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
2,612 ドル
(2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2010 年
2005 年
46
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
1128(2001 年) → 1675(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2010) :
肯定的:66%
否定的:20%
 外資・労働規制
•
外国人事業法に基づき、規制業種 43 業種への外国企業(外国資本 50%以上)の参入が
原則禁止・規制される。
•
原則として外国人(法人を含む)は土地取得不可。しかし BOI 奨励企業や、工業団地公社
(IEAT)認定企業は、土地取得可能。
•
外国企業の最低資本は 200 万バーツ以上。タイ企業は最低資本の規則はない。
 FTA 締約国
アジア
日本、ラオス、ASEAN-日本、ASEAN-中国、ASEAN-インド、
ASEAN-韓国、AFTA、BIMSTEC(交渉中)
北米・南米
-
欧州
-
オセアニア
豪、NZ、ASEAN-豪-NZ
アフリカ
-
その他
GSTP
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
-
○
 犯罪率
殺人件数: 5.3/10 万人(2010)
誘拐件数:0.0/10 万人(2006)
47
社会保障協定
-
(10)ベトナム
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
782 ドル (2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
2005 年
48
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
158(2001 年) → 454(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート :
データなし
 外資・労働規制
•
2006 年 共通投資法と統一企業法(2006 年 7 月 1 日より施行)が 2005 年 11 月に国会
を通過。以後、外国投資資本を有する投資案件や国内資本を有する投資案件は両法を準
拠法とする。
•
100%外国投資が認められない分野の事業は外国人投資家の出資比率が定められている。
•
外資系企業は、投資案件の実施にあたり土地を所有することは認められず、ベトナム政
府から土地を賃貸する形になる。
ベトナムは、2007 年 1 月に正式に WTO に加盟。これにより、それまで規制分野であった
金融・商業・運輸などのサービス分野の多くが、加盟後 5 年以内に開放されることとなっ
た。
 FTA 締約国
アジア
日本、ASEAN-日本、ASEAN-インド、ASEAN-中国、ASEAN
‐韓国、AFTA
北米・南米
-
欧州
-
オセアニア
ASEAN-豪-NZ
アフリカ
-
その他
GSTP
 日本との協定締結状況
投資協定
○
 犯罪率
租税協定
○
殺人件数: 1.6/10 万人(2008)
49
社会保障協定
-
(11)シンガポール
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
15,652 ドル (2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
2005 年
50
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
799(2001 年) → 1025(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート :
データなし
 外資・労働規制
•
外国資本によるシンガポールへの投資を奨励しており、投資優遇策に関しても外国資本
と国内資本との間に差を設けていない。したがって、外国資本による事業所有に関して
も、国家の安全保障に係わる公益事業、メディア関係等の一定の分野を除いて制限はな
い。ただし水道事業については公営企業に限定されており、武器・弾薬等の製造に関し
ては政府のみが行っている。
•
国家の安全に関わる特定の部門を除き、外国資本による全額出資が原則認められている。
 FTA 締約国
アジア
日本、ASEAN-日本、ASEAN-インド、ASEAN-中国、ASEAN
‐韓国、AFTA
北米・南米
-
欧州
-
オセアニア
ASEAN-豪-NZ
アフリカ
-
その他
GSTP
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
○
○
 犯罪率
殺人件数: 0.5/10 万人(2009)
誘拐件数:0.0/10 万人(2006)
51
社会保障協定
-
(12)マレーシア
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
4,345 ドル
(2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2005 年
2010 年
52
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
654(2001 年) → 773(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート :
データなし
 外資・労働規制
•
原則、民間企業に対する外国資本出資比率は、所轄官庁のライセンスや許認可に課され
た出資条件による。
•
土地・不動産の所有に関しては州当局の認可を得て、土地の登記を行う。住宅に関して
は、外国人個人の登記も認められているが、商業物件、工業用地、農業用地は、現地法
人を設立し、登記しなければならない。
•
その他、1)1975 年工業調整法(「ICA」)に則った製造業ライセンスの取得、2)競争法
2010 年
(Competition Act 2010) がある。
 FTA 締約国
アジア
日本、インド、パキスタン、AFTA、ASEAN-日本、ASEAN-中
国、ASEAN インド、ASEAN-韓国
北米・南米
-
欧州
-
オセアニア
ASEAN-豪‐NZ、豪(交渉中)
アフリカ
-
その他
GSTP
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
-
○
 犯罪率
殺人件数: 2.3/10 万人(2006)
53
社会保障協定
-
(13)フィリピン
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
(万人)
12,000
10,000
人
数
8,000
6,000
富裕層(35千ドル以上)
6%
+483万人
2%
48%
中間層(5千~35千ドル)
68%
+3,086万人
4,000
2,000
50%
0
2010
低所得層(~5千ドル)
25%
-1,896万人
2020
2010年
2020年(見込)
人口
0.94億人
(2000年比+20.7%)
1.10億人
(2010年比+17.9%)
実質GDP
(1人あたり)
1,290億ドル
(1,383ドル)
4.0%(15年予測成長率)
※人口100万人以上の都市数:2(2010)→4(2020)
消費額(一人平均)
:
1,506 ドル
自動車シェア(2005 年・2010 年)
(2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
54
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
334(2001 年) →
425(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2011) :
肯定的:84%
否定的 12%
 外資・労働規制
•
外国資本の投資が規制・禁止される業種は、1991 年外国投資法の規定に従い定期的に
改定される『ネガティブリスト』に記載される。
•
ネガティブリストでは外資出資比率が制限される業種が記載されている。なお、ネガテ
ィブリストの出資規制業種に該当しなければ、外国資本の出資比率の上限規制はない
(100%外資可能)。但し建設業など、免許の取得が別途必要な業種・業界の場合、外資
制限が課されるケースもあるため、別途事前確認が必要である。
•
外国企業、および外国人による土地の所有は認められていない。
 FTA 締約国
アジア
日本、AFTA、ASEAN-日本、ASEAN-韓国、ASEAN-中国、
ASEAN‐インド
北米・南米
-
欧州
-
オセアニア
ASEAN-豪‐NZ
アフリカ
-
その他
GSTP、PTN
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
-
○
 犯罪率
殺人件数: 5.4/10 万人(2009)
誘拐件数:0.0/10 万人(2008)
55
社会保障協定
-
(14)パキスタン
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
785 ドル (2010 年)
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
※データなし
※データなし
56
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
12(2001 年) →
15(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2011) :
肯定的:34% 否定的 15%
 外資・労働規制
•
規制業種・禁止業種は製造業・工業部門、非製造業部門、禁止される工業部門
•
外国人の土地の購入は政府の許可を必要とされている。また外国企業は、SECP(証券
取引委員会)に登録した場合、可能となる。
•
パキスタン政府の現行投資政策の通り、外国投資が認められている製造業部門への投資
金額の下限、もしくは制約はない。ただし、非製造部門(サービス、インフラ、及び社
会部門)については制約がある。
•
自動車分野では、現地生産が可能な部品には高関税が適用されている。
 FTA 締約国
アジア
中国、マレーシア、スリランカ、SAFTA、SAPTA
北米・南米
-
欧州
-
オセアニア
-
アフリカ
ECO、GSTP、PTN
その他
GSTP、PTN
 日本との協定締結状況
投資協定
○
租税協定
○
 犯罪率
殺人件数: 7.3/10 万人(2009)
57
社会保障協定
-
(15)アラブ首長国連邦(UAE)
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
(万人)
1,200
富裕層(35千ドル以上)
1,000
+390万人
800
人 600
数
400
中間層(5千~35千ドル)
99%
-21万人
95%
200
0
低所得層(~5千ドル)
5%
2010
-0.4万人
1%
2020
2010年
2020年(見込)
人口
752万人
(2000年比+47.4%)
918万人
(2010年比+22.2%)
実質GDP
(1人あたり)
n.a
(n.a)
4.8%(15年予測成長率)
※人口100万人以上の都市数:1(2010)→2(2020)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
22,406 ドル (2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2010 年
2005 年
58
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
28(2001 年) →
72(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2008) :
肯定的:60%
否定的:14%
 外資・労働規制
•
会社法によって、外国企業には一定の制限が加えられる。
•
現地法人設立の場合、外国資本の出資比率は最大で 49%に制限されている。ただしフ
リーゾーンでは外国資本 100%の企業設立も可能。
•
外国人は土地所有が制限されている。
 FTA 締約国
アジア
GCC‐日本(交渉中)
北米・南米
-
欧州
GCC‐EFTA(交渉中)
オセアニア
GCC-豪(交渉中)
アフリカ
GCC
その他
PAFTA
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
-
○
 犯罪率
殺人件数: 0.8/10 万人(2006)
誘拐件数:22.9/10 万人(2006)
59
社会保障協定
-
(16)サウジアラビア
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
(万人)
4,000
富裕層(35千ドル以上)
+1,606万人
3,000
人 2,000
数
1,000
74%
37%
中間層(5千~35千ドル)
-765万人
61%
低所得層(~5千ドル)
26%
0
-31万人
2%
2010
2020
2010年
2020年(見込)
人口
0.28億人
(2000年比+37.0%)
0.34 億人
(2010年比+22.0%)
実質GDP
(1人あたり)
2,587億ドル
(9,425ドル)
4.6%(15年予測成長率)
※人口100万人以上の都市数:4(2010)→5(2020)
消費額(一人平均)
:
5,318 ドル
自動車シェア(2005 年・2010 年)
(2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
2005 年
60
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
17(2001 年) →
34(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2006) :
肯定的:42%
否定的:5%
 外資・労働規制
•
規制・禁止業種(ネガティブリスト):製造業分野、サービス分野の一部
•
外資 100%での現地法人設立も可能。卸売業および小売業に関する外資の上限出資比率
は 2008 年末に 75%に引き上げられた。通信分野は、2008 年は 60%となっている。
•
外国人投資家は、ライセンス当局の承諾を得ることを条件に、当該投資家に許可された
専門的、技術的または経済的な活動遂行に必要な不動産(土地含む)を所有することが
できる。
•
金融業と通信業を除くサービス業では外国企業が参入する際の最低資本金の規定はな
い。
•
外国投資法内に細かい規制がある。
 FTA 締約国
アジア
GCC‐日本(交渉中)
北米・南米
-
欧州
GCC‐EFTA(交渉中)
オセアニア
GCC-豪(交渉中)
アフリカ
GCC
その他
PAFTA
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
-
-
 犯罪率
殺人件数: 1.0/10 万人(2007)
誘拐件数:0.1/10 万人(2008)
61
社会保障協定
-
(17)エジプト
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
2,123 ドル
(2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
小売シェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2005 年
2010 年
2010 年
62
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
7(2001 年) → 12(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2011) :
肯定的:52% 否定的:14%
 外資・労働規制
•
規制業種・禁止業種:商事代理業務及び輸入業等
•
100%まで出資可能。
•
投資保護・優遇措置法(97 年法律 8 号)は出資者の国籍・居住地出資比率にかかわら
ず会社・組織の活動に要する建築用地と建物所有の権利を与えている。
 FTA 締約国
アジア
-
北米・南米
-
欧州
トルコ、EC、EFTA
オセアニア
-
アフリカ
COMESA
その他
GSTP、PAFTA、PTN
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
○
-
 犯罪率
殺人件数: 1.2/10 万人(2009)
誘拐件数:0.1/10 万人(2008)
63
社会保障協定
-
(18)メキシコ
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
5,823 ドル
(2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2010 年
2005 年
64
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
155(2001 年) → 262(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2011) :
肯定的:24% 否定的:34%
 外資・労働規制
•
規制業種あり。
•
規制業種を除く一般業種では外資を内国民待遇とし、100%まで参加できる。
•
外資による不動産の取得は一部規制はあるものの、原則可能。
•
資本金に関する規制はない。
 FTA 締約国
アジア
日本、韓国(交渉中)
北米・南米
チリ、コロンビア、コスタリカ、エルサルバドル‐グアテマラ‐
ホンデュラス(Northern Triangle)
、ニカラグア、LAIA、NAFTA
欧州
EC、EFTA
オセアニア
-
アフリカ
イスラエル
その他
GSTP、PTN
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
-
○
 犯罪率
殺人件数: 18.1/10 万人(2010)
誘拐件数:0.7/10 万人(2008)
65
社会保障協定
-
(19)アルゼンチン
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
5,121 ドル
(2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2010 年
2005 年
66
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
26(2001 年) →
39(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2007) :
肯定的:44%
否定的:17%
 外資・労働規制
•
外国投資法(法律第 21,382 号)に定められる。
•
原則として外資も内資と同等の位置づけにある。外国投資家は事前承認を得ることなし
に、国内居住の投資家と同条件で投資を行うことができ、原則として出資比率に関する
規制はない。
•
原則として外資の土地所有を制限する項目はないものの、不動産の開発、取得、賃貸借
に関連する事業活動は、主として民法によって規制されており、ほかに州及び地方自治
体の両方が出す規制、承認、個別許可も別途存在する可能性もある。
•
外資の最低資本金等の規制はない。
•
国産化率に関する規定はない。
 FTA 締約国
アジア
MERCOSUR-インド
北米・南米
MERCOSUR、LAIA
欧州
-
オセアニア
-
アフリカ
-
その他
GSTP
 日本との協定締結状況
投資協定
-
租税協定
○
 犯罪率
殺人件数: 5.5/10 万人(2009)
67
社会保障協定
-
(20)ベネズエラ
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
7,493 ドル
(2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2005 年
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
2010 年
2005 年
68
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
20(2001 年) →
26(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート :
データなし
 外資・労働規制
•
「ベネズエラ・ボリバル共和国憲法」第 301 条には内・外資とも平等に扱うよう謳われ
ている。国や内資企業に留保される分野以外は、基本的に参入規制はない。石油および
石油化学分野などは参加比率などに関し規制がある(参入自体に規制が存在するわけで
はない)
。
•
出資比率: 50%未満:石油、石油化学部門。内資に留保:テレビ、ラジオ放送、および弁
護士等
•
外国企業の不動産所有に関する制限はない。ただし、国境、軍事施設、海岸付近など安
全保障上の理由から、あるいは環境上の理由から制限される場合あり。
•
自動車について国産化率の規定有り。
 FTA 締約国
アジア
-
北米・南米
LAIA
欧州
-
オセアニア
-
アフリカ
-
その他
GSTP
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
-
-
 犯罪率
殺人件数: 49/10 万人(2009)
69
社会保障協定
-
(21)ベル―
所得階層別比率
人口構成(2011 年)
消費額(一人平均)
:
自動車シェア(2005 年・2010 年)
3,286 ドル
(2010 年)
2005 年
テレビシェア(2005 年・2010 年)
2010 年
小売シェア(2005 年・2010 年)
※データなし
2005 年
70
2010 年
 日本との関係
・進出日本企業数(現地法人数) :
13(2001 年) → 20(2010 年)
・日本への評価に関する国民アンケート(2011) :
肯定的:64% 否定的:10%
 外資・労働規制
•
規制業種:電力事業、兵器製造業
•
外資出資比率に関する規制はない。ただし、放送業と航空業には例外規定あり。
•
土地所有は外国法人・非居住人にも内国人待遇が原則保障されている。国境線 50km 以
内は原則禁止。
•
登録資本の最低 25%の払い込みが必要。
•
現行 93 年憲法が外資に対する内国人待遇を保証。国産化率、現地調達義務、輸出義務、
国内販売規制など外資規制は存在しない。
 FTA 締約国
アジア
日本(交渉中)
、中国、韓国、シンガポール
北米・南米
カナダ、チリ、米国、コスタリカ(交渉中)、パナマ(交渉中)
、
CAN、LAIA
欧州
EFTA
オセアニア
-
アフリカ
-
その他
GSTP、PTN
 日本との協定締結状況
投資協定
租税協定
-
-
 犯罪率
殺人件数: 5.2/10 万人(2009)
誘拐件数:0.4/10 万人(2004)
71
社会保障協定
-
2.2
3 カ国の国別詳細情報
本項では、企業が注目する中国、インド、ブラジルについて、貿易投資上の問題点と、
それに関する相手国に対する要望を、日本機械輸出組合が事務局となっている貿易・投資
円滑化ビジネス協議会が作成した「各国・地域の貿易・投資上の問題点と要望(2011 年版)
」
を利用して整理した。
(1)中国における貿易・投資上の問題点と要望
問題点
問題点の内容
要望
1.利益回収
・無形資産など、輸入代金以外の費用に対する外貨
・外貨管理規制の緩和、外貨管
の費用回
支払いが困難。
理の自由化、外貨送金の基準緩
収困難
・現法負担の経費の立替をした場合や指導等役務提
和。
供を行なった場合にその回収が困難。
・税務署の納税受付期間の廃止
・日本あてに役務契約の支払い送金を行う際、納税
または拡大。
証明書の取得が義務付けられる事が多いが、納税証
・税務署の事務処理迅速化。
明書の取得手続きが煩雑。また、証明書の受付期間
・地域間での取り扱いのバラツキ
が限定されており、送金に時間がかかる。
廃止。
・ライセンス技術供与におけるロイヤルティ金額の政
・事実上のロイヤリティ送金規制
ィ支払いの
府規制がある。当初の予想のロイヤリティ金額より実
の撤廃。
外貨送金
績が多くなると、再度当局の批准が必要で、手続きが
・ロイヤリティ支払いに関する個
規制
面倒(実質不可能)。
別の送金を停止する運用の廃
・明文の規制は無いが、行政指導による事実上のロ
止。
1 無形資産
2 ロイヤルテ
イヤリテイ送金規制がある。
・現地子会社に対する技術ライセンスのロイヤルティ
について、税務局が日本への送金を認めないことが
ある。
3 コミッション
・上海市のみコミッション料の送金を認めない。
料の送金
・コミッション料の送金の早急な
認可(上海市)。
規制
・商務局からロイヤリティ料率の低減を求められる。
・審査認可を必要としない技術輸
ヤルティ率
結果的に料率を変更させられた例はないが、当局交
入に関して法令通り運用し、事実
に関する
渉に時間がかかる。
上の審査を廃止。
4 技術ロイ
政府の介
入
72
問題点
問題点の内容
要望
・配当、ロイヤルティの中国から日本への送金に伴
・法制度の確立とその厳格な運
い、当局による不当な課税要求。
用。
6 非貿易取
・中国国外からの生産設備輸入や生産技術移転にあ
・海外送金申請の簡素化または
引に係る
たって、一定額以上の非貿易取引に関する海外送金
事後申請の許可。
海外送金
については、事前に税務局の対外支払納税証明を取
※移転価格税制と二重管理にな
規制
得する必要があり、送金に時間がかかる。送金額の
っていると思われるため、従来制
引き下げを求められたこともある。
度は見直しが必要。
・非貿易(技術委託料など)の送金方法が煩雑。
・貿易(通関)をしなくても送金が
5 配当、ロイ
ヤルティ送
金への不
当な課税
要求
スムーズにできるように規制の撤
廃。若しくは簡略化。
7 売掛金の
回収遅延
・中国国内顧客に銀行送金で現金決済を行う場合、
・売掛金の回収が遅れるので、
現物の輸入証明が必要となるため、商品が中国に輸
改善を希望。
入される場合、商品が中国に入るまで買主が売主に
購入費を送金できない。
2.為替管理
1 外貨送金
規制
・日中の法人間で費用請求が出来ないケースがあ
・外貨送金の自由化もしくは規制
る。地域によって取扱が分かれるケースもある。個別
緩和、外貨送金手続きの簡素
対応が多い。
化。
・中国へ送金する場合、すべての輸出受取外貨はオ
・信用金庫取引先規模レベルに
ンライン照合審査を受け、輸出外貨受取限度額の範
よる優遇策の適用(規制対象外
囲で外貨経常口座への振替。
としてほしい)。
・人民元転が可能なため、入金遅延が発生する可能
・煩雑な送金に係る手続きの改
性がある。
善。
・外貨送金が難しい。通関を経たインボイスの送金し
・一括通関に関する通関単に係
かできない。
る規制の緩和・印刷物の輸入権
・海外への送金手続きが煩雑。少しでも税金を徴収で
限の緩和。
きるよう強引に取引の定義を拡大解釈する。
・海外送金の規制緩和。
・輸送会社が一括通関を行うと、受領人名義の通関
単がないため外貨送金が出来ない。
・印刷物には特別の輸入権限が求められ、会社定款
に印刷物輸入が規定されていない当社は印刷物の
輸入者となれない。
73
問題点
問題点の内容
要望
・当社から中国子会社に中国国内の会社へ製品を納
品するよう発注したいができない。製品の販路と送金
の経路が一致しないことから、日本からの送金を中国
子会社が受け取れないため。
・既存の人民元借入を外貨借入により返済することの
・既存の人民元借入の外貨借入
人民元立
禁止(外為管理規定に規定)。
による返済の許可。
替払費用
・現地法人の立替金の外貨送金禁止。
・立替金の外貨送金認可(中国
の禁止
・人民元建ての立替金の外貨での回収不可。
全土)。
・契約を締結した上で、サービスフィー等の名目で回
・人民元立替の容認、外貨送金
収する場合は、別途営業税が課税される。
の簡素化。
・金銭のやり取りが煩雑なため、回収が困難。
・外貨送金の基準緩和。
2 外資受領
3 送金手続
煩雑化・遅
・現法が輸入代金を支払う際にも送金手続きが煩
延
雑。都度、外貨管理局の確認が必要。
・海外企業に対する債権債務に関する債権債務の相
・外貨管理の簡素化。
相殺取引
殺ができない。
・グループ金融会社とグループ会
の不可
・為替予約が認可されていない。
社との間の先物取引に関する規
グループ金融会社がグループ会社との間で行う先物
制緩和。
4 為替予約・
予約が認可されない。
74
問題点
問題点の内容
要望
・外貨管理面での規制が多すぎる。例えば、外債枠
・規制の撤廃・緩和。外貨管理局
規制の厳
規制、対外送金上の各種規制(90 日ルール、前払、
による審査の迅速化。
格
延払での枠管理規制等)。
・外貨管理の簡素化、規制緩和
・輸出入取引に付随する外貨の前受け/前払い/延べ
をお願いしたい。
払い/延べ受けに対して外貨管理局への登録および
・外貨送金が容易にできるように
承認をうける必要があり煩雑。
してほしい。
・外国からの海外送金・受取に制約が厳しい。輸出入
・非貿易送金 3 万ドル以下の場
通関した貨物の代金しか外貨支払いできない。貿易
合は市の税務局への支払先の
外取引の対外支払いは原則禁止(個別認可)。
届出不要にする。
・海外で発生した費用の請求を外貨で行うのに中国
・江蘇省天津市にて従来通り外
子会社が直接外貨支払いできない。また相殺取引が
貨建て支払いを可能とすること。
できない。
・外資企業に対する外貨送金の
・外資貿易商社が輸入者となる場合は通関単が取れ
原則自由化と手続きの簡素化を
てからしか外貨送金が出来ない。
強く要望する。
・海外送金の受益所有者認定の厳格化により、日本
・外為の原則自由化(日本並み
の本社子会社から人員派遣した場合の支払に関し、
に)。
市の税務局へ支払先の届出・承認が必要。併せて業
・全国一律の運用。
5 外貨管理
務委託契約の締結が必要。
・江蘇省・天津市では外貨建て給与振込が不可へと
規制が厳格化。
・国家外貨管理局による外貨支払・受取規制の厳格
な運用により、人民元転や立替払い費用の外貨送金
など様々な場面において煩雑な手続きなどにより不
便を強いられている。
・外為取引において、費用増加、業務増加等、効率面
で問題がある。例えば、物品の移動を伴わない金の
やり取りに制限が多い、支払と受取の相殺が出来な
い、都市により法の運用に差がある、等。
・ 配当金に対して送金時に企業所得税の源泉徴収
が必要。
75
問題点
問題点の内容
要望
・輸入延払い外貨管理では、前年度輸入額の一定比
・企業の実績に基づき輸入延払
延払にお
率(20%)の金額しか輸入延払いを認めない。
い金額の比率の増加ができるよ
けるユー
・合法的な対外支払いに対してまで規制があり、適用
うにすべき。
ザンス規
基準が担当者によって異なるなど不透明。
・貿易決済条件の自由化。
制強化
・外貨支払い規定(90 日ルール)により、輸入品輸入
・外貨支払い規定に関する 90 日
日から支払日までの期間が 90 日を越える場合は、外
ルールの撤廃。
貨管理局に許可申請が必要。この許可申請に時間と
・外貨管理局への許可申請必要
手間を要す。
期間の延長。
7 輸入代金
・企業が新たに締結した輸入契約において、延払条
・延払期日を自由に設定出来る
延払期日
項があり、実際に延払が発生した場合、延払期日ま
様にし、登記不要として欲しい。
の限定
でに延払登記手続きを行なわなければならない。
8 輸入代金
・前金取引額の規制による前金での出荷の一部不
6 輸入代金
前払規制
・前金取引制限の撤廃。
可。
の煩雑
9 許可不要
・従来 5 万ドル超の非貿易送金に納税準備が必要で
・従来通りの上限金額へと上限
上限金額
あったが、金額引き下げにより 3 万ドル超について納
金額の引き上げを希望。
の引下げ
税証明書類の提出が必要となった。
外貨の人
・資本金口座に入金した外貨の人民元への両替が簡
・資本金口座からの両替簡素
民元両替
単にできない。
化。
規制
・資本金の日本から中国への送金に伴う人民元転額
・外貨政策、人民元転換の規制
制限など、外貨から中国人民元への転換の規制が厳
緩和。
10
しい。
11
外貨の人
・福建省の農業銀行では、5 万米ドル相当/回・月し
・設立後 3 年間は、Feasibility
民元兌換
か両替を認めない。成都、西安でも月に両替できる回
Study (FS)の費用金額を限度と
上限金額
数が増える或は人民元資金が必要な証憑を提出す
して人民元への両替を認める制
の地域毎
れば両替を認めるなど対応がまちまち。
度の導入と文書による告知及び
銀行への徹底。
の相違
12
外資に対
・現地法人を立ち上げた後、追加資金が必要になっ
・外貨借入枠の撤廃。・制限額の
する外貨
た際、投資総額と資本金の差額(投注差)が外貨借
緩和。
借入枠規
入枠となり、日本の親会社が中国の現地法人に貸し
制
付けることのできる枠が規制されている。 尚、親会
社の保証による現地借入は外貨管理局への登記は
不要となり、投注差がなくとも借入は出来るようには
なったものの、万一現法が返済できずに親会社が保
証する場合は、投注差の範囲内でしか国外送金が認
76
問題点
問題点の内容
要望
めらない。
・中国外からの借入額については制限が設けられて
いるため、借入手段が限られる。
13
外貨借入
・外貨借入を実施し支払いに充当する際、使用使途
・借入実行時の手続きの簡素
手続の煩
が厳密に管理されており、その手続きが非常に煩
化。
雑
雑。また、借入実行時の手続き書類が膨大で手続き
が煩雑。
14
15
外貨管理
・中国では「施行細目」未決定のまま「法規・法令・通
・現実的な法規・法令・通達とし、
の急激な
達」が突然「公布・発令」され混乱する。
公布と発令の時間的猶予を考慮
変更
・出先の所轄官庁も「内容」について熟知精通してお
する。
らず官庁の末端や企業の現場は大混乱する。
・施行細目を早急に定め所轄官
・中国の外資企業には「資本金登録制度(資本金枠と
庁の末端への周知徹底を図る。
払込資本額の登録)」があり、緊急時には所謂「投注
・所轄官庁の末端には「公僕(サ
差」分しか本社から資金手当が出来ない仕組み。
ービス業)」教育を実施する。
人民元決
・人民元決済が部分的に解禁になったが、為替管理
・関連規定・手続きの速やかな作
済規制の
が自由化されていない中で未だ不透明な部分が残
成。
不透明
る。
・公開・外資企業も含めた実務上
・中国と香港・ASEAN における人民元建て貿易決済
の問題点にかかる対話の機会提
において、手続きの詳細や実務上の問題点等につき
供。
中国政府内、人民銀行および香港政府当局の連携
が取れておらず、実務上の対応が遅延。明文規定が
ない、或いは規定はあるものの運用に地域差がある
など、混乱を招いている。
16
為替損益
・一般貿易取引は、為替利益は当局が没収し、為替
徴収の不
損のみ当事者が負担する仕組み。
・為替管理法の改善。
合理
3.金融
1 人民元貸
・貿易決済に名を借りた投機資金の流入を防ぐため、
・投機資金の取り締まりは通常経
出規制
投資額に応じて融資枠が制限される所謂「投注差」の
済活動の外の特別法にて実施願
規制がある。
いたい。
・銀行業務許可取得会社以外は事業活動として直接
・資金融通の更なる自由化・規制
内直接融
金融(=貸付)を行うことができず、現地子会社間で
緩和が望まれる。
資の禁止
のグループ内融資等の自由な資金融通ができない。
・金利自由化(預金・貸付金)。
2 グループ
・グループ金融会社が直接行うグループ金融におい
て、グループ最適の金利設定ができない。
77
問題点
問題点の内容
要望
・金融機関において不渡り時の取引停止がない。企
不渡り時の銀行取引停止に係る
業が不渡りを出しても、銀行取引停止とならない
金融業界でのルール作成。
・外国本社の保証を担保に銀行から借入を行う場
・国内銀行からの借入だけでな
からの借
合、資本金と関連して借入上限額が制限される。これ
く、グループ企業からの借入につ
入上限規
に対して、外国本社の保証を担保に中国国内の銀行
いても、資本金と関連した借入金
制
から借入を行う場合、資本金と関連した借入上限額
上限を撤廃してほしい。
が撤廃されたが、グループ企業からの借入について
・中国国内の借入環境の改善。
3 不渡り時
の銀行取
引停止の
不実施
4 中国銀行
は上記上限規制がある。
・中国内の銀行サイドの問題(当局からの指導)のた
め、中国内での外貨借入環境が非常に厳しい。
5
・書面ではない窓口指導等で金融引締が実施される
・統一的な運用のためにも書面
措置実施
ことがある。契約を締結しているにも拘わらず、その
での規制実施とすることが必要。
の不透明
約定に基づく借入実施に制限をかける。
・契約締結済の資金移動につい
・金融機関に対する通達・口頭指導等により、貸付総
ては規制の対象外にするなどビ
量規制が行われる。
ジネスルールの遵守を希望。
金融引締
・金融自由化。
6 外債枠規
制
・海外から調達できる外債が枠管理されているため、
・外債枠規制を廃止するか大幅
海外から自由に資金調達することが困難である。
に緩和して頂きたい。(※現在は
規制緩和傾向にある。)
4.税制
・外資企業の企業所得税の税率が上がり、国内企業
・付加税は実際の増値税、営業
輸出企業
と並ぶ。又、従来国内企業にのみ課せられていた営
税の発生額により算出して欲し
への大幅
業税、増値税額の 7%都市建設税、同 3%の教育費
い。
増税
付加も今年より適用。更に 2%の教育費付加が省級
1 外資企業・
で徴収。輸出企業の場合増値税を本来支払わないが
みなし額により算出される。
・ハイテク企業に認定されると、会社を立地している
・ハイテク企業認定時に優遇税
定企業へ
市において法人税の軽減が享受できる規定があり、
制が享受できる条件を明示、公
の法人税
ハイテク企業認定後、納付済の税金について軽減分
開すること。
還付不実
の還付申請を続けていたが、一向に還付されず。立
施
地する地区により還付できない場合があるとのことで
2 ハイテク認
あったが、事前にはそのような条件はなかった。
78
問題点
問題点の内容
要望
3 高率の増
・弊社製品を現地へ輸出し、現地代理店へ販売し、現
・輸入品に対する課税制度その
値税賦課
地代理店が現地客先へその商品を販売する場合、販
ものを見直して、公平な競争が出
による競
売価格に対して増値税が加算される。
来るよう改善を希望する。
争力の低
・CIF RMB10,000 以上の商品に対して 20%の消費税
・消費税の削減。
下
がかけられる。
・外資企業への門戸開放に向
・クロックに関し、輸入税、付加価値税などの税制に
け、各種租税課金のさらなる低
より、採算が確保しにくい。
減。
・印刷機の部品として付加価値税(16%)がかかる。
・輸出の際の増値税の引下げ、・
・段ボールシートを輸出する場合、増値税 17%課税。
増値税の撤廃。
・日本で製造した 1 次加工品を中国でさらに加工販売
しようとした際に 17%の増値税がかかる。
4 保税取引
・保税取引品の関税・増値税の課税に関し、保税輸
品への増
入品の非輸出部分材料に対する課税対象価格査定
値税査定
の不公平。
の不公平
5 増値税還
・一旦 17%の増値税を納めその後還付にて 13%戻
・還付でなく差額のみの納税する
付制度の
される。
ように変更。
不合理
・増値税は本来全額還付されるべき。
・増値税の全額還付。
・増値税について、業種により実施還付率の廃止・引
・輸出に対する増値税の免税もし
出還付率
下げ。
くは全額還付。
の縮小・未
・本来中国国内での商品売買にのみ課されるのが増
・課税する場合は、還付率引き下
還付
値税であり、輸出商品については免税のはずが、支
げにおいて企業が対応できる十
払った増値税額が全額還付されない。
分な猶予期間を設けた上で実施
・日本から輸入する本社が所有権を有し、中国内の
する。
外注メーカーに無償貸与する金型の輸入に関する増
・中国生産拠点が自己資産とし
値税の還付が受けられなくなった。
て輸入し、貸与する場合は税還
・輸入時に支払った増値税は 5 年間預かり後、還付す
付を認められるようにしていただ
るはずだが実質不可能。
きたい。
7 増値税輸
・中国当局は段階的に輸出増値税の還付率引き上げ
・輸出製品への増値税課税を廃
出還付の
を行ってきている。しかし、エアコン、冷蔵庫等の白物
止してほしい。
品目格差
家電製品の還付率は 14%であり、依然として増値税
6 増値税輸
率 17%との差 3%が会社負担となっている。
79
問題点
問題点の内容
要望
8 輸出増値
・鉄鋼製品に対する輸出増値税の還付率が段階的に
・安定的な輸出政策の維持によ
税還付率
引き下げられてきたが、2008 年後半以降はこれまで
る輸出企業の混乱回避。
の不安定
の方針を一転させ、段階的に還付率引上げを実施。
2010 年、財政部は鉄鋼製品 48 品目(HS)で還付率
を撤廃。
9 増値税還
・増値税の還付時期が地域によってバラバラ。
付時期の
・増値税の還付時期の地域間で
の統一
地域差異
10
増値税の
・還付手続が煩雑。還付されるまでの期間が長い。
・還付手続の簡素化、明確化、還
納税・還付
・増値税申請および納税作業が煩雑。
付期間の短縮化。・増値税管理
手続の煩
・保税区は税関の解釈では国外扱いだが、税務局の
の簡素化。・入区時点での増値
雑・遅延
解釈では時として国内扱いとなる。この運用(解釈)の
税還付導入をしていただきたい。
相違により混乱並びに輸出規制をもたらしている。
・国内ベンダーから仕入れ輸出する場合、当社が保
税区にあるため、本来輸出と認められ、輸出増値税
の還付申告を行うことができるはずだが、税務局によ
っては、保税区企業を内地企業とし、還付は認めない
ケースがある。
・増値税還付導入遅れにより還付処理が煩雑であり
費用増となっている。
11
増値税発
・増値税発票は専用システムでの発行が必要だが、
・最低限 3 日程度の追加日(翌月
票システ
当該システムに追加日の概念がなく、当月の発行は
3 営業日程度)運用が望まれる。
ム運用の
当月最終日の 12 時迄にインプットする必要がある。
・期間延長(1 年程度)を希望する
不備
・増値税発票の仕入れ控除期間が 3 ヶ月と短い。(上
(上海)。
海)
12
増値税発
・内容訂正等により増値税発票に変更が生じる場合
・商売の実態に即した合理的な
票管理の
は、税務局に説明の上で承認を得て、オリジナル発
制度の構築、及び柔軟な窓口対
困難
票を取消し、再発行する必要がある。しかし売買取引
応が望まれる。
においては、納品数量の変更や間違い、返品が必ず
生じることから、税務局に対する説明の手間や時間を
考えると、実務面での負担が大きい。
80
問題点
13
14
問題点の内容
要望
増値税と
・様々な取引に付加価値税の増値税とサービス税の
・付加価値税などの税体系の変
営業税の
営業税が混在しており処理が複雑。
更が必要であり、税の徴収管理
混在
・海外との取引に伴う対価の支払時に営業税の二重
も含めての税体系を統一するこ
課税が発生している。
とにより企業及び国家も効率よく
・売りに関して、中国の税制(増値税、営業税)が分か
納付・管理が可能。
り難い。また、買いに関して、海外の顧客の場合、基
・営業税を付加価値税の範疇に
本的にはターンキー契約が殆どないので特に問題は
入れて税体系を再構築すると同
ないが、L/P 分は顧客手配だが、その分の保証につ
時に国税と地方税の税徴収体
いてもめることも多い。
制。
税法の解
・技術譲渡収入は営業税免税の筈だが、実態は地域
・技術譲渡契約に明記されてい
釈・制度運
税務局の見解次第。
る費用の営業税免除を要望す
用の恣意
・増値税未還付税率は製造原価に算入するルールだ
る。
性
が、地方税務局の運用で算入時期が度々変わる。
・国家統一のルールを浸透させ
・当地では短期滞在者免税が認められており、一定
てほしい。
用件を満たせば通常個人所得税はかからない。しか
・本件は中国当局の判断により
し、出張者の給与が、中国内の PE(恒久的施設)と
発生している問題であり、容易に
みなされる施設・業務内容により支払われている場
は解決しない問題であるが、対
合、課税義務が発生する。
応方法を立てるに当たり、他社の
・PE の認定は、税務当局の判断事項であるが、従来
状況も含め情報収集に努めて頂
PE 認定されていなかったものに対しても、PE 認定の
きたい。
上、過去に遡り課税される事態が発生。徴税に当たり
税務当局の法律解釈が恣意的に運用されている。
15
移転価格
・中国当局は移転価格税制の運用に際して、当社拠
・比較対象企業の選定には、製
税制の比
点の取引単位営業利益法による利益率の妥当性を
品のみでなく企業機能の類似性
較対象企
判断する比較対象企業選定時に、会社機能の類似
にも考慮してほしい。
業選定の
性を考慮していない。
不合理
16
移転価格
・一昨年来、移転価格調査の強化が謳われているに
・早急に実施細則の整備を進め
文書化の
も係らず、移転価格文書化の実施細則が未だ公布さ
ると共に、国際的な共通理解に
実施規則
れていない。調査開始から資料提出日までがかなり
基づく執行を行って頂きたい。
公布の遅
の短期間で、対応に困難を極めることがある。また、
れ
価格算定方法や利益率等の判断において、企業と税
務当局との間で見解の相違が多数発生する状況が
生じている。
81
問題点
17
問題点の内容
移転価格
・売上大の外国企業に対し徴税強化の通達が多い
税制の強
(現在コンサルティング会社が対応)。独自性、独立
化
性に要注意で、日本、中国の税務当局と綱引きであ
要望
る。
・移転価格税制(企業所得税)のリスクとして、
-利益率と関連会社間取引価格。
-ロイヤルティ否認の可能性(親子会社取引部分)。
18
日中二国
・移転価格税制における APA(事前協議)が、制度は
間の相互
あるものの、実態として進んでいない。
協議・APA
・営業税が、日中租税条約における外国税額控除の
制度の不
対象となっておらず、企業負担を強いられているた
活用
め、外国税額控除の対象として欲しい。
・税法の解釈が安定しない。担当者によって頻繁に判
断が変更される。税法以外の個別通達が多く、税務
局員ですら、最新通達を認識していないこともある。
19
出張者の
・親会社が中国子会社に対し技術支援のための役務
・日中租税条約に基づいた厳正
技術支援
提供を行うことが、親会社が中国に恒久的施設(PE)
な運用を求める。
対価支払
を有するとして、出張者に対して中国滞在日数分の
・中国の地域によって運用内容、
いへの PE
個人所得税を課税する動きがある。
ルールが異なっており、中央政
課税
・PE 課税強化について、特に華南地域では日中租税 府の通達が各地域に一律に適用
条約で規定されている内容を逸脱した独自解釈によ
され、運用されるように求める。
り課税されるケースが多い。
・シンガポールとの租税条約によ
・本社への赴任者賞与の送金(本社が一旦建て替え
り、条件を満たせば PE を構成す
日本口座へ入金、その後本社から請求を受け日本へ
るとは判断されないということが
送金)について、税務証明の取得が出来ず送金が一
明文化され、その他の国との租
時ストップした。PE でないかという疑義に端を発した
税条約条項にも実務執行的に適
処置と思われる。
用できるとの前文が明記された。
・従来の運用を根拠無く変更し、技術者派遣をコンサ
よって日系会社の出向者につい
ルティング役務の提供とみなし、PE 課税を課された。
てはこの点はクリアされている場
・ドメインから現地会社に様々な役務提供をしている
合がほとんどと考えられ、事前に
場合、税務当局はこれらを全て技術援助に基づくプロ
税務局へ説明・理解をして貰うこ
ジェクトと看做し PE 認定を主張。日本からの出張者
とにより、赴任者への PE に関す
について個人所得税の納税を求められる(広州)。
る調査等については今後、収束
・日中租税条約では、「6 ヶ月以上のコンサルタント役
するような方向へ持って行ってほ
務提供」が PE とみなされるが、こうした規定は主要先
しい。
82
問題点
20
問題点の内容
要望
進国との租税条約にはみられない。また、当該規定
・日中租税条約の運用の合理化
に基づく中国税務当局の運用においては、「1つのプ
および透明性のある運用また、
ロジェクト」があまりにも幅広く解釈されており、異なる
租税条約の改正を望む。当面
役務内容も1プロジェクトとみなされ、出張者の滞在
は、租税条約に基づく中国税務
期間を合算するため、容易に PE が認定される。
当局の運用の改善を望む。
現地駐在
・PE 認定課税のリスクがある(出向者給与に対する
・恒久的施設の拡大解釈を止め
員の給与
PE 認定の可能性)。税務局が日本本社へ送金してい 厳格に運用すること。
送金への
る事実を捕らえて、現地法人の利益のための業務で
・本来、プラント建設のための監
PE 課税
はないといった画一的な捉え方をして、PE 課税しよう
督活動など、当地に登記された
とする動きが多発している。
法人を持たずに活動を行ってい
・PE 認定課税のリスクがある(出張者の個人所得税
る存在に対しての制度のはずで
納税義務の可能性)。日本への送金にあたり、所得
あり、駐在者は適用外にしてもら
税納付済みの出向者人件費に源泉税を要求された。
いたい。
長期の交渉により納税回避。
・日本からの駐在者の活動を PE とみなすとの発言が
税務当局から繰り返し行われており、一部地域では
既に PE 認定、課税と言う動きになってもいる。他国で
の活動で PE 認定とされた例はない。
21
グループ
・グループ間取引の間接税(増値税・営業税)の免税
・グループ間取引の間接税の免
間取引へ
措置がなく、地域をまたがる社内取引にも増値税が
税措置の拡大をお願いしたい。
の間接税
課税されている。
免税措置
の不在
22
高い贅沢
・メイクアップ化粧品に関して、贅沢税が 30%かかる
税賦課
ため、輸入品、現地生産品とも消費者への提供価格
・税率の圧縮、撤廃を望む。
が高くなっている。又、事業収益を圧迫している。
23
国外での
・外国企業による中国国内企業の持分譲渡に関する
・外国企業の投資意欲を削ぐよう
間接出資
新たな通達が出された。中国国内企業の出資持分の
な通知は再考願いたい。また、運
持分に対
みならず、その持分を保有する中国国外の中間持株
用において課税判断を行う際に
する譲渡
会社の出資持分についても、申告を促し、当局が課
は、租税条約との整合を十分考
益課税
税を判断するとの内容。
慮していただきたい。
83
問題点
24
問題点の内容
要望
過剰な不
・大連市における固定資産税負担が大幅に増加。賃
・5%の営業税と合わせて賃貸収
動産課税
貸収入の 12%が税金として徴収されることとなった。
入の 17%が税金として徴収され
強化
従来外資企業には、建物取得価額をベースとする
ることになり、不動産賃貸事業と
「城市房地産税法」が適用されていたものが、当該税
して成り立たないレベル。現実的
法が廃止され、中国国内企業同様に賃貸収入をベー
な課税レベルへの引き下げを強
スとする「房産税法」に統一化されたことが背景。
く望む。
・上海市の税務規定おいて、不動産開発企業の出資
・国の税法・実施細則に則った課
持分譲渡を行った際に、不動産取引とみなし、土地増
税判断を強く望む。
値税(不動産の譲渡益課税)を課すとされている。国
が定めた税法・実施細則にはそのような定めは無く、
地方税とは言え、課税対象が拡大解釈されている。
25
土地使用
・2008 年頃に土地使用税が大幅に高騰し、経営を圧
・土地使用税の水準を 2007 年当
税の大幅
迫した。経済不況の影響もあり、2009 年 10%還元措
時に戻してもらいたい。
引上げ
置が図られたが、それでも城陽区の当工場の場合に
は現在土地㎡あたり 9 元の税金が課せられている。
26
適格合併
・中国の現物不動産を所有していた日本における
・100%子会社であれば外国法
の税務上
100%子会社を当社が吸収合併した際に、税務上は
人であっても適格合併の適用を
取扱の内
不動産の譲渡にあたるとされ、企業所得税、契約税
認める等国際税務の通例に即し
外差別
等の諸税が課された。外国法人の合併は税務上の
た法整備を望む。
適格合併ではないという扱い。昨年、企業再編税制
に係る一連の通知が公表されたが、従来どおり対象
は国内法人のみであり、外国法人の再編は課税とさ
れている。
27
企業所得
・福利厚生費に関して「給与+賞与の 14%を超える
・このような遡及適用などは影響
税の課税
部分」については企業所得税の課税対象であるが、
も大きく、節税対策を取ることも
対象範囲
福利費と認定される範囲が拡大されたため、上記限
出来ないため、発布に当っては
の拡大
度を超過する。また 1 年前に遡っての遡及適用のた
外資企業に十分に対話機会の提
め、対策・減税対策なども行えないまま課税額が増え
供や意見募集をして頂きたい。
税務コストが増加した。
28
29
営業税の
・営業税暫定条例の公布により、従来課せられていな
・一般的には輸出入取引におい
課税対象
かった日本への回線料、借入利息の支払いに課税さ
ては免税とされており、本件につ
の拡大
れるようになり、コストアップの要因となっている
いては免税として欲しい。
不合理な
・倉庫業においては、売上金額に 5%の営業税がか
・他業種と同様に借倉庫費など
営業税課
けられるので収益確保が困難。
経費を差し引いた利益に対して
税
の課税に変更を望む。
84
問題点
30
問題点の内容
要望
集団企業
・グループ内子会社は、設立当初の赤字から、黒字
下記いずれかの導入を希望。
の合算納
化していくので、時期によって損益の濃淡が出る。集
①グループ控除制度:グループ
税制度の
団企業の合算納税に関する現状の制度では、グルー
内の欠損会社の欠損金の全部
不足
プ内の利益調整と納税に関して投資性(持ち株)公司
又は 1 部をグループ内の利益会
の機能が果たせない。
社へ振替を認める。
②機関会社制度:株式法上の利
益移転契約(子会社の利益はそ
の年度に親会社に移転し、子会
社の欠損はその年度に親会社が
補てんする契約。5 年継続)を通
じて親子間の損益通算が実現す
る。
31
不当な徴
・税収減少を理由に、当社の中国関係会社に中国の
・より透明性のある税制の確立。
税
税局が突然税務調査に入り、不当と思われる追徴課
・不合理な徴税ノルマの廃止。
税を通達した。
・税制度の適正執行。
・内部予算ノルマ達成のため、本来受けられるべき権
・担当税務官の教育強化。
利が行使できない。弊所は日中租税条約上の非 PE
・税制通りに執行して、内部ノル
に該当する事務所であり、先日、非 PE 認定申請を行
マを企業に押し付けないように改
ったが、中国の制度上申請が認められているにもか
善していただきたい。
かわらず、その後口頭で不受理とされた。
・増値税の仕入控除残高があり、本来納税不要が、
税務局の内部ノルマのため、納税を要求してきたなど
予算外の支出になる。
32
一方的な
・法人所得税、営業税、関税、個人所得税等国税管
・新たな税法関連の法令公布、
徴税強
轄、地税管轄を問わず、一方的な(従来解釈の拡大、
従来解釈の変更等にあたって
化、遡及
変更を伴うものを含む)徴税強化の動きが顕在化して
は、施行前に外資企業が意見等
徴税
いる。中には改正法令の公布後、過去に遡及して徴
を述べる機会を提供(特に弊社
税されるものもあり、投資、現地生産環境への悪影響
所在地は「経済技術開発区」であ
が著しい。
り、投資環境の改善、透明性が
常に求められる地域と認識。)い
ただくとともに、透明性の高い形
で当局の統一見解を開示してい
ただきたい。
85
問題点
33
34
問題点の内容
要望
公路輸送
・トラック運送事業で国内物流が優遇されており、増
・自社車両・傭車に関係なく元請
発票の発
値税 7%の還付を受けることのできる公路輸送発票
けとしての契約があれば、公路
行基準の
発行金額枠が、自社車両保有台数で限定されてい
輸送発票の発行金額枠の改善を
不合理・解
る。当然傭車など多く使用する元請け事業での支障
望む。
釈の不統
になる。また金額枠においても各税務署で大きく見解
一
に相違がある。
税制・運用
・税制に関する法令や通達が頻繁に変更される。
・新税制導入、税制や税率変更
の頻繁な
・中央政府による税制・運用の変更が頻繁で地方各
に際しては外資企業に対話機会
変更
地の関連当局でも対応が追いついていない。
を提供するとともに、十分かつ妥
・頻繁な税制改正がなされる。
当な説明を実施するなど透明性
-輸出商品に対する度重なる増値税(17%)還付率の
を確保して頂きたい。
変更。
・まず地方も含め見解、運用につ
-増値税還付時期・金額の不明確さ。
いて十分準備の上改正する等の
-材料購買(製造業)の増値税高率による競争力の
対応をお願いしたい。
低下。
・公示から実施までの猶予期間
-外資企業に対する法人税優遇制度の撤廃。
が必要。
-2010 年 12 月より急な新税「城市建設税」の実施
※これは流通税(営業税、増値税 etc)に税をかける
という不可解なもの。
-同じく「教育付加価値」なるものの実施。
35
税務署所
・税務署の所轄が企業の自由な所在地移動を規制し
・「所得税(法人・個人)」は国税で
轄が企業
ている。中国では所得税の徴収は税務登録した所轄
あるとの認識に立ち、企業の中
所在地の
税務署(地方の末端)が徴収権を有する。徴収した所
国国内の所在地移動に対する
自由な移
得税は、「所轄(街・鎮)」「所在市」「所在省」「中央」の
(慣習的な)制約は排除して欲し
動を制限
順に一定比率で配分される。従って「所轄」にとっては
い。
企業の所在地移動は税収減となる。この法人所得税
・「本店/支店」間の「会計処理」
徴収の機構故に私企業の自由かつ任意の所在地移
については「会計法」の見直しや
動に大きな制約があるのが実情。
規定の追加等により事前の処置
・「分公司(支社)」登記の規制が強化され水面下では
を講じて欲しい。
「本店と分公司」との会計処理(経費・売上・利益の帰
属)は「会計監査(法人所得税)」結果の公的認定に
おいて時限爆弾的要素となっている。
36
不良棚卸
・不良製品在庫の廃棄又は評価減をおこなっての死
・増値税との関連で左記のように
資産の処
蔵品処理等が認められておらず、処理に困っている。
なっているようであるが、日本で
分の困難
は当然の処理であり、会社会計
86
問題点
問題点の内容
要望
上も必要な改善と思われる。
37
みなし課
・現実の決算の結果、損失となった場合であっても、
・適正な会計処理を経た損失の
税
当期純損失(赤字決算)として会計処理することが認
容認とともに、みなし課税制度の
められず、みなし課税が適用される。近年、中国国内
再考をお願いしたい。
におけるコスト上昇は予想を超えるものも多く採算面
での維持はより一層困難になりつつあり、この問題に
苦慮している。
38
新税種の
・都市計画税、教育付加費が導入されたが、導入の
・当局には企業の苦しさを考慮
導入
告知から実施までの期間が短く(1 ヶ月)、事前連絡も
し、真剣に考えてほしい。
ない。また、課税方法についても詳細な連絡が遅い。
39
税務行政
・同じ法律が適用されているにも拘わらず、地域によ
・新規の通達等が出される際に
の地域に
って(酷い場合は同じ市の中でも区によって)対応が
は、全国で統一した運用となるよ
よる不統
異なることがある。
うに指示を徹底頂きたい
支払ロイ
・日本本社あてに送金したロイヤルティにかかる源泉
・正式な規程であれば、該当各
ヤルティの
所得税(10%)の一部を還付する規程があった。但し
社(ロイヤルティ送金実績あり)に
一部還付
内容等は一般的には公開されておらず、私自身も知
公平に公開すること。
に関する
り合いの中国人から直接聞いた。他の日系企業に数
情報非公
社問い合わせてみたが、どこも情報入手していなかっ
開
た。おそらく公式には公開されていないと思われる。
土地使用
・工場が立地している土地に関し、土地使用税の法
・企業誘致時の条件を維持する
税の突然
律が元々あったらしいが、外資を誘致するために税
こと。
請求
納付は請求されておらず、また誘致担当役人もそれ
一
40
41
は適用されない旨、通知していた。しかしながら突
如、納税請求が開始され、それ以降毎年請求され納
付している。
87
(2)インドにおける貿易・投資上の問題点と要望
問題点
問題点の内容
要望
1.利益回収
1 対外送金
規制
・対外送金が完全事前認可制であり日本へ送金でき
・外貨規制緩和。
ない。可能となる場合でも時間がかかる。
・国外送金適用項目の拡大。
・外貨送金の規制が厳しく、膨大な資料とサインが求
められ、とても煩雑。
・外貨の持ち出し及び送金規制が厳しい。海外送金
時、受取人がインド納税番号を取得していなければ
20%の源泉徴収(通常は 10%)となる。
・国外送金にて中銀が許可している送金費目は非常
に限られている。
・弊社(日本)から新会社(現地)に対価(サービスフィ
ー)を請求しようとしたが、インドの外為法では有償の
保証が認められておらず、新会社から弊社へサービ
スフィーの送金ができなかった。
2 サービス
・サービス対価はインド企業からコミッションとして支
・コミッションの上限値の撤廃また
対価上限
払われるが、インドのコミッション上限値は 12.5%であ
は上限値の 20%化。
規制
り、提供に係る費用も賄えない。
3 工事代金
・日本決済で現地据え付けの工事を行った。客先の
・左記ルール(工事代金送金へ
送金への
送金に対してインド政府が 20%を徴税して入金され
の源泉課税)を無くしてほしい。
源泉課税
る。PAN CARD があればそのうちの 10%は回避でき
るらしいが、手続きのガイドラインもはっきりとわから
ない。
4 配当課税
・インド企業から国外株主への配当にかかる課税負
・インド企業から国外株主への配
担が大きい。
当に係る課税負担の軽減。
・海外からの入金への規制(個別に契約書を求めら
・海外からの入金規制の簡素
れるなど煩雑)。
化。
・海外からの長期借入はインド中銀の事前承認が必
・海外からの外貨借入の制約緩
外借入規
要だがインド中銀の承認が取得し難い。
和・撤廃。
制
・インド販売会社に対してインド国外に所在する本社
の過重
5 海外から
の入金規
制
2.為替管理
1 外貨建海
或いは関連会社から貸付を行いたいが、資金使途が
88
問題点
問題点の内容
要望
設備投資、特定インフラに限られているため出来な
い。
2 給与等の
・インドから日本へ送金する際に、上限金額が設定さ
・金額上限の撤廃。
海外送金
れている影響で、送金を自由に行うことが出来ない。
・外為規制の改善。
規制
・外国為替分野では、個人レベルにおいてルピーを外
・他国では可能なリインボイスの
貨に交換できない上、日本に送金するとき、給与の
オペレーションが、EPA の利用に
75%までという規制がある。
影響を及ぼさないことの明確化。
・インド国内のグループ会社の、海外関係会社からの
・外為規制の改善が必要。
ープ会社
借入に規制がある。
・為替取引の更なる自由化。
間の為替
・将来的にインド国内グループ会社の為替取引を集
取引の制
約する機関を設置したいが、同一グループ会社間で
限
の為替取引は認められず、為替取引の相手方は銀
3 同一グル
行に限定されている。
4 為替取引
の煩雑
5 ルピー建
・実需原則の徹底が求められ、関連エビデンスの作
成・提出の負荷が大きい。
・代金の決済は US ドルとなっており、為替リスクが発
・インド準備銀行(RBI)による為
決済の困
生する。インドの販売会社の為替リスクを軽減するた
替管理規制の緩和・撤廃(インド
難
め、ルピー建ての決済を行いたい。
ルピーの国際決済使用の容
認)。
6 国内ルピ
ー決済シ
・国内のルピー決済は小切手が主流であり、広大なイ ・電子決済システムの早期普及。
ンドにおいては決済完了まで相当な時間を要す。
ステムの
非効率
3.金融
1 与信限度
・顧客貸出/支払保証上限額を自己資本に対する一
・当該規制の上限緩和。
定割合(1 社:15%、1Gr:40%)内に抑える規制があ
・算出方式の変更(互恵の観点よ
る。
り外銀に対しては、銀行全体の
自己資本を算入する等)。
・農業・輸出・中小企業・住宅等の優先産業向け融資
・本貸出規制の撤廃ないしは大
向け貸出
残高が総貸出の 32%以上、且つ中小企業、輸出関
幅緩和。
比率規制
連貸出はそれぞれ 10%、12%以上を維持しなくては
2 優先産業
ならないとの規制がある。未達の場合は低利での定
期預金預入(期間 3 年)あるいは有価証券の購入等
のペナルティが強いられる。外銀も本規制の対象とな
る。
89
問題点
問題点の内容
要望
3 グループ
・将来的にインド国内でのグループファイナンスを実
・グループ会社間預金借入金利
会社間の
施したいが貸借の金利に制限がある(同一グループ
設定の自由化。
貸借の金
間の貸借の金利は RBI が市中銀行へ貸し出す際の
利制限
金利以上の金利を設定する必要がある)。
4.税制
1 重い所得
税負担
・法人税及び個人所得税が高額。
・法人税については、利益計算の
-法人税について、利益計算上本社の一般管理費
方式を日本でのそれと同一かそ
やインドで個人所得税を納めていないスタッフの人件
れに近いものにしてもらいたい。
費は損金算入ができない、またはごく部分的にしかで
・個人所得税については、日本と
きないことから見かけ上の利益額が大きくなり、結果
同様の各種控除を認め、また会
として税額が非常に大きくなる。
社支給の宿舎や車の費用、また
-個人所得税については控除がほとんど無く、逆に
会社が負担する個人所得税を個
会社支給の宿舎や車の費用が個人の所得とみなさ
人の所得扱いをすることはやめ
れ、さらに会社が個人所得税を肩代わりして支払うと
てもらいたい。
これがさらに所得とみなされ、給与に加えてこれらの
・妥当な法人税 Assessment。
額の合計に累進課税の最高レベルの税率がかけら
れるので大変大きな税額となる。
・業界平均の営業利益を想定利益だと見做し、弊社
の損益から算出される法人税を遥かに超える法人税
が税務当局から課税され、その回避のために長期に
渡る法的係争が発生。税務署判断と司法判断の乖
離。
2 高率の間
接税
・時計に対して高率の間接税(物品税)が課税されて
・税の低減。
いる。
・公平性の観点で、自動車の物
・自動車の物品税は小型車が優遇される一方で、そ
品税のその他 24%についても早
の他は基本税率 14%に対し、+10%上乗せになって
期に基本税率並みに引き下げし
いる。
てほしい。
90
問題点
3 複雑な税
制
問題点の内容
要望
・インドの税制はとにかく複雑。州により違う。種類が
・地域をまたがる制度の統合が
多い。相殺・還付可能税も多いが手続きが煩雑。
必要。・国によるシンプルな税制
・物品税、CST(中央販売税)、入市税(オクトロイ)等
への早期統一を望む。 ・CST の
の複数の税の存在。特に CST の存在により、州間取
撤廃及び速やかな GST への統
引の円滑化が阻害されている。関税においても同様
一移行。・関税課税構造のシンプ
の屋上屋の税制。特に食品の輸入関税は高い。
ル化。・州を超えた税率の統一
・州によって VAT の率が異なり、頻繁に変更されるこ
(新 GST に統合される予定)。
とによる、業務上の工数・経費増加。また MRP 制度に ・GST の早期実現が望まれ
よって小売価格への転嫁に制限がある。
る。 ・間接税の簡素化に向け
・同一州内と州外では VAT/CST と税種が変わり複
た、CST 制度の早期導入(2011
雑。また毎年の各種税率の変更も頻繁で煩雑。
年度からの導入を要望)。
・インドの間接税は、中央政府が徴収権限を有する中
・全廃或いは撤廃し、GST に統一
央税(関税、物品税、中央政府売上税、サービス税
されることを求める。 ※かかる
等)と、州政府が徴収権限を有する州税(州付加価値
複雑な体系を簡素化する目的か
税、印紙税、入境税、オクトロイ等)が存在し、税金の
ら、現行の関税を除く全ての間接
種類・課税方法が複雑・多岐に亘っており、対応に苦
税を廃止し、物品・サービス税
慮している。
(CST)へと一本化される検討・準
・GST(Goods Service Tax)の導入に伴い、サーチャー
備が進められている。
ジ(国内法人 10%・外国法人 2.5%)、教育税(Education
Cess 3%)、州間取引に対する課税(CST: Central
SalesTax)、州毎に異なる入域税(オクトロイ、エントリ
ータックス)。
4 税務監査
・Project 単位にて設立した PE を Project 完了に伴い
の遅延
Close する際に、税務上の Liability が無い事が求めら
・税務監査の迅速化。
れるが、この税務監査の完了には平均して 5 年程度
の期間が必要であり、この期間内では余剰資金の日
本への送金も不可な状態。
・税務訴訟が長いケースでは 10 年以上かかる。10 年
・税務調査プロセスのシンプル化
する税務
以上前の税務係争事件をいまだに抱えており、結審
ならびにハラスメント的税務否認
紛争
までにまだ時間がかかる状況。
の監視機関設置。
・インドでは企業と税務当局の「意見の相違」や「法解
・税制と運用の明確化。
5 長期を要
釈の相違」の問題であっても、「税務訴訟」に発展し、
追徴課税が課せられてしまう。税務訴訟を始めると、
10 年以上の年月をかける必要性がある。
91
問題点
問題点の内容
要望
6 税務訴訟
・不服審判や訴訟の際に、当該の追加微税額の半額
・一方的な徴税のためのデポジッ
でのデポ
を納金してから法廷で審理を行うことになっており、デ
ト制度の廃止。
ジット制度
ポジット要求の金額が大きい場合には、本国からデ
ポジットのための費用を送金してもらわなければなら
ない。
7 租税条約
・インドでは、日本企業に対するソフトウェアに関連す
・インドのソフトウェア技術力の活
改訂の不
るサービスの提供の売上には所得税が免除されてい
用は、我が国の電子通信産業等
十分
る。そのため、日本企業が報酬支払時に控除した税
の国際競争力向上に結び付くの
額はインドで還付により調整されず、インド企業の日
で技術的役務の非課税化を再度
本企業に対する役務提供の障害となっている。技術
交渉することが望ましいが、無理
的役務提供の対価を使用料(ロイヤルティ)と同じ扱
な場合、実質的な非課税を要望
いにしている租税条約は稀である。
する。
・2006 年 2 月に日印租税条約が改定され使用料・技
術的役務税率が 20%から 10%に引き下げられたが、米
国は非課税である。
・外国法人の税率が国内法人よりも高い・日印租税
・インド企業との税率を平等にす
の内外差
条約で日本企業はインド企業と同じ法人税率の適用
べきである。
別
が認められているにもかかわらず、インド税法を根拠
8 法人税率
・インド税法第 90 条説明文(*)
にインド税務当局は高い外国企業税率を適用してい
の削除。*「外国企業に対し、国
る。
内企業に比べ、より高い税率を
課すことは、その外国企業に対
する税制面での不利な取り扱い
とは考えない」
・移転価格税制に関し、現地の比較対象企業の財務
・比較対象企業データの使用に
税制の不
データを使用して更正を行う際、比較対象企業の類
ついて、一定の基準が望まれる。
透明・恣意
似性が低く調整も十分行われていない、データの利
・透明性と合理性のある調査を
的適用
益レベルが非常に高いといったケースが見られる。
行って頂きたい。
・移転価格調査が各商社現法に対して実施され、主
・国からの働きかけがなければ
たるビジネスである仲介手数料取引についても、通常
解決の糸口が見えそうに無く、相
の売買取引と同等の取扱高に対する利益率を稼得
互協定に持ち込むべく日本政府
すべきとの一方的主張の下、多額の追徴税額を課し
(税務当局)の介入を求めたい。
9 移転価格
た。
92
問題点
10
問題点の内容
要望
移転価格
・国から許可を得ているにも関わらず、ロイヤルティ及
・新税制導入、税制や税率変更
税制の適
び技術支援費等、本社への送金実行に際して、移転
に際しては、外資企業に対話機
用強化
価格を問われ、想定外の税金をチャージされる。他社
会を提供するとともに、十分かつ
(インド企業)との比較の中で、当期利益が一般的でな
妥当な説明を実施するなど透明
い場合に、一般的利益との差額について過小申告等
性を確保していただきたい。
の指摘を受けている。
11
12
中央販売
・VAT は同一州内では最終ユーザーへ転嫁可能であ
・インドは一国であり、国内で州を
税の州間
るが、中央販売税(CST)のみ、コストになってしまう。
またぐ商売で税金をとることは外
取引課税
・州をまたぐ販売に Central Sales Tax(CST)が課税さ
国企業に取り弊害である。
れるため、各州に倉庫を保持しなければならないこと
・ CST 制度の廃止(新 GST に統
による経費増加。
合される予定)。
配当金分
・親会社への配当金支払い時に 14.025%の高額な配
・税率軽減、源泉課税化の検討。
配税の賦
当金分配税(DDT)が配当支払い側に課税される。
・本来、受け取り側の負担とすべ
課
13
きものであり改善要望。
税法適用
・駐在員に支払われる日本国内(格差部分)給与に対
の日印不
する個人所得税を親会社(日本本社)が負担すること
整合
になっている。日本の税法では格差負担を認め、イン
ドでの標準給与以上に任地で給与を支払っている場
合は格差部分を日本本社が負担してもいいことにな
っている(損金計上できる)が、この格差給与部分に
課される税金はインド現法負担という規定となってい
てルールが合わない。
14
物品税の
・CVD 課税対象価格が CIF 価格を基準にしたものと
・MRP 制度・MRP ステッカー貼り
課税ベー
MRP 価格(最高小売価格)を基準にしたものがある
付け制度を廃止し、CVD Excise
スの判定
が、その基準が非常に曖昧で税関によっても解釈が
の課税価格を CIF 価格ベースに
基準の不
違う。また、MRP ベースで課税価格を決める際、
統一すべき。
明確
Abatement 率が当局により設定されるが、この決定
過程が不透明。更に、MRP ステッカーを輸入時に各
製品の梱包上に貼り付ける必要がある。
15
税法解釈
・税務関係の法律が複雑、曖昧で、解釈が税務官個
・法解釈の明快化及び公表。税
の恣意性
人によって大きく左右される場合がある。
務当局担当への政府サイドから
・年度毎に実施される税務監査で、既に完了したもの
の教育を通じた担当者による解
を再度覆してくる税務署対応に苦慮している。
釈の違いの削減。
・一度出されたオーダーの覆しは
フェアではないので撤廃を希望。
93
問題点
16
問題点の内容
要望
頻繁な税
・政府が鉄鉱石輸出税の税率を頻繁に、かつ short
・税率変更に際しては、十分かつ
制改正
notice で変える傾向あり。政府内部の対立・力関係も
妥当な説明を事前に実施するな
税率変更に影響を与える模様にて、一度低減・撤廃
ど透明性を確保していただきた
されたものが、その後増税されるなど、政策の一貫性
い。
もない。
・税制改正による急激な税負担
・頻繁な税制改正に加え、税制改正において経過措
増を緩和するためにも経過措置
置が設けられていない上、過去に遡及した変更を余
が必須。
儀なくされることがある。
17
物品税の
・生産会社が部品の輸入に際し、基本関税以外の 3
・GST(Goods Sales Tax)への
未回収
関税(CVD、教育目的税、特別付加価値税)を支払う
移行時に、相殺される税金内容
が、この 3 関税と相殺可能な製品販売時の物品税で
の変更。
は回収されない場合がある。
18
税還付手
・通関時点で支払う Special Additional Duty (SAD)
・SAD 制度の廃止。
続の煩雑・
の還付を受けるために膨大な作業工数・費用が発
・優良納税企業への SAD の免除
遅延
生。また、還付が迅速に行われない。
(新 GST に統合される予定)。
・CVD を還付することになっているが、還付申請手続
・税制の簡素化あるいは CVD そ
きが複雑かつ煩雑。
のものの徴収撤廃。
・製造業者が輸入する場合は関税の還付が受けられ
るが、販売業者は受けられない。また、販売店が州外
に販売すると税金が追加で掛かる。
19
駐在員事
務所設立
・銀行のセミナー等での話では「税務問題が多発して
・税務問題回避へ向けての外資
おり駐在員事務所設立は困難」ということであった。
企業に対話機会を設けて頂く等。
の税務問
題
94
(3)ブラジルにおける投資上の問題点と要望
問題点
問題点の内容
要望
1.利益回収
・技術援助契約は国家産業財産権庁(INPI)に登録
・左記のような技術ライセンスに
ィ・技術指導
しなければならない。ロイヤルティの海外送金・所得
関する規制はすでに多くの国で
料の海外送
税控除のためにも必要。しかし登録の際に実質的な
廃止されており、国際的な潮流と
金規制
審査権を行使している。INPI への登録に時間がかか
は乖離している。ブラジルにおい
り、送金に支障をきたす。
ても関連法令の改正と当局の運
・従来、ブラジルにおいては、輸入以外のモノの移動
用改善を望む。
を伴わない債務(出張旅費資金支払など)の海外送
・制度の簡潔化、明瞭化。
金は認可されていない。
・根本的にブラジルの規制の緩
・金融税制・規制が複雑・不明確、移転価格税制の
和(撤廃)を望む。
不透明性・濫用、重い税負担、ネッティングの方針の
・政府承認の廃止または簡便
不明確、付加価値税・売上税が課税された売上債権
化。更新の自由度 UP。
が貸倒となっても納税額を償還する制度がない、連
・国内工業権院及び中央銀行は
結納税制度がない。
承認基準を緩和して欲しい。
1 ロイヤルテ
・生産品のロイヤルティの支払い難さ(政府の承認を
取るのが面倒、更新が複雑)。
・日本へのロイヤルティ・開発費の送金について国内
工業権院の送金許可を得られない場合がある。
・ロイヤルティの支払いは最大 10 年間しか認められ
・10 年経過後もロイヤルティ回収
支払期間制
ていない。
を可能として頂きたい。
限
・「外国資本及び海外送金に関する法律」により、ノ
・技術ライセンスに関する規制は
ウハウ契約の契約期間が 5 年(特例の延長申請によ
国際的な潮流とは乖離してい
2 ロイヤルティ
り最長 10 年)以内に限定されているため、5 年(10 年) る。ブラジルにおいても関連法令
を過ぎても本来は価値のあるノウハウについて対価
の改正と当局の運用改善を望
を回収(送金)することが出来ず、且つ秘密保持も 5
む。
年しか保証されない。
3 高いロイヤ
・ロイヤルティへの課税が高い(現地側で約 27%、日
・伯内国税率の見直しをお願い
本側で 12.5%)。
したい。
・ロイヤルティ料率について関連会社間の場合に制
・技術ライセンスに関する規制は
のロイヤル
限がある。また、関連会社からの調達部材はロイヤ
国際的な潮流と乖離している。ブ
ティ料率制
ルティの計算基礎から除外しなくてはならない。
ラジルにおいても関連法令の改
ルティの課
税
4 関連会社間
正と当局の運用改善を望む。
限
95
問題点
問題点の内容
5 サービス対
・サービスフィー、在日支援や出張旅費等、モノの移
価の送金の
動を伴わないサービスの対価の送金が困難である。
要望
・送金規制の緩和・撤廃。
困難
2.為替管理
1 海外送金許
・海外との資金遣り取りが全て中央銀行による管理・
・銀行の送金受付手続きの統一
可手続の煩
規制下に置かれている為、手続きが煩雑でたいへん
・中銀規制上は扶養家族である
雑・遅延
日数がかかるものがある。また、契約不備を理由に
旨の念書のみ提出すればよい
海外送金が許可されないケースがある。
はずであり、追加資料(戸籍謄
・赴任者の本国国内残留家族に対して生活費を送
本、所得証明書等)の提出は廃
金する際、受取人が扶養家族であることを記した念
止するよう明確化してほしい。ど
書が必要であり、銀行によっては戸籍謄本の提示
うしても追加資料の提出が必要
や、送金者の所得証明書の提示も要求される。
な場合は、ブラジルで取得困難
・生活資金充当に日本から送金したが、本人がレア
なもの(戸籍謄本等)について、
ルで受取ることができなかった。その手続きが不明
代替書類で対応できるようにして
瞭。
ほしい。
・為替のヘッジ手段がドル連動債券やスワップに限
・先進国並みの為替予約市場の
られている。為替予約市場が存在しないことから、極
創設をお願いしたい。
2 為替予約市
場の未発達
めて制限的な為替ヘッジ手段に頼らざるを得ない状
況。また、コストが高い。
・ブラジル企業はブラジル国内銀行以外と NDF 等の
取引が不可。
3 ネッティング
への中銀方
・対外債権・債務のネッティングに関する方針が不明
・ネッティングの解禁。
確な為、ネッティングの導入が不可能な状況。
針の不明確
4 ドル建て契
・ドル建契約が制限されている。
約の制限
5 自国通貨の
過大評価
・国内ドル決済の自由化、ドル建
契約の自由化。
・数年来、自国通貨 R$が切り上がっており、輸出収
・海外から過度の資金流入を招
入を押し下げる要因。
いている高い国内金利の引下げ
とホットマネーの安易な流入を防
ぐ税務・外替上の対策実施。
3.金融
96
問題点
1 未成熟な金
融市場
問題点の内容
要望
・為替市場が未発達で、ヘッジ手法が限られている。
・レアル通貨は為替の変動率が
・調達マーケットでは、期間がほとんど短期であり、
高いがヘッジできるマーケットが
一般企業が長期でレアル調達するのは非常に困難
非常に限られており、充実させて
である。また、借入金利が非常に高い。
ほしい。
・レアル調達市場を整備し、レア
ル建てロングポジションのみでな
く、ショートポジションももてるよう
な仕組みを構築してほしい。
2 複雑な金融
税制・規制
・金融取引税や為替に関連する制度が非常に複雑
・規制の簡素化。
でかつ頻繁に変更される(銀行かそうでないか、貸
付期間等)。
3 金融取引税
レアル高抑制のために IOF や準備預金率の変更な
など、資本
どといった資本規制が導入されたことで、本邦からの
規制の導入
証券投資意欲が減退する懸念あり。
4.税制
1 複雑な税制
・税、手数料の種類が多く複層化しているため、経
・税制の整理統合、簡素化・軽
理・納税事務が煩瑣。
減、対伯投資案件での免税等の
・実際の税法運用が最終的に確認されるのは最高
優遇措置。
裁の判決が出た後(数年かかる)。
・建設工事を遂行する場合のタッ
・高率かつ多種の税金がある。
クスガイドなどの指針の明確化。
・税制が複雑・曖昧なうえ頻繁に改正される。業界全
・一般的税制の導入。特有の税
体に周知される仕組みになっていない。
制の廃止。
・税法が過去の修正の形で出されるので、過去に遡
・合理的な税制の運用。
って税法を読まなければならない。
・全ての税の付加価値税化と税
・通関申請時に税申請が複雑。税申請後、4 年たっ
率の低減。
てから税務当局に税区分の間違いを指摘され、違反
・透明性の確保と事前説明 。
金に加え遅延金利を含め追徴税を請求された。
・税制の簡素化と、変更内容の
・税務調査にて指摘された内容に対する回答・説明・
周知徹底を制度化。
抗弁に関して、その後何ヶ月もの間その調査・検討
・税制度をクリアにするとともに、
状況が開示されず、その後殆ど同じ様な指摘が改め
調査・検討作業や追徴請求の迅
て出て来る等、税務当局に於いて正確かつ効果的
速化を希望。
に調査・検討が為されているのか不明。
・技術系の卒業生の採用にもっ
・税制が複雑で、事業撤退時の事務処理が非常に
と門戸を開放してほしい。
煩雑であり、通常 6 ヶ月程度の期間を要す。
・ブラジル北部 5 州は連邦政府管轄の Free Zone に
97
問題点
問題点の内容
要望
立地しているが、特に Manaus では売上高に対して
強制的に賦課される寄付金の使途は一切公表され
ることは無い。また、例えば連邦大学宛て寄付金に
絡み我々企業として技術系の卒業生の採用の可否
を打診しても一切回答がない。
・流通特有の税制があり、ビジネスがやりづらい。
2 重い税負
担・不公平
・社会保障を含む各種税負担が大きい。(いわゆる
・税率の引き下げ。
ブラジルコスト)・特に、工業製品税、商品流通税とい
・税制の見直し・整理統合・簡略
った付加税、内国税が高税率。・輸入品に関する諸
化。
税率が高く、更に高額な諸費用の負担もあり、価格
・税は浅く広く徴収すべき。
競争力を失う。
・重税を緩和していただきたい。
・Cofins だけでなく、多くの課税が売上税方式になっ
・不正国産品、不正輸入、密輸
ている。・本邦で実施した役務に対しても課税される
入の取締り強化・徹底。
為(約 30%)、本邦企業の輸出競争力が阻害されて
・輸入関税引き下げに伴う諸関
いる。・重税・複雑な税制のために業界のアングラ経
税率引き上げはやめていただき
済化が膨張。
たい。
・PIS/COFINS は商品が各チャンネルを渡っていく度
・政府の適切な対応。
に徴収される。付加価値税の考え方にしなければ不
・販売諸税の簡素化とアングラ
正業者が潤う仕組みのまま。まじめな会社は重税に
経済の取締り。
あえぐ一方で、現地ミシンディーラーのほとんどは脱
・生産財に対する減税。
税行為で潤っている。外資にとって不利な商慣習。
・商品流通税低減。
・生産設備に対する工業製品税(IPI)が割高。
・単なる関税の問題としてではな
・現在税の種類はおよそ 50 種類(60 種類とも言われ
く、左記の悪循環を断つために
る)あり、税負担率は極めて高い(対国内総生産比
も、ゲーム機器に対する極めて
30%超)。
高い工業課税の見直しを要望す
・商品流通サービス税(約 18~25%)が各流通段階に
る。
課税されるため販売形態が直販形態に限定される。
ディーラービジネスを行うとコスト高となる。
・ゲーム機器に対する 50%という極めて高い工業税
は、正規輸入業者にとって過重な税負担になるばか
りか、不公正な輸入業者の増加につながっている。
加えて、高課税により米国内の販売価格に比べて
2.5 倍近い小売価格になるため、海外からの持ち帰
り需要を増幅させることは修理サービス等で消費者
98
問題点
問題点の内容
要望
に不都合を生じさせる。また、これら平行輸入品は、
ANATEL 等の国内安全規格に準拠する為のコストを
掛けて正規に輸入販売することを著しく困難にしてい
る。
3 税制の不透
明
・輸出取引上、移転価格税制適用外としての容認限
・国内取引価格の基準明確化及
度基準について“海外関連者との取引価格が国内
び国内取引が無い場合において
取引価格(税引き後)の 90%を下回らない場合”とあ
の基準明確化。
るが、コモディティによっては国内取引価格が明確に
なってない、若しくは国内での取引がないケースが
ある。
・金融取引に関する所得税により、ある金額が金融
取引に借方記入されるごとに総取引額の 0.38%に等
しい額が課税される。
4 特異で不合
・関係会社との輸入取引の場合、再販売価格基準
・業態や取引の特性に合ったマ
理な移転価
法・原価基準法にてマージン率が固定されている。
ージン率をフレキシブルに設定
格税制
・関係会社との輸出取引で、セーフハーバーを適用
可能としていただきたい。
する場合、輸出売上高に関する税引前利益の設定
・利益率の設定に関しても、業種
が 5%以上となっている。
に合わせたフレキシブルな利益
・業種毎の利益特性を考慮せず一律に利益率が固
率の設定が可能となるようにお
定されている。
願いしたい。
・為替相場の差異を容認する柔軟性が備えられてい
・OECD モデルと同様、課税リス
ない、計算方式も部品毎の税率計算であり、計算式
クの軽減のため、事前承認制度
が非常に複雑で困難。
の整備をお願いいたしたい。
・グループ間取引に対して、ブラジルの高率の課税
・移転価格税制の見直しを希
の制度下で計算基準に矛盾がある。マナウス FTZ で
望。
は基本的に輸入関税はゼロでそれ以外の地域では
・OECD 加盟と世界標準の税制
輸入関税がかかるという条件で、これらを同じ税込
適応を希望。
みグロス価格を基準として移転価格の計算基準とし
・計算基準の見直し・変更をして
ている為、マナウス FTZ でのマージン幅の確保がで
いきただきたい。
きず、輸入品販売のビジネスが難しい。
・APA(Advance Pricing
・OECD ガイドラインに沿わない独自の移転価格税制
Agreement)の創設、法制化。
制度。MCM 番号毎の採算管理が必要で、特別な
・一方的な増税の為の税制改定
software を導入する必要がある。
に対しての撤回要請。
・APA(事前確認制度)に関する明確な法規定が無
く、移転価格非抵触の事前確証が得られない。
99
問題点
問題点の内容
要望
・輸出移転価格の算出メソッドにおいて定義される輸
出先特殊関係者の最大利潤の計算が一般的な商取
引・経済原則と乖離しており管理が難しい。
5 PIS/COFINS ・持株会社が受領する資本利子に対し、
課税対象の
PIS/COFINS が課税されている。(通常の利子は課
不合理
税対象外)
6 PIS/COFINS ・連邦税 PIS/COFINS や州税 ICMS の輸出に伴う
・課税対象外とすることを要望。
・税制の合理化。
の輸出還付
還付がなされない。
・政府の適切な対応。
の不履行、
・輸出取引に関する PIS/COFINS(社会統合計画負
・当局側連邦政府および
遅延
担金および社会保険負担金)の前払い分の還付申
ReceitaFederal の問題意識を正
請に対して還付が遅々として進まない。
して頂きたい。
・PIS/COFINS を含め連邦政府に対する税金還付
・還付の実行。
Position が発生した場合に、将来の税金から控除す
るのみでなく、還付請求を行う権利が認められてい
るが、事務作業や手続きに要する時間が明確で無
い等、還付請求制度が機能していない。
7 IPI 免除の差
・自動車部品メーカーが販売会社を設立した場合、
・部品メーカーから販売会社へ
別的適用
販売会社から自動車メーカーへの販売は工業製品
の販売も IPI 免除対象としていた
税(IPI)が免除されるが、部品メーカーから販売会社
だきたい。
への販売は IPI が免除されず、仕入販売ビジネスを
行うと税務上不利益となる。
8 連結納税制
・連結納税制度がない。
・連結納税制度の導入。
9 税金還付制
・付加価値税・売上税が課税された売上債権が貸倒
・和議・倒産に限定でも良いから
度の不備
となっても納税額を償還する制度がない。税率も貸
制度化を望む。
倒リスクも高いので影響が大きい。
・適切な対応を望む。
度の欠如
・州税 ICMS の輸出に伴う還付が全く為されない。ま
た認知もされない(転売の難度増)。州税なれど還付
金原資は輸出奨励ということで国が負担(国が州に
補助金のような形で払うことになっている)。州は国
より金が入らない限り払わない。
10
不公平な源
・事業目的を伯国企業への出資のみに限定した持
伯国企業であっても日本企業と
泉税率の適
株会社の場合、伯国会社として 15%の源泉税率が適
みなし、日本企業への資本利子
用
用される。
を払う時点で日伯租税条約にて
取り決められている源泉税率
100
問題点
問題点の内容
要望
(12.5%)にて源泉徴収するよう税
法改正を要望。
11
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曖昧な欠損
・欠損による Tax Loss の規定があいまいでなかなか
処理規定
使用できない。
INCOTERM
・INCOTERM に基づく CIF での価格設定が認められ
・INCOTERMS に基づく CIF での
に基づく CIF
ていない。
価格設定を認めていただきた
の不備
13
・Tax Loss 使用定義明確化。
い。
融資取引・
・グループ内に、余剰資金のある会社、資金需要の
・金融機関及び企業によるキャッ
口座間資金
ある会社があり、グループ間で資金有効活用し、コ
シュマネージメントサービスの実
移動への課
ストの社外流出 Minimize と資金効率の向上を図りた
現へ向けた法制整備。
税
くても、現状は IOF,旧 CPMF など融資取引、口座間
資金移動に際し掛かる税金の存在等から斯かるサ
ービスは実現しておらず、企業で独自にグループ・キ
ャッシュマネジメント体制を構築することが困難。
14
15
税制優遇の
・メルコスール、およびアンデス共同体加盟国からの
・Most favored nation (MFN)
FTA 内外差
輸入の場合、関税(14%)および Industrialized
treatment の撤廃、あるいは他
別
Product Tax(IPI 15%)の優遇措置が適用されるた
地域からの輸入に対する優遇処
め、他地域からの輸入に比し価格競争力が優位。
置の適用。
輸入品への
・輸入品に対する十数項目にのぼる諸課税、港湾諸
・左記、課税等の撤廃、軽減、単
複雑かつ高
手数料などが複雑かつ高率。
純化。
率の課税
・案件により免税となることもあるが、輸入税に加え
・税制の簡素化及び税率の削
て付加価値税、商品流通サービス税、工業製品税、
減。
サービス税(役務の輸入の場合)等の税金が課税さ
れ高いコストとなる。
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MP478 の施
・MP478 施行され IN32 が適用されなくなる。
・政府間協定を強硬に行ってほ
行
・これにより、IN243/02 計算方式の法律化、生産と
しい。
再販売のマージンの統一化、基準価格を割合(%)
化、連邦国税庁(CARF)に対し 243/02 は違令であ
ると企業が異議申し立てをしている事への対応、国
税監査が始まった後に計算方法を変えさせないよう
にする、マージンを大蔵省が公職として、変更できる
ようにするもの。
101
問題点
17
問題点の内容
要望
商取引にお
・商取引に関する税制が極端に複雑かつ多大であ
・税制簡素化。
ける税負担
り、税務処理に多大な工数・費用を強いられる。ま
・移転価格税制の算定基準は、
た、独自の移転価格税制に因る看做し利益(課税対
OECD 等の標準的ルールに準拠
象額)が過大であり、資本関係のある関連会社(親会
すべき。
社を含む)からの輸入が困難。
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現物貸借取
・リオ州の税制において、現物貸借取引は ICMS 課
・プロジェクト運営の実態に即し
引に対する
税対象となるため、原油生産プロジェクトを他社(パ
た課税方法への変更。
貸し手への
ートナー)と共同で行い、他社がリフティングする際、
ICMS 課税
同社のエンタイトルメント原油数量がリフティング数
量に満たない場合、一時的にパートナー間で発生す
る現物貸借取引に対し、貸した側に ICMS が課税さ
れる。
102
<出典>
 所得階層別人口: Euromonitor
 実質 GDP(2010 年)
:http://databank.worldbank.org/ddp/home.do?Step=3&id=4
(2020 年)
:World Economic Outlook, September 2011, International
Monetary Fund
 人口 100 万人以上の都市数:http://esa.un.org/wup2009/unup/index.asp?panel=3
 人口構成:UN DESA Population
http://esa.un.org/unpd/wpp/unpp/panel_population.htm
 消費性向: Euromonitor
 自動車シェア:海外自動車統計年鑑
 テレビシェア: Euromonitor
 小売りシェア: Euromonitor
 進出日本企業数:東洋経済「海外進出企業総覧」
 外資・労働規制:ジェトロ http://www.jetro.go.jp/world/search/compare/
 FTA 締約国: http://rtais.wto.org/UI/PublicMaintainRTAHome.aspx
 日本との協定締結状況: http://www3.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/index.php
 進出企業コメント:国際協力銀行「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告
-2010 年度 海外直接投資アンケート結果(第 22 回)-(2010 年
12 月)
 日本への評価に関する国民アンケート:BBC Country Rating Poll
http://www.worldpublicopinion.org/
 犯罪率: United Nations Office on Drugs and Crime
 貿易・投資上の問題点と要望:貿易・投資円滑化ビジネス協議会「各国・地域の貿易・
投資上の問題点と要望(2011 年版)
」
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