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2報告書(井仙)(PDF形式 386 キロバイト)
宿泊施設満足度向上モデル事業報告書 2012年3月30日 株式会社いせん 株式会社エイエイピー新潟支店 1 Summary 事業全体骨子 概 要 ■現状・課題 現状/総合満足度調査において、地域の平均値を大幅に下回ったのは、『体験活動』や『イベント』 課題/オプショナルツアーの充実且つ案内するスタッフのサービス&コンシェルジュ技術の充実が必要 さらにそのために「独自性ある強みを発掘」=「地域の食文化を掘り起こし、持続可能な仕組みにすること」 ■改善策の検討 ①地域全体で取り組む名物料理開発と啓蒙事業 (1)理念に共感する生産者との連携・事業モデル構築 事業モデルを構築 →地域の観光施設と共に「雪国食文化研究所」を設立 →事業モデルの実践、取組拡大 (2)理念を具現化する飲食店の開業に併せた料理開発 ・十日町市/飲食店&地域の食文化発信基地「manma and cafe ユキマツリ」 4月8日新規開業 ・南魚沼市/飲食店&地域の食文化発信基地「ちゃわんめし たっぽ家」 6月上旬新規開業 (3)理念に共感するアライアンス店の開拓、連携、事業モデル構築 ・越後湯沢駅内「イタリアンレストラン」「カフェ」 7月新規開業 ②地域の観光情報を伝えるコンシェルジュ研修と体験メニュー開発 (1)「地域の食コンシェルジュ」研修 (2)体験メニュー、周遊プラン&モデルコース開発 ■実施内容ポイント ①料理開発(ブランディング)&啓蒙事業 ・料理開発/総合企画・商品企画 ・啓蒙1/ブランドステートメント作成 ・ロゴ・マーク・タグライン制作 キービジュアル&コピーワーク ・基本素材制作(写真撮影・リリース) ・啓蒙2/ツール(webHP・「ユキマツリ」パンフレット)プランニング&デザイン ②コンシェルジュ(社員)研修&体験メニュー作り ・4日間、外部講師招聘による研修 ・体験メニュー、周遊プラン、モデルコースツールプラン&デザイン ■今後の展開 ・雪国食文化研究所において開発した地域の名物調理を、他の旅館や飲食店で提供してもらうこと ・「ユキマツリ」にセントラルキッチンの役割をもたせ、一次加工した地域の食材を他の旅館や飲食店に使用してもらうこと ・食と観光の情報発信、着地型観光商品企画、コンシェルジュなど多様な役割の担い手として成長すること 2 Mission 雪国食文化研究所の使命(事業計画) 使 命 ここには豊かな土壌があり、美しい田んぼがあり、情熱がある達人がいる 豊かな自然環境がもたらす食の恵みがここにはある 分かっていても 使われない。 しかし、ここに住む人の多くは、なかなか地元の食を考えようとしない 地元のものはいいものだと分かっていても、つい安価な外国産を使う 手間ひまかければ、おいしくなることを分かっていても、つい添加物を使う調理をする わかっていても、使えない だから失われていく こんなスパイラルが、地元の食文化を消していく 他の地域から入ってくる食文化に左右され続けていては何の進化も生み出さない。 語り継ぐだけの食文化では、数十年後は歴史の1ページでしかないかもしれない。 地元の食文化 「地域の食文化を食産業に!」 私たちがここで行いたいことは、地域の食文化を地域の食産業にすること。 地元で埋もれている文化資源を掘り起こし、それを広く人々に伝えていくこと。 「ビジネス」という仕組みに置き換えることで、関わる人が幸せに仕事ができる。 地域がもつ本来の魅力を、そのまま産業に結び付けること。 それはすなわち持続可能な社会の形成である。 地元のものを仕入れ、地元らしい味付けで調理し、 その魅力を理解して頂ける顧客を創造する。 ここで発信していく食文化を、近所の飲食店、周辺地域の旅館、 そして家庭にまで伝えていくことで 大きな流れを生み出し、持続可能な産業にまで育成していく。 ここで展開したい事業計画はその目的達成のための最初の一歩である。 食文化をビジネスという 仕組みで支える。 そして、持続可能な産業へ 3 Statement 雪国食文化研究所のミッション・ステートメント ステートメント ミッション・ステートメント mission statement 理念 個 性 ・ 理想客 わたしたちは、地域の食文化を、食産業に変えます 地域の食材や郷土料理、伝統料理の提供を通して、 わたしたちの理念に関心・共感を抱くお客様を創造していきます 情緒的価値 そして、美味しくて、愉しくて健康的な食文化を醸成し、 地域の飲食店、宿泊施設、観光施設とともに、 機能的価値 ビジネスとして継続できる仕組みを構築します 4 Concept 雪国食文化研究所の概念(事業コンセプト) 概 念 1. 文化継承 地域の食材の積極的活用と、伝統調理法の伝承 ○採れたての地野菜 : 積極的活用 ○雪室野菜(=伝統保存法) : 活用の提案・提供 ○本物の郷土料理 : 調理法の伝承 伝統の味を未来へ継承 ●ブランド価値の醸成 ●現代に支持される郷土料理アレンジ ●プロの料理と、プロのおもてなしを提供 2. 地域活性 食文化の発信拠点としての機能を構築・運営 ○地域の食文化の発信拠点としての機能 : 店舗 ○店舗を支える強力体制 : 旅館・提携施設 ○食に絡めた旅行商品の造成 : 第三種旅行業取得者・旅行会社 食で地域を元気に! ●食文化の発信・料理教室・食育イベント実施による、 体験型レストランとしての機能 ●参画旅館・施設との連携強化と相互誘導 ●食文化を絡めた、旅行商品の開発 3. 構造改革 食の六次産業化の拠点基地へ ○食材の一次加工業務 : 地域食材の有効利用 ○地元飲食店への食材提供 : 食材利用率の向上 ○提供だけでなく、循環から : 地域単位での食物循環の仕組みを確立 食材の供給と、活用サイクルの確立 ●地元飲食店に一次加工品を提供することで、地域での 食材利用率をUP ●食材の安定供給による、提供先のコストカットを実現 ●コンポスト利用で、地域単位での食材活用のリサイクルを実現 5 Principle 雪国食文化研究所の理念/タグライン 理 念 雪国食文化研究所の理念。それは・・・、 食文化をビジネスという仕組みで支え、持続可能な産業を育てていくこと。 Sustainable Food Industry 「継続可能な食産業」へ。 伝統の食文化を語り継ぐために、ずっと継続できる食産業を育てます。 6 Slogan 雪国食文化研究所のスローガン スローガン 食材の 活用サイクルを 地域の食文化を 未来へ まわして、つたえて、つなげよう。 まわして 食材を一次加工し店舗へ継続的に供給することで、地元食材の利用率を向上。かつ安定供給を目指します。 野菜の皮などの廃材はコンポストとして活用。地域規模での食材の活用サイクルを構築します。 つたえて 地域の食材を使用し、伝統料理や郷土料理を提供する場を作り、食文化とともに発信。 イベント実施や旅行商品の造成なども見据えることで、食で地域を元気にしていきます。 つなげよう 採れたての地野菜から、伝統保存法による雪室野菜まで、地域性豊かな食材を、伝統の調理法で料理。 古の味を現代に支持される郷土料理へと昇華させることで、食の文化と産業を未来へと継承していきます。 7 Flow 関連事業者との関わりと、生産から集客までの流れ 事業フロー 生産から集客までの関連事業者との関わりについて 一連のフローを確立することで、店舗、料理メニュー、加工食品、旅行商品など、すべての商品における長期供給の安定化、定着化を図ります。 また、「提供」で終わらず「集客」までのフローを構築し、地域の協力体制を強化。永続的な取り組みであることを共有していきます。 ①生産 ②加工 雪国食文化研究所 食材納入 ︵ 十日町市・ 南魚沼市︶ 飯塚農場 ︵ 南魚沼市・ 津南町︶ 共同商品開発 ③提供 料理供給 南魚沼食 ネットワーク 広報 十日町市観光協会 (十日町市) 広報 南魚沼市観光協会 (南魚沼市) (道の駅十日町市) 料理供給 たっぽ家 (道の駅南魚沼) 集客 加工食材 食材納入 JAしおざわ ユキマツリ ④集客 雪国A級グルメ 認定店舗 ブランティング 農協観光 雪国観光圏 加工食材 食材納入 旅行商品造成 旅館や飲食店 雪国観光舎 各地区の観光協会 旅行会社 8 Flow 共同開発商品の、生産から集客までの流れ 商品フロー 共同開発で提供する商品について 食材確保、加工と提供方法、その提供商品の認知・訴求までのフローを組むことで、商品の安定供給を図り、認知度を高めていきます。 また、「雪国A級グルメ」との連携、料理教室、旅行商品の造成など、食を中心とした文化を発信。消費者メリットを高めていきます。 ①生産 ②加工 雪室食材 (飯塚農園) 食材の集約と供給 大豆 無農薬玄米 高原トマト 食材の一次加工 雪室食材を使った オリジナル鍋料理 「雪室鍋」を開発 ③集客 PR 加工品 栄養価も高く、地域 の食材で、手軽に調 理できる子供料理 雪室鍋を冬季に かまくらで提供する 旅行商品造成 (雪国観光舎) 品質 向上 参画旅館の子供料理の 質の向上を行う (雪国食文化研究会) 魚沼料理 一次加工・加工品 特産食材を活かし た地域ならではの 新しい郷土料理 「雪室料理」を地域 ならではの料理としてP Rと集客を実施 (各観光協会) 旅行 商品化 健康こども料理 特産食材 (JA・その他) 八色椎茸 原木なめこ アスパラ 魚沼巾着茄子 雪室料理 雪中貯蔵した食材 で調理する 雪室ジャガイモ 雪室ニンジン 健康食材 (JA・食ネット) ③提供 共同 宣伝 雪国A級グルメ 認定店舗の 連携プロモーション実施 (雪国観光圏) 9 Organizational form ㈱いせん・雪国食文化研究所・理念に共感するアライアンス相関 組織形態 雪国食文化の理念 the snow food 観光客の周遊・体験活動・イベント・オプショナルツアー manma and cafe ユキマツリ ちゃわんめし (4月OPEN 十日町市) たっぽ家 加工業者 (6月OPEN 南魚沼市) 加工業者 生産者 ひなの宿千歳 生産者 雪国食文化研究所 (十日町市) 加工業者 メシアガレ 雪国イタリアンレストラン (7月OPEN 越後湯沢駅) MURAN GOZZO CAFE 雪国カフェ (7月OPEN 越後湯沢駅) HATAGO井仙 雪国の宿 高半 (湯沢町) (湯沢町) HATAGO 井仙 (湯沢町) 生産者 加工業者 生産者 10 Action 店舗①:十日町市 行 動 雪国の伝統食材や郷土料理を気軽に楽しめる、和モダンカフェ OPEN 2012年4月8日(日) DATA 新潟県十日町市本町6 新潟県十日町市本町6丁目 道の駅クロステン内. 道の駅クロステン内. ターゲット 女性 [ターゲット・キーワード] ・おいしいもの好き ・ヘルシー志向 ・スローフードに関心 ・地産地消、食育、トレーサビリティなどに関心がある ・料理教室に興味 ・あたらしもの好き 提供商品 和テイストのカフェめし、洋テイストの入った和甘味、地野菜スープ、雪室料理、など 11 Action 店舗②:南魚沼市 行 動 雪国の素朴なフードコートで味わう、まんぷくスローフード OPEN 2012年6月上旬※予定 DATA 新潟県南魚沼市下一日市855 ターゲット 男性 [ターゲット・キーワード] ・食いしん坊 ・高い栄養価 ・印象深い食感 ・腹もちのいいごはん ・一杯でお腹いっぱい ・テイクアウトOK ・素朴 提供商品 賄い飯(ぱっと食べれる丼)、どんぶり雑炊、丼そば、巻き寿司、 せっつぁえもん(地元おふくろの味のお惣菜)、おにぎり、米粉スイーツ など 12 Action 店舗・料理開発/ユキマツリ 行 動 雪国の伝統食材や郷土料理を気軽に楽しめる、和モダンカフェ 総合満足度調査の結果、課題を解決するために雪国食文化研究所の 理念と事業計画を構築したのですが、具体的に店舗・料理開発する段 階での最大の課題は ●地域の伝統的な食材・料理方法を特に若い人たちに食べてもらうこと さらに、ファーストフードやコンビニの食に慣れた人たちへの訴求は、料理 や食材そのものだけでなく、提供方法・価格・雰囲気・サービス・立地と いった、複合且つ総合的な視点で取り組まなければならないことに気づ いていました。それは、地域の伝統食が中々若い人たちに根付かないと いう日本全国、根源的な課題です。 具体的な取り組みテーマと実施ポイントは ①気軽にはいってほしい、飽きなく味わってほしい ・モダンでオシャレな雰囲気で食べてもらうこと ・大きな窓で明るく、安心して入ることの出来る様子が外から見える ・入り口を中外2ケ所に ・1汁3菜コースを最低490円∼というワンコインから味わえる ・5種のスープを季節によって変える、SMLのサイズで注文できる ・キャッシュオンデリバリによるリーズナブルプライスの実現 ②多様な目的利用に答えることで接触機会を増やす ・情報発信基地「クロス10」にあるという立地を活かしスタッフを 観光コンシェルジュとしての教育していく ・料理教室、試食&マッチングフェア、賞味会、食育など レストランから派生する目的に応えられる店舗・サービスづくり 13 Action 料理開発/ユキマツリ詳細 行 動 ●出汁にこだわった5つのスープ料理*4シーズンの地元食材の具 ●魚沼産コシヒカリにこだわった2種のごはん(白米・玄米)+バリエーション ●ぼうだら・ぜんまい・くるまふ・雪室野菜など地域伝統食材の活用 ●雪室コーヒー・雪下人参スムージー・魚沼産コシヒカリ米粉のスイーツ 14 Action ツール開発/ユキマツリ 行 動 理念を伝えながら、メニューとその意味を伝え、販促にも役立つパンフレット ●越後妻有の地で育まれた食材や雪室野菜を中心に人手をかけた丁寧な料理=地産地消の店舗 ●一汁三菜を基本とした、美味しくて、愉しくて、健康的なメニューラインナップ ●仕様は、マークの形(正方形)を模した折仕様。カフェのパンフレットとしてはボリューム大だが、ターゲットに想いやこだわりを伝える為。 ●さらに、より販促の役割をもたせるために「価格目安表示」「クーポン表示」をいれこむ ●使用方法:①ターゲットが立ち寄る場所・店舗設置(十日町市:理美容室237軒、エステサロン4軒など) ②一部エージェントセールス 15 Action コンシェルジュ研修&体験メニューづくり/ユキマツリ 行 動 外部講師による①理念浸透②オペレーション作成③コンシェルジュ・サービス研修 ●外部講師:ヒューマンリンクアドバンス 猿田一公氏 20年に渡りFC飲食店のコミュニケーション・オペレーション・サービス研修に携わる ●初日∼2日め:理念の元、地域のコンシェルジュとしてのサービサーを目指すため、経営陣・幹部陣とのオペレーションマニュアル作成 ●3∼4日め:コンシェルジュ研修:理念・ブランドコンセプトの理解、ベーシックルール・オペレーションマニュアル理解・浸透、ロープレ 16